JP4147157B2 - エアバッグドア部付車両用内装品及びその製造方法 - Google Patents

エアバッグドア部付車両用内装品及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明はエアバッグドア部付車両用内装品及びその製造方法に関するものである。
従来より、エアバッグドア部付車両用内装品として、パネル本体(インストルメントパネル)の裏側に補強用のプレート部を熱かしめによって固着し、このプレート部にエアバッグ装置を収容する枠体部を締結するようにしたものが知られている(特許文献1参照)。このものでは、枠体部にフランジ状の取り付け部が設けられており、この取り付け部と上記プレート部とを締結固定するようにしている。そして、上記枠体部の取り付け部に対応するように、パネル本体には薄肉の破断予定部を、またプレート部にはスリット状の開口部をそれぞれ設けることにより、エアバッグ装置の作動時に破断予定部を速やかに破断させるようにしている。
一方、エアバッグドア部付車両用内装品として、エアバッグ装置を収容する枠体部と、パネル本体に固着されるプレート部とがヒンジ部を介して一体に形成されてなる支持アッセンブリが、パネル本体の裏側に結合されたものが知られている(特許文献2参照)。このものでは、パネル本体の薄肉の破断予定部に一致するように、プレート部の先端と枠体部との間に隙間が形成されている。
また、車両用内装品として、パネル本体のドア部の裏側にプレート部とヒンジ部と脚部とを有するヒンジ部材(flexible hinge members)が設けられたものが知られている(特許文献3参照)。ヒンジ部材は、エアバッグ部材とは別体に形成されており、該ヒンジ部材の脚部はパネル本体よりパネル裏側へ延びる支持部と共にエアバッグ部材に結合され、プレート部はドア部の裏面に溶着している。
特開平7−291078号公報(特に、第1図) 特開2000−71924号公報(特に、第4〜7図) 米国特許第6089642号明細書
しかしながら、特許文献1に開示されたものでは、枠体部をパネル本体に取り付けるのにボルト・ナット等の締結具が別途必要となり、部品点数が増え、組付け工数と部品費が増大するという問題がある。
一方、特許文献2に開示されたものでは、プレート部と枠体部とを一体的に形成することにより製造効率を向上させ、また、プレート部と枠体部との間に隙間を形成することによりドア部を容易に開放させるようにしているものの、支持アッセンブリによるパネル本体の補強が十分とは言えず、例えば乗員がパネル本体を表側から押圧すると、パネル本体のドア部が破損する懸念がある。
また、特許文献2に開示されたものでは、プレート部の先端側及びプレート部の両サイドの各々の隙間は同じ大きさに形成されており、それら隙間の確保のために、プレート部の面積が小さくなり、ドア部の剛性を全体として増大させることは困難である。また、上記隙間の幅が大きくなると、この隙間にエアバッグの押圧力が作用し、ドア部の周縁に形成された破断予定部の部分で破断せずに、その周囲に亀裂を生じ、この亀裂部分が飛散するという問題も生ずる。
これに対して、上記隙間の幅を先端側及びサイド側においてそれぞれ極力小さくしようとすると、支持アッセンブリの成形時において枠体部とプレート部とがバリによって繋がってしまうことがある。すなわち、上記隙間の幅を上記バリが生成しない程度の大きい幅に維持しなければ支持アッセンブリを効率よく製造することができない。
一方、特許文献3に開示されたものでは、ヒンジ部材はエアバッグ本体を収容する枠体とパネル本体よりその裏側に突出した支持部との間にその脚部が組み立てられるようにされているため、部品点数が増大するとともに、その組立工数が増大する。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、プレート部や枠体部に所定の改良を施すことにより、パネル本体表側からの荷重に対する耐荷強度を高めることにある。
また、本発明の目的は、エアバッグ装置の作動時にドア部を安定して開放することができるようにすることにある。
また、本発明の目的は、エアバッグドア部付車両用内装品の品質ないしは信頼性を高めることにある。
また、本発明の目的は、エアバッグドア部付車両用内装品の部品点数及び組立工数を少なくすることにある。
また、本発明の目的は、エアバッグドア部付車両用内装品を安価に提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明は、エアバッグ装置が内側に配設される枠体部に、パネル本体におけるドア部外側裏面に溶着されるフランジを設け、補強用のプレート部の基端部を、ヒンジ部を介して上記枠体部に一体的に形成する一方、先端部を上記枠体部の筒状枠本体の上記フランジの表面よりも下がった表側端面に離脱可能に当接又は近接させ、パネル本体のプレート部先端側の破断予定部を該プレート部の先端部よりも外側に位置させるようにした。
また、本発明は、エアバッグドア部付車両用内装品の品質ないしは信頼性を高めつつ、パネル本体の耐荷強度を高めるべく、プレート部及びヒンジ部を枠体部とは別体に形成するとともに、プレート部の先端及び両側縁と枠体部との間に隙間を設け、先端側の隙間を両側の隙間よりも狭くなるようにした。
すなわち、請求項1に係る発明は、
エアバッグ装置の作動によって開放されるドア部が樹脂製パネル本体に形成した破断予定部により区画形成されているエアバッグドア部付車両用内装品であって、
上記ドア部の裏面に溶着され上記エアバッグ装置の作動によって該ドア部と共に開放される補強用のプレート部と、エアバッグ装置が内側に配設される枠体部と、上記プレート部を枠体部に連結するためのヒンジ部とが溶融樹脂の射出成形によって一体的に形成され、
上記枠体部は、上記プレート部から上記パネル本体と離れる側に向かって延びる筒状の枠本体と、該枠本体の上記パネル本体側の開口端より外側に広がり、上記パネル本体におけるドア部外側裏面に溶着されるフランジとを備え、
上記プレート部の基端部は、上記ヒンジ部を介して上記枠体部に一体的に形成されている一方、先端部は上記筒状枠本体の上記パネル本体側を向いた表側の上記フランジの表面よりも下がった端面に離脱可能に当接又は近接しており、
上記ドア部を区画する破断予定部のうち上記プレート部の先端側の破断予定部は、該プレート部の先端よりも外側に位置していることを特徴とする。
従って、エアバッグ装置が作動しない通常時においては、プレート部の先端部が筒状枠本体の上記フランジの表面よりも下がった表側端面に当接又は近接しており、プレート部の両端(基端部及び先端部)が筒状枠本体によって支持されるため、パネル本体の耐荷強度が高くなり、例えば乗員がパネル本体をその表側から押圧しても破損することがなくなる。
さらに、プレート部と枠体部とヒンジ部とを溶融樹脂の射出によって一体的に形成するようにしたために、部品点数を削減することができ、また、エアバッグ部付車両用内装品の製造時において組立工数を低減することができ、製造効率の向上及び製造コストの低減を図ることができる。
一方、エアバッグ装置の作動によってパネル本体の破断予定部が破断し、ドア部がプレート部と共に開放するときには、該プレート部がヒンジ部を支点として回動し該プレート部の先端部が筒状枠本体の上記表側端面から離脱する。すなわち、プレート部の先端部は枠体部の筒状枠本体の上記表側端面に離脱可能に当接又は近接しているために、エアバッグの膨出圧力によって枠体部から簡単に離れ、ドア部を安定して開放させることができる。そして、このとき、プレート部先端側では、パネル本体の破断予定部がプレート部の先端よりも外側に位置しているので、該プレート部の先端部がパネル本体のドア部よりも外側部分に干渉することがなく、ドア部をスムーズに開放させることができる。換言すれば、プレート部の先端がパネル本体の破断部よりもドア部内側に位置しているので、ドア部の開放時においてプレート部がパネル本体のドア部よりも外側部分に干渉することがなく、ドア部をスムーズに開放させることができる。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載されたエアバッグドア部付車両用内装品において、
上記ヒンジ部は、上記パネル本体から離れる方向に突出する断面略U字状に形成されており、
上記ドア部を区画する破断予定部のうち上記ヒンジ部側の破断予定部は、該ヒンジ部の略U字状の溝に対応した位置に形成されていることを特徴とする。
従って、ドア部の開放時において、上記ヒンジ部がパネル本体の破断部に当たることがなくなり、ドア部をよりスムーズに開放させることができる。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載されたエアバッグドア部付車両用内装品を製造する方法であって、
上記プレート部の先端部が上記枠体部の上記筒状枠本体の上記フランジの表面よりも下がった表側端面から該プレート部の開放方向に所定寸法だけ離れた形状となるように上記プレート部と上記枠体部と上記ヒンジ部とを一体的に射出成形した後、
上記プレート部の先端部が上記枠体部の上記筒状枠本体の上記フランジの表面よりも下がった表側端面に当接又は近接するように上記プレート部を上記ヒンジ部回りに回動させて、上記プレート部及び上記枠体部のフランジを上記パネル本体に溶着させることを特徴とする。
従って、プレート部の先端部が枠体部の筒状枠本体の上記表側端面から該プレート部の開放方向に所定寸法だけ離れた形状となるようにプレート部及び枠体部を成形するようにしたので、プレート部及び枠体部のフランジを上記パネル本体に溶着させる際には、上記プレート部をヒンジ部回りに回動させるだけで、プレート部の先端部を枠体部の筒状枠本体の上記表側端面に離脱可能に当接又は近接した状態にすることができる。よって、当該溶着を容易に実施することができ、請求項1又は2記載のエアバッグドア部付車両用内装品の製造が容易になる。
請求項4に係る発明は、請求項1又は2に記載されたエアバッグドア部付車両用内装品を製造する方法であって、
上記枠本体と上記フランジとが一体になった上記枠体部を成形し、
上記枠体部を成形型にインサートし、該成形型に樹脂材を射出することにより、上記枠本体と一体になった脚部を有する上記ヒンジ部と上記プレート部とを、該プレート部の先端部が上記枠体部の上記筒状枠本体の上記フランジの表面よりも下がった表側端面から該プレート部の開放方向に所定寸法だけ離れた形状となるように一体成形した後、
上記プレート部の先端部が上記枠体部の上記筒状枠本体の上記フランジの表面よりも下がった表側端面に当接又は近接するように上記プレート部を上記ヒンジ部回りに回動させて、上記プレート部及び上記枠体部のフランジを上記パネル本体に溶着させることを特徴とする。
本発明によれば、脚部とヒンジ部とプレート部とを、枠体部とは別個に所謂二重インジェクションによって一体成形して脚部を枠本体に一体化するようにしたから、プレート部、ヒンジ部及び脚部を靱性の高い樹脂材料で成形する一方、枠体部を強度の高い樹脂材料で成形する、というように、両者を各々に要求される機能に応じた異なる適切な材料によって成形することができるようになり、当該エアバッグドア部付車両用内装品の品質ないしは信頼性の向上に有利になる。
請求項5に係る発明は、エアバッグ装置の作動によって開放されるドア部が樹脂製パネル本体に形成した破断予定部により区画形成されているエアバッグドア部付車両用内装品であって、
上記ドア部の裏面に溶着される補強用のプレート部と、
上記エアバッグ装置が内側に配設される枠体部と、
上記プレート部と一体成形され上記枠体部に上記プレート部を上記ドア部と共に回動するように支持するヒンジ部とを備え、
上記枠体部は、上記プレート部から上記パネル本体と離れる側に向かって延びる枠本体と、該枠本体の上記パネル本体側の端部より外側に広がり、上記パネル本体におけるドア部外側裏面に溶着されるフランジとを備え、該枠本体とフランジとが一体成形されてなるものであり、
上記ヒンジ部には上記枠本体に一体化した脚部が一体に形成され、且つ上記プレート部、上記ヒンジ部及び上記脚部は上記枠体部とは別に一体成形され、
上記プレート部の先端と上記枠本体との間に先端側隙間W1が設けられているとともに、該プレート部の両側縁と上記枠本体との間にサイド側隙間W2が設けられ、且つ先端側隙間W1の方がサイド側隙間W2よりも狭くなるように形成されていることを特徴とする。
従って、プレート部とヒンジ部と脚部とは、上記枠体部とは別に一体成形され、且つ脚部が枠本体に一体化されているから、プレート部、ヒンジ部及び脚部を靱性の高い樹脂材料で成形し、枠体部を強度の高い樹脂材料で成形する、というように、両者を各々に要求される機能に応じた異なる適切な材料によって成形することができるようになり、当該エアバッグドア部付車両用内装品の品質ないしは信頼性の向上に有利になる。
また、プレート部の先端と枠本体との間に形成された先端側隙間W1の方が、該プレート部の両側縁と枠本体との間に形成されたサイド側隙間W2よりも狭くなるようにしたから、プレート部の面積、すなわち、パネル本体が表側から押圧されたときの受圧面をその先端側に拡大することができ、ドア部の耐荷強度の向上に有利になる。また、先端側隙間W1にエアバッグの展開圧力が直接作用しないため、先端側隙間W1に対応する破断予定部の周囲に亀裂を生ずることが避けられ、ドア部をプレート部と共に安定して開放させることができる。
請求項6に係る発明は、請求項5に記載されたエアバッグドア部付車両用内装品を製造する方法であって、
上記枠本体と上記フランジとが一体になった上記枠体部を成形し、
上記枠体部を成形型にインサートし、該成形型に樹脂材を射出することにより、上記枠本体に一体化した上記脚部と上記ヒンジ部と上記プレート部とを、該プレート部の先端が枠体部から離れ該プレート部の先端と枠本体との間の隙間が上記先端側隙間W1よりも大きくなった形態に一体成形した後、
上記プレート部を上記ヒンジ部回りに回動させて該プレート部の先端を上記枠体部に近づけて、該プレート部の先端と枠体部との隙間を上記W1の大きさにし、該プレート部及び枠体部のフランジを上記パネル本体の裏面に溶着させることを特徴とする。
従って、本発明によれば、脚部とヒンジ部とプレート部とを、枠体部とは別個に所謂二重インジェクションによって一体成形して脚部を枠本体に一体化するようにしたから、プレート部、ヒンジ部及び脚部を靱性の高い樹脂材料で成形する一方、枠体部を強度の高い樹脂材料で成形する、というように、両者を各々に要求される機能に応じた異なる適切な材料によって成形することができるようになり、当該エアバッグドア部付車両用内装品の品質ないしは信頼性の向上に有利になる。
そうして、上記プレート部の成形時には該プレート部の先端を枠体部から離して該先端と枠体部との隙間が大きくなるようにしたから、プレート部の先端と枠体部とがバリによって繋がってしまうのを回避することができ、このように成形時の先端側隙間をサイド側隙間W2と同様に大きくしても、プレート部をドア部裏面に溶着するときはヒンジ部回りに回動させて該プレート部の先端を枠体部に近づけるから、当該先端側隙間W1をサイド側隙間W2よりも確実に狭くすることができる。
以上のように、請求項1に係る発明によれば、プレート部の先端部が筒状枠本体のフランジ表面よりも下がった表側端面に離脱可能に当接又は近接しているから、パネル本体の耐荷強度が高くなり、乗員がパネル本体をその表側から押圧しても破損することがなくなる。また、プレート部の先端部は筒状枠本体の上記表側端面に離脱可能に当接又は近接しているだけであるから、エアバッグ装置の作動時にはプレート部の先端が筒状枠本体の上記表側端面から簡単に離れ、さらに、パネル本体の破断予定部がプレート部の先端よりも外側に位置しているので、該プレート部の先端部がパネル本体のドア部よりも外側部分に干渉することがなく、ドア部をスムーズに開放させることができる。しかも、プレート部と枠体部とヒンジ部とを溶融樹脂の射出によって一体的に形成するようにしたため、部品点数を削減することができ、また、エアバッグ部付車両用内装品の製造時において組立工数を低減することができ、製造効率の向上及び製造コストの低減を図ることができる。
請求項2に係る発明によれば、上記ヒンジ部は上記パネル本体から離れる方向に突出する断面略U字状に形成され、ドア部を区画形成する上記ヒンジ部側の破断予定部は、該ヒンジ部の略U字状の溝に対応した位置に形成されているから、ドア部の開放時において、上記ヒンジ部がパネル本体の破断部に当接することがなく、ドア部をよりスムーズに開放させることができる。
請求項3に係る発明によれば、プレート部の先端部が筒状枠本体のフランジ表面よりも下がった表側端面から該プレート部の開放方向に所定寸法だけ離れた形状となるようにプレート部及び枠体部を成形するようにしたので、プレート部の先端と枠体部とがバリで繋がることを避ける上で有利になるとともに、プレート部をヒンジ部回りに回動させることで、該プレート部の先端部を筒状枠本体の上記表側端面に離脱可能に当接又は近接した状態にすることができるから、該プレート部及び枠体部のパネル本体への溶着を容易に実施することができ、請求項1又は2記載のエアバッグドア部付車両用内装品の製造が容易になる。
請求項4に係る発明によれば、脚部とヒンジ部とプレート部とを、枠体部とは別個に所謂二重インジェクションによって一体成形して脚部を枠本体に一体化するようにしたから、プレート部、ヒンジ部及び脚部を靱性の高い樹脂材料で成形し、枠体部を強度の高い樹脂材料で成形する、というように、両者を各々に要求される機能に応じた異なる適切な材料によって成形することができるようになり、当該エアバッグドア部付車両用内装品の品質ないしは信頼性の向上に有利になる。
請求項5に係る発明によれば、プレート部、ヒンジ部及び脚部を靱性の高い樹脂材料で成形し、枠体部を強度の高い樹脂材料で成形する、というように、両者を各々に要求される機能に応じた異なる適切な材料によって成形することができるようになり、当該エアバッグドア部付車両用内装品の品質ないしは信頼性の向上に有利になるとともに、プレート部の先端側隙間W1の方がサイド側隙間W2よりも狭くなるようにしたから、ドア部の耐荷強度の向上に有利になるとともに、ドア部をプレート部と共に安定して開放させることができる。
請求項6に係る発明によれば、脚部とヒンジ部とプレート部とを、枠体部とは別個に所謂二重インジェクションによって一体成形して脚部を枠本体に一体化するようにしたから、プレート部、ヒンジ部及び脚部を靱性の高い樹脂材料で成形し、枠体部を強度の高い樹脂材料で成形する、というように、両者を各々に要求される機能に応じた異なる適切な材料によって成形することができるようになり、当該エアバッグドア部付車両用内装品の品質ないしは信頼性の向上に有利になるとともに、プレート部の成形時には該プレート部の先端を枠体部から離して該先端と枠体部との隙間が大きくなるようにしたから、プレート部の先端と枠体部とがバリによって繋がってしまうのを回避することができ、しかもプレート部をドア部裏面に溶着するときはヒンジ部回りに回動させて該プレート部の先端を枠体部に近づけるから、当該先端側隙間W1をサイド側隙間W2よりも確実に狭くすることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
<実施形態1>
図1は、自動車の車室の前部に配置されたインストルメントパネル(車両用内装品)Aのパネル本体1を部分的に示しており、このパネル本体1は、その一部分、即ち運転席横の助手席前方に対応する部分に矩形状のドア部17を有するエアバッグドア5を備えている。このドア部17は、図2に示すエアバッグ装置42のエアバッグ(図示省略)の展開時に破断する破断予定部7によって区画形成されており、破断予定部7をパネル本体1の表側からは識別することができない、いわゆるシームレスタイプである。エアバッグ装置42は車体前後方向からの衝撃に対して助手席乗員を保護するものである。
図2に示すように、上記パネル本体1は、サーモプラスチックオレフィン(TPO)等を射出成形した樹脂製の基材10と、該基材10の表面側に一体に接合された表皮材11とからなる。
上記基材10の裏面には、表面側に向けて凹設された溝部15a,15bがドア部17の矩形の各辺をなすように形成されている。すなわち、パネル本体1は上記溝部15a,15bを設けた部分が他の部分よりも薄肉の脆弱部になっており、この薄肉脆弱部が上記破断予定部7になっている。この破断予定部7が車両後側に向かって開放する矩形状のドア部17の外縁を形成している。
上記パネル本体1の裏側には、樹脂成形体13が配設されている。本実施形態において、エアバッグドア5とは、インストルメントパネル本体1の一部(エアバッグの展開によって開放されるドア部17及び該ドア部17の周辺部)と樹脂成形体13とを合わせたものを指している。
上記樹脂成形体13は、ドア部17に沿って延び且つ該ドア部17の裏面に一体的に結合された補強用のプレート部としてのバックアッププレート20と、エアバッグ装置42が内側に配設される枠体部22と、バックアッププレート20と枠体部22とを連結するヒンジ部24とを備えている。バックアッププレート20と枠体部22とヒンジ部24とは溶融樹脂を用いた射出成形により一体的に成形されている。
上記枠体部22は、上記ドア部17に対応して上記パネル本体1から離れる方向に向かって延びる枠本体23と、該枠本体23のパネル本体1側の開口端から上記基材10の裏面に沿ってドア部17の外側に広がったフランジ26とを備えている。枠本体23は、断面矩形の筒状に形成されており、ヒンジ部24が一体的に結合したヒンジ側部分28の中間部と、該ヒンジ側部分28に対向するプレート先端側部分30の中間部とには、板厚方向に貫通する複数の長孔32がそれぞれ形成されている。
上記フランジ26は、ドア部17の外側、即ち破断予定部7の外側に配置されており、少なくとも、枠本体23のプレート先端側部分30に繋がった先端側フランジ部36と、上記枠本体23のヒンジ側部分28に繋がった基端側フランジ部38とを備え、破断予定部7の外側において基材10の裏面に溶着されている。
上記先端側フランジ部36は、プレート先端側部分30の表側端面(インストルメントパネル本体1側を向いた面)34よりもインストルメントパネル本体1側に少し出た形態で枠本体23の外側に一体的に形成されていて、バックアッププレート20の延長線上を基材10に沿ってドア部17外側に向かって延びている。さらに、この先端側フランジ部36の外端部はインストルメントパネル本体1から離れる側に向かって折れ曲がっている。
一方、基端側フランジ部38は、枠本体23のヒンジ側部分28のインストルメントパネル本体1側の端部に一体的に形成されていて、バックアッププレート20の延長線上を基材10に沿って上記先端側フランジ部36とは反対側に延びている。
なお、上記フランジ26は、枠本体23における車体前後方向に延びる一対の側縁より上記基材10の裏面に沿って左右の外側に広がった側部フランジ部(図示省略)を備え、この側部フランジ部は上記先端側及び基端側のフランジ部36,38と一体に連なっている。
上記バックアッププレート20は、上記基材10の裏面に沿い、上記ドア部17の形状にほぼ対応した大きさの板状体に形成されている。そして、上記バックアッププレート20の基端部20aは、上記ヒンジ部24を介して枠体部22に一体的に繋がっている一方、バックアッププレート20の先端部20bは、枠本体23の表側端面34に離脱可能に当接している。
すなわち、枠本体23の表側端面34は、フランジ26の表面よりもプレート20の厚さだけ下がっていて、基材10の裏面と略平行に形成されており、上記バックアッププレート20の先端部20bは、上記表側端面34側(パネル本体1側)に位置している。このバックアッププレート20は、後述するように、基材10によってパネル表側から押圧され、バックアッププレート20の先端部20bが上記表側端面34に当接するようにヒンジ部24回りに回動された状態で基材10と溶着して結合されている。
尚、上記バックアッププレート20の先端部20bは、上記枠本体23(プレート先端側部分30)の表側端面34に当接するのではなく、該表側端面34に近接していてもよい。
このような構成であれば、インストルメントパネル本体1の表側から外力が付加されたとしても、バックアッププレート20は、その先端部20bが枠本体23の表側端面34に当接して支持されるために、バックアップ手段としての機能を十分に発揮することができる。
上記ヒンジ部24は、矩形状ドア部17の車体前側の辺の略全長に亘って延びていて、インストルメントパネル本体1から離れる方向に突出した断面略U字状に形成されている。そうして、このヒンジ部24は、上記バックアッププレート20の基端部20aと、枠本体23のヒンジ側部分28のインストルメントパネル本体1側の端部とを一体的に繋いでいる。
上記破断予定部7を形成するヒンジ部24側の溝部15aは、インストルメントパネル本体1の基材10におけるヒンジ部24の略U字状の溝に対応した部位に設けられている。即ち、この溝部15aはバックアッププレート20とヒンジ部24との接合部よりも外側に位置している。そして、ヒンジ部24が断面略U字状に形成されていることにより、ドア部17の開放時に該ヒンジ部24がインストルメントパネル本体1のドア部17よりも外側部分に干渉するのを防止している。一方、上記破断予定部7を形成するプレート先端側の溝部15bは、バックアッププレート20の先端部20bよりも外側に配置されている。
上記バックアッププレート20及びフランジ26の表側面には、所定間隔をおいて配置される複数の溶着用突起40が設けられている。この突起40の先端部を上記基材10の裏面に振動溶着させることで、バックアッププレート20及びフランジ26は基材10に結合されている。
エアバッグ装置42は枠体部22の内側に配設されている。このエアバッグ装置42は、上記エアバッグとインフレータ(図示省略)とを収納するエアバッグケース43を備えている。このエアバッグケース43には鉤状の取付具45が固定されていて、エアバッグケース43は、この取付具45を介して枠本体23の上記長孔32に掛合されている。上記エアバッグはエアバッグケース43に折り畳まれた状態で収納されており、上記インフレータは車両の衝突が検知されるとガスを発生し、このガスによりエアバッグが膨張して展開するようになっている。尚、図2における左側が車両前側、即ちフロントガラス側となっており、右側が車両後側、即ち助手席側となっている。
−車両用内装品の製造方法−
ここで、上記車両用内装品の製造方法について説明する。図3は上記樹脂成形体13を射出成形するための成形型48を示しており、この成形型48は、第1型50と第2型54とを備えている。この第2型54は、基端側部51とプレート裏側部52と先端側部53とが一体形成されている。
上記第1型50及び第2型54間のキャビティ55は、第1〜第5のキャビティ部55a,…,55eを備えている。第1キャビティ部55aは、第1型50及び第2型54の基端側部51間に形成され、フランジ26の基端側フランジ部38に対応している。また、第2キャビティ部55bは、第1型50及び第2型54のプレート裏側部52間に形成され、バックアッププレート20及びヒンジ部24に対応している。また、第3キャビティ部55cは、第1型50及び第2型54の先端側部53間に形成され、フランジ26の先端側フランジ部36に対応している。また、第4キャビティ部55dは、第2型54の基端側部51及びプレート裏側部52間に形成され、枠本体23のヒンジ側部分28に対応している。また、第5キャビティ部55eは、第2型54のプレート裏側部52及び先端側部53間に形成され、枠本体23のプレート先端側部分30に対応している。上記第1〜第5キャビティ部55a,…,55eは互いに連通しており、これによりバックアッププレート20、枠体部22及びヒンジ部24を一体的に成形できるようになっている。
上記第1型50は、第1キャビティ部55a及び第2キャビティ部55bに臨む第1成形面50aと、型のスライド方向に延びる第1型スライド面50bと、第3キャビティ部55cに臨む第2成形面50cと、第2型54の先端側部53に当接する当接面50dとを有している。上記第1成形面50aはその先端側が第2成形面50cよりも所定高さだけ第1型50の外方へ突出した状態となっている。これにより、第2キャビティ部55bの延長線は、第3キャビティ部55cから所定寸法だけずれた状態となる。また、上記第1成形面50a及び第2成形面50cには、所定間隔をおいて配置される複数の凹部61が形成されている。この凹部61は、バックアッププレート20及びフランジ26に溶着用突起40を形成するためのものである。
上記プレート裏側部52は、第2キャビティ部55bに臨む第1成形面52aと、型のスライド方向に延び且つ第4キャビティ部55dに臨む第2成形面52bと、型のスライド方向に延び且つ一部が第5キャビティ部55eに臨む第3成形面52cとを有している。この第3成形面52cの一部は、樹脂射出時には上記第1型スライド面50bと接触した状態にあり、これにより第2キャビティ部55bと第5キャビティ部55eとが途切れた状態となっており、このため第2キャビティ部55bで成形されるバックアッププレート20の先端部20bと、第5キャビティ部55eで成形される枠本体23のプレート先端側部分30とが離間した状態で成形されることになる。
上記基端側部51は、第1キャビティ部55aに臨む第1成形面51aと、第4キャビティ部55dに臨む第2成形面51bとを有している。上記先端側部53は、第3キャビティ部55cに臨む第1成形面53aと、第5キャビティ部55eに臨む第2成形面53bと、第1型50の当接面50dに当接する当接面53cとを有している。
このような成形型48のキャビティ55に溶融樹脂を射出し、該溶融樹脂が固化した後、第1型50と第2型54とを開き、樹脂成形体13を脱型する。この樹脂成形体13は、バックアッププレート20の先端部20bが枠本体23のプレート先端側部分30における表側端面34よりも所定寸法だけパネル表側に位置した状態で成形される。
続いて、上記樹脂成形体13のバックアッププレート20及びフランジ26の表側面を基材10に振動溶着する。このとき、バックアッププレート20の表側を基材10によって押圧することにより、バックアッププレート20をヒンジ部24回りに回動させる。すなわち、バックアッププレート20の先端部20bが枠本体23のプレート先端側部分30における表側端面34に当接するまでバックアッププレート20を上記表側端面34の方向に回動させ、この状態で基材10に溶着する。これにより、バックアッププレート20の先端部20bとプレート先端側部分30の表側端面34とを離脱可能に当接した状態に形成することができる。しかる後に、基材10に表皮材11を被せる。このようにしてインストルメントパネルAを製造することができる。
したがって、本実施形態によれば、エアバッグ装置42が作動しない通常時においては、バックアッププレート20の先端部20bが枠本体23におけるプレート先端側部分30の表側端面34に当接しているために、バックアッププレート20がその両端(基端部20a及び先端部20b)で枠体部22によって支持されることとなり、例えば乗員がパネル本体1を押圧してもドア部17は破損することがなく、強度を容易に確保することができる。
さらに、ヒンジ部24を介してバックアッププレート20と枠体部22とを溶融樹脂の射出によって一体的に形成するようにしたために、部品点数を削減することができ、また、エアバッグドア5の製造時において組立工数を低減することができ、製造効率の向上及び製造コストの低減を図ることができる。
一方、エアバッグ装置42の作動によってパネル本体1の破断予定部7が破断し、ドア部17がバックアッププレート20と共にヒンジ部24回りに回動して開放するときには、バックアッププレート20の先端部20bがプレート先端側部分30の表側端面34から離脱する。すなわち、バックアッププレート20の先端部20bとプレート先端側部分30の表側端面34とが離脱可能に形成されているために、ドア部17の開放時にはバックアッププレート20を枠体部22の表側端面34から容易に離脱させることができ、ドア部17を安定して開放させることができる。
そして、このとき、破断予定部7がバックアッププレート20の先端部20bよりも外側に位置しているので、上記先端部20bがパネル本体1に干渉することがない。さらに、ヒンジ部24をインストルメントパネル本体1から離れる方向に突出する断面略U字状に形成すると共に、ヒンジ部24側に位置する破断予定部7を上記ヒンジ部24の表側に対応した位置に形成したので、ドア部17の開放時において、上記ヒンジ部24がパネル本体1の破断部に当接することがない。これにより、エアバッグ装置42の作動時には、ドア部17をスムーズに開放させることができる。
また、本実施形態では、バックアッププレート20の先端部20bが枠本体23の表側端面34から該パックアッププレート20の開放方向に所定寸法だけ離れた形状になるように、樹脂成形体13を成形するようにしている。従って、バックアッププレート20及びフランジ26をインストルメントパネル本体1に振動溶着させる際には、基材10で押圧するだけで、バックアッププレート20をヒンジ部24回りに回動させて、バックアッププレート20の先端部20bを枠本体23の表側端面34に離脱可能に当接させることができる。そして、この状態でパックアッププレート20及びフランジ26をインストルメントパネル本体1の裏面に振動溶着させることにより、バックアッププレート20及び枠体部22をインストルメントパネル本体1に一体的に形成することができる一方、バックアッププレート20の先端部20bを枠本体23から簡単に離脱可能な状態にすることができる。
<実施形態2>
本発明の実施形態2では、図4に示すように、樹脂成形体13が、バックアッププレート20、脚部28、及び該バックアッププレート20を脚部28に連結するヒンジ部24からなる第1成形部66と、枠本体23及び該枠本体23より周囲に広がったフランジ26からなる第2成形部67とにより構成されている。上記第1成形部66は第1樹脂材からなり、上記第2成形部67は第2樹脂材からなる。なお、実施形態1と同じ構成要素には同じ符号を付し、その説明を省略する。
本実施形態2の樹脂成形体13は二重インジェクション法によって形成されている。すなわち、まず、第2樹脂材を第2成形部用成形型のキャビティに射出することにより、枠本体23とフランジ26からなる第2成形部67を成形する。この第2成形部67の枠本体23の車体前側(バックアッププレート20の基端側)の壁には、内側に向かって突出する内側突起78と、外側に向かって突出する外側突起80とが形成されている。内側突起78は複数設けられており、各内側突起78は各々の先端部は大径に形成されている。外側突起80は枠本体23の下端近傍より外側へ突出し、さらに下方へ折れ曲がっている。
次に、第2成形部67、すなわち、枠体部22を図5に示すように、第1成形部用の成形型48にインサートし、該成形型48の第1型50と第2型54との間に形成されたキャビティ55に第1樹脂材を射出することにより、枠本体23と一体になった脚部28と、バックアッププレート20と、ヒンジ部24とからなる第1成形部66を一体成形する(二重インジェクション成形)。つまり、本実施形態2においても、バックアッププレート20と枠体部22(枠本体23とフランジ26とからなる)とヒンジ部24とは一体的に形成されている。
脚部28は、枠本体23の上記突起78,80が設けられた前側壁の内側面に一体化するように形成されていて、枠本体23の内側突起78を抱き込んだ段付固着孔73を備えているとともに、下端部72は枠本体23の前側壁の下端部を下から抱くように該壁の下端部と外側突起80との間に下方から回り込んでいる。枠本体23の前側壁及び脚部28には、エアバッグケース43を掛合させるためにこの前側壁及び脚部28を貫通する長孔32が形成されている。第1成形部66は、バックアッププレート20の先端部20bが枠体部22の上記枠本体23のパネル本体側を向いた表側端面34から該バックアッププレート20の開放方向に所定寸法離れた形状となるように一体成形する。
そうして、樹脂成形体13を脱型し、実施形態1と同様に、基材10への振動溶着のために、該基材10によってバックアッププレート20をその表側から押圧して、バックアッププレート20の先端部20bが枠本体23の表側端面34に当接するまでヒンジ部24回りに回動させる。そして、この状態でバックアッププレート20及びフランジ26を基材10に振動溶着し、溶着完了後に、基材10に表皮材11を被せる。これにより、バックアッププレート20の先端部20bが枠本体23の表側端面34に離脱可能に当接したインストルメントパネルAを製造することができる。
従って、本実施形態2においても、エアバッグ装置42が作動しない通常時には、バックアッププレート20の先端部20bが枠本体23の表側端面34に当接しているために、バックアッププレート20がその両端(基端部20a及び先端部20b)で枠体部22によって支持されることとなり、例えば乗員がパネル本体1を押圧しても破損することがない程度の強度を容易に確保することができる。
尚、上記バックアッププレート20の先端部20bは、枠本体23の表側端面34に当接するのではなく、該表側端面34に近接していてもよい。このような構成であれば、パネル本体1の表側から外力が付加されたとしても、バックアッププレート20の先端部20bが枠本体23の表側端面34に当接するために、バックアッププレート20としての剛性を確保することができる。
また、第1成形部66と第2成形部67とをそれぞれ別々の材料で形成するようにしたために、これらを用途に応じた材料を用いることにより、それぞれの機能をより有効に発揮させることができる。例えば、第1成形部66にはドア部17の開放時に材料が飛散しにくい靱性樹脂材料を使用すると共に、第2成形部67にはより強度の高い樹脂材料を使用することができる。しかし、この実施形態では成形樹脂材料が2種類の異なった材料に限定されるものではなく、同一材料であってもよい。
その他の構成、作用及び効果は実施形態1と同様である。
<実施形態3>
本発明の実施形態3については図6〜図8に示す。なお、実施形態1,2と同じ構成要素には同じ符号を付し、その説明を省略する。本実施形態3では、図6に示すように、バックアッププレート20の両サイド(側縁)と枠本体との間にサイド側隙間31bが形成されているだけでなく、バックアッププレート20の先端と枠本体との間に先端側隙間W1が形成されている。以下、具体的に説明する。
図7に示すように、樹脂成形体13は、実施形態2と同様に、二重インジェクション成形(インサート成形)によって形成されていて、第1樹脂材よりなる第1成形部66と、第2樹脂材よりなる第2成形部67とによって構成されている。第1成形部66は、バックアッププレート20、ヒンジ部24及び脚部28からなる。第2成形部67は、枠本体23及びフランジ26からなる枠体部22である。脚部28は当該二重インジェクションにより枠本体23と一体化されている。
実施形態1,2とは違って、バックアッププレート20の先端と枠本体23との間には先端側隙間W1が形成されている。この先端側隙間W1は、バックアッププレート20の両サイドと枠本体23との間に形成された隙間、すなわち、図6に示すサイド側隙間W2よりも狭く、例えば0.5〜2mm程度になるように形成されている。
次に実施形態3に係るインストルメントパネルAの製造方法を説明する。実施形態2と同様に、まず、第2樹脂材を第2成形部用成形型のキャビティに射出することにより、枠本体23とフランジ26からなる第2成形部67を成形する。この枠本体23の車体前側の壁には、複数の内側突起78と外側突起80とが形成されている。
次に、第2成形部67(枠体部22)を図8に示す第1成形部用の成形型48にインサートし、該成形型48の第1型50と第2型54との間に形成されたキャビティ55に第1樹脂材を射出することにより、枠本体23と一体になった脚部28と、バックアッププレート20と、ヒンジ部24とからなる第1成形部66を一体成形する。つまり、本実施形態2においても、バックアッププレート20と枠体部22とヒンジ部24とは一体的に形成されることになる。
上記成形型48のキャビティ55は、バックアッププレート20を成形する部分の先端が、インサートされた枠本体23から上方(バックアッププレート20の開放方向)に所定寸法離れている。従って、上記キャビティ55のバックアッププレート成形部の先端と枠本体23との隙間は、プレート表側から視た平面視でサイド側隙間W2と同等の大きさW2になっている。
このような型構成を採用したことにより、樹脂成形体13を二重インジェクション法によって成形した段階では、バックアッププレート20は、その先端部20bが枠体部22のインストルメントパネル本体1側を向いた端面から所定寸法離れた形態となる。
次に、樹脂成形体13を脱型し、実施形態1と同様に、基材10への振動溶着のために、該基材10によってバックアッププレート20をその表側から押圧して、ヒンジ部24回りに回動させることにより、該バックアッププレート20の表面と枠体部22のフランジ26の表面とが面一になるまで、該バックアッププレート20の先端を枠本体23に近付ける。これにより、バックアッププレート20の先端と枠本体23との隙間はW2よりも狭いW1になる。この状態でバックアッププレート20及びフランジ26を基材10に振動溶着し、溶着完了後に、基材10に表皮材11を被せる。
従って、本実施形態によれば、樹脂成形体13の成形時には、バックアッププレート20の先端と枠本体23との隙間が、溶着後の先端側隙間W1よりも大きくなるため、このバックアッププレート20の先端と枠本体23とがバリによって繋がってしまうのを効果的に防止することができる。
一方、バックアッププレート20をドア部17に溶着すると、該バックアッププレート20の先端と枠本体23との隙間が狭い先端側隙間W1になる。すなわち、インストルメントパネル本体1の表側からの荷重に対して広い受圧面積をもつバックアッププレート20が得られる。この結果、インストルメントパネル本体1のドア部17の耐荷強度が高くなり、インストルメントパネル本体1の表側からの荷重によってドア部17が破壊するという問題が解消される。
また、上述の如くバックアッププレート20の先端と枠本体23との先端側隙間W1が狭いから、この先端側隙間W1にエアバッグの展開圧力が直接作用することが避けられる。このため、先端側隙間W1に対応する破断予定部7の周囲に亀裂を生ずることがなくなり、ドア部17をバックアッププレート20と共に安定して開放させることができる。
また、樹脂成形体13は、バックアッププレート20の先端が枠本体23から該バックアッププレート20の開放方向に離れた形態になるように成形するようにしたから、振動溶着の際の基材10による押圧を利用して、バックアッププレート20を枠本体23の開口位置まで簡単に回動させることができ、振動溶着の作業性が向上する。
なお、上記実施形態3では樹脂成形体13の成形時にバックアッププレート20の先端が枠本体23から該バックアッププレート20の開放方向に離れた形態になるようにしたが、これに代え、バックアッププレート20が枠本体23の開口位置から該枠本体23の内側に所定寸法だけずれた形態になるように樹脂成形体13を成形してもよい。この場合、バックアッププレート20をその裏側から押圧して枠本体23の開口位置まで回動させ、その状態で基材10に溶着させることになる。
その他の構成、作用及び効果は実施形態1と同様である。
<その他の実施形態>
上記各実施形態では、シームレスタイプの破断予定部7を形成したインストルメントパネル本体1に樹脂成形体13を溶着するようにしたが、これに代え、インストルメントパネル本体1に開口部を形成し、この開口部に嵌め込むようにしたインストルメントパネル構成用のパネルにシームレスタイプの破断予定部を形成し、該パネル裏面に上記実施形態と同様の樹脂成形体13を振動溶着するようにした嵌め込み式のエアバッグドア(エアバッグドア部付車両用内装品)としてもよい。
また、上記実施形態では、インストルメントパネル本体1の表皮材11は、基材10の裏面に枠体部22を溶着した後に該基材10の表面に被せるようにしたが、上記基材10の成形時に表皮材11を該基材に一体成形するようにしてもよく、あるいは表皮材11は省いてもよい。
また、上記各実施形態では、インストルメントパネル本体1に配設されたエアバッグドア5に適用した構成について説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、例えば車両のステアリングに配設されたエアバッグドアに適用してもよい。
本発明の実施形態1に係るエアバッグドアを備えるインストルメントパネル本体を部分的に示す斜視図である。 図1のII−II線におけるエアバッグドアの断面図である。 実施形態1に係る樹脂成形体の成形型を示す断面図である。 本発明の実施形態2に係る上記図2に相当する図である。 実施形態2に係る二重インジェクション用の成型型に第2成形部をインサートした状態を示す断面図である。 本発明の実施形態3に係るエアバッグドアを備えるインストルメントパネル本体を部分的に示す斜視図である。 図6のVII−VII線における断面図である。 実施形態3に係る二重インジェクション用の成型型に第2成形部をインサートした状態を示す断面図である。
符号の説明
1 インストルメントパネル本体(パネル本体)
7 破断予定部
17 ドア部
20 バックアッププレート(プレート部)
20a 基端部
20b 先端部
22 枠体部
23 枠本体
24 ヒンジ部
26 フランジ
28 脚部
34 表側端面
42 エアバッグ装置
66 第1成形部
67 第2成形部

Claims (6)

  1. エアバッグ装置の作動によって開放されるドア部が樹脂製パネル本体に形成した破断予定部により区画形成されているエアバッグドア部付車両用内装品であって、
    上記ドア部の裏面に溶着され上記エアバッグ装置の作動によって該ドア部と共に開放される補強用のプレート部と、エアバッグ装置が内側に配設される枠体部と、上記プレート部を枠体部に連結するためのヒンジ部とが溶融樹脂の射出成形によって一体的に形成され、
    上記枠体部は、上記プレート部から上記パネル本体と離れる側に向かって延びる筒状の枠本体と、該枠本体の上記パネル本体側の開口端より外側に広がり、上記パネル本体におけるドア部外側裏面に溶着されるフランジとを備え、
    上記プレート部の基端部は、上記ヒンジ部を介して上記枠体部に一体的に形成されている一方、先端部は上記筒状枠本体の上記パネル本体側を向いた表側の上記フランジの表面よりも下がった端面に離脱可能に当接又は近接しており、
    上記ドア部を区画する破断予定部のうち上記プレート部の先端側の破断予定部は、該プレート部の先端よりも外側に位置していることを特徴とするエアバッグドア部付車両用内装品。
  2. 請求項1において、
    上記ヒンジ部は、上記パネル本体から離れる方向に突出する断面略U字状に形成されており、
    上記ドア部を区画する破断予定部のうち上記ヒンジ部側の破断予定部は、該ヒンジ部の略U字状の溝に対応した位置に形成されていることを特徴とするエアバッグドア部付車両用内装品。
  3. 請求項1又は2に記載されたエアバッグドア部付車両用内装品を製造する方法であって、
    上記プレート部の先端部が上記枠体部の上記筒状枠本体の上記フランジの表面よりも下がった表側端面から該プレート部の開放方向に所定寸法だけ離れた形状となるように上記プレート部と上記枠体部と上記ヒンジ部とを一体的に射出成形した後、
    上記プレート部の先端部が上記枠体部の上記筒状枠本体の上記フランジの表面よりも下がった表側端面に当接又は近接するように上記プレート部を上記ヒンジ部回りに回動させて、上記プレート部及び上記枠体部のフランジを上記パネル本体に溶着させることを特徴とするエアバッグドア部付車両用内装品の製造方法。
  4. 請求項1又は2に記載されたエアバッグドア部付車両用内装品を製造する方法であって、
    上記枠本体と上記フランジとが一体になった上記枠体部を成形し、
    上記枠体部を成形型にインサートし、該成形型に樹脂材を射出することにより、上記枠本体と一体になった脚部を有する上記ヒンジ部と上記プレート部とを、該プレート部の先端部が上記枠体部の上記筒状枠本体の上記フランジの表面よりも下がった表側端面から該プレート部の開放方向に所定寸法だけ離れた形状となるように一体成形した後、
    上記プレート部の先端部が上記枠体部の上記筒状枠本体の上記フランジの表面よりも下がった表側端面に当接又は近接するように上記プレート部を上記ヒンジ部回りに回動させて、上記プレート部及び上記枠体部のフランジを上記パネル本体に溶着させることを特徴とするエアバッグドア部付車両用内装品の製造方法。
  5. エアバッグ装置の作動によって開放されるドア部が樹脂製パネル本体に形成した破断予定部により区画形成されているエアバッグドア部付車両用内装品であって、
    上記ドア部の裏面に溶着される補強用のプレート部と、
    上記エアバッグ装置が内側に配設される枠体部と、
    上記プレート部と一体成形され上記枠体部に上記プレート部を上記ドア部と共に回動するように支持するヒンジ部とを備え、
    上記枠体部は、上記プレート部から上記パネル本体と離れる側に向かって延びる枠本体と、該枠本体の上記パネル本体側の端部より外側に広がり、上記パネル本体におけるドア部外側裏面に溶着されるフランジとを備え、該枠本体とフランジとが一体成形されてなるものであり、
    上記ヒンジ部には上記枠本体に一体化した脚部が一体に形成され、且つ上記プレート部、上記ヒンジ部及び上記脚部は上記枠体部とは別に一体成形され、
    上記プレート部の先端と上記枠本体との間に先端側隙間W1が設けられているとともに、該プレート部の両側縁と上記枠本体との間にサイド側隙間W2が設けられ、且つ先端側隙間W1の方がサイド側隙間W2よりも狭くなるように形成されていることを特徴とするエアバッグドア部付車両用内装品。
  6. 請求項5に記載されたエアバッグドア部付車両用内装品を製造する方法であって、
    上記枠本体と上記フランジとが一体になった上記枠体部を成形し、
    上記枠体部を成形型にインサートし、該成形型に樹脂材を射出することにより、上記枠本体に一体化した上記脚部と上記ヒンジ部と上記プレート部とを、該プレート部の先端が枠体部から離れ該プレート部の先端と枠本体との間の隙間が上記先端側隙間W1よりも大きくなった形態に一体成形した後、
    上記プレート部を上記ヒンジ部回りに回動させて該プレート部の先端を上記枠体部に近づけて、該プレート部の先端と枠体部との隙間を上記W1の大きさにし、該プレート部及び枠体部のフランジを上記パネル本体の裏面に溶着させることを特徴とするエアバッグドア部付車両用内装品の製造方法。
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