JP4135281B2 - 油圧フランジ及び該油圧フランジを備えた工具 - Google Patents

油圧フランジ及び該油圧フランジを備えた工具 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば研削砥石を平面研削盤に装着するための油圧フランジ、及びこの油圧フランジを備えた工具に関して、特に、油圧フランジに嵌合された研削工具又は切削工具と、油圧フランジとの直角度を向上させる技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図5は、従来技術の一例による油圧フランジ1aを備えた工具1の要部側断面図である。この油圧フランジ1aは、略円環板状のフランジ本体2の一端において、フランジ本体2の外周面2Aに対して一段拡径した外周面を有する円環板状のフランジ部3が形成されており、フランジ本体2の中央部には回転軸線Oと同軸に、平面研削盤(図示略)等のスピンドルが装着される取付孔4が貫設されている。
この工具1は、油圧フランジ1aと、砥粒層7を有する台金5と、クランプ部材6とを備えて構成されている。フランジ本体2には、フランジ本体2の外周面2Aの外径よりも僅かに大きな内径の内周面5Bを有する円環板状の台金5が嵌合されており、台金5の内周面5Bがフランジ本体2の外周面2Aに当接し、さらに、台金5の一方の端面5Cが、フランジ本体2の外周面2Aと直交するフランジ部3の端面3Cと当接するようにされている。
また、フランジ本体2の外周面2Aの他端側には、台金5の他方の端面5Dに当接して台金5を回転軸線O方向に沿ってフランジ部3に押圧する略円環板状のクランプ部材6が着脱可能に螺合されている。すなわち、クランプ部材6は例えばナットとされており、クランプ部材6の内周面上には、フランジ本体2の外周面2A上に設けられたねじ部に螺合する内周側ねじ部が形成されている。
そして、台金5の外周面上には砥粒層7が形成されている。
【0003】
フランジ本体2の内部において、フランジ本体2の外周面2A近傍で台金5の内周面5Bと対向する位置には、回転軸線Oと同軸に円環板状の油圧室8が形成されており、この油圧室8はフランジ本体2の外周面2Aから所定の一定距離だけ離間して配置されている。そして、フランジ部3の内部には、フランジ部3の外周面3A上にて開口する略円柱状のシリンダー部9が、フランジ部3の径方向に沿って設けられており、このシリンダー部9の底面側の端部は、流路10を介して油圧室8と連通されている。そして、油圧室8及びシリンダー部9及び流路10には、作動油11が封入されている。
シリンダー部9の開口端部には、ピストン12が、シリンダー部9の内部にてフランジ部3の径方向に摺動可能に螺合されており、ピストン12の端部には、シリンダー部3の内周面とピストン12の外周面との間を液密に閉塞するOリング13が装着されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来技術の一例による油圧フランジ1aを備えた工具1では、フランジ本体2に、砥粒層7を備えた台金5を装着する際には、先ず、油圧室8内の圧力を大気圧と同程度に設定して、台金5をフランジ本体2に嵌合する。次に、ピストン12をシリンダー部9の内部にてフランジ部3の径方向の内側に向かい移動させる。これにより、作動油11が油圧室8に送給され、作動油11の圧力により油圧室8が膨張させられる。すると、油圧室8とフランジ本体2の外周面2Aとの間の拡張部2aの略中央部が外周側に向かって突出変位して、フランジ本体2の外周面2Aが拡径する。この結果、拡張部2aが台金5の内周面5Bを押圧して、台金5が油圧フランジ1aに対して同軸に位置決めされる。次に、クランプ部材6をフランジ本体2に螺合して、台金5を回転軸線O方向に沿ってフランジ部3に押圧して、台金5を油圧フランジ1aに対して固定する。
【0005】
この場合、例えば、フランジ部3の端面3Cは回転軸線Oに対して直交する基準面とされており、この基準面に台金5の一方の端面5Cを当接させることで、回転軸線Oに対して台金5の径方向を直交させて配置させることができる。
しかしながら、上述したように油圧室8を膨張させて台金5を油圧フランジ1aに対して位置決めする際には、例えば、台金5の一方の端面5Cとフランジ部3の端面3Cとを当接させて、台金5の端面5Cとフランジ本体2の外周面2Aとの直角度を保つような力は作用していないことから、フランジ本体2の外周面2Aに対して台金5の内周面5Bが傾いた状態、すなわち台金5の径方向に沿った直線Pと、フランジ本体1aの回転軸線Oとの直角度が悪い状態で位置決めされてしまう恐れがある。
また、クランプ部材6をフランジ本体2に螺合して、台金5を回転軸線O方向に沿ってフランジ部3に押圧固定した場合であっても、クランプ部材6の内周側ねじ部と、フランジ本体2のねじ部との間には所定の遊びが設けられているため、台金5を押圧するクランプ部材6の端面は回転軸線Oに対して直交しているとは限らず、基準面とされるフランジ部3の端面3Cに対して、台金5の端面5Cが傾いた状態で固定されてしまう恐れがある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、研削工具又は切削工具を油圧フランジに装着する際に、研削工具又は切削工具と油圧フランジとの直角度を容易に向上させることが可能な油圧フランジ及びこの油圧フランジを備えた工具を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決して係る目的を達成するために、請求項1に記載の本発明の油圧フランジは、回転軸線を有するフランジ本体に、このフランジ本体よりも大きな外径を有するフランジ部と、前記フランジ本体の外周面上に嵌合された環状の研削工具又は切削工具を前記フランジ部に押圧固定するクランプ部材とを備えてなる油圧フランジであって、前記フランジ本体の内部で、前記研削工具又は前記切削工具の内周面と対向する位置に前記回転軸線と同軸に配置された環状の油圧室と、前記油圧室に作動油を送給して前記油圧室と前記フランジ本体の外周面との間の拡張部を外周側へ向かって変位させる油供給機構とを備え、前記油圧室の外周面は、前記回転軸線に沿った方向にて前記フランジ部から離間するにつれて、前記回転軸線との間の距離が大きくなるように形成されていることを特徴としている。
【0007】
上記構成の油圧フランジによれば、油供給機構によりシリンダー部から流路を介して油圧室へと作動油を給送して油圧室を膨張させると、油圧室の外周面とフランジ本体の外周面との間の拡張部のうち、回転軸線に沿った方向において、フランジ部から離間した位置ほど径方向の外側に突出変位する。このため、フランジ本体の外周面が研削工具又は切削工具の内周面を押圧する力の方向は、径方向からフランジ部に向かい所定の角度だけ傾斜した方向となる。すなわち、この力は径方向成分に加えて、回転軸線に沿ってフランジ部へと向かう軸線方向成分を有しており、研削工具又は切削工具は、力の径方向成分により回転軸線と同軸になるように位置決めされると同時に、軸線方向成分によりフランジ部へと向かい押圧されることで、研削工具又は切削工具の端面とフランジ部の端面とが確実に当接するように位置決めされる。これにより、研削工具又は切削工具の径方向に沿った直線と、油圧フランジの回転軸線との直角度を向上させることができる。
【0008】
さらに、請求項2に記載の本発明の油圧フランジは、前記油圧室の外周面は、前記回転軸線に対して所定角だけ傾斜したテーパ面状に形成されていることを特徴としている。
【0009】
上記構成の油圧フランジによれば、フランジ本体の外周面が、研削工具又は切削工具の内周面を押圧する力の方向は、油圧フランジの径方向からフランジ部へと向かい所定角だけ傾斜した方向となり、この所定角を調整することで、力の径方向成分と軸線方向成分との比率を変化させることができる。
【0010】
また、請求項3に記載の本発明の油圧フランジを備えた工具は、回転軸線を有する台金の外周面上に砥粒層が設けられてなる環状の研削工具、又は、回転軸線を有する工具本体の外周部に切刃を備えてなる環状の切削工具と、前記研削工具又は前記切削工具が装着される油圧フランジとを備えてなる工具であって、前記油圧フランジは、回転軸線を有するフランジ本体に、このフランジ本体よりも大きな外径を有するフランジ部と、前記フランジ本体の外周面上に嵌合された前記研削工具又は前記切削工具を前記フランジ部に押圧固定するクランプ部材とを備えると共に、前記フランジ本体の内部で、前記研削工具又は前記切削工具の内周面と対向する位置に前記回転軸線と同軸に配置された環状の油圧室と、前記油圧室に作動油を送給して前記油圧室と前記フランジ本体の外周面との間の拡張部を外周側へ向かって変位させる油供給機構とを備えてなり、前記油圧室の外周面、及び前記フランジ本体の外周面、及び前記研削工具又は前記切削工具の内周面は、前記回転軸線に沿った方向にて前記フランジ部から離間するにつれて漸次拡径したテーパ面状に形成されていることを特徴としている。
【0011】
上記構成の油圧フランジを備えた工具によれば、例えば、油圧室の外周面が油圧フランジの回転軸線に対して所定の第1角度だけ傾斜し、フランジ本体の外周面が油圧フランジの回転軸線に対して所定の第2角度だけ傾斜していると、油圧室が膨張した際には、フランジ本体の外周面が研削工具又は切削工具の内周面を押圧する力の方向は、油圧フランジの径方向からフランジ部へと向かい、第1角度と第2角度の和の角度だけ傾斜した方向となる。すなわち、例えば油圧室の外周面だけを回転軸線Oに対して傾斜させる場合に比べて、フランジ本体の外周面が研削工具又は切削工具の内周面を押圧する力の回転軸線方向の成分を増大させることができる。
しかも、油圧室の外周面の傾斜角と、フランジ本体の外周面の傾斜角との差を小さくすることができ、拡張部の径方向の厚さが厚くなりすぎることを抑制して、フランジ本体の外周面が確実に径方向に突出変位して、研削工具又は切削工具の内周面を押圧することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施形態に係る油圧フランジを備えた工具ついて添付図面を参照しながら説明する。図1は本発明の第1の実施形態に係る油圧フランジ20を備える工具21の要部側断面図であり、図2は図1に示す工具21の要部拡大側断面図である。
本実施の形態による油圧フランジ20を備える工具21は、フランジ本体22及びフランジ部23を備えてなる油圧フランジ20と、台金24及び砥粒層25を備えてなる研削砥石26と、クランプ部材27とを備えて構成されている。
【0013】
油圧フランジ20のフランジ本体22は略円環板状に形成されており、このフランジ本体22の一端には、フランジ本体22の外周面22Aよりも一段拡径した外周面23Aを有する円環板状のフランジ部23が形成されている。そして、油圧フランジ20の中央部には回転軸線Oと同軸に、平面研削盤(図示略)等のスピンドルが装着される取付孔28が貫設されている。
この取付孔28は、油圧フランジ20の一端20a側において開口すると共に、他端20b側へと向かい漸次縮径したテーパ状の内周面を有するテーパ孔部28aと、油圧フランジ20の他端20b側において開口すると共に、所定の一定内径の内周面を有する貫通孔28bとが、回転軸線O方向に沿った適宜の位置で連結されて構成されている。
【0014】
さらに、フランジ本体22の外周面22Aと直交するフランジ部23の端面23Cには、回転軸線O方向に沿って端面23C上から突出する略円環板状の突出部29が形成されており、この突出部29は、フランジ部23の外周面23Aと等しい外径を有する外周面と、フランジ本体22の外周面22Aの外径よりも大きな内径を有する内周面と、フランジ部23の端面23Cに対して平行、すなわち回転軸線Oに対して直交する基準面29Cとを備えて構成されている。
また、フランジ本体22の他端側において外周面22A上には、ねじ部30が形成されている。
【0015】
研削砥石26の台金24は略円環板状に形成されており、フランジ本体22の外周面22Aの外径よりも僅かに大きな内径を有する内周面24Bを備えており、台金24の外周面上には、例えばダイヤモンドやCBN等を含む砥粒層25が設けられている。
この工具21は、油圧フランジ20に研削砥石26が嵌合されて形成されており、台金24の内周面24Bがフランジ本体22の外周面22Aに当接すると共に、台金24の一方の端面24Cが突出部29の基準面29Cに当接するように配置されている。
そして、例えば外観略円環板状のナットをなすクランプ部材27は、その内周面上に、フランジ本体22のねじ部30に着脱可能に螺合する内周側ねじ部31を備えており、回転軸線O周りに回転させられてフランジ本体22のねじ部30に螺合させられたクランプ部材27は、台金24の他方の端面24Dに当接して台金24を回転軸線O方向に沿ってフランジ部23に向かい押圧する。
【0016】
フランジ本体22の内部において、フランジ本体22の外周面22A近傍で台金24の内周面24Bと対向する位置には、回転軸線Oと同軸に略円環板状の油圧室32が形成されている。
この油圧室32は、図2に示すように、油圧フランジ20の一端20a側から他端20b側に向かって漸次拡径するテーパ状の外周面32A及び内周面32Bを有しており、径方向における外周面32Aと内周面32Bとの間の距離は一定となるように形成されている。すなわち、油圧フランジ20の径方向において、油圧室32の一方の端部32aが他方の端部32bよりも回転軸線Oに近接するようにして、油圧室32が回転軸線Oに対して所定角θだけ傾斜すると共に、所定の一定の厚さを有するように形成されている。
【0017】
なお、図2に示すように、油圧室32の外周面32Aとフランジ本体22の外周面22Aとの間の拡張部22aにて最も肉厚が薄い部分の厚さt、すなわち油圧室32の外周面32A上の他端32cとフランジ本体22の外周面22Aとの間の距離tは、特に限定されるものではないが、好ましくは、1mm≦t≦2mmとされており、例えば1.5mmに設定されている。ここで、距離tが1mmよりも小さいと、油圧室32に油圧が作用した時に拡張部22aに破損が生じる恐れがあり、逆に、距離tが2mmよりも大きくなると、油圧室32に油圧が作用した時に拡張部22aが外周側に向かって突出変位する量が小さくなりすぎて、フランジ本体22の外周面22Aによって台金24の内周面24Bを押圧することができなくなる恐れがある。
【0018】
そして、フランジ部23の内部には、例えば、フランジ部23の外周面23A上にて開口する略円柱状のシリンダー部33が、フランジ部23の径方向に沿って設けられており、このシリンダー部33の底面側の端部は、流路34を介して油圧室32の一方の端部32aと連通されている。
ここで、油圧室32及びシリンダー部33及び流路34には、作動油35が封入されている。
そして、シリンダー部33の開口端部には、ピストン36が、シリンダー部33の内部にてフランジ部23の径方向に摺動可能に装着されており、ピストン36の端部には、シリンダー部33の内周面とピストン36の外周面との間を液密に閉塞するOリング37が装着されている。
また、フランジ部23の一方の端部23bには、周方向に所定間隔をおいて複数のバランスウェイト38,…,38が備えられている。なお、これらのバランスウェイト38,…,38は省略されていても良い。
【0019】
本実施の形態による油圧フランジ20を備える工具21は上記構成を備えており、次に、油圧フランジ20に研削砥石26を装着する方法について説明する。先ず、油圧室32内の圧力を大気圧と同程度に設定して、砥粒層25を備えた台金24をフランジ本体22に嵌合する。次に、ピストン36をシリンダー部33の内部にてフランジ部23の径方向の内側に向かい移動させる。これにより、作動油35が流路34を介して油圧室32に送給され、作動油35の圧力により油圧室32が膨張させられる。すると、油圧室32とフランジ本体22の外周面22Aとの間の拡張部22aの略中央部が外周側に向かって突出して、フランジ本体22の外周面22Aが拡径する。
【0020】
この時、油圧室32は回転軸線Oに対して所定角θだけ傾斜して配置されているため、この油圧室32が膨張することによって、フランジ本体22の外周面22Aには、回転軸線Oと直交する径方向に対して油圧フランジ20の一端20a側に向かって所定角θだけ傾斜した方向に突出するような力Fが作用する。すなわち、図2に示すように、フランジ本体22の外周面22Aには、回転軸線Oと直交する径方向の外側に向かう径方向分力F1と、回転軸線O方向に沿ってフランジ部23へと向かう軸方向分力F2とが作用する。
この結果、先ず、フランジ本体22の外周面22Aと当接する台金24の内周面24Bが径方向の外側に向かって押圧されることで、台金24が回転軸線Oに対して同軸になるようにして位置決めされる。
【0021】
これに加えて、台金24の内周面24Bが回転軸線O方向に沿ってフランジ部23へと向かう方向に押圧されることで、台金24の一方の端面24Cが突出部29の基準面29Cに当接した状態で押圧されるため、台金24の一方の端面24Cが回転軸線Oに対して直交するようにして位置決めされる。
次に、クランプ部材27を回転軸線O周りに回転させて、クランプ部材27の内周側ねじ部31をフランジ本体22のねじ部30に螺合させ、クランプ部材27によって台金24を回転軸線O方向に沿ってフランジ部23に向かい押圧して、台金24を油圧フランジ20に対して固定する。
【0022】
上述したように、本実施の形態による油圧フランジ20を備えた工具21によれば、フランジ本体22に砥粒層25を備える台金24を装着する際に、フランジ本体22内部の油圧室32が膨張することによって、フランジ本体22の外周面22Aは、回転軸線Oと直交する径方向外側を向く方向から所定角θだけ傾斜した方向に突出するため、台金24を、径方向外側に向かう方向と共に、回転軸線O方向に沿ってフランジ部23に向かう方向へと押圧することができる。
これにより、研削砥石26を回転軸線Oと同軸になるように位置決めすることができると共に、台金24の一方の端面24Cが回転軸線Oに対して直交するようにして位置決めすることができ、研削砥石26が油圧フランジ20に対して傾いて装着されることを防ぐことができる。
【0023】
なお、本実施の形態においては、径方向において、油圧室32の外周面32Aと内周面32Bとの間の距離は一定となるように形成されているとしたが、これに限定されず、油圧室32の内周面32Bは、例えば回転軸線Oとの間の距離が一定となるように形成されていても良いし、回転軸線Oに対して適宜の角度だけ傾斜して配置されていても良い。要するに、油圧室32の外周面32Aが回転軸線Oに対して所定角θだけ傾斜して配置されていれば良い。
さらに、本実施の形態においては、油圧室32の外周面32Aは、油圧フランジ20の一端20a側から他端20b側に向かって漸次拡径するテーパ状に形成されているとしたが、これに限定されず、例えば回転軸線O方向に沿ってフランジ部23から離間する方向において、所定間隔毎に拡径した多段状に形成されていても良い。要するに、回転軸線O方向に沿ってフランジ部23から離間するほど、拡張部22aが径方向の外側に向かって突出すればよい。
【0024】
次に、本発明の第2の実施形態に係る油圧フランジを備えた工具ついて添付図面を参照しながら説明する。なお、上述した第1の実施形態と同一部分には同じ符号を配して説明を簡略または省略する。図3は本発明の第2の実施形態に係る油圧フランジ40を備える工具41の要部側断面図であり、図3は図2に示す工具41の要部拡大側断面図である。
本実施の形態による油圧フランジ40を備える工具41は、フランジ本体42及びフランジ部23を備えてなる油圧フランジ40と、台金44及び砥粒層25を備えてなる研削砥石46と、クランプ部材27とを備えて構成されている。
【0025】
油圧フランジ40のフランジ本体42は略円環板状に形成されており、このフランジ本体42の一端には、フランジ本体42の外周面よりも一段拡径した外周面23Aを有する円環板状のフランジ部23が形成されている。
フランジ本体42の外周面は、油圧フランジ40の一端40a側から他端40b側に向かって漸次拡径したテーパ状のテーパ外周面42Aと、油圧フランジ40の他端40b側にて所定の一定外径を有する端部外周面42Bとから構成されており、端部外周面42B上にはねじ部30が形成されている。
すなわち、テーパ外周面42Aは、油圧フランジ40の他端40b側よりも一端40a側の方が回転軸線Oに近接しており、図4に示すように、回転軸線Oに対して所定の第1角度θ1だけ傾斜して配置されている。
【0026】
研削砥石46の台金44は略円環板状に形成されており、油圧フランジ40の一端40a側から他端40b側に向かって漸次拡径したテーパ状の内周面44Bを備えており、図4に示すように、回転軸線Oに対して所定の第2角度θ2だけ傾斜して配置されている。なお、第1角度θ1と第2角度θ2との大きさの相対関係は、特に限定されるものではないが、例えば第1角度θ1<第2角度θ2とされている。また、油圧室32が回転軸線Oに対して傾斜する所定角θと、第1角度θ1との大きさの相対関係は、特に限定されるものではないが、例えば第1角度θ1<所定角θとされている。
さらに、図4に示すように、フランジ本体42のテーパ外周面42A上の他端42dにおける外径は、台金44の内周面44B上の一端44dにおける内径よりも小さくされている。
【0027】
なお、油圧室32の外周面32Aとフランジ本体42のテーパ外周面42Aとの間の拡張部42aにて最も肉厚が薄い部分の厚さt、すなわち油圧室32の外周面32A上の他端32cとフランジ本体42のテーパ外周面42Aとの間の距離tは、特に限定されるものではないが、好ましくは、1mm≦t≦2mmとされており、例えば1.5mmに設定されている。ここで、距離tが1mmよりも小さいと、油圧室32に油圧が作用した時に拡張部42aに破損が生じる恐れがあり、逆に、距離tが2mmよりも大きくなると、油圧室32に油圧が作用した時に拡張部42aが外周側に向かって突出変位する量が小さくなりすぎて、フランジ本体42のテーパ外周面42Aによって台金44の内周面44Bを押圧することができなくなる恐れがある。
【0028】
本実施の形態による油圧フランジ40を備える工具41は上記構成を備えており、次に、油圧フランジ40に研削砥石46を装着する方法について説明する。先ず、油圧室32内の圧力を大気圧と同程度に設定して、砥粒層25を備えた台金44をフランジ本体42に嵌合する。次に、ピストン36をシリンダー部33の内部にてフランジ部23の径方向の内側に向かい移動させる。これにより、作動油35が流路34を介して油圧室32に送給され、作動油35の圧力により油圧室32が膨張させられる。すると、油圧室32とフランジ本体42のテーパ外周面42Aとの間の拡張部42aの略中央部が外周側に向かって突出変位して、フランジ本体42のテーパ外周面42Aが拡径する。
【0029】
この時、油圧室32は回転軸線Oに対して所定角θだけ傾斜して配置されていると共に、フランジ本体42のテーパ外周面42Aは回転軸線Oに対して第1角度θ1だけ傾斜して配置されているため、油圧室32が膨張することによって、フランジ本体42のテーパ外周面42Aには、回転軸線Oと直交する径方向に対して油圧フランジ40の一端40a側に向かって所定の角度(所定角θ+第1角度θ1)だけ傾斜した方向に突出するような力Fが作用する。すなわち、図4に示すように、フランジ本体42のテーパ外周面42Aには、回転軸線Oと直交する径方向の外側に向かう径方向分力F1と、回転軸線O方向に沿ってフランジ部23へと向かう軸方向分力F2とが作用する。
この結果、先ず、フランジ本体42のテーパ外周面42Aと当接する台金44の内周面44Bが径方向の外側に向かって押圧されることで、台金44が回転軸線Oに対して同軸になるようにして位置決めされる。
【0030】
これに加えて、台金44の内周面44Bが回転軸線O方向に沿ってフランジ部23へと向かう方向に押圧されることで、台金44の一方の端面44Cが突出部29の基準面29Cに当接した状態で押圧されるため、台金44の一方の端面44Cが回転軸線Oに対して直交するようにして位置決めされる。
次に、クランプ部材27を回転軸線O周りに回転させて、クランプ部材27の内周側ねじ部31をフランジ本体42のねじ部30に螺合させ、クランプ部材27によって台金44を回転軸線O方向に沿ってフランジ部23に向かい押圧して、台金44を油圧フランジ40に対して固定する。
【0031】
上述したように、本実施の形態による油圧フランジ40を備えた工具41によれば、フランジ本体42に研削砥石46を装着する際に、フランジ本体42内部の油圧室32が膨張することによって、フランジ本体42のテーパ外周面42Aは、回転軸線Oと直交する径方向外側を向く方向から所定の角度(所定角θ+第1角度θ1)だけ傾斜した方向に突出変位するため、回転軸線O方向に沿って拡張部42aの厚さが厚くなりすぎることを抑制して、台金44を、径方向外側に向かう方向と共に、回転軸線O方向に沿ってフランジ部23に向かう方向へと、確実に押圧することができる。
これにより、台金44の一方の端面44Cを、基準面29Cに対して平行に当接させて、回転軸線Oに対して直交するように位置決めすることができる。
【0032】
なお、本発明は、研削砥石26,46を嵌合する油圧フランジ20,40に限定されることなく、例えば回転軸線を有する工具本体の外周面上に切刃を備えてなる環状の切削工具等を嵌合する油圧フランジにも採用できる。
【0033】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の本発明の油圧フランジによれば、研削工具又は切削工具は、フランジ本体の外周面が研削工具又は切削工具の内周面を押圧する力の径方向成分により回転軸線と同軸になるように位置決めされると同時に、軸線方向成分によりフランジ部に押圧されることで、研削工具又は切削工具の端面とフランジ部の端面とが確実に当接するように位置決めされる。これにより、研削工具又は切削工具の径方向に沿った直線と、油圧フランジの回転軸線との直角度を向上させることができる。
さらに、請求項2に記載の本発明の油圧フランジによれば、フランジ本体の外周面が、研削工具又は切削工具の内周面を押圧する力の方向は、油圧フランジの径方向からフランジ部へと向かい所定角だけ傾斜した方向となり、この所定角を調整することで、力の径方向成分と軸線方向成分との比率を変化させることができる。
また、請求項3に記載の本発明の油圧フランジを備えた工具によれば、フランジ本体の外周面が研削工具又は切削工具の内周面を押圧する力の回転軸線方向の成分を増大させることができると共に、回転軸線Oに対して、油圧室の外周面の傾斜角と、フランジ本体の外周面の傾斜角との差を小さくすることができ、拡張部の径方向の厚さが厚くなりすぎることを抑制して、フランジ本体の外周面が確実に径方向に突出変位して、確実に研削工具又は切削工具の内周面を押圧することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態に係る油圧フランジを備えた工具の要部側断面図である。
【図2】 図1に示す工具の要部拡大側断面図である。
【図3】 本発明の第2の実施形態に係る油圧フランジを備えた工具の要部側断面図である。
【図4】 図3に示す工具の要部拡大側断面図である。
【図5】 従来技術の一例による油圧フランジを備えた工具の要部側断面図である。
【符号の説明】
20,40 油圧フランジ
21,41 油圧フランジを備えた工具
22,42 フランジ本体
23 フランジ部
24,44 台金
27 クランプ部材
32 油圧室
35 作動油
36 ピストン(油供給機構)

Claims (3)

  1. 回転軸線を有するフランジ本体に、このフランジ本体よりも大きな外径を有するフランジ部と、前記フランジ本体の外周面上に嵌合された環状の研削工具又は切削工具を前記フランジ部に押圧固定するクランプ部材とを備えてなる油圧フランジであって、
    前記フランジ本体の内部で、前記研削工具又は前記切削工具の内周面と対向する位置に前記回転軸線と同軸に配置された環状の油圧室と、
    前記油圧室に作動油を送給して前記油圧室と前記フランジ本体の外周面との間の拡張部を外周側へ向かって変位させる油供給機構とを備え、
    前記油圧室の外周面は、前記回転軸線に沿った方向にて前記フランジ部から離間するにつれて、前記回転軸線との間の距離が大きくなるように形成されていることを特徴とする油圧フランジ。
  2. 前記油圧室の外周面は、前記回転軸線に対して所定角だけ傾斜したテーパ面状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の油圧フランジ。
  3. 回転軸線を有する台金の外周面上に砥粒層が設けられてなる環状の研削工具、又は、回転軸線を有する工具本体の外周部に切刃を備えてなる環状の切削工具と、前記研削工具又は前記切削工具が装着される油圧フランジとを備えてなる工具であって、
    前記油圧フランジは、回転軸線を有するフランジ本体に、このフランジ本体よりも大きな外径を有するフランジ部と、前記フランジ本体の外周面上に嵌合された前記研削工具又は前記切削工具を前記フランジ部に押圧固定するクランプ部材とを備えると共に、
    前記フランジ本体の内部で、前記研削工具又は前記切削工具の内周面と対向する位置に前記回転軸線と同軸に配置された環状の油圧室と、
    前記油圧室に作動油を送給して前記油圧室と前記フランジ本体の外周面との間の拡張部を外周側へ向かって変位させる油供給機構とを備えてなり、
    前記油圧室の外周面、及び前記フランジ本体の外周面、及び前記研削工具又は前記切削工具の内周面は、前記回転軸線に沿った方向にて前記フランジ部から離間するにつれて漸次拡径したテーパ面状に形成されていることを特徴とする油圧フランジを備えた工具。
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