JP4139050B2 - 中空成形用ニードル型ノズル及び成形方法 - Google Patents

中空成形用ニードル型ノズル及び成形方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液状加圧流体を使用する中空成形用のニードル型ノズルに関する。詳しくは、液状加圧流体の注入孔及び/又は排出孔、及び液状加圧流体の排出用加圧ガスの注入孔が、一つのニードル型ノズルに設けられ、ニードル型ノズルの内筒が外筒内をスライドして、注入孔及び/又は排出孔の開口部が隠蔽又は露出可能な中空成形用ニードル型ノズルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
樹脂をキャビティ内に完全充填する途中、或いは完全充填工程後に流体を注入して中空成形品を得る成形法に関して多くの検討がなされている。
流体としては、例えば、(i)ガス、(ii)気化性液体、(iii)液体が使用されている。流体が、上記(i)の場合、例えば空気では、成形品の樹脂の冷却効果は小さいが、中空成形後のガスは成形品のノズル孔から放出されても、中空部内に残っても問題はない。
流体が上記(ii)の場合、例えば低沸点液体では、気化熱による成形品の樹脂の冷却効果は中程度であるが、気化により生じたガスは中空成形の樹脂の加圧に使用され、中空成形後のガスは(i)と同様排気される。排気が有害ガスであれば、問題が生じるので、少量の水を気化させて冷却と水蒸気による加圧効果を利用した技術が知られているが、満液の水を利用するのに比較して、冷却や加圧が十分ではない。
流体が上記(iii)の場合、例えば満液として用いる水では、成形品の樹脂の冷却効果は大きいが、中空成形後の液体は成形品の中空部内に多く残ると、型開き時や製品突き出し時に成形品内部より出て金型に付着する恐れがある。金型に付着した液体は、次ショットの成形品表面に付着して外観を悪くしたり、又、金型が腐食する恐れがある。
また、液状加圧流体を使用する場合、液状加圧流体の流路にガスが侵入して、中空成形が不安定になる場合がある。例えば、成形後、(イ)中空内部を減圧にして液体を抜き出そうとすると液状加圧流体が樹脂の熱により気化して発生したガス、或いは(ロ)加圧ガスで液状加圧流体を置換する際に導入した加圧ガス等、これらのガスが液状加圧流体流路内に侵入したり、また、(ハ)成形品が取り出された状態では、金型キャビティ内部の空気が液状加圧流体流路に侵入する場合もある。
この様な場合、液状加圧流体をニードルノズルより放出させて配管やニードルノズル内を液状加圧流体で置換するが、この際にニードルノズル等から溢れ出た液状加圧流体、例えば水、が金型に付着して金型の腐食や、成形品表面に付着するといったトラブルが発生する。
【0003】
実開平5−68630号公報には、ガス吹込ノズルと冷媒供給口と排気口を有する中空成形用吹込ノズルを使用して、液体窒素を注入して中空成形する方法が開示されている。この技術では同心円筒内に配置された冷媒供給口から液体窒素等が供給され、溶融樹脂を冷却固化させた後、気化した窒素ガスが排気口から排出されるが、樹脂圧入時に、排気口に樹脂が詰まるという問題がある。
【0004】
特開平8−290447号公報(特許第2838670号)には、中空成形用ノズルを使用して、少量の水を注入し、気化させて冷却、加圧させる方法と、多めに水を注入し空洞内に水が残存する方法が開示されている。少量の水の注入の場合には前記の問題がある。多めに水を注入する場合には、注入装置を吸引モードにして、残った水を、注入した場所から吸引する方法が記載されている。しかし、中空部は水注入口以外では外部と遮断されているため、吸引を行うと中空部内が負圧になり、それ以上の排出は困難となる。
【0005】
又、液体を満液で使用する方法として、中空成形に使用した液体を排出するために、加圧ガス注入口を液体注入部以外の別の場所に設けて、そこから加圧ガスを注入して液体注入口より液体を排出する方法もある。この方法では、成形品に、液体注入部と加圧ガス注入口の穴が2箇所も開き、しかも樹脂充填時に加圧ガス注入口が樹脂で詰まるといったトラブルが発生する場合が有る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、液状加圧流体を注入して中空成形を行う際に、成形品に複数のノズル孔を開けることなく、成形品の中空内に液状加圧流体が殆ど残存せず、金型に流体が付着する量が殆ど無く、あるいはまた、樹脂がノズルに詰まり難いニードル型ノズル、及びそれを使用した中空成形法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、鋭意検討した結果、成形品に複数のノズル孔を開けることなく、1本のニードル型ノズルを使用して、ノズル内の外筒と内筒の間に2系列の流路を設け、内筒をスライドさせて、少なくとも1系列の流路の開口部を金型キャビティに対して露出、隠蔽できる構造にして、水の注入には該2系列の流路を使用して中空成形し、中空内の水を排出するために、加圧ガスの注入と水の排出にそれぞれ1系列を使用することにより、成形及び排水効率がよく、金型を錆びさせることがない等、上記問題点を解決しうることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち本発明は、金型内の樹脂に液状加圧流体を注入して行う中空成形用のニードル型ノズルにおいて、ニードル型ノズル(1)が、
外筒(11)、
外筒(11)内に回転及び/又はスライド可能に設けられた内筒(12)、
及び
内筒駆動装置(7)
からなり、内筒(12)は筒部の上部側面にそれぞれ開口する注入孔(2)および排出孔(4)を有し
記ノズル(1)を使用して
(I):液状加圧流体(F)を樹脂(P)に注入する前の段階では、内筒(12)を回転及び/又はスライドさせて注入孔(2)を液密的に閉口状態にさせ、
(II):液状加圧流体(F)を樹脂(P)に注入する段階では、内筒(12)を回転及び/又はスライドさせて注入孔(2)を開口状態にさせ、液状加圧流体(F)を少なくとも注入孔(2)から樹脂(P)に注入して中空成形を行い、
(III):中空成形で得られた中空部(8)から液状加圧流体(F)を排出する段階では、内筒(12)及び外筒(11)を上記(II)の状態に保って、液状加圧流体(F)を排出孔(4)から排出することを特徴とするニードル型ノズル[1]、
型内の樹脂に液状加圧流体を注入して行う中空成形用のニードル型ノズルにおいて、ニードル型ノズル(1)が
外筒(11)、
外筒(11)内にスライド可能に設けられた内筒(12)、
内筒(12)の筒部上面に固定され、内筒(12)の筒部断面積よりも大きい断面積を有し、外筒(11)の先端と液密的に当接可能に設けられた蓋(13)、及び
内筒駆動装置(7)
からなり、内筒(12)は筒部の上部側面もしくは筒部上面と蓋(13)の間にそれぞれ開口する注入孔(2)および排出孔(4)を有し
記ノズル(1)を使用して
(I):液状加圧流体(F)を樹脂(P)に注入する前の段階では、内筒(12)を外筒(11)内にスライドさせ、蓋(13)を外筒(11)の先端と液密的に当接させて注入孔(2)を液密的に閉口状態にさせ、
(II):液状加圧流体(F)を樹脂(P)に注入する段階では、内筒(12)を外筒(11)外にスライドさせて注入孔(2)を開口状態にさせ、液状加圧流体(F)を少なくとも注入孔(2)から樹脂(P)に注入して中空成形を行い、
(III):中空成形で得られた中空部(8)から液状加圧流体(F)を排出する段階では、内筒(12)と外筒(11)を上記(II)の状態に保って、液状加圧流体(F)を排出孔(4)から排出することを特徴とするニードル型ノズル[2]、及び、
型内の樹脂に液状加圧流体を注入して行う中空成形用のニードル型ノズルにおいて、ニードル型ノズル(1)が、
外筒(11)、
外筒(11)内に回転及び/又はスライド可能に設けられた内筒(12)、及び
内筒駆動装置(7)
からなり、内筒(12)は先端部まで延びて開口する注入孔(2)および筒部の側面に開口部(4’)を有する排出孔(4)を有し、
上記ノズル(1)を使用して
(I'):液状加圧流体(F)を樹脂(P)に注入する前の段階では、内筒(12)を回転及び/又はスライドさせて開口部(4’)を液密的に閉口状態にさせ、
(II'):液状加圧流体(F)を樹脂(P)に注入する段階では、内筒(12)と外筒(11)を上記(I')の状態に保って、液状加圧流体(F)を注入孔(2)から樹脂(P)に注入して中空成形を行い、
(III'):得られた中空部(8)から液状加圧流体(F)を排出する段階では、内筒(12)を回転及び/又はスライドさせて開口部(4’)を開口状態にさせ、液状加圧流体(F)を排出孔(4)から排出することを特徴とするニードル型ノズル[3]、
及び、これらのニードル型ノズルを使用する中空成形方法である。
前記ニードル型ノズル[1]は、内筒(12)の回転及び/又はスライドにより、内筒(12)の注入孔(2)および排出孔(4)の開口部に向合う外筒(11)の上部側面に、注入口(2”)および排出口(4”)が設けられていることが好ましく、前記内筒(12)が、注入孔(2)及び排出孔(4)のそれぞれのキャビティ側先端開口部を連通する連通孔(6)を更に有することがより好ましい。
前記ニードル型ノズル[2]は、蓋(13)と外筒(11)の先端との間に、O−リングを介在させて、又は蓋(13)と外筒(11)の先端との当接面をテーパー状にして、液密的に当接可能にすることが好ましく、前記内筒(12)が、筒部上面と蓋(13)との間に注入孔(2)及び排出孔(4)を連通する連通孔(6)を更に有することがより好ましい。
前記ニードル型ノズル[3]は、内筒(12)の回転及び/又はスライドにより、内筒(12)の開口部(4’)に向合う外筒(11)の側面に、排出口(4”)が設けられていることが好ましい。
更に本発明のニードル型ノズルは、注入孔(2)から加圧ガス(A)を注入して、液状加圧流体(F)を排出孔(4)から排出することが好ましい
本発明の中空成形方法において、連通孔(6)を有するニードル型ノズル(1)を使用する場合、(I):液状加圧流体(F)を樹脂(P)に注入する前の段階では、液状加圧流体(F)を注入孔(2)から注入し、連通孔(6)を経て、排出孔(4)から排出させて、液状加圧流体(F)をニードル型ノズル(1)内に満たすことができる
ニードル型ノズル[3]を使用する場合、(II'):液状加圧流体(F)を樹脂(P)に注入する段階で、初めに、(I')の状態に保って、液状加圧流体(F)の総注入量の一部を注入孔(2)から樹脂(P)に注入し、
次に、内筒(12)を回転及び/又はスライドさせて開口部(4’)を開口状態にさせ、液状加圧流体(F)の残りの量を注入孔(2)及び排出孔(4)から樹脂(P)に注入して中空成形を行い、(III):得られた中空部(8)から液状加圧流体(F)を排出する段階では、内筒(12)と外筒(11)を上記(II')の状態に保って、液状加圧流体(F)を排出孔(4)から排出することができる
また、本発明の中空成形方法は、液状加圧流体(F)が、注入孔(2)及び排出孔(4)の両者から注入されることが好ましく、液状加圧流体(F)が水であることがより好ましい
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の液状加圧流体注入用ニードル型ノズル1は、注入孔2及び排出孔4を有し、注入孔2から、又は、注入孔2及び排出孔4から液状加圧流体(F)を注入して中空成形を行った後、注入孔2から加圧ガス(A)を注入して、中空内の液状加圧流体(F)を排出孔4から排出できる構造を有する。
【0010】
図1に、本発明のノズル1の一例(注入・排出口隠蔽可能型(1))を示す。
図1(a)はノズル1の縦断面図であり、また、ノズル1が中空成形用金型10に取り付けられた状態、及び、ノズル1への液状加圧流体(F)及び加圧ガス(A)の供給および排出ラインも示す。ノズル1は、外筒11と外筒11内に回転及び/又はスライド可能に設けられた内筒12とからなる。
図1(b)は、図1(a)のB−B’断面図であり、内筒12の外側面の一部は先端部近傍まで溝状に切り欠かれて外筒11の内側面との間で注入孔2及び排出孔4を形成し、筒部の上部側面に開口する。注入孔2と排出孔4はそれぞれ1流路づつ形成されている。注入孔2および排出孔4の形成の方法は、注入孔2および排出孔4の2系統の孔が設けられればどのような方法で設けられてもよく、例えば上記のように、内筒12の外側面の一部を先端部近傍まで溝状に切欠いたものでも、内筒12の内部に単に2系統の孔を開けて上部側面で開口させて、流体(F)を樹脂に注入できるようにしたものでもよい。注入孔2および排出孔4の数や形状にも、本発明の効果が達成される範囲内において、特に限定はない。しかし、流体(F)を短時間に、注入できる構造のものが好ましい。
図1(c)は、図1(a)のA−A’断面図であり、注入孔2は連通孔6を介して排出孔4に連通している。連通孔6は図1(c)に示すように側面の一部を切り欠いて、注入孔2と排出孔4を連通させたものでもよいし、あるいは単に注入孔2と排出孔4をつなぐパイプ状の孔であってもよい。なお、中空成形を行う上において連通孔6は必ずしも必要ではないが、連通孔6を設けることにより、液状加圧流体(F)を外部の加圧流体注入装置から注入孔2に注入し、連通孔6を経て排出孔4から排出・循環ラインに排出させ、液状加圧流体(F)をノズル1内に満たし、好ましくは循環させることにより加圧ガス等の混入を防止して中空成形を行うことができる。
図1(d)は金型内に突出した先端部の上面図である。内筒12の先端部は外筒11内に液密的に引き込まれた状態を示す。
このように、図1に示すノズルでは、樹脂に注入する前の段階では、内筒12は外筒11内に引き込まれており、流体(F)は、注入孔2から連通孔6を経て排出孔4に満たされる。
【0011】
本発明の他のニードル型ノズルの例は、図1の例に類似したものであるが、内筒12の回転及び/又はスライドにより、内筒12の注入孔2および排出孔4の開口部に向合って、外筒11の上部側面に注入口2”および排出口4”が設けられている。図10に、この例のニードル型ノズルの、図1(b)に相当するB−B’断面図を示す。
図10では注入孔2および排出孔4の開口部は、注入口2”および排出口4”と互いにずれているので、開口部は隠蔽されているが、内筒12の回転により注入孔2および排出孔4の開口部がそれぞれ注入口2”および排出口4”に向合い、液状加圧流体の注入や排出、加圧ガス(A)の注入等を行うことができる。
上記は回転により注入孔2および排出孔4の開口部がそれぞれ注入口2”および排出口4”に向合う例であるが、内筒がスライドして向合うようにすることもできる。
【0012】
図2に、本発明のノズル1の他の一例(注入・排出口隠蔽可能型(2))を示す。
図2(a)はノズル1の縦断面図であり、また、ノズル1が中空成形用金型10に取り付けられた状態、及び、ノズル1への液状加圧流体(F)及び加圧ガス(A)の供給および排出ラインも示す。ノズル1は、外筒11と、外筒11内にスライド可能に設けられた内筒12と蓋13からなる。蓋13は、内筒12の筒部上面に固定され、内筒12の筒部断面積よりも大きい断面積を有し、外筒11の先端と液密的に当接可能に設けられている。蓋13と外筒11の先端との間に、O−リング等のシール材を介在させて、又は蓋(13)と外筒(11)の先端との当接面をテーパー状にして、外筒11の先端と蓋13とを液密的に当接可能にしている。当接面をテーパー状にする場合、当接面を直接当接させてもよいが、O−リング等のシール材を介在させて当接させてもよい。
図2(b)は、図2(a)のB−B’断面図であり、図1(b)の場合と同様である。
図2(c)は、図1(a)のA−A’断面図であり、図1(c)の場合と同様である。
図2(d)は金型内に突出した先端部の上面図である。
このように、図2に示すノズルでは、樹脂に注入する前の段階では、内筒12は蓋13が外筒11に当接する位置まで外筒11内に引き込まれており、流体Fは、注入孔2から連通孔6を経て排出孔4に満たされる。
【0013】
図3は、図1に示すノズルの取り付けられた金型を使用して、金型10のキャビティに樹脂ゲート5から樹脂(P)が注入された状態(ここでは、完全充填する途中、すなわちハーフショットの状態)を示す。
図4は、駆動装置7により内筒12の先端部を外筒11の先端部より突き出して、注入された溶融状態の樹脂(P)内に、ノズル1の注入孔2及び排出孔4の両者の開口部から、流体(F)が注入されて樹脂(P)内に中空部8が形成され、金型10内で中空成形品9が成形された状態を示す。
図5は、注入孔2からガス(A)が供給され、中空部8内の流体(F)が排出孔4から排出され、中空部8内がガス(A)で置換された状態を示す。なお、流体(F)の排出を完全にしたり、ノズルに流体が残って金型を濡らさないように、注入ガス(A)を必要に応じて排出孔4から排出させてもよい。
なお、上記は内筒12を外筒11内に引き込んで開口部を液密的に閉口状態(隠蔽状態と言う場合もある。)にしたり、突き出して開口部を開口状態(露出と言う場合もある。)にしたりするスライドの例により説明したが、液密的に閉口状態にしたり、開口状態にするには、内筒12の回転又はスライドと回転の組み合わせによって行われてもよい。
【0014】
図6に、本発明のノズル1の別の種類の一例(排出口隠蔽可能型)を示す。
図6(a)は金型内に突出した先端部の上面図である。ノズル1は、外筒11と外筒11内にスライド可能に設けられた内筒12とからなる。内筒12の先端部は外筒11内に液密的に引き込まれ、排出孔4が隠蔽された状態を示す。
図6(c)は、図6(a)のA−A’縦断面図であり、また、ノズル1が中空成形用金型10に取り付けられた状態、及び、ノズル1への液状加圧流体(F)及び加圧ガス(A)の供給および排出ラインも示す。
図6(b)は、図1(a)のB−B’断面図であり、内筒12の外側面の一部は先端部近傍に至るまで溝状に切欠かれて外筒11の内側面との間で注入孔2及び排出孔4を形成する。図6(b)では、注入孔2が中心に1流路、排出孔4が内筒外側面に3流路形成されている。排出孔4の形成の方法は、どのような方法で設けられてもよく、例えば、内筒12の外側面の一部を溝状に切欠いたものでも、内筒12の内部に単に孔を開けて筒部の上部側面に開口させて、流体(F)が排出できるようにしたものでもよい。注入孔2および排出孔4の数や形状にも、本発明の効果が達成される範囲内において、特に限定はない。しかし、流体(F)を短時間に、注入できるものが好ましい。
このように、図6に示すノズルでは、樹脂に注入する前の段階では、内筒12は外筒11内に引き込まれており、排出孔4は液密的に隠蔽されている。
【0015】
本発明のさらに他のニードル型ノズルの例は、図6の例に類似したものであるが、内筒12の回転及び/又はスライドにより、内筒12の排出孔4の開口部に向合って、外筒11の側面に排出口4”が設けられている。図11に、この例のニードル型ノズルの、図6(b)に相当するB−B’断面図を示す。
図11では排出孔4の開口部と排出口4”は互いにずれているので、開口部は隠蔽されているが、内筒12の回転により排出孔4の開口部が外筒11の排出口4”に向合い、液状加圧流体の注入や排出、加圧ガス(A)の注入等を行うことができる。
上記は回転により排出孔4の開口部が排出口4”に向合う例であるが、内筒がスライドして向合うようにすることもできる。
排出口4”は外筒の側面に設けられてもよいが、側面先端部を切り欠いて設けられてもよい。
【0016】
図7は、図6に示すノズルの取り付けられた金型を使用して、金型10のキャビティに樹脂ゲート5から樹脂(P)が注入された状態(ここでは、完全充填する途中、すなわちハーフショットの状態)を示す。
図8は、内筒12を駆動装置により押出して、注入された溶融状態の樹脂(P)内に、ノズル1の注入孔2から、流体(F)が注入されて樹脂(P)内に中空部8が形成され、金型10内で中空成形品9が成形された状態を示す。
図9は、注入孔2からガス(A)が供給され、中空部8内の流体(F)が排出孔4から排出され、中空部8内がガス(A)で置換された状態を示す。なお、流体(F)の排出を完全にしたり、ノズルに流体が残って金型を濡らさないように、注入ガス(A)を必要に応じて排出孔4から排出させてもよい。
【0017】
本発明では、原理的には、注入孔を内筒外側面に設け、排出口を内筒の中心に設けることも可能であり、上記排出口隠蔽可能型に対して、注入口隠蔽可能型とすることも可能である。
【0018】
また本発明では、排出口隠蔽可能型のノズルを使用して、液状加圧流体(F)を樹脂(P)に注入する段階で、液状加圧流体(F)の総注入量の一部を注入孔2から樹脂(P)に注入し、次に、内筒12を外筒11から突き出して、液状加圧流体(F)の残りの量を注入孔2及び排出孔4から樹脂(P)に注入して中空成形を行い、得られた中空部8から液状加圧流体(F)を排出する段階では、内筒12と外筒11を上記の状態に保って、液状加圧流体(F)を排出孔4から排出するようにして、流体(F)の注入時間を短くすることができる。
注入孔2及び排出孔4の開口部の孔径は、液状加圧流体(F)を流した場合、[注入孔2における流量]/[排出孔4における流量]の比が1/1000〜1/1、好ましくは1/100〜1/5である。ガス注入は律速ではないので、ガス(A)の注入孔2を細くして、流体(F)の排出孔口4を太くして、液の注入と排出が速くでき、且つ樹脂の詰まりを抑えることができる。
【0019】
本発明の他の一例のノズルを図12に示す。
内筒12の先端部分は円錐形状であり、内筒12が外筒11内を前進スライドして、外筒11の先端部分の円錐形状内面と当接して流体(F)の流路が閉じたり、内筒12が後退して、外筒11の先端部分との間に流路が形成されたりする。
流体(F)のシールの仕方としては、(イ)内筒12と外筒11の円錐部の金属面同士の当接による方法(内筒12側が相対的に軟らかい金属であってもよい)、又は(ロ)円錐面間にO−リング等を介在させる方法等が挙げられる。
流体(F)の注入は、内筒12を後退させて形成され円環状の間隙(注入・排出孔3)から流体Fを出し入れする。流路は円環状なので流路面積を大きくすることができる。
流体(F)をノズルの先端に導く流路は、外筒又は内筒に孔を設けたり、外筒の内面又は内筒の外面に溝を設けて形成させてもよい。
注入孔2の先端は露出しているので、樹脂が詰まる恐れがある場合には、先端の穴の形状は外開き(図12(c))にして樹脂栓をとばしやすくすることもできる。あるいは注入孔2内に針を出し入れして樹脂栓を除去できるようにしてもよい。
内筒12の一部には連通孔もしくは連通溝を設け、流体(F)の流路が閉じた状態で流体(F)を連通孔を経由して循環させることもできる。
上記は円錐に限らず三角錐等の多角錐、円錐台などであってもよい。
テーパー角度、円錐部の長さなどは、成形条件、流体・加圧ガスの給排条件等に応じて適切に選択される。成形品の形状にもよるが、外筒11の先端外面は、キャビティ内に8mm程度以上伸びていることが好ましい。内筒12を後退させて流体(F)の流路を形成させた場合、内筒12の先端が外筒11の先端よりもキャビティ内に伸びていることが好ましい。
【0020】
本発明の更に他の一例のノズルを図13に示す。
図12と類似の内筒12の先端が円錐型の例であるが、加圧ガス(A)の注入孔2の開口部はテーパー面に設けられ、外筒11と内筒12がテーパーで突き当たることにより、開口部が隠蔽される(図13(a))。金型内に樹脂(P)を注入後、外筒11を後退させて開口部を露出させ(図13(b))、流体(F)を注入・排出孔3から注入し、加圧ガス(A)を注入孔2から注入して、注入・排出孔3から流体(F)を排出する。
上記おいて、注入孔2は内筒12のテーパー面に設けても、外筒11のテーパー面に設けた注入孔2’でもよい。
流体(F)を注入・排出孔3から排出させる場合、注入孔2から加圧ガス(A)を急速に吹き込むと気柱が生成し、内筒12の先端円錐部が仕切の作用をするので、加圧ガス(A)のチャンネルと流体(F)の排出チャンネルが確保され、流体(F)が排出される。
円錐の先端部付近には仕切板や円柱部等の整流部材15を設けて、加圧ガス(A)の注入チャンネルと流体(F)の排出チャンネルとを明確に分けることもできる(図13(c))。
さらに、上記ノズルの変形例としては、内筒12を回転させ、内筒12の注入孔2に対応する外筒11の円錐部分に切り欠きもしくは孔を設けて、加圧ガス(A)をそれらを経由して注入することにより、加圧ガス(A)の注入チャンネルと流体(F)の排出チャンネルとをさらに明確に分けることもできる。
【0021】
ノズル1の外径は、成形品の寸法にもよるが、例えば、直径1〜10mm、通常3〜5mmである。ノズル1の外径があまりに大きいと、成形品の機能や外観を損ない、あまりに小さいと流体(F)の排出に時間がかかる。
流体(F)の供給時間は、1〜60秒、好ましくは5〜30秒である。
流体(F)の排出時間は、1〜60秒、好ましくは5〜30秒である。
流体(F)の供給又は排出時間が上記範囲より長すぎると生産性が低下する。
ノズル1の金型内に設けられる場所は、成形品の形状にもよるが、流体(F)の排出が容易で、流体(F)が溜まりやすい場所であり、好ましくは重力で流体(F)が溜まる場所である。
【0022】
なお、内筒12の材質は金属であっても、樹脂であってもよい。ポリアセタール、フッ素樹脂等の樹脂を使用して、耐摩耗性、潤滑性、シール性、中空成形用樹脂の剥離性等の特徴を持たせることもできる。
【0023】
内筒駆動装置7は、往復動式、回転式などのものが、機械的、油圧的もしくは電磁的に駆動されるものが挙げられるが、特に限定されない。
【0024】
キャビティへの樹脂(P)の注入は、ショートショットでもハーフショットでもフルショットでもよい。また、金型10にはサイドキャビティを設けて、流体(F)注入時に余分の樹脂がそこに逃げるようにしてもよい。
流体(F)の上記樹脂(P)への注入のタイミングは、金型キャビティ内に樹脂(P)を充填する途中であっても所定量の充填終了後であってもよい。
【0025】
樹脂(P)
樹脂(P)としては、中空射出成形が可能な樹脂であれば、制限はない。樹脂(P)としては、合成樹脂でも天然に由来する樹脂でも、結晶性でも、非晶性でもよい。具体的には、合成樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ4−メチルペンテン−1等のポリオレフィン;塩化ビニル系樹脂;ポリスチレン、ABS等のスチレン系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキシレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート等の芳香族ポリエステル;シュウ酸、吉草酸等の脂肪族ジカルボン酸類、エチレングリコール、プロパンジオール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール等のジオール類、及び/又は乳酸、カプロラクトン等からなる脂肪族ポリエステル;液晶性ポリエステル;ポリカーボネート;ポリアリレート;6−ナイロン、6,6−ナイロン、4,6−ナイロン、6,12−ナイロンなどのポリアミド;ポリアセタール;ポリウレタン;フッ素樹脂;ポリフェニレンオキシド;ポリアリーレンサルファイド;ポリスルホン;ポリエーテルスルホン;ポリケトン;ポリエーテルケトン;ポリイミド;ポリエーテルイミド;ポリベンゾイミダゾール;シリコーン系樹脂;これらのアロイ等が挙げられる。
天然に由来する樹脂としては、微生物の産生するポリヒドロキシ酪酸のような脂肪族ポリエステル等が挙げられる。
樹脂には、各種の添加剤、充填材、強化剤を配合することができる。
【0026】
液状加圧流体(F)
液状加圧流体(F)としては、常温、常圧で液体のものが好ましい。具体的には、水;水溶液;鉱物油、植物油、動物油などの油類;メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノールなどのアルコール類;炭化水素類、塩素化炭化水素類、フッ素化炭化水素類;その他の有機液体などが挙げられる。また、液状加圧流体(F)としては、樹脂(P)に作用して溶解、変形などを生じないものが好ましい。
流体(F)は、好ましくは温度調節され、必要であれば濾過されて、中空成形に使用される。
流体(F)に加える圧力は、大気圧を超え、150MPa以下、好ましくは30MPa以下である。
【0027】
加圧ガス(A)
加圧ガス(A)の種類は、流体(F)の排出に使用できるものであれば特に制限はないが、成形品や流体(F)に影響を与えないもの、安全性の高いものが好ましく、空気、窒素、二酸化炭素等が挙げられる。これらのガスは乾燥したものでもよい。
加圧ガス(A)に加える圧力は、流体(F)の排出速度にもよるが、大気圧を超え、30MPa以下、好ましくは10MPa以下である。
【0028】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例1]
図1に示すタイプのニードル型ノズルをモデル金型に取り付けて使用した。ニードル型ノズルの外径は5mm、内筒外側面に設けられた注入孔及び排出孔を形成する溝の幅は1.0mm、深さ1.0mmであり、内筒先端部近傍の外側面に切り欠いて設けられた連通孔は高さ0.7mmであり、奥行き0.7mmである。
金型のキャビティは縦20cm、直径4cmである。ニードル型ノズルは金型の底部に取り付けた。
樹脂としては、無充填ポリアセタール樹脂 ジュラコンTMM270S(ポリプラスチックス(株)製)を使用した。
シリンダー温度200℃、金型温度80℃に設定し、液状加圧流体に80℃、圧力0.7MPaの水、加圧ガスに室温、圧力0.5MPaの空気を使用した。液状加圧流体は、注入孔、連通孔、排出孔を流れて、ノズル内の加圧流体中に空気等が入らないようにした。
樹脂を金型キャビティにショートショットした後、注入孔および排出孔を用いて10秒間水を注入し、次に20秒間注入孔より空気を注入して水を排出し、中空射出成形品を得た。成形品の断面の肉厚は約3mmでほぼ均肉になり、均一な収縮により、寸法精度の優れた成形品が得られた。
成形品の中空成形及び冷却に水を使用すると、窒素による中空成形に比較して冷却時間が短く、水の排出も支障無く、速やかに行われ、中空部内にも殆ど水は残存せず、金型を水で濡らすこともなかった。また、中空射出成形後、ノズル内を点検したが、注入孔及び注入排出孔には樹脂が詰まっておらず、次回の中空射出成形が順調に行われた。
【0029】
【発明の効果】
本発明によれば、液状加圧流体を注入して中空成形を行う際に、成形品に複数のノズル孔を開けることなく、成形品の中空内に液状加圧流体が殆ど残存せず、金型に流体が付着する量が殆ど無く、また、樹脂がノズルに詰まり難い。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明の注入・排出口隠蔽可能型ノズルの一例の縦断面図及び関連設備を示す図である。
(b)本発明の注入・排出口隠蔽可能型ノズルの一例のB−B’断面図を示す図である。
(c)本発明の注入・排出口隠蔽可能型ノズルの一例のA−A’断面図を示す図である。
(d)本発明の注入・排出口隠蔽可能型ノズルの一例の上面図を示す図である。
【図2】(a)本発明の注入・排出口隠蔽可能型ノズルの他の一例の縦断面図及び関連設備を示す図である。
(b)本発明の注入・排出口隠蔽可能型ノズルの他の一例のB−B’断面図を示す図である。
(c)本発明の注入・排出口隠蔽可能型ノズルの他の一例のA−A’断面図を示す図である。
(d)本発明の注入・排出口隠蔽可能型ノズルの他の一例の上面図を示す図である。
【図3】図1のノズルが設けられた金型に樹脂を充填した一例の断面図である。
【図4】図3で、樹脂を充填した後、液状加圧流体を注入した一例の断面図である。
【図5】図4で、液状加圧流体を注入した後、加圧ガスを注入して液状加圧流体を排出する一例の断面図である。
【図6】(a)本発明の排出口隠蔽可能型ノズルの一例の上面図を示す図である。
(b)本発明の排出口隠蔽可能型ノズルの一例のB−B’断面図を示す図である。
(c)本発明の排出口隠蔽可能型ノズルの一例のA−A’縦断面図及び関連設備を示す図である。
【図7】図6の排出口隠蔽可能型ノズルが設けられた金型に樹脂を充填した一例の断面図である。
【図8】図7で、樹脂を充填した後、液状加圧流体を注入した一例の断面図である。
【図9】図8で、液状加圧流体を注入した後、加圧ガスを注入して液状加圧流体を排出する一例の断面図である。
【図10】本発明の、内筒の回転による注入・排出口隠蔽可能型ノズルの一例のB−B’断面図を示す図である。
【図11】本発明の、内筒の回転による排出口隠蔽可能型ノズルの他の一例のB−B’断面図を示す図である。
【図12】(a)本発明の、円錐面の当接によるノズルの一例の注入・排出口の閉鎖状態を示す図である。
(b)上記ノズルの注入・排出口の形成状態を示す図である。
(c)上記ノズルの注入口の先端部の外開き状態を示す図である。
【図13】(a)本発明の、円錐面の当接によるノズルの他の一例の注入・排出口の閉鎖状態を示す図である。
(b)上記ノズルの注入・排出口の形成状態を示す図である。
(c)上記ノズルの内筒の先端に整流部材が設けられた状態を示す図である。
【符号の説明】
1 ニードル型ノズル
2 注入孔
2’外筒に設けられた注入孔
2”注入口
3 注入・排出孔
4 排出孔
4’開口部
4”排出口
5 樹脂ゲート
6 連通孔
7 内筒駆動装置
8 中空部
9 成形品
10 金型
11 外筒
12 内筒
13 蓋
15 整流部材
A 加圧ガス
F 液状加圧流体
P 樹脂

Claims (14)

  1. 金型内の樹脂に液状加圧流体を注入して行う中空成形用のニードル型ノズルにおいて、ニードル型ノズル(1)が、
    外筒(11)、
    外筒(11)内に回転及び/又はスライド可能に設けられた内筒(12)、
    及び
    内筒駆動装置(7)
    からなり、内筒(12)は筒部の上部側面にそれぞれ開口する注入孔(2)および排出孔(4)を有し
    上記ノズル(1)を使用して
    (I):液状加圧流体(F)を樹脂(P)に注入する前の段階では、内筒(12)を回転及び/又はスライドさせて注入孔(2)を液密的に閉口状態にさせ、(II):液状加圧流体(F)を樹脂(P)に注入する段階では、内筒(12)を回転及び/又はスライドさせて注入孔(2)を開口状態にさせ、液状加圧流体(F)を少なくとも注入孔(2)から樹脂(P)に注入して中空成形を行い、
    (III):中空成形で得られた中空部(8)から液状加圧流体(F)を排出する段階では、内筒(12)及び外筒(11)を上記(II)の状態に保って、液状加圧流体(F)を排出孔(4)から排出することを特徴とするニードル型ノズル。
  2. 内筒(12)の回転及び/又はスライドにより、内筒(12)の注入孔(2)および排出孔(4)の開口部に向合う外筒(11)の上部側面に、注入口(2”)および排出口(4”)が設けられている請求項1に記載されたニードル型ノズル。
  3. 前記内筒(12)が、注入孔(2)及び排出孔(4)のそれぞれのキャビティ側先端開口部を連通する連通孔(6)を更に有する、請求項1又は2に記載されたニードル型ノズル。
  4. 金型内の樹脂に液状加圧流体を注入して行う中空成形用のニードル型ノズルにおいて、ニードル型ノズル(1)が
    外筒(11)、
    外筒(11)内にスライド可能に設けられた内筒(12)、
    内筒(12)の筒部上面に固定され、内筒(12)の筒部断面積よりも大きい断面積を有し、外筒(11)の先端と液密的に当接可能に設けられた蓋(13)、及び
    内筒駆動装置(7)
    からなり、内筒(12)は筒部の上部側面もしくは筒部上面と蓋(13)の間にそれぞれ開口する注入孔(2)および排出孔(4)を有し、
    上記ノズル(1)を使用して
    (I):液状加圧流体(F)を樹脂(P)に注入する前の段階では、内筒(12)を外筒(11)内にスライドさせ、蓋(13)を外筒(11)の先端と液密的に当接させて注入孔(2)を液密的に閉口状態にさせ、
    II ):液状加圧流体(F)を樹脂(P)に注入する段階では、内筒(12)を外筒(11)外にスライドさせて注入孔(2)を開口状態にさせ、液状加圧流体(F)を少なくとも注入孔(2)から樹脂(P)に注入して中空成形を行い、
    III ):中空成形で得られた中空部(8)から液状加圧流体(F)を排出する段階では、内筒(12)と外筒(11)を上記( II )の状態に保って、液状加圧流体(F)を排出孔(4)から排出することを特徴とするニードル型ノズル。
  5. 蓋(13)と外筒(11)の先端との間に、O−リングを介在させて、又は蓋(13)と外筒(11)の先端との当接面をテーパー状にして、液密的に当接可能にする、請求項4に記載されたニードル型ノズル。
  6. 前記内筒(12)が、筒部上面と蓋(13)との間に注入孔(2)及び排出孔(4)を連通する連通孔(6)を更に有する、請求項4又は5に記載されたニードル型ノズル。
  7. 金型内の樹脂に液状加圧流体を注入して行う中空成形用のニードル型ノズルにおいて、ニードル型ノズル(1)が、
    外筒(11)、
    外筒(11)内に回転及び/又はスライド可能に設けられた内筒(12)、及び
    内筒駆動装置(7)
    からなり、内筒(12)は先端部まで延びて開口する注入孔(2)および筒部の側面に開口部(4’)を有する排出孔(4)を有し、
    上記ノズル(1)を使用して
    I' ):液状加圧流体(F)を樹脂(P)に注入する前の段階では、内筒(12)を回転及び/又はスライドさせて開口部(4’)を液密的に閉口状態にさせ、
    II' ):液状加圧流体(F)を樹脂(P)に注入する段階では、内筒(12)と外筒(11)を上記( I' )の状態に保って、液状加圧流体(F)を注入孔(2)から樹脂(P)に注入して中空成形を行い、
    III' ):得られた中空部(8)から液状加圧流体(F)を排出する段階では、内筒(12)を回転及び/又はスライドさせて開口部(4’)を開口状態にさせ、液状加圧流体(F)を排出孔(4)から排出することを特徴とするニードル型ノズル
  8. 内筒(12)の回転及び/又はスライドにより、内筒(12)の開口部(4’)に向合う外筒(11)の側面に、排出口(4”)が設けられている、請求項7に記載されたニードル型ノズル。
  9. 注入孔(2)から加圧ガス(A)を注入して、液状加圧流体(F)を排出孔(4)から排出する、請求項1〜8のいずれかに記載されたニードル型ノズル。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載のニードル型ノズルを使用することを特徴とする中空成形方法。
  11. 請求項3又は6に記載されたニードル型ノズルを使用し、(I):液状加圧流体(F)を樹脂(P)に注入する前の段階では、液状加圧流体(F)を注入孔(2)から注入し、連通孔(6)を経て、排出孔(4)から排出させて、液状加圧流体(F)をニードル型ノズル(1)内に満たすことを特徴とする中空成形方法。
  12. 請求項7〜9のいずれかに記載されたニードル型ノズルを使用し、( II' ):液状加圧流体(F)を樹脂(P)に注入する段階で、初めに、( I' )の状態に保って、液状加圧流体(F)の総注入量の一部を注入孔(2)から樹脂(P)に注入し、
    次に、内筒(12)を回転及び/又はスライドさせて開口部(4’)を開口状態にさせ、液状加圧流体(F)の残りの量を注入孔(2)及び排出孔(4)から樹脂(P)に注入して中空成形を行い、( III' ):得られた中空部(8)から液状加圧流体(F)を排出する段階では、内筒(12)と外筒(11)を上記( II' )の状態に保って、液状加圧流体(F)を排出孔(4)から排出することを特徴とする中空成形方法。
  13. 液状加圧流体(F)が、注入孔(2)及び排出孔(4)の両者から注入される、請求項10〜12のいずれかに記載された中空成形方法。
  14. 液状加圧流体(F)が水である、請求項10〜13のいずれかに記載の中空成形方法。
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