JP4138984B2 - アミド結合を有するビニルポリマー、それからなる可塑剤及びセルロース誘導体樹脂組成物 - Google Patents

アミド結合を有するビニルポリマー、それからなる可塑剤及びセルロース誘導体樹脂組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アミド結合を有するビニルポリマー、それからなる可塑剤及び該可塑剤を含むセルロース誘導体樹脂組成物に関するものである。さらに詳しくは、側鎖にアミド結合を有する官能基を持つビニルポリマー、またはビニル共重合ポリマー、それを主成分とする可塑剤、並びにそれにより可塑化されたセルロース誘導体樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート等のセルロース誘導体は、単独で加熱すると溶融と同時に着色や分解が生じるため、良好な成形品を得ることができない。また、種々の溶剤を用いてセルロース誘導体を溶解、混練、圧搾、成形してシートを得る、いわゆるブロック法においても、可塑剤の添加なしでは、良好な可撓性を有する樹脂を得ることができない。
そのため、セルロース誘導体の可塑剤として、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジメトキシエチルフタレート、エチルフタリルエチルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート等のフタル酸エステル、トリアセチン、ジアセチルグリセリン、トリプロピオニトリルグリセリン、グリセリンモノステアレートなどの多価アルコールエステル;トリフェニルフォスフェート、トリクレジルフォスフェート等の正リン酸エステル;ジブチルアジペート、ジオクチルアジペート、ジブチルアゼレート、ジオクチルアゼレート、ジオクチルセバケート等の二塩基性脂肪酸エステル等が使用されてきた。
しかしこれらは低分子可塑剤であるため、成形加工時の加熱溶融された状態では揮発してしまい、臭気等で作業環境の悪化が問題になる。
【0003】
そこでこの問題を避けるため、揮発性のない高分子化合物を可塑剤として用いることが発明された。例えば、特開昭61-276836号公報では、フタル酸系ポリエステルが、特開平07-076632号公報では、ポリカプロラクトンが使用できることが示されている。
しかし、非常に良好な相溶性を示す高分子同士の組み合わせを見つけるのは、非常に難しいことが知られており、上記の高分子可塑剤を用いて成形加工しても、その後使用中に、徐々に高分子可塑剤が製品の表面にしみだしてくる、いわゆるブリードアウトという現象が認められる。
【0004】
アミド結合を有するビニルモノマーとして、ビニルピロリドンを単独で重合したポリビニルピロリドンと酢酸セルロースの混合物について、すでにP.RAMA RAOらにより、Indian J.Pharm.Sci.,1996,58(6) pp.246-250において報告されているが、混合の目的は、酢酸セルロースの水蒸気透過性の向上であり、その可塑化効果については何も記載されていない。
また、ビニルピロリドンと他のモノマーの共重合物と酢酸セルロースとの混合については何も報告されていない。
【0005】
上記で述べた、従来使用している可塑剤を含有したセルロース誘導体樹脂組成物は、例えば、シート、フィルム、パイプ、棒、印材、装飾品、眼鏡枠、工具柄、食器具柄、玩具、繊維、雑貨など広範囲に使用されているが、セルロース誘導体と可塑剤との相容性や、可塑化効果、非揮発性、非移行性等の広範な性能をすべて満足させる必要がある。
しかし、現在の可塑剤には、すべての要求性能を満たすものはなく、セルロース誘導体の用途拡大の妨げとなっているのが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、優れた可撓性や、非揮発性、非移行性を有する、セルロース誘導体用の可塑剤を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、このような現状に鑑み、鋭意検討をした結果、側鎖にアミド結合を有するビニルポリマー、またはビニル共重合ポリマーは、セルロース誘導体と非常に良好な相溶性を示すことを見出した。
さらに、側鎖にアミド結合を有するビニルポリマー、またはビニル共重合ポリマーは、優れた可撓性や、非揮発性、非移行性をも持ち合わせ、セルロース誘導体の優れた可塑剤となりうることを見出し、本発明に到達した。
【0008】
すなわち本発明の第1は、アミド結合を有するビニルモノマーの重合または任意のビニルモノマーとの共重合により得られる側鎖にアミド結合を有するビニルポリマー(ただしポリビニルピロリドン、ポリアクリロイルモルホリンは除く。)またはビニル共重合ポリマー(ただしN−ビニルピロリドン・酢酸ビニル共重合ポリマーは除く。)を提供する。
本発明の第2は、アミド結合を有するビニルモノマーが、N-ビニルピロリドン、N-ビニル-2-メチルピロリドン、アクリロイルモルホリン、アクリロイル-2-メチルモルホリン、ビニルアセトアミドまたはこれらの混合物であることを特徴とする本発明の第1に記載のアミド結合を有するビニルポリマーまたはビニル共重合ポリマーを提供する。
本発明の第3は、任意のビニルモノマーが、酢酸ビニル、2−エチルヘキシルアクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、アクリル酸ブチルまたはこれらの混合物であることを特徴とする本発明の第1に記載のアミド結合を有するビニルポリマーまたはビニル共重合ポリマーを提供する。
本発明の第4は、アミド結合を有するビニルモノマーの共重合比率が、ポリマーを構成するビニルモノマー全体の1〜100mol%であることを特徴とする本発明の第1または2に記載のアミド結合を有するビニルポリマーまたはビニル共重合ポリマーを提供する。
本発明の第5は、数平均分子量が、1,000〜500,000であることを特徴とする本発明の第1〜4の何れかに記載のアミド結合を有するビニルポリマー、またはビニル共重合ポリマーを提供する。
本発明の第6は、本発明の第1〜5の何れかに記載のアミド結合を有するビニルポリマーまたはビニル共重合ポリマーからなる可塑剤を提供する。
本発明の第7は、本発明の第6に記載の可塑剤とセルロース誘導体とからなることを特徴とするセルロース誘導体樹脂組成物を提供する。
本発明の第8は、可塑剤の含有量が、2〜98重量%であることを特徴とする本発明の第7に記載のセルロース誘導体樹脂組成物を提供する。
本発明の第9は、セルロース誘導体が、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートまたはこれらの混合物であることを特徴とする本発明の第7または8に記載のセルロース誘導体樹脂組成物を提供する。
本発明の第10は、セルロース誘導体の酢化度が、52%(置換度2.2)以上であることを特徴とする本発明の第9に記載のセルロース誘導体樹脂組成物を提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明における側鎖にアミド結合を有するビニルホモポリマー(ただしビニルピロリドンホモポリマーは除く)はアミド結合を有するビニルモノマーを重合することにより得られ、ビニル共重合ポリマーは該アミド結合を有するビニルモノマーと任意のビニルモノマーとを共重合することにより得られるものである。
【0010】
アミド結合を有するビニルモノマーとしては、例えば、N-ビニルピロリドン、N-ビニル-2-メチルピロリドン、アクリロイルモルホリン、アクリロイル-2-メチルモルホリン、ビニルアセトアミド等が挙げられる。
これらのアミド結合を有するビニルモノマーは、2種以上の混合物も用いることができる。
【0011】
また、これらのアミド結合を有する官能基を持つビニルモノマーと共重合可能なビニルモノマーとしては、例えば、エチレン、プロピレン、スチレン、酢酸ビニル、ビニルアルコール(但し、共重合後加水分解してビニルアルコールになる。)、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、アクリロニトリルなど任意の官能基を有するビニルモノマーが挙げられる。これらは、2種以上の混合物を用いることができる。
これらの内、酢酸ビニル、2-エチルヘキシルアクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、アクリル酸ブチルが好ましい。
【0012】
そして、その共重合比率は、アミド結合を有するビニルモノマーが、ポリマーを構成するビニルモノマー全体の1〜100mol%が好ましく、特に20〜100mol%が好ましい。
アミド結合を有するビニルモノマーが1mol%未満では、セルロース誘導体の可塑化効果が低下して好ましくない。
【0013】
側鎖にアミド結合を有するビニルポリマー、またはビニル共重合ポリマーの製造は、アミド結合を有するビニルモノマーを単独で、又は共重合可能な他のビニルモノマーと共に、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)のようなラジカル重合開始剤を使用して、必要であれば溶媒の存在下に、常法により重合される。
【0014】
側鎖にアミド結合を有するビニルポリマー、またはビニル共重合ポリマーの数平均分子量は、1,000〜500,000程度が好ましく、特に好ましくは、5,000〜200,000である。
1,000以下では揮発性に問題が生じ、500,000を超えると可塑化能力が低下し、セルロースエステル誘導体組成物の機械的性質に悪影響を及ぼす。
【0015】
本発明に使用されるセルロース誘導体としては、例えば、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートフタレート及び硝酸セルロースなどのセルロースエステル類、エチルセルロース、ベンジルセルロース、シアノエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシブチルセルロース等のセルロースエーテルが挙げられる。これらの内、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート等の酢化度52以上(置換度2.2以上)の酢酸セルロースが好ましく、特にセルロースアセテートが有用である。
これらのセルロース誘導体は、2種以上の混合物を使用できる。
側鎖にアミド結合を有するビニルポリマー、またはビニル共重合ポリマーは、本発明のセルロース誘導体樹脂組成物中に2〜98重量%使用され、特に機械的性質、可塑性等から5〜50重量%使用されることが好ましい。
アミド結合を有するビニルポリマー、またはビニル共重合ポリマーが、セルロース誘導体樹脂組成物中の2重量%未満では、可塑化効果が小さくてセルロース誘導体の成形性が悪くなり、また、98重量%を超えるとセルロース誘導体の含有率が小さすぎて、セルロース誘導体の物性が発現されない。
【0016】
セルロース誘導体と側鎖にアミド結合を有するビニルポリマー、またはビニル共重合ポリマーの混練は、押出機、ニーダー、バンバリーミキサー、ロール等を使用して溶融混練するか、適当な溶剤を使用して、溶解混練するなど種々の方法で行なうことができる。
通常の樹脂組成物と同様に、本発明のセルロース誘導体樹脂組成物にも、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の各種安定剤、顔料、充填剤、核剤、滑剤、帯電防止剤、難燃剤等の添加剤を、目的に応じて単独または数種類混合して添加しても差し支えない。
【0017】
本発明における側鎖にアミド結合を有するビニルポリマー、またはビニル共重合ポリマーは、セルロース誘導体に対して非常に良好な相溶性を示し、更に優れた可撓性、非揮発性、非移行性を持つので、優れた可塑剤となる。
また、本発明のセルロース誘導体樹脂組成物は、従来のセルロース誘導体と同様、シート、フィルム、パイプ、棒、印材、装飾品、眼鏡枠、工具柄、食器具柄、玩具、繊維、雑貨など広範囲に有用である。
【0018】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0019】
[実施例1]
ポリサイエンス(Polyscience)社製のN-ビニルピロリドン・酢酸ビニル共重合体(P−1)(N-ビニルピロリドン:酢酸ビニル=60:40重量比、重量平均分子量(Mw)72,000)1重量部を、アセトン99重量部に溶解させた溶液40重量部と、セルロースアセテート(ダイセル化学(株)社製VBF、置換度2.27、酢化度52.9%)1重量部を、アセトン99重量部に溶解した溶液100重量部とを混合して、白色沈殿としてセルロース誘導体組成物を得た。
樹脂組成物のガラス転移点(Tg)を、トーソー(株)社製DSCにより測定したところ、146℃に認められ、これはセルロースアセテートのTg195℃とも、N−ビニルピロリドン・酢酸ビニル共重合体のTg87℃とも異なり、その間の値であった。
さらに、樹脂組成物を射出成形機により試験片を成形し、強度、ブリードアウトなど、種々の性能試験を行なった。
移行性試験については、直径50mm、肉厚3mmの円形試験板を、射出成形機により成形し、これを同様の形状をもつポリカーボネート樹脂並びにポリメタクリレート樹脂ではさみ、5kg/cm2の荷重をかけて、50℃、80%RH(相対湿度)の恒温、恒湿下に5日間放置した。そして、ポリカーボネート樹脂板、ポリメタクリレート樹脂板への可塑剤の移行による接触表面状態の変化を観察評価した。
引張破断強度、引張破断伸度は、ASTMD 638に従って行った。
ブリードアウトは、上記の成形板を、50℃、80%RHの恒温、恒湿下に5日間放置したのち、その表面変化を観察した。結果を表1に示す。
【0020】
[実施例2]
ポリサイエンス(株)社製のイオン交換樹脂DE-HIBIT100を用いて、重合禁止剤のハイドロキノンを除去した興人(株)社製アクリロイルモルホリン10部と、クロロホルム90部と、重合開始剤アゾビスイソブチロニトリル0.1部を、窒素気流下、加熱し還流させた。
7時間後、反応液を攪拌しながら石油エーテルに注ぎ、ポリアクリロイルモルホリン(P−2)の白色沈殿を得た。
これを、60℃、2日間真空乾燥し、粘度法により分子量を求めたところ、重量平均で150,000であった。
ポリアクリロイルモルホリン(P−2)1重量部を、アセトン99重量部に溶解させた溶液40重量部と、実施例1で使用したセルロースアセテート1重量部をアセトン99重量部に溶解した溶液100重量部とを混合した後、アセトンを留去して樹脂組成物を得た。この樹脂組成物について、実施例1と同様の試験を行った。Tgは、160℃に認められた。結果を表1に示す。
【0021】
[実施例3]
実施例2の重合法と同様の方法において、アクリロイルモルホリン10部の代わりに、アクリロイルモルホリン5部、アクリル酸ブチル5部を用いて、アクリロイルモルホリン・アクリル酸ブチル共重合体(P−3)を合成した。
実施例1と同様の方法で、ビニルピロリドン・酢酸ビニル共重合体(P−1)を、上記アクリロイルモルホリン・アクリル酸ブチル共重合体(P−3)に替えて、セルロースアセテートの樹脂組成物を得た。
この樹脂組成物について、実施例1と同様の試験を行った。Tgは、134℃に認められた。結果を表1に示す。
【0022】
[実施例4]
実施例2の重合法と同様の方法において、アクリロイルモルホリン10部の代わりに、アクリロイルモルホリン5部、2−エチルヘキシルアクリレート5部を用いて、アクリロイルモルホリン・2−エチルヘキシルアクリレート共重合体(P−4)を合成した。
実施例1と同様の方法で、ビニルピロリドン・酢酸ビニル共重合体(P−1)を上記共重合体(P−4)に替えて、セルロースアセテートの樹脂組成物を得た。
この樹脂組成物について、実施例1と同様の試験を行った。Tgは、137℃に認められた。結果を表1に示す。
【0023】
[実施例5]
実施例2の重合法と同様の方法において、アクリロイルモルホリン10部の代わりに、アクリロイルモルホリン5部、2-ヒドロキシエチルメタクリレート5部に替えて、アクリロイルモルホリン・2-ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体(P−5)を合成した。
実施例1と同様の方法で、ビニルピロリドン・酢酸ビニル共重合体(P−1)を、上記アクリロイルモルホリン・2-ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体(P−5)に替えて、セルロースアセテートの樹脂組成物を得た。
この樹脂組成物について、実施例1と同様の試験を行った。Tgは、153℃に認められた。結果を表1に示す。
【0024】
[実施例6]
実施例2で使用したイオン交換樹脂DE-HIBIT100と、重合禁止剤ハイドロキノンを除去したアクリロイルモルホリン20部を使用して、ナカライ社製酢酸ビニル20重量部、ジオキサン60部とAIBNを0.4部を、窒素気流下、加熱、還流させた。7時間後、反応液を攪拌しながら石油エーテルに注ぎ、アクリロイルモルホリン・酢酸ビニル共重合体(P−6)の白色沈殿を得た。
これを、40℃、1日間真空乾燥し、粘度法により分子量をもとめたところ、重量平均で120,000であった。
実施例2と同様の方法で、ポリアクリロイルモルホリン(P−2)を、上記アクリロイルモルホリン・酢酸ビニル共重合体(P−6)に替えて、セルロースアセテートの樹脂組成物を得た。
この樹脂組成物について、実施例1と同様の試験を行った。Tgは、175℃に認められた。結果を表1に示す。
【0025】
[比較例1]
特開平07-076632号公報に示された方法により、ポリカプロラクトン(PCL−H305、ダイセル化学(株)社製)およびセルロースアセテート(ダイセル化学(株)社製VBF、置換度2.27、酢化度52.9%)との混練を行った。混練重量比率は、セルロースアセテート100部に対し、PCL−H305を40部で行った。
この樹脂組成物について、実施例1と同じ評価を行った。Tgは、126℃に認められた。結果を表1に示す。
【0026】
[比較例2]
特開昭61-276836号公報に示された方法により、ポリ(1、3−ブチレンフタレート)(PBP)およびセルロースアセテート(ダイセル化学社製、置換度2.27、酢化度52.9%)との混練を行った。混練比率は、セルロースアセテート100部に対し、PBPを40部で行った。
この樹脂組成物について、実施例1と同じ評価を行った。Tgは、121℃に認められた。結果を表1に示す。
【0027】
【表1】
Figure 0004138984
【0028】
【発明の効果】
本発明により、側鎖にアミド結合を有するビニルポリマー、またはビニル共重合ポリマーは、セルロース誘導体に対して良好な相溶性、優れた可撓性、非揮発性、非移行性を示し、セルロース誘導体に対して有用な可塑剤が得られる。
また、本発明のセルロース誘導体樹脂組成物は、従来のセルロース誘導体と同様、シート、フィルム、パイプ、棒、印材、装飾品、眼鏡枠、工具柄、食器具柄、玩具、繊維、雑貨など広範囲に有用である。

Claims (9)

  1. アミド結合を有するビニルポリマーまたはビニル共重合ポリマーからなる可塑剤であって、前記ビニルポリマーまたはビニル共重合ポリマーが、アミド結合を有するビニルモノマーの重合または任意のビニルモノマーとの共重合により得られる側鎖にアミド結合を有するビニルポリマー(ただしポリビニルピロリドンは除く。)またはビニル共重合ポリマーである可塑剤
  2. アミド結合を有するビニルモノマーが、N-ビニルピロリドン、N-ビニル-2-メチルピロリドン、アクリロイルモルホリン、アクリロイル-2-メチルモルホリン、ビニルアセトアミドまたはこれらの混合物である請求項1記載の可塑剤
  3. 任意のビニルモノマーが、酢酸ビニル、2−エチルヘキシルアクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、アクリル酸ブチルまたはこれらの混合物である請求項1記載の可塑剤
  4. アミド結合を有するビニルモノマーの共重合比率が、ポリマーを構成するビニルモノマー全体の1〜100mol%である請求項1または2に記載の可塑剤
  5. ビニルポリマーまたはビニル共重合ポリマーの数平均分子量が、1,000〜500,000である請求項1〜4の何れかに記載の可塑剤
  6. 請求項記載の可塑剤とセルロース誘導体とからなるセルロース誘導体樹脂組成物。
  7. 可塑剤の含有量が、2〜98重量%である請求項記載のセルロース誘導体樹脂組成物。
  8. セルロース誘導体が、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートまたはこれらの混合物である請求項または記載のセルロース誘導体樹脂組成物。
  9. セルロース誘導体の酢化度が、52%(置換度2.2)以上である請求項に記載のセルロース誘導体樹脂組成物。
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