JP4133362B2 - コックピットモジュールの車体への搭載方法およびコックピットモジュール - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、車両のコクピットモジュールの搭載に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車などの車両では、従来、車体に対してステアリングメンバーを取付け、このステアリングメンバーを取付けた車体に対して、ステアリングコラムや空調ユニットやインストルメントパネルなどを取付けてコックピットを組立てるようにしていた。
【0003】
これに対し、予め、ステアリングメンバーに対してステアリングコラムや空調ユニットやインストルメントパネルなどを取付けてコックピットモジュールを形成し、このコックピットモジュールを車体に搭載することが行われるようになりつつある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
コックピットモジュールの車体への搭載に際しては、ステアリングメンバーに設けられた取扱用ブラケットに把持治具を取付け、この把持治具を利用してコックピットモジュールをハンドリングして車体へ搭載し、その後、取扱用ブラケットから把持治具を外すようにする。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−296726号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1に記載されたコックピットモジュールでは、車両搭載後には取扱用ブラケットから把持治具が外されるので、そこに空スペースが生じてしまい、スペース効率が悪いという問題があった。
【0007】
そこで、本発明の目的は、上記の問題点を解消し、把持治具取外し後の取扱用ブラケットを有効利用して空スペースをなくすことのできるコックピットモジュールの車体への搭載方法およびコックピットモジュールを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に記載された発明では、少なくともステアリングメンバーを有するコックピットモジュールの車体への搭載方法であって、前記ステアリングメンバーに設けられた取扱用ブラケットに把持治具を取付け、該把持治具を利用してコックピットモジュールをハンドリングして車体へ搭載し、その後、前記取扱用ブラケットから把持治具を外し、更に、前記取扱用ブラケットの把持治具を取付けていた部分に、把持治具に代えて電装ユニットを取付けるコックピットモジュールの車体への搭載方法を特徴としている。
【0009】
このように構成された請求項1にかかる発明によれば、コックピットモジュールの車両搭載後に、把持治具を取外した取扱用ブラケットの把持治具を取付けていた部分に、把持治具に代えて電装ユニットを取付けることにより、取扱用ブラケットを有効利用して空スペースをなくすことができる。
【0010】
請求項2に記載された発明では、少なくともステアリングメンバーを有するコックピットモジュールにおいて、前記ステアリングメンバーに把持治具を取付けるための取扱用ブラケットを設け、車両搭載後に把持治具が取外された前記取扱用ブラケットの把持治具を取付けていた部分に、把持治具に代えて電装ユニットを取付けたコックピットモジュールを特徴としている。
【0011】
このように構成された請求項2にかかる発明によれば、請求項1と同様の作用効果を有するスペース効率の良いコックピットモジュールを得ることができる。
【0012】
請求項3に記載された発明では、前記電装ユニットが取付けられた取扱用ブラケットに対して、更に操作レバー類を取付けたことを特徴とする請求項2記載のコックピットモジュール。
【0013】
このように構成された請求項3にかかる発明によれば、電装ユニットが取付けられた取扱用ブラケットに対して、更に操作レバー類を取付けることにより、取扱用ブラケットの利用効率を上げることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した実施の形態について、図示例と共に説明する。
【0015】
図1〜図6は、この発明の実施の形態を示すものである。
【0016】
まず、構成を説明すると、予め、部品組立工場などでコックピットモジュール1を製造する。このコックピットモジュール1を車体組立工場に搬送し、車体組立工場で車体2にコックピットモジュール1を搭載してコックピットを完成する。ここで、図2中、符号3はフロントウインドウ、符号4は車体2のダッシュパネルである。
【0017】
コックピットモジュール1は、少なくともステアリングメンバー5を有するものである。そして、このステアリングメンバー5に対し、必要に応じて、ステアリングコラムや、空調ユニット6、ダクト7,8、ベンチレータグリルなどの空調設備や、エアバッグユニットや、カーオーディオ、カーナビゲーションシステムなどの電子機器や、インストルメントパネル15や、メータユニットや、その他の部品などを取付けて、コックピットモジュール1としての機能をより高めるようにしても良い。
【0018】
このコックピットモジュール1は、ステアリングメンバー5に把持治具17を取付けるための取扱用ブラケット18が溶接等にて固着されている。取扱用ブラケット18には、例えばボルト36が螺合するウェルドナット18aが設けられている。把持治具17は、助力装置19などでハンドリングする際に使用されるものであり、把持治具17には、前記取扱用ブラケット18のウェルドナット18aと対応する位置に貫通孔(図示せず)が形成され、該貫通孔を介しボルト36をウェルドナットと螺合させ、把持治具17を取扱用ブラケット18に取付けている。取扱用ブラケット18は、例えば、ステアリングメンバー5の両端部に設定される。そして、把持治具17はコックピットモジュール1の車両搭載後に取扱用ブラケット18から取外される。
【0019】
そして、車両搭載後に把持治具17が取外された取扱用ブラケット18の把持治具17を取付けていた部分に、把持治具17に代えて各種の電装ユニット21を取付ける。
【0020】
電装ユニット21は、電装用ブラケット24にヒューズボックス22とBCMユニット23等が取付けられている。電装用ブラケット24にこれら以外のものを取付けても良いことは言うまでもない。また電装用ブラケット24の取付け部には、把持治具同様に、取扱用ブラケット18のウェルドナット18aと対応する位置に貫通孔(図示せず)が形成されており、該貫通孔を介しボルト36をウェルドナット18aと螺合させ、電装ユニット21を取扱用ブラケット18に取付けるようにする。
【0021】
更に、車両搭載後に把持治具17が取外された取扱用ブラケット18に対して、電装用ブラケット24の下端側を介して、各種の操作レバー類26をボルト等を使用し取付ける。操作レバー類26は、例えば、フードロックレバー27、フューエルオープナー28等が取付けられる。また、これら以外のものを取付けても良い。操作レバー類26は、インストルメントパネル15の下部にロワパネル31を取付けた後に取付けるようにする。
【0022】
まず、コックピットモジュール1を組立てる場合、図3に示すように、部品組立工場にて、ステアリングメンバー5を治具35で支持し、この治具35で支持されたステアリングメンバー5に対して、ステアリングコラムや、空調ユニット6、ダクト7,8、ベンチレータグリルなどの空調設備や、エアバッグユニットや、カーオーディオ、カーナビゲーションシステムなどの電子機器や、インストルメントパネル15や、メータユニットや、その他の部品などを取付けて行く。更に、ステアリングメンバー5の両端に設定された取扱用ブラケット18に対し、把持治具17をボルト36を使用し取付ける。
【0023】
こうしてコックピットモジュール1が完成したら、このコックピットモジュール1を車体組立工場へ搬送する。
【0024】
車体組立工場では、図4に示すように、把持治具17に助力装置19を取付けて、助力装置19でコックピットモジュール1をハンドリングするようにし、このコックピットモジュール1を車体2に搭載する。
【0025】
次に、図5に示すように、車両搭載後にボルト36を外すことにより取扱用ブラケット18から把持治具17を取外す。
【0026】
そして、図6に示すように、車両搭載後に把持治具17が取外された取扱用ブラケット18の把持治具17を取付けていた部分に、把持治具17に代えて各種の電装ユニット21を、電装用ブラケット24を介して取付ける。電装ユニット21は、例えば、運転席側の取扱用ブラケット18に取付ける。電装ユニット21は、例えば、ヒューズボックス22やBCMユニット23などとする。
【0027】
その後、図2に示すように、インストルメントパネル15の下部にロワパネル31を取付け、更に、取扱用ブラケット18に対し、各種の操作レバー類26を取付け、コックピットを完成する。各種の操作レバー類26は、運転席側の取扱用ブラケット18に取付けた電装用ブラケット24へ取付ける。各種の操作レバー類26は、例えば、フードロックレバー27やフューエルオープナー28などとする。
【0028】
このように、この実施の形態によれば、コックピットモジュール1の車両搭載後に、把持治具17を取外した取扱用ブラケット18の把持治具17を取付けていた部分に、把持治具17に代えて電装ユニット21を取付けることにより、取扱用ブラケット18を有効利用して空スペースをなくすことができる。
【0029】
よって、空スペースの少ないスペース効率の良いコックピットモジュール1を得ることができる。
【0030】
更に、電装ユニット21が取付けられた把持治具17に対して、更に操作レバー類26を取付けることにより、把持治具17の利用効率を上げることができる。
【0031】
【発明の効果】
以上説明してきたように、請求項1の発明によれば、コックピットモジュールの車両搭載後に、把持治具を取外した取扱用ブラケットの把持治具を取付けていた部分に、把持治具に代えて電装ユニットを取付けることにより、取扱用ブラケットを有効利用して空スペースをなくすことができる。
【0032】
請求項2の発明によれば、請求項1と同様の作用効果を有するスペース効率の良いコックピットモジュールを得ることができる。
【0033】
請求項3の発明によれば、電装ユニットが取付けられた取扱用ブラケットに対して、更に操作レバー類を取付けることにより、取扱用ブラケットの利用効率を上げることができる、という実用上有益な効果を発揮し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかるコックピットモジュールの斜視図である。
【図2】図1の側方断面図である。
【図3】コックピットモジュールの組立工程図である。
【図4】コックピットモジュールの車載工程図である。
【図5】図4に続く車載工程図である。
【図6】図5に続く車載工程図である。
【符号の説明】
1 コックピットモジュール
2 車体
5 ステアリングメンバー
17 把持治具
18 取扱用ブラケット
21 電装ユニット
26 操作レバー類
Claims (3)
- 少なくともステアリングメンバーを有するコックピットモジュールの車体への搭載方法であって、
前記ステアリングメンバーに設けられた取扱用ブラケットに把持治具を取付け、該把持治具を利用してコックピットモジュールをハンドリングして車体へ搭載し、その後、前記取扱用ブラケットから把持治具を外し、更に、前記取扱用ブラケットの把持治具を取付けていた部分に、把持治具に代えて電装ユニットを取付けることを特徴とするコックピットモジュールの車体への搭載方法。 - 少なくともステアリングメンバーを有するコックピットモジュールにおいて、
前記ステアリングメンバーに把持治具を取付けるための取扱用ブラケットを設け、車両搭載後に把持治具が取外された前記取扱用ブラケットの把持治具を取付けていた部分に、把持治具に代えて電装ユニットを取付けたことを特徴とするコックピットモジュール。 - 前記電装ユニットが取付けられた取扱用ブラケットに対して、更に操作レバー類を取付けたことを特徴とする請求項2記載のコックピットモジュール。
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