JP3816414B2 - レーザーマーキング方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、支持体の表面に乳剤層が設けられた感光材料に対して、レーザーからレーザービームを照射すると共に、前記感光材料の所定位置にドットパターンを形成し、当該ドットパターンの組み合わせによって視認可能な文字又は記号を含むマーキングパターンを形成するレーザーマーキング方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
レーザー光を利用して、材料の表面に文字、記号等をマーキングする技術として、例えば特開平10−305377号公報(以下、先行技術1という)には、レーザー加工状態検出方法及びレーザー加工システムが開示されている。
【0003】
この先行技術1では、レーザー吸収性の異なる樹脂フィルムを組み合わせた多層フィルムの一部分の層のレーザー加工を行なう場合、例えば、包装袋などに易開封性を付与するためのハーフカット加工(一部の層のみを溶融させること)を挙げている。
【0004】
また、Xレイフィルム等の感光材料へレーザービームを照射して感光材料の表面に熱被りや変形によってマーキングを施す技術としては、特許第3191201号公報(以下、先行技術2という)に記載された技術が提案されている。
【0005】
この先行技術2では、視認性を高めるための熱被り又は変形を施すべく、1ドット当りのレーザー照射時間(パルス幅)を少なくとも30μsec以上に設定している。
【0006】
しかしながら、感光材料を高速で搬送させる場合、1ドット当りのレーザー照射時間を充分とることができないという問題が生じる。
【0007】
図7(A)に示される如く、5×5(=25ドット)のドットマトリクスで1文字を形成する場合(図7(A)では、全て黒ベタで記載)、この1文字の領域を1.8mm、トット径が200μmとすると、実際には、照射時間が足りず、ドットが流れてしまう。図7(B)には、ドット100μm流れた場合を示しており、結果として、流れている間常に照射されている領域(重なり領域)のみパターンが形成されることになる。
【0008】
すなわち、感光材料の搬送速度の高速化を図ると、現状の照射時間では、適正なドットパターンが形成されず、高速化が制限されてしまうという問題点がある。
【0009】
仮に、上記100μm流れるまでを許容範囲とした場合、照射時間と感光材料の搬送速度との関係は、図8に示される如く、従来の30μsecでは、200m/minが限度となる。
【0010】
ここで、例えば、レーザービームを主走査しながら、かつ同時に感光材料を副走査する系において、主走査方向(レーザー走査方向)に5ドット、副走査方向(感光材料搬送方向)に5ドット(5×5=25ドット)のドットマトリクスで1文字を形成する場合、この1字の領域を1.8mmとすると、1ドット当りの照射可能時間tは、以下の式で表すことができる。
1ドット当りの照射可能時間=1文字分の走査幅/(ライン速度×1文字分のドット数)
例えば、現状のライン速度を200m/minとすると、
t=(1.8mm)/{(200m/min)×25}
単位を合わせると、
t=(1.8×1000×60000)/(200×1000×25)
=108000000/5000000
=21.6μsec
上記の計算の如く、必要なレーザー照射時間が得られない結果となる。さらに、1回の主走査で2文字分のドットマトリクスを形成する場合には、さらにその半分である10.8μsecの照射時間しか確保することができない。
【0011】
逆に、この2文字分のドットマトリクスを形成する場合に、前記先行技術2の30μsecで実行する場合、ライン速度が80m/minに制限されてしまう。なお、1文字分のドットマトリクスであっても、160m/minに制限されることになる。
【0012】
このため、上記以上にライン速度を上げるためには、ドットマトリクスを構成する1文字分のドット数を減少させなければならず、視認性の妨げとなるばかりか、最悪は判別できない文字や記号となる可能性がある。なお、レーザーの強度は許容される最大としており、これ以上の強度アップは、乳剤層の塵埃の発光による光被り等が生じ、強度アップによる調整はできない。
【0013】
本発明は上記事実を考慮し、レーザー照射時間によって生産ライン速度が制限されることなく、かつ乳剤層に悪影響を与えることなく、しかも、光学的に識別し易いドットパターンの配列によってマーキングパターンを形成することができるレーザーマーキング方法を得ることが目的である。
【0014】
【課題を解決するための手段】
発明は、支持体の表面に乳剤層が設けられた感光材料に対して、レーザー発振波長が9.2μmから9.8μmの範囲に設定されたCO レーザーからレーザービームを照射すると共に、前記感光材料及びレーザービームを相対的に走査しつつ前記感光材料の所定位置にドットパターンを形成し、当該ドットパターンの組み合わせによって視認可能な文字又は記号を含むマーキングパターンを形成するレーザーマーキング方法であって、前記走査により各ドットパターンを形成するためのレーザービームの前記マーキングパターンの領域における前記感光材料の移動速度によって演算される6μ sec 以上25μ sec 以下の照射可能時間で感光材料上に照射されるレーザービームの照射範囲内に視認可能なドットパターンを形成するために、前記各ドットパターンへのレーザービームの前記照射可能時間に基づいて、レーザー発振波長を9.2μmから9.8μmの範囲内から選択することを特徴としている。
【0015】
請求項1記載の発明によれば、レーザーの発振波長により、同一の照射時間であっても、乳剤層への影響(熱吸収効率)が異なる。このため、レーザー発振波長を照射可能時間に基づいて選択することで、目標とする生産ライン速度を確保することができる。
【0016】
発明は前記レーザービームの照射可能時間が、前記マーキングパターンの領域における前記感光材料の移動速度によって演算されることを特徴としている。
【0017】
発明によれば、レーザーの照射可能時間は、マーキングパターンの領域における前記感光材料の移動速度によって演算され、最終的には乳剤層の吸収特性、前記乳剤層の厚さ、支持体の種類等からレーザーの発振波長が選択されることになる。このように、様々なファクタを勘案してレーザーの発振波長を選択するという概念は従来になく、仮に選択された発振波長が従来と同等の発振波長であったとしても、その作用効果は全く異なる。
【0018】
発明は前記感光材料が支持体としてのPET層の表面に乳剤層が設けられた感光材料であることを特徴としている。
【0019】
発明によれば、複数のドットパターンにより所定の領域内にマトリクス状のドットパターンを形成し、これをマーキングパターンとする際、レーザービームの発振源をCO2レーザーとし、かつこのCO2レーザーの発振波長を9.2μmから9.8μmに設定した。
【0020】
このCO2レーザーの9.2μmから9.8μmの発振波長は、市販されているCO2レーザーの発振波長(10.6μm程度)とは異なり、一般的に汎用されている波長域ではない。しかし、この波長域を選択することで、照射時間を10μsec未満で視認性の高いドットパターンを形成することを見出した。
【0021】
発明は、前記1ドットパターンあたりのフルエンスが0.9J/cm2以上4.0J/cm2以下の範囲で使用可能であることを特徴としている。
【0022】
発明によれば、CO2レーザーの9.2μmから9.8μmの発振波長そのものにおいて1ドットパターンあたりのフルエンスが0.9J/cm2以上4.0J/cm2以下の範囲で使用可能となる。この範囲であれば、マーキングパターンの視認性が確保でき、かつ光被りが生じることはない。
【0023】
発明は前記感光材料及びレーザービームを相対的に主走査及び副走査することで所定の領域にドットパターンを形成し、当該ドットパターンの組み合わせによって、前記視認可能な文字又は記号を含むマーキングパターンを形成することを特徴としている。
【0024】
発明によれば、レーザービームを主走査することで、1本のCO2レーザーで複数のドットを形成することができ、さらに感光材料を副走査することで、マトリクス状のドットパターンで視認可能なマーキングパターンを形成することができる。
【0025】
ここで、9.2μmから9.8μmの発振波長のCO2レーザーにおいては、例えば、従来技術の項で説明した主走査方向に2文字分(1文字が5×5ドット)のマーキングパターンを形成するに当り、240m/minのライン速度を達成することができる。なお、主走査方向に1文字分であれば、480m/minのライン速度となる。
【0026】
【発明の実施の形態】
図1には本実施の形態に係るマーキング装置10の概略が示されている。
【0027】
このマーキング装置10は、ロール状に巻き取られた長尺のXレイフィルム(感光材料)12を搬送する過程で、その表面にレーザービーム(光ビーム)LBを照射して文字や記号等のマーキングパターンを加工するものである。
【0028】
図2に示される如く、Xレイフィルム12は、支持体としてのPET(ポリエチレンテレフタレート)層14と、このPET層14の一方の面に塗布された乳剤層16とで構成されている。
【0029】
図1に示される如く、巻芯18には、前記Xレイフィルム12が乳剤層16を外向きとしてロール状に巻き取られており、その最外層から引き出されたXレイフィルム12は、第1のパスロール20に巻き掛けられて、進行方向左略直角方向に方向転換され、また、第2のパスロール22に巻き掛けられて、進行方向右略直角方向に方向転換され、プリントロール24へと至るようになっている。
【0030】
プリントロール24に巻き掛けられた一部が、レーザービームLBの照射位置として設定されており、このプリントロール24により進行方向右略直角に方向転換されたXレイフィルム12は、さらにローラ対26に挟持され、かつ進行方向左略直角に方向転換される。
【0031】
ローラ対26から巻き出されるXレイフィルム12は、一対の小ローラ28、30によって略U字型の搬送経路を形成している。この略U字型の搬送経路には、サクションドラム32が配設されている。すなわち、このサクションドラム32にXレイフィルム12が巻き掛けられることで、略U字型の搬送経路を保持している。
【0032】
サクションドラム32は、外周面に複数の小孔(図示省略)が設けられ、エア吸引によって巻き付けられるXレイフィルム12を吸着保持し、かつ自重又は図示しない付勢手段の付勢力で、図1の下方へ移動するようになっている。この移動に伴って、Xレイフィルム12には、バックテンションが付与されるため、前記プリントロール24を通過するXレイフィルム12は、プリントロール24と緊密に密着された状態が維持されるようになっている。
【0033】
下流側の小ローラ30を通過したXレイフィルム12は、巻芯34に巻き取られて収容される。
【0034】
前記巻芯18、34及びサクションドラム32には、巻き取り制御装置36からの駆動信号で所定の回転速度で回転するモータ等の駆動手段(図示省略が備えられており、基本的には、同一の線速度で巻芯18はXレイフィルム12を送り出し、巻芯34は、Xレイフィルム12を巻き取ると共に、サクションドラム32がXレイフィルム12を吸着保持しながら回転するため、サクションドラム32の回転速度(線速度)がXレイフィルム12のプリントロール24での搬送速度と一致するようになっている。
【0035】
前記サクションドラム32には、ロータリエンコーダ38が取り付けられており、このサクションドラム32の回転状態をパルス発振によって検出することができるようになっている。
【0036】
このロータリエンコーダ38の出力信号端はレーザー制御装置40へ接続されている。
【0037】
レーザー制御装置40は、前記プリントロール24上でのレーザービームLBを照射するためのマーキングヘッド42を制御する。
【0038】
マーキングヘッド42は、その先端部であるレーザービームLB出射口が前記プリントロール24に対向して配設されている。
【0039】
マーキングヘッド42は、レーザー発振器44と、図示しない集光レンズを含むビーム偏向器46とから構成されている。
【0040】
本実施の形態に適用されるレーザー発振器44はCO2レーザーであり、レーザー制御装置40からの駆動信号に基づいて、所定のタイミングで一定の発振波長のレーザービームLBを一定の時間幅(パルス幅)で出射する。
【0041】
ビーム偏向器46は、例えば、AOD(音響光学装置)からなり、レーザー制御装置40からの偏向信号によりレーザービームLBをXレイフィルム12の搬送方向と直交する方向に走査する機能を有している。なお、走査された各レーザービームLBは集光レンズによってXレイフィルム12上で所定のスポット径の焦点を結ぶように結像する。
【0042】
レーザー制御装置40には、前記Xレイフィルム12に記録すべきマーキングパターン(文字や記号)に対応したパターン信号が巻き取り制御装置36から入力されている。このため、レーザー制御装置40は、ロータリーエンコーダ38からの搬送パルスに基づいてXレイフィルム12の搬送長を監視しながら、パターン信号に基づいてレーザー発振器(CO2レーザー)44に駆動信号を送ってレーザービームLBを照射し、また、ビーム偏向器46に偏向信号を送って、レーザービームLBを走査する。
【0043】
これにより、図3に示される如く、ビーム偏向器46によるレーザービームLBの走査方向を主走査方向とし、Xレイフィルム12の搬送方向を副走査方向として、マーキングパターン(ここでは、アルファベット)MPが5×5ドットでマーキングされるようになっている。
【0044】
なお、図4に示される如く、Xレイフィルム12が長手方向にカット(カットラインを鎖線で示す)されてシート状のXレイフィルム12を形成する場合には、このカッティングラインを挟んで両サイドに天地の向きが逆となったマーキングパターンMPを形成することも可能である。
【0045】
このようなドットパターンの配列で表現されるマーキングパターンMPを高品質で形成するためには、ドットパターンの個々の直径をほぼ一定に揃え、またXレイフィルム12の搬送速度が一定に保たれる位置でレーザービームLBを照射する必要がある。
【0046】
そこで、Xレイフィルム12がプリントロール24に巻き掛けられることで、マーキングヘッド42との間隔を一定に保持している。さらに、Xレイフィルム12は、サクションドラム32によって吸着保持し、このサクションドラム32の線速度と一致するプリントロール24の位置でレーザービームLBの照射を行っている。
【0047】
ここで、本実施の形態では、前記CO2レーザーの発振波長として、9μm帯(実用範囲9.2μm〜9.8μm)のものが適用されている。
【0048】
この選択は、照射時間を一定とした状態で、上記9μm帯から汎用されている10μm帯までの発振波長で視認性をテストした結果によるものであり、この結果を表1に示す。なお、この発振波長視認性テストを行う実験装置については、後述する実験例で詳細に説明し、ここでは、結果のみを示す。
【0049】
【表1】
Figure 0003816414
【0050】
この発振波長の範囲指定は、Xレイフィルム12の搬送速度(ライン速度)、1文字を構成するドットマトリクスのドット数(縦×横)、主走査方向に並ぶ文字数によって得られる、1ドットに必要な照射時間の制限から定められている。
【0051】
すなわち、ライン速度と1ドット照射時間との間には、一定の関係があり、これをグラフ化すると、図5に示す特性図を得ることができる。この特性図は、前記5×5(=25)ドットで1文字としたマトリクスパターンが、主走査方向に2文字配列された場合である。
【0052】
ここで、照射時間に、発振波長の違いによる適正な領域が存在することを確認するために、9μm帯(ここでは、代表例として9.2μm、9.3μm、9.6μm、9.8μm)と、10μm帯(ここでは、代表例として10.6μm)を適用して、照射時間を変えた照射テストを行った結果を表2に示す。なお、この照射テストを行う実験装置については、後述する実験例で詳細に説明し、ここでは、結果のみを示す。
【0053】
【表2】
Figure 0003816414
【0054】
この表2からわかるように、10.6μmの発振波長では、30secの照射時間がないと、視認性が確保できないため、図5の特性図に当てはめると、70m/min程度のライン速度しか見込めない。
【0055】
これに対して、9.2μm、9.3μm、9.6μm、9.8μmの発振波長では、6μsecの照射時間であっても視認性を維持できることがわかる。すなわち、図5の特性図では、300m/min超のライン速度でも処理が可能であることがわかる。
【0056】
以下に本実施の形態の作用を説明する。
【0057】
巻き取り制御装置36から駆動信号を出力すると、巻芯18がXレイフィルム12の巻き出しを開始し、巻芯34がXレイフィルム12の巻き取りを開始する。
【0058】
一方、サクションドラム32では、エア吸引が開始されることで、巻き掛けられているXレイフィルム12を吸着保持すると共に前記巻芯18、34の線速度とほぼ同一の線速度で回転駆動する。
【0059】
ここで、巻芯18、34では、巻径が連続的に変化するため、線速度を一定に保持するのは困難であり、その結果、Xレイフィルム12に搬送中に緊張や弛みが生じることがある。しかし、サクションドラム32では、エア吸着によってXレイフィルム12を確実に保持しているため、サクションドラム32では、Xレイフィルム12の滑りはない。また、サクションドラム32は、自重又は付勢手段の付勢力でXレイフィルム12にテンションを付与している。
【0060】
このため、サクションドラム32の線速度が、Xレイフィルム12の搬送系の基準となる線速度となり、プリントロール24上でのXレイフィルム12の搬送線速度は、サクションドラム32の線速度と一致する。
【0061】
このサクションドラム32の回転状態をロータリーエンコーダ38によって検出し、その検出結果(搬送パルス)は、レーザー制御装置40へ送られる。
【0062】
レーザー制御装置40に、巻き取り制御装置36から前記Xレイフィルム12に記録すべきマーキングパターン(文字や記号)に対応したパターン信号が入力されると、前記ロータリーエンコーダ38からの搬送パルスに基づいてXレイフィルム12の搬送長を監視しながら、パターン信号に基づいてレーザー発振器(CO2レーザー)44に駆動信号を送ってレーザービームLBを照射し、また、ビーム偏向器46に偏向信号を送って、レーザービームLBを走査する。
【0063】
この走査は、ビーム偏向器46によるレーザービームLBの走査方向が主走査方向となり、Xレイフィルム12の搬送方向が副走査方向となり、5×5ドットでマーキングされる。
【0064】
ここで、本実施の形態でレーザー発振器として適用されたCO2レーザーは、発振波長が9μm帯(実用範囲は9.2μm〜9.8μm)のものが適用されている。この発振波長帯を用いることで、CO2レーザーで汎用されている10.6μmの発振波長に比べて、短い照射時間で同等の視認性を得ることができる(表1参照)。この照射時間の短縮は、Xレイフィルム12の搬送速度、すなわちライン速度に寄与するため、生産効率を高めることができる。
【0065】
すなわち、ライン速度200m/minでXレイフィルム12を搬送しながら、Xレイフィルム12上に主走査方向に2文字分のドットパターンを形成する場合には、1ライン10ドットの主走査ラインが5本(副走査)必要となり、合計50ドット形成する必要となる(図7参照)。
【0066】
これを、1ドット当りの照射時間を得る演算式(1文字分の走査幅/(ライン速度×1文字分のドット数))に当てはめると、
t=(1.8mm)/{(200m/min)×50}
t=(1.8×1000×60000)/(200×1000×50)
=108000000/10000000
=10.8μsec
得られた照射時間は、従来の10.6μmの発振波長では、到底200m/minのライン速度を実現することはできない。
【0067】
しかし、本実施の形態で適用した9μm帯では、視認性を良好状態で維持しつつ、充分に200m/minのライン速度に対応することができる。
【0068】
以上説明したように、本実施の形態では、Xレイフィルム12上にレーザービームの走査によってドットを形成し、このドットを5×5(=25)のマトリクス状に配列して構成するマーキングパターンを得る場合に、レーザー発振器として9μm帯の発振波長のCO2レーザーを適用した。これにより、200m/minのライン速度でXレイフィルム12を搬送しながら、主走査方向に2文字分のマトリクスパターンを形成していく上で、視認性を充分に確保することができる。
【0069】
なお、本実施の形態では、マーキングパターンとして、熱溶融又は蒸散加工によって変形させるようにしたが、この変形に加え、変形部分及び/又はその周辺の領域を変色又は発色させるようにしてもよい。すなわち、周囲との色の変化による識別を加えることで、変形による反射率の差で視認するよりも、乳剤層16の現像による発色状態によっては、さらに視認性を向上することができる。
【0070】
また、本実施の形態では、レーザー発振器(CO2レーザー)44を主走査しながら、Xレイフィルム12を副走査する系を例に挙げたが、前記主走査方向に複数のレーザー発振器(CO2レーザー)を配列し、これを同時に照射した状態でXレイフィルム12を搬送する系においても適用可能である。この場合、ドットがXレイフィルム12の搬送によって流れることになるが、ドット径と、視認性に基づいて、ドットが流れてもその重なり範囲で形成されるパターンの許容範囲を定めておけばよい。
【0071】
【実験例】
図6には、CO2レーザーをレーザー発振器44として適用した場合のマーキングの視認性を得るための実験装置50である。
【0072】
この実験装置50では、レーザービームLBの走査が不要であるため、レーザー制御装置40により駆動制御されるレーザー発振器(CO2レーザー)44の出射端に集光レンズ54が配設され、Xレイフィルム12の代わりに評価用サンプル56を入れ替え、或いは平面移動させて、この評価用サンプル56に形成されるマーキング形状を観察した。
(第1の実験)
第1の実験は、CO2レーザーの発振波長を変えてそれぞれの視認性を観察したものであり、その条件は以下の通りである。
Nd:CO2レーザー
照射時間:10μsec
スポット径:0.2mm
試験発振波長:9.2μm〜10.8μm
評価サンプル:175μm厚のPET層に、2〜5μmの乳剤層を設けたもの
結果は前記表1に示される如く、9.2μm〜9.8μmの発振波長で視認性が良好となり、10.2μm〜10.6μmの発振波長でやや薄い視認性となり、10.7μm〜10.8μmの発振波長で視認性が劣悪という結果を得た。
(第2の実験)
第2の実験は、CO2レーザーの照射時間を変え、それぞれの照射時間において、発振波長が9μm帯と10μm帯とでの視認性の違いについて観察したものであり、その条件は以下の通りである。
Nd:CO2レーザー
照射時間:2sec〜80μsec
スポット径:0.2mm
試験発振波長:9μm帯の代表例として9.2μm、9.3μm、9.6μm、9.8μmの発振波長、10μm帯の代表例として10.6μmの発振波長
結果は前記表2に示される如く、9.2μm、9.3μm、9.6μm、9.8μmの発振波長では、6μsecまで高い視認性を得ることができるが、10.6μmの発振波長では、30μsecまでしか高い視認性を得ることができないことがわかる。
【0073】
短い照射時間で、視認性を維持できるということは、その分Xレイフィルム12の搬送速度を高めることができるのみならず、光被り等の二次的な不具合も生じにくくなるという効果を得る。
【0074】
なお、この第2の実験結果を、ドットの100μmのずれを許容する図8の照射時間−ライン速度の特性で見ると、9μm帯の発振波長を持つレーザー発振器(CO2レーザー)44においては、ライン速度を大幅にアップすることができる。
【0075】
【発明の効果】
以上説明した如く本発明では、レーザー照射時間によって生産ライン速度が制限されることなく、かつ乳剤層に悪影響を与えることなく、しかも、光学的に識別し易いドットパターンの配列によってマーキングパターンを形成することができるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係るマーキング装置の概略構成図である。
【図2】感光材料の断面図である。
【図3】ドットパターンによるマーキングパターン形成状態を示し、プリントロール近傍の拡大斜視図である。
【図4】搬送方向にカッティングラインを持つXレイフィルムの平面図である。
【図5】ライン速度−照射許容時間特性図である。
【図6】CO2レーザーを用いて、マーキング形状と照射エネルギーの関係を評価実験するために適用された実験装置の概略構成図である。
【図7】感光材料上に5×5のドットマトリクスの文字を形成するときの加工状態を示す感光材料の平面図であり、(A)は感光材料静止状態、(B)感光材料移動状態を示す。
【図8】ドットの流れを100μm許容した場合の照射時間−ライン速度特性図である。
【符号の説明】
LB レーザービーム
10 マーキング装置
12 Xレイフィルム(感光材料)
14 PET(支持体)
16 乳剤層
18 巻芯
20 第1のパスロール
22 第2のパスロール
24 プリントロール
26 ローラ対
28、30 小ローラ
32 サクションドラム
34 巻芯
36 巻取り制御装置
38 ロータリーエンコーダ
40 レーザー制御装置
42 マーキングヘッド
44 レーザー発振器(CO2レーザー)
46 光偏向器

Claims (4)

  1. 支持体の表面に乳剤層が設けられた感光材料に対して、レーザー発振波長が9.2μmから9.8μmの範囲に設定されたCO レーザーを用いて該乳剤層側からレーザービームを照射すると共に、前記感光材料及びレーザービームを相対的に走査しつつ前記感光材料の所定位置にドットパターンを形成し、当該ドットパターンの組み合わせによって視認可能な文字又は記号を含むマーキングパターンを形成するレーザーマーキング方法であって、
    前記走査により各ドットパターンを形成するためのレーザービームの前記マーキングパターンの領域における前記感光材料の移動速度によって演算される6μ sec 以上25μ sec 以下の照射可能時間で感光材料に照射されるレーザービームの照射範囲内に視認可能なドットパターンを形成するために、前記各ドットパターンへのレーザービームの前記照射可能時間に基づいて、レーザー発振波長を9.2μmから9.8μmの範囲内から選択することを特徴としたレーザーマーキング方法。
  2. 前記感光材料が支持体としてのPET層の表面に乳剤層が設けられたものであることを特徴とする請求項1記載のレーザーマーキング方法。
  3. 前記1ドットパターンあたりのフルエンスが0.9J/ cm 2 以上4.0J/ cm 2 以下の範囲で使用可能であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のレーザーマーキング方法。
  4. 前記感光材料及びレーザービームを相対的に主走査及び副走査することで所定の領域にドットパターンを形成し、当該ドットパターンの組み合わせによって、前記視認可能な文字又は記号を含むマーキングパターンを形成することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項記載のレーザーマーキング方法。
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