JP4133559B2 - 音声再生プログラム、音声再生方法及び音声再生装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、音声データを用いて音声を再生するための音声再生プログラム、音声再生方法及び音声再生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の音声再生装置としては、例えば、カセットテープレコーダ等があり、カセットテープレコーダ等のアナログ音声を再生する機器では、カセットテープ等の記録媒体を所定速度(記録時の速度)で駆動して、カセットテープに記録された音声信号を再生することによって、標準速度(1倍速)で音声を再生する。また、上記のカセットテープの駆動速度を変化させて、標準速度より速い速度や遅い速度で音声を再生することも行われている。
【0003】
一方、上記のようなアナログ音声ではなく、デジタル音声を再生する機器として、CDプレイヤ、DVDプレイヤ等があり、これらの機器では、CD等に記録された音声データを所定の再生周波数で再生することによって、標準速度で音声を再生することができ、また、再生周波数を変化させることによって、標準速度より速い速度や遅い速度で音声を再生することもできる。また、CD、DVD等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体を用いる家庭用ビデオゲーム機等のビデオゲーム装置も、上記のCDドライブ等の再生原理と同様の再生原理を用い、標準速度、該速度より速い速度又は遅い速度でデジタル音声を再生している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の音声再生装置では、標準速度で記録されているアナログ音声又はデジタル音声を標準速度以外の速度で再生する場合、再生される音声の周波数が元の音声の周波数である基本周波数と相違することとなる。例えば、標準速度に対して2倍速い速度である早聞速度で音声を再生すると、早聞速度で再生された音声は上記の基本周波数の倍になってしまう。ゆえに、音声の音程が通常の音声より1オクターブ高くなってしまい、ユーザにとって聞きづらかったり、又は聞き取れない場合があった。
【0005】
このため、再生速度の切り替えによる音声の周波数の変動をアナログ信号処理によって、基本周波数と同じ再生周波数で、かつ早聞速度で再生される音声となるように修正することが行われているが、自然な音声に修正することは困難であった。また、ソフトウエア等を用いたデジタル処理によってより自然な音声に修正することも行われているが、CPU(中央演算処理装置)等の処理能力によっては、ユーザの操作に応えて瞬時に違和感なく再生速度を切り替えることはできなかった。特に、音声処理だけでなく、画像処理を主体とするビデオゲーム装置では、複雑な画像処理にCPUの処理能力を配分する必要があり、視聴者であるユーザの操作に応えて瞬時に違和感なく再生速度を切り替えることはできなかった。
【0006】
本発明の目的は、CPU等のハードウエアに過度な負担をかけることなく、音声の再生速度を瞬時に違和感なく切り替えることができるとともに、より自然な音声を切り替え前後ともに出力することができる音声再生プログラム、音声再生方法及び音声再生装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の本発明は、音声出力する対象として予め決められた音声を構成する音声データを用いて音声を再生するための音声再生プログラムであって、
前記音声を第1の再生速度で再生するために予め準備された第1の音声データと、前記音声を前記第1の再生速度と異なる第2の再生速度で再生するために予め準備された第2の音声データとを記憶する音声記憶手段と、
前記音声記憶手段から読み出した第1及び第2の音声データの再生位置を対応付けて再生し、前記第1及び第2の音声データによる音声を出力可能な状態にする再生手段と、
前記第1の再生速度で音声を出力する場合に前記再生手段によって再生されている第1の音声データによる第1の音声を出力し、前記第2の再生速度で音声を出力する場合に前記再生手段によって再生されている前記第2の音声データによる第2の音声を出力する音声出力手段としてコンピュータを機能させることを特徴とする。
【0008】
請求項1に記載の本発明に従えば、音声出力する対象として予め決められた音声を構成する音声データを用いて音声を再生するための音声再生プログラムであって、前記音声を第1の再生速度で再生するために予め準備された第1の音声データと、前記音声を前記第1の再生速度と異なる第2の再生速度で再生するために予め準備された第2の音声データとを記憶する音声記憶手段と、前記音声記憶手段から読み出した第1及び第2の音声データの再生位置を対応付けて再生し、前記第1及び第2の音声データによる音声を出力可能な状態にする再生手段と、前記第1の再生速度で音声を出力する場合に前記再生手段によって再生されている第1の音声データによる第1の音声を出力し、前記第2の再生速度で 音声を出力する場合に前記再生手段によって再生されている前記第2の音声データによる第2の音声を出力する音声出力手段としてコンピュータを機能させることを特徴とする。
【0009】
すなわち、所定の音声を複数の異なる再生速度で再生するために予め準備され、各再生速度にそれぞれ対応する複数の音声データが記憶され、各再生速度のうちいずれかの速度で音声を出力する場合に、該再生速度に対応する音声データによる音声が再生され、出力されるので、再生速度変更時に、異なる再生速度に対応する音声データを作成する等の音声処理が不要になる。
【0010】
より具体的には、第1の再生速度で音声を出力する場合には、第1の再生速度で再生するために予め準備された第1の音声データを再生した第1の音声が出力され、第2の再生速度で音声を出力する場合には、第2の再生速度で再生するために予め準備された第2の音声データを再生した第2の音声が出力される。ゆえに、第2の再生速度で音声を出力する場合には、第2の音声データは第2の再生速度で再生するために予め準備されているので、第1の音声データから基本周波数を変更しないで第2の音声データを作成する等の音声処理が不要になる。
【0011】
また、所定の音声を第1の再生速度で再生するために予め準備された第1の音声データと、所定の音声を第1の再生速度と異なる第2の再生速度で再生するために予め準備された第2の音声データとが同期して再生されているので、音声の再生速度を切り替えても、同じ所定の音声(同じ内容の音声)を出力することができる。
【0012】
請求項2に記載の本発明は、前記音声出力手段による音声の出力を前記第1の再生速度とさせる第1の再生速度モードと、前記音声出力手段による音声の出力を前記第2の再生速度とさせる第2の再生速度モードとのいずれかをユーザが選択する操作を受け付ける操作手段として前記コンピュータをさらに機能させ、
前記音声出力手段は、前記操作手段によって受け付けられた再生速度モードに応じて前記第1及び第2の音声データによる音声のうちの一方を出力することを特徴とする。
【0013】
請求項2に記載の本発明に従えば、操作手段は、音声出力手段による音声の出力を第1の再生速度とさせる第1の再生速度モードと音声出力手段による音声の出力を第2の再生速度とさせる第2の再生速度モードとのいずれかをユーザが選択する操作を受け付け、音声出力手段は、操作手段によって受け付けられた再生速度モードに応じて第1及び第2の音声データによる音声のうちの一方を出力する。
【0014】
すなわち、ユーザによる第1の音声速度モードと第2の音声速度モードとのいずれかを選択する操作が受け付けられ、受け付けられた再生速度モードに応じて第1及び第2の音声のうちの一方が出力されるので、ユーザは所望の再生速度で音声を聞くことができるとともに、一方の音声の出力途中で他方の音声に切り替えることができる。
【0015】
請求項3に記載の本発明は、前記音声記憶手段は、前記第1の音声データとして、所定の音声を標準速度で再生するために予め準備された通常音声データを記憶するとともに、前記第2の音声データとして、前記通常音声データを用いて再生される音声と同じ音声を標準速度より速い再生速度で再生するために予め準備された高速音声データを記憶し、
前記音声出力手段は、標準速度で音声を出力する場合に前記通常音声データによる標準速度の音声を出力し、高速で音声を出力する場合に前記高速音声データによる高速の音声を出力することを特徴とする。
【0016】
請求項3に記載の本発明に従えば、音声記憶手段は、第1の音声データとして、所定の音声を標準速度で再生するために予め準備された通常音声データを記憶するとともに、第2の音声データとして、通常音声データを用いて再生される音声と同じ音声を標準速度より速い再生速度で再生するために予め準備された高速音声データを記憶する。このとき、音声出力手段は、標準速度で音声を出力する場合に通常音声データによる標準速度の音声を出力し、高速で音声を出力する場合に高速音声データによる高速の音声を出力する。
【0017】
すなわち、標準速度で音声を出力する場合には、標準速度で再生するために予め準備された通常音声データを再生した標準速度の音声が出力され、高速で音声を出力する場合には、高速で再生するために予め準備された高速音声データを再生した高速の音声が出力されるので、標準速度又は高速の各再生速度に応じて予め作成された音声データを用いて音声を出力することができ、ユーザは標準速度及び高速のうち所望の速度で自然な音声を聞くことができる。
【0018】
請求項4に記載の本発明は、前記再生手段は、前記第1及び第2の音声データの再生済み時間又は残り再生時間を基に前記第1及び第2の音声データの再生位置を対応付けて再生することを特徴とする。
【0019】
請求項4に記載の本発明に従えば、再生手段は、第1及び第2の音声データの再生済み時間又は残り再生時間を基に第1及び第2の音声データの再生位置を対応付けて再生する。
【0020】
すなわち、再生済み時間又は残り再生時間が同じになるように第1及び第2の音声データを再生することによって第1及び第2の音声データの再生位置を対応付けているので、チェックフラグ等の同期処理専用のデータを音声データに付加することなく、第1及び第2の音声データの同期処理を行うことができる。
【0021】
請求項5に記載の本発明は、前記音声記憶手段は、前記第1及び第2の音声データとして、当該音声データによって再生される音声の所定の区切りごとにチェックフラグが挿入された音声データを記憶し、
前記再生手段は、前記第1及び第2の音声データのチェックフラグの再生タイミングを基に前記第1及び第2の音声データの再生位置を対応付けて再生することを特徴とする。
【0022】
請求項5に記載の本発明に従えば、音声記憶手段は、第1及び第2の音声データとして、当該音声データによって再生される音声の所定の区切りごとにチェックフラグが挿入された音声データを記憶し、再生手段は、第1及び第2の音声データのチェックフラグの再生タイミングを基に第1及び第2の音声データの再生位置を対応付けて再生することを特徴とする。
【0023】
すなわち、音声の所定の区切りごとに挿入されたチェックフラグの再生タイミングを基準に第1及び第2の音声データを同期させているので、第1及び第2の音声データを再生される音声の所定の区切りごとに高精度に同期させて再生することができる。
【0024】
請求項6に記載の本発明は、前記再生手段は、前記第1及び第2の音声データの再生位置がずれた場合において、前記第1の再生速度で音声が出力されているときには、前記第1の音声データの再生位置と対応するように前記第2の音声データの再生速度を調整し、前記第2の再生速度で音声が出力されているときには、前記第2の音声データの再生位置と対応するように前記第1の音声データの再生速度を調整することを特徴とする。
【0025】
請求項6に記載の本発明に従えば、再生手段は、第1及び第2の音声データの再生位置がずれた場合において、第1の再生速度で音声が出力されているときには、第1の音声データの再生位置と対応するように第2の音声データの再生速度を調整し、第2の再生速度で音声が出力されているときには、第2の音声データの再生位置と対応するように第1の音声データの再生速度を調整する。
【0026】
すなわち、第1及び第2の音声データの再生位置がずれた場合に、現在出力されている音声の再生に用いられる音声データを基準にして他方の音声データの再生速度を調整しているので、出力されている音声に影響を与えることなく、同期ずれを補正することができる。
【0027】
請求項7に記載の本発明は、前記第1及び第2の音声データによって再生される音声を表記する文字を生成するための文字データを記憶する文字記憶手段と、
前記文字記憶手段から読み出した文字データによって表される文字を前記音声出力手段によって出力されている第1及び第2の音声のうち少なくともいずれか一方に同期させて表示する表示手段として前記コンピュータをさらに機能させることを特徴とする。
【0028】
請求項7に記載の本発明に従えば、文字記憶手段は、第1及び第2の音声データによって再生される音声を表記する文字を生成するための文字データを記憶し、表示手段は、文字記憶手段から読み出した文字データによって表される文字を音声出力手段によって出力されている第1及び第2の音声のうち少なくともいずれか一方に同期させて表示する。
【0029】
すなわち、文字記憶手段から読み出した文字データによって表される文字が音声出力手段によって出力されている音声に同期して表示されるので、再生されている音声に同期させて表示画面上に文字を表示させることができる。
【0030】
請求項8に記載の本発明は、前記表示手段は、前記文字データによって表される文字に対応する前記第1又は第2の音声データの再生時間を基に、前記文字記憶手段から読み出した文字データによって表される文字を前記音声出力手段によって出力されている第1及び第2の音声のうち少なくともいずれか一方に同期させて表示することを特徴とする。
【0031】
請求項8に記載の本発明に従えば、表示手段は、文字データによって表される文字に対応する第1又は第2の音声データの再生時間を基に、文字記憶手段から読み出した文字データによって表される文字を音声出力手段によって出力されている第1及び第2の音声のうち少なくともいずれか一方に同期させて表示する。
【0032】
すなわち、文字に対応する音声データの再生時間を基に文字を音声に同期させて表示しているので、チェックフラグ等の同期処理専用のデータを文字データに付加することなく、文字と音声との同期処理を行うことができる。
【0033】
請求項9に記載の本発明は、前記表示手段は、前記再生時間を文字ごとに予め記憶し、表示される文字に対して記憶されている再生時間を参照して当該文字を音声に同期させて表示することを特徴とする。
【0034】
請求項9に記載の本発明に従えば、表示手段は、再生時間を文字ごとに予め記憶し、表示される文字に対して記憶されている再生時間を参照して当該文字を音声に同期させて表示する。
【0035】
すなわち、表示される文字に対して記憶されている再生時間を参照して当該文字を音声に同期させて表示しているので、再生時間を計算することなく、文字と音声との同期処理を行うことができる。
【0036】
請求項10に記載の本発明は、前記表示手段は、前記文字データによって表される文字に対応する前記第1又は第2の音声データのデータ量を基に、前記文字記憶手段から読み出した文字データによって表される文字を前記音声出力手段によって出力されている第1及び第2の音声のうち少なくともいずれか一方に同期させて表示することを特徴とする。
【0037】
請求項10に記載の本発明に従えば、表示手段は、文字データによって表される文字に対応する第1又は第2の音声データのデータ量を基に、文字記憶手段から読み出した文字データによって表される文字を音声出力手段によって出力されている第1及び第2の音声のうち少なくともいずれか一方に同期させて表示する。
【0038】
すなわち、文字に対応する音声データのデータ量を基に文字を音声に同期させて表示しているので、チェックフラグ等の同期処理専用のデータを文字データに付加することなく、文字と音声との同期処理を行うことができる。
【0039】
請求項11に記載の本発明は、音声出力する対象として予め決められた音声を構成する音声データを用いて音声を再生する音声再生方法であって、
コンピュータが、前記音声を第1の再生速度で再生するために予め準備された第1の音声データと、前記音声を前記第1の再生速度と異なる第2の再生速度で再生するために予め準備された第2の音声データとの再生位置を対応付けて再生し、前記第1及び第2の音声データによる音声を出力可能な状態にするステップと、
前記コンピュータが、前記第1の再生速度で音声を出力する場合に再生されている第1の音声データによる第1の音声を出力し、前記第2の再生速度で音声を出力する場合に再生されている前記第2の音声データによる第2の音声を出力するステップとを含むことを特徴とする。
【0040】
請求項11に記載の本発明に従えば、音声出力する対象として予め決められた音声を構成する音声データを用いて音声を再生する音声再生方法であって、コンピュータが、前記音声を第1の再生速度で再生するために予め準備された第1の音声データと、前記音声を前記第1の再生速度と異なる第2の再生速度で再生するために予め準備された第2の音声データとの再生位置を対応付けて再生し、前記第1及び第2の音声データによる音声を出力可能な状態にし、コンピュータが、前記第1の再生速度で音声を出力する場合に再生されている第1の音声データによる第1の音声を出力し、前記第2の再生速度で音声を出力する場合に再生されている前記第2の音声データによる第2の音声を出力する。
【0041】
すなわち、所定の音声を複数の異なる再生速度で再生するために予め準備され、各再生速度に対応する複数の音声データが記憶され、各再生速度のうちいずれかの速度で音声を出力する場合に、該再生速度に対応する音声データによる音声が出力可能な状態に再生、出力されるので、再生速度変更時に基本周波数と同じ再生周波数で当該再生速度に対応する音声データを作成する等の音声処理が不要になる。
【0042】
より具体的には、第1の再生速度で音声を出力する場合には、第1の再生速度で再生するために予め準備された第1の音声データを再生した第1の音声が出力され、第2の再生速度で音声を出力する場合には、第2の再生速度で再生するために予め準備された第2の音声データを再生した第2の音声が出力される。ゆえに、第2の再生速度で音声を出力する場合には、第2の音声データは第2の再生速度で再生するために予め準備されているので、第1の音声データから基本周波数を変更しないで第2の音声データを作成する等の音声処理が不要になる。
【0043】
また、所定の音声を第1の再生速度で再生するために予め準備された第1の音声データと、所定の音声を第1の再生速度と異なる第2の再生速度で再生するために予め準備された第2の音声データとが同期して再生されているので、音声の再生速度を切り替えても、 同じ所定の音声(同じ内容の音声)を出力することができる。
【0044】
請求項12に記載の本発明は、音声出力する対象として予め決められた音声を構成する音声データを用いて音声を再生する音声再生装置であって、
前記音声を第1の再生速度で再生するために予め準備された第1の音声データと、前記音声を前記第1の再生速度と異なる第2の再生速度で再生するために予め準備された第2の音声データとを記憶する音声記憶手段と、
前記音声記憶手段から読み出した第1及び第2の音声データの再生位置を対応付けて再生し、前記第1及び第2の音声データによる音声を出力可能な状態にする再生手段と、
前記第1の再生速度で音声を出力する場合に前記再生手段によって再生されている第1の音声データによる第1の音声を出力し、前記第2の再生速度で音声を出力する場合に前記再生手段によって再生されている前記第2の音声データによる第2の音声を出力する音声出力手段とを備えることを特徴とする。
【0045】
請求項12に記載の本発明に従えば、音声出力する対象として予め決められた音声を構成する音声データを用いて音声を再生する音声再生装置であって、音声記憶手段は、前記音声を第1の再生速度で再生するために予め準備された第1の音声データと、前記音声を前記第1の再生速度と異なる第2の再生速度で再生するために予め準備された第2の音声データとを記憶し、再生手段は、前記音声記憶手段から読み出した第1及び第2の音声データの再生位置を対応付けて再生し、前記第1及び第2の音声データによる音声を出力可能な状態にし、音声出力手段は、前記第1の再生速度で音声を出力する場合に前記再生手段によって再生されている第1の音声データによる第1の音声を出力し、前記第2の再生速度で音声を出力する場合に前記再生手段によって再生されている前記第2の音声データによる第2の音声を出力する。
【0046】
すなわち、所定の音声を複数の異なる再生速度で再生するために予め準備された該再生速度に対応する複数の同じ内容の音声データが記憶され、各再生速度のうちいずれかの速度で音声を出力する場合に、該再生速度に対応する音声データによる音声が出力可能な状態に再生、出力されるので、再生速度変更時に基本周波数と同じ再生周波数で当該再生速度に対応する音声データを作成する等の音声処理が不要になる。
【0047】
より具体的には、第1の再生速度で音声を出力する場合には、第1の再生速度で再生するために予め準備された第1の音声データを再生した第1の音声が出力され、第2の再生速度で音声を出力する場合には、第2の再生速度で再生するために予め準備された第2の音声データを再生した第2の音声が出力される。ゆえに、第2の再生速度で音声を出力する場合には、第2の音声データは第2の再生速度で再生するために予め準備されているので、第1の音声データから基本周波数を変更しないで第2の音声データを作成する等の音声処理が不要になる。
【0048】
また、所定の音声を第1の再生速度で再生するために予め準備された第1の音声データと、所定の音声を第1の再生速度と異なる第2の再生速度で再生するために予め準備された第2の音声データとが同期して再生されているので、音声の再生速度を切り替えても、同じ所定の音声(同じ内容の音声)を出力することができる。
【0049】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
以下、本発明の第1の実施の形態によるビデオゲーム装置について図面を参照しながら説明する。
【0050】
図1は本発明の第1の実施の形態のビデオゲーム装置の構成を示すブロック図である。なお、以下の説明では、ビデオゲーム装置の一例として家庭用ビデオゲーム機を家庭用テレビジョンに接続することによって構成される家庭用ビデオゲーム装置について説明するが、本発明はこの例に特に限定されず、モニタが一体に構成された業務用ビデオゲーム装置、ビデオゲームプログラムを実行することによってビデオゲーム装置として機能するパーソナルコンピュータ等にも同様に適用することができる。
【0051】
図1に示すビデオゲーム装置は家庭用ゲーム機100及び家庭用テレビジョン200を備える。家庭用ゲーム機100には、ビデオゲームプログラム及びゲームデータが記録されたコンピュータ読み出し可能な記録媒体300が装填され、ビデオゲームプログラム及びゲームデータが適宜読み出されてゲームが実行される。
【0052】
家庭用ゲーム機100は、CPU(Central Processing Unit)1、バスライン2、グラフィックスデータ生成プロセッサ3、インターフェース回路(I/F)4、メインメモリ5、ROM(Read Only Memory)6、伸張回路7、パラレルポート8、シリアルポート9、描画プロセッサ10、音声プロセッサ11、I/Oプロセッサ12、バッファ13〜15、記録媒体ドライブ16、メモリ17及びコントローラ18を含む。家庭用テレビジョン200はテレビジョンモニタ21、増幅回路22及びスピーカ23を含む。
【0053】
CPU1はバスライン2およびグラフィックスデータ生成プロセッサ3に接続されている。バスライン2はアドレスバス、データバス及びコントロールバス等を含み、CPU1、インターフェース回路4、メインメモリ5、ROM6、伸張回路7、パラレルポート8、シリアルポート9、描画プロセッサ10、音声プロセッサ11及びI/Oプロセッサ12を相互に接続している。
【0054】
描画プロセッサ10はバッファ13に接続される。音声プロセッサ11はバッファ14及び増幅回路22に接続される。I/Oプロセッサ12はバッファ15、記録媒体ドライブ16、メモリ17及びコントローラ18に接続される。
【0055】
家庭用テレビジョン200のテレビジョンモニタ21は、描画プロセッサ10に接続される。スピーカ23は増幅回路22に接続される。なお、業務用ビデオゲーム装置の場合、テレビジョンモニタ21、増幅回路22及びスピーカ23は、家庭用ゲーム機100を構成する各ブロックとともに1つの筺体に収納される場合がある。
【0056】
また、ビデオゲーム装置がパーソナルコンピュータやワークステーション等を核として構成されている場合、テレビジョンモニタ21等はコンピュータ用のディスプレイに対応する。また、伸張回路7、描画プロセッサ10、音声プロセッサ11及びI/Oプロセッサ12等は、それぞれ記録媒体300に記録されているプログラムデータの一部又はコンピュータの拡張スロットに搭載される拡張ボード上のハードウエアに対応する。
【0057】
また、インターフェース回路4、パラレルポート8及びシリアルポート9は、コンピュータの拡張スロットに搭載される拡張ボード上のハードウエアに対応する。また、バッファ13〜15はそれぞれメインメモリ又は拡張メモリの各記憶エリアに対応する。
【0058】
次に、図1に示す各構成要素について説明する。グラフィックスデータ生成プロセッサ3はCPU1のいわばコプロセッサとしての役割を果たす。すなわち、グラフィックスデータ生成プロセッサ3は座標変換や光源計算、例えば固定小数点形式の行列やベクトルの演算を並列処理によって行う。
【0059】
グラフィックスデータ生成プロセッサ3が行う主な処理としては、CPU1から供給される画像データの2次元又は仮想3次元空間内における各頂点の座標データ、移動量データ、回転量データ等に基づいて、所定の表示エリア上における処理対象画像のアドレスデータを求めてCPU1に返す処理、仮想的に設定された光源からの距離に応じて画像の輝度を計算する処理等がある。
【0060】
インターフェース回路4は周辺デバイス、例えばマウスやトラックボール等のポインティングデバイス等のインターフェース用に用いられる。メインメモリ5はRAM(Random Access Memory)等で構成される。ROM6にはビデオゲーム装置のオペレーティングシステムとなるプログラムデータが記憶されている。このプログラムはパーソナルコンピュータのBIOS(Basic Input Output System)に相当する。
【0061】
伸張回路7は動画に対するMPEG(Moving Picture Experts Group)規格や静止画に対するJPEG(Joint Photographic Experts Group)規格に準拠したイントラ符号化によって圧縮された圧縮画像に対して伸張処理を施す。伸張処理はデコード処理(VLC:Variable Length Codeによってエンコードされたデータのデコード)、逆量子化処理、IDCT(Inverse Discrete Cosine Transform)処理、イントラ画像の復元処理等を含む。
【0062】
描画プロセッサ10は所定時間T(例えば、1フレームでT=1/60秒)ごとにCPU1が発行する描画命令に基づいてバッファ13に対する描画処理を行う。
【0063】
バッファ13は例えばRAMで構成され、表示エリア(フレームバッファ)と非表示エリアとに分けられる。表示エリアはテレビジョンモニタ21の表示面上に表示するデータの展開エリアで構成される。非表示エリアはスケルトンを定義するデータ、ポリゴンを定義するモデルデータ、モデルに動きを行わせるアニメーションデータ、各アニメーションの内容を示すパターンデータ、テクスチャデータ及びカラーパレットデータ等の記憶エリアで構成される。
【0064】
ここで、テクスチャデータは2次元の画像データである。カラーパレットデータはテクスチャデータ等の色を指定するためのデータである。CPU1は、これらのデータを記録媒体300から一度に又はゲームの進行状況に応じて複数回に分けて、予めバッファ13の非表示エリアに記録する。
【0065】
また、描画命令としては、ポリゴンを用いて立体的な画像を描画するための描画命令、通常の2次元画像を描画するための描画命令がある。ここで、ポリゴンは多角形の2次元仮想図形であり、例えば、三角形や四角形が用いられる。
【0066】
ポリゴンを用いて立体的な画像を描画するための描画命令は、ポリゴン頂点座標データのバッファ13の表示エリア上における記憶位置を示すポリゴン頂点アドレスデータ、ポリゴンに貼り付けるテクスチャのバッファ13上における記憶位置を示すテクスチャアドレスデータ、テクスチャの色を示すカラーパレットデータのバッファ13上における記憶位置を示すカラーパレットアドレスデータ及びテクスチャの輝度を示す輝度データのそれぞれに対して行われるものである。
【0067】
上記のデータのうち表示エリア上のポリゴン頂点アドレスデータは、グラフィックスデータ生成プロセッサ3がCPU1からの仮想3次元空間上におけるポリゴン頂点座標データを移動量データ及び回転量データに基づいて座標変換することによって2次元上でのポリゴン頂点座標データに置換されたものである。輝度データはCPU1からの上記座標変換後のポリゴン頂点座標データによって示される位置から仮想的に配置された光源までの距離に基づいてグラフィックスデータ生成プロセッサ3によって決定される。
【0068】
ポリゴン頂点アドレスデータはバッファ13の表示エリア上のアドレスを示す。描画プロセッサ10は3個のポリゴン頂点アドレスデータで示されるバッファ13の表示エリアの範囲に対応するテクスチャデータを書き込む処理を行う。
【0069】
ゲーム空間内におけるキャラクタ等の物体は、複数のポリゴンで構成される。CPU1は各ポリゴンの仮想3次元空間上の座標データを対応するスケルトンのベクトルデータと関連させてバッファ13に記憶する。そして、後述するコントローラ18の操作によって、テレビジョンモニタ21の表示画面上でキャラクタを移動させる等の場合において、キャラクタの動きを表現したり、キャラクタを見ている視点位置を変えるときに、以下の処理が行われる。
【0070】
すなわち、CPU1はグラフィックスデータ生成プロセッサ3に対してバッファ13の非表示エリア内に保持している各ポリゴンの頂点の3次元座標データと、スケルトンの座標及びその回転量のデータから求められた各ポリゴンの移動量データ及び回転量データとを与える。
【0071】
グラフィックスデータ生成プロセッサ3は各ポリゴンの頂点の3次元座標データと各ポリゴンの移動量データ及び回転量データとに基づいて各ポリゴンの移動後及び回転後の3次元座標データを順次求める。
【0072】
このようにして求められた各ポリゴンの3次元座標データのうち水平及び垂直方向の座標データは、バッファ13の表示エリア上のアドレスデータ、すなわちポリゴン頂点アドレスデータとして描画プロセッサ10に供給される。
【0073】
描画プロセッサ10は3個のポリゴン頂点アドレスデータによって示されるバッファ13の表示エリア上に予め割り当てられているテクスチャアドレスデータによって示されるテクスチャデータを書き込む。これによって、テレビジョンモニタ21の表示画面上には、多数のポリゴンにテクスチャの貼り付けられた物体が表示される。
【0074】
通常の2次元画像を描画するための描画命令は、頂点アドレスデータ、テクスチャアドレスデータ、テクスチャデータの色を示すカラーパレットデータのバッファ13上における記憶位置を示すカラーパレットアドレスデータ及びテクスチャの輝度を示す輝度データに対して行われる。これらのデータのうち頂点アドレスデータは、CPU1からの2次元平面上における頂点座標データをCPU1からの移動量データ及び回転量データに基づいてグラフィックスデータ生成プロセッサ3が座標変換することによって得られる。
【0075】
音声プロセッサ11は記録媒体300から読み出されたADPCM(AdaptiveDifferential Pulse Code Modulation)データをバッファ14に記憶させ、バッファ14に記憶されたADPCMデータが音源となる。また、音声プロセッサ11は、例えば、周波数44.1kHzのクロック信号に基づき、バッファ14からADPCMデータを読み出す。
【0076】
音声プロセッサ11は、読み出したADPCMデータに対して、ノイズの付加、エンベロープの設定、レベルの設定及びリバーブの付加等の処理を施す。このとき、音声プロセッサ11は、読み出したADPCMデータを元の音声データに復号化し、後述するようにI/Oプロセッサによって設定された音量及び再生周波数で音声データを音声信号に変換して増幅回路22へ出力する。その後、増幅回路22は音声信号を増幅してスピーカ23へ出力し、スピーカ23は再生された音声を出力する。
【0077】
記録媒体300から読み出される音声データがCD−DA(Compact Disk Digital Audio)等のPCM(Pulse Code Modulation)データの場合、音声プロセッサ11はこの音声データをADPCMデータに変換する。また、PCMデータに対するプログラムによる処理は、メインメモリ5上において直接行われる。メインメモリ5上において処理されたPCMデータは、音声プロセッサ11に供給されてADPCMデータに変換される。その後、上述した各種処理が施され、音声が再生される。
【0078】
I/Oプロセッサ12は、入出力制御だけでなく、デコーダとしても機能し、記憶媒体ドライブ17によって送信された画像データ、音声データ及びプログラムデータ等の各種データを作業領域であるバッファ15に格納し、バッファ15から読み出した各種データに対してECC(Error Correction Code)によるエラー訂正処理を施し、エラー訂正処理を施した各種データをメインメモリ5又は音声プロセッサ11に供給する。
【0079】
メインメモリ5又は音声プロセッサ11は、供給された音声データをバッファ14によって格納させる。また、I/Oプロセッサ12は、コントローラ18を介してユーザによって指示された再生モード等に応じてバッファ14から読み出した該音声データが再生されるように、音声プロセッサ11に対して音量及び再生周波数の設定を行う。
【0080】
記録媒体ドライブ16は記録媒体300から画像データ、音声データ及びプログラムデータを読み出し、読み出したデータをI/Oプロセッサ12に供給する。記録媒体ドライブ16としては、例えば、DVD−ROMドライブ、CD−ROMドライブ、ハードディスクドライブ、光ディスクドライブ、フレキシブルディスクドライブ、シリコンディスクドライブ、カセット媒体読み取り機等が用いられる。この場合、記録媒体300としては、DVD−ROM、CD−ROM、ハードディスク、光ディスク、フレキシブルディスク、半導体メモリ等が用いられる。
【0081】
メモリ17としては、例えばカード型のメモリが用いられる。カード型のメモリは、例えばゲームを中断した場合において中断時点での状態を保持する等のように、中断時点での各種ゲームパラメータを保持するため等に用いられる。
【0082】
コントローラ18はユーザが種々の操作指令を入力するために使用する操作装置であり、ユーザの操作に応じた操作信号をCPU1に送出する。コントローラ18には、第1ボタン18a、第2ボタン18b、第3ボタン18c、第4ボタン18d、上方向キー18U、下方向キー18D、左方向キー18L、右方向キー18R、L1ボタン18L1、L2ボタン18L2、R1ボタン18R1、R2ボタン18R2、スタートボタン18e、セレクトボタン18f、左スティック18SL及び右スティック18SRが設けられている。
【0083】
上方向キー18U、下方向キー18D、左方向キー18L及び右方向キー18Rは、例えば、キャラクタやカーソルをテレビジョンモニタ21の画面上で上下左右に移動させるコマンドをCPU1に与えるために使用される。
【0084】
スタートボタン18eは記録媒体300からゲームプログラムをロードするようにCPU1に指示するため等に使用される。セレクトボタン18fは記録媒体300からメインメモリ5にロードされるゲームプログラムに関する各種選択をCPU1に指示するため等に使用される。
【0085】
左スティック18SL及び右スティック18SRを除くコントローラ18の各ボタン及び各キーは、外部からの押圧力によって中立位置から押圧されるとオンになり、押圧力が解除されると上記中立位置に復帰してオフになるオンオフスイッチで構成される。
【0086】
左スティック18SL及び右スティック18SRは、いわゆるジョイスティックとほぼ同一構成のスティック型コントローラである。このスティック型コントローラは直立したスティックを有し、このスティックの所定位置を支点として前後左右を含む360°方向に亘って傾倒可能な構成になっている。左スティック18SL及び右スティック18SRは、スティックの傾倒方向及び傾倒角度に応じて、直立位置を原点とする左右方向のx座標及び前後方向のy座標の値を操作信号としてI/Oプロセッサ12を介してCPU1に送出する。
【0087】
なお、第1ボタン18a、第2ボタン18b、第3ボタン18c、第4ボタン18d、L1ボタン18L1、L2ボタン18L2、R1ボタン18R1及びR2ボタン18R2は、記録媒体300からロードされるゲームプログラムに応じて種々の機能に使用される。
【0088】
次に、上記のビデオゲーム装置の概略動作について説明する。記録媒体300が記録媒体ドライブ16に装填されている場合、電源スイッチ(図示省略)がオンされてビデオゲーム装置に電源が投入されると、ROM6に記憶されているオペレーティングシステムに基づいて、記録媒体300からゲームプログラムを読み出すように、CPU1は記録媒体ドライブ16に指示する。これによって、記録媒体ドライブ16は記録媒体300から画像データ、音声データ及びプログラムデータを読み出す。読み出された画像データ、音声データ及びプログラムデータはI/Oプロセッサ12に供給され、I/Oプロセッサ12によってエラー訂正処理が各データに施される。
【0089】
I/Oプロセッサ12によってエラー訂正処理が施された画像データは、バスライン2を介して伸張回路7に供給される。伸張回路7によって上述した伸張処理が行われた画像データは描画プロセッサ10に供給され、描画プロセッサ10によってバッファ13の非表示エリアに書き込まれる。I/Oプロセッサ12によってエラー訂正処理が施された音声データは、メインメモリ5又は音声プロセッサ11を介してバッファ14に書き込まれる。また、I/Oプロセッサ12によってエラー訂正処理が施されたプログラムデータはメインメモリ5に書き込まれる。
【0090】
以降、CPU1は、メインメモリ5に記憶されているゲームプログラム及びユーザがコントローラ18を用いて指示する内容に基づいてビデオゲームを進行させる。すなわち、ユーザがコントローラ18を用いて指示する内容に基づいて、CPU1は画像処理の制御、音声処理の制御及び内部処理の制御等を適宜行う。
【0091】
画像処理の制御として、例えば、キャラクタに指示されるアニメーションに該当するパターンデータから各スケルトンの座標の計算又はポリゴンの頂点座標データの計算、得られた3次元座標データや視点位置データのグラフィックスデータ生成プロセッサ3への供給、グラフィックスデータ生成プロセッサ3が求めたバッファ13の表示エリア上のアドレスデータや輝度データを含む描画命令の発行等が行われる。
【0092】
音声処理の制御として、例えば、音声プロセッサ11に対する音声出力コマンドの発行、レベル、リバーブ等の指定がある。内部処理の制御として、例えばコントローラ18の操作に応じた演算等が行われる。
【0093】
図2は、図1に示すビデオゲーム装置の主要機能を示す機能ブロック図である。ビデオゲーム装置は、音声出力部101、記憶部102、操作部103、プログラム実行部104及びプログラム記憶部105を有する。音声出力部101は、図1に示す増幅回路22やスピーカ23等によって実現される。記憶部102は図1に示すメインメモリ5やバッファ13〜15によって実現される。
【0094】
記憶部102は、所定の音声を複数の異なる再生速度で再生するために予め準備され、各音声速度にそれぞれ対応する複数の音声データを格納する(ここでは、記録媒体300から読み出された1倍速用音声データa1を第1チャンネル用の音声データとして格納し、2倍速用音声データa2を第2チャンネル用の音声データとして格納する)。ここで、1倍速用音声データa1は、所定の音声(記録時の速度)を標準速度すなわち1倍速で再生するために予め準備された音声データであり、2倍速用音声データa2は、所定の音声(標準速度で再生される音声と同じ内容を表す音声)を早聞速度で再生するために予め準備された音声データである。早聞速度とは、標準速度より高速の速度のことであり、ここでは2倍の速度のことである。なお、標準音声とは標準速度で再生された音声である、早聞音声とは早聞速度で再生された音声のことである。「所定の音声」は、表現内容、伝達内容が同一の音声であり、例えば各データに基づき再生される言葉(語)は一言一句異ならない。
【0095】
操作部103は、図1に示すコントローラ18等によって実現され、ユーザからの音声再生速度モード指示コマンドを受け付ける。音声再生速度モード指示コマンドとは、ビデオゲーム装置にユーザの所望の再生速度で音声を再生させるコマンドである。音声再生速度モード指示コマンドには、標準速度再生モード指示コマンドと早聞速度再生モードコマンドがある。標準速度再生モード指示コマンドが操作部103に受け付けられた場合には、1倍速用音声データa1を標準速度で再生した音声が出力され、ユーザは標準速度で再生された音声を聞くことができる。一方、早聞速度再生モード指示コマンドが操作部103に受け付けられた場合には、2倍速用音声データa2を早聞速度で再生した音声が出力され、ユーザは早聞速度で再生された音声を聞くことができる。
【0096】
プログラム実行部104は、CPU1、描画プロセッサ10、音声プロセッサ11及びI/Oプロセッサ12等によって実現される。プログラム実行部104は、再生条件決定部111及び音声再生部112を含む。
【0097】
再生条件決定部111は、主にI/Oプロセッサ12等によって実現され、操作部103によって受け付けられた音声再生速度モード指示コマンドに応じた速度で1倍速用音声データa1及び2倍速用音声データa2が同期して再生されるように、1倍速用音声データa1及び2倍速用音声データa2の再生周波数を音声再生部112に設定する。また、再生条件決定部111は、上記の1倍速用音声データa1に基づく1倍速用音声及び2倍速用音声データa2に基づく2倍速用音声のうち音声再生速度モードに応じた一方のみをユーザが聴取可能となるように1倍速用音声データa1及び2倍速用音声データa2の音量を音声再生部112に設定する。
【0098】
音声再生部112は、主に音声プロセッサ11等によって実現され、再生条件決定部111によって設定された再生周波数及び音量で1倍速用音声データa1及び2倍速用音声データa2を同期させて、すなわち再生位置を対応させて再生し、出力可能な状態にする。このとき、音声再生部112は、1倍速用音声及び2倍速用音声のうち音声再生速度モード指示コマンドに応じた一方のみをユーザが聴取可能となるように1倍速用音声データa1及び2倍速用音声データa2の音量を設定しているので、ユーザは一方の音声のみを聞くことができる。
【0099】
プログラム記憶部105は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体300が装填された記録媒体ドライブ16等で実現され、記録媒体300には、音声再生プログラムを含むビデオゲームプログラムが記録されている。なお、記録媒体300から音声再生プログラムが読み取られ、当該プログラムがメインメモリ5に記憶されている場合、メインメモリ5がプログラム記憶部105として機能する。
【0100】
次に、1倍速用音声データa1及び2倍速用音声データa2について詳細に説明する。図3は、1倍速用音声データa1を用いて標準速度で再生される1倍速用音声信号A1と2倍速用音声データa2を用いて早聞速度で再生される2倍速用音声信号A2とを示す波形図である。なお、図3では、縦軸は振幅、横軸は時間を表している。
【0101】
1倍速用音声データa1は、標準速度の音声としてユーザに聴取させる音声を記録した音声データであり、例えば、ビデオゲームに関する説明等を行うナレーター等の実際の人間が発声した音声をそのまま記録した音声データを用いることができる。一方、2倍速用音声データa2は、早聞速度で再生した場合に標準速度と同じ音程で自然な音声を再生できるように、1倍速用音声データa1に対して音程変換処理等の音声変換処理を施した音声データである。
【0102】
すなわち、2倍速用音声データa2は、早聞速度で再生した場合に1倍速用音声データa1と同じピッチで再生されるように、1倍速用音声データa1を編集して予め作成された音声データであり、例えばBerkley Integrated Audio Sofwear社の波形編集ソフトである「Peak」における「Change Duration」という機能を用いる等して、1倍速用音声データa1を音程を保ったまま再生時間を1/2にして生成される。なお、「Peak」以外にも、Avid Technology社の「Protools softwere」における「Time Compression/Expansion」を用いて、上記の2倍速用音声データa2を生成することもできる。
【0103】
なお、2倍速用音声データは、上記に限られず、1倍速音声データと同じ言葉を早口で別途録音したものでもよいし、同じ楽曲を早く演奏して別途録音したものでもよい。
【0104】
例えば、上記の1倍速用音声データa1を標準速度で再生した場合、1倍速用音声信号A1は、図3の上段に示す波形を有する。一方、1倍速用音声データa1と同じ内容を表す2倍速用音声データa2を早聞速度で再生した場合、2倍速用音声信号A2は、図3の下段に示す波形を有し、1倍速用音声信号A1を時間軸上で2分の1に圧縮したような波形を有する。
【0105】
このとき、2倍速用音声データa2を早聞速度で再生した場合の再生時間X2は、1倍速用音声データa1を標準速度で再生した場合の再生時間X1の2分の1となるが、上記のピッチ変換処理等が施されているため、音程は変化せず、1倍速用音声信号A1の音声と同様に非常に聞き取り易い音声を再生することができる。
【0106】
次に、図2に示すビデオゲーム装置が記録媒体300に格納される音声再生プログラムを実行することによって実現される音声再生処理を説明する。図4は、図2に示すビデオゲーム装置が実行する音声再生処理の一例を示すフローチャートである。
【0107】
まず、ステップ1において、再生条件決定部111は、記録媒体300に記憶されている1倍速用音声データa1及び2倍速用音声データa2を読み出し、記憶部102に格納させる。
【0108】
次に、ステップ2において、再生条件決定部111は、音声再生速度モード指示コマンドに基づいて、1倍速用音声データa1及び2倍速用音声データa2の再生周波数及び音量を音声再生部112に設定する。この場合の音声再生速度モード指示コマンドは、予め定められている初期設定時の音声再生速度モード指示コマンド、又はユーザが操作部103を用いて既に設定した音声再生速度モード指示コマンドである。
【0109】
具体的には、標準速度再生モード指示コマンドが受け付けられて標準速度再生モードに設定されている場合、再生条件決定部111は、1倍速用音声データa1の再生周波数及び音量を、1倍速用音声データa1の基本周波数と同じ再生周波数及び標準音量(例えば、音量調整範囲の中間量)に設定するとともに、2倍速用音声データa2の再生周波数及び音量を、2倍速用音声データa2の基本周波数の半分の再生周波数及び無音量(音量0)に設定する。なお、基本周波数は、再生速度を変更するために再生周波数を調整することなく各音声データa1,a2を再生した場合の再生周波数である。
【0110】
一方、早聞速度再生モード指示コマンドが受け付けられて早聞速度再生モードに設定されている場合、再生条件決定部111は、1倍速用音声データa1の再生周波数及び音量を1倍速用音声データa1の基本周波数の倍の再生周波数及び無音量に設定するとともに、2倍速用音声データa2の再生周波数及び音量を2倍速用音声データa2の基本周波数と同じ再生周波数及び標準音量に設定する。
【0111】
次に、ステップS3において、音声再生部112は、記憶部102から1倍速用音声データa1及び2倍速用音声データa2を読み出し、ステップS2で設定された再生周波数及び音量で1倍速用音声データa1及び2倍速用音声データa2を再生し、音声出力部101は、再生された音声を出力する。
【0112】
具体的には、標準速度再生モードの場合、音声再生部112は、1倍速用音声データa1を1倍速用音声データa1の基本周波数と同じ及び標準音量で再生するとともに、2倍速用音声データa2を2倍速用音声データa2の基本周波数の半分の再生周波数及び無音量で再生し、音声出力部101は、1倍速用音声データa1を用いて再生された1倍速用音声のみを出力する。
【0113】
一方、早聞速度再生モードの場合、音声再生部112は、1倍速用音声データa1を1倍速用音声データa1の基本周波数の倍の再生周波数及び無音量で再生するとともに、2倍速用音声データa2を2倍速用音声データa2の基本周波数と同じ再生周波数及び標準音量で再生し、音声出力部101は、2倍速用音声データa2を用いて再生された2倍速用音声のみを出力する。ここで、標準速度再生モード及び早聞速度再生モードにおいて再生される音声について詳細に説明する。図5は、標準速度再生モード及び早聞速度再生モードにおいて再生される音声を説明するための模式図である。
【0114】
なお、図5では、説明を容易にするため、1倍速用音声データa1の一例として、1倍速用音声データA1〜J1から音声「こんにちは」を出力するための1倍速用音声データが構成され、1倍速用音声データA1,B1が再生されると音声「こ」が出力され、1倍速用音声データC1,D1が再生されると音声「ん」が出力され、1倍速用音声データE1,F1が再生されると音声「に」が出力され、1倍速用音声データG1,H1が再生されると音声「ち」が出力され、1倍速用音声データI1,J1が再生されると音声「は」が出力されるものとする。
【0115】
また、2倍速用音声データa2の一例として、2倍速用音声データA2〜E2から音声「こんにちは」を出力するための2倍速用音声データが構成され、2倍速用音声データA2が再生されると音声「こ」が出力され、音声データB2が再生されると音声「ん」が出力され、2倍速用音声データC2が再生されると音声「に」が出力され、2倍速用音声データD2が再生されると音声「ち」が出力され、2倍速用音声データE2が再生されると音声「は」が出力されるものとして説明する。
【0116】
まず、標準速度再生モードの場合、図5の(a)に示すように、1倍速用音声データA1〜J1が再生周期t1(1倍用音声データa1の基本周波数の逆数)で順次再生され、再生時間T1で音声「こんにちは」が通常の音程でかつ標準音量で出力される。一方、図5の(b)に示すように、2倍速用音声データA2〜E2が再生周期2×t1(2倍速用音声データa2の基本周波数の半分の逆数)で同期して順次再生され、再生時間T1で音声「こんにちは」が通常の音程より1オクターブ低い音程でかつ無音量で出力される。
【0117】
このように、標準速度再生モードでは、1倍速用音声データA1〜J1及び2倍速用音声データA2〜E2が同期して再生されるが、2倍速用音声データA2〜E2による1オクターブ低い音程で再生される2倍速用音声は、無音量で出力されるため、ユーザには聞こえず、1倍速用音声データA1〜J1による通常の音程の音声のみをユーザは通常の速度で聞くことができる。
【0118】
次に、早聞速度再生モードの場合、図5の(c)に示すように、2倍速用音声データA2〜E2が再生周期t1(2倍速用音声データa2の基本周波数の逆数)で順次再生され、再生時間T1/2で音声「こんにちは」が通常の音程でかつ標準音量で出力される。一方、図5の(d)に示すように、1倍速用音声データA1〜J1が再生周期t1/2(1倍速用音声データa1の基本周波数の倍の逆数)で同期して順次再生され、再生時間T1/2で音声「こんにちは」が通常のピッチより1オクターブ高い音程でかつ無音量で出力される。
【0119】
このように、早聞速度再生モードでは、1倍速用音声データA1〜J1及び2倍速用音声データA2〜E2が同期して再生されるが、1倍速用音声データA1〜J2による1オクターブ高い音声は、無音量で出力されるため、ユーザには聞こえず、2倍速用音声データA2〜E2による通常の音程の音声のみをユーザは倍速で聞くことができる。
【0120】
再び、図4を参照して、ステップS4において、音声再生部112は、後述する同期補正処理を行う。この同期補正処理は、同期して再生されるべき1倍速用音声データa1と2倍速用音声データa2との再生タイミング(再生位置)がずれた場合に、ステップS2において設定された再生周波数を補正して1倍速用音声データa1と2倍速用音声データa2との再生タイミングを再び同期させるための処理である。
【0121】
図6は、図4に示す同期補正処理の一例を示すフローチャートである。まず、ステップS11において、音声再生部112は、1倍速用音声データa1と2倍速用音声データa2との再生タイミングがずれているか否かを判断する。再生タイミングがずれていないと判断されない場合には(ステップS11でNO)、音声再生部112は、ステップS2で設定された1倍速用音声データa1及び2倍速用音声データa2の再生周波数を変更することなく、図4に示すステップ5に戻る。
【0122】
一方、再生タイミングがずれていると判断された場合(ステップS11でYES)、ステップS12において、音声再生部112は、1倍速用音声データa1及び2倍速用音声データa2のうち再生位置が先行している音声データが通常の音量で出力されているか否かを判断する(S12)。
【0123】
先行している音声データが通常の音量で出力されていると判断された場合(ステップS12でYES)、ステップS13において、音声再生部112は、再生位置が遅れている音声データ(無音量で出力されている音声データ)が先行している音声データに追いつくように、遅れている音声データの再生周波数を既設定の再生周波数より高くなるように変更し、図4に示すステップ5に戻る。
【0124】
一方、先行している音声データが通常の音量で出力されていない、すなわち遅れている音声データが通常の音量で出力されていると判断された場合(ステップS12でNO)、ステップS14において、音声再生部112は、先行している音声データ(無音量で出力されている音声データ)が遅れている音声データに合うように、先行している音声データの再生周波数を既設定の再生周波数より低くなるように変更し、図4に示すステップ5に戻る。
【0125】
上記の同期補正処理によって、同期して再生されるべき1倍速用音声データa1と2倍速用音声データa2との再生タイミングがずれた場合に、ステップS2において設定された再生周波数を補正して1倍速用音声データa1と2倍速用音声データa2との再生タイミングを再び同期させることができる。
【0126】
なお、上記の例では、再生周波数を変更して同期補正処理を行っているが、この例に特に限定されず、ステップS13において、遅れている音声データの再生位置が先行している音声データの再生位置に一致するように、遅れている音声データの再生位置を変更したり、ステップS14において、先行している音声データの再生位置が遅れている音声データの再生位置に一致するように、先行している音声データの再生位置を変更してもよい。
【0127】
再び、図4を参照して、ステップS5において、再生条件決定部111は、再生されていない1倍速用音声データa1及び2倍速用音声データa2が記憶部102に存在するか否かを判断する。再生されていない1倍速用音声データa1及び2倍速用音声データa2が存在しないと判断された場合(ステップS5でNO)、音声再生処理を終了する。
【0128】
一方、再生されていない1倍速用音声データa1及び2倍速用音声データa2が存在すると判断された場合(ステップS5でYES)、ステップS6において、再生条件決定部111は、操作部103がユーザによる音声再生速度モード指示コマンドを新たに受け付けたか否かを判断する。音声再生速度モード指示コマンドを新たに受け付けていないと判断された場合(ステップS6でNO)、ステップS3に戻って以降の処理を継続する。
【0129】
音声再生速度モード指示コマンドを新たに受け付けたと判断された場合(ステップS6でYES)、ステップ7において、再生条件決定部111は、受け付けられた音声再生速度モード指示コマンドに応じた再生周波数及び音量を音声再生部112に設定し、その後、ステップS3に戻って以降の処理を継続する。このように、音声再生速度モードが切り替えられた場合、1倍速用音声データa1及び2倍速用音声データa2の再生周波数及び音量が音声再生速度モードに応じた再生周波数及び音量に変更される。
【0130】
例えば、標準速度再生モードから早聞速度再生モードに切り替えられた場合、再生条件決定部111は、音声再生部112における1倍速用音声データa1の再生周波数及び音量を1倍速用音声データa1の基本周波数と同じ再生周波数及び標準音量から1倍速用音声データa1の基本周波数の倍の再生周波数及び無音量に変更するとともに、2倍速用音声データa2の再生周波数及び音量を2倍速用音声データa2の基本周波数の半分の再生周波数及び無音量から2倍速用音声データa2の基本周波数と同じ再生周波数及び標準音量に変更する。この結果、1倍速用音声が標準速度で出力されている途中で音声再生速度モードが切り替えられると、音程が変更されることなく、2倍速用音声が早聞速度で出力されることとなる。
【0131】
一方、早聞速度再生モードから標準速度再生モードに切り替えられた場合、再生条件決定部111は、音声再生部112における1倍速用音声データa1の再生周波数及び音量を1倍速用音声データa1の基本周波数の倍の再生周波数及び無音量から1倍速用音声データa1の基本周波数と同じ再生周波数及び標準音量に変更するとともに、2倍速用音声データa2の再生周波数及び音量を2倍速用音声データa2の基本周波数と同じ再生周波数及び通常音量から2倍速用音声データa2の基本周波数の半分の再生周波数及び無音量に変更する。この結果、2倍速用音声が早聞速度で出力されている途中で音声再生速度モードが切り替えられると、音程が変更されることなく、1倍速用音声が標準速度で出力されることとなる。
【0132】
上記のように、本実施の形態では、早聞速度用の音声データである2倍速用音声データa2を記録媒体300に格納しておき、早聞速度再生モードにおいて、2倍速用音声データa2を再生して出力しているので、音程が通常の音声より1オクターブ高くなることなく、ユーザが聴取可能な早聞音声を自然に再生することができる。また、1倍速用音声データa1と2倍速用音声データa2とが常に同期して再生されているため、標準音声又は早聞音声が出力されている途中でも、ユーザは、音声再生速度モードを切り替えることによって、違和感を感じることなく所望の速度で再生される音声を聴取することができるので、聞きたくない音声を倍速で再生し、聞きたい音声だけを等速で再生すること等ができる。
【0133】
上記の説明では、標準音声及び早聞音声を切り替えるために再生速度が同じである2つの音声データを同期して再生する場合について説明したが、本発明が適用される再生速度はこの例に特に限定されず、再生速度の異なる種々の音声データを同期して再生することもできる。
【0134】
以下に再生速度の異なる2つの音声データを同期して再生する方法について説明する。例えば、各音声データの再生総時間に対する再生済み時間の比が両音声データで同じになるように両音声データを再生したり、両音声データの再生済み時間の再生総時間からの割合を比較して両音声データを再生することによって、再生速度の異なる2つの音声データを同期して再生することができる。
【0135】
または、各音声データの再生総時間に対する残り再生時間(再生総時間から再生済み時間を減算した時間)の比が両音声データで同じになるように両音声データを再生したり、両音声データの残り再生時間の再生総時間の割合を比較して両音声データを再生することによっても、再生速度の異なる2つの音声データを同期して再生することができる。
【0136】
あるいは、所定データ量ごと、例えば、単位時間ごと、音節ごと、単語ごと、又は一文字ごとに、音声データと区別可能な所定のチェックフラグを両音声データに挿入したチェックフラグ付音声データを用いて、両音声データのチェックフラグの再生タイミングを比較して両音声データを再生することによっても、再生速度の異なる2つの音声データを同期して再生することができる。
【0137】
上記のような再生方法により、種々の再生速度の音声データに本発明を同様に適用することができ、例えば、2倍速用音声データの代わりに或いはこれに加えて、スロー再生するための1/2倍速用音声データ、さらに高速再生するための3倍速用音声データ等のF倍速再生(Fは実数)するためのF倍速用音声データにも同様に適用することができる。また、上記のようなF倍速用音声データは、そのままF倍速再生に用いられることが好ましいが、必ずしもこれには限定されず、F倍速と近似のF1倍速、例えば、0.8×F〜1.2×F倍速にF倍速音声データを用いてもよい。この場合、再生周波数は、F倍速用音声データの再生周波数×F÷F1で求めた値等に設定される。
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態によるビデオゲーム装置はついて説明する。本実施の形態は、第1の実施の形態における1倍速用音声及び2倍速用音声の同期再生に加え、出力される音声に当該音声を表す文字等を同期させて表示するものであり、図1に示すビデオゲーム装置において記録媒体に記録される音声再生プログラムを含むゲームプログラムが変更される点を除き、図1に示すビデオゲーム装置と同様であるので、ハードウエア構成の図示及び説明を省略する。
【0138】
図7は、本発明の第2の実施の形態によるビデオゲーム装置の主要機能を示す機能ブロック図である。なお、図7に示すビデオゲーム装置では、図2に示すビデオゲーム装置と同様の機能を有する部分については同一符号を付して詳細に説明を省略し、以下本実施の形態の特徴的部分について説明する。
【0139】
図7に示すビデオゲーム装置は、文字を表示するための表示部106をさらに備え、プログラム実行部104aは、文字表示制御部113をさらに含み、記憶部102aは、文字データa3をさらに格納する。文字表示制御部113は、表示部106に表示する文字を記憶部102に記憶される文字データa3を基に生成し、上述の1倍速用音声及び2倍速用音声の再生に同期させて表示部106に生成した文字を表示する。
【0140】
次に、図7に示すビデオゲーム装置が記録媒体300aに格納される音声再生プログラムを実行することによって実現される音声再生処理を説明する。図8は、図7に示すビデオゲーム装置が実行する音声再生処理の一例を示すフローチャートである。なお、図8に示すフローチャートの各ステップのうち図4に示すフローチャートの各ステップと同様の処理が実行されるステップについては、同一符号を付与して詳細な説明を省略する。
【0141】
まず、ステップ21において、再生条件決定部111は、記録媒体300aに記憶されている1倍速用音声データa1及び2倍速用音声データa2を読み出し、記憶部102aに格納させる。また、文字表示制御部113は、再生条件決定部111によって読み込まれた1倍速用音声データa1及び2倍速用音声データa2に対応する文字データa3を記録媒体300aから読み込み、記憶部102aに格納させる。ここで、文字データa3は、1倍速用音声データa1及び2倍速用音声データa2を用いて再生される音声を表記した文字列を描画するためのデータであり、本実施の形態では、1倍速用音声データa1、2倍速用音声データa2及び文字データa3は、1文節を一単位とするデータから構成されている。
【0142】
次に、第1の実施の形態と同様にステップS2,S3の処理が実行された後、ステップS22において、文字表示制御部113は、ステップS3において再生されている1倍速用音声データa1又は2倍速用音声データa2の再生時間を1文節に含まれる文字数で除算して1文字当りの描画時間を算出する。
【0143】
次に、文字表示制御部113は、記憶部102aから文字データa3を読み出し、ステップS22において算出された描画時間に応じて文字を順次表示部106に表示させる。その後、第1の実施の形態と同様にステップS4〜S7の処理が実行された後にステップS3に戻り、処理が継続される。
【0144】
このように、本実施の形態では、1倍速用音声データa1及び2倍速用音声データa2を用いて出力される音声のうち少なくともいずれか一方に同期して文字データa3によって描画される文字が順次表示され、音声の出力と文字の表示とを同期させることができる。この結果、ユーザは視覚と聴覚の双方で情報を受け取ることができる。
【0145】
なお、上記の説明では、1文字当りの描画時間を算出したが、この例に特に限定されず、1分節を構成する文字数を、1文節に対応する1倍速用音声データa1又は2倍速用音声データa2の再生時間で除算して1文字当りの描画速度を求め、この描画速度に応じて文字を所定方向、例えば、左から右へ又は上から下へ描画するようにしてもよい。
【0146】
また、以下に説明する再生時間テーブル又は音声データ量テーブルを予め作成して記憶部102aに予め記憶させ、これらのテーブルを用いて文字を音声に同期させて表示するようにしてもよい。
【0147】
図9は、再生時間テーブルのデータ構造の一例を示す模式図である。図9に示す再生時間テーブル131は、1分節(「こんにちは。」)を構成する文字データa3の各文字ごとに標準速度時の再生時間Q1〜Q6(sec)を記憶している。例えば、標準速度時すなわち標準速度再生モードの場合、文字表示制御部113は、記憶部102aに記憶されている再生時間テーブル131を参照し、文字「こ」に対応する1倍速用音声データa1が再生時間Q1で再生されているときに、文字「こ」に対応する文字データa3を用いて再生時間Q1の間、文字「こ」を表示部106に表示させ、以降同様に、文字「ん」、「に」、「ち」、「は」、「。」を再生時間Q2,Q3,Q4,Q5,Q6の間、順次表示する。一方、早聞速度で再生時すなわち早聞速度再生モードの場合、文字表示制御部113は、再生時間Q1〜Q6を2分の1にし、上記と同様にして各文字を順次表示する。
【0148】
なお、上記の例では、標準速度時の再生時間を基準にテーブル形式で記憶したが、この例に特に限定されず、早聞速度時の再生時間を基準に記憶したり、各速度ごとに再生時間を記憶するようにしてもよい。また、上記の各場合において、各再生時間内で表示可能な描画速度に応じて文字を所定方向、例えば、左から右へ又は上から下へ描画するようにしてもよい。
【0149】
図10は、音声データ量テーブルのデータ構造の一例を示す模式図である。図10に示す音声データ量テーブル141は、1分節(「こんにちは。」)を構成する文字データa3の各文字ごとに対応する1倍速用音声データa1の音声データ量R1〜R6(bit)を記憶している。例えば、文字表示制御部113は、記憶部102aに記憶されている音声データ量テーブル141を参照し、現在再生されている1倍速用音声データa1の音声データ量が音声データ量R1内の場合、文字「こ」に対応する文字データa3を用いて文字「こ」を表示部106に表示させ、以降同様に、現在再生されている1倍速用音声データa1の音声データ量と各音声データ量R2,R3,R4,R5,R6と比較して、文字「ん」、「に」、「ち」、「は」、「。」を順次表示する。一方、早聞速度時すなわち早聞再生モードの場合、文字表示制御部113は、音声データ量R1〜R6を2倍速用音声データa2の音声データ量に換算し、上記と同様にして各文字を順次表示する。
【0150】
なお、上記の例では、1倍速用音声データa1の音声データ量を基準にテーブル形式で記憶したが、この例に特に限定されず、2倍速用音声データa2の音声データ量を基準に記憶したり、各音声データごとに音声データ量を記憶するようにしてもよい。また、上記の各場合において、各音声データ量に対応する再生時間内で表示可能な描画速度に応じて文字を所定方向、例えば、左から右へ又は上から下へ描画するようにしてもよい。
(実施の形態3)
次に、本発明の第3の実施の形態による音声再生装置について説明する。図11は、本発明の第3の実施の形態による音声再生装置の構成を示すブロック図である。なお、本実施の形態による音声再生装置としては、例えば、CD(Compact Disc)プレイヤ、MD(Mini−Disc)プレイヤ、DVD(Digital Versatile Disc)プレイヤ等が該当し、主としてハードウエアによって音声再生処理が実行される。
【0151】
図11に示す音声再生装置は、操作部201、再生条件決定部202、記憶部203、音声再生部204、音声選択部205及びスピーカ206を備える。
【0152】
記憶部203は、CD等の記憶媒体駆動装置等から構成され、音声再生部204の指示に応じて記憶媒体に記憶されている1倍速用音声データa1及び2倍速用音声データa2を音声再生部204へ出力する。操作部203は、ユーザからの音声再生速度モード指示コマンドを受け付ける。なお、音声再生速度モード指示コマンドは、第1の実施の形態と同様である。また、1倍速用音声データa1及び2倍速用音声データa2のデータ形式は特に限定されず、例えば、図3に示す1倍速用音声データa1及び2倍速用音声データa2を用いることができる。
【0153】
再生条件決定部202は、操作部201によって受け付けられた音声再生速度モード指示コマンドに応じた速度で1倍速用音声データa1及び2倍速用音声データa2が同期して再生されるように1倍速用音声データa1及び2倍速用音声データa2の再生周波数を音声再生部204に設定する。また、再生条件決定部202は、1倍速用音声及び2倍速用音声のうち音声再生速度モード指示コマンドに応じた一方のみをユーザが聴取可能となるように音声選択部205を制御する。
【0154】
音声再生部204は、再生条件決定部202によって設定された再生周波数で1倍速用音声データa1及び2倍速用音声データa2を同期させて再生し、1倍速用音声信号及び2倍速用音声信号を音声選択部205へ出力する。音声選択部205は、再生条件決定部202の指示に応じて、1倍速用音声信号及び2倍速用音声信号のうちの一方をスピーカ206へ出力する。スピーカ6は、入力された音声信号に応じた音声を出力する。
【0155】
上記の構成により、ユーザが操作部201を用いて標準速度再生モードを選択した場合、音声再生部204は、1倍速用音声データa1及び2倍速用音声データa2を記憶部203から読み出し、1倍速用音声データa1を1倍速用音声データa1の基本周波数と同じ再生周波数で順次再生して標準速度の1倍速用音声信号を出力するとともに、2倍速用音声データa2を2倍速用音声データa2の半分の再生周波数で1倍速用音声データa1に同期して順次再生して標準速度の2倍速用音声信号を出力する。このとき、音声選択部205は、1倍速用音声信号のみをスピーカ206へ出力し、ユーザは、1倍速用音声データa1による通常の音程の音声のみを標準速度で聞くことができる。
【0156】
一方、ユーザが操作部201を用いて早聞速度再生モードを選択した場合、音声再生部204は、1倍速用音声データa1及び2倍速用音声データa2を記憶部203から読み出し、2倍速用音声データa2を当該2倍速用音声データa2と同じ再生周波数で順次再生して早聞速度の2倍速用音声信号を出力するとともに、1倍速用音声データa1を当該1倍速用音声データa1の倍の再生周波数で2倍速用音声データa2に同期して順次再生して2倍速の1倍速用音声信号を出力する。このとき、音声選択部205は、2倍速用音声信号のみをスピーカ206へ出力し、ユーザは、2倍速用音声データa2による通常の音程の音声のみを倍速で聞くことができる。
【0157】
なお、上記の各実施の形態では、音声を再生するためのデータとして1倍速用音声データ及び2倍速用音声データを説明したが、この例に特に限定されず、音楽を再生するための音声データ等にも本発明を同様に適用することができる。
【0158】
また、上記の各実施の形態では、1倍速用音声データと2倍速用音声データとが予め記録媒体等に格納される場合について説明したが、この例に限定されず、インターネットやイントラネット等を用いたネットワーク配信によって配信されるようにしてもよい。
【0159】
【発明の効果】
請求項1に記載の本発明によれば、再生速度変更時に当該再生速度に対応する音声データを作成する等の音声処理が不要になるため、瞬時に違和感なく再生速度を切り替えることができ、充分な処理時間をかけて再生速度に対応した音声データを作成することができるので、再生速度を変更した場合に音程等の変動のない自然な音声を出力することができる。
【0160】
すなわち、各再生速度に応じて予め作成された音声データを用いて音声を出力することができるともに、音声の再生速度を切り替えても、同じ内容の音声を出力することができ、さらに、第1の音声データから第2の音声データを作成する等の音声処理が不要になるとともに、第2の再生速度で再生した場合に第2の音声データを用いて音程等の変動のない自然な音声を再生することができるので、CPU等のハードウエアに過度な負担をかけることなく、音声の再生速度を違和感なく切り替えることができる。
【0161】
特に、音声処理だけでなく、画像処理を主体とするビデオゲーム装置に用いた場合には、複雑な画像処理にCPUの処理能力を充分に配分することができるので、種々の再生速度で自然な音声を再生しながら、種々の画像をリアルタイムに表示することができる。
【0162】
請求項2に記載の本発明によれば、ユーザは所望の再生速度で音声を聞くことができるとともに、一方の音声の出力途中で他方の音声に切り替えることができる。このとき、音声の出力途中で音声を切り替えた場合でも、第1の音声速度モードで出力される音声と第2の音声速度モードで出力される音声とではピッチ等の変動がないため、切り替え前後で違和感のない聞きやすい自然な音声を再生できる。
【0163】
請求項3に記載の本発明によれば、ユーザは標準速度及び高速のうち所望の速度で自然な音声を聞くことができるので、聞きたい音声のみを標準速度で再生させて聞いたり、聞きたくない音声を高速で再生して聞き飛ばしたり、又は、時間がない場合等において高速で音声を聞く等することができ、種々の使用方法で音声を聞くことができる。
【0164】
請求項4に記載の本発明によれば、チェックフラグ等の同期処理専用のデータを付加することなく、第1及び第2の音声データの同期処理を行うことができるので、音声データのデータ量を必要最低限に削減できるとともに、第1及び第2の音声データとして種々の形式の音声データをそのまま用いることができる。
【0165】
請求項5に記載の本発明によれば、第1及び第2の音声データを再生される音声の所定の区切りごとに高精度に同期させて再生することができるので、再生される音声が聞き取りやすい状態で2つの音声を高精度に同期させて再生することができる。
【0166】
請求項6に記載の本発明によれば、出力されている音声に影響を与えることなく、同期ずれを補正することができるので、切り替え前後で違和感のない聞きやすい自然な音声を安定して再生することができる。
【0167】
請求項7に記載の本発明によれば、再生されている音声に同期させて表示画面上に文字を表示させることができるので、視覚と聴覚とによってユーザに伝達することができ、わかりやすい演出を行うことができる。
【0168】
請求項8に記載の本発明によれば、チェックフラグ等の同期処理専用のデータを文字データに付加することなく、文字と音声との同期処理を行うことができるので、文字データのデータ量を必要最低限に削減できるとともに、文字データとして種々の形式の文字データをそのまま用いることができる。
【0169】
請求項9に記載の本発明によれば、再生時間を計算することなく、文字と音声との同期処理を行うことができるので、CPU等のハードウエアに過度な負担をかけることなく、同期処理を高速に行うことができる。
【0170】
請求項10に記載の本発明によれば、チェックフラグ等の同期処理専用のデータを文字データに付加することなく、文字と音声との同期処理を行うことができるので、文字データのデータ量を必要最低限に削減できるとともに、文字データとして種々の形式の文字データをそのまま用いることができる。
【0171】
請求項11,12に記載の本発明によれば、再生速度変更時に当該再生速度に対応する音声データを作成する等の音声処理が不要になるため瞬時に違和感なく音声の再生速度を変えることができ、また、充分な処理時間をかけて再生速度に対応した音声データを作成することができるので、比較的小さな処理負担で再生速度を変更した場合に音程等の変動のない自然な音声を出力することができる。
【0172】
すなわち、各再生速度に応じて予め作成された音声データを用いて音声を出力することができるともに、音声の再生速度を切り替えても、同じ内容の音声を出力することができ、さらに、第1の音声データから第2の音声データを作成する等の音声処理が不要になるとともに、第2の再生速度で再生した場合に第2の音声データを用いて音程等の変動のない自然な音声を再生することができるので、CPU等のハードウエアに過度な負担をかけることなく、音声の再生速度を違和感なく切り替えることができる。
【0173】
特に、音声処理だけでなく、画像処理を主体とするビデオゲーム装置に用いた場合には、複雑な画像処理にCPUの処理能力を充分に配分することができるので、種々の再生速度で自然な音声を再生しながら、種々の画像をリアルタイムに表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態のビデオゲーム装置の構成を示すブロック図である。
【図2】 図1に示すビデオゲーム装置の主要機能を示す機能ブロック図である。
【図3】 1倍速用音声データa1を用いて1倍速で再生される1倍速用音声信号A1と2倍速用音声データa2を用いて2倍速で再生される2倍速用音声信号A2とを示す波形図である。
【図4】 図2に示すビデオゲーム装置が実行する音声再生処理の一例を示すフローチャートである。
【図5】 標準速度再生モード及び倍速再生モードにおいて再生される音声を説明するための模式図である。
【図6】 図4に示す同期補正処理の一例を示すフローチャートである。
【図7】 第2の実施の形態によるビデオゲーム装置の主要機能を示す機能ブロック図である。
【図8】 図7に示すビデオゲーム装置が実行する音声再生処理の一例を示すフローチャートである。
【図9】 再生時間テーブルのデータ構造の一例を示す模式図である。
【図10】 音声データ量テーブルのデータ構造の一例を示す模式図である。
【図11】 本発明の第3の実施の形態による音声再生装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
101 音声出力部(音声出力手段)
102、102a、203 記憶部(音声記憶手段、文字記憶手段)
103、201 操作部(操作手段)
106 表示部(表示手段)
111、202 再生条件設定部
112、204 音声再生部(再生手段)
113 文字表示制御部(表示手段)
206 スピーカ(出力手段)
Claims (12)
- 音声出力する対象として予め決められた音声を構成する音声データを用いて音声を再生するための音声再生プログラムであって、
前記音声を第1の再生速度で再生するために予め準備された第1の音声データと、前記音声を前記第1の再生速度と異なる第2の再生速度で再生するために予め準備された第2の音声データとを記憶する音声記憶手段と、
前記音声記憶手段から読み出した第1及び第2の音声データの再生位置を対応付けて再生し、前記第1及び第2の音声データによる音声を出力可能な状態にする再生手段と、
前記第1の再生速度で音声を出力する場合に前記再生手段によって再生されている第1の音声データによる第1の音声を出力し、前記第2の再生速度で音声を出力する場合に前記再生手段によって再生されている前記第2の音声データによる第2の音声を出力する音声出力手段としてコンピュータを機能させることを特徴とする音声再生プログラム。 - 前記音声出力手段による音声の出力を前記第1の再生速度とさせる第1の再生速度モードと、前記音声出力手段による音声の出力を前記第2の再生速度とさせる第2の再生速度モードとのいずれかをユーザが選択する操作を受け付ける操作手段として前記コンピュータをさらに機能させ、
前記音声出力手段は、前記操作手段によって受け付けられた再生速度モードに応じて前記第1及び第2の音声データによる音声のうちの一方を出力することを特徴とする請求項1に記載の音声再生プログラム。 - 前記音声記憶手段は、前記第1の音声データとして、所定の音声を標準速度で再生するために予め準備された通常音声データを記憶するとともに、前記第2の音声データとして、前記通常音声データを用いて再生される音声と同じ内容の音声を標準速度より速い再生速度で再生するために予め準備された高速音声データを記憶し、
前記音声出力手段は、標準速度で音声を出力する場合に前記通常音声データによる標準速度の音声を出力し、高速で音声を出力する場合に前記高速音声データによる高速の音声を出力することを特徴とする請求項1又は2の何れかに記載の音声再生プログラム。 - 前記再生手段は、前記第1及び第2の音声データの再生済み時間又は残り再生時間を基に前記第1及び第2の音声データの再生位置を対応付けて再生することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の音声再生プログラム。
- 前記音声記憶手段は、前記第1及び第2の音声データとして、当該音声データによって再生される音声の所定の区切りごとにチェックフラグが挿入された音声データを記憶し、
前記再生手段は、前記第1及び第2の音声データのチェックフラグの再生タイミングを基に前記第1及び第2の音声データの再生位置を対応付けて再生することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の音声再生プログラム。 - 前記再生手段は、前記第1及び第2の音声データの再生位置がずれた場合において、前記第1の再生速度で音声が出力されているときには、前記第1の音声データの再生位置と対応するように前記第2の音声データの再生速度を調整し、前記第2の再生速度で音声が出力されているときには、前記第2の音声データの再生位置と対応するように前記第1の音声データの再生速度を調整することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の音声再生プログラム。
- 前記第1及び第2の音声データによって再生される音声の内容を表記する文字を生成するための文字データを記憶する文字記憶手段と、
前記文字記憶手段から読み出した文字データによって表される文字を前記音声出力手段によって出力されている第1及び第2の音声のうち少なくともいずれか一方に同期させて表示する表示手段として前記コンピュータをさらに機能させることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の音声再生プログラム。 - 前記表示手段は、前記文字データによって表される文字に対応する前記第1又は第2の音声データの再生時間を基に、前記文字記憶手段から読み出した文字データによって表される文字を前記音声出力手段によって出力されている第1及び第2の音声のうち少なくともいずれか一方に同期させて表示することを特徴とする請求項7に記載の音声再生プログラム。
- 前記表示手段は、前記再生時間を文字ごとに予め記憶し、表示される文字に対して記憶されている再生時間を参照して当該文字を音声に同期させて表示することを特徴とする請求項8に記載の音声再生プログラム。
- 前記表示手段は、前記文字データによって表される文字に対応する前記第1又は第2の音声データのデータ量を基に、前記文字記憶手段から読み出した文字データによって表される文字を前記音声出力手段によって出力されている第1及び第2の音声のうち少なくともいずれか一方に同期させて表示することを特徴とする請求項7に記載の音声再生プログラム。
- 音声出力する対象として予め決められた音声を構成する音声データを用いて音声を再生する音声再生方法であって、
コンピュータが、前記音声を第1の再生速度で再生するために予め準備された第1の音声データと、前記音声を前記第1の再生速度と異なる第2の再生速度で再生するために予め準備された第2の音声データとの再生位置を対応付けて再生し、前記第1及び第2の音声データによる音声を出力可能な状態にするステップと、
前記コンピュータが、前記第1の再生速度で音声を出力する場合に再生されている第1の音声データによる第1の音声を出力し、前記第2の再生速度で音声を出力する場合に再生されている前記第2の音声データによる第2の音声を出力するステップとを含むことを特徴とする音声再生方法。 - 音声出力する対象として予め決められた音声を構成する音声データを用いて音声を再生する音声再生装置であって、
前記音声を第1の再生速度で再生するために予め準備された第1の音声データと、前記音声を前記第1の再生速度と異なる第2の再生速度で再生するために予め準備された第2の音声データとを記憶する音声記憶手段と、
前記音声記憶手段から読み出した第1及び第2の音声データの再生位置を対応付けて再生し、前記第1及び第2の音声データによる音声を出力可能な状態にする再生手段と、
前記第1の再生速度で音声を出力する場合に前記再生手段によって再生されている第1の音声データによる第1の音声を出力し、前記第2の再生速度で音声を出力する場合に前記再生手段によって再生されている前記第2の音声データによる第2の音声を出力する音声出力手段とを備えることを特徴とする音声再生装置。
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