JP4135856B2 - ボロメータ用酸化物薄膜の製造方法 - Google Patents

ボロメータ用酸化物薄膜の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ボロメータ用酸化物薄膜の製造方法およびこの酸化物薄膜を用いた非冷却型赤外線センサに関する。
【0002】
【従来の技術】
ボロメータは、基板材料から熱的に隔絶された金属あるいは半導体薄膜の電気抵抗の温度変化を利用するものである。このボロメータ用材料に要求される特性は、電気抵抗の温度係数(TCR)および電気抵抗値などがある。一般に、ボロメータ用材料の電気抵抗値が大きくなるとジョンソンノイズが大きくなるため好ましくない。
【0003】
一方、電気抵抗値が小さくなるとボロメータ以外の配線抵抗とボロメータ用材料の電気抵抗値との差が小さくなるためにやはり好ましくない。このため、ボロメータ用材料の電気抵抗値は室温において5〜100kΩ程度であることが望ましい。いいかえるとボロメータ用抵抗体薄膜の厚さを50〜1,000nmとすると、ボロメータ用材料に求められる電気抵抗率は0.025〜10Ωcm程度が望ましいといえる。
【0004】
次に、赤外線センサの温度分解能(NETD)はボロメータ用材料のTCRの絶対値に反比例する。したがってTCRの絶対値の大きいボロメータ用材料を用いることによってNETDの小さい赤外線センサを得ることができる。
【0005】
一般的には、ニッケル鉄合金等の合金薄膜はTCRが0.5%/K程度と小さいため、高感度の赤外線センサ用ボロメータ材料としては好ましくない。一方、例えば、特開平11−271145号に記載されているように、酸化バナジウム薄膜はTCRが2%/K程度と比較的大きいため、ボロメータ用材料として利用されている。また、特開200−143243号にみられるようにバナジウムVの一部をマンガンMn等他の元素で置換する試みも行われており、TCRの絶対値を4%/K程度まで向上できることが報告されている。
【0006】
しかしながら、赤外線センサのさらなる高感度化や多画素化を目指すためには、よりTCRの大きなボロメータ用材料の開発が必要とされる。このような目的から、例えば特開平10−163510号に記載されているようにLa1−xSrMnO、La1−xCaMnO、Pr1−xSrMnOで表されるペロブスカイト型Mn酸化物をボロメータ用材料に利用することが検討されている。
【0007】
この発明では、ペロブスカイト型Mn酸化物が半導体領域で高いTCRを持つことを利用しており、TCRの絶対値としては3%/K程度の値が得られている。しかしながら、この値は上記酸化バナジウム系の一部をMnなどで置換したものと比べて特に高いものではない。このため、このペロブスカイト型Mn酸化物の半導体領域の特性を利用した赤外線センサは、従来の酸化バナジウム系材料を利用したものと比べて特にメリットがあるものではなかった。
【0008】
これに対して、特開平2000−95522号に記載されているように上記ペロブスカイト型Mn酸化物の別の特性を赤外線センサに利用しようという発明が行われた。上記ペロブスカイト型Mn酸化物は磁気的性質の変化に伴って高温の絶縁体状態から低温の金属状態に絶縁体−金属相転移を示すユニークな特性を持っている。
【0009】
この絶縁体−金属相転移が起こる温度は、例えば、上記のLa1−xSrMnOにおいて、Sr組成xを調整することによって室温付近に設定することができる。そして、この絶縁体−金属相転移で大きな電気抵抗の変化がおこるので、大きなTCRを得ることができる。この特性を用いることによって従来にない高感度の赤外線センサの実現が期待できる。実際に、この材料では5%/K以上、中には10%/Kを超える非常に高いTCRが報告されている。
【0010】
このように、上記ペロブスカイト型Mn酸化物をボロメータ用材料に利用すれば赤外線センサの高感度化や多画素化を実現できる可能性がある。しかしながら、上記特開2000−95522号では、ペロブスカイト型Mn酸化物薄膜を作製する際に、ゾルゲル法を用いている。
【0011】
同特許の実施例にも記載されているように、ゾルゲル法は、たとえば、La、Sr、Mnのオクタン系MOD法(有機金属堆積法)用各コート剤を所望の比率で混合させ、酸化物基板上に塗布、乾燥させた後に高温での結晶化アニールを行うものである。この際、ペロブスカイト型Mn酸化物薄膜で良好な絶縁体−金属相転移を得るためには、1000℃程度の高温でアニールする必要がある。
【0012】
また、その他の方法として、レーザーアブレーション法やスパッタリング法等の成膜手法も用いられるが、例えば、アプライドフィジックスレターズ(Appl. Phys.Lett.)74巻、290ページ、1999年に見られるように、良好な絶縁体−金属相転移を得るためには、これらの成膜手法を用いた場合にも700℃以上の高い成膜温度が必要であった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
前記のごとく、ペロブスカイト型Mn酸化物に特有に見られる絶縁体−金属相転移を利用すれば5%/Kを越える大きなTCRが得られるので、ボロメータ用材料に利用することによって、従来技術よりも高感度の非冷却型赤外線センサの実現が期待できる。
【0014】
通常、非冷却型赤外線センサの受光部はSi基板上に形成される。そして、この受光部の下のSi基板中には、信号読み出し回路が配置されている。一方、ボロメータ用抵抗体は、熱絶縁ギャップを介して、このSi基板上に設けられたブリッジ構造体上に形成される。
【0015】
すなわち、ボロメータ用抵抗体は信号読み出し回路を持つSi基板上に形成される。このため、ボロメータ用材料には大きなTCRという特性のほかに、Siの製造プロセスとの整合性も併せ持っていなければならない。Si製造プロセスとの整合性という観点からは、成膜温度が400〜500℃以下と低いこと、及びボロメータ用抵抗体のパターンを形成する際にイオンミリング等の物理的なエッチング方法を利用できないということが要求される。物理的なエッチングは下層に形成されたSiの信号読み出し回路にダメージを与えるためである。
【0016】
このような製造プロセス上の問題に基づいて考えると、上記のペロブスカイト型Mn酸化物薄膜はボロメータ用材料としては重大な欠点をかかえている。第一に、既に記述したように、この材料でTCRを大きくする、すなわち、良好な絶縁体−金属相転移を得るためにはゾルゲル法の場合で1000℃程度、スパッタリング法等の場合で700℃以上の高い成膜温度が必要である。
【0017】
このような高い成膜温度が必要とされる限りにおいては、たとえ上記のような大きなTCRを持っている魅力的な材料といえどもSi製造プロセスに適用することは難しい。実際に、上記特開2000−95522号の実施例では薄膜はSi基板上ではなく、高温の成膜温度に耐えられるSrTiO(100)、すなわち、酸化物単結晶基板上に形成されているにすぎない。
【0018】
第二に、ペロブスカイト型Mn酸化物薄膜を加工してボロメータ用抵抗体のパターンを形成するためには、反応性イオンエッチング法が適用できないため、イオンミリング等の物理的なエッチング法を用いなければならない。このこともペロブスカイト型Mn酸化物薄膜をボロメータ用材料に適用するのを難しくさせている。
【0019】
そこで、本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みて成されたものであり、その目的とするところは、高感度のボロメータ方式非冷却赤外線センサを提供することにある。さらに、大きなTCRを有するボロメータ用酸化物薄膜及びそれを用いた赤外線センサの製造方法を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明は、第一に、絶縁性基板上に形成された酸化物薄膜が、Aを三価の希土類金属、Bをニ価のアルカリ土類金属として、A1−xMnO (0<x<1)で表されるペロブスカイト型Mn酸化物からなり、該Mn酸化物薄膜の電気抵抗を測定して照射された輻射エネルギー強度を測定するボロメータ用検知膜であって、該Mn酸化物薄膜を作製する際に、金属有機化合物を溶媒に溶解させて溶液状とし、これを上記絶縁性基板上に塗布した後に乾燥させ、波長400nm以下のレーザー光を照射することにより炭素−酸素結合を切断して分解し、生成した酸化物を結晶化させることを特徴とする。
【0021】
第二に、上記第一に記載した製造方法において、上記ペロブスカイト型Mn酸化物の希土類金属がLa、Nd、Prのうちのいずれかひとつ、又はその複合物からなることを特徴とする。
【0022】
第三に、上記第一に記載した製造方法において、上記ペロブスカイト型Mn酸化物のアルカリ土類金属がCa、Sr、Baのうちのいずれかひとつ、又はその複合物からなることを特徴とする。
【0023】
第四に、上記第一に記載した製造方法において、波長400nm以下のレーザー光としてArF、KrF、XeCl、XeF、Fから選ばれるエキシマレーザーを用いることを特徴とする。
【0024】
第五に、上記第一に記載した製造方法において、波長400nm以下のレーザー光の照射を、複数段階で行うことを特徴とする。
【0025】
第六に、上記第一および第五に記載した製造方法において、波長400nm以下のレーザー光の照射を複数段階で行う方法において、最初の段階の照射を金属有機化合物を完全に分解させるに至らない程度の弱い照射で行い、次にペロブスカイト型Mn酸化物に結晶化させることができる程度の強い照射を行うことを特徴とする。
【0026】
第七に、上記第一から第六に記載した製造方法において、波長400nm以下のレーザー光を照射する際に、金属有機化合物を塗布した絶縁性基板を500℃以下の温度に加熱することを特徴とするボロメータ用酸化物薄膜の製造方法を提供する。
【0027】
第八に、上記第一に記載した製造方法において、金属有機化合物を塗布する絶縁性基板がSrTiO、LaAlO、NdGaOなどのペロブスカイト型酸化物単結晶薄膜であることを特徴とする。
【0028】
第九に、上記第一および第八に記載した製造方法において、金属有機化合物が金属有機酸塩であるであることを特徴とする。
【0029】
第十に、上記第一および第九に記載した製造方法において、金属有機酸塩の金属が、La、Nd、Pr、Ca、Sr、Ba、Mnからなる群から選ばれるものであることを特徴とする。
【0030】
第十一に、上記第一および第八〜十に記載した製造方法において、金属有機酸塩の有機酸が、ナフテン酸、2−エチルヘキサン酸、カプリル酸、ステアリン酸、ラウリン酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、クエン酸、乳酸、安息香酸、サリチル酸、エチレンジアミン四酢酸からなる群から選ばれるものであることを特徴とする。
【0031】
第十二に、上記第一に記載した製造方法において、金属有機化合物が金属アセチルアセトナート錯体であることを特徴とする。
【0032】
第十三に、上記第一および第十二に記載した製造方法において、金属アセチルアセトナート錯体の金属がLa、Nd、Pr、Ca、Sr、Ba、Mnからなる群から選ばれるものであることを特徴とするボロメータ用酸化物薄膜の製造方法を提供する。
【0033】
第十四に、上記第一、第十二および第十三に記載した製造方法において、金属アセチルアセトナート錯体を溶解させる溶媒が酢酸ブチル、トルエン、アセチルアセトン、メタノールから選ばれるものであることを特徴とする。
【0034】
第十五に、上記第一に記載した製造方法によって形成したペロブスカイト型Mn酸化物薄膜をボロメータ用抵抗体として用いることを特徴とした赤外線センサを提供する。
【0035】
第十六に、上記第十五に記載した赤外線センサにおいて、マイクロブリッジ構造を有することを特徴とする。
【0036】
第十七に、上記第一に記載したペロブスカイト型Mn酸化物薄膜の製造方法を用いて赤外線検知回路のボロメータ用抵抗体を形成する際に、金属有機化合物を塗布した絶縁性基板にセッティングされた、ボロメータ用抵抗体のパターン部分のみ波長400nm以下のレーザー光を透過する形状のマスクを通して、波長400nm以下のレーザー光を照射してペロブスカイト型Mn酸化物を形成した後、溶剤を用いて非照射部分を溶解除去してボロメータ用抵抗体のパターンを直接形成することを特徴とする。
【0037】
第十八に、上記第十七に記載した赤外線センサの製造方法において、波長400nm以下のレーザー光の照射を複数段階で行って絶縁性基板上にボロメータ用抵抗体のパターンを直接形成することを特徴とする。
【0038】
第十九に、上記第十八に記載した赤外線センサの製造方法において、波長400nm以下のレーザー光の照射を複数段階で行う際に、最初の段階の照射を金属有機化合物を完全に分解させるに至らない程度の弱い照射で行い、次にペロブスカイト型Mn酸化物に結晶化させることができる程度の強い照射を行って絶縁性基板上にボロメータ用抵抗体のパターンを直接形成することを特徴とする。
【0039】
第二十に、上記第十七〜第十九に記載した赤外線センサの製造方法において、波長400nm以下のレーザー光を照射する際に、金属有機化合物を塗布した絶縁性基板を400℃以下の温度に加熱することによって、絶縁性基板上にボロメータ用抵抗体のパターンを直接形成することを特徴とする。
【0040】
第二十一に、上記第十七に記載した赤外線センサの製造方法において、金属有機化合物を塗布した絶縁性基板がSrTiO、LaAlO3、NdGaOなどのペロブスカイト型酸化物単結晶薄膜であることを特徴とする赤外線センサの製造方法を提供する。
【0041】
第二十二に、上記第一に記載した製造方法を用いて作製したペロブスカイト型Mn酸化物薄膜を用いて赤外線検知回路のボロメータ用抵抗体を形成する際に、最初に抵抗体のパターン部分を隠すマスクパターンを通して、アブレーションがおこる程度の強度の強いレーザー光を金属有機化合物を塗布した絶縁性基板に照射した後、マスクを取り外して、波長400nm以下のレーザー光を照射してペロブスカイト型Mn酸化物を直接ボロメータ用抵抗体パターンとして形成することを特徴とする。
【0042】
第二十三に、上記第二十二に記載した赤外線センサの製造方法において、波長400nm以下のレーザー光を照射する際に、レーザー光の照射を複数段階で行って絶縁性基板上にボロメータ用抵抗体のパターンを直接形成することを特徴とする。
【0043】
第二十四に、上記第二十二および二十三に記載した赤外線センサの製造方法において、波長400nm以下のレーザー光の照射を複数段階で行う際に、最初の段階の照射を金属有機化合物を完全に分解させるに至らない程度の弱い照射で行い、次にペロブスカイト型Mn酸化物に結晶化させることができる程度の強い照射を行って絶縁性基板上にボロメータ用抵抗体のパターンを直接形成することを特徴とする。
【0044】
第二十五に、上記第二十二〜二十四に記載した赤外線センサの製造方法において、金属有機化合物を塗布した絶縁性基板を500℃以下の温度に加熱することによって、絶縁性基板上にボロメータ用抵抗体のパターンを直接形成することを特徴とする。
【0045】
第二十六に、上記第二十二に記載した赤外線センサの製造方法において、金属有機化合物を塗布した絶縁性基板がSrTiO、LaAlO、NdGaOなどのペロブスカイト型酸化物単結晶薄膜であることを特徴とする。
【0046】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明のボロメータ用酸化物薄膜及び赤外線センサの製造方法について詳細に説明する。
【0047】
本発明は、赤外線の入射光を吸収することにより温度を変え、その温度変化により電気抵抗値が変化して、入射した赤外線の強度の信号を読み出す方式のボロメータ方式非冷却赤外線センサにおいて、温度変化により電気抵抗値を変えるボロメータ用薄膜材料に、Aを三価の希土類金属、Bをニ価のアルカリ土類金属として、A1−xMnO (0<x<1)で表されるペロブスカイト型Mn酸化物を用いる。
【0048】
ペロブスカイト型Mn酸化物は、強磁性転移温度の近傍で高温の絶縁体状態から低温の金属状態に絶縁体−金属相転移を示す。そして、この絶縁体−金属相転移に伴って大きな電気抵抗の変化がおこるので、大きなTCRを得ることができる。この絶縁体−金属相転移が起こる温度は、希土類金属La、Nd、Pr、及び、アルカリ土類金属Ca、Sr、Baの組み合わせや組成xを変えることによって目的とする値に調整することができる。
【0049】
例えば、La1−xSrMnOにおいて、xを0.2〜0.3程度にすると室温付近に設定することができる。さらに、このSrの一部をCaで置換すれば、相転移温度を変えることができるとともに、相転移での電気抵抗変化がより急峻になり、TCRをさらに大きくすることができる。
【0050】
本発明では、このペロブスカイト型Mn酸化物薄膜を作製する際に、金属有機化合物を用い、これを溶媒に溶解させて溶液状とし、絶縁性基板上に塗布した後に乾燥させ、さらに波長400nm以下のレーザー光を照射することにより結晶化させてボロメータ用抵抗体を形成することを特徴とする。
【0051】
ここで、金属有機化合物を構成する有機基は、塗布後に分解させて酸化物薄膜を生成する際に、金属イオン同士が凝集し、結晶成長し、粒化を引き起こすことがないように、金属イオン同士を立体障害効果により互いに隔離する役割を果たしている。
【0052】
したがって、上記有機基は立体障害効果を果たすものであれば使用することができる。金属有機化合物としては、論文ジャパニーズ・ジャーナル・オブ・アプライド・フィジックス(Japanese Journal of Applied Physics)38巻、L823ページ、及び、1999年、38巻、L1112ページ、1999年に見られるように、金属有機酸塩および有機金属錯体化合物が挙げられる。これらの金属有機化合物は2種類以上の混合物としても使用することができる。
【0053】
金属有機酸塩は、各種金属のイオンと各種有機酸を中和させることにより得られる塩である。有機酸としては、カルボン酸が好ましく、例えば、脂肪族カルボン酸、脂環式カルボン酸、および芳香族カルボン酸が挙げられる。
【0054】
脂肪族カルボン酸としては、2−エチルヘキサン酸、カプリル酸、ステアリン酸、ラウリン酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、クエン酸、乳酸、エチレンジアミン四酢酸等が上げられる。脂環式カルボン酸としては、例えばナフテン酸が挙げられる。芳香族カルボン酸としては、安息香酸、サルチル酸等が挙げられる。
【0055】
金属有機酸塩を構成する金属としては、La、Nd、Pr、Ca、Sr、Ba、Mnを用いる。本発明の場合には、ペロブスカイト型Mn酸化物を構成する金属の有機酸塩を目標とする組成比に混合して使用する。
【0056】
有機金属錯体は金属に有機基が配位して構成される化合物である。具体的には、金属アセチルアセトナートを挙げることができる。金属アセチルアセトナートは、アセチルアセトンに金属が結合して形成される金属錯体である。金属アセチルアセトナートは、目的とする金属酸化物の金属アセチルアセトナートが溶媒に溶解させることにより溶液となり、分解させたときに金属酸化物となるものであればよく特に限定はされない。例えば、金属にLa、Nd、Pr、Ca、Sr、Ba、Mnを用いたアセチルアセトナートを挙げることができる。
【0057】
本発明では、ペロブスカイト型Mn酸化物を構成する金属のアセチルアセトナート及び他の金属有機化合物を目標とする組成比に混合して使用する。上記の有機金属化合物は溶媒に溶解させることにより、金属有機化合物溶液の状態にして使用する。溶媒の種類や使用量は金属有機化合物を溶解できるものや量を使用する。
【0058】
例えば、金属有機酸塩の場合には、有機溶媒が用いられる。有機溶媒としては金属有機酸塩または金属アセチルアセトナートを溶解しうるものである。この際、各々の金属有機化合物には溶媒に対する溶解性の点で相違があるので、均一に溶解できるように溶媒を選択する必要がある。
【0059】
溶媒としては、例えばヘキサン、オクタン、ベンゼン、トルエン、テトラリン等の極性のない溶媒である炭化水素類などがある。この他に、アセチルアセトン、メタノールなどのアルコール類、アミン類、ピリジン、酢酸、プロピオン酸などの有機酸、酢酸ブチルなどのエステル類などを用いることができる。また、これらの有機溶媒は、金属アセチルアセトナートの種類に応じて1種または2種以上の組み合わせを用いてもよい。
【0060】
上記の有機金属化合物を用いてペロブスカイト型Mn酸化物を絶縁体基板上に形成する場合には、基板上に有機金属化合物の溶液を塗布し、乾燥させた後に、波長400nm以下のレーザー光を照射する。基板上に形成される薄膜の厚みは、最終的には0.01〜10μm程度の間で変化させることができる。
【0061】
この基板を大気中あるいは雰囲気制御することが可能なチャンバー中にセットし、所定の光強度、繰り返し数で波長400nm以下のレーザーを照射する。レーザーには加熱効果が少ない紫外線レーザーXeF(351nm)、XeCl(308nm)、KrF(248nm)、ArF(193nm)、F(157nm)等のエキシマレーザーやArイオンレーザー(第2高調波:257nm)などが挙げられる。一例として、ArFエキシマレーザーを用いた場合の照射条件は、繰り返し数1〜20Hz、強度10〜70mJ/cm、照射時間3〜15分程度である。
【0062】
なお、この際、レーザーの照射強度が弱すぎると結晶化が起こらず照射の効果がなく、また、強度が強すぎるとアブレーションが起こって薄膜材料が蒸発してしまうので、照射強度は上記の範囲で行う必要がある。このような条件で上記基板上にエキシマレーザーを照射することによって、塗布された金属含有有機金属化合物の炭素−酸素結合を切断して分解させ、さらに、結晶化させることによって室温〜500℃の低温でペロブスカイト型Mn酸化物薄膜を形成することができる。
【0063】
既に記述したように、従来技術ではペロブスカイト型Mn酸化物薄膜を作製するには700℃以上の非常に高い温度が必要とされるという問題点があったが、本発明によるレーザー照射を用いた光分解反応によって室温〜500℃の低い温度でもペロブスカイト型Mn酸化物薄膜を作製可能となった。
【0064】
このレーザー光の照射は複数段階、少なくとも2段階からなる多段階に分けて行うことも有効であり、1段階では分解できないものが多段階に分けて行うと分解を完全に行うことができる。この際、最初の段階の照射を金属有機化合物を完全に分解させるに至らない程度の弱い照射で行い、次にペロブスカイト型Mn酸化物に結晶化させることができる程度の強い照射を行うことが望ましい。
【0065】
この複数多段階に分けて行う方法は、金属有機化合物として金属有機酸塩を利用する場合に特に有効である。金属有機酸塩を複数多段階で分解させると、安定で通常一段階では分解困難な金属有機酸塩を分解することができるようになる。この複数段階で照射することが有効な理由としては、最初の段階での弱いレーザー光の照射によって金属有機化合物を準安定な状態まで励起させることができ、次の段階のより強いレーザー光の照射によって炭素−酸素結合が切断されて金属酸化物への分解、結晶化が有効に行われるためと推測される。
【0066】
一方、例えば、ある種の金属有機酸塩などの場合に、一段階でのレーザー光の照射を行うと金属有機酸塩分子が容易に蒸発してしまい、酸化物薄膜を得られない場合がある。二段階照射の条件としては、一例として、ArFエキシマレーザーを使用し、最初の照射を10mJ/cm、50Hz、30秒間行い、引き続き二度目の照射を50mJ/cm、10Hz、5分間行うような照射方法がある。
【0067】
上記のレーザー光を照射する際に、金属有機化合物を塗布した絶縁性基板を400℃以下の温度に加熱することによって、室温で照射した場合よりもペロブスカイト型Mn酸化物薄膜の結晶性をさらに向上させることが可能になる。この結果、絶縁体−金属相転移温度でのTCRをより大きな値にすることができる。
【0068】
また、上記のレーザー光を照射する際に、金属有機化合物を塗布する絶縁性基板にSrTiO、LaAlO、NdGaOなどの酸化物単結晶薄膜を用いることによって、絶縁体−金属相転移温度でのTCRをさらに大きくすることができる。ペロブスカイト型Mn酸化物とこれらの酸化物の格子ミスマッチが非常に少なく、これらの基板の上ではMn酸化物薄膜がエピタキシャル成長する。このため、結晶粒界の影響が小さくなって電気的に高品質の薄膜を得ることができるためである。
【0069】
次に、上記ペロブスカイト型Mn酸化物薄膜をボロメータ用抵抗体として用いた赤外線センサの構造の一例を図1に示した。
【0070】
図1で、1はSi基板、2はブリッジ構造体、3は空隙、4はボロメータ用抵抗体、5は配線、6は保護膜、7は赤外線吸収膜、8は赤外線反射膜である。この図のように本発明の赤外線センサはマイクロブリッジ構造を有している。
【0071】
すなわち、ボロメータ用抵抗体4をシリコン基板1から空隙3によって熱的に分離させた構造をとっている。4のボロメータ用抵抗体には上記の製造方法で作製したペロブスカイト型Mn酸化物薄膜を用いる。この構造をとることによって、入射したり、又は一部赤外線反射膜8で反射した赤外線が赤外線吸収膜7で吸収され、それによって変わる温度をペロブスカイト型Mn酸化物の電気抵抗変化に変える。
【0072】
そして、ボロメータ用抵抗体4の両端からブリッジ構造体2の支持脚を伝って基板までつながった配線5により信号が検出される。図1のようにボロメータ用抵抗体4はSi基板上に形成されるため、反応等の問題からも成膜時に500℃以上の温度にすることは避けなければならない。
【0073】
ペロブスカイト型Mn酸化物薄膜を上記の方法で製造することによって、図1の構造物へも500℃以下の低い成膜温度で薄膜を形成することができる。このため、従来は良好な絶縁体−金属相転移を示すペロブスカイト型Mn酸化物薄膜でこのような構造を形成することは困難であったが、本発明によって容易に形成することができるようになった。
【0074】
上記のボロメータ用抵抗体4を形成する際には、まず、金属有機化合物を塗布した絶縁性基板にセッティングされた、ボロメータ用抵抗体のパターン部分のみ透過させるマスクを通して、波長400nm以下のレーザー光を照射する。この結果、レーザー光の照射されたボロメータ用抵抗体4の部分だけがペロブスカイト型Mn酸化物に結晶化する。
【0075】
一方、ボロメータ用抵抗体4以外の部分はマスクによって隠されているため、レーザー光は照射されず金属有機化合物のままの状態で残っている。したがって、レーザー光照射後にマスクを取り外して有機溶剤で洗浄処理すると、非照射部分は溶解して選択的に除去されるが、ペロブスカイト型Mn酸化物となった部分は有機溶剤に溶解せず、マスクパターンに忠実にボロメータ用抵抗体4をブリッジ構造体2上に直接形成することができる。
【0076】
従来の酸化バナジウム系等を用いたボロメータ用抵抗体の形成方法では、スパッタリング法等によって薄膜を作製し、スピンコーターによるレジスト塗布、乾燥、マスクを用いた露光、現像、反応性イオンエッチングを用いたエッチング、レジスト除去という多くの工程が必要とされていた。本発明による製造方法を用いれば、赤外線センサのボロメータ用抵抗体4の製造工程を大幅に短縮できるという特徴がある。
【0077】
このレーザー光照射によってボロメータ用抵抗体4を形成する際に、レーザー光照射を複数段階、少なくとも2段階からなる多段階に分けて行うことも有効である。具体的には、最初の段階の照射を金属有機化合物を完全に分解させるに至らない程度の弱い照射で行い、次にペロブスカイト型Mn酸化物に結晶化させることができる程度の強い照射を行うことが望ましい。
【0078】
また、金属有機化合物を塗布した絶縁性基板を500℃以下の温度に加熱しながらレーザー照射をすると、室温で照射した場合よりもボロメータ用抵抗体4のTCRをより大きくすることができる。さらに、金属有機化合物を塗布する絶縁性基板にSrTiO、LaAlO、NdGaOなどの酸化物単結晶薄膜を用いることによって、ボロメータ用抵抗体4のTCRをさらに大きくすることができる。
【0079】
次に、ボロメータ用抵抗体4を形成する別の方法として、まずボロメータ用抵抗体4のパターン部分を隠すマスクを通して、アブレーションがおこる程度の強度の強いレーザー光を金属有機化合物を塗布した絶縁性基板に照射することによって、ボロメータ用抵抗体4以外の部分の金属有機化合物はアブレーションされて除去されてしまう。
【0080】
一方、抵抗体4のパターン部分の金属有機化合物にはこの段階では何の変化も起こっていない。次に、マスクを取り外して波長400nm以下のレーザー光を照射すると、ボロメータ用抵抗体4の部分の有機金属化合物がペロブスカイト型Mn酸化物に結晶化するので、直接ボロメータ用抵抗体4を形成することができる。したがって、この製造方法を用いた場合には、上記の製造方法では必要とされたレーザー光照射後の有機溶剤による処理の工程も省略することが可能となる。
【0081】
この二回目のレーザー光照射によってボロメータ用抵抗体4を形成する際に、レーザー光照射を複数段階、少なくとも2段階からなる多段階に分けて行うことも有効である。具体的には、最初の段階の照射を金属有機化合物を完全に分解させるに至らない程度の弱い照射で行い、次にペロブスカイト型Mn酸化物に結晶化させることができる程度の強い照射を行うことが望ましい。
【0082】
また、金属有機化合物を塗布した絶縁性基板を500℃以下の温度に加熱しながらレーザー照射をすると、室温で照射した場合よりもボロメータ用抵抗体4のTCRをより大きくすることができる。さらにまた、金属有機化合物を塗布する絶縁性基板にSrTiO、LaAlO3、NdGaOなどの酸化物単結晶薄膜を用いることによって、ボロメータ用抵抗体4のTCRをさらに大きくすることができる。
【0083】
【実施例】
以下に本発明のボロメータ用酸化物薄膜及び赤外線センサの製造方法について実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
【0084】
(実施例1)
金属有機化合物として金属有機酸系のナフテン酸La溶液、ナフテン酸Sr溶液、ナフテン酸Mn溶液を用い、La、Sr、Mnの比率が0.8:0.2:1になるようにトルエンに溶解させた。基板には、表面に熱酸化膜(SiO)を0.2μm程度形成した(100)Si基板を用いた。この基板上に上記の原料溶液をスピンコートした後、200℃、10分間乾燥した。この工程を5回繰り返した。次にArFエキシマレーザー光を10mJ/cm、50Hz、30秒間、さらに50mJ/cm、10Hz、5分間大気中室温で照射した。
【0085】
得られた薄膜の構造をX線回折法によって評価したところ、図2に見られるようにペロブスカイト型Mn酸化物の構造に対応する回折ピークのみが観察され、本発明による波長400nm以下のレーザー光照射によって室温でも目的とする薄膜が得られることが確認された。
【0086】
また、この薄膜の電気抵抗の温度変化を四端子法によって測定したところ、300K付近にペロブスカイト型Mn酸化物特有の絶縁体−金属相転移に伴う大きな電気抵抗の変化が観察された。この相転移に伴って8%/K程度の大きなTCRが得られた。この値は従来バナジウム系薄膜や半導体領域を利用したMn系薄膜で観察されていた2〜4%/K程度のTCRと比べると非常に大きな値である。
【0087】
また、この温度付近での電気抵抗率も1Ωcm程度であり、ボロメータ用材料に必要とされる電気抵抗率の範囲に入っている。このように本発明による製造方法を用いれば、TCRの大きなペロブスカイト型Mn酸化物を低温で形成することができるので、Si製造プロセスとの整合性もあり、ボロメータ用抵抗材料の製造方法として非常に優れていることがわかった。
【0088】
なお、本実施例において、ArFエキシマレーザー光の照射を10mJ/cmの強度で10Hz、5分間照射した場合には、光の強度が弱く薄膜は結晶化せず、ペロブスカイト型Mn酸化物は得られなかった。一方、100mJ/cm以上の強度で1分間照射した場合にはアブレーションが起こってしまい、照射後基板上には金属有機化合物が残存していなかった。
【0089】
このように本発明によるペロブスカイト型Mn酸化物薄膜の製造方法では、照射するレーザー光の強度はある最適な範囲で行う必要がある。ここで、この最適なレーザー光の強度は金属の組み合わせや金属有機化合物の種類によって変化するのは当然のことである。
【0090】
(実施例2)
金属有機化合物としてアセチルアセトナートLa溶液、アセチルアセトナートSr溶液、アセチルアセトナートCa溶液、及び、アセチルアセトナートMn溶液を用い、La、Sr、Ca、Mnの比率が0.7:0.1:0.2:1になるように酢酸ブチルに溶解させた。
【0091】
基板には、実施例1と同じ表面に熱酸化膜(SiO)を0.2μm程度形成した(100)Si基板、及び、Si基板上にバッファ層を介してSrTiOエピタキシャル薄膜を形成したものを用いた。SrTiO薄膜の厚さは50nm程度とした。この基板上に上記の原料溶液をスピンコートした後、200℃、10分間乾燥した。この工程を両方の基板とも10回繰り返した。
【0092】
これらの基板を250℃に加熱したホットプレート上に設置し、ArFエキシマレーザー光を10mJ/cm、50Hz、30秒間、引き続いて50mJ/cm、10Hz、5分間大気中で照射した。これらの薄膜の構造をX線回折法によって評価したところ、両方の薄膜ともペロブスカイト型Mn酸化物の構造に対応する回折ピークのみが観察された。この際、Si熱酸化膜上のMn薄膜は図2と同様に配向性等は見られず、薄膜は多結晶的であった。ただし、レーザー光照射時に基板温度を250℃に加熱した効果によって実施例1の場合よりもシャープなX線回折ピークが得られた。
【0093】
一方、SrTiO薄膜上に形成したペロブスカイト型Mn酸化物は基板とほぼ同じ位置に(200)回折ピークのみが観察され、エピタキシャル成長していた。これらの薄膜の電気抵抗の温度変化を四端子法によって測定したところ、実施例1と同様のペロブスカイト型Mn酸化物特有の絶縁体−金属相転移に伴う大きな電気抵抗の変化が室温付近で観察された。
【0094】
TCRは、Si熱酸化膜上のMn系薄膜で11%、また、SrTiOエピタキシャル薄膜上のMn系薄膜で13%程度の大きな値が得られた。また、この温度付近での電気抵抗率も1Ωcm程度であり、ボロメータ用材料に必要とされる電気抵抗率の範囲に入っている。
【0095】
(実施例3)
上記のペロブスカイト型Mn酸化物薄膜をボロメータ用抵抗体4として用いて、以下の方法で赤外線センサを作製した。読み出し回路が形成されたSi基板1上にWSi等の赤外で反射率が高い金属をスパッタ法で成膜し、赤外線反射膜8とした。この赤外線反射膜8上に多結晶シリコン膜等で犠牲層を将来の空隙3の位置に形成した。
【0096】
この犠牲層上にはSiNやSiOのような絶縁膜をプラズマCVD法で成膜し、この部分をブリッジ構造体2とした。次に熱伝導率の小さい金属、例えばTi等をブリッジ構造体2上にスパッタ法で形成し、露光、現像、エッチング工程により配線5を形成した。
【0097】
次に、金属有機化合物としてナフテン酸Pr溶液、ナフテン酸Sr溶液、ナフテン酸Mn溶液を用い、Pr、Sr、Mnの比率が0.8:0.2:1になるようにトルエンに溶解させた溶液を準備した。この溶液をブリッジ構造体2上にスピンコートした後、200℃、10分間乾燥し、この工程を10回繰り返した。次に、ボロメータ用抵抗体4のパターン部分のみ、波長400nm以下のレーザー光を透過させる形状のマスクをブリッジ構造体2上にセッティングした。
【0098】
この状態で、ArFエキシマレーザー光を10mJ/cm、50Hz、30秒間、さらに50mJ/cm、10Hz、5分間大気中室温で照射した。この結果、レーザー光の照射されたボロメータ用抵抗体4のパターン部分はペロブスカイト型Mn酸化物に結晶化し、レーザー光の照射されないその他の部分は何も変化が起こらず金属有機化合物のままの状態で残っている。この段階で、有機溶剤で洗浄すると非照射部分は溶解して選択的に除去され、ボロメータ用抵抗体4の部分のみにペロブスカイト型Mn酸化物が残った。
【0099】
引き続き、ボロメータ用抵抗体4の上にSiNやSiOのような絶縁膜をプラズマCVD法で成膜して保護膜6を形成した。この保護膜6上に反応性スパッタ法などによりTiN等の赤外吸収膜7を形成した。この後、ヒドラジン等により犠牲層をウエットエッチングして空隙3とした。以上の方法によって宙に浮いた構造のダイアフラムを形成した。
【0100】
このセルが赤外線センサとして作動する原理は以下のとおりである。赤外線がセルに入射するとまず赤外吸収膜7で一部が吸収され、一部透過した赤外線も赤外線反射膜8で反射され、結果として入射した赤外線は赤外線吸収膜7に完全に吸収されることになる。吸収された赤外線は熱となりダイアフラムを加熱してボロメータ用抵抗体4の電気抵抗を変化させる。このようにして作製した赤外線センサの温度分解能NETDは従来の酸化バナジウム系薄膜をボロメータ用抵抗体4に用いた赤外線センサと比較して1/3以下に下げることができた。
【0101】
(実施例4)
実施例3とは別の製造方法によって、ペロブスカイト型Mn酸化物薄膜をボロメータ用抵抗体4に用いた赤外線センサを作製した。まず、実施例3と同様に、読み出し回路が形成されたSi基板1上にWSi等の赤外で反射率が高い金属をスパッタ法で成膜し赤外線反射膜8とした。赤外線反射膜8上に多結晶シリコン膜等で犠牲層を将来の空隙3の位置に形成した。
【0102】
この犠牲層上にはSiNやSiOのような絶縁膜をプラズマCVD法で成膜し、この部分をブリッジ構造体2とした。次に熱伝導率の小さい金属、例えばTi等をブリッジ構造体2上にスパッタ法で形成し、露光、現像、エッチング工程により配線5を形成した。
【0103】
次に、金属有機化合物としてアセチルアセトナートNd溶液、アセチルアセトナートSr溶液、アセチルアセトナートBa溶液、アセチルアセトナートMn溶液を用い、Nd、Sr、Ba、Mnの比率が0.8:0.18:0.02:1になるように酢酸ブチルに溶解させた溶液を準備した。
【0104】
この溶液をブリッジ構造体2上にスピンコートした後、200℃、10分間乾燥し、この工程を10回繰り返した。次に、このブリッジ構造体2上に抵抗体4のパターン部分を隠し、その他の部分はレーザー光を透過させるマスクを設置し、500mJ/cmの比較的強い強度のレーザーを3分間照射した。この結果、抵抗体4のパターン部分以外はレーザー光があたったため有機金属化合物がアブレーションされて除去された。次に、マスクを取り外して、ArFエキシマレーザー光を10mJ/cm、50Hz、30秒間、さらに50mJ/cm、10Hz、5分間大気中室温で照射した。この結果、二回目にレーザー光の照射されたボロメータ用抵抗体4のパターン部分のみがペロブスカイト型Mn酸化物に結晶化した。
【0105】
引き続き、ボロメータ用抵抗体4の上にSiNやSiOのような絶縁膜をプラズマCVD法で成膜して保護膜6を形成した。この保護膜6上に反応性スパッタ法などによりTiN等の赤外吸収膜7を形成した。この後、ヒドラジン等により犠牲層をウエットエッチングして空隙3とした。以上の方法によって宙に浮いた構造のダイアフラムを形成した。このようにして作製した赤外線センサの温度分解能NETDは従来の酸化バナジウム系薄膜をボロメータ用抵抗体4に用いた赤外線センサと比較して1/3以下の小さな値にすることができた。
【0106】
同一のボロメータ用抵抗体4を用いた場合、セル面積を小さくするとNETDが大きくなる、すなわち赤外線センサの温度分解能が悪くなる。しかしながら本発明のようにボロメータ用抵抗体4にペロブスカイト型Mn酸化物薄膜を用いるとTCRが非常に大きいので、NETDを従来レベル以下に保つことができる。このため、赤外線センサの多画素化にも対応可能である。
【0107】
なお、本発明が上記各実施例に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、各実施例は適宜変更され得ることは明らかである。
【0108】
【発明の効果】
本発明によれば、本発明によるボロメータ用酸化物薄膜及び赤外線センサの製造方法は、電気抵抗の温度係数の大きなペロブスカイト型Mn酸化物薄膜をレーザー光を用いた光反応によって低温で成膜することができる。
【0109】
さらに、これによって、温度分解能の優れた非冷却型赤外線センサを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のペロブスカイト型Mn酸化物薄膜をボロメータ用抵抗体に用いた赤外線センサの一例を示す図である。
【図2】本発明のペロブスカイト型Mn酸化物薄膜のX線回折による測定結果を示す図である。
【符号の説明】
1 Si基板
2 ブリッジ構造体
3 空隙
4 ボロメータ用抵抗体
5 配線
6 保護膜
7 赤外線吸収膜
8 赤外線反射膜

Claims (24)

  1. 絶縁性基板上に形成された酸化物薄膜が、Aを三価の希土類金属、Bをニ価のアルカリ土類金属として、A1−xMnO (0<x<1)で表されるペロブスカイト型Mn酸化物からなり、この酸化物薄膜の電気抵抗を測定して照射された輻射エネルギー強度を測定するボロメータ用の酸化物薄膜の製造方法において、
    上記酸化物薄膜を作製する際に、金属有機化合物を溶媒に溶解させて溶液状とし、
    この金属有機化合物の溶液を、上記絶縁性基板上に塗布して乾燥させ、
    その後、波長400nm以下のレーザー光を照射して炭素−酸素結合を切断して分解し、
    生成した酸化物を結晶化させることを特徴とするボロメータ用酸化物薄膜の製造方法。
  2. 上記ペロブスカイト型Mn酸化物の希土類金属が、La、Nd、Prの中から選ばれたいずれかひとつ、又はその複合物からなることを特徴とする請求項1に記載のボロメータ用酸化物薄膜の製造方法。
  3. 上記ペロブスカイト型Mn酸化物のアルカリ土類金属がCa、Sr、Baの中から選ばれたいずれかひとつ、又はその複合物からなることを特徴とする請求項1に記載のボロメータ用酸化物薄膜の製造方法。
  4. 上記波長400nm以下のレーザー光として、ArF、KrF、XeCl、XeF、Fから選ばれるエキシマレーザーを用いることを特徴とする請求項1に記載のボロメータ用酸化物薄膜の製造方法。
  5. 上記波長400nm以下のレーザー光の照射を、複数段階で行うことを特徴とする請求項1に記載のボロメータ用酸化物薄膜の製造方法。
  6. 上記複数段階のレーザー光の照射は、最初の段階で金属有機化合物を完全に分解させるに至らないように実施され、
    次の段階で上記ペロブスカイト型Mn酸化物を結晶化させるように実施されることを特徴とする請求項5に記載のボロメータ用酸化物薄膜の製造方法。
  7. 上記波長400nm以下のレーザー光を照射する際に、金属有機化合物を塗布した絶縁性基板を500℃以下の温度に加熱することを特徴とする請求項1に記載のボロメータ用酸化物薄膜の製造方法。
  8. 上記絶縁性基板が、SrTiO、LaAlO、NdGaOの中から選ばれたペロブスカイト型酸化物単結晶薄膜であることを特徴とする請求項1に記載のボロメータ用酸化物薄膜の製造方法。
  9. 上記金属有機化合物が金属有機酸塩であることを特徴とする請求項1に記載のボロメータ用酸化物薄膜の製造方法。
  10. 上記金属有機酸塩の金属がLa、Nd、Pr、Ca、Sr、Ba、Mnからなる群から選ばれるものであることを特徴とする請求項9に記載のボロメータ用酸化物薄膜の製造方法。
  11. 上記金属有機酸塩の有機酸が、ナフテン酸、2−エチルヘキサン酸、カプリル酸、ステアリン酸、ラウリン酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、クエン酸、乳酸、安息香酸、サリチル酸、エチレンジアミン四酢酸からなる群から選ばれるものであることを特徴とする請求項9に記載のボロメータ用酸化物薄膜の製造方法。
  12. 上記金属有機化合物が金属アセチルアセトナート錯体であることを特徴とする請求項1に記載のボロメータ用酸化物薄膜の製造方法。
  13. 上記金属アセチルアセトナート錯体の金属がLa、Nd、Pr、Ca、Sr、Ba、Mnからなる群から選ばれるものであることを特徴とする請求項12に記載のボロメータ用酸化物薄膜の製造方法。
  14. 上記金属アセチルアセトナート錯体を溶解させる溶媒が酢酸ブチル、トルエン、アセチルアセトン、メタノールから選ばれるものであることを特徴とする請求項12に記載のボロメータ用酸化物薄膜の製造方法。
  15. 請求項1に記載の前記酸化物薄膜を、ボロメータ用抵抗体として用い、前記ボロメータ用抵抗体を形成する際に、金属有機化合物を塗布した絶縁性基板にセッテ ィングされたボロメータ用抵抗体のパターン部分のみ波長400nm以下のレーザー光を透過する形状のマスクを通して、波長400nm以下のレーザー光を照射してペロブスカイト型Mn酸化物を形成した後に、溶剤を用いて非照射部分を溶解除去してボロメータ用抵抗体のパターンを直接形成することを特徴とする赤外線センサの製造方法。
  16. 上記波長400nm以下のレーザー光の照射を複数段階で行って絶縁性基板上にボロメータ用抵抗体のパターンを直接形成することを特徴とする請求項15に記載の赤外線センサの製造方法。
  17. 上記複数段階のレーザー光の照射は、最初の段階で金属有機化合物を完全に分解させるに至らないように実施され、
    次の段階でペロブスカイト型Mn酸化物に結晶化させるように実施され、
    これにより、絶縁性基板上にボロメータ用抵抗体のパターンを直接形成することを特徴とする請求項16に記載の赤外線センサの製造方法。
  18. 上記波長400nm以下のレーザー光を照射する際に、金属有機化合物を塗布した絶縁性基板を500℃以下の温度に加熱することによって、絶縁性基板上にボロメータ用抵抗体のパターンを直接形成することを特徴とする請求項15に記載の赤外線センサの製造方法
  19. 上記金属有機化合物を塗布した絶縁性基板がSrTiO 、LaAlO 、NdGaO の中から選ばれたペロブスカイト型酸化物単結晶薄膜であることを特徴とする請求項15に記載の赤外線センサの製造方法。
  20. 請求項1に記載の前記酸化物薄膜を、ボロメータ用抵抗体として用い、上記ボロメータ用抵抗体を形成する際に、最初にボロメータ用抵抗体のパターン部分を隠すマスクパターンを通して、アブレーションがおこる程度の強度の強いレーザー光を金属有機化合物を塗布した絶縁性基板に照射した後、
    上記マスクを取り外して、波長400nm以下のレーザー光を照射してペロブスカイト型Mn酸化物を直接ボロメータ用抵抗体パターンとして形成することを特徴とする赤外線センサの製造方法。
  21. 上記二回目のレーザー光照射において、波長400nm以下のレーザー光の照射を複数段階で行って絶縁性基板上にボロメータ用抵抗体のパターンを直接形成することを特徴とする請求項20に記載の赤外線センサの製造方法。
  22. 上記二回目のレーザー光照射において、波長400nm以下のレーザー光の照射を複数段階で行う際に、最初の段階の照射を金属有機化合物を完全に分解させるに至らないように実施し、
    次の段階の照射をペロブスカイト型Mn酸化物を結晶化させるように実施し、
    これにより、絶縁性基板上にボロメータ用抵抗体のパターンを直接形成することを特徴とする請求項20に記載の赤外線センサの製造方法
  23. 上記二回目のレーザー光照射において、波長400nm以下のレーザー光を照射する際に、金属有機化合物を塗布した絶縁性基板を400℃以下の温度に加熱することによって、絶縁性基板上にボロメータ用抵抗体のパターンを直接形成することを特徴とする請求項20に記載の赤外線センサの製造方法。
  24. 上記金属有機化合物を塗布した絶縁性基板がSrTiO 、LaAlO 、NdGaO の中から選ばれたペロブスカイト型酸化物単結晶薄膜であることを特徴とする請求項20に記載の赤外線センサの製造方法。
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