JP4136423B2 - ファインダー装置及びそれを有する光学機器 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、ファインダー装置、及びそれを用いた光学機器に関し、特に一眼レフレックスカメラや二眼カメラ等に用いるファインダー装置(「ファインダー光学系」又は「ファインダー系」ともいう)において、撮影レンズによって焦点板上に形成した被写体像と測距情報等の表示体(表示指標)の情報との双方を重ね合わせて、同一視野で観察するようにした写真用カメラ、ビデオカメラ、デジタルカメラ等に好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、一眼レフカメラ等の光学機器においては撮影画面上の測光領域、焦点検出領域、などの表示指標をファインダー(ファインダー視野)内の被写体像に重畳させて表示し、双方を同時に観察するファインダー表示装置(ファインダー装置)がいくつか提案されている。
【0003】
特に近年の一眼レフレックスカメラにおいては、オートフォーカスが一般的となり、さらに撮影画面のうちの多くの測距点においてオートフォーカスを行った上で、これらの測距点のうち適切な被写体に対して自動的に焦点調節を行うといった構成や、あるいは撮影者(観察者)が撮影画面のうちの所望の点(測距領域)においてオートフォーカスを行うという構成が搭載されるようになってきている。
【0004】
このような構成の一眼レフレックスカメラにおいて撮影画面内のオートフォーカスを行う測距点を撮影者にわかり易く表示するということが重要となってきているが、簡易な構成でカメラの小型化を阻害することなくこのような表示を実現することはなかなか困難であった。
【0005】
もっとも簡易的な構成として、シャッタースピードや絞り値などの表示と同様に撮影画面外に設けた表示部に測距点を示す記号を表示するというものもあるが、測距点の数が多くなると撮影者にわかり易く表示することが困難であった。
撮影画面内における測距点の位置を直接的に表示するファインダー装置が、例えば特開平06−130481号公報、特開平08−043913号公報、特開平10−228057号公報、特開2000−221578号公報等が提案されている。
【0006】
特開平06−130481号公報に示されるファインダー装置の第1の従来例では、ペンタプリズムの前側の空間に光学系を配置して、クイックリターンミラーの反射を介して焦点板上の情報を照明する構成を開示している。本従来例では、焦点板上に全体として所定の形状を持った楔型のプリズムを設け、光学系から導かれる情報光を楔型のプリズムによって観察者の瞳孔の方向に偏向させる構成として、ファインダー内の被写体像に重ねて情報を表示する表示光学系を実現している。
【0007】
また、特開平08−043913号公報に示されるファインダー装置の第2の従来例では、ペンタプリズムの斜め上方の空間に光学系を配置し、この光学系によって焦点板近傍に配置した専用の表示部材を照明する構成を開示している。本実施例では、専用の表示部材に全体として所定の形状を持ち情報光を全反射させるプリズムを設け、光学系から導かれる情報光をこのプリズムによって観察者の瞳孔の方向に偏向させる構成として、ファインダー内の被写体像に重ねて情報を表示する表示光学系を実現している。
【0008】
また、特開平10−228057号公報に示されるファインダー装置の第3の従来例では、ペンタプリズムの射出面の後方に光路分割部材を配置し、ペンタプリズムの後方上部の空間を利用して焦点板と光学的に等価な位置に表示部材を配置する構成を開示している。本従来例ではこの表示部材からの情報光が観察者の瞳孔に適宜到達するように構成してファインダー内の被写体像に重ねて情報を表示する表示光学系を実現している。
【0009】
また、特開2000−221578号公報に示されるファインダー装置の第4の従来例では、焦点板の近傍のファインダー光路中に有機エレクトロルミネッセンス素子による表示部材を配置する構成を開示している。本実施例では、この液晶表示部材への電圧の印加によって表示のON/OFFの切り替えを行ってファインダー内の被写体像に重ねて情報を表示する表示光学系を実現している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
一眼レフレックスカメラのファインダー装置において測光点や測距点等の撮影情報をより多くファインダー内(撮影画面内)に被写体像を重ねて表示しようとすると、カメラの小型化を阻害するという問題や、カメラの構成が複雑になって製造が難しくなるという問題が発生してくる。
【0011】
特開平6−130481号公報で提案されているファインダー装置は比較的簡易な構成で測距点の表示を実現するものであるが、ペンタプリズム等の正立像形成用の光学部材とカメラマウントの間の僅かな空間を利用して投影光学部材を配置するため表示可能な測距点の位置に制約があるという問題があり、また逆にこの空間を大きく確保して十分な表示を可能にしたときには、正立像形成用の光学部材の配置等に制約を与えカメラ全体の小型化と低コスト化を阻害するという問題があった。
【0012】
特開平8−43913号公報で提案されているファインダー装置は、表示可能な測距点の位置に対する制約はほとんどないが、カメラ全体の高さ方向の大きさを小型にすることが困難になるという問題があった。さらにこのような構成では、例えば閃光発光機構等のような近年の一眼レフレックスカメラに搭載すべき他の機構との共存が難しくなるという問題もあった。
【0013】
特開平10−228057号公報で提案されているファインダー装置は、ファインダー内の所望の位置に所望の形状の表示を行うことができるという利点と、表示する必要のない場合にはほぼ完全にファインダーから消去できるという利点がある。しかしながらファインダー光学系の光路長が長くなってファインダー倍率等のファインダーのスペックが低下しやすいといった問題やカメラ全体の小型化と低コスト化が困難となるという問題があった。
【0014】
特開2000−221578号公報は、ファインダー内の所望の位置に所望の形状の表示を行うことができるという利点はあるものの、カメラの構成が複雑となり製造が困難となるという問題があった。
【0015】
本発明は簡易な構成で光学系の小型化を阻害することなく、オートフォーカスを行う測距点や測光を行う測光点等のファインダー情報をファインダー内の被写体像に重ねて表示することができるファインダー装置及びそれを有する光学機器の提供を目的とするものである。
【0016】
この他本発明は従来の一眼レフカメラ用のファインダー装置に投射光学部材と発光素子を用いる他は既存の部品の形状を一部変更する程度という簡単な構成変更のみでオートフォーカスを行う測距点や測光を行う測光点等の情報をファインダー内の被写体像に重ねて表示することができるファインダー装置及びそれを有する光学機器の提供を目的とする。
【0017】
この他本発明はカメラの他の機構との共存を阻害することのないように投射光学部材と発光素子をファインダー系内の適切な位置に配置してカメラ全体の小型化を図ったファインダー装置及びそれを有する光学機器の提供を目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明のファインダー装置は、焦点板上に結像した被写体像を屋根型反射面を含む3つの反射面を有する正立像形成用の光学部材を介して正立正像として観察位置より観察するファインダー装置において、
該正立像形成用の光学部材の側方であって、該屋根型反射面と該焦点板との空隙に光源手段と該光源手段からの光を投射する投射光学部材を配置し、該光源手段からの光束を該投射光学部材によって、該焦点板側から該屋根型反射面の1つの反射面を照射し、該1つの反射面で反射させた後に焦点板上に形成されている所定形状の偏向部材に投射し、
該偏向部材を介した光を観察位置の方向へ偏向させることによって焦点板上の情報の観察を行うことを特徴としている。
【0019】
請求項2の発明は請求項1の発明において前記投射光学部材は前記屋根型反射面の一方の反射面に対向配置していることを特徴としている。
【0020】
請求項3の発明は請求項1又は2の発明において前記偏向部材は前記焦点板の観察者側の面に形成され、かつ観察側の面に対して所定角度だけ傾いた反射部を有していることを特徴としている。
【0021】
請求項4の発明は請求項1又は2の発明において前記偏向部材は前記焦点板の観察側と反対側の面に形成され、かつ反対側の面に対して所定角度だけ傾いた稜線を有する屋根型の反射部を有していることを特徴としている。
【0022】
請求項5の発明は請求項1から4のいずれか1項の発明において前記投射光学部材は前記光源手段の発光部を拡大して前記焦点板上に投射することを特徴としている。
【0023】
請求項6の発明は請求項5の発明において前記偏向部材は前記焦点板上の複数箇所に形成されており、前記光源手段は各々の偏向部材に対応した複数の発光部を有していることを特徴としている。
【0024】
請求項7の発明のファインダー装置は、点板上の被写体像を屋根型反射面を含む3つの反射面を有する正立像形成手段を介して正立正像として観察位置より観察するファインダー装置において、
該焦点板は入射光を該観察位置方向へ反射偏向する情報表示用の複数の偏向部材を有しており、
該焦点板と該屋根型反射面との間の非有効光路領域内には投射光学部材と光源手段が設けられており、
該光源手段は複数の偏向部材に対応した複数の発光部を有しており、該光源手段の各々の発光部からの光束は該投射光学部材を介し、該焦点板側から該屋根型反射面の1つを照射し、
該屋根型反射面の1つで反射し、該焦点板上の各々対応する偏向部材で反射偏向した後に該観察位置に導光されるようになっていることを特徴としている。
【0025】
請求項8の発明の光学機器は請求項1から7のいずれか1項のファインダー装置を有していることを特徴としている。
【0026】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
図1は本発明のファインダー装置の実施形態1の概略図であり、デジタルカメラやビデオカメラそしてフィルム用カメラ等の一眼レフレックスカメラに適用した場合を示している。図2は図1の一部分の拡大斜視図である。図1において、1は撮影レンズ、2は回動ミラーであり、回転軸2aを中心に回動している。3は撮影レンズの撮像面であり、撮像手段又はフィルムが配置されている。4は焦点板(ピント板)であり、被写体像が形成している。5は2つの反射面5a、5bで構成された屋根型反射部材、6は第3の反射面、7は接眼レンズ、8は観察者の瞳孔位置、9は交換レンズを装着するカメラマウント、10はフォーカルプレーンシャッターを表わしている。
【0027】
本実施形態では、撮影レンズ1によって撮像面3上に結像される被写体像をその光路中に退避可能に配置される回動ミラー2によって上方に反射させ、焦点板4の屋根型反射部材5側(観察側)の面である焦点面4Q上に結像させている。焦点板4の回動ミラー2側の面4Pにはフレネルレンズより成る集光レンズが形成されていており、撮影レンズ1の射出瞳より射出した被写体光を観察者の瞳孔位置8に略々結像させ焦点板4上に結像した被写体像を画面周辺部までけられることなく観察できるように構成している。
【0028】
図1の焦点板4の焦点面4Pより上方に射出された被写体光は、屋根型反射部材5によって被写体像を左右反転して前斜め下方向に反射され、第3の反射面6によって後方に反射される。屋根型反射部材5と反射面6は正立像形成用の光学手段の一要素を構成している。そして接眼レンズ7によって拡大されて観察者の瞳孔位置8から観察される。図1の光軸La方向から見たときの屋根型反射部材5が配置される位置よりも光軸Laに対して離れる方向である側方、あるいは焦点板4の側方(有効領域の側方、図3参照)には同図で示したファインダー光学系の機能としては非使用の空間(非有効光路領域)があり、本実施形態ではこの空間にファインダー(撮影画面)内の被写体像に重ねて測距点や測光点等の情報(ファインダー情報)の表示を行うための投射光学系11と光源手段12を配置している。ここで非使用の空間とは後述する図2、図3に示すように屋根型反射面5の光軸La方向から見たときの側方であって、屋根型反射面5と焦点板4との間の空隙である。
【0029】
図2は図1の一眼レフレックスカメラのファインダー装置の屋根型反射部材5近傍の概略斜視図を示している。図2において、11は投射レンズ(投射光学部材、投影光学系ともいう。)であり、屋根型反射面5a、5bのうちの一方の反射面と対向配置している。12A、12B、12C、12D、12Eは光源手段12を構成する発光素子(発光部)をあらわしている。図2に示すように本実施形態では、図1に示される屋根型反射面5の光軸方向から見た側方、あるいは焦点板4の側方の空隙を利用してここに投射レンズ11を配置し、発光素子12A〜12Eより発光した情報光を投射レンズ11を介して各々の光路で屋根型反射面5の一方の反射面で反射させた後に焦点板4上に投影している。
【0030】
そして焦点板4上に投影した情報を、焦点板4上に投影した被写体像と共に観察している。
【0031】
図3に図1に示した一眼レフレックスカメラのファインダー装置を図1のA方向から見たときの断面図を示す。図3に示すように発光素子12A〜12Eより発光した情報光は投射レンズ11を介して焦点板4側から屋根型反射部材5の一方の反射面5aを照射し、反射面5aで反射した後に、焦点板4上に到達している。
【0032】
図3において,4a〜4eは各々、小プリズムより成り、例えば測距点の位置を表示するのに用いている。
【0033】
図4は本実施形態において発光素子12A〜12Cからの情報光の光路を展開した説明図である。
【0034】
本実施形態では、図4に示されるような投射光学系11によってLED等の発光素子の発光部12A〜12Eを焦点板4上に略々結像させて所望の表示部分(偏向部材)4a〜4e全体を照明する構成としている。
【0035】
図5(A)、(B)は図3のB部の拡大図であり、1つの小プリズム(偏向部材)4aを異なる2方向から見たときを示している。焦点板4の焦点面4Qには図6に示されるように図5に示す焦点面4Qに対して所定角度だけ傾いた5つの小プリズム4a〜4eが形成されており、その表面4a1にはアルミニウム等の金属薄膜が蒸着され反射鏡として作用している。又は表面にハーフミラー面を設けている。発光素子12A〜12Eより発光し投射光学系11を介して焦点板4上に到達した情報光はこの反射面4a1の傾きを適切に設定することによって上方、即ち観察者の瞳孔位置8の方向へ偏向されるように構成されている。
【0036】
このような構成とすることによって、発光素子12A〜12Eのうちの所定の発光素子を点灯させた際には、その発光素子に対応する小プリズム4a〜4eを介した発光素子から発光した光が観察者の瞳孔位置8に入射し、情報が観察される。
【0037】
図6は焦点板4の焦点面4Qに形成された小プリズム4a〜4eを正面、即ち観察者の瞳孔位置8から見た場合の形状の例を示す。小プリズム4a〜4eはこのように焦点板上(ファインダー視野内)の5箇所(複数、いくつでも良い)の測距点の位置を表す記号として認識されるように構成している。
【0038】
以上のように本実施形態では、焦点板4上に結像した被写体象を屋根型反射面5を含む3つの反射面より構成された正立像形成用の光学部材を介して正立正像として観察するとき、この正立正像用の光学部材の側方であって、屋根型反射面と焦点板との空隙に光源手段と、光源手段からの情報光を焦点板4上に投射する投射光学部材を配置し、該投射光学部材によって焦点板側から光源手段のうちの少なくとも1つの発光部からの光束を屋根型反射面の1つの反射面を照射し、この1つの反射面で反射させた後に焦点板上に情報光を投射させ、該情報光を焦点板に予め形成した所定形状の偏向部材4a〜4eによって観察者の瞳孔8の方向へ偏向させることのよって情報の表示を行っている。これによってカメラの他の機構との共存を阻害することはほとんどなく、カメラの小型化を実現しつつも簡易な構成でファインダー系の被写体像に重ねて測距点等の情報を表示することを容易としている。
【0039】
また、本実施形態では焦点板に予め形成した所定形状の偏向部材4a〜4eを、焦点板4の観察者側の面に形成し、かつ焦点面に対して所定角度だけ傾いた楔形状を有する反射部より構成している。偏向部材4a〜4eは例えば金属膜等の蒸着薄膜とし、楔形状の焦点面に対する傾きが少なく、成形による製造も比較的容易としている。そのため情報光の表示に関わる効率が良く明るい表示ができる。
【0040】
尚、偏向部材4a〜4eは反射光が観察者の瞳に導光されるものならどのような形状であっても良い。
【0041】
(その他の実施形態)
以下に本発明の他の実施形態に係る焦点板の構成を示す。本実施形態は実施形態1に比べて焦点板の一部を変更している。以下の説明においては本実施形態の図1、図2、図3に相当する部分は前述の実施形態1と同様である。
【0042】
図7は図3のB部の変形例の拡大図である。焦点板4の面4Pには図6に示される小プリズム4a〜4eと同様に焦点面4Qに対して所定角度だけ傾いた稜線を持った屋根型の小プリズム41a〜41e(41b〜41eは不図示)が形成されており、面41a1、41a2で2回の全反射を行う全反射プリズムとして作用している。発光素子12A〜12Eより発光して焦点板4上に到達した情報光はこの小プリズム41a〜41eによって上方、即ち観察者の瞳孔位置8の方向へ偏向されるように構成されている。このような構成とすることによって、発光素子12A〜12Eのうちの所定の発光素子を点灯させた際には、その発光素子に対応する屋根型の小プリズム41a〜41eを介して発光素子から発光した光が観察者の瞳孔位置8から観察される。
【0043】
本実施形態も、観察者の瞳孔位置8から見た場合には図6に示したのと同様に観察される形状となっており、本実施形態の屋根型の小プリズム41a〜41eはこのように焦点板4上の5箇所の測距点の位置を表す記号として認識されるように構成されている。
【0044】
本実施形態では焦点板4に予め形成した所定形状の偏向部材は、焦点板4の撮影レンズ側(観察側と反対側)の面に形成し、かつ焦点面に対して所定角度だけ傾いた稜線を有する屋根型反射面より構成している。このような構成としたとき、偏向部材は2回の全反射を行う反射部材として作用するため例えば金属膜等の蒸着薄膜は不要となるため製造が容易となる。
【0045】
以上の各実施形態において投射光学系は、発光素子の発光部を拡大して焦点板上に結像させる作用を有する結像光学系とするのが望ましい。一眼レフレックスカメラのファインダー装置において、情報光の表示を行う際、情報光の明るさと、観察者が目を移動させたときの情報光のけられ易さに留意することが必要となる。情報光の明るさは光源である発光素子の輝度と介在する光学系の効率によって決定され、情報光のけられ易さは投射光学系の開口の利用効率によって決定される。そして投射光学系の開口の利用効率がもっとも良くなるのは発光素子の発光部を焦点板上に結像させた状態である。このような構成としたときに投射光学系の径を最も小さくすることが可能となる。
【0046】
また、各実施形態の偏向部材は焦点板上の複数箇所に形成し、発光素子は各々の偏向部材に対応した複数の発光部を有するか、あるいは各々の偏向部材に対応した複数の発光素子を有するように構成している。測距点等のように撮影画面内に複数個の独立した表示を行うとき投射光学系を複数組設けても良いが、情報光のけられ易さという点を考慮すると投射光学系の開口を十分に大きくすることが必要となるため、このような構成では投射光学系の現実的な配置が困難となる。そこで、各実施形態では、発光素子を複数の発光部を有するものとするか、あるいは複数用いる構成として、投射光学系をできるだけ共用するような構成としている。
【0047】
以上説明した各実施形態においては、正立像形成用の光学部材は、屋根型反射鏡と第3の反射鏡の組み合わせによる中空構造のものとして一層の軽量化、低コスト化を図ったものとしたが、もちろん一眼レフレックスカメラにおいて一般的に用いられている光学ガラスを使用したペンタプリズムを用いてもよい。
【0048】
また、部品の構成上では正立像形成用の光学部材の射出面の側方の空間を利用して情報光を焦点板上に投影するという構成も本発明の変形例として適用することができる。
【0049】
なお、本発明の各実施形態においてピント板(焦点板)上に形成する小プリズム、あるいは屋根型小プリズムは、観察者の目の移動に対してよりけられ難くするために例えば凹面鏡にするなどのように全体とおして負の屈折力を持つように構成して、情報光の投影レンズの開口と観察者の瞳孔を略々結像させるように構成するとより良好なものとすることができる。もちろん凹面鏡形状でなくても類似の反射面の組合せ等で代用しても構わない。
【0050】
また、上記各実施形態においてはピント板上に設けた表示部は選択した測距枠の位置を表す記号として認識できるように測距枠内の一部のみから情報光が観察される構成としたが、上記実施形態の小プリズムを測距視野の形状に構成して測距視野そのものが点灯して観察されるように構成しても良い。
【0051】
また上記実施形態では情報光の表示のために発光素子の発光部そのものをピント板上に略々結像させる構成としたが、所定形状のマスクを配置してその後方よりマスクを照明して投影するという方式とすることもできる。
【0052】
【発明の効果】
本発明によれば、簡易な構成で光学系の小型化を阻害することなく、オートフォーカスを行う測距点や測光を行う測光点等のファインダー情報をファインダー内の被写体像に重ねて表示することができるファインダー装置及びそれを有する光学機器を達成することができる。
【0053】
この他本発明によれば従来の一眼レフカメラ用のファインダー装置に投射光学部材と発光素子を用いる他は既存の部品の形状を一部変更する程度という簡単な構成変更のみでオートフォーカスを行う測距点や測光を行う測光点等の情報をファインダー内の被写体像に重ねて表示することができるファインダー装置及びそれを有する光学機器を達成することができる。
【0054】
この他本発明によればカメラの他の機構との共存を阻害することのないように投射光学部材と発光素子をファインダー系内の適切な位置に配置してカメラ全体の小型化を図ったファインダー装置及びそれを有する光学機器を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を一眼レフレックスカメラに適用したときの実施形態の要部断面図
【図2】 図1の一部分の概略斜視図
【図3】 図1の一部分の所定方向から見た断面図
【図4】 図1の一部の光路を展開したときの説明図
【図5】 図1の焦点板の拡大図
【図6】 図1の焦点板の正面図
【図7】 本発明の実施形態2に係る焦点板の拡大図
【符号の説明】
1 撮影レンズ。
2 回動ミラー。
3 撮像面。
4 焦点板。
5 屋根型反射面。
6 第3の反射面。
7 接眼レンズ。
8 観察者の瞳孔位置。
9 カメラマウント。
10 フォーカルプレーンシャッター。
Claims (8)
- 焦点板上に結像した被写体像を屋根型反射面を含む3つの反射面を有する正立像形成用の光学部材を介して正立正像として観察位置より観察するファインダー装置において、
該正立像形成用の光学部材の側方であって、該屋根型反射面と該焦点板との空隙に光源手段と該光源手段からの光を投射する投射光学部材を配置し、該光源手段からの光束を該投射光学部材によって、該焦点板側から該屋根型反射面の1つの反射面を照射し、該1つの反射面で反射させた後に焦点板上に形成されている所定形状の偏向部材に投射し、
該偏向部材を介した光を観察位置の方向へ偏向させることによって焦点板上の情報の観察を行うことを特徴とするファインダー装置。 - 前記投射光学部材は前記屋根型反射面の一方の反射面に対向配置していることを特徴とする請求項1に記載のファインダー装置。
- 前記偏向部材は前記焦点板の観察側の面に形成され、かつ観察側の面に対して所定角度だけ傾いた反射部を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載のファインダー装置。
- 前記偏向部材は前記焦点板の観察側と反対側の面に形成され、かつ反対側の面に対して所定角度だけ傾いた稜線を有する屋根型の反射部を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載のファインダー装置。
- 前記投射光学部材は前記光源手段の発光部を拡大して前記焦点板上に投射することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のファインダー装置。
- 前記偏向部材は前記焦点板上の複数箇所に形成されており、前記光源手段は各々の偏向部材に対応した複数の発光部を有していることを特徴とする請求項5に記載のファインダー装置。
- 焦点板上の被写体像を屋根型反射面を含む3つの反射面を有する正立像形成手段を介して正立正像として観察位置より観察するファインダー装置において、
該焦点板は入射光を該観察位置方向へ反射偏向する情報表示用の複数の偏向部材を有しており、
該焦点板と該屋根型反射面との間の非有効光路領域内には投射光学部材と光源手段が設けられており、
該光源手段は複数の偏向部材に対応した複数の発光部を有しており、該光源手段の各々の発光部からの光束は該投射光学部材を介し、該焦点板側から該屋根型反射面の1つを照射し、
該屋根型反射面の1つで反射し、該焦点板上の各々対応する偏向部材で反射偏向した後に該観察位置に導光されるようになっていることを特徴とするファインダー装置。 - 請求項1から7のいずれか1項のファインダー装置を有していることを特徴とする光学機器。
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