JP4141010B2 - 延伸ブロー成形方法及び透明延伸ブロー成形多層ボトル - Google Patents

延伸ブロー成形方法及び透明延伸ブロー成形多層ボトル Download PDF

Info

Publication number
JP4141010B2
JP4141010B2 JP19164198A JP19164198A JP4141010B2 JP 4141010 B2 JP4141010 B2 JP 4141010B2 JP 19164198 A JP19164198 A JP 19164198A JP 19164198 A JP19164198 A JP 19164198A JP 4141010 B2 JP4141010 B2 JP 4141010B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polycarbonate resin
stretch blow
bottle
layer
preform
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP19164198A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000015688A (ja
Inventor
寿昌 帆高
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Teijin Chemicals Ltd
Original Assignee
Teijin Chemicals Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Teijin Chemicals Ltd filed Critical Teijin Chemicals Ltd
Priority to JP19164198A priority Critical patent/JP4141010B2/ja
Publication of JP2000015688A publication Critical patent/JP2000015688A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4141010B2 publication Critical patent/JP4141010B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C2949/00Indexing scheme relating to blow-moulding
    • B29C2949/30Preforms or parisons made of several components
    • B29C2949/3008Preforms or parisons made of several components at neck portion
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C2949/00Indexing scheme relating to blow-moulding
    • B29C2949/30Preforms or parisons made of several components
    • B29C2949/3012Preforms or parisons made of several components at flange portion
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C2949/00Indexing scheme relating to blow-moulding
    • B29C2949/30Preforms or parisons made of several components
    • B29C2949/3016Preforms or parisons made of several components at body portion
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C2949/00Indexing scheme relating to blow-moulding
    • B29C2949/30Preforms or parisons made of several components
    • B29C2949/302Preforms or parisons made of several components at bottom portion
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C2949/00Indexing scheme relating to blow-moulding
    • B29C2949/30Preforms or parisons made of several components
    • B29C2949/3024Preforms or parisons made of several components characterised by the number of components or by the manufacturing technique
    • B29C2949/3026Preforms or parisons made of several components characterised by the number of components or by the manufacturing technique having two or more components
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C2949/00Indexing scheme relating to blow-moulding
    • B29C2949/30Preforms or parisons made of several components
    • B29C2949/3032Preforms or parisons made of several components having components being injected
    • B29C2949/3034Preforms or parisons made of several components having components being injected having two or more components being injected

Landscapes

  • Blow-Moulding Or Thermoforming Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Containers Having Bodies Formed In One Piece (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリカーボネート樹脂の優れた特徴である透明性を損なうことなく、耐衝撃性、耐アルカリ性が優れ、更に成形性、内容物の保存安定性の良好なポリカーボネート樹脂層とポリエチレンナフタレート樹脂層とからなる透明延伸ブロー成形多層ボトルを製造する延伸ブロー成形方法および透明延伸ブロー成形多層ボトルに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から調味料、油、ジュース、炭酸飲料、ビール、日本酒、化粧品、洗剤などの容器用の素材として種々のプラスチックが用いられている。またその素材としては、充填内容物の種類およびその使用目的に応じて種々のプラスチックが採用されており、これらのプラスチック素材のうちでポリエチレンテレフタレートあるいはポリエチレンナフタレートは、機械的強度、耐熱性、透明性およびガスバリヤ性に優れているので、ジュース、清涼飲料、炭酸飲料、調味料、洗剤、化粧品などの容器の素材として採用されている。また、これらの用途のうちで、ジュース、清涼飲料、炭酸飲料の充填用中空成形容器には、殺菌および高温充填を行なうことが求められており、このため高温充填に耐え得る耐熱性樹脂で該中空成形容器を形成することが要求されており、またこれらの充填用中空成形容器にはいずれも透明性、そして内容積にバラツキが小さいなどの形状安定性に優れていることが要求されている。
【0003】
特開平2−217222号公報には高延伸されたポリエチレンナフタレート樹脂製のボトルが提案されている。しかし、ポリエチレンナフタレート樹脂製のボトルは、ジュース等を充填した状態で搬送中の衝撃を受けたり、取扱い中に間違って落下させたりした時にデラミ現象を起すことがあり耐衝撃性の面で改良が要求されている。
【0004】
一方、ポリカーボネート樹脂は、この耐衝撃性の点でポリエチレンテレフタレート樹脂より優れている点でまた透明性、耐熱性に優れているため食用品の大型ボトルとして重用されている。しかし、水蒸気、酸素、二酸化炭素といった気体に対しては比較的高い透過性を示す。即ちガスバリヤに劣る。この気体透過性を改良する手段として、ポリカーボネート樹脂層に、気体透過性の低い材料、即ちガスバリヤ性材料を積層する方法が提案されている。特開昭61−222741号公報にはポリカーボネート樹脂層、オレフィンビニルアルコールコポリマー層、及びポリオレフィン層からなり、各層の結合層がオレフィンビニルエステルコポリマー及び変性ポリオレフィンコポリマーから選択された結合剤からなる多層構造体が提案されている。特開昭60−179255号公報にはポリカーボネート樹脂層の内層、ポリアルキレンテレフタレート等の中間層、及びポリカーボネート樹脂層の外層からなる多層中空ポリカーボネート容器が提案されている。特開昭61−270155号公報には、ポリカーボネート樹脂層とカルボン酸変性エチレン−α−オレフィンランダムコポリマーの層及びオレフィン−酢酸ビニル共重合体の鹸化物からなる層から構成される積層構造体が提案されている。特開昭62−46644号公報には酢酸ビニルを主成分とした特定の共重合層と他の熱可塑性樹脂との積層体が提案されている。これらの公報に提案された積層材料は、耐熱性に劣ったり、耐溶剤性が不十分などの欠点を有する。
【0005】
更に特開平5−124094号公報にはポリエステル樹脂層とTgが135℃以下のポリカーボネート樹脂層からなる透明多層ボトルが提案されているが耐熱性が不十分であり、特開平6−122145号公報にはポリカーボネート樹脂層、ポリエステル樹脂層及びポリカーボネート樹脂層の3層からなる延伸ブロー成形体が提案されているがこの場合には耐溶剤性が不十分である。
【0006】
これらの欠点、すなわち耐熱性及び耐溶剤性を共に改良する目的で、特開平7−101028号公報には芳香族ポリカーボネート樹脂層とポリアルキレンナフタレート樹脂層よりなる多層構造物が開示され、得られたボトルの外観は良好との記載がある。その実施例には直型65mmのフルフライト型スクリューを内蔵した外層用押出機、直径が40mmのフルフライト型スクリューを内蔵した内層用押出機を、各々の押出温度は280℃、270℃に設定し、2層用ダイを用い、外層は芳香族ポリカーボネート樹脂層50μm、内層はポリアルキレンナフタレート樹脂層としてポリエチレンナフタレート(固有粘度IV=0.6dl/g)50μmになるよう積層して、2種2層の多層ボトルが例示されている。
【0007】
このボトルは、その構成から清涼飲料用ボトル等にも有効であるが、トマトケチャップやマヨネーズボトルの如くスクイズボトルに特に有用であることが推定できる。
【0008】
一方、大型ボトル成形品を安価に得る方法として延伸ブロー成形法が注目されている。延伸ブロー成形とは、あらかじめ射出成形によりプリフォームを成形し、ついでプリフォームを加熱後、延伸ロッドでプリフォームを延伸しながら空気を吹き込んでブロー成形する成形法のことである。
【0009】
延伸ブロー成形法は従来の押出しブロー成形法に比べて寸法精度、特に口栓部の精度に優れることから、ガスバリヤ性を高めることが可能であり、また、外観も従来の押出しブロー成形法に比べて優れている。さらには、従来の押出しブロー成形法ではパリソンを金型で挟み込んでブロー成形するため金型のパーティングラインに沿ってバリが生じるとともに落下衝撃等によりパーティングラインから割れが発生し易いという問題があるのに対し、延伸ブロー成形法では上記問題を発生しないことから、耐衝撃性に優れているなどの特徴を有する。
【0010】
延伸ブロー成形の場合は、特にプリフォーム作成時に樹脂の加熱冷却工程があり、特に内層樹脂については外層樹脂の成形時に更に余分な熱履歴を受ける。更にプリフォームの加熱工程もあるためポリエチレンナフタレートを内層に使用した場合、ポリエチレンナフタレートの結晶化による白化を生じ易く、透明な延伸ブロー成形品を簡易に得ることはこれまでなされていなかった。
【0011】
一般に延伸ブロー成形法により、均一な肉厚の大型ボトル成形品を得るためには、プリフォーム加熱時の自重によるドローダウンが少ないこと、ブロー時の偏肉の無い膨らみ性を有することが材料に対して要求される。しかしながら、ポリカーボネート樹脂はプリフォーム加熱時の自重によるドローダウンが大きく、また、ブロー時の偏肉が多いため、均一な肉厚成形物が得られ難く、特に大型ボトル成形品の場合は成形が難しい。
【0012】
最近、成形装置面からのプリフォーム加熱時の自重によるドローダウンやブロー時の膨らみ性を改善する目的で、特開平8ー164557公報にプリフォームの射出工程が第1の成形金型と第2の成形金型に分けて行われ、前記第1の成形金型で内層が射出成形され、前記第2の成形金型で外層が射出成形され、プリフォームの加熱は、プリフォーム内外に設けられた加熱部材による輻射熱にて行われることを特徴とするポリカーボネート容器の成形方法が提案されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、食品用ボトル等に要求されている透明性、耐衝撃性、ガスバリヤ性、耐熱性、耐寒性、紫外線吸収性、市場から回収、洗浄、再充填し再使用する場合に行われるアルカリ洗浄に対する耐アルカリ性、内容物の保存安定性及び保香性に優れた透明延伸ブロー成形多層ボトルを製造する延伸ブロー成形方法及び透明延伸ブロー成形多層ボトルを提供することにある。
【0014】
本発明者は、かかる透明延伸ブロー成形多層ボトルを得るべく、その製造方法を鋭意検討した結果、該ボトルを得るためのプリフォームを特定の厚みを有するポリカーボネート樹脂層及びポリエチレンナフタレート樹脂層とすることにより、幅広い加工条件に対応し、容易に透明延伸ブロー成形多層ボトルが得られることを見出し本発明を完成するに至った。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(A)ポリカーボネート樹脂からなる外層と(B)ポリエチレンナフタレート樹脂からなる内層を有するプリフォームを延伸ブロー成形して透明延伸ブロー成形多層ボトルを製造する方法において、該プリフォームのポリカーボネート樹脂層の厚さを0.5mm〜30mm、ポリエチレンナフタレート樹脂層の厚さを0.5mm〜6mmであることを特徴とする延伸ブロー成形方法及び透明延伸ブロー成形多層ボトルに関する。
【0016】
本発明によって提供される透明延伸ブロー成形多層ボトルは、ポリカーボネート樹脂からなる外層とポリエチレンナフタレート樹脂からなる内層により構成される。
【0017】
本発明で使用されるポリカーボネート樹脂は通常エンジニアリング樹脂として使用される樹脂であり、二価フェノールとカーボネート前駆体を溶媒中(界面重合法)あるいは溶融状態(エステル交換法)で反応させて得られるポリカーボネート樹脂である。
【0018】
ここで使用する二価フェノールの代表的な例としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称ビスフェノールA)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキジフェニル)エーテル、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロキジフェニル)サルファイトおよびビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン等があげられる。好ましい二価フェノールはビス(4−ヒドロキジフェニル)アルカンであり、なかでもビスフェノールAが特に好ましい。
【0019】
上記二価フェノールとカーボネート前駆体を反応させてポリカーボネート樹脂を製造するに当たり、二価フェノールは単独または2種以上を使用することができ、またポリカーボネート樹脂は三官能以上の多官能性芳香族化合物を共重合した分岐状ポリカーボネート樹脂であっても、2種以上のポリカーボネート樹脂の混合物であってもよい。また、必要に応じて触媒、分子量調節剤、酸化防止剤を使用してもよい。
【0020】
このポリカーボネート樹脂の製造方法について基本的な手段を簡単に説明する。カーボネート前駆物質としてホスゲンを使用する溶媒法(界面重合法)の場合、通常酸結合剤および溶媒の存在下に反応を行う。酸結合剤としては例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物またはピリジン等のアミン化合物が用いられる。溶媒としては例えば塩化メチレン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素が用いられる。また反応促進のために例えば第三級アミンまたは第四級アンモニウム塩等の触媒を用いることもできる。分子量調節剤としては例えばフェノール、またはp−tert−ブチルフェノール及び4−(2−フェニルイソプロピル)フェノールのようなアルキル置換フェノール等の末端停止剤を用いることが望ましいが、末端停止剤及び必要に応じて分岐剤を、それぞれ反応の初期から又は反応の途中から添加する。その際、反応温度は通常0〜40℃であり、反応時間は数分〜5時間である。反応中のpHは10以上に保つのが好ましい。尚、結果として得られた分子鎖末端の全てが末端停止剤に由来の構造を有する必要はない。
【0021】
カーボネート前駆物質として炭酸ジエステルを用いるエステル交換反応(溶融法)では、不活性ガス雰囲気下に所定割合の二価フェノール成分及び必要に応じて分岐剤等を炭酸ジエステルと加熱しながら攪拌して、生成するアルコールまたはフェノール類を留出させる方法により行われる。反応温度は生成するアルコールまたはフェノール類の沸点等により異なるが、通常120〜300℃の範囲である。反応はその初期から減圧にして生成するアルコールまたはフェノール類を留出させながら反応を完結させる。また反応を促進するために現在公知のエステル交換反応に使用される触媒を使用することもできる。前記エステル交換反応に使用される炭酸ジエステルとしては、例えばジフェニルカーボネート、ジナフチルカーボネート、ビス(ジフェニル)カーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネート等が挙げられる。これらのうち特にジフェニルカーボネートが好ましい。また末端停止剤としてジフェニルカーボネートやメチル(2−フェニルオキシカルボニルオキシ)ベンゼンカルボキシレート等を、反応の初期段階でまたは反応の途中段階で添加することも好ましく行われる。
【0022】
ポリカーボネート樹脂の分子量は、粘度平均分子量で表して一般に10,000〜40,000、好ましくは15,000〜35,000である。本発明でいう粘度平均分子量(M)は塩化メチレン100mlにポリカーボネート樹脂0.7gを20℃で溶解した溶液から求めた比粘度(ηsp)を次式に挿入して求めたものである。
【0023】
ηsp/C=[η]+0.45×[η]2
[η]=1.23×10-40.83
(但し[η]は極限粘度であり、Cはポリマー濃度で0.7である。)
本発明に用いるポリカーボネート樹脂の構造粘性指数は、通常の溶融成形に供されているポリカーボネート樹脂の構造粘性指数NがN=1.2〜1.3であるのに対し、N=1.4〜8であるものが好ましく、より好ましくはN=1.6〜3である。
【0024】
この構造粘性指数Nは、ポリカーボネート樹脂の溶融特性は式Q=K・pN[式中Qは溶融樹脂の流動性(ml/sec)、Kは定数、pは圧力(kg/cm2)、Nは構造粘性指数]から求められる。N=1のときニュートン流動挙動を示し、Nが大きくなるほど非ニュートン挙動を示す。一般の成形条件で成形可能な構造粘性指数は、最大で10である。
【0025】
構造粘性指数がN=1.4〜8を有するポリカーボネート樹脂としては、粘度平均分子量10,000〜40,000である分岐剤を共重合した分岐状ポリカーボネート樹脂のみからのポリカーボネート樹脂、かかる分岐状ポリカーボネート樹脂と粘度平均分子量10,000〜40,000の直鎖状ポリカーボネート樹脂とを配合したポリカーボネート樹脂、粘度平均分子量70,000〜200,000の直鎖状超高分子量ポリカーボネート樹脂と粘度平均分子量10,000〜30,000の直鎖状ポリカーボネート樹脂とを配合した粘度平均分子量10,000〜40,000のポリカーボネート樹脂、及び粘度平均分子量70,000〜200,000の直鎖状超高分子量ポリカーボネート樹脂と粘度平均分子量10,000〜30,000の分岐状ポリカーボネート樹脂とを配合した粘度平均分子量10,000〜40,000のポリカーボネート樹脂も構造粘性指数NがN=1.4〜8であれば好適に用いることができる。尚ここで直鎖状ポリカーボネート樹脂としては実質的に分岐剤を配合することなく製造されたポリカーボネート樹脂をいう。
【0026】
構造粘性指数NがN=1.4〜8のポリカーボネート樹脂の更に具体的な例としては、粘度平均分子量10,000〜30,000の直鎖状ポリカーボネート樹脂100重量部に対して、粘度平均分子量70,000〜200,000の超高分子量ポリカーボネート樹脂及び/または粘度平均分子量10,000〜40,000の分岐状ポリカーボネート樹脂5〜25重量部を配合してなるポリカーボネート樹脂を好ましくあげることができる。かかるポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量は、前記の方法で測定する。
【0027】
超高分子量ポリカーボネート樹脂の構成成分は、上記粘度平均分子量10,000〜30,000の直鎖状ポリカーボネート樹脂の構成成分と異なっていてもよいが同一のものが好ましい。
【0028】
また直鎖状超高分子量ポリカーボネート樹脂として、粘度平均分子量が70,000〜200,000のものを使用した場合には、効率的に構造粘性指数を向上させると同時に溶融粘度を不必要に大きくすることがないため好ましく使用できるものである。
【0029】
また分岐状ポリカーボネート樹脂を製造するに当り、例えば下記例に示すような三官能以上の多官能性化合物の少なくとも一種以上を分岐剤として、全多価フェノールに対して0.05〜3.0モル%共重合させる方法によって製造される。ここで全多価フェノールとは、二価フェノールと三官能以上の多官能性化合物の合計をいう。分岐剤の例として、例えばフロログルシン、フロログルシド、又は4,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキジフェニル)ヘプテン−2、2,4,6−トリメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、1,3,5−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼン、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,1−トリス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,6−ビス(2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェノール、4−{4−[1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン}−α,α−ジメチルベンジルフェノール等のトリスフェノール、テトラ(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)ケトン、1,4−ビス(4,4−ジヒドロキシトリフェニルメチル)ベンゼン、又はトリメリット酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸及びこれらの酸クロライド等が挙げられ、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,1−トリス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)エタンが好ましく、特に1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンが好ましい。この分岐状ポリカーボネート樹脂の分子量は、前記の測定方法の粘度平均分子量で表わして一般に10,000〜40,000、好ましくは15,000〜30,000である。
【0030】
分岐状ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量が10,000〜40,000の場合には、効率的に構造粘性指数を高められると同時に、溶融粘度を不必要に上昇させないため好ましく使用できる。
【0031】
尚、かかる製造法によって得られた分岐状ポリカーボネート樹脂に、分岐剤を共重合してない直鎖状ポリカーボネート樹脂を混合することで、かかる分岐剤濃度及び分子量を満足する分岐状ポリカーボネート樹脂を調整してもよい。すなわち、分岐状ポリカーボネート樹脂にかかる直鎖状ポリカーボネート樹脂を混合する場合は、分岐剤濃度を全体の全多価フェノールに対して0.05〜3モル%、かつ粘度平均分子量を10,000〜40,000、好ましくは15,000〜30,000となるようにすべきである。
【0032】
本発明の透明延伸ブロー成形多層ボトルを構成するポリエチレンナフタレート樹脂は、ナフタレンジカルボン酸を主たる酸成分とし、エチレングリコールを主たるグリコール成分とするポリエステルである。
【0033】
本発明において、「ナフタレンジカルボン酸」とは、例えば2,6ーナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸及びそのエステル形成性誘導体を主たる対象とするが、その一部(30モル%未満)を、他のジカルボン酸、例えばシュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、またテレフタル酸、イソフタル酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、ジフェノキシエタン−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルスルホン−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、へキサヒドロテレフタル酸、デカリンジカルボン酸、テレラリンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸、グリコール酸、p−オキシ安息香酸などのオキシ酸などで置き換えてもよい。また酸成分のエステル形成性誘導体としては、低級アルキルエステル、フェニルエステル、酸無水物などを挙げることができる。
【0034】
さらに「グリコール成分」とは、エチレングリコールを主たる対象とするが、その一部(30モル%未満)を他のグリコール、例えばテトラメチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール及びネオペンチルグリコールなどの脂肪族ジオール、シクロヘキサンジメタノール及びトリシクロデカンジメチヂロールなどの脂環族ジオール、ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスヒドロキシエトキシビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールAなど、芳香族ジオールなどで置き換えてもよい。また、通常のポリエステルの如く、リン化合物等の熱安定剤、ヒンダードフェノール等の抗酸化剤、ベンゾトリアゾール、ヒドロキシベンゾフェノン、シアノアクリレート等の紫外線吸収剤、酸化チタン、カーボンブラック、テラゾールブルー等の顔料、染料、タルク等の核剤、高級脂肪酸塩等の結晶化促進剤、離型剤等々が添加されていても何らさしつかえない。
【0035】
さらに本発明における実質的に線状である範囲の量、例えば全酸成分に対し2モル%以下の量で、3官能以上のポリカルボン酸またはポリヒドロキシ化合物、例えばトリメリット酸、ペンタエリスリトール等を共重合したものも包含される。
【0036】
本発明におけるポリエチレンナフタレートは従来からのポリエステルの製造方法によって製造することができるが、中でもMg化合物、Ca化合物、P化合物、Ge化合物及びSb化合物等のエステル交換触媒存在下エステル交換する方法、即ちナフタレンジカルボン酸の低級アルキルエステルとエチレングリコールとを反応させて製造するのが好ましく、この反応においてナフタレンジカルボン酸の低級アルキルエステルの一部(例えば20モル%以下)を他の酸成分で置換してもよく、またグリコールの一部(例えば20モル%以下)を他のグリコール成分で置換してもよい。
【0037】
ナフタレンジカルボン酸の低級アルキルエステルとしては、例えばジメチルエステル、ジエチルエステル、ジプロピルエステル等を挙げることができ、特にジメチルエステル好ましい。
【0038】
このポリエチレンナフタレート樹脂は実質上線状であり、このことはポリエチレンナフタレートがo−クロロフェノールに溶解することよって確認される。
【0039】
ポリエチレンナフタレートのo−クロロフェノール中25℃で測定した極限粘度[η]は、0.3〜0.9dl/g、好ましくは0.4〜0.8dl/g、更に好ましくは0.6〜0.8dl/gであり、最も好ましくは0.62〜0.68dl/gである。
【0040】
なお、ポリエチレンナフタレートの極限粘度[η]は次の方法によって測定される。すなわち、ポリエチレンナフタレートをo−クロロフェノールに、1g/100mlの濃度で溶かし、25℃でウペローデ型毛細管粘度計を用いて溶融粘度の測定を行い、その後o−クロロフェノールを徐々に添加して、低濃度側の溶融粘度を測定し、0%濃度に外挿して極限粘度([η])を求める。
【0041】
この極限粘度指数が0.3〜0.9dl/gにすることで成形時の流動性即ち成形性と成形品の機械的特性を同時に満足でき、更に適度な耐アルカリ性を保持することができる。
【0042】
プリフォームを構成するポリカーボネート樹脂層の厚さは、0.5mm〜30mmであり、好ましくは1mm〜20mmである。この厚みが0.5mm未満では、加熱ポットにおける加熱中に、プリフォームの形状保持性が不十分となり、得られるブロー成形品の肉厚等の均一性が十分でなくなり、一方30mmを越えるとプリフォームを成形する際に、成形時間が長くかかる及び加熱ポットにおける加熱についても時間を要するようになるため、ポリエチレンナフタレート層が結晶化により白化を生じ好ましくない。
【0043】
一方、ポリエチレンナフタレート樹脂層の厚さは、0.5mm〜6mmであり、好ましくは1mm〜5mmである。この厚みが0.5mm未満では、ポリエチレンナフタレート樹脂の流動性が不足し、プリフォームを成形することが困難となる。一方6mmを超えるとプリフォームを成形する際にポリエチレンナフタレートが結晶化して白化したプリフォームを、再度加熱する際に、結晶を完全に融解するために過大な熱を与える必要があるため、成形サイクルが長くなるとともに、ポリカーボネート層も必要以上に加熱されることとなりプリフォーム全体が変形しやすくなる欠点がある。更にそれらを回避した場合の加熱では結晶の融解が不完全なため、ポリカーボネートの優れた特徴である透明性が低下してしまう欠点がある。尚ここでいうプリフォームにおけるポリカーボネート樹脂層の厚さ及びポリエチレンナフタレート樹脂層の厚さとは、プリフォーム胴部分のほぼ中央での厚みをいう。
【0044】
本発明の延伸ブロー成形方法は、上記で説明した構成をとることによりポリカーボネート樹脂の優れた特徴である透明性を損なうことなく耐衝撃性、耐アルカリ性等が優れた透明延伸ブロー成形多層ボトルを達成するものである。
【0045】
本発明はポリカーボネート樹脂層の厚さが0.07〜10mm、ポリエチレンナフタレート樹脂層の厚さが10〜2000μmであり、かつ全光線透過率が20%以上及びヘーズが50%以下である透明延伸ブロー成形多層ボトルを達成できるものである。かかるボトルは本発明の主目的である透明性を十分に満足すると同時に、ボトルとしての十分な強度及び耐アルカリ性、ガスバリヤ性、及び紫外線吸収性等を満足するものとなる。
【0046】
より好ましくは、ポリカーボネート樹脂層の厚さとしては0.07〜5mm、特に好ましくは0.1〜5mmである。ポリエチレンナフタレート樹脂層の厚さとして好ましくは30〜1500μm、特に好ましくは60〜1500μmである。更に透明性に関しては全光線透過率が50%以上、ヘーズが30%以下であり、特に好ましくは全光線透過率が70%以上、ヘーズが10%以下である。
【0047】
本発明でいう透明延伸ブロー成形多層ボトルの各層の厚さは、ボトル胴部の厚さをいい、一般に口栓部や底部のコーナーでは、この胴部の厚さより厚くなっている。本発明の透明延伸ブロー成形多層ボトルの厚さは、胴部で140μm以上が好ましく、より好ましくは150μm〜10mm、更に好ましくは200μm〜5mmである。特に内容積が5リットル以上の大型水ボトルの場合は、繰り返し使用するために高い耐衝撃性が要求され、1〜5mmが好ましい。
【0048】
本発明の透明延伸ブロー成形多層ボトルは、少なくともポリカーボネート樹脂層とポリエチレンナフタレート樹脂層の2層以上の層から形成されたものであるが、ポリカーボネート樹脂層とポリエチレンナフタレート樹脂層の間に変性ポリオレフィン等の粘着層、ホットメルト層等を介在させてもよい。また延伸ブロー成形されたボトルのポリカーボネート樹脂層の外側に更に、ポリエチレンナフタレート樹脂等のポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂等の熱可塑性樹脂層を熱収縮チューブ、熱収縮フィルム等により設けてもよく、また擦過防止のハードコート層、印刷層を設けてもよい。
【0049】
本発明で透明延伸ブロー成形多層ボトルの内面、即ちボトル充填物に接触する側にポリエチレンナフタレート樹脂を設ける目的の1つは、内容物の入ったボトルの取扱い中に落下等で強い衝撃を受けた時でもデラミ等の破損が発生しないためである。また第2の目的は、ポリカーボネート樹脂層中に存在するいろいろな不純物が、ボトル内容物中に溶出することを防止するためである。ポリエチレンナフタレート樹脂はポリカーボネート樹脂に比較して緻密な分子空間であるため、これらの不純物が樹脂分子内を極めて通過しにくい。かかるポリカーボネート樹脂中の不純物としては、界面重合法、即ちエマルジョン重合法によるポリカーボネート樹脂では、使用する溶媒(塩化メチレン、クロルベンゼン、n−ヘキサン等)の残留溶媒であり、また未反応の原料の二価フェノール(特にビスフェノールA)、反応生成物(Naイオン、塩素イオン等)、触媒の3級アミン、末端停止剤(フェノール、t−ブチルフェノール、クミルフェノール)及びスチレン換算の分子量3000以下の低分子量反応物があげられる。エステル交換法(溶融法)によるポリカーボネート樹脂では、未反応の二価フェノール(特にビスフェノールA)や炭酸ジエステル(特にジフェニルカーボネート)、反応生成物であるフェノール、反応触媒や失活剤の残渣である種々のカチオンイオン(ナトリウムイオン、カリウムイオン、カルシウムイオン、アンチモンイオン、チタンイオン、亜鉛イオン等金属イオンやアンモニウムイオン、4級アンモニウムイオン、3級アミンイオン等)、及びアニオンイオン(塩素イオン、硝酸イオン等)、末端停止剤のt−ブチルフェノール、クミルフェノール、フェニル−2−メトキシフェニル炭酸エステル、また上記の低分子量があげられる。
【0050】
界面重合法及びエステル交換法のポリカーボネート樹脂において、上記不純物の中でもボトル内容物の食料品の味を変質させるフェノール類、例えば未反応のビスフェノールAの溶出を防止することが肝要である。かかる未反応ビスフェノールAは、従来30ppm以上含有しており、本発明の構成をとると、このビスフェノールAの溶出をほとんど防止できるが好ましくは、20ppm〜液クロで検出限界以下、より好ましくは10ppm〜検出限界以下、最も好ましくは1ppm〜検出限界以下ビスフェノールAを含有するポリカーボネート樹脂が望ましい。また界面重合法のポリカーボネート樹脂では、使用する溶媒のほとんどが塩化メチレンであり、この塩化メチレンは従来から30ppm以上含有しており本発明の構成によってこの溶媒の溶出はほとんど防止できるが、好ましくは塩化メチレンを10ppm〜検出限界以下より好ましくは5ppm〜検出限界以下、最も好ましくは1ppm〜検出限界以下含有するポリカーボネート樹脂が好ましい。
【0051】
更に第3の目的は、市場からボトルを回収し、再使用するために行われるアルカリ洗浄に対して耐久性を保持することである。このアルカリ洗浄は、通常アルカリ濃度1〜4重量%、温度60〜80℃、洗浄時間2〜7分で行われており、数回の洗浄によりポリカーボネート樹脂やポリエチレンテレフタレート樹脂では、その条件が過酷のためストレスクラックが発生、促進する。一方、ポリエチレンナフタレート樹脂はこの耐アルカリ性が高いため数十回くり返し洗浄使用してもクラックが発生したり、ヘーズが上がる等の現象は見られない。この様な樹脂を内面に有した本発明の透明延伸ブロー成形多層ボトルは、耐アルカリ洗浄性に優れており、透明性の低下もほとんどない。
【0052】
本発明の透明延伸ブロー成形多層ボトルの製造には、一般には各層を構成する樹脂を数台の射出成形機を用いて射出してプリフォームを成形し、このプリフォームを更にブロー成形する方法が取られる。このブロー成形方法として、溶融状態のプリフォームをブロー金型内でブロー成形する一段方法、プリフォーム成形とブロー成形が別々の工程になっている二段方法等がある。
【0053】
本発明の透明延伸ブロー成形多層ボトルを形成するいずれの層にも、紫外線吸収剤、帯電防止剤、着色剤、抗菌剤、熱安定剤、特にポリカーボネート樹脂とポリエチレンナフタレート樹脂とのエステル交換を抑止するトリフェニルホスファイトの如くの亜リン酸エステルを本発明の目的を損なわない範囲で添加することができる。
【0054】
本発明の透明延伸ブロー成形多層ボトルの用途としては、牛乳、ヨーグルト、乳酸菌飲料、乳飲料等の乳製品ボトル、嗜好飲料、炭酸飲料、果実飲料等の清涼飲料品ボトル、飲料用の水を保存する5〜40リットルの水ボトル、清酒、ビール、ワイン等の酒類ボトル、油脂類ボトル、醤油、ソース、酢等の液体ボトル等が挙げられ、乳製品ボトル、清涼飲料品ボトル、水ボトルに好適であり、より好適には乳製品ボトル、水ボトル、最も好適には水ボトルである。
【0055】
【実施例】
以下に実施例を挙げて更に説明する。なお、実施例における部及び%は重量部及び重量%である。延伸ブロー成形性については成形機によりプリフォームを形成し、以下の方法で測定した。
【0056】
(1)構造粘性指数
乾燥したポリカーボネート樹脂ペレットを高化式フローテスター(島津製作所(株)CFT−500)のシリンダー(孔径1mm、長さ10mm)に入れ、温度を280℃に一定にして、加えた圧力P(100、120、140、160、180kgf/cm2)と夫々の溶融樹脂の流出量Q(ml/sec)を下記式測定し、夫々の値を両対数グラフにプロットして得られる回帰直線の勾配から求められる。
Q=K・PN(logQ=NlogP+1ogK)
Q:流出量(m1/sec)
P:圧力(kg/cm2
N:構造粘性指数
K:定数
【0057】
(2)透明性
全光線透過率はASTM D1003に準じて測定した。全光線透過率は20%以上、ヘーズは50%以下が好ましい。
【0058】
(3)耐アルカリ洗浄性
実施例及び比較例の各ボトルを3重量%NaOH水溶液中に60℃で7分間浸漬を5回くり返し、ボトルの外観及び透明性を目視で判定した。
○:全く変化なし。
×:ヘーズが上がったりクラック発生が数カ所起こった。
【0059】
(4)耐衝撃性
内容積20リットルの延伸ブロー成形多層ボトルを成形し、この延伸ブロー成形多層ボトルに水を20リットル充填して口栓部から水が漏れないように封じたのち、高さ4.5mから自由落下させ、この操作を3回くり返し、割れの有無を目視で判定した。ボトル5本のサンプルに対してかかる落下試験を行った。その基準は下記の通り。
○:割れなし。
△:割れないものの、変形が著しく、ピンホールが発生し、水が漏れる。
×:割れあり。
【0060】
(5)ドローダウン性
成形機により成形されたプリフォームを加熱する際、加熱後の自重による垂れ下がり量を測定する。
【0061】
(6)ブロー時の膨らみ性
プリフォームにブロー空気を吹き込んで膨らませて得られた内容積20リットルの延伸ブロー成形多層ボトルの肉厚を測定し、最大肉厚と最小肉厚との差を求め、ブロー時の膨らみ性を評価した。
【0062】
[実施例1〜5、比較例1〜4]
実施例及び比較例では表1記載の各層の樹脂を、はじめに内層を射出成形し、その外側に外層を二重射出成形して得られた長さ30cmの試験管状のプリフォームを用いて、その後延伸ブロー成形法によって透明延伸ブロー成形多層ボトルを成形した。
内層については外径が9cmで一定であり、厚みに従って内径が変わるものとした。一方外層については内径が9cmで一定であり厚みに従って外径が変わるものとした。樹脂温度320℃、金型温度110℃の条件ではじめに内層を射出成形し、その外側に外層を二重射出成形して得た。この成形直後のプリフォームを、内側の加熱部材として棒状ヒーターを、外側の加熱部材としてリング状ヒーターを有する加熱ポットに投入し、加熱部材の温度を内側及び外側ともに310℃として15秒間処理し、直後にブロー圧力5kgf/cm2の条件でブロー成形し、長さが約40cmである細口型の延伸ブロー成形多層ボトルを成形した。
表1における各成分の記号の意味は下記の通りである。
(A)ポリカーボネート樹脂(PC)
PC−A1:ビスフェノールAとホスゲンから界面重合法で合成した粘度平均分子量20,000直鎖状芳香族ポリカーボネート樹脂
PC−A2:ビスフェノールAとホスゲンから界面重合法で合成した粘度平均分子量30,000の直鎖状芳香族ポリカーボネート樹脂
PC−UM:ビスフェノールAとホスゲンから界面重合法で合成した粘度平均分子量120,000の超高分子量芳香族ポリカーボネート樹脂
PC−M:ビスフェノールA及び分岐剤として1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンとを、ジフェニルカーボネートとのエステル交換法で、分岐剤及びビスフェノールAの合計100モル%中、かかる分岐剤を0.3モル%共重合させた、粘度平均分子量24,500の芳香族ポリカーボネート樹脂
PEN:固有粘度[η]=0.65のポリエチレンナフタレート樹脂
(帝人(株)製)
【0063】
【表1】
Figure 0004141010
【0064】
【表2】
Figure 0004141010
【0065】
これらの表から明らかなように、本発明の実施例と比較例2を比較すると、本願発明の条件を満足する製造方法により得られたボトルは透明性も高く、更に内容物の保存性、耐アルカリ洗浄性、耐衝撃性、ブロー時の膨らみ性に優れる。一方ポリエチレンナフタレート層が厚く、本発明の条件を満足しない場合には透明性に欠け、良好なボトルが得られないことが分かる。
【0066】
【発明の効果】
本発明の延伸ブロー成形方法は、従来のポリカーボネート樹脂ボトルやポリエチレンナフタレートボトル単独では困難であった、ポリカーボネート樹脂の優れた特徴である透明性を損なうことなく、耐衝撃性、耐アルカリ性が優れ、更にガスバリヤ性、保香性、耐熱性、耐寒性、内容物の保存安定性の良好であり、さらに口栓部の精度に優れ、且つ耐衝撃性に優れるポリカーボネート樹脂からなる外層とポリエチレンナフタレート樹脂からなる内層とからなる透明延伸ブロー成形多層ボトルを製造する方法であり、得られたボトルは上記の特性を満足する極めて優れたものである。本発明の透明延伸ブロー成形多層ボトルは乳製品ボトル、清涼飲料品ボトル、水ボトルに有用であり、特に水ボトルに好適であり、その製造方法及びボトルの工業的利用価値は極めて大きい。

Claims (2)

  1. (a)ポリカーボネート樹脂からなる外層と(b)ポリエチレンナフタレート樹脂からなる内層を有する延伸ブロー成形多層ボトルであって、ポリカーボネート樹脂層の厚さが0.07〜10mm、ポリエチレンナフタレート樹脂層の厚さが10〜2000μmであり、かつ全光線透過率が20%以上及びヘーズが50%以下であることを特徴とする、(A)ポリカーボネート樹脂からなる外層と(B)ポリエチレンナフタレート樹脂からなる内層を有するプリフォームを延伸ブロー成形して透明延伸ブロー成形多層ボトルを製造する方法において、該プリフォームが二重射出成形により成形されたプリフォームであり、かつ該プリフォームのポリカーボネート樹脂層の厚さを0.5mm〜30mm、ポリエチレンナフタレート樹脂層の厚さを0.5mm〜6mmとすることを特徴とする延伸ブロー成形方法で成形された透明延伸ブロー成形多層ボトル。
  2. 透明延伸ブロー成形多層ボトルが乳製品ボトル、清涼飲料品ボトル、水ボトルから選ばれた1種である請求項記載の透明延伸ブロー成形多層ボトル。
JP19164198A 1998-07-07 1998-07-07 延伸ブロー成形方法及び透明延伸ブロー成形多層ボトル Expired - Fee Related JP4141010B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19164198A JP4141010B2 (ja) 1998-07-07 1998-07-07 延伸ブロー成形方法及び透明延伸ブロー成形多層ボトル

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19164198A JP4141010B2 (ja) 1998-07-07 1998-07-07 延伸ブロー成形方法及び透明延伸ブロー成形多層ボトル

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000015688A JP2000015688A (ja) 2000-01-18
JP4141010B2 true JP4141010B2 (ja) 2008-08-27

Family

ID=16278042

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP19164198A Expired - Fee Related JP4141010B2 (ja) 1998-07-07 1998-07-07 延伸ブロー成形方法及び透明延伸ブロー成形多層ボトル

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4141010B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008265078A (ja) * 2007-04-18 2008-11-06 Mitsubishi Engineering Plastics Corp 中空成形品
CN107627489B (zh) * 2017-10-11 2023-12-26 柳州灵控科技有限责任公司 塑料水瓶自动回收处理装置及其方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000015688A (ja) 2000-01-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0942952B1 (en) Process for making pen/pet blends and transparent articles therefrom
US6395865B2 (en) Process for making pen/pet blends and transparent articles therefrom
AU2005254346A1 (en) Preform and blow molded container from the preform
JPS62221538A (ja) ヒ−トセツト多層品
KR102137899B1 (ko) 감소된 기체 투과율을 가지는 폴리에스터 용기 및 필름
JP4727037B2 (ja) 共射出延伸ブロー成形容器
JP4141010B2 (ja) 延伸ブロー成形方法及び透明延伸ブロー成形多層ボトル
JP3594379B2 (ja) ポリエステル樹脂組成物の製造方法
JPS5939547A (ja) 耐ガス透過性に優れたポリエステル多層容器およびその製造法
JPH11100438A (ja) ポリエステル樹脂組成物の製造方法
JP4180186B2 (ja) エチレン−ビニルアルコール共重合体層を有する共射出延伸ブロー成形容器
JP4430833B2 (ja) ポリエステル組成物製ボトルおよびその製造方法
JPH11310216A (ja) 多層ボトル
JP2741917B2 (ja) 中空成形体
JP2741916B2 (ja) 中空成形体
JP3522043B2 (ja) ポリエステル、該ポリエステルからなるプリフォームおよび二軸延伸ボトルならびにポリエステル製二軸延伸ボトルの製造方法
JP3498939B2 (ja) ポリエステル、該ポリエステルからなるプリフォームおよび二軸延伸ボトルならびにポリエステル製二軸延伸ボトルの製造方法
JP2741918B2 (ja) 中空成形体
JP2741920B2 (ja) 中空成形体
JP2021025047A (ja) ポリエステル樹脂及びそれからなる射出成形体、ブロー成形体
JP2741914B2 (ja) 中空成形体
JP2021050303A (ja) ポリエステル樹脂組成物及びそれからなる射出成形体、ブロー成形体
JP2020152865A (ja) ポリエステル樹脂組成物及びそれからなる射出成形体、ブロー成形体
JP2741915B2 (ja) 中空成形体
JP2004168039A (ja) プリフォーム及びその製法、並びにこのプリフォームから成る二軸延伸容器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050314

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060601

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060606

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060803

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070731

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070919

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20071218

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080117

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20080404

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080520

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080610

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110620

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130620

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140620

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees