JP4138512B2 - 体液採取具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、血液や尿、汗などの体液中の成分を測定するための体液採取具に関する。特に、検出部材を有し、毛管作用により体液を移送する送液路を有する体液採取具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、血液や尿、汗、皮膚からの滲出液を採取し、グルコース、コレステロール、ヘモグロビンなどの成分を簡易に測定する試験器具が多用されている。特に血液中のグルコース濃度を測定することは、糖尿病患者の状態をモニターするため重要であり、日常的な測定が求められている。
【0003】
血糖測定は、グルコースに特異的に反応するグルコースオキシダーゼやグルコースデヒドロゲナーゼ等の酵素が用いられており、このグルコースの酵素反応生成物や反応生成物によりさらに生成されるものを、呈色反応として光学的に測定する方法や、電荷の移動として電気的に測定する方法により行われている。
【0004】
このような測定は、多くの場合、測定機構を備えた成分測定装置と1回使い捨ての試験片により行われる。穿刺具により指、腕等を穿刺し、少量の出血を得、1回使用の使い捨て試験片に血液を点着することによって、試験片上の測定部に血液が到達する。成分測定装置は、光学的に測定する場合には、試験片上の測定部の位置に合わせて発光素子と受光素子が備えられており、また、電気的に測定する場合には、試験片に設けられた電気的な接点に接触する電気的は測定回路が備えられており、光学的あるいは電気的な測定値を血液中のグルコース濃度を算出するものが用いられている。
【0005】
従って、成分測定を簡便確実に行うためには、試験片に点着した血液が速やかに測定部に到達することが必要であり、毛管作用を発現する細長い空間を有する支持体に試薬層を設け、細長い空間の端部に血液を点着し、試薬層を有する測定部まで毛管作用により血液を到達させるものが考案されている。(例えば、特許文献1を参照のこと)
しかしながら、毛管作用による上記の血液等の体液の移送は、大変不安定であり、表面状態の科学的、物理的な変化により、移送路の途中で血液の進入が止まってしまい、測定部まで到達しない場合がある。特に体液の流れる空間の断面形状が変化しているような個所や、試験具の本体材料と測定部分の試験紙材料が異なり、表面性状が変化しているような個所では、体液の滞留が起こり易い。
【0006】
このような体液流路内で血液等の体液が滞留してしまうような不安定さを解決するため、様々な提案がなされている。例えば、体液流路内に体液の移送方向に沿って糸を設け、この糸に振動エネルギーを加えることにより体液の移動が円滑に行われるようにした試験具(例えば、特許文献2を参照のこと)や、体液流路の体液入口から測定部(検出部)まで体液流路が連続的に狭窄化することにより、体液入口から遠ざかるほど毛管作用が強くなるので上記滞留を防止することができるようにすることが提案されている(例えば、特許文献3参照のこと)、あるいは、2部材からなる体液流路部材表面をフォイルで覆うことによって、部材の境界で体液の進入が停止してしまうデバイス(例えば、特許文献4を参照のこと)などである。
【0007】
しかしながら、体液の流路形状の変化と表面性状の変化が合わせて起こった場合など、体液の滞留が起こり易い状況を十分に改善する試験具は依然として求められている。
【0008】
【特許文献1】
特開平8−247946号公報
【特許文献2】
特開平9−61310号公報
【特許文献3】
特表2001−526391公報
【特許文献4】
特表2001−525553公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、体液をより確実かつ迅速に検出部へ移送することことができる簡便な構成の体液採取具を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記の(1)〜(11)の構成により達成される。
【0011】
(1) 基板、基板上に形成された一端に体液入口を有する溝状の体液送液路、および体液中の成分を検出する検出部材とを有する体液採取具において、該検出部材は該体液送液路の幅よりも広い幅を有し該基板上において該体液送液路の少なくとも一部を覆ってなり、該検出部材に覆われてなる部分の該体液送液路の高さが該体液送液路の他の部分の高さよりも低いことを特徴とする体液採取具。
【0012】
(2) 前記体液送液路の前記検出部材に覆われてなる部分において、前記基板上の該検出部材に対応する部分が凹部とされ、該検出部材が該凹部に嵌め込まれてなり、該体液送液路および該体液送液路を覆う検出部材がカバー材により覆われてなることを特徴とする上記(1)に記載の体液採取具。
【0013】
(3) 前記体液送液路に前記検出部材の端面部が露出してなることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の体液採取具。
【0014】
(4) 前記検出部材は、検出部と固定部を有し、該検出部は体液中の成分を検出するための検出試薬を有し、該固定部は前記基板と該検出部材とを固定するものであり、該検出部と該基板との間に空間部を有し、前記体液送液路と該空間部が連続していることを特徴とする上記(1)ないし(3)に記載の体液採取具。
【0015】
(5) 前記空間部は幅と高さを有し、該空間部の幅が、前記体液送液路の幅よりも大きいことを特徴とする上記(1)ないし(4)に記載の体液採取具。
【0016】
(6) 前記基板または前記カバー材が通気孔を有し、前記空間部が前記体液送液路とは異なる開口より該通気孔に連通してなることを特徴とする上記(1)ないし(5)に記載の体液採取具。
【0017】
(7) 前記基板が、平板材、該平板材上に該体液送液路を形成するための送液路形成部材からなることを特徴とする上記(1)ないし(6)に記載の体液採取具。
【0018】
(8) 前記検出部材が体液の前記成分と反応して光学的測定可能な物質に変化する物質を含有する試験紙であって、前記検出部と前記固定部が同一材料であることを特徴とする上記(1)ないし(7)に記載の体液採取具。
【0019】
(9) 前記送液路形成部材が印刷により形成されてなることを特徴とする上記(6)ないし(8)に記載の体液採取具。
【0020】
(10) 前記送液路形成部材が前記基板と一体に予め成形されてなることを特徴とする上記(7)または(8)に記載の体液採取具。
【0021】
(11) 前記送液路形成部材が粘着テープにより形成されてなることを特徴とする上記(6)ないし(8)に記載の体液採取具。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明の1実施形態について、図を用いて説明する。図1は本発明の1実施形態の平面図、図2は、図1中のA−A’線断面図、図3は図1に示す体液採取具の分解図である。
【0023】
図1〜図3に示す体液採取具1は、体液送液路7、空間部8、通気孔10、凹部201および凹部202が形成された基板21と第1カバー23、および第2カバー24と、凹部201、202の形状に適合した検出部材3からなり、該検出部材3は、基板21の凹部201、202に嵌め込まれ、第1カバー23と第2カバー24により覆われている。
【0024】
基板21は、細長い平板状の形状をしており、成分測定装置への装着しやすく、また、体液採取具自体を持ち易くなっている。本実施形態においては、基板21の長軸方向の一端から他端まで溝が形成されており、該溝の途中に該溝の幅より大きな幅を有する略円形状の空間部8が形成されている。該溝の一端である体液入口51と開口部52の間の溝により形成される体液送液路7は、第1カバー23を積層することにより覆われ、さらに空間部8から該溝の他端までの部分は通気孔10となっている。さらに、基板21には、空間部8を含む凹部201が形成されている。また、開口部52近傍には、凹部201よりも浅い凹部202が形成されている。
【0025】
体液送液路7は、体液入口51と開口部52を有し、基板21の長軸方向に平行にほぼ直線状に形成されている。体液入口51は、基板21の1端部に開口し、体液送液路7の多端である開口部52は、検出部材3が嵌め込まれる空間部8、凹部201、凹部202に開口している。凹部201、202は、体液送液路7の幅よりも大きな幅を有する検出部材3の大きさと厚さに対応した幅と深さを有し、検出部材3が嵌め込まれ、体液送液路7の溝の高さ(深さ)と比べ、空間部8の空間の高さが低くされてなる。また、凹部202は、検出部材3の一部が嵌め込まれることにより、体液送液路7の開口部52近傍の高さが体液送液路7の他の部分よりも低くされてなる。また、検出部材3の端部面35が体液送液路7に露出している。体液送液路7は、体液入口51に供給されら血液等の体液が、毛管作用により体液送液路7内に進入し、検出部材3まで運ばれるようにされている。
【0026】
通気孔10は、体液送液路7の開口部52と異なる個所で、空間部8に開口している。本実施形態においては体液送液路7の延長上に溝状に形成されている。
【0027】
検出部材3は、凹部201、202と適合する形状をしており、凹部201、202に嵌め込まれ、凹部202に嵌め込まれた検出部材3の上面の高さが、基板21の上面の高さと略一致し、カバー23を積層したときにカバー23の基板21側の面と基板21のカバー23側の面が前面に亘って密着するようにされている。検出部材3には、空間部8に面し、測定対象物質と反応する物質が配された検出部31と凹部201,202に面する固定部32、および体液送液路7に露出する端面部35を有する。本実施形態では、光学的に測定する方法に用いられるものであって、グルコースオキシダーゼ、パーオキシダーゼおよび呈色試薬を含有する多孔質膜の空間部に対応する部分(図3の検出部材3において破線で示された円の内側部分)を検出部として用い、その他の周辺部分を固定部分として用いている。
【0028】
カバー23は、基板21の幅と同一の幅と体液送液路7(検出部材3に覆われた開口部52近傍を含む)を覆うために足りる長さを有する形状の平板部材で構成されている。基板21に検出部材3が嵌め込まれたものに、カバー23を積層し、体液送液路7を形成するとともに、開口部52近傍において、検出部材3の固定部32を基板21との間に挟み込んでいる。また、カバー24は凹部201に嵌め込まれた検出部材3を基板21との間に挟み込んでいる。カバー24は、検出部31に対応する部分が切り取られた測定孔9を有しており、体液採取具1が図示しない成分測定装置に装着された時に、発光素子や受光素子を有する成分測定装置の測定機構部による検出部への発光素子による測定光の照射と受光素子による反射光の計測を可能としている。カバー24は、検出部31の汚れ、破損の防止、検出部材3の基板21への固定という効果を有するが、無くてもよい。また、本実施形態では、カバー23とカバー24とを別に設けたが、連続した1枚の部材の一部に測定孔9が設けられてもよい。
【0029】
基材21、検出部材3およびカバー23で形成される体液送液路7の開口部52近傍において、凹部202を設けることにより、カバー23の基板21側面と基板21のカバー23側面を密着させることができる。カバー23と基板21の間に、検出部材3が挟み込まれて密着しない場合、体液送液路7の検出部材3の端部近傍においてカバー23が基板21から浮き上がり、体液送液路7の横断面積が拡大し、毛管作用が消失する可能性が高くなるので、検出部材3の固定部32の端部面35の全厚みが凹部202に嵌め込まれることが好ましい。また、検出部材3が多孔性膜等の多孔質基材の場合、カバー23と基板21を接合する際、該多孔質基材を圧縮することにより、カバー23と基板21を密着させることができる。検出部材3の固定部32が硬質材料の場合には、端部面35の厚みを圧縮することができないので、凹部202を設けることに大きな効果がある。
【0030】
基板21およびカバー23、24の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、ABS樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリフェニレンオキサイド、熱可塑性ポリウレタン、ポリメチルメタクリレート、ポリオキシエチレン、フッ素樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート等の熱可塑性樹脂や、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂等が挙げられる。さらに、アルミナ、ジルコニア等のセラミックス、ステンレス、アルミニウム、チタン等の金属を用いることもできる。
【0031】
本実施形態の基板21は体液送液路7等が形成されているが、これは、平板状の基材に溝や凹部を機械的な切削により形成する方法や射出成形により一体として作製することができる。また、平板上の基板に印刷や、両面テープなどにより、所定形状の材料を積層して送液路形成部材とし、体液送液路7、空間部8、凹部201、202、通気孔10を形成することもできる。これらの製造方法に限定されないことは言うまでもない。
【0032】
検出部材3は、検出部31と固定部32を異なる構成としてもよいし、同一の構成材料としてもよい。体液成分の検出を呈色試薬のによる発色の光学的な測定で行う場合には、検出部31として呈色試薬を含有するシート状多孔質基材を用いることが多く、検出部材3を呈色試薬を含有するシート状多孔質基材で構成すると、簡単な構成で製造することができるので、検出部31と固定部32は同一の材料で構成することが好ましい。
【0033】
検出部3は、血液中の所定成分を検出し得るものであり、例えば、血液を吸収可能なシート状多孔質基材に呈色試薬を担持してなるものがある。このシート状多孔質基材しては、多孔性膜、不織布、織布等が挙げられる。特に多孔性膜は、孔径や表面性状等の高い均一性が得られるので好ましい。また、該シート状多孔質基材は、少なくともその一面で赤血球の透過を阻止できるものが好ましい。該シート状多孔質基材の赤血球の透過を阻止する面から血液を吸収させ、該シート状多孔質基材の他面で該呈色試薬の呈色を測定することにより、赤血球による呈色測定の妨害を抑制することができるからである。
【0034】
検出部3に用いられるシート状多孔質基材の構成材料としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリスルホンあるいはセルロース等の樹脂が挙げられるが、血液の良好な吸収を得るために、親水性を有する材料、または親水化処理されたものが好ましい。親水化方法としては、呈色反応に影響の少ない方法を採用することができ、例えば、プラズマ処理、グロー放電、コロナ放電、紫外線照射等の物理活性化処理のほか、界面活性剤、水溶性シリコン、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等の被覆等により行うことができる。検出部3をこのようなシート状多孔質基材で構成する場合、固定部32も同一材料で構成することが好ましい。また、検出部3を構成するシート状多孔質基材は単層のシートでもよく、複数枚のシートを積層した多層構成であってもよい。
【0035】
呈色試薬としては、血糖値測定用の場合、グルコースオキシダーゼとパーオキシダーゼ等の酵素と、4−アミノアンチピリンとN−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−m−トルイジン等の発色剤との組合わせが挙げられる。その他、測定成分に応じて、例えばアスコルビン酸オキシダーゼ、アルコールオキシダーゼ、アルコールデヒドロゲナーゼ、ガラクトースオキシダーゼ、フルクトースデヒドロゲナーゼ、コレステロールデヒドロゲナーゼ、コレステロールオキシダーゼ、乳酸オキシダーゼ、乳酸デヒドロゲナーゼ、ビリルビンオキシダーゼ、キサンチンオキシダーゼ等の血液成分と反応する酵素と、前記の発色剤の他の発色剤との組み合わせも可能である。さらに、pHを調節する緩衝剤を含ませることもできる。
【0036】
検出部材3がグルコース濃度を電気的に測定するものである場合には、例えば、特開昭60−17344号公報や特開平2−245650号公報に記載の電極検出具が挙げられる。これらの電極検出具は、少なくとも二つの極を有し、電極上で血液成分と反応する前記酵素と、フェリシアン化カリウム、フェロセン等のメディエータとを組合わせた試薬と血液中の所定成分が反応することにより、メディエータを通じて電子が電極に移動し、電気的な測定が可能となる。このような場合には、検出部31は前記電極および測定試薬により構成される。固定部32は前記電極や試薬を支持する基材で構成することができる。
【0037】
基板21とカバー23、24、および基板21と検出部材3との固着方法としては、例えば、熱融着、超音波融着、接着剤による接着、両面テープなどの粘着剤による粘着等が挙げられる。
【0038】
体液送液路7は、体液採取具1の長軸方向端部に体液入口51、検出部材3近傍に開口部52を有し、体液入口51から採取した血液は、毛管作用により開口部52に向かって進入する。以下、体液送液路7の血液が進入する方向に垂直な方向での断面を「横断面」とする。体液送液路7の横断面積は、特に限定されないが、0.05〜30mm程度でることが好ましく、0.1〜10mm程度であるのがより好ましい。体液送液路7の横断面積が小さすぎると、血液の供給速度が遅く、十分な量の血液を得るのに長時間を要し、一方、体液送液路7の横断面積が大きすぎると、毛管作用による血液の進入が困難となる。また、体液入口51から開口部52に向かって、体液送液路7の横断面積がしだいに小さくなっていてもよい。断面積が小さくなっていることにより、毛管作用が大きくなり、血液が進入するのに好ましい。
【0039】
体液送液路7の横断面形状は、円形、V字形、方形など特に限定されないが、体液送液路7内に体液の残存量を少なくするために、薄型の方形が好ましい。この場合、好ましくは、その高さが0.05〜0.5mm、好ましくは0.1〜0.3mmであり、その幅が0.5〜3mm、好ましくは0.8〜2mmである。体液送液路7の長さは、1〜25mmであるのが好ましく、5〜20mmであるのがより好ましい。また、体液送液路7の内面は、前記したような親水化処理を施されていることが好ましい。
【0040】
体液送液路7の開口部52近傍まで進入した血液は、体液送液路7に露出した検出部材3の端面部35に接触する。端面部35は、体液送液路7に露出し、親水性を有するものであるので、毛管作用を持続させることができる。開口部52近傍では、進入した血液は、端面部35に接触により材料の差異を乗り越えた後、体液送液路7よりも幅(体液送液路7の体液の流れ方向に垂直であって、前記検出部材面に平行な部分の長さ)の広がった空間部8に進入するので、材料の連続性により、毛管作用が消失することなく、血液の空間部8への進入を継続させることができる。
【0041】
空間部8は、体液送液路7を進入してきた血液が進入し、同時に検出部31と接触する。検出部3が多孔性基材である場合、血液は多孔性基材に吸収される一方空間部8に進入し、検出部3全面にほぼ均一に吸収される。また、検出部3が電極で有る場合には、空間部8に速やかに血液が満たされ、検出部3に接触する血液量が不足することがない。
【0042】
この空間部8の容積は、特に限定されないが、0.1〜5μLであるのが好ましく、0.5〜1μLであるのがより好ましい。空間部8の容積が大きすぎると、必要以上の血液が採取され、患者の負担が大きくなる。また、空間部8の幅を体液送液路8の幅よりも大きくし、高さを低くすることにより、検出部31を大きく設けることが可能となる。空間部8の最大幅は、特に限定されるものではないが、体液送液路7の開口部52の幅の1〜10倍が好ましく、1.5〜8倍がより好ましい。この幅の比が小さすぎると検知部が小さくなってしまい、測定精度が低下し、大きすぎると毛管作用が消失してしまう可能性がある。また、体液送液路7の最小断面積に対する空間部8の横断面の最大断面積の比は、特に限定されるものではないが、0.3〜2.0が好ましく、0.5〜1.2がより好ましい。
【0043】
通気孔10は、体液送液路7とは異なる個所で空間部8に連通し、体液送液路7に血液が進入する際、体液送液路7および空間部8の圧力を大気圧としている。これにより、血液の進入が内圧により阻害されることを防止することができる。
【0044】
次に、本発明の体液採取具の第2の実施形態について説明する。図4は、本発明の体液採取具の第2の実施形態を示す平面図、図5は図4中B−B’線断面図、図6は図4の体液採取具に用いられるカバー231の平面図、図7は図6中C−C’線断面図、図8は図4の体液採取具に用いられる検出部材3の平面図、図9は図8中D−D’線断面図、図10は図4の体液採取具に用いられる基板22の平面図、図11は図10中E−E’線断面図である。
【0045】
以下、第2の実施形態の体液採取具101について説明するが、前記第1の実施形態との相違点を中心に説明し、第1の実施形態と同様の事項については、説明を省略する。
【0046】
本実施形態の基板22は検出部材301が嵌め込まれる凹部203を有する。また、基板22は平板材211の上に数回のシルクスクリーン印刷を行いインク樹脂層223、222、221を積層し、体液送液路7、空間部8、凹部203、通気孔10を設けている。
【0047】
本実施形態においても、体液送液路7の開口部52近傍まで進入した血液は、体液送液路7に露出した検出部材301の端面部35に接触する。端面部35は、体液送液路7に露出し、毛管作用を持続させることができる。開口部近傍では、進入した血液は、端面部35に接触により材料の差異を乗り越えた後、体液送液路7よりも幅(体液送液路7の体液の流れ方向に垂直であって、前記検出部材面に平行な部分の長さ)の広がった空間部8に進入するので、材料の連続性により、毛管作用が消失することなく、血液の空間部8への進入を継続させることができる。
【0048】
次に、本発明の体液採取具の第3の実施形態について説明する。図12は、本発明の体液採取具の第3の実施形態を示す平面図、図13は、図12中F−F’線断面図、図14は図12の体液採取具に用いられる基板25の平面図、図15は図14中G−G線断面図である。
【0049】
以下、第3の実施形態の体液採取具102について説明するが、前記第2の実施形態との相違点を中心に説明し、第1、第2の実施形態と同様の事項については、説明を省略する。
【0050】
本実施形態の基板25は、第2の実施形態の基板22とほぼ同様の形状をしているが、検出部材302の通気孔11側端部が、基板25の端部230と一致しているので、基板25の凹部204は、通気孔11側端部まで切りかかれている。また、カバー232には測定孔を有していない。
【0051】
本実施形態の検出部材302の検知部は、電気的に体液成分を測定する測定極93、対極94からなり、測定極93の表面には測定試薬322が付着している。また、検出部材321の通気孔11側端部97は、カバー232から露出しており、二つの電気接続部91,92を有している。電気接続部91、92と測定極93、対極94は、それぞれ導電材料95、96により、それぞれ接続されている。これらの電極構成としては、例えば、前記の特開昭60−17344号公報や特開平2−245650号公報、およびその他の従来技術を用いることができる。
【0052】
以上、本発明の体液採取具を各実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、例えば、各部の構成は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものに置換することができ、また、任意の他の構成を追加することもできる。
【0053】
前記の各実施形態では、採取する体液として、血液を代表に説明したが、本発明では、採取する体液は、これらに限らず、例えば、尿、汗、リンパ液、唾液等であってもよい。また、測定の目的とする所定成分は、グルコースの他、例えば各種糖類、コレステロール、乳酸、クレアチニン、ヘモグロビン、各種蛋白質等であってもよい。
【0054】
【発明の効果】
本発明の体液採取具は、基板、基板上に形成された一端に体液入口を有する溝状の体液送液路、および体液中の成分を検出する検出部材とを有する体液採取具において、該検出部材は該体液送液路の幅よりも広い幅を有し該基板上において該体液送液路の少なくとも一部を覆ってなり、該検出部材に覆われてなる部分の該体液送液路の高さが該体液送液路の他の部分の高さよりも低いことを特徴とするので、」体液送液路等における毛管作用による体液の移送が促進され、例えば体液移送路の表面性状が変化した場合でも体液をより確実にかつ迅速に検出部に移送することができ、また、簡便は構成で行うことができる。
また、前記体液送液路の前記検出部材に覆われてなる部分において、前記基板上の該検出部材に対応する部分が凹部とされ、該検出部材が該凹部に嵌め込まれてなり、該体液送液路および該体液送液路を覆う検出部材がカバー材により覆われてなるので、上記効果をさらに高めることができる。
【0055】
また、本発明は、前記体液送液路に前記検出部材の端面部が露出してなるので、上記効果を高めることができる。
【0056】
また、前記検出部材は、検出部と固定部を有し、該検出部は体液中の成分を検出するための検出試薬を有し、該固定部は前記基板と該検出部材とを固定するものであり、該検出部と該基板との間に空間部を有し、前記体液送液路と該空間部が連続しているので、体液が検出部に均一に接触すので、測定精度が向上する。
【0057】
また、前記空間部は幅と高さを有し、該空間部の幅が、前記体液送液路の幅よりも大きいので、検出部が大きくなり、測定精度が向上する。
【0058】
また、前記基板または前記カバー材が通気孔を有し、前記空間部が前記体液送液路とは異なる開口より該通気孔に連通してなるので、迅速に体液を採取することができる。
【0059】
また、前記基板が、平板材、該平板材上に該体液送液路を形成するための送液路形成部材からなるので、体液採取具の組立てがさらに容易となる。
【0060】
また、前記検出部材が体液の前記成分と反応して光学的測定可能な物質に変化する物質を含有する試験紙であって、前記検出部と前記固定部が同一材料であるので、体液採取具の組立てがさらに容易となる。
【0061】
また、前記送液路形成部材が印刷により形成されてなるので、複雑な形状であっても作製が容易である。
【0062】
また、前記送液路形成部材が前記基板と一体に予め成形されてなるので、大量生産が容易である。
【0063】
また、前記送液路形成部材が粘着テープにより形成されてなるので、組み立ての際、他の接着剤を必要としないので、簡便に組立てることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の1実施形態の平面図である。
【図2】 図1中のA−A’線断面図である。
【図3】 図1に示す体液採取具の分解図である。
【図4】 本発明の体液採取具の第2の実施形態を示す平面図である。
【図5】 図4中B−B’線断面図である。
【図6】 図4の体液採取具に用いられるカバー231の平面図である。
【図7】 図6中C−C’線断面図である。
【図8】 図4の体液採取具に用いられる検出部材3の平面図である。
【図9】 図8中D−D’線断面図である。
【図10】 図4の体液採取具に用いられる基板22の平面図である。
【図11】 図10中E−E’線断面図である。
【図12】 本発明の体液採取具の第3の実施形態を示す平面図である。
【図13】 図12中F−F’線断面図である。
【図14】 図12の体液採取具に用いられる基板25の平面図である。
【図15】 図14中G−G’線断面図である。
【符号の説明】
1、101、102 体液採取具
10 通気口
2、21、211、25 基板
201、202、203、204 凹部
22 送液路形成部材
221、222、223 インク樹脂層
23、24、231、232 カバー
230 端部
3、301、321 検出部材
31、302 検出部
32 固定部
322 測定試薬
35 端部面
51 体液入口
52 開口部
7 体液送液路
8 空間部
9 測定孔
91、92 電気接続部
93、94 測定電極(測定極、対極)
95、96 導電材料

Claims (5)

  1. 平板状の基板の一方の面において該基板の一端から溝が他端に向かって形成され、該溝の途中で他の部分の溝の幅より大きな溝の幅を有する空間部と、前記溝の一端である体液入口と前記溝が前記空間部に開口する開口部との間の溝により形成される体液送液路と、前記体液送液路の開口部と異なる個所で前記空間部に連通する通気孔と、前記空間部に面し前記基板の前記一方の面側から前記空間部を厚さ方向に切り欠くように前記基板の前記一方の面に形成された第1の凹部とを有する基板と、
    前記第1の凹部に嵌め込まれて前記空間部と対面し、かつ前記体液送液路の幅よりも広い幅を有するシート状の検出部材と、
    前記体液送液路および前記検出部材を覆うように前記基板の前記一方の面に密着して積層されたカバー材とを有し
    前記開口部に前記第1の凹部に連なって前記基板の前記一方の面側から形成され該第1の凹部の深さより浅い第2の凹部をさらに有し、前記検出部材の端部が前記第2の凹部に嵌め込まれることで前記体液送液路内に前記検出部材の端部が露出してなり、
    前記体液入口に供給された体液は、前記溝と前記カバー部材と前記検出部材とで形成される前記体液送液路に進入し、前記空間部に対面する前記検出部材まで運ばれるようになされることを特徴とする体液採取具。
  2. 前記検出部材は、前記空間部に面する検出部と、該検出部の周辺に設けられ、前記第1の凹部および第2の凹部に面する固定部とからなり、
    該固定部は前記基板と該検出部材とを固定するものであり、該検出部と該基板との間に前記空間部が位置することを特徴とする請求項1に記載の体液採取具。
  3. 前記検出部は、体液中の成分を検出するための検出試薬を有することを特徴とする請求項2に記載の体液採取具。
  4. 前記検出部材は、前記第1の凹部と前記第2の凹部との境界で折り曲げられることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の体液採取具。
  5. 前記検出部材が体液の前記成分と反応して光学的測定可能な物質に変化する物質を含有する多孔質基材からなる試験紙であって、前記検出部と前記固定部が同一材料であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の体液採取具。
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