JP2014006154A - 酵素電極 - Google Patents
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Abstract
【課題】基材に対して適正に固定化される一方で、適正な応答感度を得ることが可能な酵素電極の提供。
【解決手段】電極と検知層とを含み、上記検知層は、酵素,導電性粒子,及び上記酵素の少なくとも一部と上記導電性粒子の少なくとも一部との少なくとも一方と架橋結合を形成する高分子とを有する、酵素電極である。
【選択図】図2
【解決手段】電極と検知層とを含み、上記検知層は、酵素,導電性粒子,及び上記酵素の少なくとも一部と上記導電性粒子の少なくとも一部との少なくとも一方と架橋結合を形成する高分子とを有する、酵素電極である。
【選択図】図2
Description
本発明は、酵素電極に関する。
基材としての電極と、電極の表面に酵素及び導電性粒子を架橋剤やバインダを用いて固定化した検知層とを含む酵素電極がある。酵素電極は、酵素反応により生じた電子を電極から取り出す構造を有する。
一般的に、検知層に含まれる酵素及び導電性粒子を適正に保持し、且つ検知層の基材に対する適正な密着性を確保するには、架橋剤やバインダの濃度を上げることが考えられる。しかしながら、単に架橋剤やバインダの濃度を上げると、検知層内における良好な電子伝達経路の形成が阻害され、酵素電極の応答感度が架橋剤やバインダの濃度に比例して低下する傾向があった。
また、近年では、酵素電極の小型化の傾向があり、少量のバインダで適正な基材に対する検知層の固定化状態を維持する一方で、良好な応答感度及び再現性を有する酵素電極が望まれている。
本発明の一態様は、上記した事情に鑑みなされたものであり、基材に対して適正に固定化される一方で、適正な応答感度を得ることが可能な検知層を有する酵素電極を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、上述した目的を達成するために、以下の構成を採用する。すなわち、本発明の一態様は、電極と検知層とを含み、上記検知層は、酵素,導電性粒子,及び上記酵素の少なくとも一部と上記導電性粒子の少なくとも一部との少なくとも一方と架橋結合を形成する架橋剤とを有する、酵素電極である。
上記一態様における、架橋剤は、アルデヒド基、マレイミド基、カルボジイミド基、オキサゾリン基、エポキシ基の少なくとも1つの官能基を含むように構成されていても良い。
上記一態様において、上記導電性粒子は、炭素、金属の少なくとも1つから選択される、ことができる。また、上記導電性粒子は、カルボキシル基、チオール基、及びフェニル基のうちの少なくとも1つを含む、構成を採用することができる。
また、本発明の他の態様の一つは、電極と検知層とを含む酵素電極を備えるバイオセンサであって、上記検知層は、酵素,導電性粒子,及び上記酵素の少なくとも一部と上記導電性粒子の少なくとも一部との少なくとも一方と架橋結合を形成する架橋剤とを有する。
また、本発明の他の態様は、上記バイオセンサを含んだ電子機器を含むことができる。
また、本発明の他の態様の一つは、電極と検知層とを含み、上記検知層は、酵素,導電性粒子,及び上記酵素の少なくとも一部と上記導電性粒子の少なくとも一部との少なくとも一方と架橋結合を形成する架橋剤とを有する酵素電極と、上記酵素電極に対する通電による酵素反応によって生じた電流を負荷に供給する供給部とを含む装置である。また、本発明の他の態様は、上記装置を含んだ電子機器を含むことができる。
また、本発明の他の態様の一つは、電極上に検知層を配置するステップを含み、上記検知層は、酵素,導電性粒子,及び上記酵素の少なくとも一部と上記導電性粒子の少なくとも一部との少なくとも一方と架橋結合を形成する架橋剤とを有する、酵素電極の製造方法である。上記架橋結合は、アルデヒド基、マレイミド基、カルボジイミド基、オキサゾリン基、エポキシ基の少なくとも1つの官能基を含む構成を採用することができる。
本発明の一態様によれば、基材に対して適正に固定化される一方で、適正な感度を得ることが可能な検知層を有する酵素電極を提供することができる。
以下、本発明の一実施形態としての酵素電極について図面を参照して説明する。以下に挙げる実施形態はそれぞれ例示であり、本発明は以下の実施形態の構成に限定されない。
(酵素電極の構成)
図1は、実施形態に係る酵素電極の側面又は断面を模式的に示した図である。図1において、酵素電極10は、電極(電極層)1と、電極1の表面(図1では上面)に形成された検知層2とを備える。
図1は、実施形態に係る酵素電極の側面又は断面を模式的に示した図である。図1において、酵素電極10は、電極(電極層)1と、電極1の表面(図1では上面)に形成された検知層2とを備える。
(電極)
電極1は、金(Au)、白金(Pt)、銀(Ag)、パラジウムのような金属材料、或いはカーボンのような炭素材料を用いて形成される。電極1は、例えば、図1に示すような絶縁性基板3上に形成される。基板3は、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)のような熱可塑性樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂のような各種の樹脂(プラスチック)、ガラス、セラミック、紙のような絶縁性材料で形成される。電極1をなす電極材料,及び絶縁性基板3の材料は、公知のあらゆる材料を適用することができる。電極1及び絶縁性基板3の大きさ、厚さは適宜設定可能である。以下、絶縁性基板3と電極1との組合せを「基材」と呼ぶこともある。
電極1は、金(Au)、白金(Pt)、銀(Ag)、パラジウムのような金属材料、或いはカーボンのような炭素材料を用いて形成される。電極1は、例えば、図1に示すような絶縁性基板3上に形成される。基板3は、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)のような熱可塑性樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂のような各種の樹脂(プラスチック)、ガラス、セラミック、紙のような絶縁性材料で形成される。電極1をなす電極材料,及び絶縁性基板3の材料は、公知のあらゆる材料を適用することができる。電極1及び絶縁性基板3の大きさ、厚さは適宜設定可能である。以下、絶縁性基板3と電極1との組合せを「基材」と呼ぶこともある。
(検知層)
図2は、図1に示した検知層2内の状態を模式的に示す。図2に示すように、検知層2は、酵素5と導電性粒子6とが架橋剤によって固定化される。具体的には、検知層2内は、酵素5と、導電性粒子6と、官能基7と、架橋剤の主鎖8と、官能基7の開環によって生じた官能基(開環後)9とが分布し、官能基(開環後)9は、酵素5又は導電性粒子6と架橋結合を形成する。なお官能基7は開環だけではなく、酸化、還元など伴って結合されてもよく、検知層内において架橋剤に含まれる官能基の形態を維持する必要は無い。
すなわち、検知層2は、複数の酵素5と、複数の導電性粒子6と、複数の酵素5の少なくとも一部及び複数の導電性粒子6の少なくとも一部の少なくとも一方と架橋結合を形成する複数の高分子(架橋剤)を含んでいる。
図2は、図1に示した検知層2内の状態を模式的に示す。図2に示すように、検知層2は、酵素5と導電性粒子6とが架橋剤によって固定化される。具体的には、検知層2内は、酵素5と、導電性粒子6と、官能基7と、架橋剤の主鎖8と、官能基7の開環によって生じた官能基(開環後)9とが分布し、官能基(開環後)9は、酵素5又は導電性粒子6と架橋結合を形成する。なお官能基7は開環だけではなく、酸化、還元など伴って結合されてもよく、検知層内において架橋剤に含まれる官能基の形態を維持する必要は無い。
すなわち、検知層2は、複数の酵素5と、複数の導電性粒子6と、複数の酵素5の少なくとも一部及び複数の導電性粒子6の少なくとも一部の少なくとも一方と架橋結合を形成する複数の高分子(架橋剤)を含んでいる。
官能基(開環後)9が酵素5又は導電性粒子6と結合することで、検知層2内において、酵素5及び導電性粒子6が強固に保持又は担持された状態となる。また、架橋結合によって、酵素5及び導電性粒子6は、検知層2内において一様に分布した状態となる。これによって、酵素反応により生じた電子が導電性粒子6を介して電極1に達する適度な数の電子伝達経路が形成された状態となる。よって、酵素電極の応答感度の向上が図られる。一方、検知層2は、電極1に対して適正な密着性を示す。
(酵素)
酵素5は、例えば、酸化還元酵素である。例えば、酸化還元酵素が挙げられる。例えばグルコースオキシダーゼ(GOD)、ガラクトースオキシダーゼ、ビリルビンオキシダーゼ、ピルビン酸オキシダーゼ、D−又はL−アミノ酸オキシダーゼ、アミンオキシダーゼ、コレステロールオキシダーゼ、コリンオキシダーゼ、キサンチンオキシダーゼ、サルコシンオキシダーゼ、L−乳酸オキシダーゼ、アスコルビン酸オキシダーゼ、チトクロムオキシダーゼ、アルコールデヒドロゲナーゼ、グルタミン酸デヒドロゲナーゼ、コレステロールデヒドロゲナーゼ、アルデヒドデヒドロゲナーゼ、グルコースデヒドロゲナーゼ(GDH)、フルクトースデヒドロゲナーゼ、ソルビトールデヒドロゲナーゼ、乳酸デヒドロゲナーゼ、リンゴ酸デヒドロゲナーゼ、グリセロールデヒドロゲナーゼ、17Bヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ、エストラジオール17Bデヒドロゲナーゼ、アミノ酸デヒドロゲナーゼ、グリセルアルデヒド3−リン酸デヒドロゲナーゼ、3−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ、ジアホラーゼ、チトクロムオキシドレダクターゼ、カタラーゼ、ペルオキシダーゼ、グルタチオンレダクターゼ等が挙げられる。中でも、糖類の酸化還元酵素であることが好ましく、糖類の酸化還元酵素の例としては、例えば、グルコースオキシダーゼ(GOD)、ガラクトースオキシダーゼ、グルコースデヒドロゲナーゼ(GDH)、フルクトースデヒドロゲナーゼ、ソルビトールデヒドロゲナーゼを挙げることができる。
酵素5は、例えば、酸化還元酵素である。例えば、酸化還元酵素が挙げられる。例えばグルコースオキシダーゼ(GOD)、ガラクトースオキシダーゼ、ビリルビンオキシダーゼ、ピルビン酸オキシダーゼ、D−又はL−アミノ酸オキシダーゼ、アミンオキシダーゼ、コレステロールオキシダーゼ、コリンオキシダーゼ、キサンチンオキシダーゼ、サルコシンオキシダーゼ、L−乳酸オキシダーゼ、アスコルビン酸オキシダーゼ、チトクロムオキシダーゼ、アルコールデヒドロゲナーゼ、グルタミン酸デヒドロゲナーゼ、コレステロールデヒドロゲナーゼ、アルデヒドデヒドロゲナーゼ、グルコースデヒドロゲナーゼ(GDH)、フルクトースデヒドロゲナーゼ、ソルビトールデヒドロゲナーゼ、乳酸デヒドロゲナーゼ、リンゴ酸デヒドロゲナーゼ、グリセロールデヒドロゲナーゼ、17Bヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ、エストラジオール17Bデヒドロゲナーゼ、アミノ酸デヒドロゲナーゼ、グリセルアルデヒド3−リン酸デヒドロゲナーゼ、3−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ、ジアホラーゼ、チトクロムオキシドレダクターゼ、カタラーゼ、ペルオキシダーゼ、グルタチオンレダクターゼ等が挙げられる。中でも、糖類の酸化還元酵素であることが好ましく、糖類の酸化還元酵素の例としては、例えば、グルコースオキシダーゼ(GOD)、ガラクトースオキシダーゼ、グルコースデヒドロゲナーゼ(GDH)、フルクトースデヒドロゲナーゼ、ソルビトールデヒドロゲナーゼを挙げることができる。
(導電性粒子)
導電性粒子6は、金、白金、銀、パラジウムのような金属製粒子、或いは、炭素を材料とした高次構造体を適用することができる。高次構造体は、例えば、導電性カーボンブラック,ケッチェンブラック(登録商標)、カーボンナノチューブ(CNT)、フラーレンから選択される微粒子(炭素微粒子)の1種以上を含有することができる。導電性粒子6は、上記のような金属及び炭素の一方を選択することができる。また、導電性粒子6は、架橋のための官能基として、カルボキシル基,チオール基,フェニル基のうちの少なくとも1つを含むことができる。
導電性粒子6は、金、白金、銀、パラジウムのような金属製粒子、或いは、炭素を材料とした高次構造体を適用することができる。高次構造体は、例えば、導電性カーボンブラック,ケッチェンブラック(登録商標)、カーボンナノチューブ(CNT)、フラーレンから選択される微粒子(炭素微粒子)の1種以上を含有することができる。導電性粒子6は、上記のような金属及び炭素の一方を選択することができる。また、導電性粒子6は、架橋のための官能基として、カルボキシル基,チオール基,フェニル基のうちの少なくとも1つを含むことができる。
(架橋剤)
架橋剤の種類として、具体的には、アルデヒド基含有化合物として、グルタルアルデヒド、ホルムアルデヒド、マロンアルデヒド、テレフタルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、バレルアルデヒド、イソバレルアルデヒド、シンナムアルデヒド、ニコチアルデヒド、グリセルアルデヒド、グリコアルデヒド、スクシンアルデヒド、アジプアルデヒド、イソフタルアルデヒド、テレフタルアルデヒドなどが挙げられる。カルボジイミド基含有化合物として、ヘキサメチレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,12−ジイソシアネートドデカン、ノルボルナンジイソシアネート、2,4−ビス−(8−イソシアネートオクチル)−1,3−ジオクチルシクロブタン、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどが挙げられる。またカルボジイミド基含有化合物はカルボジライトV−02
、カルボジライトV−02−L2、カルボジライトV−04、カルボジライトV−06、カルボジライトE−02、カルボジライトE−02、カルボジライトV−01 、カルボジライトV−03、カルボジライトV−05、カルボジライトV−07、カルボジライトV−09(何れも商品名、日清紡績株式会社製)などとして市販されている。マレイミド基含有化合物として、m−マレイミドベンゾイル−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、スルホスクシンイミジル4−(p−マレイミドフェニル)ブチレート、m−マレイミドベンゾイルスルホスクシンイミドエステル、N−γ−マレイミドブチリルオキシスクシンイミドエステル、スクシンイミジル4−(N−マレイミドメチル)シクロヘキサン1−カルボキシレート、N−スクシニミジル−2−マレイミド酢酸、N−スクシニジル−4−マレイミド酪酸、N−スクシニジル−6−マレイミドヘキサン酸、N-スクシニジル−4−マレイミドメチルシクロヘキサン−1−カルボン酸、N−スルホスクシニジル−4−マレイミドメチルシクロヘキサン−1−カルボン酸、N−スクシニジル−4−マレイミドメチル安息香酸、N−スクシニジル−3−マレイミド安息香酸、N-スクシニジル−4−マレイミドフェニル−4−酪酸、N−スルホスクシニジル−4−マレイミドフェニル−4−酪酸、N,N’−オキシジメチレン−ジマレイミド、N,N’−o−フェニレン-ジマレイミド、N,N’−m−フェニレン−ジマレイミド、N,N’−p−フェニレン-ジマレイミド、N,N’−ヘキサメチレン−ジマレイミド、N−スクシニジルマレイミドカルボン酸などが挙げられる。また、サンフェルBM−G(三新化学工業株式会社製)などの市販品も挙げられる。オキサゾリン基含有化合物として、2,2’−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−メチレン− ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−エチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−トリメチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−テトラメチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−ヘキサメチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−オクタメチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−エチレン−ビス−(4,4’−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2’−p−フェニレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−m−フェニレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−m−フェニレン−ビス−(4,4’−ジメチル−2−オキサゾリン)、ビス−(2−オキサゾリニルシクロヘキサン)スルフィド、ビス−(2−オキサゾリニルノルボルナン)スルフィドなどのオキサゾリン化合物。また、付加重合性オキサゾリン化合物として2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−ビニル−5−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−5−エチル−2−オキサゾリンなどが挙げられ、これらの1種もしくは2種以上の化合物を重合または共重合したものを使用可能である。またオキサゾリン基含有化合物は、エポクロスWS−500、エポクロスWS−700、エポクロスK−1010E、エポクロスK−1020E、エポクロスK−1030E、エポクロスK−2010E、エポクロスK−2020E、エポクロスK−2030E、エポクロスRPS−1005、エポクロスRAS−1005 (いずれも株式会社日本触媒社製)、NKリンカーFX(新中村化学工業株式会社製)などとして市販されている。エポキシ基含有化合物として、具体的には、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、などが挙げられ、これらの化合物を2種以上併用して用いることもできる。またエポキシ基含有化合物は、デナコールEX−611、デナコールEX−612、デナコールEX−614、デナコールEX−614B、デナコールEX−512、デナコールEX−521、デナコールEX−421、デナコールEX−313、デナコールEX−314、デナコールEX−321、デナコールEX−810、デナコールEX−811、デナコールEX−850、デナコールEX−851、デナコールEX−821、デナコールEX−830、デナコールEX−832、デナコールEX−841、デナコールEX−861、デナコールEX−911、デナコールEX−941、デナコールEX−920、デナコールEX−145、デナコールEX−171(いずれも商品名、ナガセケムテックス株式会社製)、SR−PG、SR−2EG、SR−8EG、SR−8EGS、SR−GLG、SR−DGE、SR−4GL、SR−4GLS、SR−SEP(いずれも商品名、阪本薬品工業株式会社製)、エポライト200E、エポライト400E、エポライト400P(いずれも共栄社化学株式会社製)、などとして市販されている。架橋剤の種類は、上記化合物、市販品に限定されず、アルデヒド基、マレイミド基、カルボジイミド基、オキサゾリン基、エポキシ基の少なくとも1つの官能基を含む化合物であってもよい。また架橋剤の形態も限定されず、モノマー、ポリマーの何れの形態であっても良い。
架橋剤の種類として、具体的には、アルデヒド基含有化合物として、グルタルアルデヒド、ホルムアルデヒド、マロンアルデヒド、テレフタルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、バレルアルデヒド、イソバレルアルデヒド、シンナムアルデヒド、ニコチアルデヒド、グリセルアルデヒド、グリコアルデヒド、スクシンアルデヒド、アジプアルデヒド、イソフタルアルデヒド、テレフタルアルデヒドなどが挙げられる。カルボジイミド基含有化合物として、ヘキサメチレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,12−ジイソシアネートドデカン、ノルボルナンジイソシアネート、2,4−ビス−(8−イソシアネートオクチル)−1,3−ジオクチルシクロブタン、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどが挙げられる。またカルボジイミド基含有化合物はカルボジライトV−02
、カルボジライトV−02−L2、カルボジライトV−04、カルボジライトV−06、カルボジライトE−02、カルボジライトE−02、カルボジライトV−01 、カルボジライトV−03、カルボジライトV−05、カルボジライトV−07、カルボジライトV−09(何れも商品名、日清紡績株式会社製)などとして市販されている。マレイミド基含有化合物として、m−マレイミドベンゾイル−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、スルホスクシンイミジル4−(p−マレイミドフェニル)ブチレート、m−マレイミドベンゾイルスルホスクシンイミドエステル、N−γ−マレイミドブチリルオキシスクシンイミドエステル、スクシンイミジル4−(N−マレイミドメチル)シクロヘキサン1−カルボキシレート、N−スクシニミジル−2−マレイミド酢酸、N−スクシニジル−4−マレイミド酪酸、N−スクシニジル−6−マレイミドヘキサン酸、N-スクシニジル−4−マレイミドメチルシクロヘキサン−1−カルボン酸、N−スルホスクシニジル−4−マレイミドメチルシクロヘキサン−1−カルボン酸、N−スクシニジル−4−マレイミドメチル安息香酸、N−スクシニジル−3−マレイミド安息香酸、N-スクシニジル−4−マレイミドフェニル−4−酪酸、N−スルホスクシニジル−4−マレイミドフェニル−4−酪酸、N,N’−オキシジメチレン−ジマレイミド、N,N’−o−フェニレン-ジマレイミド、N,N’−m−フェニレン−ジマレイミド、N,N’−p−フェニレン-ジマレイミド、N,N’−ヘキサメチレン−ジマレイミド、N−スクシニジルマレイミドカルボン酸などが挙げられる。また、サンフェルBM−G(三新化学工業株式会社製)などの市販品も挙げられる。オキサゾリン基含有化合物として、2,2’−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−メチレン− ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−エチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−トリメチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−テトラメチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−ヘキサメチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−オクタメチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−エチレン−ビス−(4,4’−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2’−p−フェニレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−m−フェニレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−m−フェニレン−ビス−(4,4’−ジメチル−2−オキサゾリン)、ビス−(2−オキサゾリニルシクロヘキサン)スルフィド、ビス−(2−オキサゾリニルノルボルナン)スルフィドなどのオキサゾリン化合物。また、付加重合性オキサゾリン化合物として2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−ビニル−5−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−5−エチル−2−オキサゾリンなどが挙げられ、これらの1種もしくは2種以上の化合物を重合または共重合したものを使用可能である。またオキサゾリン基含有化合物は、エポクロスWS−500、エポクロスWS−700、エポクロスK−1010E、エポクロスK−1020E、エポクロスK−1030E、エポクロスK−2010E、エポクロスK−2020E、エポクロスK−2030E、エポクロスRPS−1005、エポクロスRAS−1005 (いずれも株式会社日本触媒社製)、NKリンカーFX(新中村化学工業株式会社製)などとして市販されている。エポキシ基含有化合物として、具体的には、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、などが挙げられ、これらの化合物を2種以上併用して用いることもできる。またエポキシ基含有化合物は、デナコールEX−611、デナコールEX−612、デナコールEX−614、デナコールEX−614B、デナコールEX−512、デナコールEX−521、デナコールEX−421、デナコールEX−313、デナコールEX−314、デナコールEX−321、デナコールEX−810、デナコールEX−811、デナコールEX−850、デナコールEX−851、デナコールEX−821、デナコールEX−830、デナコールEX−832、デナコールEX−841、デナコールEX−861、デナコールEX−911、デナコールEX−941、デナコールEX−920、デナコールEX−145、デナコールEX−171(いずれも商品名、ナガセケムテックス株式会社製)、SR−PG、SR−2EG、SR−8EG、SR−8EGS、SR−GLG、SR−DGE、SR−4GL、SR−4GLS、SR−SEP(いずれも商品名、阪本薬品工業株式会社製)、エポライト200E、エポライト400E、エポライト400P(いずれも共栄社化学株式会社製)、などとして市販されている。架橋剤の種類は、上記化合物、市販品に限定されず、アルデヒド基、マレイミド基、カルボジイミド基、オキサゾリン基、エポキシ基の少なくとも1つの官能基を含む化合物であってもよい。また架橋剤の形態も限定されず、モノマー、ポリマーの何れの形態であっても良い。
なお、検知層2の表面は、セルロースアセテートのような外層膜によって被覆されてもよい。外層膜の原料としては、その他、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、ポリプロピレン、ポリエーテルエーテルケトン等が挙げられる。
(酵素電極の作製方法)
以下、上記した酵素電極10は、例えば、以下のようにして作製される。すなわち、絶縁性基板3の片面に、電極1として機能する金属層を形成する。例えば、所定の厚さ(例えば100μm程度)のフィルム状の絶縁性基板3の片面に、金属材料を物理蒸着(PVD,例えばスパッタリング)、或いは化学蒸着(CVD)によって成膜することによって、所望の厚さ(例えば30nm程度)を有する金属層が形成される。金属層の代わりに、炭素材料で形成された電極層を形成することもできる。
以下、上記した酵素電極10は、例えば、以下のようにして作製される。すなわち、絶縁性基板3の片面に、電極1として機能する金属層を形成する。例えば、所定の厚さ(例えば100μm程度)のフィルム状の絶縁性基板3の片面に、金属材料を物理蒸着(PVD,例えばスパッタリング)、或いは化学蒸着(CVD)によって成膜することによって、所望の厚さ(例えば30nm程度)を有する金属層が形成される。金属層の代わりに、炭素材料で形成された電極層を形成することもできる。
次に、電極2上に検知層2が形成される。すなわち、導電性粒子6,酵素5,バインダとしてのオキサゾリン基を含有する高分子ポリマーを含む電極溶液が調整される。電極溶液は、電極1の表面に滴下される。電極溶液が電極1上で乾燥により固化することで、電極1上に検知層が形成された酵素電極を得ることができる。
以下、酵素電極の実施例について説明する。
(検知層の処方)
最初に、導電性粒子,酵素,及びバインダを夫々含む、実施例1、実施例2及び比較例に係る電極溶液を調製した。実施例1,実施例2及び比較例においては、それぞれ、導電性粒子としてケッチェンブラック(登録商標、以下“KJB”と表記)を用いるとともに、酵素として、GDHを用いた。
最初に、導電性粒子,酵素,及びバインダを夫々含む、実施例1、実施例2及び比較例に係る電極溶液を調製した。実施例1,実施例2及び比較例においては、それぞれ、導電性粒子としてケッチェンブラック(登録商標、以下“KJB”と表記)を用いるとともに、酵素として、GDHを用いた。
これに対し、実施例1では、バインダ(架橋剤)として、エポキシ基含有化合物の1つであるエポキシポリマーの一種である、SR−4GLS(ポリグリセリンポリグリシジルエーテルにより構成されている)を用いた。実施例2では、バインダとして、エポキシ基含有化合物の1つであるエポキシポリマーの一種である、エポライト400E(登録商標)(ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテルにより構成されている。以下“EPL”と表記)を用いた。
また、比較例では、バインダとして、バイロナール(登録商標)を(登録商標)を用いた。
実施例1、実施例2及び比較例における電極溶液の最終濃度は以下の通りである。
(実施例1の処方)
KJB 0.4wt%
酵素(GDH) 3.5mg/mL
リン酸Na緩衝液 10mM pH7
SR−4GLS(阪本薬品工業 製)
実施例1として、SR−4GLSの濃度が、それぞれ0.25(wt%)、0.5(wt%)
、1.0(wt%)、3.0(wt%)である4種類の電極溶液(試料)を調製した。
KJB 0.4wt%
酵素(GDH) 3.5mg/mL
リン酸Na緩衝液 10mM pH7
SR−4GLS(阪本薬品工業 製)
実施例1として、SR−4GLSの濃度が、それぞれ0.25(wt%)、0.5(wt%)
、1.0(wt%)、3.0(wt%)である4種類の電極溶液(試料)を調製した。
(実施例2の処方)
KJB 0.4wt%
酵素(GDH) 3.5mg/mL
リン酸Na緩衝液 10mM pH7
エポライト400E(共栄社化学株式会社製、以下“EPL”と表記)
実施例2として、EPLの濃度が、それぞれ0.25(wt%)、0.5(wt%)
、1.0(wt%)、3.0(wt%)、5.0(wt%)、10.0(wt%)である6種類の電極溶液(試料)を調製した。
KJB 0.4wt%
酵素(GDH) 3.5mg/mL
リン酸Na緩衝液 10mM pH7
エポライト400E(共栄社化学株式会社製、以下“EPL”と表記)
実施例2として、EPLの濃度が、それぞれ0.25(wt%)、0.5(wt%)
、1.0(wt%)、3.0(wt%)、5.0(wt%)、10.0(wt%)である6種類の電極溶液(試料)を調製した。
(比較例の処方)
KJB:0.4wt%
酵素(GDH):3.5mg/mL
リン酸Na緩衝液:10mM pH7
バイロナールMD−1200(東洋紡 水分散型高分子量共重合ポリエステル樹脂
以下“MD1200”と表記)
KJB:0.4wt%
酵素(GDH):3.5mg/mL
リン酸Na緩衝液:10mM pH7
バイロナールMD−1200(東洋紡 水分散型高分子量共重合ポリエステル樹脂
以下“MD1200”と表記)
比較例として、MD1200の濃度が0.25(wt%)、0.5(wt%)、1.0(wt%)、3.0(wt%)、5.0(wt%)、7.0(wt%)である6種類の電極溶液(試料)を用意した。
なお、実施例1,実施例2,及び比較例で用いたKJBの平均粒子径は、100(nm)以下であり、比表面積は、200(m2/g)以上であった。
(A.応答感度試験)
(酵素電極の作製)
絶縁性基板としてのポリエーテルイミド(PEI)表面にスパッタによって金(Au)の金属層(電極)が形成された基材を用意し、電極表面上に、電極の単位面積(cm2)当たり、10.0μL/cm2の条件で電極溶液(試料)を滴下した。その後、23℃、40%RHの雰囲気で自然乾燥させた。このようにして、電極表面に酵素及び導電性粒子が上記各バインダで固定化された検知層が形成された酵素電極を得た。
(酵素電極の作製)
絶縁性基板としてのポリエーテルイミド(PEI)表面にスパッタによって金(Au)の金属層(電極)が形成された基材を用意し、電極表面上に、電極の単位面積(cm2)当たり、10.0μL/cm2の条件で電極溶液(試料)を滴下した。その後、23℃、40%RHの雰囲気で自然乾燥させた。このようにして、電極表面に酵素及び導電性粒子が上記各バインダで固定化された検知層が形成された酵素電極を得た。
(応答感度の測定方法)
次に、酵素電極を用いたグルコース濃度の測定方法の例について説明する。測定方法として、400mVの電位差を電極系に印加するクロノアンペロメトリー法により、グルコースに対する応答感度を測定した。
次に、酵素電極を用いたグルコース濃度の測定方法の例について説明する。測定方法として、400mVの電位差を電極系に印加するクロノアンペロメトリー法により、グルコースに対する応答感度を測定した。
最初に、測定液としての0.1Mリン酸緩衝液(pH7.0)を用意し、37℃に保った。次に、対極に白金電極を用い、参照極にAg/AgCl電極を用いた酵素電極をポテンショスタットに電気的に接続するとともに、0.1Mリン酸緩衝液中に浸漬した。そして、作用極に定電圧(400mV vs Ag/AgCl)を印加した。
グルコース濃度の測定については、まずグルコース終濃度が0mg/dLの電流値(nA)を測定し、その後、2Mのグルコース溶液を滴下し続けながら、連続して25mg/dL、50mg/dL、150mg/dL、250mg/dLのときの電流値を測定した。電流値が応答感度に相当する。
(試験結果)
実施例1、実施例2及び比較例に係るグルコース濃度の測定結果は、以下の表1、表2、表3に示す通りである。各表中の値は、応答感度(nA)を示す。
実施例1、実施例2及び比較例に係るグルコース濃度の測定結果は、以下の表1、表2、表3に示す通りである。各表中の値は、応答感度(nA)を示す。
測定結果によれば、実施例1、実施例2によれば、バインダの添加量の増加に対し、応答感度の維持又は向上が認められた。これに対し、比較例によれば、バインダの添加量の増加に対し、応答感度が低下する傾向が認められた。実施例1、実施例2より、エポキシ基を含有する高分子ポリマーをバインダとして用いれば、その添加量の増加に拘らず、好適な応答感度を得ることが分かる。
(B.密着力(または強度)試験方法)
次に、実施例1,実施例2,比較例に係る各電極溶液を用いて作製した酵素電極について、電極に対する検知層の密着力(検知層の強度)に対する試験を行った。
次に、実施例1,実施例2,比較例に係る各電極溶液を用いて作製した酵素電極について、電極に対する検知層の密着力(検知層の強度)に対する試験を行った。
(酵素電極の作製)
応答感度試験で用いた基材(絶縁性基板上に電極が形成された基材)と同様のものを用意し、実施例1,実施例2,比較例に係る各電極溶液を、電極表面上に、電極の単位面積(cm2)当たり、10.0μL/cm2の条件で滴下した。その後、23℃、40%RHの雰囲気で自然乾燥させた。このようにして、密着力(または強度)試験に用いる、電極上に形成された検知層(酵素電極)を作製した。
応答感度試験で用いた基材(絶縁性基板上に電極が形成された基材)と同様のものを用意し、実施例1,実施例2,比較例に係る各電極溶液を、電極表面上に、電極の単位面積(cm2)当たり、10.0μL/cm2の条件で滴下した。その後、23℃、40%RHの雰囲気で自然乾燥させた。このようにして、密着力(または強度)試験に用いる、電極上に形成された検知層(酵素電極)を作製した。
(密着力(または強度)試験)
JISK5600-5-6 付着性(クロスカット法)に従って、電極に対する検知層の密着力の試験を実施した。
JISK5600-5-6 付着性(クロスカット法)に従って、電極に対する検知層の密着力の試験を実施した。
(試験結果)
クロスカット法による試験結果を0〜5に分類した。0が最も良好な密着力を示し、5が最も悪い密着力を示す。
クロスカット法による試験結果を0〜5に分類した。0が最も良好な密着力を示し、5が最も悪い密着力を示す。
上記試験結果では、実施例1、実施例2については、バインダの添加量増加に伴い、密着力の向上が認められた。一方、比較例については、バインダの添加量と密着力との関係は認められず、全体として密着力は悪い傾向が認められた。
(C.応答感度試験結果と、密着力(または強度)との関係)
A.応答感度試験で得た結果と、B.密着力(または強度)試験で得た結果をまとめた。その結果、比較例においては、密着力を高めるためにバインダの濃度を上げても、感度は殆ど変わらない、或いは若干低下する傾向が認められた。これに対して、実施例1,実施例2においては、比較例と比べて感度は高く、またバインダ濃度の上昇による感度の低下傾向は認められず、高い感度を維持可能であること分かった。
A.応答感度試験で得た結果と、B.密着力(または強度)試験で得た結果をまとめた。その結果、比較例においては、密着力を高めるためにバインダの濃度を上げても、感度は殆ど変わらない、或いは若干低下する傾向が認められた。これに対して、実施例1,実施例2においては、比較例と比べて感度は高く、またバインダ濃度の上昇による感度の低下傾向は認められず、高い感度を維持可能であること分かった。
このように、架橋結合を有する官能基を含有する高分子を含む検知層を作製することで、基材(電極)に対する高い密着性と高い応答感度を有する酵素電極を作製することができる。
(実施形態の作用効果)
上述した酵素電極10によれば、適正な酵素5及び導電性粒子6の固定化により良好な応答感度を得ることができる一方で、基材に対して適正な密着性を有することができる。特に、既存のバインダに比べて、適正な固定化に要求される濃度又は量を減らすことができるので、酵素電極10の小型化に寄与することが考えられる。
上述した酵素電極10によれば、適正な酵素5及び導電性粒子6の固定化により良好な応答感度を得ることができる一方で、基材に対して適正な密着性を有することができる。特に、既存のバインダに比べて、適正な固定化に要求される濃度又は量を減らすことができるので、酵素電極10の小型化に寄与することが考えられる。
なお、酵素電極10は、例えば、上記したようなグルコース測定に適用されるバイオセンサや電子機器(例えば、測定装置)に適用することができる。或いは、酵素反応により生じた応答電流(電極へ伝達された電子による電流)を、電極と負荷とを結ぶ供給部を介し、負荷に電力として供給する電源装置の一部としての適用も考えられる。電子機器は、実施形態に係る酵素電極が適用されたバイオセンサを含んだ電子機器、実施形態に係る酵素電極が適用された上記装置(電源装置)を含んだ電子機器を含むことができる。
1・・・基材(電極)
2・・・検知層
3・・・絶縁性基板
5・・・酵素
6・・・導電性粒子
7・・・官能基
8・・・架橋剤の主鎖
9・・・官能基(開環後)
10・・・酵素電極
2・・・検知層
3・・・絶縁性基板
5・・・酵素
6・・・導電性粒子
7・・・官能基
8・・・架橋剤の主鎖
9・・・官能基(開環後)
10・・・酵素電極
Claims (10)
- 電極と検知層とを含み、
前記検知層は、酵素,導電性粒子,及び前記酵素の少なくとも一部と前記導電性粒子の少なくとも一部との少なくとも一方と架橋結合を形成する架橋剤とを有する、酵素電極。 - 前記架橋剤は、アルデヒド基、マレイミド基、カルボジイミド基、オキサゾリン基、エポキシ基の少なくとも1つの官能基を含む、請求項1に記載の酵素電極。
- 前記導電性粒子は、炭素、金属の少なくとも1つから選択される請求項1に記載の酵素電極。
- 前記導電性粒子は、カルボキシル基、チオール基、およびフェニル基のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の酵素電極。
- 電極と検知層とを含む酵素電極を備えるバイオセンサであって、前記検知層は、酵素,導電性粒子,及び前記酵素の少なくとも一部と前記導電性粒子の少なくとも一部との少なくとも一方と架橋結合を形成する架橋剤とを有する、バイオセンサ。
- 請求項5に記載のバイオセンサを含んだ電子機器。
- 電極と検知層とを含み、前記検知層は、酵素,導電性粒子,及び前記酵素の少なくとも一部と前記導電性粒子の少なくとも一部との少なくとも一方と架橋結合を形成する架橋剤とを有する酵素電極と、
前記酵素電極に対する通電による酵素反応によって生じた電流を負荷に供給する供給部と、を含む装置。 - 請求項7に記載の装置を含んだ電子機器。
- 電極上に検知層を配置するステップを含み、
前記検知層は、酵素,導電性粒子,及び前記酵素の少なくとも一部と前記導電性粒子の少なくとも一部との少なくとも一方と架橋結合を形成する架橋剤とを有する、酵素電極の製造方法。 - 前記架橋剤は、アルデヒド基、マレイミド基、カルボジイミド基、オキサゾリン基、エポキシ基の少なくとも1つの官能基を含む請求項9に記載の酵素電極の製造方法。
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