JP6739035B2 - 生体成分検出装置及び歯列マウスガード型センサ - Google Patents

生体成分検出装置及び歯列マウスガード型センサ Download PDF

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Description

本発明は、生体成分検出装置及び歯列マウスガード型センサに関する。
近年、社会の高齢化や健康への意識の高まり、通信環境の整備を背景に生体情報のリアルタイム計測が注目を集めている。また、食生活の多様化や生活環境の変化により、肥満や高血圧、心臓病、痛風等の生活習慣病の患者数が増加している。その中でも、糖尿病は、日本においては予備群も含めて2,000万人以上(2012年現在)、世界では有病者のみでも3億8,200万人(2013年現在)と報告されており、大きな社会問題となっている。
糖尿病は、膵臓のインスリン作用の不足により慢性的な高血糖状態となる疾患であり、網膜症、腎症、神経障害等の合併症を引き起こす恐れがある。そのため、罹患者は、食事療法や運動療法等の他、血糖計測に基づくインスリン療法などにより自己の血糖値を適切に管理する必要がある。しかし、食後高血糖や夜間低血糖等の血糖値の大きな日内変動により、インスリン療法による血糖コントロールは非常に難しく、その適切な処方が必要とされる。
現在、血糖値の管理には、自己血糖測定器(self monitoring of blood glucose, SMBG)が広く用いられているが、採血による侵襲的な方法で、痛みや感染症の恐れを伴う。最近では、血糖値管理における連続モニタリングの重要性から、持続血糖測定(continuous glucose monitoring, CGM)といった連続的な血糖値評価キットも普及し始めているが、この手法もまた侵襲的であり腹部などに装置を装着する必要がある。血糖値管理において、非侵襲かつ無拘束な評価法が求められている。
一方、非侵襲な評価法として、血液を直接調べるのではなく、血糖値と相関関係のある各種体液成分を指標とする方法が多数報告されている。非侵襲な血糖値評価法として、尿や涙液を用いる方法の他、唾液を用いる方法もその有用性から注目を集めている。非特許文献1には、健常者と糖尿病患者を対象に、空腹時における経口ブドウ糖負荷試験(oral glucose tolerance test, OGTT)を行い、唾液中グルコースと血中グルコースに高い相関性があることが示されている。この非特許文献1では、血糖値評価における唾液中グルコースの有用性が述べられている。
また、非特許文献2には、健常者と糖尿病患者合わせて150人を対象に非空腹時における唾液中グルコースと血中グルコースを計測し、その結果が正の相関を示すことが開示されている。
これら非特許文献1及び2から、唾液中グルコースと血中グルコースに相関があることが認められ、非侵襲な血糖値評価の可能性が示唆されている。特に、非特許文献1では、経時的な血糖値の変化に追従して、唾液中グルコース濃度も変化することが確認され、唾液中グルコースの有用性が示唆されている。また、非特許文献3〜5においても、唾液中グルコースと血中グルコースとの間で有意な相関性を示すことが示されている。
しかしながら、非特許文献1〜5に記載の手法は、口腔からサンプリングや前処理した唾液を分析するものであり、唾液の分泌に伴うグルコースの濃度変化を連続的に計測するものではない。口腔内の唾液をサンプリングし体外で計測する方法では、連続的な計測を考えた場合、その繰り返し作業により被験者に負担をかけてしまう。
そこで、近年では、間欠的な唾液採取法ではなく連続的な唾液採取法による唾液成分計測、あるいは口腔内設置型のセンサで情報を計測する技術が研究されている。例えば、非特許文献6には、睡眠環境における精神的な影響・負担を正確に評価することの重要性から、ストレスバイオマーカーであるコルチゾール、sIgA、α-アミラーゼの唾液中濃度の経時的な変化を計測することが示されている。睡眠中の唾液成分を分析・評価した事例は少なく、非特許文献6に記載の技術は、新しい発見や疾患の評価等に役立つ技術である。しかしながら、非特許文献6において、唾液採取は連続的でありながら、唾液成分の計測自体は酵素免疫測定法(enzyme−linked immunosorbent assay, ELISA)等を用いた間欠的な方法である。また、唾液採取のために拘束されてしまい、使用者の負担となる。
一方で、非特許文献7には、三軸加速度センサを義歯に埋め込み、会話時や飲食時の口腔の動きを検出するシステムが示されている。現段階では、有線により計測したデータを取得しており、将来的には無線によるリアルタイム計測を目指している。非特許文献7に記載の技術は、口腔の動きを評価することが目的であるものの、唾液成分計測における口腔内設置型センサとしての応用が十分に期待される。しかしながら、非特許文献7に記載の技術は、義歯を利用しているため万人に適用できるシステムではない。
山口昌樹ら、血糖値と唾液糖値の相関に関する検討、糖尿病1997:40(6):335−340 Radhika Sashikumar, MDS, et al., Salivary glucose levels and oral candidalsou carriage in typeII, Oral Surgery, Oral Medicine, Oral Pathology, Oral Radiology, and Endodontology 2010; 109(5):706−711 Arati S. Panchbhai, Correlation of Salivary Glucose Level with Blood Glucose Level in Diabetes Mellitus, Journal of Oral Maxillofacial Research 2012; 3(3):e3:1−7 Panda Abikshyeet, et al., Glucose estimation in the salivary of diabetes mellitus patients, Diabetes, Metabolic Syndrome and Obesity: Targets and Therapy 2012; 5:149−154 Agrawal RP, et al., Noninvasive Method for Glucose Level Estimation by Saliva, J. Diabetes & Metabolism 2013; 4(5) 大平雅子ら、唾液中Cortisol, sIgA, α−amylase濃度の睡眠時変化特性、生体医工学 2011; 49(6):798−804 Cheng−Yuan Li, et al., Sensor−embedded Teeth for Oral Activity Recognition, ISWC 2013
以上から、非侵襲な血糖値評価として、唾液中グルコースが有用であるといえる。唾液中グルコースを測定するにあたり、血糖値の経時的な変化を把握する重要性から、唾液中グルコースを連続して計測することが求められる。また、無拘束という点で、口腔内設置型のセンサを用いる方法が有効である。その際、センサや基板を義歯に埋め込む方法ではなく、万人が使えるようなセンサデバイスが求められる。
加えて、口腔内設置型のセンサを提供するにあたっては、センサを収容できる場所、及び安全性において厳しい制約が課される。
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、血糖値との相関関係を有する唾液中グルコースを、非侵襲かつ無拘束で連続的に計測でき、加えて、限られたスペースで安全に収容可能な生体成分検出装置及び歯列マウスガード型センサを提供することである。
本発明者らは、上記のような課題を解決するために鋭意研究を重ねた。その結果、電極の基材と、作用電極及び参照電極の材料とを直接接する態様にすることで、上記の課題を解決できることを見出し、本発明の完成に至った。具体的に、本発明は以下のものを提供する。
(1)本発明は、歯列マウスガード材料からなる基材と、前記基材の少なくとも一方の面に積層され、作用電極材料を含有する作用電極材料層と、前記基材の前記少なくとも一方の面に積層され、参照電極材料を含有する参照電極材料層とを備え、前記作用電極材料層の少なくとも一部が作用電極であり、前記参照電極材料層の少なくとも一部が参照電極であり、前記作用電極及び前記参照電極は、前記基材と直接接している、生体成分検出装置である。
(2)また、本発明は、前記基材が、ポリエチレンテレフタレートグリコール樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、スチレン−ブタジエンブロック共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリスチレン樹脂及び熱可塑性ポリウレタン樹脂から選択される少なくとも1種の樹脂を含有する、(1)に記載の生体成分検出装置である。
(3)また、本発明は、前記作用電極材料がプラチナであり、前記参照電極材料が銀であり、前記参照電極は、銀の表面が塩化銀によってメッキされている銀/塩化銀電極である、(1)又は(2)に記載の生体成分検出装置である。
(4)また、本発明は、前記基材がシート状であり、前記作用電極材料層及び前記参照電極材料層が膜状であり、前記生体成分検出装置が可撓性を有する、(1)から(3)のいずれかに記載の生体成分検出装置である。
(5)また、本発明は、前記作用電極及び前記参照電極は、露出されており、前記作用電極及び前記参照電極が露出する領域は、接着剤不使用領域であり、JIS K5600−5−6に準じてクロスカット法により測定される、前記基材と前記作用電極又は前記参照電極との間の密着性が80%以上である、(1)から(4)のいずれかに記載の生体成分検出装置である。
(6)また、本発明は、前記生体成分検出装置が、唾液に含まれるグルコースを検出する唾液中グルコース検出装置であり、前記作用電極及び前記参照電極の表面において、グルコースオキシダーゼが固定化されている、(1)から(5)のいずれかに記載の生体成分検出装置である。
(7)また、本発明は、歯列マウスガード材料からなり、歯列マウスガード形状の本体と、(1)から(6)のいずれかに記載の生体成分検出装置と、外部装置に情報を送信する情報送信部と、前記生体成分検出装置と前記情報送信部とを電気的に接続する接続部とを含んで構成され、前記本体は、歯列の少なくとも一部の内周に対応する内側壁部と、前記歯列の少なくとも一部の外周に対応する外側壁部とを有し、前記情報送信部は、前記生体成分検出装置に電圧を印加する電圧印加部と、前記生体成分検出装置での出力電流を検出する電流検出部と、前記電流検出部での検出結果を外部に送信する検出結果送信部とを有し、前記生体成分検出装置は、前記内側壁部において前記作用電極及び前記参照電極が露出するように設けられ、前記外側壁部は、前記情報送信部を収容する収容部を有し、前記情報送信部は、前記収容部に収容されており、前記接続部は、未露出状態で設けられている、歯列マウスガード型センサである。
(8)また、本発明は、前記本体が、下顎歯列の臼歯部分に対応する形状である、(7)に記載の歯列マウスガード型センサである。
(9)また、本発明は、前記本体が、前記歯列の少なくとも一部の形状と略同じ形状である第1本体と、前記第1本体を被覆する第2本体とを有し、前記第2本体の前記外側壁部は、前記情報送信部の大きさと略同じ大きさの凹部を有し、前記収容部は、前記第1本体の前記外側壁部と前記第2本体の前記凹部とによって囲まれる領域であり、前記接続部は、前記第1本体と前記第2本体との間に設けられる、(7)又は(8)に記載の歯列マウスガード型センサである。
(10)また、本発明は、前記検出結果送信部が、前記電流検出部での検出結果を外部に無線で送信する、(7)から(9)のいずれかに記載の歯列マウスガード型センサである。
本発明によると、唾液中グルコースを非侵襲かつ無拘束で連続的に計測でき、加えて、限られたスペースで安全に収容可能な生体成分検出装置及び歯列マウスガード型センサを提供できる。
本発明に係る生体成分検出装置20を説明するための概略図である。 作用電極材料層用パターン100及び参照電極材料層用パターン101の概略構成を示す。 作用電極材料層22及び参照電極材料層23の成膜手法の一例を示す。 本発明に係る歯列マウスガード型センサ1の概略図である。 図4の歯列マウスガード型センサ1における本体10の具体的態様の一例である。 図4の歯列マウスガード型センサ1における情報送信部30の概略構成を示す。 薄膜の密着性を評価するために行った付着性−クロスカット試験法の手法を示す。 図7に示す試験法に基づき評価したときの顕微鏡写真である。 基材21と作用電極材料層(プラチナ薄膜)22又は参照電極材料層(銀薄膜)23との密着性を示したグラフである。 試験例で使用した生体成分検出装置20の寸法を示す。 同じ生体成分検出装置20を用いて複数回試行したときの標準過酸化水素溶液の滴下に伴う出力電流値の変化を示す。 異なる生体成分検出装置20を用いて試行したときの標準過酸化水素溶液の滴下に伴う出力電流値の変化を示す。 電極領域20Aに固定化した酵素量と電極領域20から出力される出力電流値との関係を示す。 GOD固定化後の生体成分検出装置20を用いたときの生体成分検出装置20のグルコース濃度に対する定量特性を示す。 生体成分検出装置20の各種糖類への選択性を示す。 生体成分検出装置20のpH依存性を示す。 生体成分検出装置20の温度依存性を示す。 情報送信部30を用いたときの生体成分検出装置20のグルコース濃度に対する定量特性を示す。 コンデンサ容量と変動係数及び応答時間との関係を示す。 歯列マウスガード型センサ1にてグルコースに対する定量特性を示す。 オーバーコート用のPMEH濃度と出力電流値との関係を示す。 人工唾液を用いたときの歯列マウスガード型センサ1のグルコース濃度に対する定量特性を示す。 電極領域20Aの面積を4倍にした歯列マウスガード型センサ1において、リン酸緩衝液を用いたときのグルコース濃度に対する定量特性を示す。 電極領域20Aの面積を4倍にした歯列マウスガード型センサ1において、人工唾液を用いたときのグルコース濃度に対する定量特性を示す。 歯科用ファントム113を用いたグルコース計測の実験系110を示す。 人工唾液111に含まれるグルコース濃度の動態変化を示す。
以下、本発明の具体的な実施形態について詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。なお、説明が重複する箇所については、適宜説明を省略する場合があるが、発明の要旨を限定するものではない。
<生体成分検出装置20>
図1は、本発明に係る生体成分検出装置20を説明するための概略図である。図1の(A)は、生体成分検出装置20の模式図であり、図1の(B)は、(A)のA−A断面図である。
生体成分検出装置20は、歯列マウスガード材料からなる基材21と、基材21の少なくとも一方の面21aに積層され、作用電極材料を含有する作用電極材料層22と、上記一方の面21aに積層され、参照電極材料を含有する参照電極材料層23とを備える。
そして、作用電極材料層22の少なくとも一部が作用電極22Aであり、参照電極材料層23の少なくとも一部が参照電極23Bであり、作用電極22A及び参照電極23Aは、基材21と直接接している。
また、本明細書において、「直接接する」とは、接着剤層等、層間の密着性を高めるための他の層を介在しないことをいうものとする。作用電極22A及び参照電極23Aは、唾液等のグルコース含有試料と接触可能であることを要するため、作用電極22A及び参照電極23Aは、露出している必要がある。そのため、層間において接着剤層等の他の層が介在していると、接着剤層等に含まれる成分が唾液を介して体内に流入し得る。作用電極22A及び参照電極23Aが基材21と直接接することで、接着剤層等に含まれる成分が体内に流入する可能性をなくすことができ、結果として、生体成分検出装置20を口腔で用いる場合であっても、十分な安全性を確保できる。
一方で、作用電極材料層22及び参照電極材料層23であっても、作用電極22A及び参照電極23Aとは異なる部分は、グルコース含有試料と接触可能であることを要しないため、歯列マウスガードの本体によって被覆されていても差し支えない。したがって、作用電極22A及び参照電極23Aとは異なる部分については、層間において接着剤層等の他の層を介在しないことが好ましいが、他の層が介在していても差し支えない。
〔基材21〕
基材21を構成する材料は、歯列マウスガードの用途として用いられる材料であれば、特に限定されるものではない。歯列マウスガード材料の例として、ポリエチレンテレフタレートグリコール樹脂(PETG)、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、スチレン−ブタジエンブロック共重合樹脂(SBS)、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)、ポリスチレン樹脂(PS)及び熱可塑性ポリウレタン樹脂(TPU)から選択される少なくとも1種の樹脂を含有するものが挙げられる。
中でも、基材21と作用電極22Aとの間で、接着剤層等の他の層を介在することなく、80%以上の密着性を有することから、基材21、作用電極材料層22、参照電極材料層23の順に積層する場合、基材21は、ポリエチレンテレフタレートグリコール樹脂(PETG)、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、スチレン−ブタジエンブロック共重合樹脂(SBS)、ポリスチレン樹脂(PS)及び熱可塑性ポリウレタン樹脂(TPU)から選択される少なくとも1種の樹脂を含有することが好ましい。また、基材21と作用電極材料層22との間で95%以上の密着性を有することから、基材21は、ポリエチレンテレフタレートグリコール樹脂(PETG)、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、スチレン−ブタジエンブロック共重合樹脂(SBS)及びポリスチレン樹脂(PS)から選択される少なくとも1種の樹脂を含有することがより好ましい。そして、基材21と作用電極材料層22との間で99%以上の密着性を有することから、基材21は、ポリエチレンテレフタレートグリコール樹脂(PETG)及びポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)から選択される少なくとも1種の樹脂を含有することが特に好ましい。
また、基材21と参照電極材料層23との間で、接着剤層等の他の層を介在することなく、85%以上の密着性を有することから、基材21、参照電極材料層23、作用電極材料層22の順に積層する場合、基材21は、ポリエチレンテレフタレートグリコール樹脂(PETG)、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、スチレン−ブタジエンブロック共重合樹脂(SBS)及びポリスチレン樹脂(PS)から選択される少なくとも1種の樹脂を含有することが好ましい。また、基材21と参照電極材料層23との間で99%以上の密着性を有することから、基材21は、ポリエチレンテレフタレートグリコール樹脂(PETG)、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)及びスチレン−ブタジエンブロック共重合樹脂(SBS)から選択される少なくとも1種の樹脂を含有することがより好ましい。
本明細書において、密着性とは、JIS K5600−5−6に準じてクロスカット法により測定される、基材21と作用電極22又は参照電極23との間での密着性をいうものとする。
基材21の形状は、特に限定されるものでない。しかしながら、作用電極材料層22及び参照電極材料層23を好適に保持できるようにするため、基材21の厚さは、5mm以上であることが好ましく、0.1mm以上であることがより好ましい。
また、使用者の口腔内での違和感を少なく抑えるため、基材21は、シート状であることが好ましい。具体的に、基材21の厚さは、5mm以下であることが好ましく、0.1mm以下であることがより好ましい。
〔作用電極材料層22及び参照電極材料層23〕
作用電極材料層22は、作用電極材料を含有し、参照電極材料層23は、参照電極材料を含有する。
作用電極材料は、従来公知の態様であれば、特に限定されるものでなく、プラチナ、グラッシーカーボン、導電性ダイヤモンド等が挙げられる。中でも、唾液に対する耐腐食性が高く、作用電極材料の体内への流入を最小限に抑えられることから、作用電極材料は、プラチナであることが好ましい。
参照電極材料として、水銀、銀等が知られているが、口腔内で用いる際の安全性、唾液に対する耐腐食性等を考慮すると、参照電極材料は、銀であることが好ましい。
参照電極材料層23の少なくとも一部は、参照電極23である。参照電極23の表面のイオン化を防ぐため、参照電極は、表面が塩化物によってメッキされていることが好ましい。例えば、参照電極材料が銀である場合、参照電極は、銀の表面が塩化銀によってメッキされている銀/塩化銀電極であることが好ましい。
生体成分検出装置20を、唾液に含まれるグルコースを検出する唾液中グルコース検出装置として機能できるようにするため、作用電極22A及び参照電極23Aには、グルコースオキシダーゼが固定化されていることが好ましい。式(1)に示すように、グルコース含有試料に含まれるグルコースは、作用電極22A及び参照電極23Aで固定化されたグルコースオキシダーゼにより、酸素の存在下で過酸化水素とグルコノラクトンに変化される。
GOD
glucose+O → gluconolactone+H (1)
そして、外部装置である電圧印加部から作用電極端末22Bを介して作用電極22Aに電圧が印加されると、作用電極22A及び参照電極23Aの表面に過酸化水素が拡散する。そうすると、式(2)及び式(3)に示す反応が起こり、過酸化水素に応じた出力電流値を計測できることで、グルコース濃度を計測できる。
作用電極材料層22:2H→4H+2O+4e (2)
参照電極材料層23:4H+O+4e→2HO (3)
固定化するグルコースオキシダーゼの酵素量は特に限定されるものでないが、電極領域20Aの単位面積(1mm)あたり、1ユニット以上であることが好ましく、3ユニット以上であることがより好ましく、5ユニット以上であることがさらに好ましく、7ユニット以上であることが特に好ましい。酵素量が少なすぎると、生体成分検出装置20の測定精度に影響し得るため、好ましくない。
酵素量の上限は特に限定されるものでないが、酵素量が大きすぎても、生体成分検出装置20の測定精度の向上にほとんど寄与しないことから、酵素量は、電極領域20Aの単位面積(1mm)あたり、15ユニット以下であることが好ましく、10ユニット以下であることがより好ましい。
グルコースオキシダーゼを固定化する手法は、特に限定されるものではないが、グルコースオキシダーゼは、水に不溶性であり、口腔で用いられても人体に害を及ぼさない生体適合性ポリマーによって固定化されることが好ましい。生体適合性ポリマーの例として、ポリ(2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)−メタクリル酸2− エチルヘキシル(EHMA)共重合体)(PMEH)のほか、光官能基であるスチリルピリジニウム(SbQ)基をポリビニルアルコール(PVA)側鎖に導入したポリマーであるPVA−SbQ等が挙げられる。
固定化する際の生体適合性ポリマーの濃度は特に限定されるものではないが、オーバーコート用の生体適合性ポリマーの濃度として、1重量%以上10重量%以下であることが好ましく、1重量%以上3重量%以下であることがより好ましい。また、生体適合性ポリマーの量は、電極領域20Aの面積(4.2mm)あたり1μl以上5μl以下であることが好ましく。1μl以上3μl以下であることがより好ましい。生体適合性ポリマーの濃度が低すぎると、唾液に含まれるタンパク質が電極領域20Aに吸着し、これにより、測定精度に影響を及ぼし得る。生体適合性ポリマーの濃度が高すぎると、酵素膜が厚くなり、電極領域20Aへのグルコースの拡散が抑制されるため、この場合も測定精度に影響を及ぼし得る。また、塗布量が多すぎると酵素膜が厚くなり、同様の影響を及ぼし得る。
作用電極22A及び参照電極23Aの形状は特に限定されるものでないが、作用電極22Aと参照電極23Aとの距離を一定にするため、図1の(A)に示すように、中心に作用電極22Aが形成され、その周囲を参照電極23Aで囲む形状であることが好ましい。
作用電極22A及び参照電極23Aを含んで構成される電極領域20Aの面積は、特に限定されるものでないが、唾液中グルコース濃度(20〜200μmol/l)を含む1〜5,000μmol/lのグルコース濃度を有する測定対象に含まれるグルコース濃度の測定精度を高めるため、面積の下限は、3mm以上であることが好ましく、5mm以上であることがより好ましく、10mm以上であることがさらに好ましく、15mm以上であることが特に好ましい。また、口腔内の限られたスペースに収容できる点で、上限は、25mm以下であることが好ましく、20mm以下であることがより好ましい。
作用電極材料層22及び参照電極材料層23の厚さは、特に限定されるものでない。しかしながら、作用電極材料層22及び参照電極材料層23を作用電極及び参照電極として好適に機能できるようにするため、作用電極材料層22及び参照電極材料層23の厚さは、50nm以上であることが好ましく、50nm以上であることがより好ましい。
また、使用者の口腔内での違和感を少なく抑えるため、作用電極材料層22及び参照電極材料層23は、薄膜であることが好ましい。具体的に、作用電極材料層22及び参照電極材料層23の厚さは、1mm以下であることが好ましく、1mm以下であることがより好ましい。そして、基材21、作用電極材料層22及び参照電極材料層23の厚さを上記の範囲内にすることで、生体成分検出装置20を、可撓性を有する物にすることができる。
作用電極材料層22は、外部の電圧印加部と電気的に接続可能な作用電極端子22Bを有することが好ましく、参照電極材料層23は、この電圧印加部と電気的に接続可能な参照電極端子23Bを有することが好ましい。作用電極端子22B及び参照電極端子23Bの形状は、外部の電圧印加部と電気的に接続可能であれば、特に限定されるものではない。
〔絶縁層24〕
絶縁層24は、生体成分検出装置20のうち、作用電極22A及び参照電極23Aを含んで構成される電極領域20A、及び作用電極端子22B及び参照電極端子23Bを含んで構成される端子領域20B以外の領域を絶縁するために設けられる。
絶縁層24の材料は特に限定されるものでないが、十分な絶縁性能を有し、かつ、口腔で用いられても人体に害を及ぼさないことから、絶縁層24は、ポリジメチルシロキサン(PDMS)等のシリコーン等で構成されることが好ましい。
また、絶縁層24の形状は、特に限定されるものでない。しかしながら、絶縁層24における絶縁性能を十分に発揮できるようにするため、絶縁層24の厚さは、100nm以上であることが好ましく、100nm以上であることがより好ましい。
また、使用者の口腔内での違和感を少なく抑えるため、絶縁層24は、シート状であることが好ましい。具体的に、絶縁層24の厚さは、1mm以下であることが好ましく、1mm以下であることがより好ましい。そして、基材21、作用電極材料層22、参照電極材料層23及び絶縁層24の厚さを上記の範囲内にすることで、生体成分検出装置20を、可撓性を有する物にすることができる。
〔生体成分検出装置20の製造方法〕
生体成分検出装置20の製造方法は、特に限定されるものでないが、例えば、以下のようにすることで製造できる。
[プラチナ及び銀の成膜]
プラチナ及び銀の成膜では、各電極パターンを形成するためのシールステンシルを作製する。例えば、ポリプロピレン(PP)等の樹脂シートにカッティングマシンを用いて、図2の(A)に示す作用電極材料層用パターン100及び図2の(B)に示す参照電極材料層用パターン101を切り出す。
そして、図3に示す手法にて、基材21の一方の面21aに、作用電極材料層22及び参照電極材料層23を形成する。ここでは、作用電極材料がプラチナであり、参照電極材料が銀であるものとして説明するが、これに限られるものではない。
まず、土台となるシリコンウェハー102の表面に基材21を載置する(図3の(A))。続いて、基材21の一方の面21aに作用電極材料層用パターン100を貼付し、平行平板スパッタ法を用いて作用電極材料層22を形成する(図3の(B))。
続いて、作用電極材料層用パターン100を取り外した後(図3の(C))、基材21の一方の面21aに参照電極材料層用パターン101を貼付し、平行平板スパッタ法を用いて参照電極材料層23を形成する(図3の(D))。そして、参照電極材料層用パターン101及びシリコンウェハー102を取り外すことで(図3の(E))、基材21に作用電極材料(ここでは、プラチナ)及び参照電極材料(ここでは銀)を成膜できる。
[絶縁層24の形成]
次に、生体成分検出装置20の電極領域20A及び端子領域20Bに相当する領域以外の箇所を、ポジジメチルシロキサン(PDMS)等の絶縁材料で絶縁化する。
[参照電極材料層23の塩化処理]
続いて、参照電極材料層23の表面のイオン化を防ぐため、参照電極材料層23の表面を、参照電極材料の塩化物(ここでは塩化銀)でメッキする。メッキは、参照電極材料層23を塩酸に浸漬し、一定電位を印加することによって得られる。
[グルコースオキシダーゼの固定]
続いて、作用電極22A及び参照電極23Aにおいて、グルコースオキシダーゼを固定化するため、生体適合性ポリマーを調製する。生体適合性ポリマーの例として、PMEHを合成する場合、MPCとEHMAとをエタノールに溶解させ、これらのモノマー混合溶液に対して開始剤である2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN,分子量:164.21g/mol)を添加し、その後、ラジカル重合反応を行うことによって得られる。
続いて、生体適合性ポリマーとエタノールとを混合させた生体適合性ポリマー溶液と、グルコースオキシダーゼとの混合溶液を作用電極22A及び参照電極23Aに塗布し、冷蔵庫で乾燥させることで、作用電極22A及び参照電極23Aの表面にグルコースオキシダーゼを包括固定化できる。そして、酵素面からの酵素の漏出を防ぐため、表面に生体適合性ポリマー溶液をさらに塗布し、冷蔵庫で乾燥させることが好ましい。
<歯列マウスガード型センサ1>
図4は、歯列マウスガード型センサ1の概略図である。特に、図4の(A)は、歯列マウスガード型センサ1の概略平面図であり、図4の(B)は、歯列マウスガード型センサ1の概略正面図であり、図4の(C)は、図4の(A)のB−B断面図である。
歯列マウスガード型センサ1は、歯列マウスガード材料からなり、歯列マウスガード形状の本体10と、上述した生体成分検出装置20と、外部装置(図示せず)に情報を送信する情報送信部30と、生体成分検出装置20と情報送信部30とを電気的に接続する接続部40とを含んで構成される。
〔本体10〕
本体10は、歯列の少なくとも一部の内周に対応する内側壁部10Aと、歯列の少なくとも一部の外周に対応する外側壁部10Bとを有する。内側壁部10A及び外側壁部10Bは、歯列の少なくとも一部の内周及び外周に対応していれば特に限定されるものでなく、歯列は、上顎歯列であってもよいし、下顎歯列であってもよい。また、臼歯部分に対応していてもよいし、前歯及び犬歯に対応していてもよいし、前歯、犬歯及び臼歯の全てに対応していてもよい。
中でも、口腔内に常時置いた場合における使用者の違和感を最小限に抑えるため、本体10は、下顎歯列の臼歯部分に対応する形状であることが好ましく、唾液中グルコース濃度の測定精度を確保するだけの生体成分検出装置20の載置面積を確保するため、本体10は、下顎歯列の第一小臼歯から使用者の最奥の臼歯(第三大臼歯があれば、第三大臼歯、第三大臼歯がなければ、順次、第二大臼歯、第一大臼歯・・・)に対応する形状であることが好ましい。
外側壁部10Aは、生体成分検出装置20の電極領域20Aと略同じ大きさの穴121を有する。この穴121から電極領域20Aが露出可能な構成となっている。
外側壁部10Bは、情報送信部30を収容する収容部10Cを有する。収容部10Cを有することで、情報送信部30を未露出状態で収容できるため、情報送信部30が口腔内で腐食し、情報送信部30を構成する材料が唾液を介して体内に流入することを防ぐことができる。
本体10を構成する材料は、歯列マウスガードの用途として用いられる材料であれば、特に限定されるものではない。歯列マウスガード材料の例として、ポリエチレンテレフタレートグリコール樹脂(PETG)、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、スチレン−ブタジエンブロック共重合樹脂(SBS)、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)、ポリスチレン樹脂(PS)及び熱可塑性ポリウレタン樹脂(TPU)から選択される少なくとも1種の樹脂を含有するものが挙げられる。
図5を参照しながら、本体10のより好適な態様について説明する。本体10は、歯列の少なくとも一部の形状と略同じ形状である第1本体11と、この第1本体11を被覆する第2本体12とを有することが好ましい。そして、第2本体12の外側壁部12Bは、情報送信部30の大きさと略同じ大きさの凹部122を有することが好ましい。そうすることで、第1本体11の外側壁部11Bと第2本体12の凹部122とによって囲まれる領域を収容部10Cとして機能させることができ、情報送信部30の未露出状態を保つことができる。また、第1本体11と第2本体12との間に生体成分検出装置20及び接続部40を設けることができ、これにより、接続部40の未露出状態を保つことができるとともに、生体成分検出装置20の露出を最小限に抑えることができる。
〔生体成分検出装置20〕
生体成分検出装置20の配置は、電極領域20Aが露出する態様であれば特に限定されるものではないが、生体成分検出装置20の腐食を最小限に抑えるため、露出は、最小限に抑えることが好ましい。
例えば、生体成分検出装置20を、第1本体11の内側壁部11Aと第2本体12の内側壁部12Aとの間であって、第2本体12の穴121で生体成分検出装置20の電極領域20Aが露出するように配置することが好ましい。生体成分検出装置20は、内側壁部11A,12Aに設けられていることから、露出している電極領域20Aに試料としての唾液を十分に接触させることができる。加えて、生体成分検出装置20が可撓性を有する小型のシート状であれば、生体成分検出装置20を口腔内に載置しても、使用者の違和感を最小限に抑えられる。また、露出する箇所は、電極領域20Aに限られるため、生体成分検出装置20の腐食を最小限に抑えることができ、使用者に対する安全性を最大限確保できる。
〔情報送信部30〕
情報送信部30は、収容部10Cに収容されている。そのため、情報送信部30が口腔内で腐食し、情報送信部30を構成する材料が唾液を介して体内に流入することを防ぐことができる。
図6は、情報送信部30の概略構成を示す。情報送信部30は、生体成分検出装置20に電圧を印加する電圧印加部31と、生体成分検出装置20での出力電流を検出する電流検出部32と、電流検出部32での検出結果を外部端末50に送信する検出結果送信部33とを有する。
電圧印加部31は、一般に広く用いられる電池であればよく、特に限定されるものでない。しかしながら、口腔内に収容可能であることを要するため、電圧印加部31は、できる限り小さいことが好ましい。また、交換頻度を最小限に抑えるため、電圧印加部31は、できる限り耐用年数が長い物を採用することが好ましい。
電流検出部32は、生体成分検出装置20から送られてくるアナログデータをデジタルデータに変換するAD変換機能を有するICチップと、このICチップに電圧を供給する電源とを採用することで実現できる。ICチップの大きさは特に限定されるものではないが、口腔内に収容可能であることを要するため、ICチップは、できる限り小さいことが好ましい。また、情報送信部30の体積をできるだけ小さく抑えるため、電源は、上記電圧印加部31と兼用することが好ましい。
検出結果送信部33は、外部端末50との通信機能を有するICチップと、このICチップップに電圧を供給する電源とを採用することで実現できる。情報送信部30の体積をできるだけ小さく抑えるため、ICチップ及び電源は、上記電圧印加部31及び上記電流検出部32と兼用することが好ましい。
ICチップは、外部端末50との通信機能を有していれば特に限定されるものではないが、使用者が移動している間であっても、連続して快適に使用できるようにするため、ICチップは、電流検出部32での検出結果を外部端末50に無線で送信できることが好ましい。無線における周波数帯域は特に限定されるものでなく、例えば、産業・医学用機器の周波数帯に相当するISMバンド(Industry Science Medical Band)が挙げられる。その他、Bluetooth(登録商標)接続を採用し、外部端末50として携帯端末を採用して、電流検出部32での検出結果を携帯端末に送信できるようにしてもよい。そうすることで、使用者の移動中であっても、電流検出部32での検出結果を随時確認できる。
検出結果送信部33のハードウェア構成は、任意に選択した周波数帯域に対応し、電流検出部32で変換したデジタルデータを外部端末50に送信する無線ICチップと、この無線ICチップに電圧を供給する電源とを採用することで実現できる。無線ICチップの種類は特に限定されるものでないが、交換頻度を少なく抑えるため、消費電力ができるだけ小さいものを採用することが好ましい。
特に限定されるものではないが、唾液中のグルコース濃度が低い場合であっても、グルコース濃度を正確に測定できるようにするため、回路にコンデンサを設け、生体成分検出装置20から送られてくるアナログデータをデジタルデータに変換する前段階において、アナログデータからノイズを除去することが好ましい。
〔接続部40〕
接続部40は、生体成分検出装置20と情報送信部30とを電気的に接続する機能を有する。接続部40は、導電性材料を含有するものであれば、特に限定されるものではない。
導電性材料として、銀、銅、金、アルミニウム、マグネシウム、タングステン、コバルト、亜鉛、ニッケル、鉄、プラチナ等を挙げることができる。中でも、電気抵抗率が低く、唾液による腐食を最小限に抑えることができ、かつ、電流を流す際の温度変化を最小限に抑えられることから、導電性材料は、銀、金、プラチナ等であることが好ましい。
接続部40を設けるにあたり、接着剤を用いないことが好ましいが、接続部40が未露出である場合、接着剤を用いても差し支えない。
〔歯列マウスガード型センサ1の製造方法〕
歯列マウスガード型センサ1の製造方法は、特に限定されるものでないが、例えば、以下のようにすることで製造できる。
まず、歯型を吸引型成型器に設置し、マウスガードシート材料から第1本体11を3次元成型する。成型した第1本体11の外側壁部11Bに、第一小臼歯から第三大臼歯の頬側に位置するように情報送信部30をポリイミドテープで固定し、情報送信部30を付加した第1本体11を吸引型成型器に設置する。その後、第1本体11の成型と同様の手法にて第2本体12を3次元成型する。
その後、いったん第2本体12を取り外し、第1本体11の内側壁部11Aの表面に、電極領域20Aが第2本体12の穴121と重なるように生体成分検出装置20を載置し、生体成分検出装置20の端子領域20Bと、情報送信部30の電流検出部32とを接続部40で接続する。接続部40の一例として、銀を含有する導電性接着剤が挙げられる。
そして、第1本体11に第2本体12を被せ、隙間を歯科用レジンでパッキングすることで、歯列マウスガード型センサ1が得られる。
以下、実施例を用いて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<試験1> 生体成分検出装置20の特性評価
まず、生体成分検出装置20を作成するにあたり、生体成分検出装置20の基材21のスクリーニングを行った。そして、一の基材21を例として、シート状の生体成分検出装置20を作製し、特性を評価した。
〔試験1A〕基材21の選定
表1において、各種材料は、次のとおりである。
サンプル1A−1:エルコジュール,ポリエチレンテレフタレートグリコール樹脂(PETG)を含有するマウスガード材料,エルコデント社製
サンプル1A−2:スプリント,ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)を含有するマウスガード材料,山八歯材工業社製
サンプル1A−3:エルコジュールS,スチレン−ブタジエンブロック共重合樹脂(SBS)を含有するマウスガード材料,エルコデント社製
サンプル1A−4:エルコロックプロ(PETG面),ポリエチレンテレフタレートグリコール樹脂(PETG)を含有するマウスガード材料,エルコデント社製
サンプル1A−5:マウスガードハード,エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)を含有するマウスガード材料,山八歯材工業社製
サンプル1A−6:エルコロック(PS面),ポリスチレン樹脂(PS)を含有するマウスガード材料,エルコデント社製
サンプル1A−7:エルコフレックス95,エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)を含有するマウスガード材料,エルコデント社製
サンプル1A−8:エルコロックプロ(TPU面),熱可塑性ポリウレタン樹脂(TPU)を含有するマウスガード材料,エルコデント社製
サンプル1A−9:マウスガード,エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)を含有するマウスガード材料,山八歯材工業社製
サンプル1A−10:エルコロック,エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(EVA面)を含有するマウスガード材料,エルコデント社製
サンプル1A−11:エルコフレックス,エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)を含有するマウスガード材料,エルコデント社製
表1に示すマウスガード材料に対し、プラチナ薄膜を生体適合性デバイス用成膜装置(装置名:E−230,Canon ANELVA社製)にて成膜するとともに、これとは別に、銀薄膜を成膜した。プラチナ薄膜及び銀薄膜の成膜条件は、以下の通りとした。

(プラチナ薄膜)
Pressure:1.0Pa
Plasma source:Ar
Discharge power:50W(RF)
Deposition time:60min
Thickness:200nm

(銀薄膜)
Pressure:1.0Pa
Plasma source:Ar
Discharge power:40W(DC)
Deposition time:30min
Thickness:300nm
そして、薄膜の密着性をJIS K5600−5−6に準じて付着性−クロスカット試験法に基づき評価した。なお、エルコロックプロ(サンプル1A−4,1A−8)及びエルコロック(サンプル1A−6,1A−10)については、表裏で材料が異なるため、表裏のそれぞれに対して試験を行った。
図7は、密着性の評価法を示す。まず、図7の(A)に示すように、作用電極材料層(プラチナ薄膜)22又は参照電極材料層(銀薄膜)23に対して、カッターガイドを用いてカッターの刃が垂直になるように押し当て、1mm間隔で25マスの格子状の切れ込みを入れる。
そして、図7の(B)に示すように、基材21と、作用電極材料層22又は参照電極材料層23とを含んで構成される積層体に対し、透明付着テープ104(ISO付着テープ,付着強さ:10±1N/幅25mm,COTEC社製)を貼り付け、付着後5分以内に約60度の角度で0.5〜1.0秒で引き剥がす。
評価では、テープ引き剥がし後の薄膜の状態を光学顕微鏡にて撮影し、それぞれの画像において256階調中の閾値を決め、単純2値化により画像処理を行った。そして、25マスの格子部分の白色と黒色のピクセル数を計算し、作用電極材料層22及び参照電極材料層23の残留度合を調べた。
図8は、付着性−クロスカット試験法に基づき評価したときのサンプル1A−1及びサンプル1A−9の顕微鏡写真である。サンプル1A−1においては、引き剥がし後において、ほとんどのプラチナ薄膜が付着していることが分かる。一方、サンプル1A−9においては、引き剥がし後において、プラチナ薄膜が剥離していることが分かる。
図9は、サンプル1A−1〜1A−11のそれぞれについて、基材21と作用電極材料層(プラチナ薄膜)22との密着性、及び基材21と参照電極材料層(銀薄膜)23との密着性をグラフにしたものである。
図9から、基材21がポリエチレンテレフタレートグリコール樹脂(PETG)、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、スチレン−ブタジエンブロック共重合樹脂(SBS)、ポリスチレン樹脂(PS)又は熱可塑性ポリウレタン樹脂(TPU)である場合、接着剤層等の他の層を介在することなく、作用電極材料層(プラチナ薄膜)22を80%以上の密着性にて積層できることが分かる(サンプル1A−1〜1A−8)。また、基材21がポリエチレンテレフタレートグリコール樹脂(PETG)、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、スチレン−ブタジエンブロック共重合樹脂(SBS)又はポリスチレン樹脂(PS)である場合、接着剤層等の他の層を介在することなく、作用電極材料層(プラチナ薄膜)22を95%以上の密着性にて積層できることが分かる(サンプル1A−1〜1A−6)。また、基材21がポリエチレンテレフタレートグリコール樹脂(PETG)又はポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)である場合、接着剤層等の他の層を介在することなく、作用電極材料層(プラチナ薄膜)22を99%以上の密着性にて積層できることが分かる(サンプル1A−1,1A−2)。
また、基材21がポリエチレンテレフタレートグリコール樹脂(PETG)、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、スチレン−ブタジエンブロック共重合樹脂(SBS)又はポリスチレン樹脂(PS)である場合、接着剤層等の他の層を介在することなく、参照電極材料層(銀薄膜)23を85%以上の密着性にて積層できることが分かる(サンプル1A−1〜1A−6)。また、基材21がポリエチレンテレフタレートグリコール樹脂(PETG)、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)又はスチレン−ブタジエンブロック共重合樹脂(SBS)である場合、接着剤層等の他の層を介在することなく、参照電極材料層(銀薄膜)23を99%以上の密着性にて積層できることが分かる(サンプル1A−1〜1A−3)。
〔試験1B〕過酸化水素、グルコースに対する定量特性の評価
[生体成分検出装置20の作成]
上記サンプル1A−1に係る材料を基材21とし、この基材21に作用電極材料層(プラチナ薄膜)22及び参照電極材料層(銀薄膜)23を形成した。作用電極材料層(プラチナ薄膜)22の膜厚は200nmとし、参照電極材料層(銀薄膜)23の膜厚は300nmとした。
プラチナ及び銀の成膜では、各電極パターンを形成するためのシールステンシルを作製した。ポリプロピレン(PP)製の樹脂シート(製品名:AP−210,25×25mm,Roland DG社製)にカッティングマシン(製品名:CAMM−1 SERVO GX−24,Roland DG社製)を用いて、図2の(A)に示す作用電極材料層用パターン100及び図2の(B)に示す参照電極材料層用パターン101を切り出した。
そして、図3に示す手法にて、基材21の一方の面21aに、作用電極材料層22及び参照電極材料層23を形成した。
次に、基材21と、作用電極材料層22と、参照電極材料層23とで構成される積層体を5mm×25mmの大きさに切り出した。そして、生体成分検出装置20の電極領域20A及び端子領域20Bに相当する領域以外の箇所を、ポリジメチルシロキサン(PDMS)等の絶縁材料で絶縁化した。また、参照電極材料層23の表面のイオン化を防ぐため、0.1 mol/lの塩酸(CAS NO.083−02715,Wako Pure Chemical Industries社製)中に電極領域20Aを浸漬し、電圧印加装置(製品名:ポテンシオスタットMODEL 1112,Husou electro chemical system社製)を用いて−120mVの定電位を印加し、出力電流値が−350μAになるまで塩化処理を行った。
上記の工程によって得た生体成分検出装置20の寸法を図10に示す。
[評価]
電極領域20Aをリン酸緩衝液(20mmol/l,pH:7.4)20mlで満たしたビーカに浸漬し、ポテンシオスタットにてPt電極に+400mV(vs.Ag/AgCl)の定電位を印加し、各濃度の標準過酸化水素溶液(0.1〜20000μmol/l)の滴下に伴う出力電流値の変化を計測した。なお、リン酸緩衝液は、リン酸二水素ナトリウム(CAS No. 169−04245,MW: 141.96 g/mol,Wako Pure Chemical Industries社製)2.8392g及びリン酸水素二カリウム(CAS No.196−02865,MW:136.09g/mol)2.7218gをそれぞれ1000mlの純水に溶解させ、20mmol/lのリン酸二水素ナトリウム水溶液とリン酸水素二カリウム水溶液を調製し、これら2つの溶液を混合し、pHメータ(D−51S,S704006,HORIBA社製)を用いてpHを7.4に調整することによって得られた。結果を図11に示す。
図11より、各濃度の過酸化水素溶液の滴下に伴い、著しい出力電流値の上昇が観察された。この応答性の結果をもとに、過酸化水素の濃度に対する出力電流値の定量特性を調べた結果、0.1〜5000μmol/lの範囲で高い相関性が確認された。5000μmol/l以上の濃度では、出力の増加は鈍く、飽和に達していると考察された。同じ生体成分検出装置20での再現性を、10μmol/lの過酸化水素を用いて調べたところ、変動係数C.V.は6.7%(n=5)と良好であった。
また、異なる5つの生体成分検出装置20を用いて再現性を確かめた。結果を図12に示す。図12から、異なる生体成分検出装置20での変動係数C.V.は、7.3%(n=5)と低値であり、バラツキの少ない生体成分検出装置20を作成できることが確認された。
〔試験1C〕グルコースオキシダーゼの固定化量の検討
[グルコースオキシダーゼの固定化]
(生体適合性ポリマーPMEHの合成)
試験1Bで作成した生体成分検出装置20の作用電極22A及び参照電極23Aにおいて、グルコースオキシダーゼを固定化するため、生体適合性ポリマーPMEHを合成した。この合成では、MPC147.6mgとEHMA396.6gとをエタノールに溶解させ、これらのモノマー混合溶液に対して開始剤である2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN,分子量:164.21g/mol)を2.05mg添加した。
その後、Arガス雰囲気下で15分バブリングして溶存酸素を除去した環境下で、60℃にて120分加熱し、ラジカル重合反応を行った。反応機構としては,AIBNの加熱により生成したラジカル種とMPC、EHMAモノマーが反応を繰り返しPMEH鎖が伸長すると考えられる。重合反応終了後、自然放冷した後、4℃の冷蔵庫内で、反応を停止させた。
次に、反応溶液に透析処理と再沈殿処理を行った。透析処理ではまず、1hジエチルエーテルに浸したMWCO:15000の透析膜(製品名:UC36−32−100,Sanko Junyaku社製)の下端部を溶液が漏れないように紐で縛った後、反応溶液で満たし、上端を同様に紐で縛った。そして、水とエタノールを1:10の割合で調製した溶液を5Lビーカ内に挿入して、分画分子量15000以下のホモポリマーや残留モノマーを除去した。
再沈殿処理では、1Lビーカにジエチルエーテルとクロロホルムを1:19の比率で混合した後、この混合溶液を純水で20倍に希釈した。そして、透析したPMEH溶液を滴下し、沈殿物を回収・乾燥させ、PMEH粉末を得た。
(グルコースオキシダーゼの固定化)
作用電極22A及び参照電極23Aに10重量%のPMEH溶液20μlとGODを各ユニット数(7,15,30,45,60)になるように混合した溶液を塗布した後、4℃の冷蔵庫で2時間乾燥させることで酵素を包括固定化した。次に、作用電極22A及び参照電極23Aを〔試験1B〕で用いたリン酸緩衝液(20mmol/l,pH7.4)20mlで満たしたビーカに浸漬し、ポテンシオスタットにてPt電極に+400mV(vs.Ag/AgCl)の定電位を印加し、グルコース溶液(100μmol/l)滴下に伴う出力電流値を計測した。結果を図13に示す。図13の(A)は、定電位印加後の経過時間と電極領域20Aでの出力電流値の変化量との関係を示す。また、図13の(B)は、グルコースオキシダーゼの酵素活性と電極領域20Aでの出力電流値の変化量との関係を示す。
図13より、感応面積(本試験では4.2mm)あたりのGOD活性を増やすことで、センサの出力増加が観察され、30units以上において最大の出力電流値を示すことが分かる。
〔試験1D〕グルコースに対する定量特性の評価
電極領域20Aに各濃度の標準過酸化水素溶液を滴下する代わりに、電極領域20Aに各濃度の標準グルコース溶液(5〜20000μmol/l)を滴下したこと、及び生体成分検出装置20として、〔試験1C〕の手法によって30unitsのグルコースオキシダーゼを固定化した物を用いたこと以外は、〔試験1B〕と同じ手法により、生体成分検出装置20のグルコース濃度に対する定量特性を調べた。結果を図14に示す。図14の網掛けは、ヒトの唾液に含まれるグルコース濃度の範囲を示す。ヒトの唾液に含まれるグルコース濃度は、20μmol/l〜200μmol/lである。
図14から、グルコース濃度が1μmol/l〜5000μmol/lの範囲内において相関性が認められる。この定量範囲は、既報値の唾液中グルコース濃度(20μmol/l〜200μmol/l)を含む範囲であり、生体成分検出装置20を用いて唾液中グルコースの計測が可能であることが示唆される。そして、この定量特性は、良好な再現性を有する(C.V.=6.3%(n=5))。
〔試験1E〕生体成分検出装置20の選択性の評価
各種糖類への選択性を調べるため、〔試験1C〕で用いたGOD固定化後(酵素量:30ユニット)の生体成分検出装置20の作用電極22A及び参照電極23Aを、〔試験1B〕で用いたリン酸緩衝液(20mmol/l,pH7.4)20mlで満たしたビーカに浸漬し、ポテンシオスタットにてPt電極に+400mV(vs.Ag/AgCl)の定電位を印加し、グルコースの他、各種の糖(フルクトース、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、ガラクトース)を滴下したときの出力を計測し比較した。糖の濃度は、それぞれ100μmol/lとした。結果を図15に示す。
図15は、滴下した糖がグルコースである場合の出力を100%とした場合における、各種の糖を滴下したときの相対出力を示す。図15から分かるように、グルコースに対して、各種の糖類に対するセンサ出力はセンサの低濃度の検出限界を下回る値であった。本センサは酵素電極法にてグルコースの検出を行っているため、類似した化学構造式を持つ他の糖類に対しても出力を示さず、GODの高い選択性が確認された。また評価に用いた糖類は、食物に多く含まれており、生体内にも存在する成分である。GODを固定化した生体成分検出装置20を用いることで、唾液中グルコースの選択性に優れた測定が可能と考えられる。なお、唾液に含まれるムチンは、分子量100万〜1000万の、糖を多量に含む糖たんぱく質の混合物であり、ガラクトースもその一部を構成していることが知られている。
〔試験1F〕生体成分検出装置20のpH依存性の評価
〔試験1C〕で用いたGOD固定化後(酵素量:30ユニット)の生体成分検出装置20の作用電極22A及び参照電極23Aを、複数種類のpH(5.0,6.0,7.0,7.4,8.0,9.0)に調製したリン酸緩衝液20mlで満たしたビーカに浸漬し、ポテンシオスタットにてPt電極に+400mV(vs.Ag/AgCl)の定電位を印加し、グルコース溶液(100μmol/l)滴下に伴う出力電流値を計測した。結果を図16に示す。
図16から、出力電流値は、pHが6.0である場合に最大となり、pHが6.0以上である場合は、出力電流が低下することが分かる。
そして、ヒトの唾液のpHは、5.0〜8.0であり、生体成分検出装置20を口腔内pH環境下で使用可能であることが示唆される。
〔試験1G〕生体成分検出装置20の温度依存性の評価
〔試験1C〕で用いたGOD固定化後(酵素量:30ユニット)の生体成分検出装置20の作用電極22A及び参照電極23Aを、複数種類の温度(30,38,40,45,50,55,60℃)に加熱したリン酸緩衝液(20mmol/l,pH7.4)20mlで満たしたビーカに浸漬し、ポテンシオスタットにてPt電極に+400mV(vs.Ag/AgCl)の定電位を印加し、グルコース溶液(100μmol/l)滴下に伴う出力電流値を計測した。結果を図17に示す。
図17から、温度特性については、30℃〜50℃において出力がわずかに増加し、50℃以上では出力が著しく低下する様子が確認された。50℃以上の温度では、酵素が熱変性を起こし、酵素活性の低下に伴い、出力も低下したと考えられる。ヒトの口腔内温度は37.0℃〜38.0℃であり、その温度付近での出力差はわずかであると認められる。したがって、生体成分検出装置20を口腔内で使用したとしても、温度によるセンサ出力への影響はほぼ無いものと考えられる。
〔生体成分検出装置20の特性についてのまとめ〕
まず、基材21の材料を評価したところ、複数種類のマウスガード材料において、作用電極材料層(プラチナ膜)22及び参照電極材料層(銀膜)23と良好な密着性を有することが確認された(試験1A)。また、基材21と、作用電極材料層22と、参照電極材料層23とを含んで構成される生体成分検出装置20は、過酸化水素に対して0.1μmol/l〜5000μmol/lの濃度範囲で定量が可能であり(試験1B)、グルコースに対しては唾液中グルコース濃度(20μmol/l〜200μmol/l)を含む1μmol/l〜5000μmol/lの濃度範囲で定量が可能であった(試験1D)。また、バラツキが小さい生体成分検出装置20の作製が可能であることが確認された(試験1D)。また、生体成分検出装置20が唾液中グルコースの選択性に優れた測定が可能と考えられた(試験1E)。そして、口腔内で起こり得るあらゆるpH及び温度条件下で生体成分検出装置20を使用できることが確認された(試験1F及び1G)。
<試験2> 無拘束の血糖値モニタリングに向けた情報送信部30の検討
〔試験2A〕情報送信部30を用いたグルコース濃度の計測
[ハードウェアの設計]
無拘束のグルコース計測を目的として、ポテンシオスタット、A/Dコンバータ及び無線機能を有する情報送信部30を設計した。情報送信部30及び外部端末50の仕様を表2に示す。
無線通信における周波数帯域には、産業・医学用機器の周波数帯である2.4GHz帯(ISMバンド)を採用し、無線ICチップには、低消費電力かつ2.4GHz帯での通信が可能なC2500(Texas Instruments社製)を用いた。また、生体成分検出装置20と共に口腔内に装着すること想定した場合、デバイスの最大の制限はその大きさである。そこで、情報送信部30は、電圧印加部31の大きさを極力小さくするため、電圧印加部31としてLR41型のボタン電池(1.5V)1個を採用した。生体成分検出装置20で得られた出力電流値は、電流検出部32でAD変換された後、検出結果送信部33において、数値データとして外部端末50に送信される。
[グルコース濃度の計測]
続いて、情報送信部30と生体成分検出装置20とを電気的に接続し、情報送信部30を用いたグルコース濃度の測定を行った。生体成分検出装置20の電極領域20Aをリン酸緩衝液(20mmol/l,pH7.4)20mlで満たしたビーカに浸漬し、電圧印加部31からPt電極に+400mV(vs.Ag/AgCl)の定電位を印加し、各濃度の標準グルコース溶液(5μmol/l〜20000μmol/l)の滴下に伴う出力電流値の変化を計測した。結果を図18に示す。
図18より、唾液中グルコース濃度(20μmol/l〜200μmol/l)を含む10μmol/l〜5000μmol/lの濃度範囲でグルコースの定量が可能であるといえる。また、図18と図14と対比することで、ポテンシオスタットを用いた有線計測に比べ、無線通信機を用いた計測では、低濃度側で大きなバラツキ(ノイズ)が認められる。例えば、10μmol/l以下の濃度では、SN比が3以下となる。
〔試験2B〕ノイズ対策
出力電流値のノイズを低減させるため、回路にコンデンサを設け、生体成分検出装置20から送られてくるアナログデータをデジタルデータに変換する前段階において、アナログデータからノイズを除去することを試みた。コンデンサとして、1μF〜1000μFのコンデンサを使用し、ブランクでの出力電流値の変動係数を比較した。試験2Cでは、リン酸緩衝液(20mmol/l,pH7.4)20mlで満たしたビーカに浸漬し、電圧印加部31からPt電極に+400mV(vs.Ag/AgCl)の定電位を印加し、生体成分検出装置20からの出力電流値の変動係数を調べた。また、過酸化水素100μmol/lを滴下し、ブランク定常値からの出力差が90%になるまでのセンサの応答時間も確認した。結果を図19に示す。
図19の黒丸は、各コンデンサの静電容量における変動係数を示し、三角は、各コンデンサの静電容量における応答時間を示す。図19より、3.3μF以上では、ノイズが低減され、ほぼ一定のC.V.値を示した。また応答時間においては、10μF以下では、11s程度となった。試験2Cにより、回路にコンデンサを設けることで、ノイズの大幅な除去が可能であることが確認された。以降の試験では、回路にコンデンサを設けた物を用いるものとする。
〔無拘束の血糖値モニタリングに向けた情報送信部30の検討についてのまとめ〕
試験1で検討した生体成分検出装置20と、表2に記載の仕様の情報送信部30とを用いて、グルコース濃度を測定した結果、唾液中グルコース濃度(20μmol/l〜200μmol/l)を含む10μmol/l〜5000μmol/lの濃度範囲でグルコースの定量が可能であり、唾液中グルコースの無拘束計測の可能性が示唆された(試験2A)。そして、回路にコンデンサを介すことで出力電流値のノイズの除去が可能であることが確認された(試験2B)。
<試験3> 生体成分検出装置20及び情報送信部30を組み込んだ歯列マウスガード型センサ1の構築と特性評価
〔歯列マウスガード型センサ1の構築〕
まず、歯型を吸引型成型器(装置名:Vacuum adapter I,Yamahachi Dental社製)に設置し、サンプル1A−1に係るマウスガードシート材料(厚さ:0.5mm)から第1本体11を3次元成型した。成型した第1本体11の外側壁部11Bに、第一小臼歯から第三大臼歯の頬側に位置するように情報送信部30をポリイミドテープで固定し、情報送信部30を付加した第1本体11を吸引型成型器に設置した。その後、第1本体11の成型と同様の手法にて第2本体12を3次元成型した。
その後、いったん第2本体12を取り外し、第1本体11の内側壁部11Aの表面に、電極領域20Aが第2本体12の穴121と重なるように生体成分検出装置20を載置し、生体成分検出装置20の端子領域20Bと、情報送信部30の電流検出部32とをAg接着剤で接続した。
そして、第1本体11に第2本体12を被せ、隙間を歯科用レジン(製品名:GC UNIFAST III,GC社製)でパッキングすることで、歯列マウスガード型センサ1を得た。
〔グルコースに対する定量特性〕
作製した歯列マウスガード型センサ1にてグルコースに対する定量性の評価を行った。試験は、歯列マウスガード型センサ1をリン酸緩衝液(20 mmol/l,pH7.4)20 mlで満たしたビーカに浸漬して行った。そして、情報送信部30からPt電極に+400mV(vs.Ag/AgCl)の定電位を印加し、グルコース溶液の滴下に伴う出力電流値の変化を計測した。結果を図20に示す。
図20から、グルコース溶液の濃度に応じた出力電流値の上昇が認められ、5μmol/l〜2000μmol/lの範囲においてグルコース濃度の定量が可能であるといえる。
なお、試験後の歯列マウスガード型センサ1の密閉性を目視で観察したところ、漏水等は観察されず、良好な密閉性が確認された。
<試験4> 口腔内環境を模倣した歯科用ファントムによる実装実験
<試験3>では、歯列マウスガード型センサ1によるリン酸緩衝液中のグルコース濃度の無線計測が可能であることが確認された(定量範囲:5μmol/l〜2000μmol/l)。
<試験4>では、口腔内環境を模倣した歯科用ファントムによる歯列マウスガード型センサ1の実装実験を試みた。
〔試験4A〕人工唾液による歯列マウスガード型センサ1の特性評価
[人工唾液の調製]
まず、人工唾液を調製した。人工唾液の組成は表3に記載のとおりであり、人工唾液は、CaやNa,K等のイオン成分とタンパク質であるムチンの水溶液に、水酸化ナトリウムを加えてpHを7.4に調整することによって得られる。
[人工唾液内での出力電流]
歯列マウスガード型センサ1を浸漬する媒体が人工唾液をもとに作製した標準グルコース溶液であること以外は、<試験3>と同様の手法にて出力電流を測定した。その結果、歯列マウスガード型センサ1を浸漬する媒体がリン酸緩衝液である場合に比べ、出力電流値が約1/4〜1/7程度にまで低下し、定量範囲についても10μmol/l〜1000μmol/lとなった。これは、人工唾液に含まれるタンパク質が電極領域20Aに吸着することが原因と考えられる。
[生体適合性ポリマーPMEHによるオーバーコート]
そこで、電極領域20Aへの生体適合性ポリマーPMEHによるオーバーコートの効果を検討した。オーバーコート用のPMEH濃度として、1,3,5,7,10重量%を電極領域20Aに3μl塗布し、グルコース溶液(1000μmol/l)に対する出力電流値を評価した。結果を図21に示す。
図21より、PMEH濃度が1重量%である場合において、出力電流値が最大を示した。PMEH濃度が3重量%以上である場合、酵素膜が厚くなり、電極領域20Aへのグルコースの拡散が抑制され、出力電流値が低下したものと考えられる。また、この結果は、タンパク質吸着の恐れがある人工唾液中のグルコース計測におけるPMEHでのオーバーコートの有用性を示すもので、ヒト唾液中においても、タンパク質の影響を防止できると考えられる。
以降の試験では、PMEH濃度が1重量%の液でオーバーコートを施すものとする。
[電極領域20Aの面積の最適化]
出力電流値を高め、無線計測を最適化することを目的に、電極領域20Aの面積の拡大を図った。本試験では、電極領域20AのPt及びAg/AgClの面積が4倍(4.2mmから16.8mm)になるように成膜を行った。ポテンシオスタットを用いた有線計測における、グルコースに対する定量特性の検討結果を図22に示す。なお、固定化したグルコースオキシダーゼの量は、電極領域20AのPt及びAg/AgClの面積が4.2mmである場合と同じく30ユニットとした。また、オーバーコート用のPMEH溶液の塗布量についても、電極領域20AのPt及びAg/AgClの面積が4.2mmである場合と同じく3μlとした。
電極領域20Aの面積を4倍にすることで、約1.6倍〜2.6倍の出力電流値が得られた。面積が広くなることで、電極反応も増え、より多くの電子の授受が可能になったことで、出力電流値が増加したためと考えられる。
また、電極領域20Aの面積を4倍にした歯列マウスガード型センサ1の無線通信によるリン酸緩衝液中のグルコースに対する定量範囲を検討した。結果を図23に示す。図23から、適切な定量範囲は、10μmol/l〜1000μmol/lであるといえる。
また、電極領域20Aの面積を4倍にし、PMEH濃度が1重量%である液でオーバーコートを施した改良後の歯列マウスガード型センサ1について、人工唾液中のグルコースに対する定量範囲を検討した。結果を図24に示す。図示は省略するが、電極領域20Aの面積を4倍にせず、PMEH濃度が1重量%である液でオーバーコートを施していない改良前の歯列マウスガード型センサ1と比べたとき、改良後の歯列マウスガード型センサ1の出力電流値は、約4.1倍〜7.9倍に高まっている。また、S/N比が3以上の出力電流値を示すグルコースの定量範囲は、10μmol/l〜1000μmol/lであり、唾液中グルコース濃度を定量するには十分であるといえる。
〔試験4B〕口腔内環境を模倣した歯科用ファントムを用いた特性評価
次に、人工唾液を用い、種々の条件で口腔内環境を模倣した歯科用ファントム(装置名:SIMPLE MANIKIN III,Nissin Dental Products社製)にて歯列マウスガード型センサ1のグルコース計測を行った。
図25は、歯科用ファントム113を用いたグルコース計測の実験系110を示す。人工唾液111の組成は表3に記載のとおりとし、唾液中グルコース濃度は、20μmol/lとした。
送液ポンプ112(装置名:SJ−1211L,ATTO社製)にて、平均唾液分泌流量0.5ml/minで歯科用ファントム113の口腔内の舌下腺・顎下腺位置より人工唾液111を送液した。口腔内の溶液を循環させるため、排液は舌先の下顎から同流量で行った。また、ヒトの口腔内温度を想定し、送液チューブ114は、38℃に設定された恒温槽115の中に設置した。人工唾液111を歯科用ファントム113の口腔内に対し、送液ポンプ112による送液及び排液ポンプ116による排液槽117への排液が可能な状態で電極領域20Aに、標準グルコース溶液(50μmol/l〜10000μmol/l)を200μl滴下し、出力電流値の変化からグルコース濃度の動態変化を調べた。結果を図26に示す。
図26の横軸は、標準グルコース溶液を滴下してから経過した時間(単位:分)を示し、縦軸は、出力電流値(単位:nA)を示す。また、図26のグラフ内の数値は、出力電流値(単位:nA)から換算したグルコース濃度(単位:μmol/l)を示す。
図26に示すように、標準グルコース溶液の滴下に応じ、著しい出力電流値の増加後に出力はピークに達し、人工唾液の循環に伴い、徐々に初期値に戻る様子が観察された。これは、歯列マウスガード型センサ1が、無線計測においても優れた動的特性をもって人工唾液111におけるグルコース濃度の変化をモニタリングできることを示すものである。
〔口腔内環境を模倣した実験のまとめ〕
人工唾液中における歯列マウスガード型センサ1のグルコースに対する定量特性を調べたところ、出力電流値がリン酸緩衝液時と比べ約1/4〜1/7程度にまで低下し、定量範囲についても、10μmol/l〜1000μmol/lとなった。これは、人工唾液に含まれるタンパク質のセンサ感応部への吸着が原因と考えられ、電極領域20AへのPMEH固定化濃度を適切にすることで改善できる。また、電極領域20Aの面積をできるだけ大きくすることで、出力電流値が高まり、結果として測定精度が向上する。
また、歯科用ファントム113を用い、歯列マウスガード型センサ1による人工唾液中グルコースの無線計測を行うことで、歯列マウスガード型センサ1が無線計測においても優れた動的特性をもって人工唾液中のグルコース濃度の変化をモニタリングできることが確認された。
1 歯列マウスガード型センサ
10 本体
10A 内側壁部
121 穴
10B 外側壁部
10C 収容部
11 第1本体
11A 第1本体の内側壁部
11B 第1本体の外側壁部
12 第2本体
12A 第2本体の内側壁部
12B 第2本体の外側壁部
20 生体成分検出装置
20A 電極領域
20B 端子領域
21 基材
22 作用電極材料層
22A 作用電極
23 参照電極材料層
23B 参照電極
24 絶縁層
30 情報送信部
31 電圧印加部
32 電流検出部
33 検出結果送信部
40 接続部
50 外部端末

Claims (10)

  1. 口腔内設置型の生体成分検出装置であって、
    歯列マウスガード材料からなる基材と、
    前記基材の少なくとも一方の面に積層され、作用電極材料を含有する作用電極材料層と、
    前記基材の前記少なくとも一方の面に積層され、参照電極材料を含有する参照電極材料層と、
    歯列マウスガード材料からなり、歯列の少なくとも一部に対応する壁部を有する本体とを備え、
    前記作用電極材料層の少なくとも一部が作用電極であり、
    前記参照電極材料層の少なくとも一部が参照電極であり、
    前記作用電極及び前記参照電極は、前記基材と直接接しているとともに、口腔内に露出するように設けられ
    前記作用電極及び前記参照電極とは異なる部分は、前記本体によって被覆されている、生体成分検出装置。
  2. 前記基材は、ポリエチレンテレフタレートグリコール樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、スチレン−ブタジエンブロック共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリスチレン樹脂及び熱可塑性ポリウレタン樹脂から選択される少なくとも1種の樹脂を含有する、請求項1に記載の生体成分検出装置。
  3. 前記作用電極材料がプラチナであり、前記参照電極材料が銀であり、前記参照電極は、銀の表面が塩化銀によって覆われている銀/塩化銀電極である、請求項1又は2に記載の生体成分検出装置。
  4. 前記基材がシート状であり、前記作用電極材料層及び前記参照電極材料層が膜状であり、前記生体成分検出装置が可撓性を有する、請求項1から3のいずれかに記載の生体成分検出装置。
  5. 前記作用電極及び前記参照電極が露出する領域は、接着剤不使用領域であり、
    JIS K5600−5−6に準じてクロスカット法により測定される、前記基材と前記作用電極又は前記参照電極との間の密着性が80%以上である、請求項1から4のいずれかに記載の生体成分検出装置。
  6. 前記生体成分検出装置は、唾液に含まれるグルコースを検出する唾液中グルコース検出装置であり、
    前記作用電極及び前記参照電極の表面において、グルコースオキシダーゼが固定化されている、請求項1から5のいずれかに記載の生体成分検出装置。
  7. 口腔内設置型の歯列マウスガード型センサであって、
    歯列マウスガード材料からなり、歯列の少なくとも一部に対応する壁部を有する本体と、
    前記本体、作用電極及び参照電極をそれぞれ備える生体成分検出装置と、
    前記生体成分検出装置での検出結果を外部装置に送信する情報送信部と、
    前記生体成分検出装置と前記情報送信部とを電気的に接続する接続部とを含んで構成され、
    前記生体成分検出装置は、前記壁部において前記作用電極及び前記参照電極が口腔内に露出するように設けられ、
    前記壁部は、前記情報送信部を収容する収容部を有し、
    前記情報送信部は、前記収容部に収容されており、
    前記接続部は、未露出状態で設けられている、歯列マウスガード型センサ。
  8. 前記本体は、下顎歯列の臼歯部分に対応する形状である、請求項7に記載の歯列マウスガード型センサ。
  9. 前記本体は、前記歯列の少なくとも一部の形状と略同じ形状である第1本体と、前記第1本体を被覆する第2本体とを有し、
    前記第2本体の前記壁部は、前記情報送信部の大きさと略同じ大きさの凹部を有し、
    前記収容部は、前記第1本体の前記壁部と前記第2本体の前記凹部とによって囲まれる領域であり、
    前記接続部は、前記第1本体と前記第2本体との間に設けられる、請求項7又は8に記載の歯列マウスガード型センサ。
  10. 前記情報送信部は、前記生体成分検出装置に電圧を印加する電圧印加部と、前記生体成分検出装置での出力電流を検出する電流検出部と、前記電流検出部での検出結果を外部に送信する検出結果送信部とを有し、
    前記検出結果送信部は、前記電流検出部での検出結果を外部に無線で送信する、請求項7から9のいずれかに記載の歯列マウスガード型センサ。
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