JP4135834B2 - 包装体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば化粧品等の商品(被包装物)を収容して展示しながら販売し得る包装体及び包装ケースに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、小型の瓶容器入りの化粧品等の商品は、販売時におけるディスプレイ性を考慮して透明のプラスチックシートを屈曲することにより形成された包装ケース内に収容されている。そして、この種の包装ケースは、図7に示す如く、前後壁51,52、天壁53及び底壁55を備え且つ両側が開口された収容部56を有するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来の包装ケースは、その両側が開口されているため、商品57が包装ケースで包装されてなる包装体を取り扱う場合(輸送時等)に、商品57が包装ケースから容易に飛び出したり、脱落したりするおそれがある。従って、包装ケースから商品57が不用意に飛び出したり、あるいは、脱落したりするのを防止する必要がある。
【0004】
また、商品57を包装ケースで包装する作業は、迅速に行えるのが好ましいのであるが、従来では例えば、商品57を被覆すべくシートを屈曲した後に、シートの適宜箇所を接着する構成であったため、商品57を容易且つ迅速に包装できないという欠点があった。
【0005】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたもので、スリーブ状の包装ケースから被包装物が不用意に飛び出したり、あるいは、脱落したりするのを防止すると共に、シートを破断することなく商品をスムーズ且つ確実に包装ケースに入れて包装できるようにすることを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために包装体としてなされたものである。包装体としての特徴は、透明性を有するプラスチックシートを屈曲することにより、底壁部(8)と該底壁部(8)から上方に延設された一対の被覆部(12a),(12b)が形成され、底壁部(8)と被覆部(12a),(12b)で形成される両側が開口された収容部(4)が形成された包装ケース(2)の該収容部(4)に被包装物(10)が、被覆部(12a),(12b)を通して透視可能に収容された包装体において、前記各被覆部(12a),(12b)の先端には、互いに接近させる方向に曲げられた天壁部(7a),(7b)と、該天壁部(7a),(7b)の上端から上方に延設され、互いに非接着の弾性部(14b),(9b)を有する接続部(14),(9)とが設けられ、更に両方の接続部(14),(9)は連結され、前記弾性部(14b),(9b)は、天壁部(7a),(7b)との曲げ部分と共に、被包装物(10)の上端部を挟持できるように、前記被覆部(12a),(12b)を互いに接近させる方向に付勢し、且つ天壁部(7a),(7b)と底壁部(8)との間隔(L3)は、被包装物(10)の上面から底面までの距離(L4)よりも小さく設定されて、被包装物(10)が、天壁部(7a),(7b)及び底壁部(8)により上下方向から押圧挟持されていることにある。
【0007】
そして、被包装物10を包装ケース2で包装する際には、両方の弾性部14b,9bを弾性力に抗して離間させることができるため、被包装物10を収容部4に収容することができる。
このとき、両方の弾性部14b,9bは、弾性力により被覆部12a,12bを互いに接近させようとするため、両方の被覆部12a,12bは被包装物10の上部を挟持することとなり、被包装物10は包装ケースから不用意に飛び出したり、脱落したりするおそれはない。
【0008】
また、包装ケースとしての特徴は、透明性を有するシートを屈曲することにより、底壁部8と該底壁部8から上方に延設された一対の被覆部12a,12bとから両側が開口された収容部4が形成された包装ケースにおいて、前記各被覆部12a,12bの上端には、各被覆部12a,12bに延設された互いに非接着の弾性部14b,9bを有する接続部14,9がそれぞれ設けられ、更に両方の接続部14,9は連結され、両方の弾性部14b,9bは、被包装物10を前記収容部4に収容した際に、前記被覆部12a,12bを互いに接近させる方向に付勢する構成である。
【0009】
そして、かかる包装ケースは、収容部4に被包装物10を収容した際に、両方の弾性部14b,9bの弾性力により、被包装物10の上部を挟持して保持することができる。
また、弾性部14b,9bを弾性力に抗して離間させることができるため、仮に被包装物10の上部の径が若干相違する場合であっても、弾性部14b,9bがその相違分を吸収することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参酌しつつ説明する。
図1〜図5は本発明の第一実施の形態を示し、本実施形態における包装体は、一枚の帯状の透明なプラスチックシート3から構成された包装ケース2と、該ケース2内に収容される被包装物としての容器10とからなる。
尚、ここで、プラスチックシート3の透明とは、容器10を透視可能な程度の半透明も含む。プラスチックシート3としては、例えば、厚さ0.1〜0.5mmのポリエステルやポリプロピレン、ポリ塩化ビニル製のシートが使用できる。
【0011】
前記包装ケース2は、容器10が収容可能な収容部4を備えるように、底壁部8と、該底壁部8から上方に延設された一対の被覆部12a,12bとから主構成されている。一方の被覆部12aは、前壁部5と、該前壁部5の上端から延設された前天壁部7aとからなり、該前天壁部7aの先端には、吊下孔9aを有する接続部としての吊下部9が上方に延設されている。
前記他方の被覆部12bは、後壁部6と、該後壁部6の上端から延設された後天壁部7bとからなり、該後天壁部7bの先端には、接続部14が上方に延設されている。
【0012】
ここで、前記プラスチックシート3は、図5に示す如く、一方側から吊下部9、前天壁部7a、前壁部5、底壁部8、後壁部6、後天壁部7b及び接続部14が、順次折り曲げ罫線が施された折り目a,b,c,d,e,fを介して区画されている。そして、前記接続部14が、例えばホットメルト等の接着剤や熱融着等で前記吊下部9の裏面に接着されている。接続部14の接着部分14a(図5にドットで示す部分)は、接続部14の一方側(上端側)に設けられ、他方側(前壁部7b側)には接着されない非接着部(弾性部)14bが設けられている。
【0013】
一方、吊下部9は、前記接続部14の接着部分14aが対応する接着部分9aが設けられ、該接着部分9aと前記前天壁部7aとの間には、非接着の弾性部9bが設けられている。
【0014】
また、前後壁部5,6と前後天壁部7a,7bの屈曲部には、開口15、16がそれぞれ形成されている。かかる開口15、16は前記折り目b及び折り目eを両端とする切込み20,21を形成することにより設けられている。
【0015】
前記容器10は、例えば化粧液が充填された容器本体11と、該容器本体11の口部に着脱自在に螺合されたキャップ13とからなる。キャップ13は例えば円錐台状を呈している。そして、図4に示す如く、前記接続部14の全面が吊下部9に接触した状態(両方の弾性部9b,14bの全面が接触した状態)での両方の天壁部7a,7bの距離L1は、キャップ13の上端の小径部の直径d1よりも若干小さく設定されている。
【0016】
また、容器本体11の最も大径となる直径d2は、前記前後壁部5,6の間隔L2と等しいか、または、若干大きく設定されている。しかも、前後天壁部7a,7bと底壁部8との間隔L3は、キャップ13の上面から容器本体11の底面までの距離L4と等しいか、または、若干小さく設定されている。
【0017】
上記構成からなる包装体は、容器10をケース2の収容部4の一方側の開口から内部に嵌入する。このとき、前後天壁部7a,7bの距離L1は、キャップ13の上端の小径部の直径d1よりも若干小さく設定されていることから、キャップ13は、前後天壁部7a,7bを離間させようとする。
【0018】
このとき、接続部14の弾性部14b及び吊下部9の弾性部9bは、弾性力に抗して湾曲しながら拡がる。従って、弾性部9b,14bは板バネの機能を発揮して前後天壁部7a,7bを互いに接近させる方向に付勢することにより、該天壁部7a,7bと前後壁部5,6との屈曲部分でキャップ13の上部を挟持する。しかも、前記キャップ13の上縁部が、開口15,16に係合するため、キャップ13は、左右方向にずれることはない。
【0019】
また、容器本体11の直径d2は、前記前後壁部5,6の間隔L2と等しいか、または、若干大きく設定されていることから、容器本体11は前後方向にずれるおそれもない。
【0020】
更に、前後天壁部7a,7bと底壁部8との間隔L3は、キャップ13の上面から容器本体11の底面までの距離L4と等しいか、または、若干小さく設定されていることから、容器10は前後天壁部7a,7bと底壁部8とから上下方向から押圧され、不用意に開口から脱落するおそれもなく、安定性が良く容器10は包装ケース2により確実に保持される。
【0021】
また、反対に、容器10を包装ケース2から取り出す場合には、前記弾性部9b,14bを弾性力に抗して拡げながら容器10を包装ケース2から取り出すことができる。
【0022】
本発明は、上記のそれぞの実施の形態に限定されるものではなく、キャップ13及び容器本体11の形状は、任意に設定できる。キャップ13及び容器本体11の直径とは、断面形状が円形である場合に限らず、楕円形や矩形状の任意の形状を含む概念である。
前記前後天壁部と前後壁部とは必ずしも折り目を設けて区画する必要はなく、例えば、図6に示す如くキャップ13の上面が球面状を有する場合には、天壁部と前後壁部とは、連続する湾曲状に連続させるようにしても良い。
【0023】
また、接続部として吊下部9を例示したが、吊り下げ機能は必ずしも設ける必要はなく、接続部を両側から合掌貼りさせる構成であっても良い。しかも、両方の接続部は、連続するシートを屈曲することにより形成しても良い。
【発明の効果】
以上のように本発明の包装体の各被覆部の先端には、互いに接近させる方向に曲げられた天壁部と、該天壁部の上端から上方に延設され、互いに非接着の弾性部を有する接続部とが設けられ、更に両方の接続部は連結され、前記弾性部は、天壁部との曲げ部分と共に、被包装物の上端部を挟持できるように、前記被覆部を互いに接近させる方向に付勢し、且つ被包装物を天壁部と底壁部とで押圧挟持できるように、被包装物の上面から底面までの距離に対して、天壁部と底壁部との間隔を小さく設定しているので、両方の弾性部と、天壁部との曲げ部分とによる弾性力、及び、天壁部と底壁部による上下方向からの押圧を利用して被包装物を不用意に飛び出したり、脱落したりすることなく、包装ケースで保持することができる。
【0024】
また、両方の弾性部を互い拡げて離間させることにより、被包装物を包装ケースにスムーズ且つ容易に収容することができる。
しかも、両方の弾性部は離間させることができることから、被包装物の上部の寸法が若干相違する場合であっても、被包装物の寸法の差(サイズの差)を弾性部で吸収することができ、包装に際して支障となることはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施の形態を示す包装体の斜視図。
【図2】同包装体の要部を示す断面側面図。
【図3】同包装体の全体側面図。
【図4】(a)は包装ケースの側面図、(b)は容器の側面図
【図5】同包装ケースの展開平面図。
【図6】本発明の第二実施の形態の包装体の要部断面図。
【図7】従来例を示す包装体の斜視図。
【符号の説明】
2…包装ケース、5…前壁部、6…後壁部、7…天壁部、8…底壁部、9b…弾性部、10…容器(被包装物)、12a,12b…被覆部、14b…弾性部、L1…天壁部の距離、d1…被包装物の上端部の直径

Claims (3)

  1. 透明性を有するプラスチックシートを屈曲することにより、底壁部(8)と該底壁部(8)から上方に延設された一対の被覆部(12a),(12b)が形成され、底壁部(8)と被覆部(12a),(12b)で形成される両側が開口された収容部(4)が形成された包装ケース(2)の該収容部(4)に被包装物(10)が、被覆部(12a),(12b)を通して透視可能に収容された包装体において、前記各被覆部(12a),(12b)の先端には、互いに接近させる方向に曲げられた天壁部(7a),(7b)と、該天壁部(7a),(7b)の上端から上方に延設され、互いに非接着の弾性部(14b),(9b)を有する接続部(14),(9)とが設けられ、更に両方の接続部(14),(9)は連結され、前記弾性部(14b),(9b)は、天壁部(7a),(7b)との曲げ部分と共に、被包装物(10)の上端部を挟持できるように、前記被覆部(12a),(12b)を互いに接近させる方向に付勢し、且つ天壁部(7a),(7b)と底壁部(8)との間隔(L3)は、被包装物(10)の上面から底面までの距離(L4)よりも小さく設定されて、被包装物(10)が、天壁部(7a),(7b)及び底壁部(8)により上下方向から押圧挟持されていることを特徴とする包装体。
  2. 前記各被覆部(12a),(12b)の間隔(L2)が、被包装物(10)の容器本体(11)の直径(d2)よりも小さく設定されて、被包装物(10)の容器本体(11)が、前記各被覆部(12a),(12b)により前後方向から押圧挟持されていることを特徴とする請求項1に記載の包装体。
  3. 前記各天壁部(7a),(7b)の距離(L1)が、被包装物(10)の容器本体(11)の上端の小径部の直径(d1)よりも小さく設定されて、被包装物(10)の容器本体(11)の上端の小径部が、前記各天壁部(7a,7b)及び前記各天壁部(7a),(7b)との曲げ部分により押圧挟持されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の包装体。
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