JP4137495B2 - レーザーマーキング方法及び感光材料 - Google Patents

レーザーマーキング方法及び感光材料 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ベース層の表面に乳剤層が形成された感光材料において、当該乳剤層に、レーザーからレーザービームを照射して、前記乳剤層を熱溶融変形させたドットパターンを形成すると共に、このドットパターンの組み合わせによって視認可能な文字又は記号を含むマーキングパターンを形成するレーザーマーキング方法、並びにマーキングパターンが形成された感光材料に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来、Xレイフィルム等の感光材料へレーザービームを照射して感光材料の表面に熱被りや変形によってマーキングを施す技術としては、特許第3191201号公報(以下、先行技術という)に記載された技術が提案されている。
【0003】
この先行技術では、視認性を高めるための熱被り又は変形を施すべく、1ドット当りのレーザー照射時間(パルス幅)を少なくとも30μsec以上に設定している。
【0004】
しかし、ドットの描画に関して、視認性よいマーキング(文字又は記号等)を得るためには、ドットの形状や、加工方法に指針が存在せず、レーザービームの照射条件は、照射対象物の材料やレーザーの種類、発振波長等をパラメータとして、実験的に求める必要があった。
【0005】
また、この実験結果においても、視認性を判断する者によってばらつきがあり、定量的(数値的)にレーザー照射装置の条件管理ができず、安定したマーキング処理を行うことが困難となる。
【0006】
また、Xレイフィルムの場合、レーザー照射により周囲に飛散した乳剤層等がフィルム表面に付着し、この付着した部分に再度レーザーが照射されることで燃焼し、熱被りや光被り等が発生したり、乳剤層表面に付着したまま、画像が形成されることでその部分が白く抜けてしまう(所謂ホワイトスポット)といった、Xレイフィルム本来の品質がレーザー照射によって阻害されることがあった。
【0007】
これを解消するためには、乳剤層が飛散しないようにすればよいが、レーザー照射によるマーキング直後は飛散が見受けられない場合でも、現像処理等の後工程後に、乳剤層部分が剥離されることがある。これは、乳剤層とベース層との間に隙間が生じた状態で起こり得る現象である。この剥離は、視認性にも多大な影響を及ぼし、製造段階での視認性評価では適正であるにも拘らず、ユーザー側の視認性評価では不適正となるといった評価の隔たりを招いている。
【0008】
本発明は上記事実を考慮し、視認性を定量的に判断することができ、感光材料の本来の画質向上を維持し、ドットパターンの視認性を向上することができるレーザーマーキング方法及び感光材料を得ることが目的である。
【0009】
また、上記目的に加え、視認性に大きく影響を及ぼすようなドットパターン形状が、当該ドットパターン形成時とその後の工程処理以降とで変化することのないレーザーマーキング方法及び感光材料を得ることが目的である。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、ベース層の表面に乳剤層が形成された感光材料において、当該乳剤層に、レーザーからレーザービームを照射して、前記乳剤層を熱溶融変形させたドットパターンを形成すると共に、このドットパターンの組み合わせによって視認可能な文字又は記号を含むマーキングパターンを形成するレーザーマーキング方法であって、前記ドットパターンとして、未現像/現像済、或いは濃度の濃淡に区別なく視認性を高めるために前記感光材料の乳剤層の上面を基準として10μm以下の凸状ドットパターンを形成し、かつ当該凸の内部に直径1〜5μmの微細な気泡が多数形成されるようにレーザービームの照射時間を制御することを特徴とする。
【0011】
請求項1記載の発明によれば、ドットパターンとして、乳剤層を凸状とし、かつこの凸状のドットパターン内に微細な気泡が形成されるようにレーザーの照射時間を設定する。この気泡は、独立気泡であっても連続気泡であってもよく、この基本の境界部分(隔壁)が乱反射を起こし、視認性の高いドットパターンとすることができる。
【0013】
また、ドットパターンとして、乳剤層を凸状とするこの凸量は、感光材料の乳剤層の上面を基準として10μm以下である。また、この凸状のドットパターン内に複数の微細な気泡を形成する。個々の気泡は、直径1〜5μmであり、レーザーの照射時間によって乳剤層が発泡していく過程において発生するため、上記数値を基準としてレーザーの照射時間を設定すればよい。なお、気泡は、気泡同士の境界部分(隔壁)が乱反射を起こし、視認性の高いドットパターンとすることができる。
【0014】
請求項に記載の発明は、前記請求項1記載の発明において、前記ドットパターンを、ベース層と凸状のドットパターンが形成された乳剤層との境界に現像処理が行われたときに剥離する空間が存在しないように形成することを特徴としている。
【0015】
請求項に記載の発明によれば、レーザーによるレーザービームの照射の過程で、前記気泡が形成されていった後、乳剤層はさらに、ベース層から剥離し、ベース層と乳剤層との間に空間が発生する。この空間は、ドットパターンの形成直後では、前記微細な気泡と同様に乱反射を起こし、視認性を向上することになるが、その後の処理、例えば、感光材料の現像処理等が行われるときに、凸状のドットパターンそのものが剥離されてしまい、結果としてユーザーが使用するときに、視認性を低下させる結果となる。そこで、レーザービームの照射時間、すなわち熱エネルギーを過度に与えず、ベース層と凸状のドットパターンが形成された乳剤層との境界に空間が存在しないようにすることで、後処理の前後での視認性の変化を防止することができる。また、凸状のドットパターンが剥離されることを防止することで、剥離された乳剤層が感光材料の表面に付着し、感光材料の本来の品質である、画質の低下も防止することができる。
【0016】
請求項に記載の発明は、前記請求項1又は請求項2記載の発明において、前記レーザーの発振波長を9.2μmから9.8μmに設定したことを特徴としている。
【0017】
請求項に記載の発明によれば、レーザーの発振波長を9.2μmから9.8μmに設定した。レーザーの9.2μmから9.8μmの発振波長は、市販されているCO2レーザーの発振波長(10.6μm程度)とは異なり、一般的に汎用されている波長域ではない。しかし、この波長域を選択することで、所望のドットパターンの形状を比較的広範囲の照射時間で形成することができ、レーザーの制御の簡便化を図ることができる。
請求項4に記載の発明は、前記請求項1〜請求項3の何れか1項記載の発明において、前記ドットパターンは、前記感光材料の乳剤層の上面を基準として5〜10μmの凸状であることを特徴としている。
【0018】
請求項5に記載の発明は、ベース層の表面に乳剤層が形成され、前記乳剤層に、レーザーからレーザービームが照射されることで形成されるドットパターンの組み合わせによって視認可能な文字又は記号を含むマーキングパターンが形成された感光材料であって、前記ドットパターンが未現像/現像済、或いは濃度の濃淡に区別なく視認性を高めるために10μm以下の凸状に形成され、かつ当該凸の内部に直径1〜5μmの微細な気泡が多数形成されたことを特徴としている。
【0019】
請求項5に記載の発明によれば、ドットパターンとして、乳剤層を凸状とするこの凸量は、感光材料の厚さ+10μm以下である。また、凸状のドットパターン内に複数の微細な気泡を形成する。個々の気泡は、直径1〜5μmであり、レーザーの照射時間によって乳剤層が発泡していく過程において発生するため、上記数値を基準としてレーザーの照射時間が設定され、加工される。なお、気泡は、気泡同士の境界部分(隔壁)が乱反射を起こし、視認性の高いドットパターンとすることができる。
【0020】
請求項6に記載の発明は、前記請求項5に記載の発明において、前記ドットパターンが、ベース層と凸状のドットパターンが形成された乳剤層との境界に現像処理が行われたときに剥離する空間が存在しないように形成されたことを特徴とする請求項5記載の感光材料。
【0021】
請求項6に記載の発明によれば、レーザーによるレーザービームの照射の過程で、前記空間が形成されていった後、乳剤層はさらに、ベース層から剥離し、ベース層と乳剤層との間に空間が発生する。この空間は、ドットパターンの形成直後では、前記微細な気泡と同様に乱反射を起こし、視認性を向上することになるが、その後の処理、例えば、感光材料の現像処理等が行われるときに、凸状のドットパターンそのものが剥離されてしまい、結果としてユーザーが使用するときに、視認性を低下させる結果となる。そこで、レーザービームの照射時間、すなわち熱エネルギーを過度に与えず、ベース層と凸状のドットパターンが形成された乳剤層との境界に空間が存在しないようにすることで、後処理の前後での視認性の変化を防止することができる。また、凸状のドットパターンが剥離されることを防止することで、剥離された乳剤層が感光材料の表面に付着し、感光材料の本来の品質である、画質の低下も防止することができる。
請求項7に記載の発明は、前記請求項5又は請求項6記載の発明において、前記ドットパターンは、5〜10μmの凸状であることを特徴としている
【0022】
【発明の実施の形態】
図1には本実施の形態に係るマーキング装置10の概略が示されている。
【0023】
このマーキング装置10は、ロール状に巻き取られた長尺のXレイフィルム(感光材料)12を搬送する過程で、その表面にレーザービームLBを照射して文字や記号等のマーキングパターンを加工するものである。
【0024】
図2(A)に示される如く、Xレイフィルム12は、ベース層としてのPET(ポリエチレンテレフタレート)層14と、このPET層14の一方の面に塗布された乳剤層16とで構成されている。
【0025】
図1に示される如く、巻芯18には、前記Xレイフィルム12が乳剤層16を外向きとしてロール状に巻き取られており、その最外層から引き出されたXレイフィルム12は、第1のパスロール20に巻き掛けられて、進行方向左略直角方向に方向転換され、また、第2のパスロール22に巻き掛けられて、進行方向右略直角方向に方向転換され、プリントロール24へと至るようになっている。
【0026】
プリントロール24に巻き掛けられた一部が、レーザービームLBの照射位置として設定されており、このプリントロール24により進行方向右略直角に方向転換されたXレイフィルム12は、さらにローラ対26に挟持され、かつ進行方向左略直角に方向転換される。
【0027】
ローラ対26から巻き出されるXレイフィルム12は、一対の小ローラ28、30によって略U字型の搬送経路を形成している。この略U字型の搬送経路には、サクションドラム32が配設されている。すなわち、このサクションドラム32にXレイフィルム12が巻き掛けられることで、略U字型の搬送経路を保持している。
【0028】
サクションドラム32は、外周面に複数の小孔(図示省略)が設けられ、エア吸引によって巻き付けられるXレイフィルム12を吸着保持し、かつ自重又は図示しない付勢手段の付勢力で、図1の下方へ移動するようになっている。この移動に伴って、Xレイフィルム12には、バックテンションが付与されるため、前記プリントロール24を通過するXレイフィルム12は、プリントロール24と緊密に密着された状態が維持されるようになっている。
【0029】
下流側の小ローラ30を通過したXレイフィルム12は、巻芯34に巻き取られて収容される。
【0030】
前記巻芯18、34及びサクションドラム32には、巻き取り制御装置36からの駆動信号で所定の回転速度で回転するモータ等の駆動手段(図示省略が備えられており、基本的には、同一の線速度で巻芯18はXレイフィルム12を送り出し、巻芯34は、Xレイフィルム12を巻き取ると共に、サクションドラム32がXレイフィルム12を吸着保持しながら回転するため、サクションドラム32の回転速度(線速度)がXレイフィルム12のプリントロール24での搬送速度と一致するようになっている。
【0031】
前記サクションドラム32には、ロータリエンコーダ38が取り付けられており、このサクションドラム32の回転状態をパルス発振によって検出することができるようになっている。
【0032】
このロータリエンコーダ38の出力信号端はレーザー制御装置40へ接続されている。
【0033】
レーザー制御装置40は、前記プリントロール24上でのレーザービームLBを照射するためのマーキングヘッド42を制御する。
【0034】
マーキングヘッド42は、その先端部であるレーザービームLB出射口が前記プリントロール24に対向して配設されている。
【0035】
マーキングヘッド42は、レーザー発振器44と、図示しない集光レンズを含むビーム偏向器46とから構成されている。
【0036】
本実施の形態に適用されるレーザー発振器44はCO2レーザーであり、レーザー制御装置40からの駆動信号に基づいて、所定のタイミングで一定の発振波長のレーザービームLBを一定の時間幅(パルス幅)で出射する。
【0037】
ビーム偏向器46は、例えば、AOD(音響光学装置)からなり、レーザー制御装置40からの偏向信号によりレーザービームLBをXレイフィルム12の搬送方向と直交する方向に走査する機能を有している。なお、走査された各レーザービームLBは集光レンズによってXレイフィルム12上で所定のスポット径の焦点を結ぶように結像する。
【0038】
レーザー制御装置40には、前記Xレイフィルム12に記録すべきマーキングパターン(文字や記号)に対応したパターン信号が巻き取り制御装置36から入力されている。このため、レーザー制御装置40は、ロータリーエンコーダ38からの搬送パルスに基づいてXレイフィルム12の搬送長を監視しながら、パターン信号に基づいてレーザー発振器44に駆動信号を送ってレーザービームLBを照射し、また、ビーム偏向器46に偏向信号を送って、レーザービームLBを走査する。
【0039】
これにより、図3に示される如く、ビーム偏向器46によるレーザービームLBの走査方向を主走査方向とし、Xレイフィルム12の搬送方向を副走査方向として、マーキングパターン(ここでは、アルファベット)MPが5×5ドットでマーキングされるようになっている。
【0040】
なお、図4に示される如く、Xレイフィルム12が長手方向にカット(カットラインを鎖線で示す)されてシート状のXレイフィルム12を形成する場合には、このカッティングラインを挟んで両サイドに天地の向きが逆となったマーキングパターンMPを形成することも可能である。
【0041】
このようなドットパターンの配列で表現されるマーキングパターンMPを高品質で形成するためには、ドットパターンの個々の直径(約100μm)をほぼ一定に揃え、またXレイフィルム12の搬送速度が一定に保たれる位置でレーザービームLBを照射する必要がある。
【0042】
そこで、Xレイフィルム12がプリントロール24に巻き掛けられることで、マーキングヘッド42との間隔を一定に保持している。さらに、Xレイフィルム12は、サクションドラム32によって吸着保持し、このサクションドラム32の線速度と一致するプリントロール24の位置でレーザービームLBの照射を行っている。
【0043】
ここで、本実施の形態では、図2(B)及び図5に示される如く、ドットパターン16Aが乳剤層16に対して、凸状に形成されている。また、ドットパターン16Aの膨張した内部には、複数の微細な気泡16Bが設けられている。
【0044】
このドットパターン16Aの凸量並びに気泡16Bの大きさ(直径)は、前記レーザービームLBが照射されることによる熱エネルギーによって、乳剤層16が溶融していく過程で発生するものであり、本実施の形態では、レーザービームの照射時間を制御することで、ドットパターン16Aの凸量を10μm以下とし、各気泡16Bの直径を1〜5μmとしている。
【0045】
複数の微細の気泡16Bが形成されることで、この気泡16B間の境界膜が多数形成されることになり、光の乱反射が助長されるため、ドットパターン16A内外とで、反射光量が大きく変化することになる。このため、Xレイフィルム12が未現像/現像済、或いは濃度の濃淡に無関係に、ドットパターン16Aの視認性を高くすることができる。
【0046】
上記のような凸状のドットパターン16Aで内部に複数の微細な気泡16Bが設けられるためのレーザービームの照射時間は、レーザー発振器44の発振波長が9μm帯(9.3μm、9.6μm)で1μ秒から15μ秒の範囲となる(図7参照)。
【0047】
なお、レーザー発振器44の発振波長が10.6μmにおいては、5μ秒〜18μ秒の範囲(図7参照)で上記条件の凸状のドットパターン16Aを形成することも可能であるが、作業効率を向上するために、9μm波長帯のレーザー発振器44を適用した。
【0048】
また、本実施の形態では、レーザービームの照射時間をさらに制御して、ベース層14と乳剤層16との間の境界に空間S(図7参照)ができない程度とすることが好ましい。なお、この空間Sは、凸状のドットパターン16Aに形成される微細な気泡16Bとは異なるものである。
【0049】
ベース層14と乳剤層16との間に空間Sが生じていると、レーザービームを照射してドットパターン16Aを形成した時点では、視認性の高いものであるが、現像処理等の後処理を行うことで、空間Sの上部に位置する乳剤層16が飛散し、開口してしまうことになる。これは、前記設定した照射時間(9μm波長帯では15μ秒、10.6μm波長では18μ秒)を超えてドットパターン16Aを形成したときと同等の形状となる(図8参照)。すなわち、上記空間Sが存在しないという条件を付加することで、照射時間は、9μm波長帯では1から10μ秒、10.6μm波長では5〜8μ秒と範囲が狭くなるが、製造段階の視認性評価と、ユーザーによる視認性評価との差異を軽減することが可能となる。また、上記照射時間において、9μm波長帯と10.6μm波長とでほとんど差がなくなるが、6〜8μ秒の照射時間において、9μm波長帯でドットパターン16Aを形成したときの凸量が10.6μm波長でドットパターン16Aを形成したときの2倍となり、視認性の観点からは9μm波長帯が好ましい。
【0050】
以下に本実施の形態の作用を説明する。
【0051】
巻き取り制御装置36から駆動信号を出力すると、巻芯18がXレイフィルム12の巻き出しを開始し、巻芯34がXレイフィルム12の巻き取りを開始する。
【0052】
一方、サクションドラム32では、エア吸引が開始されることで、巻き掛けられているXレイフィルム12を吸着保持すると共に前記巻芯18、34の線速度とほぼ同一の線速度で回転駆動する。
【0053】
ここで、巻芯18、34では、巻径が連続的に変化するため、線速度を一定に保持するのは困難であり、その結果、Xレイフィルム12に搬送中に緊張や弛みが生じることがある。しかし、サクションドラム32では、エア吸着によってXレイフィルム12を確実に保持しているため、サクションドラム32では、Xレイフィルム12の滑りはない。また、サクションドラム32は、自重又は付勢手段の付勢力でXレイフィルム12にテンションを付与している。
【0054】
このため、サクションドラム32の線速度が、Xレイフィルム12の搬送系の基準となる線速度となり、プリントロール24上でのXレイフィルム12の搬送線速度は、サクションドラム32の線速度と一致する。
【0055】
このサクションドラム32の回転状態をロータリーエンコーダ38によって検出し、その検出結果(搬送パルス)は、レーザー制御装置40へ送られる。
【0056】
レーザー制御装置40に、巻き取り制御装置36から前記Xレイフィルム12に記録すべきマーキングパターン(文字や記号)に対応したパターン信号が入力されると、前記ロータリーエンコーダ38からの搬送パルスに基づいてXレイフィルム12の搬送長を監視しながら、パターン信号に基づいてレーザー発振器(CO2レーザー)44に駆動信号を送ってレーザービームLBを照射し、また、ビーム偏向器46に偏向信号を送って、レーザービームLBを走査する。
【0057】
この走査は、ビーム偏向器46によるレーザービームLBの走査方向が主走査方向となり、Xレイフィルム12の搬送方向が副走査方向となり、5×5ドットでマーキングされる。
【0058】
本実施の形態では、マーキングパターンMPを構成するドットパターンを乳剤層16に対して、凸状に形成した。また、ドットパターン16Aの膨張した内部には、複数の微細な気泡16Bを設けた。
【0059】
ドットパターン16Aを凸状とすることで、微細な気泡16Bの形成領域を大きくとることでき、複数の微細の気泡16Bが形成されることで、この気泡16B間の境界膜で、光の乱反射が助長され、ドットパターン16A内外とで、反射率に大きな差をつけることができる。これにより、Xレイフィルム12の濃度の濃淡に無関係に、ドットパターン16Aの視認性を高くすることができる。
【0060】
上記のような凸状のドットパターン16Aで内部に複数の微細な気泡16Bを設けるために、レーザービームの照射時間を、レーザー発振器44の発振波長が9μm帯(9.3μm、9.6μm)の場合は6μ秒から15μ秒の範囲とした。
【0061】
また、本実施の形態では、ベース層14と乳剤層16との間の境界に空間Sができない程度としている。ベース層14と乳剤層16との間に空間Sが生じていると、レーザービームを照射してドットパターン16Aを形成した時点では、視認性の高いものであるが、現像処理等の後処理を行うことで、空間Sの上部に位置する乳剤層16が飛散し、開口してベース層14が露出しまうことになるためである。ベース層14が露出すると視認性が極めて低くなる。
【0062】
上記空間Sが存在しないという条件を付加することで、照射時間は、9μm波長帯で6〜10μ秒と範囲が狭くなるが、製造段階の視認性評価と、ユーザーによる視認性評価との差異を軽減することが可能となる。
【0063】
【実験例】
図6には、CO2レーザーをレーザー発振器44として適用した場合のマーキングの視認性を得るための実験装置50である。
【0064】
この実験装置50では、レーザービームLBの走査が不要であるため、レーザー制御装置40により駆動制御されるレーザー発振器(CO2レーザー)44の出射端に集光レンズ54が配設され、Xレイフィルム12の代わりに評価用サンプル56を入れ替え、或いは平面移動させて、この評価用サンプル56に形成されるマーキング形状を観察した。
【0065】
実験は、CO2レーザーの3種類の発振波長でそれぞれの視認性を観察したものであり、その条件は以下の通りである。
Nd:CO2レーザー
照射時間:4段階(図7及び図8参照)
スポット径:0.1mm
試験発振波長:9.3μm、9.6μm、10.6μm
評価サンプル:175μm厚のPET層に、2〜5μmの乳剤層を設けたもの
評価として、図7はレーザービーム照射後、評価サンプルに何も手を加えていない場合を示し、図8はレーザービーム照射後、評価サンプルに現像処理を施した場合を示す。
【0066】
まず、図7において、凸量が10μm以下で複数の微細な気泡16Bが形成されることのみを条件とした場合、9μm波長帯では、1〜5μ秒の照射時間と、6〜10μ秒の照射時間と、11〜15μ秒の照射時間の3段階において適正であるという評価を得た。
【0067】
また、10.6μm波長では、5〜8μ秒の照射時間と、9〜18μ秒の照射時間の2段階において適正であるという評価を得た。
【0068】
これらを総合すると、9μm波長帯のレーザービームの方が、上限の10μmの凸量を得るのに短い照射時間で済み、この結果、微細な気泡16Bを多く形成することができる点で、視認性も向上することがわかる。
【0069】
次に、図8において、凸量が10μm以下で複数の微細な気泡16Bが形成されることに加え、ベース層14と乳剤層16との間に空間Sがあったことに起因するドットパターン16Aの剥離(飛散)がないことを条件に加えると、9μm波長帯では、1〜5μ秒の照射時間と、6〜10μ秒の照射時間の2段階において適正であるという評価を得た。
【0070】
また、10.6μm波長では、5〜8μ秒の照射時間の1段階において適正であるという評価を得た。
【0071】
すなわち、照射時間が増えれば増えるほど、空間Sが発生し、乳剤層16が飛散するため、短い照射時間で、上限の10μmの凸量となるドットパターン16Aが最適であることがわかる。このため、9μm波長帯で6〜10μ秒の照射時間でドットパターン16Aを形成することで、製造時/ユーザー使用時、すなわち未現像/現像済に拘らず、また、Xレイフィルムの濃度の濃淡に拘らず、常に高い視認性を得ることができる。
【0072】
【発明の効果】
以上説明した如く本発明では、視認性を定量的に判断することができ、感光材料の本来の画質向上を維持し、ドットパターンの視認性を向上することができるという優れた効果を有する。
【0073】
また、上記効果に加え、視認性に大きく影響を及ぼすようなドットパターン形状が、当該ドットパターン形成時とその後の工程処理以降とで変化することのないという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係るマーキング装置の概略構成図である。
【図2】感光材料の断面図であり、(A)ドットパターン形成前、(B)はドットパターン形成後である。
【図3】ドットパターンによるマーキングパターン形成状態を示し、プリントロール近傍の拡大斜視図である。
【図4】搬送方向にカッティングラインを持つXレイフィルムの平面図である。
【図5】ドットパターンの断面図(顕微鏡観察図)である。
【図6】CO2レーザーを用いて、マーキング形状と照射エネルギーの関係を評価実験するために適用された実験装置の概略構成図である。
【図7】実験例におけるドットパターン形成直後のドットパターンの形状を示す評価図である。
【図8】実験例におけるドットパターン形成後に後処理(現像処理)した場合のドットパターンの形状を示す評価図である。
【符号の説明】
LB レーザービーム
10 マーキング装置
12 Xレイフィルム(感光材料)
14 PET(ベース層)
16 乳剤層
16A ドットパターン
16B 気泡
18 巻芯
20 第1のパスロール
22 第2のパスロール
24 プリントロール
26 ローラ対
28、30 小ローラ
32 サクションドラム
34 巻芯
36 巻取り制御装置
38 ロータリーエンコーダ
40 レーザー制御装置
42 マーキングヘッド
44 レーザー発振器(CO2レーザー)
46 光偏向器

Claims (7)

  1. ベース層の表面に乳剤層が形成された感光材料において、当該乳剤層に、レーザーからレーザービームを照射して、前記乳剤層を熱溶融変形させたドットパターンを形成すると共に、このドットパターンの組み合わせによって視認可能な文字又は記号を含むマーキングパターンを形成するレーザーマーキング方法であって、
    前記ドットパターンとして、未現像/現像済、或いは濃度の濃淡に区別なく視認性を高めるために前記感光材料の乳剤層の上面を基準として10μm以下の凸状ドットパターンを形成し、かつ当該凸の内部に直径1〜5μmの微細な気泡が多数形成されるようにレーザービームの照射時間を制御することを特徴とするレーザーマーキング方法。
  2. 前記ドットパターンを、ベース層と凸状のドットパターンが形成された乳剤層との境界に現像処理が行われたときに剥離する空間が存在しないように形成することを特徴とする請求項1記載のレーザーマーキング方法。
  3. 前記レーザーの発振波長を9.2μmから9.8μmに設定したことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のレーザーマーキング方法。
  4. 前記ドットパターンは、前記感光材料の乳剤層の上面を基準として5〜10μmの凸状であることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1項記載のレーザーマーキング方法
  5. ベース層の表面に乳剤層が形成され、前記乳剤層に、レーザーからレーザービームが照射されることで形成されるドットパターンの組み合わせによって視認可能な文字又は記号を含むマーキングパターンが形成された感光材料であって、
    前記ドットパターンが未現像/現像済、或いは濃度の濃淡に区別なく視認性を高めるために10μm以下の凸状に形成され、かつ当該凸の内部に直径1〜5μmの微細な気泡が多数形成された感光材料。
  6. 前記ドットパターンが、ベース層と凸状のドットパターンが形成された乳剤層との境界に現像処理が行われたときに剥離する空間が存在しないように形成されたことを特徴とする請求項5記載の感光材料。
  7. 前記ドットパターンは、5〜10μmの凸状であることを特徴とする請求項5又は請求項6記載の感光材料
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