JP4139484B2 - 汎用コンバイン - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、汎用コンバインの選別装置の前部の上方にスクリュー型ロータを進行方向に対して直角方向に配置した脱穀部の構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より汎用コンバインは走行装置より前方に刈取部を突出し、該刈取部により刈り取った穀稈を後方へ搬送して脱穀部へ供給し、該脱穀部によって脱穀を行い、脱粒後の排稈は機体後方より圃場面に放出される。脱穀部において、受網を漏下した穀粒や藁屑やゴミ等は脱穀部下方に配置した選別装置によって選別され、藁屑やゴミ等は機体後部より排出され、精粒は脱穀部の側部に配置したグレンタンクに揚穀コンベアを介して搬送して貯留するように構成していた。そして、グレンタンクがいっぱいになると、排出オーガによってトラックの荷台等へ排出するように構成していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この汎用コンバインの脱穀部を構成するスクリュー式のロータは機体の進行方向と同方向であったために、脱穀処理を行うための距離は限られてしまい、長くするには機体全長も長くなっていた。そこで、ロータを機体進行方向に対して左右直角方向に配置し、該ロータを前後に二個配置し、このロータ上方にグレンタンクを載置して前後方向の長さと左右幅を狭めたレイアウトが考えられる。
【0004】
しかし、前記のような構成であると、脱穀部のメンテナンスを行う場合には、グレンタンクを上側方に回動させて、ロータの上方を開放する必要があり、また、ロータの下方の受網は外し難い位置となっていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
請求項1においては、走行装置(1)上に機枠フレーム(13)を載置し、該機枠フレ ーム(13)の下部を構成する下機枠フレーム(13b)内に選別装置(19)を配置し、該選別装置(19)の上部で、前記機枠フレーム(13)の上部の上機枠フレーム(13a)内に脱穀部(18)を配置し、該脱穀部(18)は、左右方向に軸心を有する第一ロータ(21)と第二ロータ(22)を前後平行に配置して構成し、更に、脱穀部(18)の両ロータ(21・22)上方にグレンタンク(30)を配置した汎用コンバインにおいて、前記機枠フレーム(13)の上部を構成する上機枠フレーム(13a)は、前記選別装置(19)を収納した下機枠フレーム(13b)より、進行方向一側に突設した形状とし、該脱穀部(18)は選別装置(19)よりも進行方向の一側に長く構成し、該突出した部分を第一ロータ室と第二ロータ室の連通部(23a)とし、進行方向一側の両ロータ(21・22)の略下半部の受網(23・24)が位置する部分を、開閉カバー(94)にて覆い、該開閉カバー(94)を進行方向の一側外方向に開閉可能に構成し、前記開閉カバー(94)上部にロータ(21・22)の回動軸(21d・22d)を迂回する凹部(94a・94b)を設けたものである。
請求項2においては、請求項1記載の汎用コンバインにおいて、前記開閉カバー(94)を、前記上機枠フレーム(13a)に回動可能に枢支し、該開閉カバー(94)と機体側との間にダンパー(96)を介装したものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳述する。図1は汎用コンバインの全体側面図一部断面図、図2は脱穀部及び選別装置の側面断面図、図3は脱穀部の平面断面図、図4は脱穀部の側面断面図、図5は同じく側面断面図、図6は機枠フレーム前部内のビータのメンテナンス構成を示す側面図部分断面図、図7は脱穀部から排稈を排出する第二ロータの別構成の平面断面図、図8は揚穀コンベアの側面図部分断面図、図9は機枠フレームの正面図、図10はロータ右端部を被装する脱穀部開閉カバーの回動構成の正面図一部断面図、図11は同じく進行方向の右側面図、図12は脱穀部開閉カバーを開けた状態の進行方向の右側面図、図13は上部カバーの支持構成を示す正面図、図14は脱穀部及び走行装置への動力伝達経路を示す側面図、図15は選別装置への動力伝達経路を示す側面図である。
【0007】
まず、本発明に係わる汎用コンバインの全体構成を図1乃至図3により説明する。クローラー式走行装置1上に機枠フレーム13が搭載され、該機枠フレーム13上に選別装置19や脱穀部18と、エンジン48等を収納するエンジンルーム49が載置固定され、脱穀部18上にはグレンタンク30が配置され、該グレンタンク30側部にはその内部に貯留された穀粒を排出する排出オーガ40が配置されている。また、前記機枠フレーム13より前方に刈取部8が突出されている。刈取部8はプラットホーム2内に横送りオーガ3を左右方向に収納し、回転駆動することによって穀稈を略左右中央に集めるようにしている。前記プラットホーム2前端下部には刈刃4が横設され、該刈刃4の前上方には掻込リール5が配設されている。前記プラットホーム2の両側の後部上に昇降リンク6の後部が枢支され、該昇降リンク6の前端に前記掻込リール5が回転自在に支持され、油圧モーター等によって掻込リール5が回転駆動される。また、前記プラットホーム2の両側前端には分草板7が配設されている。
【0008】
前記刈取部8と脱穀部18の間には搬送装置9が配置され、該搬送装置9は、フィーダハウス10内にコンベア11が収納され、前記プラットホーム2の後部左右中心よりやや進行方向に対して左側寄りで、前記横送りオーガ3のスクリュー羽根の送り終端位置に合わせてフィーダハウス10の前端が連通されている。該フィーダハウス10の後端は、脱穀入口12に連通されており、該脱穀入口12には左右水平方向に回転軸心を有する円筒状のビータ34が配置され、穀稈を強制的に脱穀部18へ送るようにしている。フィーダハウス10の後部は機枠フレーム13に昇降回動自在に支持されている。そして、フィーダハウス10の下面と機枠フレーム13との間には図示せぬ油圧シリンダーを介装して、刈取部8を昇降可能としている。さらに、前記フィーダハウス10とビータ34の上方には運転席15や操向ハンドル16等を収納したキャビン17を配置し、該キャビン17は機体左右中央前方の上方位置に配置して視界を良好として、刈取作業を確認し易くし、左右両側より乗り降りできるようにしている。
【0009】
また、前記フィーダハウス10、ビータ34及び脱穀入口12は、機体の進行方向に向かって左側寄りに設けられ、該脱穀入口12は第一ロータ(前ロータ)21の左前部に配置して、穀稈を脱穀部18の第一ロータ21の回動によって右方へ搬送するようにしている。
【0010】
前記ビータ34は機枠フレーム13前上部内に収納されている。図6に示すように、機枠フレーム13の左側面にはビータ34を取り出すための取出口64が開口され、該取出口64を覆う如く軸支板65がボルト等によって螺合され、該軸支板65の前後中央部にビータ34の回動軸が軸支されている。軸支板65を螺合したボルトを外して軸支板65を機枠フレーム13から取ることで、取出口64よりビータ34を抜き出してメンテナンスをすることができる。
【0011】
また、脱穀入口12の下面の傾斜板66の前後途中部には、メンテナンス用の掃除口66aが開口され、該掃除口66aを開閉自在に蓋体67が設けられている。即ち、前記掃除口66aの後部に蝶番68の一片が固設され、蝶番68他片が蓋体67後上部の下面に固設され、蓋体67が蝶番68の左右方向の支点を中心として下方に回動される。前記蓋体67の前下部には、蓋体67下面に沿って前下方に突出する縁部67aが形成され、蓋体67で掃除口66aを閉じた時に、縁部67aが掃除口66a直前下方の傾斜板66下面に当接され、ボルト69を用いて縁部67aを傾斜板66に螺合することで、掃除口66aが蓋体67で被装されるのである。そして、メンテナンスを行うときには、傾斜板66より下方の機枠フレーム13左側面の開口70を利用してボルト68を外し、蓋体67を下方に回動させて掃除口66aを開放して、ビータ34のメンテナンスを行うのである。
【0012】
前記脱穀部18は図1〜図3に示すように、第一ロータ(前ロータ)21と第二ロータ(後ロータ)22と受網23・24等からなり、前記機枠フレーム13上部に収納されている。前記第一ロータ21と第二ロータ22は略同じ形状に構成されており、筒の外周にスクリュー羽根21a・22aを設けたスクリュー型に構成されて、軸心は左右水平方向に向けられて、前後平行に配置されている。前後方向に軸芯を有するロータを配置した脱穀部では前後方向に長くなるが、左右に軸芯を有するロータ21・22を設けた脱穀部18では前後方向に短くすることができ、選別装置19後部の上方の空間を利用してエンジンルーム49を設けることができ、効率良くレイアウトができる。
【0013】
前記第一ロータ21と第二ロータ22の下方には、それぞれ受網23・24が配置され、第一ロータ21と第二ロータ22の上方はそれぞれ上部カバー35・36が配置されて、前ロータ室と後ロータ室を構成している。該上部カバー35・36と機枠フレーム13の間にはゴムや樹脂等で形成されるシール部材39を介装してシールしている。
【0014】
更に、図9に示すように、前記機枠フレーム13上部(上機枠フレーム13a)は、選別装置19を収納した機枠フレーム13下部(下機枠フレーム13b)より右側に突設された形状となっており、この上機枠フレーム13a内に第一ロータ21と第二ロータ22とが収納され、この両ロータ21・22の回動軸21d・22dを上機枠フレーム(13a)が構成する脱穀カバーで枢支している。つまり、脱穀部は選別装置19よりも右側に長く構成し、その突出した部分は第一ロータ室と第二ロータ室の連通部としている。また、前記上機枠フレーム13aの反対側の、進行方向左側面にはエンジン48から第一ロータ21と第二ロータ22へ動力を伝達するベルトやプーリで構成する動力伝達部110が配置されている。更に、図10〜図11に示すように、上機枠フレーム13a上に側部フレーム77を固設して第一ロータ21右側面を被装し、側部フレーム77上端部にヒンジ78・78やヒンジ78’・78’を介して前記上部カバー35・36の右端部が枢支され、後述する如くグレンタンク30の上方回動にともなわれて上方に回動するように支持されている。
【0015】
また、図10〜図12に示すように、前記第一ロータ21と第二ロータ22右側部下方と右側方の上機枠フレーム13a下面及び左側面と、第一ロータ21右側部の前方及び第二ロータ22右側部後方にかけて正面視及び側面視で略四角形状の脱穀部開閉カバー94を設けて、第一ロータ21と第二ロータ22右側部の前後面及び右側面と下面とを被装するようにしている。また、該脱穀部開閉カバー94上部は上機枠フレーム13a左側面(脱穀カバー)の上下途中部まで形成され、脱穀部開閉カバー94上部の第一ロータ21と第二ロータ22の回動軸21d・22dの回りに凹部94a・94bを設けて、上機枠フレーム13aに回動軸21d・22dを枢支する部分として枢結プレート(13c・13d)を形成して、上機枠フレーム13a側面(脱穀カバー)に開口13eを設けても第一ロータ21と第二ロータ22の回動軸21d・22dを枢支する剛性を維持している。
【0016】
また、前記脱穀部開閉カバー94下部の内端部直下方の下機枠フレーム13b右側面の上部に前後二箇所に蝶番95・95の一片を固設し、蝶番95・95の他片を脱穀部開閉カバー94下部に固設し、蝶番95・95の前後方向の回動支点を中心に脱穀部開閉カバー94上部を側下方に回動可能としている。更に、前記機枠フレーム13下部と脱穀部開閉カバー94下部との間にガススプリングからなるダンパー96が介装され、脱穀部開閉カバー94の回動時に大きな力を必要とせず補助するようにし、また、急激な回動を防止している。
【0017】
また、前記脱穀部開閉カバー94側面の上下中央部には、枢支ブラケット97・97が前後二箇所と中央部二箇所に突設され、各々の枢支ブラケット97・97端部を用いて前後方向に伸延するロック操作軸98が枢支されている。該ロック操作軸98の端部は脱穀部開閉カバー94前後端部よりさらに前方及び後方に伸延され、各々端部にフック99・99が固設されている。該フック99・99位置より内方の上機枠フレーム13aには係合凹部103・103が固設され、ロック操作軸98の回動操作で各フック99・99が係合凹部103・103内に係入されロックされるように構成されている。
【0018】
更に、前記ロック操作軸98の前後中央部にはブラケット100が固設され、ロック操作軸98の軸心の円周方向に回動支点を設けて棒状の操作アーム101が枢支されている。該操作アーム101の下方の脱穀部開閉カバー94側面にはL型の収納ガイド板102が固設され、操作アーム101を収納ガイド板102内に配置した時には操作アーム101がロック操作軸98を中心とした回動が規制されている。
【0019】
よって、前記操作アーム101を図11の二点鎖線のように収納ガイド板102より前方に回動させた後に、操作アーム101を手前に引くとロック操作軸98が回動し、両端部のフック99・99が係合凹部103・103から抜け出してロックが解除され、脱穀部開閉カバー94を側下方に回動させて、図12に示すように受網23・24の右端部が開放され、固定ボルト104・104・・・を取り外して受網23・24を抜き出してメンテナンスを行ったり交換することができるのである。そして、作業後に受網23・24を収納して脱穀部開閉カバー94を閉じ、操作アーム101を回動操作してフック99・99を係合凹部103・103内に係入して脱穀部開閉カバー94で上機枠フレーム13aの開口13eを閉じている。
【0020】
このように構成したことで、第一ロータ21と第二ロータ22の下方のメンテナンスが行い難い場所であっても、受網23・24を第一ロータ21と第二ロータ22への駆動伝達部が配置されることのない右側方の一部が開放されて取り出すことができ、メンテナンスを迅速に行うことができ作業性が向上され、また、品種に合わせて受網23・24を容易に交換できるので収穫する品種に合わせた脱穀構成となり汎用性が向上されるのである。
【0021】
また、前記第一ロータ21の上方を覆う側面斜視図略「コ」字状の上部カバー35前面の一部には開閉可能にロータ掃除蓋35aが設けられている。図6に示すように、ロータ掃除蓋35a下部は上部カバー35前下部とが蝶番73で回動可能に固設され、ロータ掃除蓋35a上部にフック74が上方に突出されて上部カバー35上面の係合体75に係合可能となっている。従って、前記係合体75の外し操作によって、フック74の係合が外れて蝶番73の左右方向の回動支点を中心としてロータ掃除蓋35a上部を前方に回動させて、第一ロータ21の前上部が開放され内部のメンテナンスを行うようにしている。尚、第二ロータ22の後面にも掃除蓋を設けて、第二ロータ22の後上部より内部のメンテナンスを行うこともできる。
【0022】
また、図2〜図4に示すように前記第一ロータ21下方の受網23右側の後部は前低後高に緩やかな円弧状で傾斜させ、第二ロータ22の上外周の接線方向に向かって延出されて連通部23aが形成され、該連通部23a後端は第二ロータ22の回転軌跡の前端部近傍まで延出されている。更に、図2、図5に示すように前記受網24の左後部に排出口24aが開口されている。
【0023】
また、前記第一ロータ21と第二ロータ22の上部カバー35・36は、側面視で下方を開放させた略「コ」字状に形成し、図4に示すように第二ロータ22の上部カバー36右側は前部を第二ロータ22の上端面から第一ロータ21の回動軸21dに向かって円弧状に延出されて連通上部36aを形成し、連通上部36a前端は第一ロータ21の回転軌跡の後端部近傍まで延出されている。そして、前記連通部23aと合わせて第一ロータ21と第二ロータ22との両脱穀空間が連通させる連通口を形成し、該連通口の開口を大きくしている。また、第一ロータ21と第二ロータ22との前後の間隔ができるだけ狭めて並設されて連通口を短くしており、第一ロータ21と第二ロータ22との作用不能な空間を少なくして受継性能を向上させている。
【0024】
また、図5に示すように、第二ロータ22の上部カバー36左側の後部を第二ロータ22の外周面より後上方に離れるように延出し、その傾斜角度を緩傾斜状として排出上部口36bを形成して、前記排出口24aと合わせて排藁を排出する開口を大きくしている。なお、前記上部カバー36の連通上部36aと排出上部口36bは徐々に略コ字状から円弧状に成るように構成している。
【0025】
また、前記第一ロータ21の上部カバー35内周面の後部側(後述する第一ロータ21の回転方向の上流側)に第一ロータ21の外周面に向けて側面視略三角形状の案内板37が固設されている。同様に第二ロータ22の上部カバー36内周面の前部側(後述する第二ロータ22の回転方向の上流側)に第二ロータ21の外周面に向けて側面視略三角形状の案内板38が固設され、第一ロータ21と第二ロータ22で搬送される穀稈の束を反転させて脱粒を促進させている。
【0026】
更に、略「コ」字状に形成した前記上部カバー35・36の水平状に成形した上部の内周面に送塵弁59・59・・・が左右幅方向に適宜間隔を開けて設けられ、上部カバー35・36上部に上下方向の回動支点を中心に回動自在に枢支されている。前記上部カバー35側の送塵弁59・59・・・と、上部カバー36側の送塵弁59・59・・・とが個別に回動操作され、穀稈が第一ロータ21内を移動する時間と、第二ロータ22内を移動する時間とを穀稈の品種や穀稈の状態に合わせた各々調整することができ、様々な品種等に合わせた汎用性のある脱穀部18が構成されるのである。
【0027】
また、第一ロータ21のスクリュー羽根21aは、第一ロータ21の左端より連通部23aの直左側までの間に形成され、連通部23a前方の第一ロータ21外周面には第一ロータ21の半径方向に突出する板状の送り羽根21b・21b・・が形成されている。該送り羽根21b・21b・・は本数を限定するものでないが、軽量化及び部品数の減少と搬送効率を高めるために三本が形成されている。同様に第二ロータ22のスクリュー羽根21aは、第二ロータ22の右端部より排出口24aの直右側までの間に形成され、スクリュー羽根22a終端部より左側の排出口24a前方の第二ロータ22外周面に送り羽根22b・22b・・が形成され、脱穀後の排藁(排稈)を送り羽根22b・22b・・で送って排出口24aより排出するようにしている。
【0028】
また、図3に示すように、前記第一ロータ21(及び第二ロータ22)のスクリュー羽根21a(スクリュー羽根22a)や送り羽根21b(送り羽根22b)が固設されるドラム21c(ドラム22c)は筒状に成形され、該ドラム21c(ドラム22c)の左右端部内には巻付防止板58・58が配置されている。図3に示すように、機枠フレーム13内周面の第一ロータ21(及び第二ロータ22)位置の側方に巻付防止板58・58が固設されている。該巻付防止板58は中心部に第一ロータ21の駆動軸を挿入可能な孔58aを開口し、ドラム21cの内径に略等しい外径を有する円板状に形成されている。さらに該巻付防止板58の外周部を内側に向けて屈曲させて縁部58bを形成し、該縁部58bをドラム21c端部の内周面に沿って若干の隙間を開けて挿入させて機枠フレーム13内周面との間の隙間をなくして、穀稈が第一ロータ21(及び第二ロータ22)の駆動軸に絡み付くことがないようにしている。
【0029】
前記巻付防止板58の縁部58bがドラム21c端部の外周面を被装する形状とせず、内周面に沿って挿入させたことでスクリュー羽根21a端部をドラム21c端部まで延出することができ、第一ロータ21(及び第二ロータ22)端部に搬送された穀稈をスクリュー羽根21aで左右方向に送ることができ、第一ロータ21(及び第二ロータ22)上に穀稈を滞留させることがないのである。
【0030】
また、前記の第一ロータ21と第二ロータ22とは同一の径であり、送り羽根21b・21b・・と送り羽根22b・22b・・とを同一形状として、さらに本発明において、第一ロータ21の回転方向を図2に示す進行方向の左側面視で反時計回りとし、第二ロータ22の回転方向を逆の時計回りとすることで、スクリュー羽根21aとスクリュー羽根22aとの巻回方向も同一とすることができ、第一ロータ21と第二ロータ22とを完全に同一形状として汎用性を高めることができ、コストの削減が図られている。また、第二ロータ22の回転方向を時計回りとすることで、第一ロータ21端部で後上方に搬送された穀稈を搬送方向を略同一方向として第二ロータ22で受け継ぐことができ、受け継ぎ易くしている。
【0031】
また、前記第二ロータ22と該第二ロータ22を被装する受網24及び上部カバー36は、第一ロータ21とこの受網23と上部カバー35より低い配置となっており、連通上部36aと連通部23aとで形成する連通口での受け継ぎがスムースとなって脱穀性能を向上し、また、上部カバー36が低くなることで、この上方に配置するグレンタンク30の容積を大きくすることができる。
【0032】
このような構成において、フィーダハウス10から脱穀入口12へ刈り取った穀稈が送られると、第一ロータ21の回転によって、刈取穀稈は右方へ搬送されながら脱粒される。そして、第一ロータ21の右端に至ると緩傾斜状に形成した連通部23a及び連通上部36aで形成する連通口から第二ロータ22の脱穀空間に送られる。この時、左側面視で反時計回りに回転する第一ロータ21によって穀稈が後上方に持ち上げられて連通口を介して第二ロータ22の脱穀空間に送られているが、第二ロータ22の高さ位置が第一ロータ21より低いので第二ロータ22の前上部に送ることができ、該第二ロータ22の回転方向が時計回りとなっているので穀稈の搬送方向をそのまま後上方に受け継ぐことができ、受け継ぎ性能が良いのである。
【0033】
そして、前記第二ロータ22の回転によって左方へ搬送されながら脱粒されている。また、第一ロータ21及び第二ロータ22の両スクリュー羽根21a・22aによって穀稈が束となって螺旋状に搬送されて行くが、穀稈の束が前記案内板37・38に当たって螺旋状の搬送方向が変えられたり、スクリュー羽根21a・22aとの間で揉まれて反転し、束状の穀稈の脱粒を促進し、この脱穀部18内で穀稈を確実に脱粒することができ下方の選別装置19前半部に穀粒を確実に落下させている。そして、残された排稈は第二ロータ22の左端に送られると、排出口24aより落下されている。
【0034】
また、排出口24aで落下された排稈が、選別装置19後部に落下されないように、排出口24a下部より後下方にガイドプレート60を延出している。
【0035】
即ち、図2、図3に示すように、前記ガイドプレート60は選別装置19後部の途中位置まで延出され、ガイドプレート60後部の上方とエンジンルーム49底面との間位置には、強制的に排稈を後方に送り出す排稈ビータ61が設けられている。該排稈ビータ61は前記ロータ21・22の外径に比べ外径を小さくしたコンパクトとし組立容易な形状とし、排稈ビータ61の回転速度を第二ロータ22の回転速度より速くして排稈ビータ61の周速度をロータ21・22より同等以上の速さとし、排稈を後方に送り出す性能を高めている。
【0036】
また、前記排稈ビータ61は、左右に回動軸を有する筒体であり、その外周面に複数個の側面視逆V型の送り歯61a・61a・・・を有するものである。また、前記排稈ビータ61は、左端部が排出口24aの左端部と一致し、排稈ビータ61の右端部は排出口24a右端部よりさらに右側に延出し、排出口24aより排出された排稈を後方に左右幅広く搬送して、機体後端部に左右に全幅に渡って横架されたチッパー式のスプレッダー62に受け継いで、該スプレッダー62の複数の鉈状の刃によって切断され、機体後端部より圃場に排出される。尚、前記排稈ビータ61は側面視逆V型の送り歯61a・61a・・・を形成しているが、側面視三角形状の板体を形成したり、単に左右方向に長い板状の送り羽根を設けた構成としても同様に後方に送り出すことができる。
【0037】
また、図7に示すように、第二ロータ22左側に固設した送り羽根22b’・22b’・・・の右側を左側より回転方向の後方側にする傾斜状に固設することで、送り羽根22b’・22b’・・・で後方に送り出す排稈を排出口24aより中央側に向けることができ、前記排稈ビータ61を介して排稈をスプレッダー62の右側に向けて飛ばして、排稈ビータ61による拡散性を向上することができ、スプレッダー62の全幅を有効に利用して機体後端より幅広く排出することもできる。尚、排稈ビータ61の送り歯を傾斜状に形成することによって、排稈をスプレッダー62の右側に向けて飛ばして、排稈ビータ61による拡散性をさらに向上する構成とすることもできる。
【0038】
また、前記ガイドプレート60を前後及び左右方向に長い線状の板体を用いて柵状に形成したり、クリンプ網で形成して脱粒して下方に落下させる脱粒処理ガイドとすることで、排稈ビータ61で後方に送り出すと同時に排稈をほぐして内部に残る穀粒を選別装置19上に落下させて、脱穀精度をさらに向上させることもできる。
【0039】
このように、排出口24aより落下された排稈が、排稈ビータ61によって後方に強制的に送り出されて、排稈を選別装置19上に落下させることがないようにし、選別装置19での選別性能を低下させることがないのである。
【0040】
また、前記排稈ビータ61の駆動軸61bは、選別装置19の左右側方を被装する機枠フレーム13下部の左右側面に枢支され、排稈ビータ61より右側に突出する駆動軸61bを筒体71で被装して排稈や藁屑等が絡み付いて駆動損失とならないようにしている。
【0041】
また、図2に示すように、前記脱穀部18下方には選別装置(揺動選別装置)19が配置され、その構成は、流穀板25、揺動本体50、選別風を発生させる唐箕27、選別された一番物を左右方向に搬送する一番コンベア28と二番物を搬送する二番コンベア31等より構成されている。前記一番コンベア28及び二番コンベア31は側面視でクローラー式走行装置1の後方に横設され、一番コンベア28の左端部に連通して立状に配したバケット式の揚穀コンベア29や、一番コンベア28の左端部の左端部に連設する還元コンベア32とクローラー式走行装置1とが干渉することのない効率的なレイアウトとしてる。さらに、図1に示すように選別装置19は機枠フレーム14の前後途中部より後部の間に収納され、選別装置19前方の機枠フレーム14前部とフィーダハウス10後下方位置に走行駆動用のミッション装置45を配置でき、効率の良いレイアウトとして全長を短くすることができる。
【0042】
前記揺動本体50は、前記第一ロータ21前端の下方より選別装置19の後端までに渡って配置され、揺動リンク機構51によって揺動自在に支持されている。前記揺動本体50前部には第一ロータ21と第二ロータ22の下方に渡って落下された穀稈を受けるグレーンパン50aが形成されている。該グレーンパン50aは側面視で波状に形成され揺動本体50の揺動で後方に搬送するようにしている。前記グレーンパン50a後端に連接してフルイ線52が配置されている。該フルイ線52の下方より揺動本体50の後端部にかけて、揺動本体50の幅方向に横架した複数のチャフフィンより成るチャフ部が配置されている。該チャフ部は、前側より脱粒された穀稈量に応じてチャフフィンの前下がり傾斜角度が変わる可動チャフ53と、手動によってチャフフィンの前下がり傾斜角度が変える手動チャフ54と、チャフフィンの前下がり傾斜角度が固定された固定チャフ55より構成されている。該チャフ部の下方の揺動本体50底面は落下口55bが開口され、図示せぬクリンプ網によって被装されている。
【0043】
また、前記揺動本体50のグレーンパン50aの前後途中部の下方に唐箕27が横設され、ガイドに従って後方に選別風を送り落下口55b等より揺動本体50内に選別風を送風して、前記チャフ部で比重選別と風選別とを行い、一番物と二番物とに選別している。
【0044】
このように構成して、前記第一ロータ21と第二ロータ22の受網23・24より落下された穀粒や藁屑等を揺動本体50のグレーンパン50a上に受け止めらて後方に搬送している。そして、グレーンパン50a後部よりフルイ線52で後方に跳ね飛ばしたり、そのままチャフ部に落下させて比重選別と風選別とを行っているが、前述した如くに脱穀部18後端部より排稈等が落下されることがないので、選別を行っているチャフ部上の流れがスムースとなって選別性能が向上され、一度に大量の穀稈を脱粒してもこの選別装置19で確実に処理することができるのである。そして、二番物を二番コンベア31より還元コンベア32を介して揺動本体50のグレーンパン50aの前後途中部上に落下させて、再度選別するようにし、完全に選別された一番物を一番コンベア28上に落下して揚穀コンベア29で上方に搬送してグレンタンク30に収納している。
【0045】
次に、前記揚穀コンベア29について説明する。図8、図9に示すように、前記一番コンベア28と二番コンベア31の側方より上方に向けて揚穀コンベア29が立設され、グレンタンク30の左側部の上方まで延出されている。前記揚穀コンベア29下部は円弧状の受部29aが形成され、該受部29a前部に一番コンベア28左端部が連通されている。前記揚穀コンベア29下部の一番コンベア28の後方位置に左右に駆動軸を有する揚穀駆動スプロケット80が軸支され、揚穀コンベア29上部に左右に回動軸を有する従動スプロケット81が軸支され、この駆動スプロケット80と従動スプロケット81に適宜間隔おきにバケット82・82・・・が固設されたチェーン(またはベルト)83が巻回されている。該揚穀コンベア29上部の従動スプロケット81周囲のケーシングは、従動スプロケット81直下方位置で分割され、グレンタンク30の左側部の上面へ延出するシュート部85が形成され、揚穀コンベア29とグレンタンク30とを連通させている。
【0046】
そして、前記揚穀駆動スプロケット80が駆動されると、一番コンベア28から揚穀コンベア29下部に搬送されて受部29aに溜まった一番物をカップ状に形成した前記バケット82・82・・・で汲み上げて行き、上方に搬送され従動スプロケット81位置で向きがかえられて、その遠心力によってバケット82内の穀粒を前方のシュート部85に送り込むこみ、グレンタンク30内に穀粒が貯留されるのである。また、バケット82による搬送中に揚穀コンベア29のケーシングとの間に一番物をかみ込むことがないので、スクリュー式のコンベアのように損傷することがないのである。
【0047】
また、前記シュート部85はグレンタンク30側に固設され、後述する如くグレンタンク30を回動させても、シュート部85のみが揚穀コンベア29側から外れて回動しており、揚穀コンベア29とグレンタンク30との連結を外すといった作業が不要となっている。尚、前記揚穀コンベア29のバケット82・82・・・が固設されたチェーン83が被装されたケーシング上部にはスポンジ等のシール部材352が固設され、グレンタンク30を作業位置の水平状とした時にシュート部85後下部がシール部材352を介して載置されており、揚穀コンベア29のシール性が向上され搬送する穀粒が漏れることがないのである。
【0048】
次に、前記グレンタンク30の形状及び支持構成について説明する。図1、図9に示すように、前記グレンタンク30は正面視で略四角形状のに形成され、図1に示す側面視のように、グレンタンク30下部が略逆3角形状に形成されており、略逆3角形状の頂部となるグレンタンク30下部を、第一ロータ21と第二ロータ22の上部カバー35・36上部間に配置され、空間を有効に使用した形状としている。また、前記グレンタンク30の右上部には傾斜状に形成して、この部分の直上方に排出オーガ40の前後向きの収納位置の回動オーガ42が配置される。
【0049】
また、前記グレンタンク30の右側下部は下方に膨出され、第一ロータ21と第二ロータ22上部の側方まで延出してこの部分に前後に軸心を有するスクリュー式の排出コンベア88が軸支され、逆三角形状のグレンタンク30下部に沿って左右にスクリュー式の横送りコンベア89が軸支されている。よって、前記グレンタンク30内の逆三角形状に形成した傾斜面に沿って全ての穀稈が横送りコンベア89を収納した桶部分に案内され、横送りコンベア89の駆動で右側の排出コンベア88の前後途中部に受け継がれて排出オーガ40を介して機外に排出されるのである。前記グレンタンク30右下部の排出コンベア88の収納位置が第一ロータ21と第二ロータ22右側方に位置されるが、図10に示すように前記脱穀部開閉カバー94の回動軌跡の上方となっており、脱穀部開閉カバー94が干渉されることがない。
【0050】
また、前記排出コンベア88前端部の直前方のグレンタンク30前下部と、グレンタンク30後下部の排出コンベア88位置に剛性の高い図示せぬ枢支部が形成され、該枢支部が機枠フレーム13上に固定され、グレンタンク30を排出コンベア88の回動軸線まわりに回動させることができる。
【0051】
そして、前記グレンタンク30途中部と機枠フレーム13との間に図示せぬ昇降アクチュエータを介装してグレンタンク30を上側方に自動で回動させることができる。また、前記グレンタンク30下面にブラケット91を固設し、ブラケット91と上部カバー35左端部との間をアーム92で連結することで、グレンタンク30とともに上部カバー35を前述した如くヒンジ78の枢支軸を中心に図10に示すように回動させることができる。また、図13に示すように、上部カバー36は、連通上部36aを含む進行方向に対して右側の固定カバー部36dと該固定カバー部36d左端より左側に延出する回動カバー部36cとに分割されている。前記固定カバー部36d左端上部と回動カバー部36c右端上部とがヒンジ78’・78’を介して枢支されている。前記固定カバー部36d左端部とグレンタンク30下面とを図示せぬアーム等を介して連結することで、、該ヒンジ78’・78’の前後向きの枢支軸を中心として図13に示すように上方に回動されるのである。
【0052】
従って、脱穀部18の上方にグレンタンク30を配置した構成としても、グレンタンク30が上側方に回動可能に構成されているので、脱穀部18上方よりメンテナンスを行うことができる。さらに、グレンタンク30の回動にともなわれて上部カバー36・37がそれぞれ回動されて、第一ロータ21と第二ロータ22とが開放され内部のメンテナンスを容易に行うことができるのである。
【0053】
次に、前記脱穀部18内の動力伝達構成について説明する。図14に示すように、機枠フレーム13後部の上方にエンジン48が載置され、該エンジン48の出力軸が左側に突出され、機枠フレーム13左側部より左側に駆動プーリ160が固設されている。また、前記第二ロータ22の回動軸22d左側方の機枠フレーム13にギヤケース161が固設され、該ギヤケース161にプーリ軸162aが軸支され、該プーリ軸162a上に第二ロータ入力プーリ162と小径の伝達プーリ166とが固設されている。また、前記第一ロータ21の回動軸21d左端部が機枠フレーム13より左側に突設されて端部に第一ロータ入力プーリ163と伝達プーリ168が固設されている。前記ビータ34の回動軸34a左端部にビータ伝動プーリ164が固設されている。
【0054】
前記駆動プーリ160と第二ロータ伝動プーリ162との間にベルト165が巻回され、伝達プーリ166と第一ロータ入力プーリ163との間にベルト169が巻回され、伝達プーリ168とビータ伝動プーリ164との間にベルト170が巻回され脱穀駆動伝達経路が構成され、第二ロータ22と第一ロータ21とビータ34とが連動されている。また、前記プーリ軸162aと回動軸22dとがギヤケース161内の図示せぬギヤで連動して回動軸22dに逆回転を伝達して前述した如く、第二ロータ22を第一ロータ21に対して逆回転させている。
【0055】
また、前記伝達プーリ166は二連式のプーリであり、排稈ビータ61の駆動軸61b左端部の排稈ビータ入力プーリ177との間にベルト178が巻回され、前記第一ロータ21や第二ロータ22と連動して排稈ビータ61が駆動されている。
【0056】
また、前記機枠フレーム13の前後途中部の下方に従動プーリ171が軸支され、機枠フレーム13前面下部に走行伝達軸172が軸支され、走行伝達軸172左端部に走行入力プーリ174が固設され、該走行伝達軸172右端部よりミッション装置45内に連動連結されている。前記駆動プーリ160は多連式のプーリであり、従動プーリ171は二連式のプーリであり、駆動プーリ160と従動プーリ171とにテンションローラ167によってテンションが与えられながらベルト173が巻回され、従動プーリ171と走行入力プーリ174との間にテンションプーリ175によってテンションが与えられながらベルト176が巻回されて走行駆動伝達経路が構成されている。該走行駆動伝達経路を介してエンジン48の駆動力がミッション装置45内に駆動力が伝達され、ミッション装置45で走行変速されてクローラー式走行装置1・1に走行駆動力が伝達されている。
【0057】
このように前記走行駆動伝達経路と脱穀駆動伝達経とによって機枠フレーム13の左側面に前記動力伝達部110が形成されている。また、前記排稈ビータ入力プーリ177には、後述する駆動ベルト154が巻回されてグレンタンク30上部内のレベリングコンベア140に駆動力が伝達されるのである。
【0058】
また、図3に示すように、前記排稈ビータ61の駆動軸61bの右端部が機枠フレーム13左側面より側方に突出され、この駆動軸61b右端部には選別装置伝動プーリ188が固設されている。図15に示すように、前記選別装置伝動プーリ188も二連式のプーリであり、ベルト179を介して後方のスプレッダー62を駆動するプーリ180に動力を伝達してる。また、一番コンベア28と二番コンベア31の各々の回動軸28a・31aの右端部が機枠フレーム13右側面より右側に突設された端部にプーリ181・182が固設されている。該プーリ181・182の間には揚穀コンベア29の揚穀駆動スプロケット80のスプロケット軸80a右端部のプーリ183が配置され、これらのプーリ188・181・182・183との間にベルト185が巻回され連動されている。
【0059】
また、前記機枠フレーム13前下部に唐箕27駆動用の唐箕入力プーリ184が配置されており、二連式とした一番コンベア28のプーリ181と唐箕入力プーリ184との間にベルト186が巻回され駆動力が伝達されている。また、二番コンベア31のプーリ182よりベルト187を介して揺動本体50の揺動リンク機構51に駆動力が伝達されている。このように機枠フレーム13右側面に選別装置駆動伝達経路が構成されている。よって、機枠フレーム13の左側と右側に分けてそれぞれの駆動伝達経路が設けられ、メンテナンスが行い易く構成されている。
【0060】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成したので、次のような効果を奏するものである。
請求項1に記載の如く、走行装置(1)上に機枠フレーム(13)を載置し、該機枠フレーム(13)の下部を構成する下機枠フレーム(13b)内に選別装置(19)を配置し、該選別装置(19)の上部で、前記機枠フレーム(13)の上部の上機枠フレーム(13a)内に脱穀部(18)を配置し、該脱穀部(18)は、左右方向に軸心を有する第一ロータ(21)と第二ロータ(22)を前後平行に配置して構成し、更に、脱穀部(18)の両ロータ(21・22)上方にグレンタンク(30)を配置した汎用コンバインにおいて、前記機枠フレーム(13)の上部を構成する上機枠フレーム(13a)は、前記選別装置(19)を収納した下機枠フレーム(13b)より、進行方向一側に突設した形状とし、該脱穀部(18)は選別装置(19)よりも進行方向の一側に長く構成し、該突出した部分を第一ロータ室と第二ロータ室の連通部(23a)とし、進行方向一側の両ロータ(21・22)の略下半部の受網(23・24)が位置する部分を、開閉カバー(94)にて覆い、該開閉カバー(94)を進行方向の一側外方向に開閉可能に構成し、前記開閉カバー(94)上部にロータ(21・22)の回動軸(21d・22d)を迂回する凹部(94a・94b)を設けたので、開閉カバーをあけることで、ロータ下方の受網側方が開放され、脱穀部上方のグレンタンクを取り外したり側方に回動させ、さらにロータを取り外すといった煩雑な作業を行うことなく、側方より抜き出してメンテナンスを迅速に行うことができ作業性が向上され、また、品種に合わせて受網を容易に交換できるので収穫する品種に合わせた脱穀構成となり汎用性が向上されるのである。
また、開閉カバーを設ける側面をロータ等への動力を伝達する動力伝達部の逆方向とすることで、動力伝達部を構成するベルト等を取り外す作業を行う必要がないのでさらにメンテナンスの迅速性が図られて作業性が向上する。
【0061】
また、前記開閉カバー上部にロータの回動軸を迂回する凹部を設け、開閉カバー形状に略合わせて脱穀部側方のカバーに開口を設けたので、受網を抜き出す開口を設けてもロータを枢結する部分の剛性を保つことができるのである。
【0062】
また、請求項2の如く、請求項1記載の汎用コンバインにおいて、前記開閉カバー(94)を、前記上機枠フレーム(13a)に回動可能に枢支し、該開閉カバー(94)と機体側との間にダンパー(96)を介装したので、開閉カバーの開閉操作を容易に行うことができ、作業性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 汎用コンバインの全体側面図一部断面図である。
【図2】 脱穀部及び選別装置の側面断面図である。
【図3】 脱穀部の平面断面図である。
【図4】 脱穀部の側面断面図である。
【図5】 同じく側面断面図である。
【図6】 機枠フレーム前部内のビータのメンテナンス構成を示す側面図部分断面図である。
【図7】 脱穀部から排稈を排出する第二ロータの別構成の平面断面図である。
【図8】 揚穀コンベアの側面図部分断面図である。
【図9】 機枠フレームの正面図である。
【図10】 ロータ右端部を被装する脱穀部開閉カバーの回動構成の正面図一部断面図である。
【図11】 同じく進行方向の右側面図である。
【図12】 脱穀部開閉カバーを開けた状態の進行方向の右側面図である。
【図13】 上部カバーの支持構成を示す正面図である。
【図14】 脱穀部及び走行装置への動力伝達経路を示す側面図である。
【図15】 選別装置への動力伝達経路を示す側面図である。
【符号の説明】
1 走行装置
13 機枠フレーム
13a 上機枠フレーム(脱穀カバー)
13c・13d 枢結プレート
13e 開口
18 脱穀部
19 選別装置
21 第一ロータ
22 第二ロータ
23・24 受網
28 一番コンベア
29 揚穀コンベア
30 グレンタンク
94 開閉カバー
94a・94b 凹部
96 ガススプリング(ダンパー)

Claims (2)

  1. 走行装置(1)上に機枠フレーム(13)を載置し、該機枠フレーム(13)の下部を構成する下機枠フレーム(13b)内に選別装置(19)を配置し、該選別装置(19)の上部で、前記機枠フレーム(13)の上部の上機枠フレーム(13a)内に脱穀部(18)を配置し、該脱穀部(18)は、左右方向に軸心を有する第一ロータ(21)と第二ロータ(22)を前後平行に配置して構成し、更に、脱穀部(18)の両ロータ(21・22)上方にグレンタンク(30)を配置した汎用コンバインにおいて、前記機枠フレーム(13)の上部を構成する上機枠フレーム(13a)は、前記選別装置(19)を収納した下機枠フレーム(13b)より、進行方向一側に突設した形状とし、該脱穀部(18)は選別装置(19)よりも進行方向の一側に長く構成し、該突出した部分を第一ロータ室と第二ロータ室の連通部(23a)とし、進行方向一側の両ロータ(21・22)の略下半部の受網(23・24)が位置する部分を、開閉カバー(94)にて覆い、該開閉カバー(94)を進行方向の一側外方向に開閉可能に構成し、前記開閉カバー(94)上部にロータ(21・22)の回動軸(21d・22d)を迂回する凹部(94a・94b)を設けたことを特徴とする汎用コンバイン。
  2. 請求項1記載の汎用コンバインにおいて、前記開閉カバー(94)を、前記上機枠フレーム(13a)に回動可能に枢支し、該開閉カバー(94)と機体側との間にダンパー(96)を介装したことを特徴とする汎用コンバイン。
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