JP4139245B2 - エアバッグドア部付車両用内装品の製造方法 - Google Patents

エアバッグドア部付車両用内装品の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エアバッグドア部付車両用内装品の製造方法に関し、特に、ドア部の剛性を増大するとともに、ドア部を安定して開放させる対策に係るものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、エアバッグドア部付車両用内装品として、例えば特許文献1に開示されているように、ドア部を有する内装パネルの裏側に、開口部を有する外側リムと、上記開口部に配置され、ドア部の裏側面に振動溶着されるドアフラップと、エアバッグ装置が締結固定される支持壁と、外側リム及びドアフラップを接続するヒンジ部とを備える支持アッセンブリが配設されたものが知られている。この支持アッセンブリには、上記外側リムと、ヒンジ部を除く部分のドアフラップの端部との間に所定幅の隙間が形成されている。そして、この隙間に対応するように上記内装パネルに薄肉の破断予定部を形成することにより、エアバッグ装置の作動時に、この破断予定部を破断させてドア部を開放させるようにしている。
【0003】
この種の車両用内装品を製造するには、例えば、上記支持アッセンブリを射出成形により、外側リム、ドアフラップ、支持壁及びヒンジ部を一体的に形成し、その後、この支持アッセンブリの外側リムを内装パネルのドア部周囲に溶着するとともに、ドアフラップをドア部裏面に溶着すればよく、これにより、内装パネルの裏側に支持アッセンブリが配設されたエアバッグドア部付車両用内装品を得ることができる。
【0004】
一方、車両用内装品として、例えば特許文献2に開示されているように、車両後方に向かって開放する上下一対のドア部の裏側にそれぞれヒンジ部材(flexible hinge members)が設けられたものが知られている。これら各ヒンジ部材は、別体に構成されるもので、それぞれフラップ部とヒンジ部と脚部とを備えている。この脚部はパネル本体からパネル裏側に延びる支持部に固定され、フラップ部は上記ドア部に固定されている。そして、一方のフラップ部では、ヒンジ部材におけるヒンジ部に対向するフラップ部の先端部がパネル裏側に段差状に突出するように設けられていて、このフラップ部の先端部は、破断予定部を越えて他方のフラップ部の先端部のパネル裏側まで延びている。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−71924号公報
【特許文献2】
米国特許第6089642号明細書(第2−3図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記前者の従来のものでは、支持アッセンブリにおいて、ヒンジ部に対向するドアフラップの先端側と、ヒンジ部の長さ方向両側の側端側とにおいて同じように隙間が形成されているので、ドアフラップ部の面積が小さくなり、上記支持アッセンブリによりドア部の剛性を全体として増大させることは困難である。また、上記隙間の幅が大きくなると、この隙間に直接作用するエアバッグの押圧力が増大し、ドア部に形成された破断予定部の部分で破断せず、その周囲に亀裂が生じ、この亀裂部分が飛散するという問題も生ずる。
【0007】
そこで、上記隙間の幅を先端側及び側端側においてそれぞれ極力小さくしようとすると、支持アッセンブリの成形時において外側リムとドアフラップとがバリによって繋がってしまうことがある。このために、上記隙間の幅をある程度の大きい幅に維持しなければ支持アッセンブリを効率よく製造することができないという問題もある。
【0008】
一方、上記後者の従来のものでは、一方のフラップ部の先端部が、破断予定部を越えて他方のフラップ部の先端部のパネル裏側まで延びるように形成されているので、両フラップ部間に形成される隙間を塞ぐことが可能となっている。しかしながら、このような状態で両フラップ部を成形するためには、各ヒンジ部材を別個に成形した後にこれらを別々にパネル本体に組み付けることが必要となる。したがって、この従来のものでは、部品点数が増大するとともに、車両用内装品の組立て工程が複雑になるという問題がある。
【0009】
そこで、本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、基材の裏側に配設されたバックアップ部材に所定の改良を施すことにより、車両用内装品のドア部の剛性を増大させるとともにこのドア部を安定して開放させることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明は、バックアップ部材の成形時において、プレート部の先端部と該先端部に対応するバックアップ部のシューティング口開口縁部との間の隙間が、基材への溶着後におけるプレート部の先端部と該先端部に対応するシューティング口開口縁部との間の先端側隙間よりも広くなるようにしている。また、前後2つのプレート部が一体に形成されるバックアップ部材において、成形時には、相対向するプレート部の先端部間に隙間が形成されるように展開した形態とする一方、基材への溶着後には、両先端部を重合するようにしている。
【0011】
具体的に、請求項1の発明は、破断予定部とドアヒンジ部とによって形成されるドア部を有する基材の裏側に、エアバッグを膨出させるための矩形状のシューティング口が開口されたバックアップ部と、上記ドアヒンジ部に対応するプレート側ヒンジ部を介して上記バックアップ部に一体成形され且つ該プレート側ヒンジ部を除く部分のシューティング口の開口縁部との間に所定隙間を有する状態で上記シューティング口を開放可能に閉塞するプレート部とを備えた樹脂製のバックアップ部材が配設され、上記プレート部が上記基材のドア部裏面に溶着されるとともに、上記バックアップ部がドア部周囲の基材の裏面に溶着され、上記プレート部の先端部と該先端部に対応する上記シューティング口開口縁部との間に先端側隙間を有し、上記プレート側ヒンジ部の長さ方向両側に位置するプレート部の側端部と該側端部に対応する上記シューティング口開口縁部との間に側端側隙間を有するエアバッグドア部付車両用内装品を対象とする。
【0012】
そして、このエアバッグドア部付車両用内装品の製造方法に関して、
上記プレート部の先端部と該先端部に対応する上記シューティング口開口縁部との隙間が上記先端側隙間よりも大きくなるような形態でバックアップ部材を成形した後、
上記プレート部をプレート側ヒンジ部を軸としてシューティング口側へ押圧してドア部裏面に溶着するとともに、バックアップ部をドア部周囲の基材の裏面に溶着することにより、上記先端側隙間が上記側端側隙間よりも狭くなるようにすることを特徴とする。
【0013】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、バックアップ部材には、バックアップ部のシューティング口開口縁部から基材と反対側に延び、エアバッグ装置を収納する筒状部が一体に形成されている。
【0014】
また、請求項3の発明は、基材に破断予定部とドアヒンジ部とが形成され、上記破断予定部及びドアヒンジ部に囲まれる領域によりドア部が構成されており、上記ドア部の裏側に位置するエアバッグ装置の作動により上記破断予定部が破断して、上記ドア部がドアヒンジ部を支軸として回動しながら開き、該破断によって形成された開口部からエアバッグが車室内へ膨出するようにされ、
上記ドア部は、車幅方向に延びる前側ドアヒンジ部を支軸として回動する前側ドア部と、該前側ドア部の後側に位置し、車幅方向に延びる後側ドアヒンジ部を支軸として回動する後側ドア部とに車両前後方向に2分割され、上記ドア部周囲の基材の裏面に一体に溶着され、エアバッグ装置の作動時にエアバッグが膨出するシューティング口を有するバックアップ部と、上記シューティング口を塞ぐように配置され、上記前後2つのドア部の裏面にそれぞれ溶着される前側プレート部及び後側プレート部と、上記前後のドアヒンジ部にそれぞれ対応して配置され、上記前後のプレート部をバックアップ部に一体に結合するプレート側ヒンジ部とが一体に形成されたバックアップ部材が設けられ、
上記前後のプレート部の相対向する先端部は、互いに離脱可能に重合されているエアバッグドア部付車両用内装品を対象とする。
【0015】
そして、このエアバッグドア部付車両用内装品の製造方法に関して、
上記前後のプレート部の先端部間に隙間が形成されるように展開した形態でバックアップ部材を成形した後、
上記少なくとも一方のプレート部をプレート側ヒンジ部を軸としてシューティング口側へ押圧して、上記前後のプレート部を前後のドア部裏面に溶着するとともにバックアップ部をドア部周囲の基材の裏面に溶着することを特徴とする。
【0016】
また、請求項4の発明は、請求項3の発明において、後側プレート部の先端部は、前側プレート部の先端部の上側に重合されている。
【0017】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、バックアップ部材の成形時には、プレート部の先端部とシューティング口開口縁部との間の隙間が先端側隙間よりも大きくなるような形態とするようにしたために、プレート部の先端部とシューティング口開口縁部とがバリによって繋がってしまうのを効果的に防止することができ、そして、バックアップ部材が基材に溶着された状態での先端側隙間の幅を極力狭くすること、すなわち、先端側隙間を側端側隙間よりも確実に狭くすることができる。したがって、バックアップ部材の成形を効率よく行うことができ、車両用内装品を効率よく製造することができる。
【0018】
そして、プレート部の先端部と該先端部に対応するシューティング口開口縁部との間の先端側隙間が、プレート部の側端部と該側端部に対応するシューティング口開口縁部との間の側端側隙間よりも狭く形成されている。したがって、エアバッグにより押圧されるプレート部の受圧面を先端部側に拡大することができ、ドア部自体の剛性を増大できる一方、先端側隙間にエアバッグの展開圧力が直接作用しないため、先端側隙間に対応する破断予定部に亀裂が生ぜず、ドア部をプレート部と共に安定して開放させることができる。
【0019】
また、請求項2の発明では、バックアップ部材に筒状部を一体に形成するようにしたので、エアバッグ装置を収容するための部品を新たに追加する必要がなくなり、部品点数の削減に寄与できる。
【0020】
また、請求項3の発明では、バックアップ部材の成形時には、前後のプレート部の先端部間に隙間が形成されるように展開した形態とされている。そして、このバックアップ部材を基材の裏面に溶着するときには、少なくとも一方のプレート部を、プレート側ヒンジ部を軸としてシューティング口側へ押圧して回動し、この状態でバックアップ部材を基材に溶着する。
【0021】
つまり、本発明に係るバックアップ部材は、プレート部の先端部が互いに重合する状態で一体に成形されるものである。したがって、このように先端部が重合する状態でバックアップ部材に両プレート部を一体に成形することは困難である。そこで、本発明では、バックアップ部材の成形時において、両プレート部の先端部間に隙間が形成されるように展開した形態に成形するとともに、基材への溶着時には、プレート側ヒンジ部を軸としてプレート部を回動させることで、両プレート部の先端部を重合状態としている。これにより、プレート部がバックアップ部に一体に形成されるとともに、両プレート部の先端部が重合されたバックアップ部材を容易且つ確実に成形でき、車両用内装品を安価に製造することができる。
【0022】
そして、バックアップ部材に前後2つのプレート部を一体に形成するようにしたので、これらプレート部をそれぞれ別個に成形しておく必要がなくなり、部品点数を削減できるとともに、プレート部の成形後にこのプレート部をバックアップ部材に組み付ける工程を省くことができ、車両用内装品の組み立て工程を簡素化できる。また、プレート部の相対向する先端部を互いに離脱可能に重合したので、ドア部の補強効果を向上できる一方、エアバッグ装置の作動時には、両プレート部を容易に離間させることができ、これにより、ドア部を安定して開放させることができる。
【0023】
また、請求項4の発明では、後側プレート部の先端部が前側プレート部の先端部の上側に配置されている。したがって、乗員が押圧し易い乗員手前側、即ち車両後側のプレート部が上から押圧されると、この押圧力を前側プレート部の先端部によって受け止めることができ、上記押圧力を両プレート部に分散することができる。また、前後のプレート部の肉厚を大きくしたり剛性の高い高価な材料を使用することなく、剛性の高いプレート部を安価に製造することができる。
【0024】
さらに、本発明では、乗員側、即ち車両後側のプレート部の先端部が前側プレート部の先端部に対して、上側に配置されるために、エアバッグの膨出時には、後側プレート部が前側プレート部よりも早く開放することになり、乗員に対する安全性を一層確保することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0026】
(実施形態1)
図1は、車室の前部に配置されたエアバッグドア部付車両用内装品としてのインストルメントパネルAのパネル本体1を部分的に示しており、このパネル本体1は、その一部分、即ち助手席前方に対応する部分にエアバッグドア部5を備えている。このエアバッグドア部5は、後述するエアバッグ(図示省略)の展開時に破断する破断予定部7がパネル本体1の表面側からは識別できない、いわゆるシームレスタイプに構成されている。
【0027】
上記パネル本体1は、図2に示すように、サーモプラスチックオレフィン(TPO)等を射出成形した樹脂製の基材10と、該基材10の表面側に一体に接合される樹脂製の表皮材11とからなる。尚、図2における左側が車両前側、即ちフロントガラス側となっており、右側が車両後側、即ち助手席側となっている。
【0028】
上記基材10の裏面には、表面側に向けて凹設される第1溝部13aと、この第1溝部13aよりは浅く表面側に向けて凹設される第2溝部13bが形成されている。第1溝部13aは、車両前側が開放したコ字状に形成される一方、第2溝部13bは、第1溝部13aの前端同士を連結するように車幅方向に延びている。これにより、第1溝部13a及び第2溝部13bは、パネル表面側から見て矩形の各辺をなすように配置されている。第1溝部13aの表面側に形成されるエアバッグドア部5の薄肉部により上記破断予定部7が構成され、また第2溝部13bの表面側に形成されるエアバッグドア部5の薄肉部によりドアヒンジ部9が構成されている。このドアヒンジ部9は破断予定部7よりは厚肉に形成されている。そして、破断予定部7及びドアヒンジ部9は、車両前側に向かって開放(回動)する矩形状のドア部15の外縁を形成している。すなわち、エアバッグドア部5とは、エアバッグの展開によって開放するドア部15と、該ドア部15の周辺部とを含んでいる。
【0029】
上記パネル本体1の基材10の裏側には、バックアップ部材17が配設されている。このバックアップ部材17は、樹脂成形体からなるものであり、エアバッグが膨出するための略矩形状のシューティング口19が開口し、上記ドア部15の外側周囲における基材10に沿って延びるバックアップ部25と、上記シューティング口19内にその開口縁部つまりバックアップ部25との間に所定隙間31を有する状態で配置されるとともに上記ドア部15に沿って延びる補強用のプレート部23とを備えている。このプレート部23は、プレート側ヒンジ部27を介してバックアップ部25の上記シューティング口19の開口縁部内側に連結されている。
【0030】
上記プレート部23は、ドア部15の形状にほぼ対応した大きさの板状体に形成されるとともに、シューティング口19の開口位置に対応するように配置されている。そして、上記プレート側ヒンジ部27に対向するプレート部23の先端部と、この先端部に対応するシューティング口開口縁部との間に形成される先端側隙間31aは、その幅W1が極力小さく、例えば5〜2mmになるように形成されている。一方、プレート側ヒンジ部27の長さ方向両側に位置するプレート部23の側端部と、この側端部に対応するシューティング口開口縁部との間に形成される側端側隙間31bの幅W2は、上記幅W1よりも大きく形成されている(図1参照)。すなわち、上記先端側隙間31aの幅W1は、上記側端側隙間31bの幅W2よりも狭く形成されている。これは、バックアップ部材17の成形を後述のような方法で行うことによる幅の相違である。
【0031】
上記バックアップ部25は、ドア部15の外側周囲を延びるように形成されているもので、シューティング口19の車体前側に配置される基端側部25aと、シューティング口19の車両後側に配置される先端側部25bと、シューティング口19の車幅方向両側に配置されて基端側部25a及び先端側部25bを連結する左右側部(図示省略)とを備えている。これら基端側部25a、先端側部25b及び左右側部は、プレート部23の延長面上を基材10に沿って延びており、そのうちの先端側部25bの外端部はパネル裏側方向に折れ曲がっている。
【0032】
上記プレート部23及びバックアップ部25の表側面には、所定間隔をおいて配置される複数の溶着用突起33が設けられている。そして、この溶着用突起33により、プレート部23の表側面がドア部15における基材10の裏側面に、またバックアップ部25の表側面がドア部15の外側周囲における基材10の裏側面にそれぞれ溶着されている。このプレート部23は、後述するように、基材10によって表側面を押圧された状態で振動溶着方法により溶着されている。
【0033】
上記プレート側ヒンジ部27は、ドア部15をなす矩形の車両前側一辺の全体に亘って配置されるとともに、バックアップ部25の基端側部25aとプレート部23の基端部とを接続している。プレート側ヒンジ部27は、パネル本体1に対して空間を有するように湾曲する断面略U字状に形成されている。そして、このプレート側ヒンジ部27に対応する表側の基材10に上記第2溝部13bが配置されており、このことにより、ドア部15の開放時にプレート側ヒンジ部27がパネル本体1に干渉するのを防止するようになっている。
【0034】
プレート部23の先端部側の上記第1溝部13aは、先端側隙間31aの表側に配置され、また、プレート部23の側端部側の上記第1溝部13aは、側端側隙間31bの表側に配置されている。これにより、プレート部23にエアバッグの展開圧力が作用したときに、破断予定部7を速やかに破断することができるようになっている。
【0035】
上記バックアップ部材17には、パネル本体1から離れる側に向かって延び且つ上端に上記シューティング口19が開口する筒状部21が形成されている。そして、プレート部23、バックアップ部25、プレート側ヒンジ部27及び筒状部21は、射出成形により一体的に形成されている。
【0036】
上記筒状部21は、シューティング口19の車両前側に配置され、バックアップ部25の基端側部25aに一体的に結合される車幅方向に延びる基端側部21aと、該基端側部21aに対向するようにシューティング口19の車両後側に配置されて車幅方向に延びる先端側部21bと、基端側部21a及び先端側部21bの両端部同士を連結する車両前後方向に延びる一対の左右側部21c,21cとを備えている。また、上記筒状部21の中間部には、該筒状部21の板厚方向に貫通する複数の長孔29が形成されている。
【0037】
上記筒状部21の内側には、車両前後方向からの衝撃に対して助手席乗員を保護するエアバッグ装置35が収容されている。このエアバッグ装置35は、上記エアバッグとインフレータ(図示省略)とを収納するエアバッグケース36を備えている。このエアバッグケース36の下端には、ボルト34が突設されている。このボルト34は、金属製ブラケット38の一端部を貫通してボルト34にナット34aを螺合することによりエアバッグケース36が上記ブラケット38に締結されている。そして、このブラケット38の他端側は、インストルメントパネルAを支持する金属製インパネレインフォースメント39に溶接固定されている。このインパネレインフォースメント39は車幅方向に延びるものであり、その両端部において車体(図示省略)に固定されている。すなわち、上記エアバッグケース36下端がインパネレインフォースメント39にブラケット38を介して連結されている。
【0038】
また、エアバッグケース36には鉤状の取付具37が固定されていて、エアバッグケース36は、この取付具37を介して上記筒状部21の長孔29に掛合されている。この長孔29に取付具37を挿入することにより、エアバッグの膨出時に取付具37が長孔29に引っ掛かってバックアップ部材17が車室側に飛び出すのを防止できるようになっている。
【0039】
エアバッグはエアバッグケース36に折り畳まれた状態で収納されており、インフレータは車両の衝突が検知されるとガスを発生させるようになっている。このインフレータの作動によって発生したガスによりエアバッグが膨張して展開するようになっている。そして、このエアバッグの展開圧力をドア部15が受けると、破断予定部7及びドアヒンジ部9が破断し、ドア部15は、バックアップ部材17のプレート部23とともにプレート側ヒンジ部27を軸として開放する。
【0040】
−インストルメントパネルの製造方法−
ここで、上記エアバッグドア部5を有するインストルメントパネルAの製造方法について説明する。図3は上記エアバッグドア部5のバックアップ部材17を射出成形するための成形型40を示しており、この成形型40は、バックアップ部材17のプレート部23、バックアップ部25及びプレート側ヒンジ部27の各表側面を成形するための成形面を有する第1型41と、プレート部23、バックアップ部25、プレート側ヒンジ部27の裏側面及び筒状部21を成形するための成形面を有する第2型44とを備え、両型41,44の成形面間にキャビティ50が形成されている。このキャビティ50により筒状部21、プレート部23、バックアップ部25及びプレート側ヒンジ部27を一体的に成形できるようになっている。
【0041】
上記キャビティ部50は、プレート部23の先端部を成形するプレート部成形部50aと、プレート部23の先端部に対応するシューティング口開口縁部を成形する開口縁部成形部50bとを備えている。上記成形型40には、上記プレート部成形部50aと開口縁部成形部50bとの間の連通を遮断するシール部57が形成されている。このシール部57は、第1型41に形成された第1シール部57aと、第2型44に形成された第2シール部57bとからなる。上記第1シール部57aはプレート部成形部50aに連続し、型締圧力を受ける面を有する主シール部と、この主シール部及び上記開口縁部成形部50b間で型スライド方向に略平行な面を有する副シール部とからなり、上記第2シール部57bは第1シール部57aに対応する形状に形成されている。そして、第1シール部57a及び第2シール部57bは液密状に圧接され、これにより、プレート部成形部50aと開口縁部成形部50bとの間の連通を遮断するようになっている。つまり、このシール部57により、プレート部23の先端部とシューティング口19開口縁部との間に隙間を形成することができるようになっている。そして、上記プレート部成形部50aは、開口縁部成形部50bよりも第1型41へ向かう方向に所定寸法だけ位置ずれした状態となっている。
【0042】
上記シール部57の幅W2はその長さ方向に略一定とされている。このシール部57には、プレート部23の側端部とシューティング口19開口縁部との間を形成する成形型40のシール部(図示せず)に連続し、このシール部の幅は上記幅W2と同等に設定されている。これにより、成形されたバックアップ部材17においてシューティング口19開口縁部及びプレート部23間に形成される隙間が、プレート部23の先端部側と側端部側とにおいて同等の幅W2となるようになっている。
【0043】
尚、上記第1型41のキャビティ50に臨む成形面には、所定間隔をおいて配置される複数の凹部55が形成されており、これらの凹部55によりプレート部23及びバックアップ部25に溶着用突起33が形成される。
【0044】
このような成形型40のキャビティ50に溶融樹脂を射出し、該溶融樹脂が固化した後、第1型41と第2型44とを開き、バックアップ部材17を脱型する。この成形型40から取り出された成形後のバックアップ部材17のプレート部23の先端部は、バックアップ部25のシューティング口19の開口位置よりも所定寸法だけプレート表側(プレート部23の開き側)に位置するように展開した開き位置の形態に成形されている。このときのプレート部表側面方向から見たプレート部23及び開口縁部間の隙間は、先端部側及び側端部側においてそれぞれ幅W2となっている。
【0045】
次に、上記バックアップ部材17のプレート部23及びバックアップ部25の表側面を、表皮材11を有する基材10に振動溶着する。このとき、プレート部23の表側面を基材10によりシューティング口19側へ押圧する。このことにより、プレート部23は、プレート側ヒンジ部27を軸として上記開口位置に一致するまでプレート裏側面方向に回動し、この状態で基材10に溶着される。このときには、プレート部23の先端部は、シューティング口19の開口位置に対応する閉じ位置となっており、これにより、先端側隙間31aが上記幅W1となる一方、側端側隙間31bは幅W2に維持される。つまり、プレート部23の基材10への溶着時には、プレート側ヒンジ部27を軸としてプレート部23をシューティング口19の開口位置まで回動させるために、この溶着時における先端側隙間31aの幅W1は、成形時におけるプレート部23の先端部とシューティング口19開口縁部との間の隙間の幅W2よりも狭くなっている。
【0046】
尚、基材10の表皮材11は被着しなくてもよく、また、表皮材11を有しない基材10にバックアップ部材17を溶着した後に該基材10に表皮材11を被着するようにしてもよい。
【0047】
したがって、本実施形態によれば、バックアップ部材17の成形時には、プレート部23の先端部と、この先端部に対応するシューティング口19開口縁部との間の隙間の幅W2が、溶着後の隙間である先端側隙間31aの幅W1よりも大きくなるような形態で成形するようにしたために、プレート部23の先端部とシューティング口19開口縁部とがバリによって繋がってしまうのを効果的に防止することができる。また、プレート部23のドア部15裏面への溶着時において、エアバッグにより押圧されるプレート部23の受圧面を先端部側に拡大することができるとともに、プレート部23の先端部とシューティング口19開口縁部との隙間面積を極力小さくすることができる。換言すれば、プレート部23のドア部15裏面への溶着面積を極力大きくすることができる。この結果、エアバッグの展開圧力を受けるプレート部23の受圧面積を先端部側に拡大することができ、ドア部15自体の剛性を増大できる一方、先端側隙間31aにエアバッグの展開圧力が直接作用しないため、先端側隙間31aに対応する破断予定部7に亀裂が生ぜず、ドア部15をプレート部23と共に安定して開放させることができる。
【0048】
また、バックアップ部材17の成形時には、溶着時に基材10によってプレート部23を押圧する方向とは逆方向にプレート部23の先端部をずらすようにしたので、溶着時には、そのための動きを利用して、プレート部23を基材10によって押圧するのみで容易にこのプレート部23をシューティング口19の開口位置まで回動させることができる。
【0049】
また、本実施形態1では、バックアップ部材17に筒状部21を一体に形成するようにしたので、エアバッグ装置35を収容するための部品を新たに追加する必要がなくなり、部品点数の削減に寄与できる。
【0050】
(実施形態2)
本実施形態2では、図4に示すように(尚、ここでは、実施形態1と同じ構成要素には同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。)、エアバッグドア部5のドア部15は、インストルメントパネルAの上面部に配置されるとともに一対の前側ドア部65及び後側ドア部66に前後に分割されていて、いわゆる観音開きタイプとされている。
【0051】
具体的に、破断予定部7は、車幅方向に延びる横破断予定部7aと、該横破断予定部7aの両端から車両前後方向に延びる左右2つの縦破断予定部7bとで略H字状に形成されている。ドアヒンジ部9a,9bは、上記横破断予定部7aと平行に延びるように車両前後方向に並設されている。そして、車両前側に配置される前側ドアヒンジ部9aは両縦破断予定部7bの車両前端同士を、また車両後側に配置される後側ドアヒンジ部9bは両縦破断予定部7bの車両後端同士をそれぞれ連結している。これら破断予定部7a,7bと、ドアヒンジ部9a,9bとで囲まれた矩形領域により、横破断予定部7aの車両前側に配置される前側ドア部65と、横破断予定部7aの車両後側に配置される後側ドア部66とが構成され、両ドア部65,66は車両前後方向に観音開き状に開放するようになっている。
【0052】
図5に示すように、上記基材10の裏側のバックアップ部材17には、筒状部21と、バックアップ部25と、プレート部68,69と、プレート側ヒンジ部27,27とが一体に形成されている。尚、図5では、左側が車両前側となっており、右側が車両後側となっている。
【0053】
上記バックアップ部25は、エアバッグ装置35の作動時にエアバッグが膨出する矩形状のシューティング口19を有するとともに、このシューティング口19の開口縁部からドア部15外側周囲に延びるように形成されている。このバックアップ部25の表側面には、所定間隔をおいて配置される複数の溶着用突起25cが設けられている。この溶着用突起25cにより、バックアップ部25の表側面がドア部15周囲の基材10の裏側面に振動溶着されている。
【0054】
上記筒状部21は、ドア部15の外側を上記シューティング口19の開口縁部から基材10から離れる側に向かって延びる筒状に形成されている。
【0055】
上記プレート部68,69は上記前側ドア部65及び後側ドア部66に対応して2つ並設されていて、車両前側に配置される前側プレート部68と、車両後側に配置される後側プレート部69とは、それぞれ矩形板状に形成されている。これら両プレート部68,69の表側面には溶着用突起68a,69aが突設されていて、この溶着用突起68a,69aにより、各プレート部68,69の表側面が各ドア部65,66における基材10の裏側面にそれぞれ振動溶着されている。
【0056】
上記両プレート部68,69の相対向する先端部68b,69bは、離脱可能となるように互いに重合されている。具体的には、前側プレート部68の先端部68bは、この先端面における上側(基材10側)隅角部を車幅方向に沿って(上記先端部68bに沿って)段差状に切り欠くことで、後側プレート部69に向かって延びるロア突条部68cが形成される一方、後側プレート部69の先端部69bは、この先端面における下側(基材10と反対側)隅角部を車幅方向に沿って(上記先端部69bに沿って)段差状に切り欠くことで、前側プレート部68に向かって延びるアッパ突条部69cが形成されている。これら両突条部68c,69cは、それぞれプレート部68,69の厚さの略半分程度の厚さに構成され、アッパ突条部69cがロア突条部68cの上側に重なり合うように配置されている。
【0057】
上記プレート側ヒンジ部27,27は、上記前後のドアヒンジ部9a,9bに対応して車両前後方向の2箇所に配置されている。すなわち、前側のプレート側ヒンジ部27は、上記前側プレート部68をなす矩形の車両前側一辺の全体に亘って設けられ、また、後側のプレート側ヒンジ部27は、上記後側プレート部69をなす矩形の車両後側一辺の全体に亘って設けられている。
【0058】
−インストルメントパネルの製造方法−
ここで、上記エアバッグドア部5を含むインストルメントパネルAの製造方法について説明する。図6はこのエアバッグドア部5のバックアップ部材17を射出成形するための成形型75を示しており、この成形型75は第1型76と第2型77とからなる。これらの両型76,77の成形面間にはキャビティ79が形成され、このキャビティ79によって、筒状部21、バックアップ部25、プレート部68,69及びプレート側ヒンジ部27,27が一体に成形されるようになっている。
【0059】
上記キャビティ79には、前側プレート部68の先端部68bにロア突条部68cを成形する前側成形部79aと、後側プレート部69の先端部69bにアッパ突条部69cを成形する後側成形部79bとが設けられている。後側成形部79bは前側成形部79aに対して第1型76へ向かう方向に所定寸法だけ位置ずれした形態に形成されている。また、両成形部79a,79b間には、第1型76と第2型77とが当接することにより、両成形部79a,79b間の樹脂流れを遮断するシール部が形成されている。
【0060】
このような成形型75のキャビティ79に溶融樹脂を射出し、該溶融樹脂が固化した後、第1型76と第2型77とを開き、バックアップ部材17を脱型する。この成形型75から取り出された成形後のバックアップ部材17では、後側プレート部69の先端部69bは、シューティング口19の開口位置よりも所定寸法だけドア部表側、即ち後側プレート部69の開き側に位置した開き位置の形態に成形されている。つまり、バックアップ部材17は、成形時には両プレート部68,69先端部68b、69bの突条部68c,69c間に隙間が形成されるように後側プレート部69が展開した形態とされている。
【0061】
次に、上記バックアップ部材17のプレート部68,69及びバックアップ部25の表側面を、表皮材11が接合された基材10に振動溶着する。このとき、後側プレート部69の表側面を基材10によりシューティング口19側へ押圧し、プレート側ヒンジ部27を軸として後側プレート部69をシューティング口19の開口位置に一致させるようにプレート部裏側面方向に回動し、この状態で基材10に溶着する。このときには、後側プレート部69がシューティング口19の開口位置に一致する閉じ位置となるとともに、この後側プレート部69の先端部69bにおけるアッパ突条部69cが、前側プレート部68の先端部68bにおけるロア突条部68cの上側(基材10側)に位置する重合状態となる。この重合状態は、両突条部68c,69cが互いに当接してもよく、あるいは当接することなく若干隙間を有してもよい。以上により、エアバッグドア部5を有するインストルメントパネルAが製造される。
【0062】
したがって、本実施形態によれば、後側プレート部69の先端部69bが前側プレート部68の先端部68bの上側に配置されているので、乗員が押圧し易い乗員手前側、即ち車両後側のプレート部69が押圧されると、アッパ突条部69cがロア突条部68cに当接することにより、この押圧力を前側プレート部68の先端部68bが受け止めるため、上記押圧力を両プレート部68,69に分散することができる。これにより、ドア部65,66の補強効果を向上できてドア部65,66自体の剛性を増大でき、ドア部65,66を凹み難くすることができる。したがって、乗員によるドア部65,66の押圧に対して非常に有効なものとすることができる。
【0063】
さらに、本実施形態では、乗員側、即ち後側プレート部69の上記アッパ突条部69cが前側プレート部68の上記ロア突条部68cの上側に配置されているために、エアバッグの膨出時には、後側プレート部69を前側プレート部68よりも早く開放させることができ、乗員に対する安全性をより一層向上できる。
【0064】
また、バックアップ部材17に前後2つのプレート部68,69を一体に形成するようにしたので、これらプレート部68,69をそれぞれ別個に成形しておく必要がなくなり、部品点数を削減できるとともに、プレート部68,69の成形後にこのプレート部68,69をバックアップ部材17に組み付ける工程を省くことができ、インストルメントパネルAの組み立て工程を簡素化できる。
【0065】
また、両プレート部68,69の先端部68b,69bを互いに重合することにより、両先端部68b,69b間の隙間をなくすことができる。したがって、エアバッグにより押圧されるプレート部68,69の受圧面を先端部68b,69b側に拡大でき、プレート部68,69のドア部65,66裏面への溶着面積をさらに大きくすることができる。これにより、ドア部65,66の補強が増大するとともに、ドア部65,66間の横破断予定部7a近傍に直接エアバッグの展開圧力が作用しないため、横破断予定部7a近傍に亀裂が生ぜず、ドア部65,66をプレート部68,69と共に安定して開放させることができる。
【0066】
また、本実施形態2では、バックアップ部材17の成形時には、両プレート部68,69の先端部68b,69b同士が所定の間隔を有する形態で成形される一方、このバックアップ部材17を基材10に溶着するときには、後側プレート部69を回動して、両先端部68b,69b同士を重合させているので、両プレート部68,69の先端部68b,69bが重合された状態で一体に形成されるバックアップ部材17を容易且つ確実に成形でき、インストルメントパネルAを効率よく製造することができる。
【0067】
その他の構成、作用及び効果は上記実施形態1と同様である。
【0068】
(実施形態3)
図7に示すように(尚、ここでは、実施形態2と同じ構成要素には同じ符号を付し、その詳細な説明を省略している)、本実施形態3では、バックアップ部材17は、バックアップ部25、プレート部68,69及びプレート側ヒンジ部27,27が一体に形成された樹脂製のものからなる。つまり、本実施形態3では、実施形態2と異なり、バックアップ部材17に筒状部が一体形成されていない。
【0069】
上記バックアップ部25には、複数個の結合部25dが所定間隔をあけて一体に設けられ、この結合部25dは、上方に開口した箱状の凹陥部25eと、この凹陥部25eの底部を貫通する貫通孔25fとで構成され、プレート部68,69の車両前側及び後側にそれぞれ配置されている。
【0070】
上記バックアップ部材17の下側には、上側が開放された断面略コ字状の金属製支持部材81が配置されている。この支持部材81の上端には、外側に張り出す固定部81aが一体に形成されている。この固定部81aには、上記結合部25dの貫通孔25fに対応して配置される貫通孔81bが形成されている。そして、結合部25dの貫通孔25fから固定部81aの貫通孔81bに亘ってボルト83の頭部が上記凹陥部25e内に回り止めされて没入状態に嵌合されるように挿通し、貫通孔81bから下側に突出したボルト83のネジ部にナット85を螺合させることにより、固定部81aは、結合部25dに締結されている。
【0071】
上記支持部材81の底部には貫通孔81cが形成されていて、支持部材81は、エアバッグケース36の下端に突設されたボルト34がこの貫通孔81cを挿通するとともに金属製ブラケット38の一端部を貫通して該ブラケット38にナット34aにより締結されている。このブラケット38の他端部は、インパネレインフォースメント39に溶接固定されている。即ち、エアバッグ装置35は、支持部材81の底部に載置されるとともに、インパネレインフォースメント39に支持されたブラケット38に固定されている。
【0072】
上記バックアップ部材17を成形するときには、実施形態2と同様に、後側プレート部69がシューティング口19の開口位置よりも所定寸法だけドア部表側に展開した形態で成形されている。そして、このバックアップ部材17を基材10に溶着する前にボルト83を結合部25dの貫通孔25eに挿入し、この状態でバックアップ部材17を基材10に溶着する。このとき、後側プレート部69の表側面を基材10によりシューティング口19側へ押圧して、後側プレート部69をシューティング口19の開口位置に一致させるように回動する。これにより、前後のプレート部68,69がそれぞれ前側又は後側のドア部65,66の基材10に、また、バックアップ部25がドア部65,66の外側周囲の基材10にそれぞれ同時に溶着される。そして、後側プレート部69の先端部69bにおけるアッパ突条部69cが、前側プレート部68の先端部68bにおけるロア突条部68cの上側に位置する重合状態となる。
【0073】
そして、エアバッグケース36が収容された支持部材81をバックアップ部25にボルト締結することにより、支持部材81を基材10に固定することができる。
【0074】
その他の構成、作用及び効果は上記実施形態2と同様である。
【0075】
(実施形態4)
図8に示すように(尚、ここでは、実施形態1と同じ構成要素には同じ符号を付し、その詳細な説明を省略している)、本実施形態4では、バックアップ部材17は、バックアップ部25、プレート部23及びプレート側ヒンジ部27が一体に形成された樹脂製のものからなる。すなわち、本実施形態4では、実施形態1と異なり、バックアップ部材17に筒状部が一体形成されていない。
【0076】
上記バックアップ部25には、複数個の結合部25dが所定間隔をあけて一体に設けられ、この結合部25dは、上方に開口した箱状の凹陥部25eと、この凹陥部25eの底部を貫通する貫通孔25fとで構成され、プレート部68,69の車両前側及び後側にそれぞれ配置されている。
【0077】
上記バックアップ部材17の下側には、上側が開放された断面略コ字状の金属製支持部材81が配置されている。この支持部材81の上端には、外側に張り出す固定部81aが一体に形成されている。この固定部81aには、上記結合部25dの貫通孔25fに対応して配置される貫通孔81bが形成されている。そして、結合部25dの貫通孔25fから固定部81aの貫通孔81bに亘ってボルト83の頭部が凹陥部25e内に回り止めされて没入状態に嵌合されるように挿通し、貫通孔81bから下側に突出したボルト83のネジ部にナット85を螺合させることにより、固定部81aは、結合部25dに締結されている。
【0078】
上記支持部材81の底部には貫通孔81cが形成されていて、支持部材81は、エアバッグケース36の下端に突設されたボルト34がこの貫通孔81cを挿通するとともに金属製ブラケット38の一端部を貫通して該ブラケット38にナット34aにより締結されている。このブラケット38の他端部は、インパネレインフォースメント39に溶接固定されている。即ち、エアバッグ装置35は、支持部材81の底部に載置されるとともに、インパネレインフォースメント39に支持されたブラケット38に固定されている。
【0079】
その他の構成、作用及び効果は上記実施形態1と同様である。
【0080】
【発明のその他の実施の形態】
上記実施形態1では、バックアップ部材17の成形時に、プレート部23の先端部がシューティング口19の開口位置よりもプレート表側面方向にずれた形態に成形するようにしたが、これに代え、バックアップ部材17の成形時に、プレート部23の先端部をこれとは逆方向、即ちシューティング口19の開口位置よりもプレート裏側面方向に所定寸法だけずれた形態とし、その後プレート側ヒンジ部27を軸としてプレート部23を開口位置側に図外の押圧治具等により押圧して基材10に溶着させる構成としてもよい。
【0081】
また、上記実施形態2では、バックアップ部材17の成形時に、後側プレート部69がシューティング口19の開口位置よりもドア部表側面方向に開いた形態に成形したが、これに限られるものではない。例えば、後側プレート部69をシューティング口19の開口位置に一致させた状態にするとともに、前側プレート部68をシューティング口19の開口位置よりもドア部裏側面方向に回動した状態の形態に成形してもよく、或いは両プレート部68,69をそれぞれ開いた状態の形態に成形してもよい。
【0082】
また、上記実施形態2では、後側プレート部69の先端部69bが前側プレート部68の先端部68bの上側に重合される構成について示したが、これに代え、後側プレート部69の先端部69bの方が下側に重合される構成としてもよい。しかしながら、乗員によるドア部15の押圧に対して有効に対処するためには後側プレート部69の先端部69bの方が上側に重合される構成が望ましい。
【0083】
また、上記各実施形態では、ドア部15の開放時に該ドア部15のドアヒンジ部9の基材10及び表皮材11が破断する構成としたが、これに限られるものではなく、ドアヒンジ部9は、例えばドア部15の開放時にドアヒンジ部9の基材10が破断し、表皮材11は破断せず繋がった状態となっている構成でもよく、あるいは、基材10が破断することなく折曲するようにしてもよい。
【0084】
また、上記各実施形態では、インストルメントパネルAのパネル本体1にシームレスタイプのエアバッグドア部5を構成したが、これに代え、パネル本体1に開口部を形成すると共に、この開口部にエアバッグドア部5を嵌め込んで係合させるようにした嵌め込み式のエアバッグドア部5としてもよい。
【0085】
また、上記各実施形態では、パネル本体1は表皮材11で被覆された構成としたが、これに代え、パネル本体1は表皮材11で被覆されない構成としてもよい。
【0086】
また、上記各実施形態では、インストルメントパネルAのパネル本体1に配設されたエアバッグドア部5に適用した構成について説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、例えば車両のステアリングのパネルやドアのサイドパネルに配設されたエアバッグドア部5に適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態1に係るインストルメントパネルのパネル本体を部分的に示す斜視図である。
【図2】 図1のII−II線における断面図である。
【図3】 バックアップ部材を成形する成形型を示す断面図である。
【図4】 本発明の実施形態2に係るインストルメントパネルのパネル本体を部分的に示す斜視図である。
【図5】 図4のV−V線における断面図である。
【図6】 バックアップ部材を成形する成形型を示す断面図である。
【図7】 本発明の実施形態3に係る図5相当図である。
【図8】 本発明の実施形態4に係る図2相当図である。
【符号の説明】
7 破断予定部
9 ドアヒンジ部
9a 前側ドアヒンジ部
9b 後側ドアヒンジ部
10 基材
15 ドア部
17 バックアップ部材
19 シューティング口
21 筒状部
23 プレート部
25 バックアップ部
27 プレート側ヒンジ部
31 所定隙間
31a 先端側隙間
31b 側端側隙間
35 エアバッグ装置
65 前側ドア部
66 後側ドア部
68 前側プレート部
68b 先端部
69 後側プレート部
69b 先端部

Claims (4)

  1. 破断予定部(7)とドアヒンジ部(9)とによって形成されるドア部(15)を有する基材(10)の裏側に、エアバッグを膨出させるための矩形状のシューティング口(19)が開口されたバックアップ部(25)と、上記ドアヒンジ部(9)に対応するプレート側ヒンジ部(27)を介して上記バックアップ部(25)に一体成形され且つ該プレート側ヒンジ部(27)を除く部分の上記シューティング口(19)の開口縁部との間に所定隙間を有する状態で上記シューティング口(19)を開放可能に閉塞するプレート部(23)とを備えた樹脂製のバックアップ部材(17)が配設され、
    上記プレート部(17)が上記基材(10)のドア部裏面に溶着されるとともに、上記バックアップ部(25)がドア部周囲の基材(10)の裏面に溶着され
    上記プレート部(23)の先端部と該先端部に対応する上記シューティング口開口縁部との間に先端側隙間 (31a) を有し、上記プレート側ヒンジ部(27)の長さ方向両側に位置するプレート部(23)の側端部と該側端部に対応する上記シューティング口開口縁部との間に側端側隙間 (31b) を有するエアバッグドア部付車両用内装品の製造方法であって、
    上記プレート部 (23) の先端部と該先端部に対応する上記シューティング口開口縁部との隙間が上記先端側隙間 (31a) よりも大きくなるような形態でバックアップ部材 (17) を成形した後、
    上記プレート部 (23) をプレート側ヒンジ部 (27) を軸としてシューティング口側へ押圧してドア部裏面に溶着するとともに、バックアップ部 (25) をドア部周囲の基材の裏面に溶着することにより、上記先端側隙間 (31a) が上記側端側隙間 (31b) よりも狭くなるようにすることを特徴とするエアバッグドア部付車両用内装品の製造方法。
  2. 請求項1において、
    バックアップ部材(17)には、バックアップ部(25)のシューティング口開口縁部から基材(10)と反対側に延び、エアバッグ装置(35)を収納する筒状部(21)が一体に形成されていることを特徴とするエアバッグドア部付車両用内装品の製造方法
  3. 基材(10)に破断予定部(7a,7b)とドアヒンジ部(9a,9b)とが形成され、
    上記破断予定部(7a,7b)及びドアヒンジ部(9a,9b)に囲まれる領域によりドア部(15)が構成されており、
    上記ドア部(15)の裏側に位置するエアバッグ装置(35)の作動により上記破断予定部(7a,7b)が破断して、上記ドア部(15)がドアヒンジ部(9a,9b)を支軸として回動しながら開き、該破断によって形成された開口部からエアバッグが車室内へ膨出するようにされ、
    上記ドア部(15)は、車幅方向に延びる前側ドアヒンジ部(9a)を支軸として回動する前側ドア部(65)と、該前側ドア部(65)の後側に位置し、車幅方向に延びる後側ドアヒンジ部(9b)を支軸として回動する後側ドア部(66)とに車両前後方向に2分割され、
    上記ドア部周囲の基材(10)の裏面に一体に溶着され、エアバッグ装置(35)の作動時にエアバッグが膨出するシューティング口(19)を有するバックアップ部(25)と、上記シューティング口(19)を塞ぐように配置され、上記前後2つのドア部(65,66)の裏面にそれぞれ溶着される前側プレート部(68)及び後側プレート部(69)と、上記前後のドアヒンジ部(9a,9b)にそれぞれ対応して配置され、上記前後のプレート部(68,69)をバックアップ部(25)に一体に結合するプレート側ヒンジ部(27)とが一体に形成されたバックアップ部材(17)が設けられ、
    上記前後のプレート部(68,69)の相対向する先端部は、互いに離脱可能に重合されているエアバッグドア部付車両用内装品の製造方法であって、
    上記前後のプレート部 (68,69) の先端部間に隙間が形成されるように展開した形態でバックアップ部材 (17) を成形した後、
    上記少なくとも一方のプレート部をプレート側ヒンジ部を軸としてシューティング口側へ押圧して、上記前後のプレート部 (68,69) を前後のドア部裏面に溶着するとともにバックアップ部 (25) をドア部周囲の基材 (10) の裏面に溶着することを特徴とするエアバッグドア部付車両用内装品の製造方法。
  4. 請求項3において、
    後側プレート部(69)の先端部は、前側プレート部(68)の先端部の上側に重合されていることを特徴とするエアバッグドア部付車両用内装品の製造方法
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