JPWO2014122902A1 - アンテナ装置及び、無線通信装置 - Google Patents

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Abstract

各無給電素子アレーにおいて無給電素子は、ダイポールアンテナの長手方向に実質的に平行なストリップ形状を有し、所定の間隔で形成される。無給電素子アレーは、ダイポールアンテナからの電波を伝搬させる複数のギャップを形成するように配置され、ダイポールアンテナの長手方向の中点を高周波信号の導波方向に延ばした中心軸と、複数の無給電素子アレーで構成される無給電素子群ダイポールアンテナの長手方向の中点を高周波信号の導波方向に延ばした中心軸とが重ならないように配置される。

Description

本開示は、給電素子と、複数の無給電素子と、を備えたアンテナ装置、及びそれを用いた無線通信装置に関する。
従来技術として、ミリ波帯などの非常に高い高周波帯の電波の高利得なエンドファイアアンテナが知られている。高利得なアンテナは、指向性のビーム角度範囲が狭くなるため、モバイル機器などへの展開が困難であった。モバイル機器などへの展開を行うには、エンドファイアアンテナでのビーム制御が必要である。
一般的なエンドファイアアンテナは、誘電体基板の表面に形成された接地導体のエッジに、エッジに直交するスロットを形成し、誘電体基板の裏面にスロットと交差する給電線路を形成したスロットアンテナが知られている。給電線路はスロットと電磁的に結合し、給電線路を介して伝送される高周波信号はスロットを励振する。このときスロットに現れる電界はスロットに沿って誘電体基板のエッジ方向に導波され、導波方向に放射される。
そのため、誘電体基板の水平方向でビームの向きを変えたい場合は、変えたい方向へ導波路を配置しなければならない。
無給電素子等を用いて、ダイバーシティー方式等のビーム制御を行う際、導波路を複数の方向に配置し、プリントダイポールで基板水平の双方向に指向性を持つ構造、等の技術が先行例として開示されている(例えば、特許文献1)。
特開平7−245525号公報
本開示のアンテナ装置は、第1及び第2の面を有する誘電体基板と、前記誘電体基板の第1の面に形成され且つ第1の給電線路に接続された第1のダイポール素子と、前記誘電体基板の第2の面に形成され且つ接地導体に接続された第2のダイポール素子とを含む第1のダイポールアンテナと、複数の第1の無給電素子アレーを含み、前記第1の無給電素子アレーは前記誘電体基板の第1の面に形成された複数の第1の無給電素子を含む、第1の無給電素子群と、を備える。前記複数の第1の無給電素子は、前記第1のダイポールアンテナの長手方向に実質的に平行なストリップ形状をそれぞれ有し、互いに電磁的に結合するように配置され、前記複数の第1の無給電素子アレーは、実質的に互いに平行に配置され、隣接する前記第1の無給電素子アレー間にギャップが形成されており、前記第1のダイポールアンテナ及び前記第1の無給電素子群は、前記第1のダイポールアンテナの電気長の中点を高周波信号の導波方向に延ばした中心軸と前記第1の無給電素子群の前記第1のダイポールアンテナの長手方向の中点を高周波信号の導波方向に延ばした中心軸とが重ならないように配置した。
本開示におけるアンテナ装置は、高利得のエンドファイアアンテナ構造でビーム制御をすることを可能とする。
図1は、実施の形態1におけるアンテナ装置100の表面図である。 図2は、実施の形態1におけるアンテナ装置100の裏面図である。 図3は、図1のアンテナ装置100において、無給電素子アレー107の個数を6に設定し、それぞれの無給電素子アレー107に含まれる無給電素子106の個数を16に設定したときのZX平面における放射パターンを示すグラフである。 図4は、実施の形態1の変形例におけるアンテナ装置400の表面図である。 図5は、実施の形態1の変形例におけるアンテナ装置400の裏面図である。 図6は、図4のアンテナ装置400において、無給電素子アレー407の個数を6に設定し、それぞれの無給電素子アレー407に含まれる無給電素子406の個数を16に設定したときのZX平面における放射パターンを示すグラフである。 図7は、図1のアンテナ装置100において、ダイポール素子105の長さを変化させたときのZX平面における放射パターンの変位を示すグラフである。 図8は、実施の形態2におけるアンテナ装置800表面図である。 図9は、実施の形態2におけるアンテナ装置800裏面図である。 図10は、図8のアンテナ装置800において、第1のダイポールアンテナに給電した場合のZX平面における放射パターンを示すグラフである。 図11は、図8のアンテナ装置800において、第2のダイポールアンテナに給電した場合のZX平面における放射パターンを示すグラフである。 図12は、実施の形態3におけるアンテナ装置1200の表面図である。 図13は、図12のアンテナ装置1200において、第1のダイポールアンテナと第2のダイポールアンテナへの給電の位相差が±180度の場合のZX平面における放射パターンを示すグラフである。 図14は、図12のアンテナ装置1200において、第1のダイポールアンテナと第2のダイポールアンテナへの給電の位相差を90度に固定した場合のZX平面における放射パターンを示すグラフである。 図15は、実施の形態4における無線通信装置1500の表面図である。 図16は、実施の形態4における無線通信装置1600の表面図である。
以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために、提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態におけるアンテナ装置100の表面図であり、図2は図1のアンテナ装置100の裏面図で、表面側から見た図である。本実施の形態におけるアンテナ装置100は、ミリ波帯などの高周波帯で無線通信を行う無線通信装置のためのエンドファイアアンテナである。
図1、図2のアンテナ装置100は、誘電体基板101と、給電線路102と、接地導体103a、103b、103cと、ダイポール素子104、105と、11個の無給電素子106をそれぞれ含む6個の無給電素子アレー107とを備える。無給電素子群108は、6個の無給電素子アレー107を含んで構成する。なお、本実施の形態及び以下の各実施の形態及び変形例において、図1に示すようにXYZ座標系を定義する。図1の右方向を+Z軸方向とし、上方向を+X軸方向とする。+X軸方向と反対方向を−X軸方向とし、+Z軸方向と反対方向を−Z軸方向とする。さらに、図1の紙面から手前に垂直な方向を+Y軸方向とし、+Y軸方向と反対方向を−Y軸方向とする。
図1において、誘電体基板101は、例えばガラスエポキシ基板である。また、接地導体103a、103bと、給電線路102と、ダイポール素子104と、無給電素子106と、無給電素子アレー107と、無給電素子群108は、誘電体基板101の表面に形成され、接地導体103cと、ダイポール素子105は誘電体基板101の裏面に形成される。接地導体103cは、図1、図2の誘電体基板101の左端部に形成される。給電線路102は、接地導体103cに対向しかつ誘電体基板101の左端部から+Z軸方向に延在するように形成される。接地導体103a、103bは、接地導体103cに対向するように、給電線路102との間に所定の間隔を有して、給電線路102の両側にそれぞれ形成される。接地導体103a、103b及び103cは互いに電気的に接続されている。
図1及び図2において、接地導体103a、103b、103c及び給電線路102とはグランデッドコプレーナ線路を構成し、電力供給線となる。
給電線路102はダイポール素子104、105へ電力を供給する供給線である。高周波信号は、後述する高周波回路からグランデッドコプレーナ線路へ供給される。
ダイポール素子104と、ダイポール素子105は、二つの素子で一つのダイポールアンテナとして動作する。本実施の形態では、ダイポール素子104は誘電体基板101の表面に設けられ、ダイポール素子105は誘電体基板101の裏面に設けられる。ダイポール素子104は、給電線路102と接続され、+Z軸方向に所定距離L1延在し、直角に曲がり+X軸方向に延在している。ダイポール素子105は、接地導体103cと接続され、+Z軸方向に所定距離L1延在し、直角に曲がり−X軸方向にダイポール素子104と同じ長さで延在している。ダイポール素子104とダイポール素子105とを同一平面状に射影すると、両素子のX軸上の位置は、同一直線上で、一つの直線形状となり、電気長はL2である。ダイポール素子104とダイポール素子105とは逆相で接続され、一つのダイポールアンテナとしての動作を行う。電気長L2はアンテナ装置100が送受信する無線波長λの略半波長(λ/2)であることが望ましい。
グランデッドコプレーナ線路を構成している給電線路102と接地導体103a、103b、103cに高周波信号が供給されると、ダイポール素子104とダイポール素子105は、励振動作を行う。
図1において、6個の無給電素子アレー107は、それぞれ11個の無給電素子106を含む。
それぞれの無給電素子106は、その長手方向がダイポール素子104のX軸上で実質的に平行となる方向に、ダイポール素子104の+Z軸方向側の誘電体基板101上に設けられている。図1では、すべての無給電素子106はその長手方向が実質的に同じ長さL3を有している。L3は、アンテナ装置100が送受信する無線波長λの1/8(λ/8)以下であることが好ましい。
また無給電素子106は、X軸上に6個、及び、Z軸上に11個配列されている。無給電素子106の配列は、Z軸上で互いに隣り合う無給電素子106はX軸上の位置が同じになるように配列されている。X軸上の同じ位置を有する11個の無給電素子106の集合を無給電素子アレー107としている。無給電素子アレー107を構成する互いに隣り合う無給電素子106の間隔、つまり、Z軸上で互いに隣り合う無給電素子106の間隔L4は、アンテナ装置100が送受信する無線波長λの1/8(λ/8)以下の間隔で配列されている。
この構成により、無給電素子アレー107の両側(+X軸方向、−X軸方向)に電気壁が生じる。無給電素子アレー107をX軸上に複数並べることで、X軸上に隣り合う無給電素子アレー107間の長さL5のギャップが疑似的なスロットアンテナとなる。具体的には、5個の疑似的なスロットアンテナが形成される。そのため、ダイポール素子104とダイポール素子105とが励振動作により一次放射させた電磁界は、この疑似スロット内を+Z軸方向に導波し、アンテナ装置100の指向性方向である+Z軸方向の誘電体基板101の右端へ放射される。+Z軸方向を導波方向ともいう。
上記の説明では、アンテナ装置100から無線電波を送信する場合について説明したが、受信動作の場合は、+Z軸方向から到来した電磁波が無給電素子アレー107、ダイポール素子104、105、を通って、高周波回路へ高周波信号を伝達する。
図1のアンテナ装置100では、ダイポール素子104とダイポール素子105とで構成されるダイポールアンテナの電気長L2において、X軸上の中点を+Z軸方向に延ばした中心軸109と、無給電素子群108のX軸上の+X軸方向の端から−X軸方向の端に対する中点を+Z軸方向に延ばした中心軸110とを比較すると、中心軸110に対して中心軸109は+X軸方向ずれている。
つまり、ダイポールアンテナの中心軸109と無給電素子群108の中心軸110とはX軸上の位置が異なる位置関係である。
ダイポールアンテナの中心軸109は、ダイポール素子104とダイポール素子105とを一つのダイポールアンテナとしてみた場合に、その電気長L2の長さを半分にする位置を通り、その長手方向に垂直であって誘電体基板101の基板面上に設けられる軸である。図1に示されるように中心軸109は、誘電体基板101上に+Z軸方向に平行にダイポールアンテナのX軸上の中点を通過する軸である。
無給電素子群108の中心軸110は、上記のダイポールアンテナの中心軸109と、誘電体基板101上で平行に配置され、無給電素子群108のX軸上の最も+X軸方向に配置される無給電素子106と、X軸上の最も−X軸方向側に配置される無給電素子106との両無給電素子のX軸上の略半分の位置を通過する軸である。中心軸110が無給電素子群108の中心軸となる。
このようにダイポールアンテナと無給電素子群108をダイポールアンテナの中心軸109と、無給電素子群108の中心軸110とをX軸上の位置が異なる位置に配置する。これにより、アンテナ装置100の無線の放射方向を、ZX平面において放射方向をZ軸上から+X軸方向または−X軸方向に傾斜させることができる。図1、図2のようにダイポール素子104とダイポール素子105とで構成されるダイポールアンテナの中心軸109を、無給電素子群108の中心軸110より+X軸方向に配置することで、ギャップの−X軸方向の導波位相が遅れる。その結果、アンテナ装置100の無線の放射方向は−X軸方向に傾く。
図1のアンテナ装置100に対して3次元電磁波解析を行った結果を説明する。誘電体基板101を厚さ0.2mmのガラスエポキシを用い、ダイポール素子104の長さを0.8mm、ダイポール素子105の長さを0.8mm、無給電素子106のそれぞれの長さL3を0.4mm、無給電素子の+Z軸方向の間隔L4を0.12mmで、+Z軸方向に16個配置することで無給電素子アレー107を構成、無給電素子アレー107の+X軸方向の間隔L5を0.3mmで6列配置することで無給電素子群108を構成する。
ダイポール素子104、105で構成されるダイポールアンテナの中心軸109を、無給電素子群108の中心軸110から+X軸方向に1.1mmずらした位置に配置した場合のZX平面における放射パターンを解析した。図3は、図1のアンテナ装置100のZX平面における放射パターンを示すグラフである。ZX平面において、アンテナ利得8.4dBiの高利得で+Z軸方向に対して−X軸方向に20度程度ビームが傾斜している。
従来、無給電素子等を用いて、ダイバーシティー方式等のビーム制御を行う際、導波路を複数の方向に配置し、プリントダイポールで基板水平の双方向に指向性を持つ構造が、例えば特許文献1で開示されていた。しかし、ビームを傾斜させるアンテナ構成にするためには、構造全体をその方向に向けなければならないため、モジュール基板上での配置面積を大きくなり、接地導体の配置が困難になる。また、同じアンテナを放射したい方向に複数並べる構造では、全体としてのアンテナサイズが大きくなるという課題があった。
この課題に対し、上記構成により、ダイポールアンテナの中心軸109と、無給電素子群108の中心軸110をX軸上で異なる位置に配置することで、アンテナ装置100の無線放射方向を変えることができる。この場合、アンテナ装置100の無線放射方向と、X軸上に隣接する無給電素子アレー107間の導波路の向き(長手方向)とは異なる方向に設定することができる。これは、無給電素子アレー107間の導波路の方向を変えることなく、アンテナ装置100の無線放射方向を変えることが可能になり、従来技術よりもアンテナサイズを小さくすることができる。
なお、本実施の形態では、無給電素子アレー107は6個、それぞれの無給電素子アレー107は11個の無給電素子106を含む例で説明したが、これに限定されない。無給電素子アレー107は少なくとも3個あればよい。
(実施の形態1の変形例)
実施の形態1では、無給電素子群108を、表面のみに設ける場合を例示したが、これに限定するものではない。
図4は、実施の形態1の変形例におけるアンテナ装置400の表面図であり、図5は図4のアンテナ装置400の裏面図で、表面側から見た図である。表面はアンテナ装置100と同じ構成であり、裏面はアンテナ装置100とは異なる。具体的には、表面だけでなく裏面にも、無給電素子群408が配置される。無給電素子群408は6個の無給電素子アレー407を含んで構成され、無給電素子アレー407はそれぞれ11個の無給電素子406を含む。
無給電素子106、406の素子長などを両面で同じ条件にして、無給電素子群108を表面に、無給電素子群408を裏面の両面に配置した場合の電磁界解析結果を図6に示す。図6において、破線で示した解析結果131は無給電素子群108を表面にのみ配置した場合の結果(すなわち、図3の解析結果と同じ)、実線で示した解析結果132は無給電素子群108、408を両面に配置した場合の結果を示している。無給電素子群108、408を誘電体基板101の両面にそれぞれ配置することで、エンドファイアアンテナの電波放射方向の−X軸方向への傾斜が微小ながら解析結果132の方が解析結果131よりも傾いている。
これにより、ダイポールアンテナの配置だけではなく、無給電素子群の配置を片面だけでなく両面に配置することでアンテナ装置の無線放射方向を変えることができる。
なお、実施の形態1では、ダイポール素子104とダイポール素子105との素子長(長手方向の長さ)を実質的に同一であるとして説明をした。この場合、ダイポールアンテナの動作は平衡である。ダイポール素子104とダイポール素子105との素子長を不等長にすると、これら2素子の間で高周波電流の分布が変化する。この高周波電流部分の変化は、ダイポールアンテナの動作が不平衡になる。不平衡になることにより、ダイポールアンテナからの放射方向がZX平面上で傾く。これを利用して、エンドファイアアンテナの無線放射方向のビームの傾斜量を調整することができる。
図1のアンテナ装置100に対して3次元電磁波解析を行った時の解析条件において、ダイポール素子105の素子長を変化させて解析を行った。すなわち誘電体基板101を厚さ0.2mmのガラスエポキシとし、ダイポール素子104の長さを0.8mm、無給電素子106のそれぞれの長さL3を0.4mm、無給電素子の+Z軸方向の間隔L4を0.12mmで、+Z軸方向に16個配置することで無給電素子アレー107を構成、無給電素子アレー107の+X軸方向の間隔L5を0.3mmで6列配置することで無給電素子群108を構成し、ダイポール素子105の長さを0.2mm〜1.0mmの範囲で変化させた。図7は、ダイポール素子105の長さを変化させたときのZX平面における放射パターンの変位を示すグラフである。横軸はダイポール素子105の長さ、縦軸はZX平面における放射パターンの傾きを示す。ダイポール素子105の素子長が0.2mmの時、放射パターンの傾きは7°程度、ダイポール素子105の素子長が0.3mmの時、放射パターンの傾きは10°程度、ダイポール素子105の素子長が0.4mmの時、放射パターンの傾きは12°程度、ダイポール素子105の素子長が0.5mmの時、放射パターンの傾きは14°程度、ダイポール素子105の素子長が0.6mmの時、放射パターンの傾きは16°程度、ダイポール素子105の素子長が0.7mmの時、放射パターンの傾きは17°程度、ダイポール素子105の素子長が0.8mmの時、放射パターンの傾きは18°程度、ダイポール素子105の素子長が0.9mmの時、放射パターンの傾きは19°程度、ダイポール素子105の素子長が1.0mmの時、放射パターンの傾きは20°程度であった。この結果から、ダイポール素子105の素子長を大きくすればするほど、ZX平面における放射パターンは傾くことがわかる。
以上より、ダイポール素子104、105で構成されるダイポールアンテナの中心軸と無給電素子群108の中心軸との位置関係、あるいは、ダイポール素子104、105両者の素子長に差異を設ける、ことでアンテナ装置100の水平面(ZX平面)の放射方向の傾斜量を変化させることができる。
(実施の形態2)
本実施の形態について、図8〜11を用いて説明する。図8は本実施の形態におけるアンテナ装置800の表面図であり、図9は図8のアンテナ装置800の裏面図で、表面側から見た図である。本実施の形態におけるアンテナ装置800はミリ波帯などの高周波帯で無線通信を行う無線通信装置のためのエンドファイアアンテナである。
なお、以下の説明では実施の形態1と異なる部分を中心に説明する。実施の形態1と同じ部分については、実施の形態1と同じ符号を割り当て、説明を省略する。
図8、図9において、実施の形態1と異なる部分は、アンテナ装置800が、接地導体803a、803b、803c、803dと、給電線路802a、802bと、ダイポール素子804a、804b、805a、805bと、を備え、さらに切り換え素子820を有している点である。接地導体803a、803b、803cと、給電線路802a、802bと、ダイポール素子804a、804bと、無給電素子106と、無給電素子アレー107と無給電素子群108は、誘電体基板101の表面に形成される。接地導体803dと、ダイポール素子805a、805bは誘電体基板101の裏面に形成される。接地導体803dは、図8の誘電体基板101の左端部に形成される。給電線路802a、802bは、接地導体803dに対向しかつ誘電体基板101の左端部から+Z軸方向に延在するように形成される。接地導体803a、803bは、接地導体803dに対向するように、給電線路802aとの間に所定の間隔を有して、給電線路802aの両側にそれぞれ形成され、接地導体803b、803cは、接地導体803dに対向するように、給電線路802bとの間に所定の間隔を有して、給電線路802bの両側にそれぞれ形成される。接地導体803a、803b、803c及び803dは互いに電気的に接続されている。
図8及び図9において、接地導体803a、803b及び給電線路802aと、接地導体803dとはグランデッドコプレーナ線路を構成し、電力供給線となる。さらに、接地導体803b、803c、803d及び給電線路802bとはグランデッドコプレーナ線路を構成し、電力供給線となる。
給電線路802aは、切り換え素子820からダイポール素子804aへ高周波信号を供給する線路である。給電線路802bは、切り換え素子820からダイポール素子804bへ高周波信号を供給する線路である。
ダイポール素子804aと、ダイポール素子805aで第1のダイポールアンテナを形成する。これは実施の形態1で説明したダイポール素子104、105とで構成されるダイポールアンテナと同じ構成である。
ダイポール素子804bと、ダイポール素子805bでさらに第2のダイポールアンテナを形成する。
切り換え素子820は、第1のダイポールアンテナと、第2のダイポールアンテナとへ供給する高周波信号を排他的に選択するスイッチである。
第1のダイポールアンテナの中心軸809の位置は、実施の形態1と同様に、無給電素子群108の中心軸810の位置と、X軸上の異なる位置に配置されている。具体的には、第1のダイポールアンテナの中心軸809の位置が、無給電素子群108の中心軸810の位置より+X軸方向に配置されている。一方、第2のダイポールアンテナの中心軸811の位置は、無給電素子群108の中心軸810の位置より、−X軸方向に配置されている。図8のアンテナ装置800では、中心軸810と中心軸809のX軸上の距離と中心軸810と中心軸811のX軸上の距離が同じになるように構成している。
なお、中心軸810と中心軸809のX軸上の距離と中心軸810と中心軸811のX軸上の距離が同じである必要はない。
切り換え素子820が、給電線路802a側に接続されている場合、高周波信号はダイポール素子804a、805a側に供給される。ダイポール素子804aと、ダイポール素子805aは、高周波信号により励振される。第1のダイポールアンテナから放射される電磁界は、無給電素子アレー107間の導波路であるギャップ内を+Z軸方向に導波し、エンドファイアアンテナの指向性方向である+Z軸方向の誘電体基板101の右端から放射される。そのZX面放射指向性はZ軸上に対して−X軸方向に傾斜する。
次に切り換え素子820が、給電線路802b側に接続されている場合、高周波信号はダイポール素子804b、805b側に供給される。ダイポール素子804bと、ダイポール素子805bとは、高周波信号により励振され、無給電素子アレー107の導波路であるギャップ内を導波し、+Z軸方向に誘電体基板101の右端から放射される。そのZX面の放射指向性はZ軸上に対して+X軸方向に傾斜している。
これは、無給電素子群108の中心軸810に対して、中心軸の一方の方向(+X軸方向)と、反対の方向(−X軸方向)に、第1のダイポールアンテナの中心軸809と、第2のダイポールアンテナの中心軸811を配置する位置に、無給電素子群108、第1のダイポールアンテナ、第2のダイポールアンテナを配置する。さらに、第1のダイポールアンテナと、第2のダイポールアンテナへ供給する高周波信号を排他的に切り替えることで、アンテナ装置800から放射される無線の指向性を切り換えることが可能になる。第1のダイポールアンテナ、第2のダイポールアンテナいずれの場合にも、実施の形態1で説明したように、無給電素子アレー107間の導波路を伝搬する電磁界の不均衡さ(位相遅れ)等を利用して、無線電波の放射方向を傾斜させる。
以上より、本実施の形態で説明するアンテナ装置800は、2つのダイポールアンテナが無給電素子群108を共用した状態で2種類の放射指向性を作ることが可能である。
一例として、ダイポール素子805a、805bの長さを0.9mm、無給電素子アレー107を7列とし、その他のパラメータは実施の形態1の図1のアンテナ装置100と同じ条件で、3次元電磁界解析を行った結果を図10、図11に示す。
なお、3次元電磁界解析に用いたアンテナ装置800は、第1のダイポールアンテナの中心軸809と、第2のダイポールアンテナの中心軸811と、は無給電素子群108の中心軸810と、X軸上に対称に配置した。
図10は、図8のアンテナ装置800において、第1のダイポールアンテナに給電した場合のZX平面における放射パターンを示すグラフである。図11は、図8のアンテナ装置800において、第2のダイポールアンテナに給電した場合のZX平面における放射パターンを示すグラフである。
図10は切り換え素子820が、給電線路802a側に接続された場合の、アンテナ装置800の放射指向性を示している。図11は、切り換え素子820が、給電線路802bに接続された場合の、アンテナ装置800の放射指向性を示している。それぞれ、−30度、+30度方向に放射している。第1のダイポールアンテナと第2のダイポールアンテナの放射を半値幅で見た場合、それぞれ−60度弱程度、+60度弱程度になる。そのため、第1のダイポールアンテナと第2のダイポールアンテナの放射を切り替えるダイバーシティー方式で無線通信する場合、合計でZX面で100度程度の半値幅となり、通信範囲拡大が可能である。
(実施の形態3)
本実施の形態について、図12〜図13を用いて説明する。図12は本実施の形態における2素子可変移相型のアンテナ装置1200の表面図である。
本実施の形態では、実施の形態2と相違する点を中心に説明する。実施の形態2と同じ部分については、実施の形態2と同じ符号を付し、説明を省略する。
図12において、実施の形態2で説明した図8と異なるのは、切り換え素子820に代わって、可変位相器1201a、1201bとを備えている点である。
可変位相器1201aと1201bは、それぞれ、高周波信号を入力し、位相を変化させて出力する。可変位相器1201a、1201bは、給電線路802a、802bにそれぞれ供給する高周波信号の位相を変化させる。つまり、例えば、可変位相器1201a、1201bは、可変位相器1201a、1201bに入力する高周波信号に対して、給電線路802a、802bに供給する高周波信号を所定の範囲で遅らせて出力する。この遅らせる時間により、可変位相器1201a、1201bに入力した高周波信号と、可変位相器1201a、1201bから出力する高周波信号との間では、遅らせた分だけ位相が異なる。可変位相器1201a、1201bは、この遅らせる位相の量を可変で設定する。
図12のアンテナ装置1200において、第1のダイポールアンテナの中心軸809の位置が、無給電素子群108の中心軸810の位置より+X軸方向に配置されている。一方、第2のダイポールアンテナの中心軸811の位置は、無給電素子群108の中心軸810の位置より、−X軸方向に配置されている。中心軸810と中心軸809のX軸上の距離と中心軸810と中心軸811のX軸上の距離が同じになるように構成している。
そこで、可変位相器1201a、1201bの位相を逆相(±180度)とした高周波信号を入力する場合について説明する。
一例として、実施の形態2と同じパラメータを用い、給電線路802a、802bに逆相の関係となるように高周波信号を可変位相器1201a、1201bへ給電した場合のZX平面の放射指向性の電磁界解析結果を図13に示す。図13は、図12のアンテナ装置1200において、第1のダイポールアンテナと第2のダイポールアンテナへの給電の位相差が±180度の場合のZX平面における放射パターンを示すグラフである。
図13では、アンテナ装置1200の放射方向が正面であるZ軸上に向いている。これは、実施の形態2で説明したように、各々の給電におけるエレメントファクタの放射方向は、図10、図11で示した通り傾斜している。さらに、その傾斜方向は、反対方向を向いている。そのため、本実施の形態では図12の可変位相器1201a、1201bを備えたアンテナ装置1200の場合、アレー動作している図13のZX面の放射指向性は上述した実施の形態1、2のアンテナ装置よりも、ビーム幅が広くなる。また、アンテナ全体の指向性は、正面(Z軸上)を向く。
以上より、本実施の形態で説明したように、第1のダイポールアンテナと第2のダイポールアンテナに同時に高周波信号を供給しつつも、その高周波信号の位相を互いに逆位相とすることで、アンテナ装置としては+Z軸方向に放射指向性を有しながら、上述した実施の形態1、2のアンテナ装置より広い放射範囲(ビーム幅)を確保することが可能である。
(実施の形態3の変形例)
実施の形態3では、位相を可変に変更できる可変位相器1201a、1201bを用いた場合のアンテナ装置1200を説明した。しかし、実施の形態3で説明した内容は、必ずしも可変である必要はない。給電線路802a、802bへ給電する高周波信号の位相差を90度に固定した場合について説明する。第1のダイポールアンテナに対して第2のダイポールアンテナへ入力する高周波信号の位相を90度遅らせた場合を説明する。図14は、図12のアンテナ装置1200において、第1のダイポールアンテナと第2のダイポールアンテナへの給電の位相差を90度に固定した場合のZX平面における放射パターンを示すグラフである。実施の形態2で説明した、高周波入力信号を排他的に制御した場合と比較すると、アンテナ装置1200からの放射特性をZ軸上に対して傾斜させることができ、ダイバーシティー方式で無線通信が可能となる。
本変形例の場合には、一方の入力給電線路(第1のダイポールアンテナ)への入力に対して、他方の入力給電線路(第2ののダイポールアンテナ)へ入力する高周波信号を固定の位相量だけ遅らせることで実現できる。そのため、可変位相器を一方の入力のみに設けるだけで実現できる。
(実施の形態4)
図15は、本実施の形態の無線通信装置1500の表面図である。図15において、無線通信装置1500は、無線モジュール基板などの無線通信装置であって、実施の形態1におけるアンテナ装置100と、上位層回路1501と、ベースバンド回路1502と、高周波回路1503とを備えて構成される。ここで、上位層回路1501と、ベースバンド回路1502と、高周波回路1503は、誘電体基板101の表面上に設けられる。なお、上位層回路1501、ベースバンド回路1502、高周波回路1503は、アンテナ装置100のダイポールアンテナに対して−Z軸方向に設けられる。
図15において、上位層回路1501は、MAC(Media Access Control)層及びアプリケーション層などの物理層より上位の層の回路であって、例えば通信回路及びホスト処理回路を含む。上位層回路1501は、所定のデータ信号をベースバンド回路1502に出力する一方、ベースバンド回路1502からのベースバンド信号に対して所定の信号処理を行ってデータ信号に変換する。また、ベースバンド回路1502は、上位層回路1501からのデータ信号に対して波形成形処理を行った後に、所定の搬送波信号を処理後のデータ信号に従って変調して高周波信号に変換し高周波回路1503に出力する。さらに、ベースバンド回路1502は、高周波回路1503からの高周波信号をベースバンド信号に復調して上位層回路1501に出力する。
また、図15において、高周波回路1503は、ベースバンド回路1502からの高周波信号に対して無線周波数帯での電力増幅処理及び波形整形処理を行い、給電線路102を介してダイポールアンテナに出力する。さらに、高周波回路1503は、ダイポールアンテナにより無線受信された高周波信号に対して周波数変換などの所定の処理を行った後にベースバンド回路1502に出力する。
なお、高周波回路1503とアンテナ装置100とは、高周波伝送線路を介して接続される。また、必要に応じて、高周波回路1503とアンテナ装置100との間にインピーダンス整合回路を設ける。
以上説明したように構成された無線通信装置1500は、アンテナ装置100を用いて高周波信号を無線送受信するので、従来技術に比較して小型かつ高利得の無線通信装置を実現できる。
なお、本実施形態に係る無線通信装置1500はアンテナ装置100を備えたが、本発明はこれに限られず、アンテナ装置400、800又は1200を備えてもよい。
図16は本実施の形態の無線通信装置1600の表面図である。図15の無線通信装置1500と異なる点は、アンテナ装置100の代わりにアンテナ装置1200を備えている点、高周波回路1503とアンテナ装置1200の間にスイッチ1601を備えている点である。
無線通信装置1600にアンテナ装置1200を備えた場合、無線通信装置1600は、最初の動作として給電線路802a、802bを逆相で周波数信号の電力を給電する。これにより、無線通信装置1600からの放射特性は、図13で説明したように導波方向正面に広いビームを形成する。無線通信装置1600は、この状態で通信相手を探索する。次に、無線通信装置1600が通信相手を見つけ、所定の接続処理等を行う。無線通信装置1600は、接続処理を終え、データ通信を行う際には、給電線路802a、802bのどちらかの回路のみを有効する。給電線路802a、802bのどちらかの回路のみを有効するには、アンテナ装置1200と高周波回路1503の間に高周波信号の入力の有効/無効を制御するスイッチ1601を設ければよい。無線通信装置1600は、図10、図11のようにZ軸上から+X軸方向、あるいは、−X軸方向に傾斜した放射指向性のある無線電波を送受信することで、通信相手の方向に放射方向を向ける。
この構成により、より広範囲の相手とCNR(Carrier to Noise Ratio)の高い通信が可能になる。
また、本実施の形態に係る無線通信装置1500、1600は無線送受信を行ったが、これに限られず、無線送信のみ又は無線受信のみを行ってもよい。
なお、高周波信号の入力の有効/無効を制御するスイッチとして、アンテナ装置1200と高周波回路1503の間に高周波信号の入力の有効/無効を制御するスイッチ1601を設けたが、アンテナ装置1200の可変位相器1201aと給電線路802aの間とアンテナ装置1200の可変位相器1201bと給電線路802bの間にそれぞれスイッチを設けてもよい。
(まとめ)
本開示は、以下の構成である。アンテナ装置は、第1及び第2の面を有する誘電体基板と、前記誘電体基板の第1の面に形成され且つ第1の給電線路に接続された第1のダイポール素子と、前記誘電体基板の第2の面に形成され且つ接地導体に接続された第2のダイポール素子とを含む第1のダイポールアンテナと、複数の第1の無給電素子アレーを含み、前記第1の無給電素子アレーは前記誘電体基板の第1の面に形成された複数の第1の無給電素子を含む、第1の無給電素子群とを備える。前記複数の第1の無給電素子は、前記第1のダイポールアンテナの長手方向に実質的に平行なストリップ形状をそれぞれ有し、互いに電磁的に結合するように配置され、前記複数の第1の無給電素子アレーは、実質的に互いに平行に配置され、隣接する前記第1の無給電素子アレー間にギャップが形成されており、前記第1のダイポールアンテナ及び前記第1の無給電素子群は、前記第1のダイポールアンテナの電気長の中点を高周波信号の導波方向に延ばした中心軸と前記第1の無給電素子群の前記第1のダイポールアンテナの長手方向の中点を高周波信号の導波方向に延ばした中心軸とが重ならないように配置した。
これにより、上記のアンテナ装置は、第1のダイポール素子の中心軸に平行な方向から第1のダイポール素子の長手方向のいずれか一方に傾斜した方向の放射特性を有することが可能となる。
上記のアンテナ装置において、前記第1のダイポール素子の長さは前記第と前記第2のダイポール素子の長さと異なる構成であってもよい。第1のダイポール素子の長さと第2のダイポール素子の長さが異なる場合には、第1の給電素子が一次放射する無線電波の放射特性を傾斜させることができる。
これにより、上記と同様に、アンテナ装置の放射指向性を傾斜させることが可能となる。
また、上記のアンテナ装置において、前記誘電体基板の第1の面に形成されかつ第2の給電線路に接続された第3のダイポール素子と、前記誘電体基板の第2の面に形成されかつ接地導体に接続された第4のダイポール素子とを含む第2のダイポールアンテナをさらに備え、前記第1のダイポールアンテナの長手方向と前記第2のダイポールアンテナの長手方向とは実質的に平行であり、前記第1のダイポールアンテナ及び前記第2のダイポールアンテナは、前記第1のダイポールアンテナの電気長の中点を高周波信号の導波方向に延ばした中心軸と、前記第2のダイポールアンテナの電気長の中点を高周波信号の導波方向に延ばした中心軸が重ならないように配置されることが好ましい。
さらに上記のアンテナ装置において、前記第1のダイポールアンテナと前記第2のダイポールアンテナへの給電を、排他的に切り換えるように構成してもよい。
また、前記第1のダイポールアンテナと第2のダイポールアンテナへの給電は、相互に入力される周波数信号の位相が異なるように構成してもよい。
さらに上記のアンテナ装置において、複数の第2の無給電素子アレーを含み、前記第2の無給電素子アレーは前記誘電体基板の第2の面に形成された複数の第2の無給電素子を含む第2の無給電素子群と、をさらに備え、前記第2の無給電素子アレーの前記複数の第2の無給電素子は、前記第1のダイポールアンテナの長手方向に実質的に平行なストリップ形状をそれぞれ有し、互いに電磁的に結合するように配置され、前記複数の第2の無給電素子アレーは、実質的に互いに平行に配置され、隣接する前記第2の無給電素子アレー間にギャップが形成される構成としてもよい。
これにより、2つのダイポールアンテナが無給電素子群を共用した状態で2種類の放射指向性を作ることが可能となる。
(他の実施の形態)
以上のように、開示する技術の例示として、実施の形態1〜4を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用可能である。また、上記実施の形態1〜4で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
以上のように、本開示における技術の例示として、実施の形態を説明した。そのために、添付図面及び詳細な説明を提供した。
したがって、添付図面及び詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、上記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
また、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
本発明に係るアンテナ装置及び、当該アンテナ装置を備えた無線通信装置は、高周波通信等の分野で有用に用いられる。
100,400,800,1200, アンテナ装置
101 誘電体基板
102,802a,802b 給電線路
103a,103b,103c,803a,803b,803c,803d 接地導体
104,804a,804b,105,805a,805b ダイポール素子
106,406 無給電素子
107,407 無給電素子アレー
108,408 無給電素子群
109,110,809,810,811 中心軸
820 切り換え素子
1201a,1201b 可変位相器
1500,1600 無線通信装置
1501 上位層回路
1502 ベースバンド回路
1503 高周波回路
1601 スイッチ
本開示は、給電素子と、複数の無給電素子と、を備えたアンテナ装置、及びそれを用いた無線通信装置に関する。
従来技術として、ミリ波帯などの非常に高い高周波帯の電波の高利得なエンドファイアアンテナが知られている。高利得なアンテナは、指向性のビーム角度範囲が狭くなるため、モバイル機器などへの展開が困難であった。モバイル機器などへの展開を行うには、エンドファイアアンテナでのビーム制御が必要である。
一般的なエンドファイアアンテナは、誘電体基板の表面に形成された接地導体のエッジに、エッジに直交するスロットを形成し、誘電体基板の裏面にスロットと交差する給電線路を形成したスロットアンテナが知られている。給電線路はスロットと電磁的に結合し、給電線路を介して伝送される高周波信号はスロットを励振する。このときスロットに現れる電界はスロットに沿って誘電体基板のエッジ方向に導波され、導波方向に放射される。
そのため、誘電体基板の水平方向でビームの向きを変えたい場合は、変えたい方向へ導波路を配置しなければならない。
無給電素子等を用いて、ダイバーシティー方式等のビーム制御を行う際、導波路を複数の方向に配置し、プリントダイポールで基板水平の双方向に指向性を持つ構造、等の技術が先行例として開示されている(例えば、特許文献1)。
特開平7−245525号公報
本開示のアンテナ装置は、第1及び第2の面を有する誘電体基板と、前記誘電体基板の第1の面に形成され且つ第1の給電線路に接続された第1のダイポール素子と、前記誘電体基板の第2の面に形成され且つ接地導体に接続された第2のダイポール素子とを含む第1のダイポールアンテナと、複数の第1の無給電素子アレーを含み、前記第1の無給電素子アレーは前記誘電体基板の第1の面に形成された複数の第1の無給電素子を含む、第1の無給電素子群と、を備える。前記複数の第1の無給電素子は、前記第1のダイポールアンテナの長手方向に実質的に平行なストリップ形状をそれぞれ有し、互いに電磁的に結合するように配置され、前記複数の第1の無給電素子アレーは、実質的に互いに平行に配置され、隣接する前記第1の無給電素子アレー間にギャップが形成されており、前記第1のダイポールアンテナ及び前記第1の無給電素子群は、前記第1のダイポールアンテナの電気長の中点を高周波信号の導波方向に延ばした中心軸と前記第1の無給電素子群の前記第1のダイポールアンテナの長手方向の中点を高周波信号の導波方向に延ばした中心軸とが重ならないように配置した。
本開示におけるアンテナ装置は、高利得のエンドファイアアンテナ構造でビーム制御をすることを可能とする。
図1は、実施の形態1におけるアンテナ装置100の表面図である。 図2は、実施の形態1におけるアンテナ装置100の裏面図である。 図3は、図1のアンテナ装置100において、無給電素子アレー107の個数を6に設定し、それぞれの無給電素子アレー107に含まれる無給電素子106の個数を16に設定したときのZX平面における放射パターンを示すグラフである。 図4は、実施の形態1の変形例におけるアンテナ装置400の表面図である。 図5は、実施の形態1の変形例におけるアンテナ装置400の裏面図である。 図6は、図4のアンテナ装置400において、無給電素子アレー407の個数を6に設定し、それぞれの無給電素子アレー407に含まれる無給電素子406の個数を16に設定したときのZX平面における放射パターンを示すグラフである。 図7は、図1のアンテナ装置100において、ダイポール素子105の長さを変化させたときのZX平面における放射パターンの変位を示すグラフである。 図8は、実施の形態2におけるアンテナ装置800表面図である。 図9は、実施の形態2におけるアンテナ装置800裏面図である。 図10は、図8のアンテナ装置800において、第1のダイポールアンテナに給電した場合のZX平面における放射パターンを示すグラフである。 図11は、図8のアンテナ装置800において、第2のダイポールアンテナに給電した場合のZX平面における放射パターンを示すグラフである。 図12は、実施の形態3におけるアンテナ装置1200の表面図である。 図13は、図12のアンテナ装置1200において、第1のダイポールアンテナと第2のダイポールアンテナへの給電の位相差が±180度の場合のZX平面における放射パターンを示すグラフである。 図14は、図12のアンテナ装置1200において、第1のダイポールアンテナと第2のダイポールアンテナへの給電の位相差を90度に固定した場合のZX平面における放射パターンを示すグラフである。 図15は、実施の形態4における無線通信装置1500の表面図である。 図16は、実施の形態4における無線通信装置1600の表面図である。
以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために、提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態におけるアンテナ装置100の表面図であり、図2は図1のアンテナ装置100の裏面図で、表面側から見た図である。本実施の形態におけるアンテナ装置100は、ミリ波帯などの高周波帯で無線通信を行う無線通信装置のためのエンドファイアアンテナである。
図1、図2のアンテナ装置100は、誘電体基板101と、給電線路102と、接地導体103a、103b、103cと、ダイポール素子104、105と、11個の無給電素子106をそれぞれ含む6個の無給電素子アレー107とを備える。無給電素子群108は、6個の無給電素子アレー107を含んで構成する。なお、本実施の形態及び以下の各実施の形態及び変形例において、図1に示すようにXYZ座標系を定義する。図1の右方向を+Z軸方向とし、上方向を+X軸方向とする。+X軸方向と反対方向を−X軸方向とし、+Z軸方向と反対方向を−Z軸方向とする。さらに、図1の紙面から手前に垂直な方向を+Y軸方向とし、+Y軸方向と反対方向を−Y軸方向とする。
図1において、誘電体基板101は、例えばガラスエポキシ基板である。また、接地導体103a、103bと、給電線路102と、ダイポール素子104と、無給電素子106と、無給電素子アレー107と、無給電素子群108は、誘電体基板101の表面に形成され、接地導体103cと、ダイポール素子105は誘電体基板101の裏面に形成される。接地導体103cは、図1、図2の誘電体基板101の左端部に形成される。給電線路102は、接地導体103cに対向しかつ誘電体基板101の左端部から+Z軸方向に延在するように形成される。接地導体103a、103bは、接地導体103cに対向するように、給電線路102との間に所定の間隔を有して、給電線路102の両側にそれぞれ形成される。接地導体103a、103b及び103cは互いに電気的に接続されている。
図1及び図2において、接地導体103a、103b、103c及び給電線路102とはグランデッドコプレーナ線路を構成し、電力供給線となる。
給電線路102はダイポール素子104、105へ電力を供給する供給線である。高周波信号は、後述する高周波回路からグランデッドコプレーナ線路へ供給される。
ダイポール素子104と、ダイポール素子105は、二つの素子で一つのダイポールアンテナとして動作する。本実施の形態では、ダイポール素子104は誘電体基板101の表面に設けられ、ダイポール素子105は誘電体基板101の裏面に設けられる。ダイポール素子104は、給電線路102と接続され、+Z軸方向に所定距離L1延在し、直角に曲がり+X軸方向に延在している。ダイポール素子105は、接地導体103cと接続され、+Z軸方向に所定距離L1延在し、直角に曲がり−X軸方向にダイポール素子104と同じ長さで延在している。ダイポール素子104とダイポール素子105とを同一平面状に射影すると、両素子のX軸上の位置は、同一直線上で、一つの直線形状となり、電気長はL2である。ダイポール素子104とダイポール素子105とは逆相で接続され、一つのダイポールアンテナとしての動作を行う。電気長L2はアンテナ装置100が送受信する無線波長λの略半波長(λ/2)であることが望ましい。
グランデッドコプレーナ線路を構成している給電線路102と接地導体103a、103b、103cに高周波信号が供給されると、ダイポール素子104とダイポール素子105は、励振動作を行う。
図1において、6個の無給電素子アレー107は、それぞれ11個の無給電素子106を含む。
それぞれの無給電素子106は、その長手方向がダイポール素子104のX軸上で実質的に平行となる方向に、ダイポール素子104の+Z軸方向側の誘電体基板101上に設けられている。図1では、すべての無給電素子106はその長手方向が実質的に同じ長さL3を有している。L3は、アンテナ装置100が送受信する無線波長λの1/8(λ/8)以下であることが好ましい。
また無給電素子106は、X軸上に6個、及び、Z軸上に11個配列されている。無給電素子106の配列は、Z軸上で互いに隣り合う無給電素子106はX軸上の位置が同じになるように配列されている。X軸上の同じ位置を有する11個の無給電素子106の集合を無給電素子アレー107としている。無給電素子アレー107を構成する互いに隣り合う無給電素子106の間隔、つまり、Z軸上で互いに隣り合う無給電素子106の間隔L4は、アンテナ装置100が送受信する無線波長λの1/8(λ/8)以下の間隔で配列されている。
この構成により、無給電素子アレー107の両側(+X軸方向、−X軸方向)に電気壁が生じる。無給電素子アレー107をX軸上に複数並べることで、X軸上に隣り合う無給電素子アレー107間の長さL5のギャップが疑似的なスロットアンテナとなる。具体的には、5個の疑似的なスロットアンテナが形成される。そのため、ダイポール素子104とダイポール素子105とが励振動作により一次放射させた電磁界は、この疑似スロット内を+Z軸方向に導波し、アンテナ装置100の指向性方向である+Z軸方向の誘電体基板101の右端へ放射される。+Z軸方向を導波方向ともいう。
上記の説明では、アンテナ装置100から無線電波を送信する場合について説明したが、受信動作の場合は、+Z軸方向から到来した電磁波が無給電素子アレー107、ダイポール素子104、105、を通って、高周波回路へ高周波信号を伝達する。
図1のアンテナ装置100では、ダイポール素子104とダイポール素子105とで構成されるダイポールアンテナの電気長L2において、X軸上の中点を+Z軸方向に延ばした中心軸109と、無給電素子群108のX軸上の+X軸方向の端から−X軸方向の端に対する中点を+Z軸方向に延ばした中心軸110とを比較すると、中心軸110に対して中心軸109は+X軸方向ずれている。
つまり、ダイポールアンテナの中心軸109と無給電素子群108の中心軸110とはX軸上の位置が異なる位置関係である。
ダイポールアンテナの中心軸109は、ダイポール素子104とダイポール素子105とを一つのダイポールアンテナとしてみた場合に、その電気長L2の長さを半分にする位置を通り、その長手方向に垂直であって誘電体基板101の基板面上に設けられる軸である。図1に示されるように中心軸109は、誘電体基板101上に+Z軸方向に平行にダイポールアンテナのX軸上の中点を通過する軸である。
無給電素子群108の中心軸110は、上記のダイポールアンテナの中心軸109と、誘電体基板101上で平行に配置され、無給電素子群108のX軸上の最も+X軸方向に配置される無給電素子106と、X軸上の最も−X軸方向側に配置される無給電素子106との両無給電素子のX軸上の略半分の位置を通過する軸である。中心軸110が無給電素子群108の中心軸となる。
このようにダイポールアンテナと無給電素子群108をダイポールアンテナの中心軸109と、無給電素子群108の中心軸110とをX軸上の位置が異なる位置に配置する。これにより、アンテナ装置100の無線の放射方向を、ZX平面において放射方向をZ軸上から+X軸方向または−X軸方向に傾斜させることができる。図1、図2のようにダイポール素子104とダイポール素子105とで構成されるダイポールアンテナの中心軸109を、無給電素子群108の中心軸110より+X軸方向に配置することで、ギャップの−X軸方向の導波位相が遅れる。その結果、アンテナ装置100の無線の放射方向は−X軸方向に傾く。
図1のアンテナ装置100に対して3次元電磁波解析を行った結果を説明する。誘電体基板101を厚さ0.2mmのガラスエポキシを用い、ダイポール素子104の長さを0.8mm、ダイポール素子105の長さを0.8mm、無給電素子106のそれぞれの長さL3を0.4mm、無給電素子の+Z軸方向の間隔L4を0.12mmで、+Z軸方向に16個配置することで無給電素子アレー107を構成、無給電素子アレー107の+X軸方向の間隔L5を0.3mmで6列配置することで無給電素子群108を構成する。
ダイポール素子104、105で構成されるダイポールアンテナの中心軸109を、無給電素子群108の中心軸110から+X軸方向に1.1mmずらした位置に配置した場合のZX平面における放射パターンを解析した。図3は、図1のアンテナ装置100のZX平面における放射パターンを示すグラフである。ZX平面において、アンテナ利得8.4dBiの高利得で+Z軸方向に対して−X軸方向に20度程度ビームが傾斜している。
従来、無給電素子等を用いて、ダイバーシティー方式等のビーム制御を行う際、導波路を複数の方向に配置し、プリントダイポールで基板水平の双方向に指向性を持つ構造が、例えば特許文献1で開示されていた。しかし、ビームを傾斜させるアンテナ構成にするためには、構造全体をその方向に向けなければならないため、モジュール基板上での配置面積大きくなり、接地導体の配置が困難になる。また、同じアンテナを放射したい方向に複数並べる構造では、全体としてのアンテナサイズが大きくなるという課題があった。
この課題に対し、上記構成により、ダイポールアンテナの中心軸109と、無給電素子群108の中心軸110をX軸上で異なる位置に配置することで、アンテナ装置100の無線放射方向を変えることができる。この場合、アンテナ装置100の無線放射方向と、X軸上に隣接する無給電素子アレー107間の導波路の向き(長手方向)とは異なる方向に設定することができる。これは、無給電素子アレー107間の導波路の方向を変えることなく、アンテナ装置100の無線放射方向を変えることが可能になり、従来技術よりもアンテナサイズを小さくすることができる。
なお、本実施の形態では、無給電素子アレー107は6個、それぞれの無給電素子アレー107は11個の無給電素子106を含む例で説明したが、これに限定されない。無給電素子アレー107は少なくとも3個あればよい。
(実施の形態1の変形例)
実施の形態1では、無給電素子群108を、表面のみに設ける場合を例示したが、これに限定するものではない。
図4は、実施の形態1の変形例におけるアンテナ装置400の表面図であり、図5は図4のアンテナ装置400の裏面図で、表面側から見た図である。表面はアンテナ装置100と同じ構成であり、裏面はアンテナ装置100とは異なる。具体的には、表面だけでなく裏面にも、無給電素子群408が配置される。無給電素子群408は6個の無給電素子アレー407を含んで構成され、無給電素子アレー407はそれぞれ11個の無給電素子406を含む。
無給電素子106、406の素子長などを両面で同じ条件にして、無給電素子群108を表面に、無給電素子群408を裏面の両面に配置した場合の電磁界解析結果を図6に示す。図6において、破線で示した解析結果131は無給電素子群108を表面にのみ配置した場合の結果(すなわち、図3の解析結果と同じ)、実線で示した解析結果132は無給電素子群108、408を両面に配置した場合の結果を示している。無給電素子群108、408を誘電体基板101の両面にそれぞれ配置することで、エンドファイアアンテナの電波放射方向の−X軸方向への傾斜が微小ながら解析結果132の方が解析結果131よりも傾いている。
これにより、ダイポールアンテナの配置だけではなく、無給電素子群の配置を片面だけでなく両面に配置することでアンテナ装置の無線放射方向を変えることができる。
なお、実施の形態1では、ダイポール素子104とダイポール素子105との素子長(長手方向の長さ)を実質的に同一であるとして説明をした。この場合、ダイポールアンテナの動作は平衡である。ダイポール素子104とダイポール素子105との素子長を不等長にすると、これら2素子の間で高周波電流の分布が変化する。この高周波電流部分の変化は、ダイポールアンテナの動作が不平衡になる。不平衡になることにより、ダイポールアンテナからの放射方向がZX平面上で傾く。これを利用して、エンドファイアアンテナの無線放射方向のビームの傾斜量を調整することができる。
図1のアンテナ装置100に対して3次元電磁波解析を行った時の解析条件において、ダイポール素子105の素子長を変化させて解析を行った。すなわち誘電体基板101を厚さ0.2mmのガラスエポキシとし、ダイポール素子104の長さを0.8mm、無給電素子106のそれぞれの長さL3を0.4mm、無給電素子の+Z軸方向の間隔L4を0.12mmで、+Z軸方向に16個配置することで無給電素子アレー107を構成、無給電素子アレー107の+X軸方向の間隔L5を0.3mmで6列配置することで無給電素子群108を構成し、ダイポール素子105の長さを0.2mm〜1.0mmの範囲で変化させた。図7は、ダイポール素子105の長さを変化させたときのZX平面における放射パターンの変位を示すグラフである。横軸はダイポール素子105の長さ、縦軸はZX平面における放射パターンの傾きを示す。ダイポール素子105の素子長が0.2mmの時、放射パターンの傾きは7°程度、ダイポール素子105の素子長が0.3mmの時、放射パターンの傾きは10°程度、ダイポール素子105の素子長が0.4mmの時、放射パターンの傾きは12°程度、ダイポール素子105の素子長が0.5mmの時、放射パターンの傾きは14°程度、ダイポール素子105の素子長が0.6mmの時、放射パターンの傾きは16°程度、ダイポール素子105の素子長が0.7mmの時、放射パターンの傾きは17°程度、ダイポール素子105の素子長が0.8mmの時、放射パターンの傾きは18°程度、ダイポール素子105の素子長が0.9mmの時、放射パターンの傾きは19°程度、ダイポール素子105の素子長が1.0mmの時、放射パターンの傾きは20°程度であった。この結果から、ダイポール素子105の素子長を大きくすればするほど、ZX平面における放射パターンは傾くことがわかる。
以上より、ダイポール素子104、105で構成されるダイポールアンテナの中心軸と無給電素子群108の中心軸との位置関係、あるいは、ダイポール素子104、105両者の素子長に差異を設ける、ことでアンテナ装置100の水平面(ZX平面)の放射方向の傾斜量を変化させることができる。
(実施の形態2)
本実施の形態について、図8〜11を用いて説明する。図8は本実施の形態におけるアンテナ装置800の表面図であり、図9は図8のアンテナ装置800の裏面図で、表面側から見た図である。本実施の形態におけるアンテナ装置800はミリ波帯などの高周波帯で無線通信を行う無線通信装置のためのエンドファイアアンテナである。
なお、以下の説明では実施の形態1と異なる部分を中心に説明する。実施の形態1と同じ部分については、実施の形態1と同じ符号を割り当て、説明を省略する。
図8、図9において、実施の形態1と異なる部分は、アンテナ装置800が、接地導体803a、803b、803c、803dと、給電線路802a、802bと、ダイポール素子804a、804b、805a、805bと、を備え、さらに切り換え素子820を有している点である。接地導体803a、803b、803cと、給電線路802a、802bと、ダイポール素子804a、804bと、無給電素子106と、無給電素子アレー107と無給電素子群108は、誘電体基板101の表面に形成される。接地導体803dと、ダイポール素子805a、805bは誘電体基板101の裏面に形成される。接地導体803dは、図8の誘電体基板101の左端部に形成される。給電線路802a、802bは、接地導体803dに対向しかつ誘電体基板101の左端部から+Z軸方向に延在するように形成される。接地導体803a、803bは、接地導体803dに対向するように、給電線路802aとの間に所定の間隔を有して、給電線路802aの両側にそれぞれ形成され、接地導体803b、803cは、接地導体803dに対向するように、給電線路802bとの間に所定の間隔を有して、給電線路802bの両側にそれぞれ形成される。接地導体803a、803b、803c及び803dは互いに電気的に接続されている。
図8及び図9において、接地導体803a、803b及び給電線路802aと、接地導体803dとはグランデッドコプレーナ線路を構成し、電力供給線となる。さらに、接地導体803b、803c、803d及び給電線路802bとはグランデッドコプレーナ線路を構成し、電力供給線となる。
給電線路802aは、切り換え素子820からダイポール素子804aへ高周波信号を供給する線路である。給電線路802bは、切り換え素子820からダイポール素子804bへ高周波信号を供給する線路である。
ダイポール素子804aと、ダイポール素子805aで第1のダイポールアンテナを形成する。これは実施の形態1で説明したダイポール素子104、105とで構成されるダイポールアンテナと同じ構成である。
ダイポール素子804bと、ダイポール素子805bでさらに第2のダイポールアンテナを形成する。
切り換え素子820は、第1のダイポールアンテナと、第2のダイポールアンテナとへ供給する高周波信号を排他的に選択するスイッチである。
第1のダイポールアンテナの中心軸809の位置は、実施の形態1と同様に、無給電素子群108の中心軸810の位置と、X軸上の異なる位置に配置されている。具体的には、第1のダイポールアンテナの中心軸809の位置が、無給電素子群108の中心軸810の位置より+X軸方向に配置されている。一方、第2のダイポールアンテナの中心軸811の位置は、無給電素子群108の中心軸810の位置より、−X軸方向に配置されている。図8のアンテナ装置800では、中心軸810と中心軸809のX軸上の距離と中心軸810と中心軸811のX軸上の距離が同じになるように構成している。
なお、中心軸810と中心軸809のX軸上の距離と中心軸810と中心軸811のX軸上の距離が同じである必要はない。
切り換え素子820が、給電線路802a側に接続されている場合、高周波信号はダイポール素子804a、805a側に供給される。ダイポール素子804aと、ダイポール素子805aは、高周波信号により励振される。第1のダイポールアンテナから放射される電磁界は、無給電素子アレー107間の導波路であるギャップ内を+Z軸方向に導波し、エンドファイアアンテナの指向性方向である+Z軸方向の誘電体基板101の右端から放射される。そのZX面放射指向性はZ軸上に対して−X軸方向に傾斜する。
次に切り換え素子820が、給電線路802b側に接続されている場合、高周波信号はダイポール素子804b、805b側に供給される。ダイポール素子804bと、ダイポール素子805bとは、高周波信号により励振され、無給電素子アレー107の導波路であるギャップ内を導波し、+Z軸方向に誘電体基板101の右端から放射される。そのZX面の放射指向性はZ軸上に対して+X軸方向に傾斜している。
これは、無給電素子群108の中心軸810に対して、中心軸の一方の方向(+X軸方向)と、反対の方向(−X軸方向)に、第1のダイポールアンテナの中心軸809と、第2のダイポールアンテナの中心軸811を配置する位置に、無給電素子群108、第1のダイポールアンテナ、第2のダイポールアンテナを配置する。さらに、第1のダイポールアンテナと、第2のダイポールアンテナへ供給する高周波信号を排他的に切り替えることで、アンテナ装置800から放射される無線の指向性を切り換えることが可能になる。第1のダイポールアンテナ、第2のダイポールアンテナいずれの場合にも、実施の形態1で説明したように、無給電素子アレー107間の導波路を伝搬する電磁界の不均衡さ(位相遅れ)等を利用して、無線電波の放射方向を傾斜させる。
以上より、本実施の形態で説明するアンテナ装置800は、2つのダイポールアンテナが無給電素子群108を共用した状態で2種類の放射指向性を作ることが可能である。
一例として、ダイポール素子805a、805bの長さを0.9mm、無給電素子アレー107を7列とし、その他のパラメータは実施の形態1の図1のアンテナ装置100と同じ条件で、3次元電磁界解析を行った結果を図10、図11に示す。
なお、3次元電磁界解析に用いたアンテナ装置800は、第1のダイポールアンテナの中心軸809と、第2のダイポールアンテナの中心軸811と、は無給電素子群108の中心軸810と、X軸上に対称に配置した。
図10は、図8のアンテナ装置800において、第1のダイポールアンテナに給電した場合のZX平面における放射パターンを示すグラフである。図11は、図8のアンテナ装置800において、第2のダイポールアンテナに給電した場合のZX平面における放射パターンを示すグラフである。
図10は切り換え素子820が、給電線路802a側に接続された場合の、アンテナ装置800の放射指向性を示している。図11は、切り換え素子820が、給電線路802bに接続された場合の、アンテナ装置800の放射指向性を示している。それぞれ、−30度、+30度方向に放射している。第1のダイポールアンテナと第2のダイポールアンテナの放射を半値幅で見た場合、それぞれ−60度弱程度、+60度弱程度になる。そのため、第1のダイポールアンテナと第2のダイポールアンテナの放射を切り替えるダイバーシティー方式で無線通信する場合、合計でZX面で100度程度の半値幅となり、通信範囲拡大が可能である。
(実施の形態3)
本実施の形態について、図12〜図13を用いて説明する。図12は本実施の形態における2素子可変移相型のアンテナ装置1200の表面図である。
本実施の形態では、実施の形態2と相違する点を中心に説明する。実施の形態2と同じ部分については、実施の形態2と同じ符号を付し、説明を省略する。
図12において、実施の形態2で説明した図8と異なるのは、切り換え素子820に代わって、可変位相器1201a、1201bとを備えている点である。
可変位相器1201aと1201bは、それぞれ、高周波信号を入力し、位相を変化させて出力する。可変位相器1201a、1201bは、給電線路802a、802bにそれぞれ供給する高周波信号の位相を変化させる。つまり、例えば、可変位相器1201a、1201bは、可変位相器1201a、1201bに入力する高周波信号に対して、給電線路802a、802bに供給する高周波信号を所定の範囲で遅らせて出力する。この遅らせる時間により、可変位相器1201a、1201bに入力した高周波信号と、可変位相器1201a、1201bから出力する高周波信号との間では、遅らせた分だけ位相が異なる。可変位相器1201a、1201bは、この遅らせる位相の量を可変で設定する。
図12のアンテナ装置1200において、第1のダイポールアンテナの中心軸809の位置が、無給電素子群108の中心軸810の位置より+X軸方向に配置されている。一方、第2のダイポールアンテナの中心軸811の位置は、無給電素子群108の中心軸810の位置より、−X軸方向に配置されている。中心軸810と中心軸809のX軸上の距離と中心軸810と中心軸811のX軸上の距離が同じになるように構成している。
そこで、可変位相器1201a、1201bの位相を逆相(±180度)とした高周波信号を入力する場合について説明する。
一例として、実施の形態2と同じパラメータを用い、給電線路802a、802bに逆相の関係となるように高周波信号を可変位相器1201a、1201bへ給電した場合のZX平面の放射指向性の電磁界解析結果を図13に示す。図13は、図12のアンテナ装置1200において、第1のダイポールアンテナと第2のダイポールアンテナへの給電の位相差が±180度の場合のZX平面における放射パターンを示すグラフである。
図13では、アンテナ装置1200の放射方向が正面であるZ軸上に向いている。これは、実施の形態2で説明したように、各々の給電におけるエレメントファクタの放射方向は、図10、図11で示した通り傾斜している。さらに、その傾斜方向は、反対方向を向いている。そのため、本実施の形態では図12の可変位相器1201a、1201bを備えたアンテナ装置1200の場合、アレー動作している図13のZX面の放射指向性は上述した実施の形態1、2のアンテナ装置よりも、ビーム幅が広くなる。また、アンテナ全体の指向性は、正面(Z軸上)を向く。
以上より、本実施の形態で説明したように、第1のダイポールアンテナと第2のダイポールアンテナに同時に高周波信号を供給しつつも、その高周波信号の位相を互いに逆位相とすることで、アンテナ装置としては+Z軸方向に放射指向性を有しながら、上述した実施の形態1、2のアンテナ装置より広い放射範囲(ビーム幅)を確保することが可能である。
(実施の形態3の変形例)
実施の形態3では、位相を可変に変更できる可変位相器1201a、1201bを用いた場合のアンテナ装置1200を説明した。しかし、実施の形態3で説明した内容は、必ずしも可変である必要はない。給電線路802a、802bへ給電する高周波信号の位相差を90度に固定した場合について説明する。第1のダイポールアンテナに対して第2のダイポールアンテナへ入力する高周波信号の位相を90度遅らせた場合を説明する。図14は、図12のアンテナ装置1200において、第1のダイポールアンテナと第2のダイポールアンテナへの給電の位相差を90度に固定した場合のZX平面における放射パターンを示すグラフである。実施の形態2で説明した、高周波入力信号を排他的に制御した場合と比較すると、アンテナ装置1200からの放射特性をZ軸上に対して傾斜させることができ、ダイバーシティー方式で無線通信が可能となる。
本変形例の場合には、一方の入力給電線路(第1のダイポールアンテナ)への入力に対して、他方の入力給電線路(第2ののダイポールアンテナ)へ入力する高周波信号を固定の位相量だけ遅らせることで実現できる。そのため、可変位相器を一方の入力のみに設けるだけで実現できる。
(実施の形態4)
図15は、本実施の形態の無線通信装置1500の表面図である。図15において、無線通信装置1500は、無線モジュール基板などの無線通信装置であって、実施の形態1におけるアンテナ装置100と、上位層回路1501と、ベースバンド回路1502と、高周波回路1503とを備えて構成される。ここで、上位層回路1501と、ベースバンド回路1502と、高周波回路1503は、誘電体基板101の表面上に設けられる。なお、上位層回路1501、ベースバンド回路1502、高周波回路1503は、アンテナ装置100のダイポールアンテナに対して−Z軸方向に設けられる。
図15において、上位層回路1501は、MAC(Media Access Control)層及びアプリケーション層などの物理層より上位の層の回路であって、例えば通信回路及びホスト処理回路を含む。上位層回路1501は、所定のデータ信号をベースバンド回路1502に出力する一方、ベースバンド回路1502からのベースバンド信号に対して所定の信号処理を行ってデータ信号に変換する。また、ベースバンド回路1502は、上位層回路1501からのデータ信号に対して波形成形処理を行った後に、所定の搬送波信号を処理後のデータ信号に従って変調して高周波信号に変換し高周波回路1503に出力する。さらに、ベースバンド回路1502は、高周波回路1503からの高周波信号をベースバンド信号に復調して上位層回路1501に出力する。
また、図15において、高周波回路1503は、ベースバンド回路1502からの高周波信号に対して無線周波数帯での電力増幅処理及び波形整形処理を行い、給電線路102を介してダイポールアンテナに出力する。さらに、高周波回路1503は、ダイポールアンテナにより無線受信された高周波信号に対して周波数変換などの所定の処理を行った後にベースバンド回路1502に出力する。
なお、高周波回路1503とアンテナ装置100とは、高周波伝送線路を介して接続される。また、必要に応じて、高周波回路1503とアンテナ装置100との間にインピーダンス整合回路を設ける。
以上説明したように構成された無線通信装置1500は、アンテナ装置100を用いて高周波信号を無線送受信するので、従来技術に比較して小型かつ高利得の無線通信装置を実現できる。
なお、本実施形態に係る無線通信装置1500はアンテナ装置100を備えたが、本発明はこれに限られず、アンテナ装置400、800又は1200を備えてもよい。
図16は本実施の形態の無線通信装置1600の表面図である。図15の無線通信装置1500と異なる点は、アンテナ装置100の代わりにアンテナ装置1200を備えている点、高周波回路1503とアンテナ装置1200の間にスイッチ1601を備えている点である。
無線通信装置1600にアンテナ装置1200を備えた場合、無線通信装置1600は、最初の動作として給電線路802a、802bを逆相で周波数信号の電力を給電する。これにより、無線通信装置1600からの放射特性は、図13で説明したように導波方向正面に広いビームを形成する。無線通信装置1600は、この状態で通信相手を探索する。次に、無線通信装置1600が通信相手を見つけ、所定の接続処理等を行う。無線通信装置1600は、接続処理を終え、データ通信を行う際には、給電線路802a、802bのどちらかの回路のみを有効する。給電線路802a、802bのどちらかの回路のみを有効するには、アンテナ装置1200と高周波回路1503の間に高周波信号の入力の有効/無効を制御するスイッチ1601を設ければよい。無線通信装置1600は、図10、図11のようにZ軸上から+X軸方向、あるいは、−X軸方向に傾斜した放射指向性のある無線電波を送受信することで、通信相手の方向に放射方向を向ける。
この構成により、より広範囲の相手とCNR(Carrier to Noise Ratio)の高い通信が可能になる。
また、本実施の形態に係る無線通信装置1500、1600は無線送受信を行ったが、これに限られず、無線送信のみ又は無線受信のみを行ってもよい。
なお、高周波信号の入力の有効/無効を制御するスイッチとして、アンテナ装置1200と高周波回路1503の間に高周波信号の入力の有効/無効を制御するスイッチ1601を設けたが、アンテナ装置1200の可変位相器1201aと給電線路802aの間とアンテナ装置1200の可変位相器1201bと給電線路802bの間にそれぞれスイッチを設けてもよい。
(まとめ)
本開示は、以下の構成である。アンテナ装置は、第1及び第2の面を有する誘電体基板と、前記誘電体基板の第1の面に形成され且つ第1の給電線路に接続された第1のダイポール素子と、前記誘電体基板の第2の面に形成され且つ接地導体に接続された第2のダイポール素子とを含む第1のダイポールアンテナと、複数の第1の無給電素子アレーを含み、前記第1の無給電素子アレーは前記誘電体基板の第1の面に形成された複数の第1の無給電素子を含む、第1の無給電素子群とを備える。前記複数の第1の無給電素子は、前記第1のダイポールアンテナの長手方向に実質的に平行なストリップ形状をそれぞれ有し、互いに電磁的に結合するように配置され、前記複数の第1の無給電素子アレーは、実質的に互いに平行に配置され、隣接する前記第1の無給電素子アレー間にギャップが形成されており、前記第1のダイポールアンテナ及び前記第1の無給電素子群は、前記第1のダイポールアンテナの電気長の中点を高周波信号の導波方向に延ばした中心軸と前記第1の無給電素子群の前記第1のダイポールアンテナの長手方向の中点を高周波信号の導波方向に延ばした中心軸とが重ならないように配置した。
これにより、上記のアンテナ装置は、第1のダイポール素子の中心軸に平行な方向から第1のダイポール素子の長手方向のいずれか一方に傾斜した方向の放射特性を有することが可能となる。
上記のアンテナ装置において、前記第1のダイポール素子の長さは前記第と前記第2のダイポール素子の長さと異なる構成であってもよい。第1のダイポール素子の長さと第2のダイポール素子の長さが異なる場合には、第1のダイポール素子が一次放射する無線電波の放射特性を傾斜させることができる。
これにより、上記と同様に、アンテナ装置の放射指向性を傾斜させることが可能となる。
また、上記のアンテナ装置において、前記誘電体基板の第1の面に形成されかつ第2の給電線路に接続された第3のダイポール素子と、前記誘電体基板の第2の面に形成されかつ接地導体に接続された第4のダイポール素子とを含む第2のダイポールアンテナをさらに備え、前記第1のダイポールアンテナの長手方向と前記第2のダイポールアンテナの長手方向とは実質的に平行であり、前記第1のダイポールアンテナ及び前記第2のダイポールアンテナは、前記第1のダイポールアンテナの電気長の中点を高周波信号の導波方向に延ばした中心軸と、前記第2のダイポールアンテナの電気長の中点を高周波信号の導波方向に延ばした中心軸が重ならないように配置されることが好ましい。
さらに上記のアンテナ装置において、前記第1のダイポールアンテナと前記第2のダイポールアンテナへの給電を、排他的に切り換えるように構成してもよい。
また、前記第1のダイポールアンテナと第2のダイポールアンテナへの給電は、相互に入力される周波数信号の位相が異なるように構成してもよい。
さらに上記のアンテナ装置において、複数の第2の無給電素子アレーを含み、前記第2の無給電素子アレーは前記誘電体基板の第2の面に形成された複数の第2の無給電素子を含む第2の無給電素子群と、をさらに備え、前記第2の無給電素子アレーの前記複数の第2の無給電素子は、前記第1のダイポールアンテナの長手方向に実質的に平行なストリップ形状をそれぞれ有し、互いに電磁的に結合するように配置され、前記複数の第2の無給電素子アレーは、実質的に互いに平行に配置され、隣接する前記第2の無給電素子アレー間にギャップが形成される構成としてもよい。
これにより、2つのダイポールアンテナが無給電素子群を共用した状態で2種類の放射指向性を作ることが可能となる。
(他の実施の形態)
以上のように、開示する技術の例示として、実施の形態1〜4を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用可能である。また、上記実施の形態1〜4で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
以上のように、本開示における技術の例示として、実施の形態を説明した。そのために、添付図面及び詳細な説明を提供した。
したがって、添付図面及び詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、上記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
また、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
本発明に係るアンテナ装置及び、当該アンテナ装置を備えた無線通信装置は、高周波通信等の分野で有用に用いられる。
100,400,800,1200 アンテナ装置
101 誘電体基板
102,802a,802b 給電線路
103a,103b,103c,803a,803b,803c,803d 接地導体
104,804a,804b,105,805a,805b ダイポール素子
106,406 無給電素子
107,407 無給電素子アレー
108,408 無給電素子群
109,110,809,810,811 中心軸
820 切り換え素子
1201a,1201b 可変位相器
1500,1600 無線通信装置
1501 上位層回路
1502 ベースバンド回路
1503 高周波回路
1601 スイッチ

Claims (7)

  1. 第1及び第2の面を有する誘電体基板と、
    前記誘電体基板の第1の面に形成され且つ第1の給電線路に接続された第1のダイポール素子と、前記誘電体基板の第2の面に形成され且つ接地導体に接続された第2のダイポール素子とを含む第1のダイポールアンテナと、
    複数の第1の無給電素子アレーを含み、前記第1の無給電素子アレーは前記誘電体基板の第1の面に形成された複数の第1の無給電素子を含む、第1の無給電素子群と、を備え、
    前記複数の第1の無給電素子は、前記第1のダイポールアンテナの長手方向に実質的に平行なストリップ形状をそれぞれ有し、互いに電磁的に結合するように配置され、
    前記複数の第1の無給電素子アレーは、実質的に互いに平行に配置され、隣接する前記第1の無給電素子アレー間にギャップが形成されており、
    前記第1のダイポールアンテナ及び前記第1の無給電素子群は、前記第1のダイポールアンテナの電気長の中点を高周波信号の導波方向に延ばした中心軸と前記第1の無給電素子群の前記第1のダイポールアンテナの長手方向の中点を高周波信号の導波方向に延ばした中心軸とが重ならないように配置されている、アンテナ装置。
  2. 前記第1のダイポール素子の長さは前記第2のダイポール素子の長さと異なる、
    請求項1に記載のアンテナ装置。
  3. 前記誘電体基板の第1の面に形成されかつ第2の給電線路に接続された第3のダイポール素子と、前記誘電体基板の第2の面に形成されかつ接地導体に接続された第4のダイポール素子とを含む第2のダイポールアンテナをさらに備え、
    前記第1のダイポールアンテナの長手方向と前記第2のダイポールアンテナの長手方向とは実質的に平行であり、
    前記第1のダイポールアンテナ及び前記第2のダイポールアンテナは、前記第1のダイポールアンテナの電気長の中点を高周波信号の導波方向に延ばした中心軸と、前記第2のダイポールアンテナの電気長の中点を高周波信号の導波方向に延ばした中心軸が重ならないように配置される、
    請求項1に記載のアンテナ装置。
  4. 前記第1のダイポールアンテナと前記第2のダイポールアンテナへの給電を、排他的に切り換える、
    請求項3に記載のアンテナ装置。
  5. 前記第1のダイポールアンテナと前記第2のダイポールアンテナへの給電は、相互に入力される周波数信号の位相が異なる、
    請求項3に記載のアンテナ装置。
  6. 複数の第2の無給電素子アレーを含み、前記第2の無給電素子アレーは前記誘電体基板の第2の面に形成された複数の第2の無給電素子を含む第2の無給電素子群と、をさらに備え、
    前記第2の無給電素子アレーの前記複数の第2の無給電素子は、前記第1のダイポールアンテナの長手方向に実質的に平行なストリップ形状をそれぞれ有し、互いに電磁的に結合するように配置され、
    前記複数の第2の無給電素子アレーは、実質的に互いに平行に配置され、隣接する前記第2の無給電素子アレー間にギャップが形成される、
    請求項1に記載のアンテナ装置。
  7. 請求項1から6のうちのいずれか1つの請求項記載のアンテナ装置を備えたことを特徴とする、無線通信装置。
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