JP4134751B2 - 侵入センサ用アンテナ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電磁波を用いて車両の車室内への侵入者を検出する侵入センサ用アンテナに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、車室内に電磁波を照射し、その反射波を受信することにより、車室内への侵入者を検出する侵入センサがあった(例えば、特許文献1参照)。しかし、従来の侵入センサ用アンテナでは、図1に示すように、その放射パターンが、車室内の全域にほぼ一様な強度分布となるよう設定されていた。
【0003】
したがって、車室内の電波強度(図1でP1)と車室外への電波強度(図1でP2)との間の差が小さく、このため、検出される反射信号が車室内にある物体によるものか車室外にある物体によるものかを区別することが困難であった。また、このとき、センサの受信感度を高くすると、車室外の物体を侵入者と誤判定したり、逆にセンサの受信感度を低くすると、車室内への侵入者を検出できなくなったりするという問題があった。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−247289号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記点に鑑みて、侵入センサ用のアンテナの放射パターンに指向性の高いローブを形成し、このローブで車室内の周辺部方向を照射することにより車室外への放射を抑え、車室内に高い放射強度を確保することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、車室内の所定位置に配置され、前記車室内空間に所定の放射パターンで電磁波を照射する侵入センサ用アンテナであって、基板上に複数のマイクロストリップアンテナ素子を第1の方向および該第1の方向とは異なる第2の方向に配列してなるアレーアンテナを備え、前記第1の方向および前記第2の方向の少なくとも一方の方向には、両端にマイクロストリップアンテナ素子が配置されるとともに、その間にもマイクロストリップアンテナ素子が配置されており、前記第1の方向で隣接する前記マイクロストリップアンテナ素子が互いに逆相となる電流で励振されるとともに、前記第2の方向で隣接する前記マイクロストリップアンテナ素子が互いに逆相となる電流で励振されることにより、前記放射パターンを前記第1の方向および前記第2の方向にそれぞれ2分割して4方向に主ローブが形成されるようになっており、前記第1の方向を前記車室の車両進行方向に垂直な左右方向に一致させ、前記第2の方向を前記車室の車両進行方向に一致させるように当該侵入センサ用アンテナが車室内の所定位置に配置されたとき、前記4方向に形成された主ローブがそれぞれ車室内の窓ガラスの周辺部に向くようになっていることを特徴とする。
【0013】
この発明によれば、アレーアンテナを構成する第1の方向に配列されたマイクロストリップアンテナ素子において隣接するマイクロストリップアンテナ素子が互いに逆相となる電流で励振されるので、隣接するマイクロストリップアンテナ素子による放射強度が第1の方向には相加されその垂直方向には互いに相殺され、これにより第1の方向に配列した各マイクロストリップアンテナ素子による合成された放射パターンには第1の方向に2つの主ローブを形成することができ、また第1の方向とは異なる第2の方向においても隣接するマイクロストリップアンテナ素子が互いに逆相となる電流で励振されるので、第1および第2の方向にそれぞれ2つ、すなわち4方向に主ローブを形成することができ、このようにして形成された4方向の主ローブをそれぞれ窓ガラスの周辺部に向けるようにすれば、窓ガラスから車外へ照射される電波強度と車室内のピーク方向へ照射される電波強度との差を大きくして、窓ガラスの周辺部での侵入の誤検出や未検出を防止することができる。
【0014】
なお、前記第1の方向に配列された各マイクロストリップアンテナ素子は、請求項2に記載のように、それぞれ等振幅の電流で励振されるようにすれば、第1の方向における複数の主ローブの幅をそれぞれ狭くすることができる。
【0015】
また、請求項3に記載のように、前記各マイクロストリップアンテナ素子が、高次モードで励振されるようにすれば、マイクロストリップアンテナ素子単体で複数のローブを形成し、アレーアンテナにおいてこれらを合成することにより、さらに多数のローブを形成することができる。したがって、車室内の所望の方向へ主ローブを形成することができる。
【0018】
請求項4に記載の発明は、前記第2の方向に配列された各マイクロストリップアンテナ素子の励振電流振幅が、前記第2の方向において中央部にピーク値を持ち単調変化するよう設定されていることを特徴とする。
【0019】
この発明によれば、第2の方向において形成される主ローブの幅を広げることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
本発明の侵入センサ用アンテナの第1実施形態について、図面を参照して説明する。図2は、本第1実施形態のアレーアンテナ1を示しており、(a)は平面図、(b)は側面図である。なお、図2(a)において、紙面左右方向を第1の方向、上下方向を第2の方向として説明する。
【0023】
アレーアンテナ1は、裏面に銅箔等による地板2が形成された誘電体基板3の表面に、放射面となるマイクロストリップ線路層4がプリントされている。
【0024】
マイクロストリップ線路層4には、図2(a)に示すように、放射素子としてのマイクロストリップアンテナ素子(以下、MSA素子という)101〜112、MSA素子101〜102に給電する給電線120、および給電線120の途中に設けられる位相器1301〜1311および分配器1401〜1411が形成されている。
【0025】
本第1実施形態のアレーアンテナ1の動作周波数は24GHz(自由空間波長λ≒12.5mm)であり、MSA素子101〜112は、1辺が半波長程度の正方形の解放境界を有するパッチアンテナを用いており、各MSA素子は第2の方向から給電されて基本モードで励振される。
【0026】
なお、MSA素子としては、基本モードで励振させるために、励振方向の辺の長さが誘電体の誘電率で決定される波長短縮効果による波長λgの半分程度とすればよい。以下では、波長はこの波長短縮効果による波長λgおよび自由空間波長λを区別して用いる。
【0027】
すなわち、本第1実施形態では、第2の方向の辺の長さをλg/2=3〜4mm程度としている。また、励振方向以外の辺の長さは波長λgとは無関係に選ぶことができ、したがって、MSA素子の形状は正方形でなくともよい。
【0028】
12個のMSA素子101〜112が第1の方向には素子間隔d1で4列、および、第1の方向とは直角の方向である第2の方向には素子間隔d2で3列が、格子状に配列されている。本第1実施形態では、アレーアンテナ1を車室内天井に配置したとき車室外方向への電波放射を抑制するために、素子間隔は1自由空間波長λよりやや大きい程度である、d1=d2=15mm(各素子間の間隙=9mm)としている。
【0029】
なお、この素子間隔d1、d2は、後述するように、それぞれの方向で各MSA素子から放射される電波が相加、相殺される方向を決めるパラメータであり、必要に応じて適宜選択することができる。
【0030】
給電線120は、分配器2301により2つの給電線1201、1202に分岐され、電力がこれら給電線1201、1202に等分に分配される。給電線1201は5個の分配器1402、1403、1404、1405、1406を介して6個のMSA素子101、102、105、106、109、110にそれぞれ電力を供給する。同様に給電線1202は、5個の分配器1407、1408、1409、1410、1411を介して6個のMSA素子103、104、107、108、111、112にそれぞれ電力を供給する。
【0031】
なお、各MSA素子101〜112は、次のような励振電流が供給されるよう給電線120の各部の寸法形状が定められている。すなわち、第1の方向に配列される各MSA素子には、各列毎にそれぞれ等振幅の電流が供給される。また、第2の方向に供給される各MSA素子には、各列毎にそれぞれ、第2の方向に沿って中央部にピーク値を持ち単調に変化するような振幅分布(コサイン形状分布)の電流が供給される。したがって、たとえば、第1の方向に配列されたMSA素子101〜104の列、およびMSA素子109〜112の列にはすべて振幅比0.5の電流が供給され、一方、第2の方向の中央にあるMSA素子105〜108の列にはすべて振幅比1.0の電流が供給される。
【0032】
給電線120の適宜箇所には11個の位相器1301〜1311が形成されている。この位相器1301〜1311は、線路長を長くして各MSA素子を励振する電流の位相を変えるものである。例えば、第1の方向において隣接する2つのMSA素子109と110との間には、分配器1403の中心からMSA素子109および110の各中心までのそれぞれの線路長の差が(2n+1)λg/2、ただし、nは整数となるよう位相器1302が形成されている。これにより、MSA素子109および110には各励振電流の位相差が半波長λg/2、すなわちπ(=180°)に相当するよう給電され、両者からそれぞれ放射される電波は互いに逆相関係となる。
【0033】
同様に、第1の方向で隣接する2つのMSA素子110および111においては、分配器1401の中心から分配器1402および1407を経由してMSA素子110および111の各中心までのそれぞれの線路長の差が(2m+1)λg/2、ただし、mは整数となるよう位相器1301、1302、1307が形成されている。これによって、MSA素子110および111からそれぞれ放射される電波は互いに逆相関係となる。
【0034】
一方、第2の方向において隣接する2つのMSA素子105および109では、分配器1402の中心からMSA素子105および109の各中心までのそれぞれの線路長の差が(2k+1)λg/2、ただし、kは整数となるよう位相器1303が形成されている。これによって、MSA素子105および109からそれぞれ放射される電波は互いに逆相関係となる。
【0035】
したがって、本第1実施形態のアレーアンテナ1において各MSA素子の励振電流分布は、MSA素子101、102、・・・、112の順に(比振幅、位相)の形式で表すと、(0.5、0°)、(0.5、180°)、(0.5、0°)、(0.5、180°);(1.0、180°)、(1.0、0°)、(1.0、180°)、(1.0、0°);(0.5、0°)、(0.5、180°)、(0.5、0°)、(0.5、180°)となる。
【0036】
このように、本第1実施形態のアレーアンテナ1においては、表面に形成された12個のMSA素子が互いに直交する第1の方向および第2の方向にそれぞれ等間隔に配列され、かつ、第1および第2の方向でそれぞれ隣接する2つのMSA素子の励振電流は、全て逆相の関係になっている。これにより、各MSA素子から放射された電波が放射面方向では相加され、放射面と垂直な方向では打ち消し合うため、放射パターンを第1の方向および第2の方向にそれぞれ2分割して、主ローブを対称な4方向に形成させることができる。
【0037】
さらに、各MSA素子へ供給する電流分布を、第2の方向の中央部でピークとなり単調に変化するコサイン形状分布とすることにより、第2の方向における主ローブの幅を広げている。また、第1の方向には電流分布を均等とすることにより、第1の方向における主ローブの幅を狭くしている。
【0038】
したがって、第1の方向を車両の左右方向、第2の方向を車両の前後方向に一致させるようにアレーアンテナ1を車室内の天井に配置すれば、主ローブの幅が前後に広がることにより左右の窓全体を照射可能とし、左右に狭くなることにより車室内外への強度差を大きくとることができる。
【0039】
図3は、第1実施形態のアレーアンテナ1の放射パターンを車室内の下方から天井方向を見たときの斜視図として表したものである。すなわち、x軸を第1の方向、y軸を第2の方向、z軸を車室の天井から床に向う鉛直方向とし、xy平面上にアレーアンテナ1を配置したときの指向性を極座標で表している。なお、ローブ形状が急激に変化する領域では、ローブ曲面上の線を適宜省略している。
【0040】
図3より、放射強度の大きいピークを有しそれぞれ対称形状となる主ローブL11、L12、L13、L14が形成され、第1の方向(x軸方向)にL11とL12およびL13とL14がそれぞれ並び、第2の方向(y軸方向)にL11とL13およびL12とL14がそれぞれ並んでいることがわかる。なお、図3において、主ローブL11、L12、L13、L14以外の比較的小さなローブであるサイドローブ(符号は省略)は、侵入検知には不要な放射である。
【0041】
このアレーアンテナ1を、第1の方向を車室の左右方向に、第2の方向を車室の前後方向(車両進行方向)にそれぞれ一致するよう車室内の天井の左右中央に設置する。これにより、4つの主ローブをサイドピラーを除く車室内左右方向へ、ドア等の窓ガラスの周辺部、詳しくは、車体の外板の方向に向けることができ、車両後方から見た図である図4に示すように、車室内の侵入を検出すべき領域へ放射される電波の強度P10とガラスより車外に放射される電波の強度P20との差を大きくして、サイドピラー方向を除く左右周辺部全域において侵入検出を可能にする。
【0042】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態の侵入センサ用アンテナについて説明する。図5は、本第2実施形態のアレーアンテナ1の平面図を示している。上記第1実施形態と同様、紙面上下方向が第2の方向であり、車両の前後方向と一致するよう配置する。なお、第1実施形態と同じ構成には同一符号を付して説明を省略する。
【0043】
本第2実施形態のMSA素子は、第1実施形態とは異なり、第2の方向の素子寸法が1波長λg程度であり、これにより高次モードで励振される。なお、第1の方向の素子寸法は半波長程度である。このような寸法の矩形の8個のMSA素子201〜208が、第1の方向に素子間隔d1=15mmで、第2の方向に素子間隔d2=21mm(素子間の間隙=9mm)で格子状に誘電体基板3上に配列されている。
【0044】
図6に、上記図3と同様、本第2実施形態のMSA素子1個を車室内の天井に第2の方向を車両の前後方向に一致するよう配置したときの車室内への放射パターンを示す。すなわち、高次モードで励振されるMSA素子の放射パターンは、車両前後方向(第2の方向または素子の長手方向)に2つのローブを形成する。
【0045】
これらのMSA素子201〜208は、給電線210と給電線210に配された位相器2201〜2207および分配器2301〜2307とにより、第2の方向から給電される。このとき、給電線210、位相器2201〜2207および分配器2301〜2307は、第1および第2の方向にそれぞれ隣接するMSA素子が互いに逆相および等振幅となるような励振電流で励振できるようにマッチングがとられている。
【0046】
このように励振される8個のMSA素子201〜208による合成された放射パターンを、図3と同様の座標系による図7に示す。図7より、本第2実施形態のアレーアンテナ1は、放射強度の大きいピークを有しそれぞれ対称形状となる主ローブL21、L22、L23、L24が、上記第1実施形態とほぼ同じ形状で形成され、第1の方向(x軸方向)にL21とL22およびL23とL24がそれぞれ並び、第2の方向(y軸方向)にL21とL23およびL22とL24とがそれぞれ並んでいることがわかる。
【0047】
したがって、このアレーアンテナ1を、第1の方向を車室の左右方向に、第2の方向を車室の前後方向(車両進行方向)に一致するよう車室内の天井の左右中央に設置すれば、4つの主ローブをサイドピラーを除く車室内左右方向へ、ドアガラスの周辺部に向けることができ、図4に示すように、車室内の侵入を検出すべき領域へ放射される電波の強度P10とガラスより車外に放射される電波の強度P20との差を大きくして、サイドピラー方向を除く左右周辺部全域において侵入検出を可能にする。
【0048】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態の侵入センサ用アンテナについて説明する。本第3実施形態のアレーアンテナ1は、図2に示した上記第1実施形態と同様、基本モードで励振される12個のMSA素子を第1の方向に4個、第2の方向に3個格子状に配列したものである。ただし、第1および第2の方向の素子間隔をd1=d2=10mmとしている。
【0049】
さらに、上記第1実施形態と異なる点は、第2の方向に配列される3個のMSA素子の組(101、105、109)、(102、106、110)、(103、107、111)、(104、108、112)は、それぞれ、図8に示す位相関係となるような励振電流で励振される。すなわち、第2の方向である車両前後方向の車両前方からMSA番号を1、2、3とするとき、MSA番号1のMSA素子101、102、103、104の励振電流の位相を基準0°とし、MSA番号2のMSA素子105、106、107、108の位相を−90°遅れ、およびMSA素子番号3のMSA素子109、110、111、112の位相を−180°遅れとそれぞれ設定する。
【0050】
なお、第2の方向に配列される3個のMSA素子の組の励振振幅は、第1実施形態と同様、コサイン形状分布としている。
【0051】
また、第1の方向に隣接する各MSA素子には、第1実施形態と同様、それぞれ逆相および等振幅となるような励振電流で励振する。
【0052】
したがって、本第3実施形態のアレーアンテナ1において各MSA素子の励振電流分布は、MSA素子101、102、・・・、112の順に(比振幅、位相)の形式で表すと、(0.5、0°)、(0.5、180°)、(0.5、0°)、(0.5、180°);(1.0、−90°)、(1.0、90°)、(1.0、−90°)、(1.0、90°);(0.5、−180°)、(0.5、0°)、(0.5、−180°)、(0.5、0°)となる。
【0053】
図8は、第3実施形態のアレーアンテナ1の放射パターンを、上記図3と同様の座標系で示している。図8より、第2の方向、すなわち車両の前方へ向って、第1の方向すなわち左右方向に対称に、放射強度の大きいピークを有する主ローブL31、L32が形成されている。また、車両の後方へ(第2の方向)左右対称に(第1の方向に)、主ローブL31、L32よりも水平方向(xy平面方向)側へ偏向した主ローブL33、L34が形成されている。
【0054】
すなわち、第2の方向に配列する各MSA素子に供給する励振電流の位相を調整することにより主ローブの向きを第2の方向(車両前後方向)に偏向可能であり、本第3実施形態では、上記第1実施形態と比較して車両の前方への放射強度が後方への放射強度よりも高くなっている。したがって、第3実施形態のアレーアンテナ1は、たとえば、車室内の中央より後席側へずらして配置しなければならない場合に、これら偏向した主ローブL31、L32、L33、L34により車室前方の左右周辺部と車室後方の左右周辺部とをともに電波照射可能である。
【0055】
なお、主ローブの偏向方向は第2の方向(車両前後方向)に限らず、第1の方向に配列された各MSA素子を励振する電流の位相差を調整することにより左右方向への偏向も、さらには第1の方向および第2の方向の電流位相の調整を同時に行えば自由な方向への主ローブの偏向が可能となる。
【0056】
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態の侵入センサ用アンテナについて説明する。本第4実施形態のアレーアンテナ1を、第2の方向(車両前後方向)における側面図である図10に示す。本第4実施形態は、上記第1実施形態と同一の寸法形状を有する3個のMSA素子1010、1050、1090を第2の方向に素子間隔d2=10mmで1列に配列したものである。また、隣接する各MSA素子の励振電流が互いに逆相および等振幅となるよう、給電線、位相器および分配器を形成するマイクロストリップ線路の寸法形状が調整されている。
【0057】
このような第4実施形態のアレーアンテナ1の放射パターンは図11に示すように、第2の方向(車両前後方向)に3つのローブを形成し、車両前方、中央、および後方に対してそれぞれ電波を放射することができる。なお図11の座標系は上記図3等と同様である。
【0058】
(他の実施形態)
ミニバン等、車室内が(特に前後に)広い車両では、上記各実施形態で示した各アレーアンテナを1つによっては、侵入を検出すべき車室内の左右周辺部全域を照射することが困難となることが予想される。この場合には、図12に示すように複数のアレーアンテナ10、11を、例えば第2の方向(車両前後方向)に所定間隔で配列することにより、車両の前部から後部まで左右周辺部の全域を電波照射することができる。
【0059】
上記第1および第3実施形態において、第2の方向に配列したMSA素子に対する励振電流の振幅分布を、振幅比で0.5、1.0、0.5となるようなコサイン形状分布としたが、これに限らず、例えば0.2、1.0、0.2のような振幅分布であってもよい。要は、電流振幅のコサイン形状分布はサイドローブを抑制し、主ローブの幅を広げるものであり、必要なローブ形状となるよう適宜選択することができる。
【0060】
また、上記第1および第3実施形態では、第2の方向における電流振幅分布として、中央値に対して対称の値に設定したが、例えば、0.2、1.0、0.5のように非対称分布としてもよい。この場合には、第2の方向に主ローブを偏向させることができるので、車室内のアレーアンテナ1の配置位置に制限がある場合に有用な主ローブ形状が得られる。
【0061】
さらに、上記各実施形態では、アレーアンテナ1を車室内天井に配置する例を示したが、これに限らず、たとえば、車室内のセンタピラー部にアレーアンテナを配置して、主ローブを車室の横方向から侵入検出領域に向け、車室内外への放射強度差を大きくして電波照射するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の侵入センサ用アンテナの放射パターンを示す図である。
【図2】本発明の第1実施形態のアレーアンテナの、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【図3】第1実施形態のアレーアンテナの放射パターンの斜視図である。
【図4】第1実施形態のアレーアンテナの車両後方から見た放射パターンを示す図である。
【図5】第2実施形態のアレーアンテナの平面図である。
【図6】第2実施形態のMSA素子単体の高次モード放射パターンの斜視図である。
【図7】第2実施形態のアレーアンテナの放射パターンの斜視図である。
【図8】第3実施形態の各MSA素子の配置位置と励振電流の位相との関係を示す図である。
【図9】第3実施形態のアレーアンテナの放射パターンの斜視図である。
【図10】第4実施形態のアレーアンテナの側面図である。
【図11】第4実施形態のアレーアンテナの放射パターンの斜視図である。
【図12】他の実施形態を示す図である。
【符号の説明】
1…アレーアンテナ、2…地板、3…誘電体基板、4…マイクロストリップ線路、
101〜112…マイクロストリップアンテナ素子、120…給電線、
1301〜1311…位相器、1401〜1411…分配器。
Claims (4)
- 車室内の所定位置に配置され、前記車室内空間に所定の放射パターンで電磁波を照射する侵入センサ用アンテナであって、
基板上に複数のマイクロストリップアンテナ素子を第1の方向および該第1の方向とは異なる第2の方向に配列してなるアレーアンテナを備え、前記第1の方向および前記第2の方向の少なくとも一方の方向には、両端にマイクロストリップアンテナ素子が配置されるとともに、その間にもマイクロストリップアンテナ素子が配置されており、前記第1の方向で隣接する前記マイクロストリップアンテナ素子が互いに逆相となる電流で励振されるとともに、前記第2の方向で隣接する前記マイクロストリップアンテナ素子が互いに逆相となる電流で励振されることにより、前記放射パターンを前記第1の方向および前記第2の方向にそれぞれ2分割して4方向に主ローブが形成されるようになっており、
前記第1の方向を前記車室の車両進行方向に垂直な左右方向に一致させ、前記第2の方向を前記車室の車両進行方向に一致させるように当該侵入センサ用アンテナが車室内の所定位置に配置されたとき、前記4方向に形成された主ローブがそれぞれ車室内の窓ガラスの周辺部に向くようになっていることを特徴とする侵入センサ用アンテナ。 - 前記第1の方向に配列された各マイクロストリップアンテナ素子はそれぞれ等振幅の電流で励振されることを特徴とする請求項1に記載の侵入センサ用アンテナ。
- 前記各マイクロストリップアンテナ素子が、高次モードで励振されることを特徴とする請求項1または2に記載の侵入センサ用アンテナ。
- 前記第2の方向に配列された各マイクロストリップアンテナ素子の励振電流振幅が、前記第2の方向において中央部にピーク値を持ち単調変化するよう設定されていることを特徴とする請求項1または2に記載の侵入センサ用アンテナ。
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