JP2003251937A - マーキング方法、マーキング装置及び感光材料 - Google Patents

マーキング方法、マーキング装置及び感光材料

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JP2003251937A
JP2003251937A JP2002058519A JP2002058519A JP2003251937A JP 2003251937 A JP2003251937 A JP 2003251937A JP 2002058519 A JP2002058519 A JP 2002058519A JP 2002058519 A JP2002058519 A JP 2002058519A JP 2003251937 A JP2003251937 A JP 2003251937A
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Japan
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marking
laser
emulsion layer
layer
pattern
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JP2002058519A
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English (en)
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Keisuke Endo
惠介 遠藤
Hiroyuki Nishida
弘幸 西田
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Fujifilm Holdings Corp
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 感光材料へ熱溶融マーキングを行なう際に、
不必要な熱溶融部分をできるだけ小さく、かつマーキン
グした部分の視認性を向上する。 【解決手段】 乳剤層のみを熱溶融又は蒸散可能な波長
域である266nm〜1064nmの発振波長帯域を持
つYAGレーザーをレーザー発振器44として適用する
ことで、支持体であるPET層14に対して何ら影響を
与えることがなく、乳剤層16のみを熱溶融又は蒸散す
ることができる。PET層14に影響を与えないため、
PET層14に含まれる不純物の燃焼が抑えられ、また
PET層14の発熱が乳剤層16に伝導され、乳剤層1
6が過度に発熱することも防止できる。このため、乳剤
層16がマーキングしたい部分以外の変形を起こす要因
そのものをなくすことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、支持体上に素材が
積層された材料へ、レーザーから出力される光ビームを
照射して、文字、記号を含むマーキングパターンを熱溶
融又は蒸散加工によって形成するマーキング方法及びマ
ーキング装置、並びに前記マーキング方法によって形成
される感光材料に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】レーザ
ー光を利用して、材料の表面に文字、記号等をマーキン
グする技術として、例えば特開平10−305377号
公報(以下、先行技術という)には、レーザー加工状態
検出方法及びレーザー加工システムが開示されている。
【0003】この先行技術では、レーザー吸収性の異な
る樹脂フィルムを組み合わせた多層フィルムの一部分の
層のレーザー加工を行なう場合、例えば、包装袋などに
易開封性を付与するためのハーフカット加工(一部の層
のみを溶融させること)を挙げている。このとき、レー
ザーは多層樹脂フィルム表面の照射部分において最表層
が十分に溶融し、かつその下の層にまでは溶融が生じな
い程度の強度で照射することが必要とされている。
【0004】これを実現するために、表面の温度を非接
触で検出してこれに応じてレーザー出力を適切に制御す
ることで加工が可能とされている。
【0005】しかし、光のエネルギーに反応して発色す
る記録材料、特に感光材料の場合、表層である乳剤層が
十分に溶融してしまうようなレーザー強度では、不要な
熱被りや塵埃の燃焼による発光被りを起こすことがあ
る。また、こればかりでなく、余剰な蒸散物のフィルム
表面への付着によるスポット(白抜け)故障やフィルム
表面への擦過傷故障を発生させるといった二次トラブル
の発生が懸念される。
【0006】また、包装材料においては表面の温度測定
以外にも最終的な加工状態の良し悪しを目視による確認
することが可能であるが、感光材料においては、可視光
下での目視検査は材料の性質上不可能である。
【0007】また、目的とする加工形状が文字、記号、
バーコードの場合、照射位置が不定でかつ不連続である
ためにその表面温度を測定して出力を制御するという方
法は、装置が非常に複雑、大型化するため、採用でき
ず、出力を適宜変更しながらの加工は行なえないという
欠点があある。
【0008】本発明は上記事実を考慮し、感光材料へマ
ーキングを行なう際に、不必要な蒸散部分や熱溶融部分
をできるだけ小さく、かつマーキングした部分の視認性
を向上することができるマーキング装置及びマーキング
方法並びに感光材料を得ることが目的である。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、厚みが2〜30μmで照射するレーザーの波長での
吸収係数が500cm-1〜4000cm-1である素材
を、PEN、PET又はTACを含む支持体に積層した
材料へ、波長が266nm〜1064nmのレーザーを
照射して、マーキングパターンを形成するマーキング方
法。
【0010】請求項1記載の発明によれば、レーザーか
ら照射される光ビームの波長域は、266nm〜106
4nmであり、素材のみに高い吸収効率を持つため、支
持体にはほとんどエネルギーが与えられず、厚みが2〜
30μmで照射するレーザーの波長での吸収係数が50
0cm-1〜4000cm-1である素材のみに、この素材
を変形させるエネルギーが与えられる。
【0011】例えば、YAGレーザーは、基本波が10
64nm、第2高調波が532nm、第3高調波が35
5nm、第4高調波が266nmであり、この波長域で
は、支持体と素材との吸収効率をみると、支持体での吸
収効率が極めて低く、素材での吸収効率が極めて高いと
いう結果を得る。
【0012】例えば、素材側から光ビームを照射する
と、この光ビームは素材の表層からエネルギーを付与し
ていくため、この素材の表層部分が熱溶融又は蒸散加工
により変形する。
【0013】このとき、光ビームは、素材を透過し、支
持体へ至ることもあるが、支持体では、吸収がほとんど
起こらない。このため、支持体が熱溶融されたり蒸散さ
れることがないので、この支持体の熱による乳剤層への
影響もない。
【0014】また、支持体に含まれる不純物の燃焼や、
乳剤の過度の発熱によるマーキングしたい部分以外の変
形も生じ得ない。
【0015】請求項2に記載の発明は、前記請求項1に
記載の発明において、前記レーザーを短パルス高ピーク
出力制御し、前記素材を選択的に除去する蒸散加工によ
りマーキングパターンを形成することを特徴としてい
る。
【0016】請求項2に記載の発明によれば、マーキン
グパターンの形成を、蒸散加工により行う場合には、レ
ーザーを短パルス高ピーク出力制御すればよい。
【0017】請求項3に記載の発明は、前記請求項1記
載の発明において、前記レーザーを長時間パルス出力制
御し、前記素材を選択的に変質させる熱溶融によりマー
キングパターンを形成することを特徴としている。
【0018】請求項3に記載の発明によれば、マーキン
グパターンの形成を、熱溶融によって行う場合には、レ
ーザーを長時間パルス出力制御すればよい。
【0019】請求項4に記載の発明は、前記請求項1乃
至請求項3の何れか1項記載の発明において、前記素材
が乳剤層であり、前記材料が感光材料であることを特徴
としている。
【0020】請求項4に記載の発明によれば、Xレイフ
ィルム等の感光材料には、所定のマーキングを施す必要
があるが、未現像状態、ベタ現像情報、素現像状態の何
れであっても視認性がよいことに加え、マーキングによ
る塵埃の飛散、発火等による光被りを軽減することが好
ましく、本発明では、支持体に含まれる不純物の燃焼
や、乳剤の過度の発熱によるマーキングしたい部分以外
の変形も生じ得ない。このため、特に飛散する塵埃が少
なくなり材料として感光材料を対象とした場合に特異な
効果を得ることができる。
【0021】請求項5に記載の発明は、前記請求項1乃至
請求項4の何れか1項記載の発明において、マーキングパ
ターンが形成される素材の領域を、変色又は発色させる
ことを特徴としている。
【0022】請求項5に記載の発明によれば、マーキン
グパターンが形成された素材の領域を変色又は発色させ
ることで、視認性をさらに向上することができる。
【0023】請求項6に記載の発明は、支持体上に乳剤
層が塗膜された感光材料へ、レーザーから出力される光
ビームを照射して、文字、記号を含むマーキングパター
ンを熱溶融又は蒸散加工によって形成するマーキング装
置であって、前記レーザーが、前記乳剤層に高い吸収効
率を持つ、266nm〜1064nmの短波長域を持つ
YAGレーザーであり、前記支持体を熱溶融させず、前
記乳剤層のみを熱溶融又は蒸散加工可能な波長域の光ビ
ームを照射することを特徴としている。
【0024】請求項6に記載の発明によれば、レーザー
から照射される光ビームの波長域は、乳剤層のみに高い
吸収効率を持つため、支持体にはほとんどエネルギーが
与えられず、乳剤層のみに、この乳剤層を変形させるエ
ネルギーが与えられる。
【0025】例えば、乳剤層側から光ビームを照射する
と、この光ビームは乳剤層の表層からエネルギーを付与
していくため、この乳剤層の表層部分が熱溶融又は蒸散
加工により変形する。
【0026】このとき、光ビームは、乳剤層を透過し、
支持体へ至ることもあるが、支持体では、吸収がほとん
ど起こらない。このため、支持体が熱溶融されたり蒸散
されることがないので、この支持体の熱による乳剤層へ
の影響もない。
【0027】YAGレーザーは、基本波が1064n
m、第2高調波が532nm、第3高調波が355n
m、第4高調波が266nmであり、この波長域では、
支持体と乳剤層との吸収効率をみると、支持体での吸収
効率が極めて低く、乳剤層での吸収効率が極めて高いと
いう結果を得る。
【0028】請求項7に記載の発明は、前記請求項1乃
至請求項5の何れか1項記載のマーキング方法でマーキ
ングパターンが形成されたことを特徴としている。
【0029】請求項7に記載の発明によれば、乳剤層の
みに吸収効率のある光ビームでのマーキングパターンの
加工が施された感光材料では、マーキングしたい部分以
外の変形等の不具合を生じていることがなく、品質の高
い感光材料を得ることができる。
【0030】
【発明の実施の形態】図1には本実施の形態に係るマー
キング装置10の概略が示されている。
【0031】このマーキング装置10は、ロール状に巻
き取られた長尺のXレイフィルム(感光材料)12を搬
送する過程で、その表面にレーザービーム(光ビーム)
LBを照射して文字や記号等のマーキングパターンを加
工するものである。
【0032】図2に示される如く、Xレイフィルム12
は、支持体としてのPET(ポリエチレンテレフタレー
ト)層14と、このPET層14の一方の面に塗布され
た乳剤層16とで構成されている。
【0033】図1に示される如く、巻芯18には、前記
Xレイフィルム12が乳剤層16を外向きとしてロール
状に巻き取られており、その最外層から引き出されたX
レイフィルム12は、第1のパスロール20に巻き掛け
られて、進行方向左略直角方向に方向転換され、また、
第2のパスロール22に巻き掛けられて、進行方向右略
直角方向に方向転換され、プリントロール24へと至る
ようになっている。
【0034】プリントロール24に巻き掛けられた一部
が、レーザービームLBの照射位置として設定されてお
り、このプリントロール24により進行方向右略直角に
方向転換されたXレイフィルム12は、さらにローラ対
26に挟持され、かつ進行方向左略直角に方向転換され
る。
【0035】ローラ対26から巻き出されるXレイフィ
ルム12は、一対の小ローラ28、30によって略U字
型の搬送経路を形成している。この略U字型の搬送経路
には、サクションドラム32が配設されている。すなわ
ち、このサクションドラム32にXレイフィルム12が
巻き掛けられることで、略U字型の搬送経路を保持して
いる。
【0036】サクションドラム32は、外周面に複数の
小孔(図示省略)が設けられ、エア吸引によって巻き付
けられるXレイフィルム12を吸着保持し、かつ自重又
は図示しない付勢手段の付勢力で、図1の下方へ移動す
るようになっている。この移動に伴って、Xレイフィル
ム12には、バックテンションが付与されるため、前記
プリントロール24を通過するXレイフィルム12は、
プリントロール24と緊密に密着された状態が維持され
るようになっている。
【0037】下流側の小ローラ30を通過したXレイフ
ィルム12は、巻芯34に巻き取られて収容される。
【0038】前記巻芯18、34及びサクションドラム
32には、巻き取り制御装置36からの駆動信号で所定
の回転速度で回転するモータ等の駆動手段(図示省略が
備えられており、基本的には、同一の線速度で巻芯18
はXレイフィルム12を送り出し、巻芯34は、Xレイ
フィルム12を巻き取ると共に、サクションドラム32
がXレイフィルム12を吸着保持しながら回転するた
め、サクションドラム32の回転速度(線速度)がXレ
イフィルム12のプリントロール24での搬送速度と一
致するようになっている。
【0039】前記サクションドラム32には、ロータリ
エンコーダ38が取り付けられており、このサクション
ドラム32の回転状態をパルス発振によって検出するこ
とができるようになっている。
【0040】このロータリエンコーダ38の出力信号端
はレーザー制御装置40へ接続されている。
【0041】レーザー制御装置40は、前記プリントロ
ール24上でのレーザービームLBを照射するためのマ
ーキングヘッド42を制御する。
【0042】マーキングヘッド42は、その先端部であ
るレーザービームLB出射口が前記プリントロール24
に対向して配設されている。
【0043】マーキングヘッド42は、レーザー発振器
44と、図示しない集光レンズを含むビーム偏向器46
とから構成されている。
【0044】本実施の形態に適用されるレーザー発振器
44はYAGレーザーであり、レーザー制御装置40か
らの駆動信号に基づいて、所定のタイミングで一定の発
振波長のレーザービームLBを一定の時間幅(パルス
幅)で出射する。
【0045】ビーム偏向器46は、例えば、AOD(音
響光学装置)からなり、レーザー制御装置40からの偏
向信号によりレーザービームLBをXレイフィルム12
の搬送方向と直交する方向に走査する機能を有してい
る。なお、走査された各レーザービームLBは集光レン
ズによってXレイフィルム12上で所定のスポット径の
焦点を結ぶように結像する。
【0046】レーザー制御装置40には、前記Xレイフ
ィルム12に記録すべきマーキングパターン(文字や記
号)に対応したパターン信号が巻き取り制御装置36か
ら入力されている。このため、レーザー制御装置40
は、ロータリーエンコーダ38からの搬送パルスに基づ
いてXレイフィルム12の搬送長を監視しながら、パタ
ーン信号に基づいてレーザー発振器(YAGレーザー)
44に駆動信号を送ってレーザービームLBを照射し、
また、ビーム偏向器46に偏向信号を送って、レーザー
ビームLBを走査する。
【0047】これにより、図3に示される如く、ビーム
偏向器46によるレーザービームLBの走査方向を主走
査方向とし、Xレイフィルム12の搬送方向を副走査方
向として、マーキングパターン(ここでは、アルファベ
ット)が5×5ドットでマーキングされるようになって
いる。
【0048】なお、図4に示される如く、Xレイフィル
ム12が長手方向にカット(カットラインを鎖線で示
す)されてシート状のXレイフィルム12を形成する場
合には、このカッティングラインを挟んで両サイドに天
地の向きが逆となったマーキングパターンを形成するこ
とも可能である。
【0049】ここで、前記YAGレーザーは、基本波長
が1064nm、第2高調波が532nm、第3高調波
が355nm、第4高調波が266nm(266nm〜
1064nm)という、比較的短波長域に分類されるも
のである。
【0050】この短波長域のレーザービームLBは、P
ET層14と乳剤層16との吸収効率をみると、PET
層14での吸収効率が極めて低く、乳剤層16での吸収
効率が極めて高いという結果を得ることができる。この
ため、上記波長域のレーザービームLBがXレイフィル
ム12に照射された場合、熱溶融又は蒸散等の影響(変
形)を受けるのは、乳剤層16のみとなる。
【0051】従って、Xレイフィルム12の乳剤層16
にレーザービームLBが照射されると、そのエネルギー
は乳剤層16の表面でほとんど吸収し、熱溶融又は蒸散
によって変形加工(凹陥)された痕跡がドットパターン
となる。すなわち、この変形加工された部分が他の面に
対して反射率、拡散度合い等が異なるため、その光の反
射状態により目視可能なドットパターンとなって現れる
ようになる。
【0052】このようなドットパターンの配列で表現さ
れるマーキングパターンを高品質で形成するためには、
ドットパターンの個々の直径をほぼ一定に揃え、またX
レイフィルム12の搬送速度が一定に保たれる位置でレ
ーザービームLBを照射する必要がある。
【0053】そこで、Xレイフィルム12がプリントロ
ール24に巻き掛けられることで、マーキングヘッド4
2との間隔を一定に保持している。さらに、Xレイフィ
ルム12は、サクションドラム32によって吸着保持
し、このサクションドラム32の線速度と一致するプリ
ントロール24の位置でレーザービームLBの照射を行
っている。
【0054】以下に本実施の形態の作用を説明する。
【0055】巻き取り制御装置36から駆動信号を出力
すると、巻芯18がXレイフィルム12の巻き出しを開
始し、巻芯34がXレイフィルム12の巻き取りを開始
する。
【0056】一方、サクションドラム32では、エア吸
引が開始されることで、巻き掛けられているXレイフィ
ルム12を吸着保持すると共に前記巻芯18、34の線
速度とほぼ同一の線速度で回転駆動する。
【0057】ここで、巻芯18、34では、巻径が連続
的に変化するため、線速度を一定に保持するのは困難で
あり、その結果、Xレイフィルム12に搬送中に緊張や
弛みが生じることがある。しかし、サクションドラム3
2では、エア吸着によってXレイフィルム12を確実に
保持しているため、サクションドラム32では、Xレイ
フィルム12の滑りはない。また、サクションドラム3
2は、自重又は付勢手段の付勢力でXレイフィルム12
にテンションを付与している。
【0058】このため、サクションドラム32の線速度
が、Xレイフィルム12の搬送系の基準となる線速度と
なり、プリントロール24上でのXレイフィルム12の
搬送線速度は、サクションドラム32の線速度と一致す
る。
【0059】このサクションドラム32の回転状態をロ
ータリーエンコーダ38によって検出し、その検出結果
(搬送パルス)は、レーザー制御装置40へ送られる。
【0060】レーザー制御装置40に、巻き取り制御装
置36から前記Xレイフィルム12に記録すべきマーキ
ングパターン(文字や記号)に対応したパターン信号が
入力されると、前記ロータリーエンコーダ38からの搬
送パルスに基づいてXレイフィルム12の搬送長を監視
しながら、パターン信号に基づいてレーザー発振器(Y
AGレーザー)44に駆動信号を送ってレーザービーム
LBを照射し、また、ビーム偏向器46に偏向信号を送
って、レーザービームLBを走査する。
【0061】この走査は、ビーム偏向器46によるレー
ザービームLBの走査方向が主走査方向となり、Xレイ
フィルム12の搬送方向が副走査方向となり、5×5ド
ットでマーキングされる。
【0062】ここで、本実施の形態でレーザー発振器と
して適用されたYAGレーザーは、発振波長域が266
nm〜1064nmであり、比較的短波長域に分類され
るものである。
【0063】この短波長域のレーザービームLBは、乳
剤層のみを熱溶融又は蒸散可能である。これを図式化す
ると、図5に示される如く、PET層14はそのまま残
り、乳剤層16のみが熱溶融又は蒸散されて凹陥部16
Aが形成されているのがわかる。この凹陥部16Aのエ
ッジは非常に明瞭であり、乳剤層16の表層面と、凹陥
部分の底面との間の光の反射率の差をこのエッジ部分で
はっきりさせることができ、視認性の高いマーキングパ
ターンを得ることができる。
【0064】また、上記乳剤層のみを熱溶融又は蒸散と
いう言い方を換言すると、乳剤層16を透過する一部の
レーザービームLBがPET層14へ至ったとしても、
このPET層14では、ほとんどエネルギーが吸収され
ないため、発熱も起きない。従って、PET層14に含
まれる不純物が燃焼したり、PET層14が発熱して、
その熱が乳剤層16を加熱するようなことがなく、乳剤
層16の過度の発熱を防止することができる。
【0065】このように、不純物の燃焼や乳剤層16の
過度の発熱を防止することで、Xレイフィルム12自体
のマーキングしたい部分以外の変形を防止することがで
き、品質の高い感光材料を得ることができる。
【0066】以上説明したように、本実施の形態では、
乳剤層のみを熱溶融又は蒸散可能な波長域である266
nm〜1064nmの発振波長帯域を持つYAGレーザ
ーをレーザー発振器44として適用することで、支持体
であるPET層14に対して何ら影響を与えることがな
く、乳剤層16のみを熱溶融又は蒸散することができ
る。PET層14に影響を与えないため、PET層14
に含まれる不純物の燃焼が抑えられ、またPET層14
の発熱が乳剤層16に伝導され、乳剤層16が過度に発
熱することも防止できる。このため、乳剤層16がマー
キングしたい部分以外の変形を起こす要因そのものをな
くすことができる。
【0067】なお、本実施の形態では、レーザービーム
LBを光偏向器46で主走査し、Xレイフィルム12の
搬送で副走査することで、5×5のドットパターンでマ
ーキングパターンを形成するようにしたが、このような
走査によるマーキングパターン形成に限らず、YAGレ
ーザーから照射される光(拡散光又は平行光)を所定の
マスクパターンが型抜きされたマスクプレートを介して
Xレイフィルム12上にマスクプレート上のパターンを
形成するようにしてもよい。
【0068】図6(A)は、前記実施の形態で説明した
ドットパターンによるマーキングパターンを示してお
り、図6(B)は連続線描写文字のマーキングパターン
例、図6(C)はバーコード描写(一次元)のマーキン
グパターン例、図6(D)はバーコード描写(二次元)
のマーキングパターン例であり、図6(B)乃至(D)
においては、マスクプレートを用いることで形成可能で
ある。
【0069】また、本実施の形態では、レーザービーム
LBを乳剤層16側から照射し、その主に乳剤層16の
表面を熱溶融又は蒸散して、マーキングパターンを形成
したが、図7に示される如く、PET層14側からレー
ザービームを照射するようにしてもよい。これは、YA
Gレーザーを用いた場合にのみ適用可能なマーキング形
態であり、PET層14を透過する際にPET層14で
は、吸収効率がほとんどないため、最初にエネルギーを
吸収するのは、乳剤層16の下面、すなわちPET層1
4との境界部分となる。
【0070】この境界部分の乳剤層16が変形すると、
その周囲とは変形領域の組成が変わり光の反射率が変化
するため、乳剤層16の表面側から見たときに、確実に
マーキングパターンとして視認することができる。
【0071】また、このように乳剤層16の下面をター
ゲットとして熱溶融又は蒸散することで、上記実施の形
態のように、乳剤層16の表面の熱溶融又は蒸散により
わずかに起こり得る乳剤層16の飛散を全くなくすこと
ができる。
【0072】また、本実施の形態では、マーキングパタ
ーンとして、熱溶融又は蒸散加工によって変形させるよ
うにしたが、この変形に加え、変形部分及び/又はその
周辺の領域を変色又は発色させるようにしてもよい。す
なわち、周囲との色の変化による識別を加えることで、
変形による反射率の差で視認するよりも、乳剤層16の
現像による発色状態によっては、さらに視認性を向上す
ることができる。
【0073】なお、上記では、支持体としてPET層1
4を適用したが、材質としては、PEN(ポリエチレン
ナフタレート)やTAC(トリアセチルセルロース)で
あってもよい。
【0074】
【実験例】図8には、YAGレーザーをレーザー発振器
44として適用した場合のマーキング形状と照射エネル
ギーの関係を得るために実験装置50である。
【0075】この実験装置50では、レーザービームL
Bの走査が不要であるため、レーザー制御装置40によ
り駆動制御されるレーザー発振器(YAGレーザー)4
4の出射端にメカシャッタ52、集光レンズ54が配設
され、Xレイフィルム12の代わりに評価用サンプル5
6を入れ替え、或いは平面移動させて、この評価用サン
プル56に形成されるマーキング形状を観察した。
【0076】このときに照射するパルス幅及びパルスエ
ネルギー(最大値)は、以下の2種類(短パルス照射、
長パルス照射)で行った。
【0077】
【表1】
【0078】実験条件は以下の通りである。 Nd:YAGレーザー パルスエネルギー最大180mJ 繰り返し周波数:シングル〜10Hz 波長:基本波長1064nm、第2高調波532nm、
第3高調波355nm、第4高調波266nm 照射スポット径:540μm また、評価サンプル56は、約175μmの肉厚寸法の
PETに、厚さ2〜30μmの乳剤を塗布したものを適
用した(表2参照)。
【0079】
【表2】
【0080】上記実験装置50において、この実験条件
に基づき行った実験結果は以下の表3及び表4に示す通
りである。
【0081】なお、表3及び表4における、記号は以下
の意味を持つ。 〇:マークが視線の方向によらず明瞭に確認できる。 △:その存在が確認できるものの、視線の方向によって
は確認しにくくなる。 ×:一瞥ではその存在の確認が困難 形状評価A乃至Fは、図9のパターン分類による。
【0082】
【表3】
【0083】
【表4】
【0084】
【発明の効果】以上説明した如く本発明では、感光材料
へ熱溶融マーキングを行なう際に、不必要な熱溶融部分
をできるだけ小さく、かつマーキングした部分の視認性
を向上することができるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係るマーキング装置の概略構成
図である。
【図2】感光材料の断面図である。
【図3】ドットパターンによるマーキングパターン形成
状態を示し、プリントロール近傍の拡大斜視図である。
【図4】搬送方向にカッティングラインを持つXレイフ
ィルムの平面図である。
【図5】 YAGレーザーによって形成されるマーキン
グパターン(凹陥部分)の断面図である。
【図6】YAGレーザーを用いて形成可能なマーキング
パターンの例を示す正面図であり、(A)はドットパタ
ーン(走査方式)、(B)は連続描画パターン(マスク
プレート方式)、(C)は一次元バーコードパターン
(マスクプレート方式)、(D)は二次元バーコードパ
ターン(マスクプレート方式)である。
【図7】変形例に係り、YAGレーザーからのレーザー
ビームLBをPET側から照射した場合の乳剤層に発生
する熱溶融または蒸散部位を示す断面図である。
【図8】YAGレーザーを用いて、マーキング形状と照
射エネルギーの関係を評価実験するために適用された実
験装置の概略構成図である。
【図9】実験例における形状評価の各パターンA乃至F
を示す断面図である。
【符号の説明】
LB レーザービーム 10 マーキング装置 12 Xレイフィルム(感光材料) 14 PET(支持体) 16 乳剤層 18 巻芯 20 第1のパスロール 22 第2のパスロール 24 プリントロール 26 ローラ対 28、30 小ローラ 32 サクションドラム 34 巻芯 36 巻取り制御装置 38 ロータリーエンコーダ 40 レーザー制御装置 42 マーキングヘッド 44 レーザー発振器(YAGレーザー) 46 光偏向器

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 厚みが2〜30μmで照射するレーザー
    の波長での吸収係数が500cm-1〜4000cm-1
    ある素材を、PEN、PET又はTACを含む支持体に
    積層した材料へ、波長が266nm〜1064nmのレ
    ーザーを照射して、マーキングパターンを形成するマー
    キング方法。
  2. 【請求項2】 前記レーザーを短パルス高ピーク出力制
    御し、前記素材を選択的に除去する蒸散加工によりマー
    キングパターンを形成することを特徴とする請求項1記
    載のマーキング方法。
  3. 【請求項3】 前記レーザーを長時間パルス出力制御
    し、前記素材を選択的に変質させる熱溶融によりマーキ
    ングパターンを形成することを特徴とする請求項1記載
    のマーキング方法。
  4. 【請求項4】 前記素材が乳剤層であり、前記材料が感
    光材料であることを特徴とする請求項1乃至請求項3の
    何れか1項記載のマーキング方法。
  5. 【請求項5】 マーキングパターンが形成される素材の
    領域を、変色又は発色させることを特徴とする請求項1
    乃至請求項4の何れか1項記載のマーキング方法。
  6. 【請求項6】 支持体上に乳剤層が塗膜された感光材料
    へ、レーザーから出力される光ビームを照射して、文
    字、記号を含むマーキングパターンを熱溶融又は蒸散加
    工によって形成するマーキング装置であって、 前記レーザーが、前記乳剤層に高い吸収効率を持つ、2
    66nm〜1064nmの短波長域を持つYAGレーザ
    ーであり、前記支持体を熱溶融させず、前記乳剤層のみ
    を熱溶融又は蒸散加工可能な波長域の光ビームを照射す
    ることを特徴とするマーキング装置。
  7. 【請求項7】 前記請求項1乃至請求項5の何れか1項
    記載のマーキング方法でマーキングパターンが形成され
    たことを特徴とする感光材料。
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