JP4136748B2 - ターボチャージャのスプラッシュ防止装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用エンジンに取り付けられたターボチャージャのスプラッシュ防止装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両、特にトラックに搭載されたエンジンは、前輪タイヤの近傍に位置しており、走行時にタイヤの跳ね上げる泥水等のスプラッシュに対しては、インナーフェンダなどの防止装置が設けられてはいるが、十分に防ぐことはできない。
近時、特に寒冷地においては、融雪剤として、例えば塩化カルシウムなどが散布され、これがタイヤで巻き上げられてスプラッシュとしてエンジン等の各部にふりかけられる。こうして付着した融雪剤からは錆が発生し、特に露出した可動部に対しては錆び付きから作動不良をおこすおそれがある。
【0003】
図3および図4には、車両に登載されたターボチャージャ付きエンジン1の一例が、その側面図および上面図で示されている(非特許文献1参照)。
これらの図から判るように、ターボチャージャ2はエンジン1の側上方に取り付けられており、これに対してその下方から直接(図3に符号Aで示す)、あるいは後下方(符号Bで示す)から排気管6(特に排気管6に取り付けられたシールドプレート7)で跳ね返されて、前輪タイヤTの回転によるスプラッシュをかぶっている。
【0004】
そのターボチャージャ2は、図5をも参照し、コンプレッサ2Aとタービン2Bとで大略構成され、タービン入口側から出口側へ排気をバイパスさせるウエストゲート弁2Cが設けられている。そして、タービン2Bのハウジングの下方には、ウエストゲート弁2Cを作動するレバー2Lが突設されており、そのレバー2Lは、図6に示すようにウエストゲート弁作動用のアクチュエータ3と、連結ロッド4により連結されている。これらは露出して取り付けられており、また運転状態では高温になって、そこに上記のように融雪剤のスプラッシュがかかると錆び付きを起こし、作動不良を起こす恐れがある。
【0005】
【非特許文献1】
整備要領書 2000大型エンジンMD92BT(A790)
2000年5月 日産ディーゼル工業株式会社
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の問題点に対処するために提案されたもので、前輪タイヤの巻き上げるスプラッシュが、ターボチャージャ、特に露出部分であるウエストゲート弁の作動レバー部にかかるのを防止するスプラッシュ防止装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明のターボチャージャのスプラッシュ防止装置は、タイヤ(T)後方に位置し、車両用エンジン(1)の側上方に取り付けられ、その後端に排気管(6)が接続されているターボチャージャ(2)には、そのタービンハウジング(2B)の下方にウエストゲート弁(2C)を作動するレバー(2L)が突設され、そのレバー(2L)とコンプレッサ(2A)下方に取り付けられたアクチュエータ(3)とが連結ロッド(4)で連結されており、そのターボチャージャ(2)の近傍に設けられてタイヤの回転に伴って巻き上げられるスプラッシュからターボチャージャを保護するスプラッシュ防止装置において、そのスプラッシュ防止装置は、前記ウエストゲート弁作動用レバー(2L)の下方を覆う方形の下方部分(8a)とその4辺から直角に立ち上がる垂直部分とで形成されて上方が開放されたカバー(8)よりなり、その下方部分(8a)によって下方からのスプラッシュ(A)を防ぎ、後方の排気管(6)寄りの垂直部分(8B)により後下方からのスプラッシュ(B)を防ぐように構成されている。
【0008】
本発明によれば、上記構成により、ターボチャージャ下方に露出するウエストゲート弁作動用レバーおよび同用の連結ロッドに対し、少なくともその下方および後方が覆われ、前輪タイヤの回転に伴う下方から直接飛来するスプラッシュ、あるいは排気管から跳ね返って後下方から飛来するスプラッシュをカットすることができ、該部の錆び付きを防ぎ、それによる作動不良を防止できる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1には、本発明の一実施形態が示されている。ターボチャージャ2には、図示しないエアクリーナからの吸気が、符号Cで示す吸気口からコンプレッサ2Aに入り、符号Dで示す吐出口から図示しないインタークーラへ吐出されている。また、図示しないエキゾストマニホールドからタービン2Bに入った排気は、エルボ管5を介して排気管6に吐出されている。なお、エンジン1およびタイヤTとの相対位置は、前記図3および図4に示した通りである。
【0010】
そして、タービンハウジングの下方には、ウエストゲート弁を作動させるレバー2Lが突設され、コンプレッサ2Aの下方に取り付けられたアクチュエータ3とその作動レバー2Lとが連結ロッド4で連結されている。
符号8で示すスプラッシュ防止カバーは、作動レバー2Lの下方を覆う方形の部分8aと、その4辺から直角に立ち上がる垂直部分とからなっており、その下方部分8aが下方からのスプラッシュ(図3のA)を防いでいる。そして、後方(排気管6寄りの方向)の垂直部分8bは後下方からのスプラッシュ(図3のB)を防ぐと共にタービンハウジングへの取り付け面となっており、また、その対向位置の垂直部分8cには、連結ロッド4が通る切り欠きが設けられている。
【0011】
次に、図2には、別の実施形態が示されている。このスプラッシュ防止カバー8Aは、前記実施形態と基本的には変わらないが、図示のように垂直部分が大きく上方に延び、よりスプラッシュ防止効果を大きくしたものである。
【0012】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成され、タイヤの回転によるスプラッシュがターボチャージャのウエストゲート弁作動レバー近傍にかかるのを防止し、該部分の錆び付きによる作動不良を防止する。特に、錆びつきやすい融雪剤が散布される寒冷地での使用に対し有効である。
また、構造が簡単かつ軽量であって、従来の構成部品の改造の必要がなく、容易に取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す斜視図。
【図2】本発明の第2の実施形態を示す斜視図。
【図3】従来のターボチャージャ付きエンジンとタイヤとの関係を示す側面図。
【図4】図3の上面図。
【図5】ターボチャージャの断面図。
【図6】ウエストゲート弁作動用アクチュエータとロッドを示す図。
【符号の説明】
1・・・エンジン
2・・・ターボチャージャ
2L・・・ウエストゲート弁作動レバー
3・・・ウエストゲート弁用アクチュエータ
4・・・連結ロッド
6・・・排気管
7・・・シールドプレート
8、8A・・・スプラッシュ防止カバー
T・・・タイヤ
Claims (1)
- タイヤ(T)後方に位置し、車両用エンジン(1)の側上方に取り付けられ、その後端に排気管(6)が接続されているターボチャージャ(2)には、そのタービンハウジング(2B)の下方にウエストゲート弁(2C)を作動するレバー(2L)が突設され、そのレバー(2L)とコンプレッサ(2A)下方に取り付けられたアクチュエータ(3)とが連結ロッド(4)で連結されており、そのターボチャージャ(2)の近傍に設けられてタイヤの回転に伴って巻き上げられるスプラッシュからターボチャージャを保護するスプラッシュ防止装置において、そのスプラッシュ防止装置は、前記ウエストゲート弁作動用レバー(2L)の下方を覆う方形の下方部分(8a)とその4辺から直角に立ち上がる垂直部分とで形成されて上方が開放されたカバー(8)よりなり、その下方部分(8a)によって下方からのスプラッシュ(A)を防ぎ、後方の排気管(6)寄りの垂直部分(8B)により後下方からのスプラッシュ(B)を防ぐように構成されていることを特徴とするターボチャージャのスプラッシュ防止装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003086874A JP4136748B2 (ja) | 2003-03-27 | 2003-03-27 | ターボチャージャのスプラッシュ防止装置 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003086874A JP4136748B2 (ja) | 2003-03-27 | 2003-03-27 | ターボチャージャのスプラッシュ防止装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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Family Applications (1)
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JP5511364B2 (ja) * | 2009-12-22 | 2014-06-04 | 三菱重工業株式会社 | L型薄板の断熱材構造 |
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2003
- 2003-03-27 JP JP2003086874A patent/JP4136748B2/ja not_active Expired - Fee Related
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