JP4139150B2 - 粉末香味料及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、食品に添加できる粉末香味料製剤およびその製造方法に関する。特に、チューインガムに添加した場合、香気、香味、の良好な初発性を有する粉末香味料製剤及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
食品に添加する粉末香味料としては、従来から香気や香味に関して持続性を高めるために、種々の研究が行なわれてきた。
【0003】
特許出願公開平6−153804号公報に開示の発明では、チューインガムの圧延工程において使用される取り粉に香気成分を吸着させた蔗糖微粉末の使用に関し提案されたが、このような発明では、香料の導入手段と、用いられた香料自体が本来有する性質の故に、或る程度の香気、香味に関する初発性は期待できても長期間に亘る安定性、持続性は期待できなかった。つまり、チューインガム等のように、口中にて咀嚼を開始した際には、唾液が取り粉のように表面にまぶしつけた香料を直ちに溶出し、咀嚼の進行とともに嚥下されて口中に残らず、従って嗅覚や味覚として口中に持続される香気や香味の量は急速に減少し、香料を加えたことによる持続的な効果は望めないというのが実際である。
【0004】
この点をより詳しく述べると、一般的に香料組成物を含有する粉末香料は、香料精油または香料組成物をアラビアガムのような天然ガム、ゼラチン、カゼインのようなタンパク質、食品としての加工澱粉などの乳化機能をもつ素材と、デキストリン、糖類のような乳化機能をもたず、乳化助剤として働きながら担体を形成する可溶性素材とを混合し、溶解した溶液で乳化したものを噴霧して乾燥させる工程により製造してきた。
【0005】
一方、チューインガムのような嗜好品にあっては、その生地が、ガムベース、香料及び水溶性甘味料から製造されるので、この場合、ガムベース、香料がともに疎水性であることにより、相溶性が良く、通常の香料では、香料をガムベースから離脱させることができず、口中で咀嚼している間、その効果が充分に発現しないうちに甘味が失われて来てしまい、ガムベースとともに廃棄されてしまうという問題があった。
【0006】
そこで、香気成分の発現をより効果的にするために、粉末香料が使用され、更には、粉末香料でも貯蔵中に香料の香気成分がガムベースに移行してその力価を下げる傾向にあるという知見に基づいて、粉末香料の製造工程において、一旦、一次的に乳化した粒子を二次的に他の皮膜剤で保護するように工夫することも行なわれてきた。この為、通常ゼラチンで乳化した香料粒子を、ガムベースの糖類と相溶性の良いアラビアガム水溶液に分散してから噴霧乾燥するという製造手段がとられたのである。
【0007】
特許出願公開平8−173080号公報においては、食品用香料と、加水分解ゼラチンの水溶液とを混合乳化した乳化液を噴霧乾燥して粉末化したことを特徴とする香料製剤により、チューインガムにおいて香味の発現性改善が提案されている。しかしながら、上記方法により香味の発現の初発性は改善されたものの、ゼラチンはアレルギー物質を含む特定原材料であるため使用に際して注意が必要であり、さらなる技術改良が求められていた。
【0008】
【解決すべき技術課題】
したがって、本発明の目的は、ゼラチンを用いないで汎用性のある、香味発現の初発性に優れた粉末香味料を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明者らは種々の素材の組合せ、製造条件を検索した結果、香味料の乳化液に増粘安定剤を分散させ、乾燥して得た粉末香味料が優れた香味発現性を示すことを見いだし、本発明を完成させた。すなわち本発明は、香味料を乳化剤(ゼラチンを除く)により乳化し、乳化液に増粘安定剤を添加後乾燥したことを特徴とする粉末香味料であり、また、香味料を乳化剤(ゼラチンを除く)により乳化し、乳化液に20〜70℃の温度域で増粘安定剤を添加分散後、乾燥したことを特徴とする粉末香味料の製造方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について詳細に述べるが、本発明の技術的範囲は、以下の例示に限定されるものではない。
【0011】
本発明に用いられる香味料は、食品に用いることができる香味料であれば特に限定されることはなく、例えばアセト酢酸エチル、アセトフェノン、アニスアルデヒド、α−アミルシンナムアルデヒド、アントラニル酸メチル、イオノン、イソオイゲノール、イソ吉草酸イソアミル、イソ吉草酸エチル、イソチオシアネート類、インドール及びその誘導体、γ−ウンデカラクトン、エステル類、エチルバニリン、エーテル類、オイゲノール、オクタノール、オクタン酸エチル、ギ酸イソアミル、ギ酸ゲラニル、ギ酸シトロネリル、ケイ皮酸、ケイ皮酸エチル、ケイ皮酸メチル、ケトン類、ゲラニオール、酢酸イソアミル、酢酸エチル、酢酸ゲラニル、酢酸シクロヘキシル、酢酸シトロネリル、酢酸シンナミル、酢酸テルピニル、酢酸フェネチル、酢酸ブチル、酢酸ベンジル、酢酸l−メンチル、酢酸リナリル、サリチル酸メチル、シクロヘキシルプロピオン酸アリル、シトラール、シトロネラール、シトロネロール、1,8−シネオール、脂肪酸類、脂肪族高級アルコール類、脂肪族高級炭化水素類、シンナミルアルコール、シンナムアルデヒド、チオエーテル類、チオール類、デカノール、デカン酸エチル、テルピネオール、リモネン、ピネン、ミルセン、タピノーレン、テルペン系炭化水素類、γ−ノナラクトン、バニリン、パラメチルアセトフェノン、ヒドロキシシトロネラール、ヒドロキシシトロネラールジメチルアセタール、ピペロナール、フェニル酢酸イソアミル、フェニル酢酸イソブチル、フェニル酢酸エチル、フェノールエーテル類、フェノール類、フルフラール及びその誘導体、プロピオン酸イソアミル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ベンジル、ヘキサン酸アリル、ヘキサン酸エチル、ヘプタン酸エチル、l−ペリラアルデヒド、ベンジルアルコール、ベンズアルデヒド、芳香族アルコール類、d−ボルネオール、マルトール、N−メチルアントラニル酸メチル、メチルβ−ナフチルケトン、メントール、酪酸イソアミル、酪酸エチル、酪酸シクロヘキシル、酪酸ブチル、ラクトン類、リナロオール等の合成或いは天然由来の香料の他、オレンジ、レモン、ライム、グレープフルーツなどシトラス系精油類、ミント類精油、アップル、バナナ、グレープ、メロン、ピーチ、パイナップル、ストロベリーなどフルーツ系の精油或いは回収フレーバー、ミルク、クリーム、バター、チーズ、ヨーグルトなど乳系の抽出香料、緑茶、紅茶、コーヒー、ココアなど嗜好品系の回収フレーバー、アサノミ、アサフェチダ、アジョワン、アニス、アンゼリカ、ウイキョウ、ウコン、オレガノ、オールスパイス、オレンジノピール、カショウ、カッシア、カモミール、カラシナ、カルダモン、カレーリーフ、カンゾウ、キャラウェー、クチナシ、クミン、クレソン、クローブ、ケシノミ、ケーパー、コショウ、ゴマ、コリアンダー、サッサフラス、サフラン、サボリー、サルビア、サンショウ、シソ、シナモン、シャロット、ジュニパーベリー、ショウガ、スターアニス、セイヨウワサビ、セロリー、ソーレル、タイム、タマネギ、タマリンド、タラゴン、チャイブ、ディル、トウガラシ、ナツメグ、ニガヨモギ、ニジェラ、ニンジン、ニンニク、バジル、パセリ、バニラ、パプリカ、ヒソップ、フェネグリーク、ホースラディッシュ、マジョラム、ミョウガ、ラベンダー、リンデン、レモングラス、レモンバーム、ローズ、ローズマリー、ローレル、ワサビなどから得られる香辛料抽出物、アイスランドモス、アカヤジオウ、アケビ、アサ、アサフェチダ、アジアンタム、アジョワン、アズキ、アスパラサスリネアリス、アーティチョーク、アニス、アボカド、アマチャ、アマチャズル、アミガサユリ、アミリス、アーモンド、アリタソウ、アルカンナ、アルテミシア、アルニカ、アルファルファ、アロエ、アンゴスツラ、アンゴラウィード、アンズ、アンズタケ、アンゼリカ、アンバー、アンバーグリス、アンブレット、イカ、イカリソウ、イグサ、イースト、イタドリ、イチゴ、イチジク、イチョウ、イノコヅチ、イランイラン、イワオウギ、インペラトリア、インモルテル、ウィンターグリーン、ウォータークレス、ウコギ、ウコン、ウスバサイシン、ウッドラフ、ウニ、ウメ、ウーロンチャ、エゴマ、エノキダケ、エビ、エビスグサ、エリゲロン、エルダー、エレウテロコック、エレカンペン、エレミ、エンゴサク、エンジュ、エンダイブ、欧州アザミ、オウレン、オオバコ、オカゼリ、オキアミ、オーク、オークモス、オケラ、オスマンサス、オポポナックス、オミナエシ、オモダカ、オランダセンニチ、オリガナム、オリス、オリバナム、オリーブ、オールスパイス、オレンジ、オレンジフラワー、カイ、海藻、カイニンソウ、カカオ、カキ、カサイ、カシューナッツ、カスカラ、カスカリラ、カストリウム、カタクリ、カツオブシ、カッシー、カッシャフィスチュラ、カテキュ、カニ、カーネーション、カノコソウ、カモミル、カヤプテ、カラシ、カラスウリ、カラスビシャク、ガラナ、カラムス、ガランガ、カーラント、カリッサ、カリン、カルダモン、ガルバナム、カレー、カワミドリ、カンゾウ、ガンビア、カンラン、キウィーフルーツ、キカイガラタケ、キキョウ、キク、キクラゲ、キササゲ、ギシギシ、キダチアロエ、キナ、キハダ、キバナオウギ、ギボウシ、ギムネマシルベスタ、キャットニップ、キャラウェイ、キャロップ、キュウリ、キラヤ、キンミズヒキ、グァバ、グァヤク、クコ、クサスギカズラ、クサボケ、クズ、クスノキ、クスノハガシワ、グーズベリー、クチナシ、クベバ、クマコケモモ、グミ、クミン、グラウンドアイビー、クララ、クラリセージ、クランベリー、クリ、クルミ、クリーム、グレインオブパラダイス、クレタディタニー、グレープフルーツ、クローバー、クローブ、クロモジ、クロレラ、クワ、クワッシャ、ケイパー、ゲットウ、ケード、ケブラコ、ゲルマンダー、ケンチュール、ケンポナシ、ゲンノショウコ、コウジ、コウダケ、コウチャ、コウホネ、コカ、コガネバナ、コクトウ、コクルイ、ココナッツ、ゴシュユ、コショウ、コスタス、コストマリー、コパイパ、コーヒー、コブシ、ゴボウ、ゴマ、コーラ、コリアンダー、コルツフート、ゴールデンロッド、コロンボ、コンサイ、コンズランゴ、コンブ、コンフリー、サイプレス、魚、サクラ、サクランボ、ザクロ、サケカス、ササ、ササクサ、サーチ、サッサフラス、サフラン、サポジラ、サボテン、サラシナショウマ、サルサパリラ、サルシファイ、サルノコシカケ、サンザシ、サンシュユ、サンショウ、サンタハーブ、サンダラック、サンダルウッド、サンダルレッド、シイタケ、ジェネ、シソ、シダー、シトラス、シトロネラ、シヌス、シベット、シマルーバ、シメジ、シャクヤク、ジャスミン、ジャノヒゲ、ジャボランジ、シャロット、シュクシャ、ジュニパーベリー、ショウガ、ショウユ、ショウユカス、ジョウリュウシュ、ショウロ、シロタモギタケ、ジンセン、シンナモン、酢、スイカ、スイセン、スギ、スターアニス、スターフルーツ、スチラックス、スッポン、スッポンタケ、ズドラベッツ、スネークルート、スパイクナード、スプルース、スベリヒユ、スローベリー、セイボリー、セキショウ、セージ、ゼドアリー、セネガ、ゼラニウム、セロリー、センキュウ、センタウリア、センゲン、セントジョーンズウォルト、センナ、ソース、ダイオウ、ダイズ、タイム、タケノコ、タコ、タデ、ダバナ、タマゴ、タマゴタケ、タマネギ、タマリンド、ダミアナ、タモギタケ、タラゴン、タラノキ、タンジー、タンジェリン、タンポポ、チェリモラ、チェリーローレル、チェリーワイルド、チガヤ、チコリ、チーズ、チチタケ、チャイブ、チャービル、チャンパカ、チュベローズ、チョウセンゴミシ、チラータ、ツクシ、ツケモノ、ツタ、ツバキ、ツユクサ、ツリガネニンジン、ツルドクダミ、ディアタング、ティスル、ディタニー、ディル、デーツ、テンダイウヤク、テンマ、トウガラシ、トウキ、ドウショクブツタンパクシツ、ドウショクブツユ、トウミツ、トウモロコシ、ドクダミ、トチュウ、ドッググラス、トマト、ドラゴンブラッド、ドリアン、トリュフ、トルーバルサム、トンカ、ナギナタコウジュ、ナシ、ナスターシャム、ナッツ、ナットウ、ナツメ、ナツメグ、ナデシコ、ナメコ、ナラタケ、ニアウリ、ニュウサンキンバイヨウエキ、ニンジン、ニンニク、ネズミモチ、ネットル、ネムノキ、ノットグラス、ノリ、バイオレット、パイナップル、ハイビスカス、麦芽、ハコベ、バジル、ハス、ハスカップ、パースカップ、パセリ、バター、バターオイル、バターミルク、バーチ、ハチミツ、パチュリー、バックビーン、ハッコウシュ、ハッコウニュウ、ハッコウミエキ、パッションフルーツ、ハツタケ、バッファローベリー、ハトムギ、ハナスゲ、バナナ、バニラ、ハネーサックル、パパイヤ、バーベリー、ハマゴウ、ハマスゲ、ハマナス、ハマボウフウ、ハマメリス、バラ、パルマローザ、パンダナ、バンレイシ、ヒキオコシ、ヒシ、ピスタチオ、ヒソップ、ヒッコリー、ピーナッツ、ヒノキ、ヒバ、ピプシシワ、ヒメハギ、ヒヤシンス、ヒラタケ、ビワ、ビンロウ、フェイジョア、フェネグリーク、フェンネル、フジバカマ、フジモドキ、フスマ、フーゼルユ、プチグレイン、ブチュ、ブドウ、ブドウサケカス、フトモモ、ブナ、ブナハリタケ、ブラックキャラウェイ、ブラックベリー、プラム、ブリオニア、プリックリーアッシュ、プリムローズ、プルネラ、ブルーベリー、ブレッドフルーツ、ヘイ、ベイ、ヘーゼルナッツ、ベチバー、ベーテル、ベニバナ、ペニーロイヤル、ヘビ、ペピーノ、ペプトン、ベルガモット、ペルーバルサム、ベルベナ、ベロニカ、ベンゾイン、ボアドローズ、ホアハウンド、ホウ、ホウキタケ、ホウショウ、ボウフウ、ホエイ、ホオノキ、ホースラディッシュ、ボタン、ホップ、ポピー、ポプラ、ポポー、ホホバ、ホヤ、ボルドー、ボロニア、マイタケ、マグウォルト、マシュマロー、マジョラム、マスティック、マソイ、マタタビ、マチコ、マツ、マツオウジ、マッシュルーム、マツタケ、マツブサ、マツホド、マテチャ、マメ、マリーゴールド、マルバダイオウ、マルメロ、マレイン、マロー、マンゴー、マンゴスチン、ミカン、ミシマサイコ、ミソ、ミツマタ、ミツロウ、ミート、ミモザ、ミョウガ、ミルク、ミルテ、ミルフォイル、ミルラ、ミロバラン、ムギチャ、ムスク、ムラサキ、メスキート、メドウスィート、メハジキ、メープル、メリッサ、メリロット、メロン、モウセンゴケ、モニリアバイヨウエキ、モミノキ、モモ、モロヘイヤ、ヤクチ、ヤマモモ、ユーカリ、ユキノシタ、ユズ、ユッカ、ユリ、ヨウサイ、ヨロイグサ、ライオンズフート、ライチ、ライフエバーラスティングフラワー、ライム、ライラック、ラカンカ、ラカンショウ、ラズベリー、ラタニア、ラディッシュ、ラブダナム、ラベンダー、ラングウォルト、ラングモス、ランブータン、リキュール、リーク、リツェア、リナロエ、リュウガン、リョウフンソウ、リョクチャ、リンゴ、リンデン、リンドウ、ルー、ルリジサ、レセダ、レモン、レモングラス、レンギョウ、レンゲ、レンブ、ローズマリー、ロベージ、ローレル、ロンゴザ、ワサビ、ワタフジウツギ、ワームウッド、ワームシード、ワラビ、ワレモコウなどから得られる天然香料等が例示され、好ましくはメントール及び/又はミント類精油が例示される。これらの香味料は、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0012】
本発明で用いられる乳化剤は、食品に用いることができる乳化剤であれば、ゼラチンを除いて特に限定されることはなく、例えば、アラビアガム、加工澱粉、カゼイン、エンジュサポニン、オオムギ殻皮抽出物、キラヤ抽出物、グリセリン脂肪酸エステル、酵素処理大豆サポニン、酵素処理レシチン、植物性ステロール、植物レシチン、スフィンゴ脂質、ショ糖脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウム、ソルビタン脂肪酸エステル、ダイズサポニン、胆汁末、チャ種子サポニン、動物性ステロール、トマト糖脂質、ビートサポニン、プロピレングリコール脂肪酸エステル、分別レシチン、ユッカフォーム抽出物、卵黄レシチンが例示され、好ましくはアラビアガム、加工澱粉、カゼイン、キラヤ抽出物、グリセリン脂肪酸エステル、酵素処理レシチン、植物レシチン、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、分別レシチン、卵黄レシチンが例示され、更に好ましくはアラビアガムが例示される。これらの乳化剤は、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができ、その使用量は好ましくは香味料100重量部に対して1〜1000重量部、更に好ましくは20〜900重量部、特に好ましくは25〜500重量部用いられる。
【0013】
本発明で用いられる増粘安定剤は、食品に用いることができる増粘安定剤であれば特に限定されることはなく、例えば、アウレオバシジウム培養液、アエロモナスガム、アグロバクテリウムスクシノグリカン、アゾトバクタービネランジーガム、アマシードガム、アーモンドガム、アラビノガラクタン、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、アロエベラ抽出物、ウェランガム、エルウィニアミツエンシスガム、エレミ樹脂、エンテロバクターガム、エンテロバクターシマナスガム、オリゴグルコサミン、カシアガム、ガティガム、カードラン、カラギナン、カラヤガム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カロブビーンガム、キサンタンガム、キダチアロエ抽出物、キチン、キトサン、グァーガム、グァーガム酵素分解物、グルコサミン、酵母細胞壁、サイリウムシードガム、サバクヨモギシードガム、ジェランガム、スクレロガム、セスバニアガム、タマリンドシードガム、タラガム、ダンマル樹脂、デキストラン、デンプングリコール酸ナトリウム、デンプンリン酸エステルナトリウム、トラガントガム、トリアカンソスガム、トロロアオイ、納豆菌ガム、微小繊維状セルロース、ファーセロラン、フクロノリ抽出物、プルラン、ペクチン、ポリアクリル酸ナトリウム、マクロホモプシスガム、メチルセルロース、モモ樹脂、ラムザンガム、レバン、オクラ抽出物、海藻セルロース、褐藻抽出物、グルテン、グルテン分解物、コンニャクマンナン、ナタデココ、マンナン、レンネットカゼイン、ローカストビーンガムが例示され、好ましくはカードラン、カラヤガム、キサンタンガム、グァーガム、グァーガム酵素分解物、ジェランガム、トラガントガム、コンニャクマンナン、ローカストビーンガムが例示される。これらは1種又は2種以上を組み合わせて用いることができ、その使用量は好ましくは香味料100重量部に対して1〜1000重量部、更に好ましくは2〜500重量部、特に好ましくは55〜100重量部用いられる。
【0014】
本発明においては、必要に応じて糖質、例えばマルトース、フラクトース、ガラクトースなどの単糖類、ソルビトール、キシリトールなどの糖アルコール類、ショ糖、トレハロースなどの二糖類、水飴、還元水飴、デキストリンなどの澱粉分解物も併用して用いることもできる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて用いることができ、その使用量は香味料の種類及び形態、乳化剤の種類などにより応じて適宜に選択することができるが、好ましくは、香味料100重量部に対して10〜10000重量部、更に好ましくは100〜1000重量部、特に好ましくは200〜900重量部の範囲内で用いられる。
【0015】
本発明において乳化は、乳化剤の水溶液をホモディスパー、ホモミキサーなどで撹拌しながら、油溶性物質を徐々に加えて乳化させる。この際、乳化粒子を2.5ミクロン以下程度にまで撹拌乳化を行なうことが、この発明による香味の発現性のよい粉末香料を得ることになり、物性のよい粉末を得るためにも好ましい。乳化粒子が2.5ミクロンより大きい場合は、乳化スラリーの安定性が悪くなり、乾燥させた後も物性の悪い粉末になることがあるため、チューインガム等の嗜好品に香味を付与させる上では、好ましくは、0.5〜2.0ミクロンの大きさとするのがよい。乳化が不充分なときは、より強い剪断力をもつクレアミックスなどの高速撹拌乳化機などにより細粒化させ、これに続いて、高圧ホモジナイザーなどにより整粒化して乳化液を調製することもできる。
【0016】
本発明においては、乳化液は増粘安定剤を添加後乾燥される。添加されるときの温度は、好ましくは20〜70℃、更に好ましくは30〜60℃、特に好ましくは40〜50℃である。本発明の増粘安定剤は分散状態で用いられることが好ましく、完全に溶解した状態では本発明の効果は得られ難いため、70℃を越えることは好ましくなく、20℃未満では良好な分散状態が得にくくなる。添加する方法は、そのまま粉体で投入するか、或いは水や糖類などに予備分散したものを投入することが好ましく、完全に溶解した水溶液などで添加することは好ましくない。
【0017】
本発明で用いられる乾燥方法は、一般的に用いられる乾燥方法であれば特に限定されるものではなく、凍結乾燥法、真空乾燥法、ドラムドライ乾燥法などが例示されるが、特に好ましくは噴霧乾燥法が用いられる。
【0018】
本発明により得られる粉末香味料はチューインガムに特に好ましく用いられるが、例えば飲料、粉末飲料、デザート、飴菓子、チョコレート、錠菓、麺類、スナック類、水産加工食品、レトルト食品などの飲食品にも利用することができる。チューインガムに用いる場合は生地に対しては、0.5〜2.0%の添加が望ましいが、その他の飲食品に配合される粉末香味料の使用量は、飲食品の種類、形態などにより異なり特に限定されるものではないが、好ましくは飲食品100重量部に対して0.01〜5.0重量部、更に好ましくは実質的に0.1〜3.0重量部の範囲内で使用することができる。次に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。
【0019】
【実施例】
[実施例1]
アラビアガム30部とデキストリン50部を200部の水に加温溶解させ、これにメントール20部を添加して乳化した。乳化後、40〜50℃のスラリーにローカストビーンガム2部を添加し、膨潤状態で分散せしめ、これを噴霧乾燥してメントール粉末を得た。
【0020】
[実施例2]
アラビアガム30部とデキストリン50部を200部の水に加温溶解させ、これにメントール20部を添加して乳化した。乳化後、40〜50℃のスラリーにコンニャクマンナン2部を添加し、膨潤状態で分散せしめ、これを噴霧乾燥してメントール粉末を得た。
【0021】
[比較例1]
アラビアガム30部とデキストリン50部を200部の水に加温溶解させ、これにメントール20部を添加して乳化した。これを噴霧乾燥してメントール粉末を得た。
【0022】
[比較例2]
アラビアガム30部とゼラチン5部、デキストリン45部を200部の水に加温溶解させ、これにメントール20部を添加して乳化した。これを噴霧乾燥してメントール粉末を得た。
【0023】
[比較例3]
アラビアガム30部とローカストビーンガム2部、デキストリン48部を200部の水に加温溶解させ、これにメントール20部を添加して乳化した。これを噴霧乾燥してメントール粉末を得た。
【0024】
[比較例4]
アラビアガム30部とコンニャクマンナン2部、デキストリン48部を200部の水に加温溶解させ、これにメントール20部を添加して乳化した。これを噴霧乾燥してメントール粉末を得た。
【0025】
[試験例1]
実施例1、2、比較例1〜4の粉末香味料を用いてチューインガムに賦香し、7名のパネルによる評価を行なった。評価はかみ始めから10秒〜90秒後の香味の強さについて行い、+++、++、+、±、−の5段階評価で評価した。結果を表1に示す。
【0026】
【表1】
【0027】
[試験例2]
実施例1、2、比較例1〜4の粉末香味料をチューインガムに賦香し、7名のパネルによる評価を行なった。評価は香味の初発性、香味の発現性について行い、◎、○、△、× の4段階評価で評価した。結果を表2に示す。
【0028】
【表2】
【0029】
表1及び表2の結果から、本発明の粉末香味料は、ゼラチンを使用した粉末香味料に勝るとも劣らない効果を示した。
【0030】
[実施例3]
アラビアガム30部とデキストリン50部を200部の水に加温溶解させ、これにペパーミントオイル20部を添加して乳化した。乳化後、30〜40℃のスラリーにローカストビーンガム2部を添加し、膨潤状態で分散せしめ、これを噴霧乾燥してペパーミント粉末を得た。このものは初発性に優れたものであった。
【0031】
[実施例4]
アラビアガム30部とデキストリン50部を200部の水に加温溶解させ、これにミント香味料20部を添加して乳化した。乳化後、40〜50℃のスラリーにジェランガム2部を添加し、膨潤状態で分散せしめ、これを噴霧乾燥してミント粉末香味料を得た。このものは初発性に優れたものであった。
【0032】
[実施例5]
アラビアガム30部とデキストリン50部を200部の水に加温溶解させ、これにフルーツ香味料20部を添加して乳化した。乳化後、30〜40℃のスラリーにグアーガム2部を添加し、膨潤状態で分散せしめ、これを噴霧乾燥してフルーツ粉末香味料を得た。このものは初発性に優れたものであった。
【0033】
[実施例6]
アラビアガム30部とデキストリン50部を200部の水に加温溶解させ、これにペパーミントオイル20部を添加して乳化した。乳化後、40〜50℃のスラリーにトラガントガム2部を添加し、膨潤状態で分散せしめ、これを噴霧乾燥してペパーミント粉末を得た。このものは初発性に優れたものであった。
【0034】
【発明の効果】
本発明によれば、ゼラチンを用いることなく汎用性の高い、香気香味の初発性に優れた粉末香味料を提供することが出来る。
Claims (5)
- 香味料を乳化剤(ゼラチンを除く)により乳化し、得られた乳化液に20〜70℃の温度域で増粘安定剤を添加し溶解させずに膨潤状態で分散させた後、乾燥することを特徴とする粉末香味料の製造方法。
- 香味料が、メントール及び/又はミント類精油であることを特徴とする請求項1記載の粉末香味料の製造方法。
- 乳化剤が、アラビアガム、加工澱粉、カゼイン、キラヤ抽出物、グリセリン脂肪酸エステル、酵素処理レシチン、植物レシチン、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、分別レシチン、卵黄レシチンからなる群から選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の粉末香味料の製造方法。
- 増粘安定剤が、カードラン、カラヤガム、キサンタンガム、グァーガム、グァーガム酵素分解物、ジェランガム、トラガントガム、コンニャクマンナン、ローカストビーンガムからなる群から選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の粉末香味料の製造方法。
- アラビアガムを水に溶解させ、これにメントール及びミント類精油からなる群から選ばれる1種又は2種の香味料を添加し乳化して乳化液を得、
次いで得られた乳化液に、グアーガム、ジェランガム、トラガントガム、コンニャクマンナン及びローカストビーンガムからなる群から選ばれる1種又は2種以上の増粘安定剤を40〜50℃の温度域で添加し溶解させずに膨潤状態で分散させてスラリーを得、
次いで得られたスラリーを噴霧乾燥する、
ことからなる粉末香味料の製造方法。
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