JP4132829B2 - ドア軸のハブ連結構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ドア軸のハブ連結構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
屋内用出入り口に設けられるドアなど、施錠を必要としないドアで採用されるドアラッチ装置は、ドアにおける開閉側の端面からバネ作用でラッチボルトが突出保持され、このラッチボルトがドア枠側に設けられたストライク(ラッチボルト受け)に係合可能になっていると共に、ドアノブの回動操作によってラッチボルトをドアの端面内部へ退入させることによってストライクからラッチボルトの係合を外し、もってドアを開くことができるというものである。
【0003】
ところで、ドアに対するドアノブの取付状態にガタが生じるということがあった。
そして、このようなガタが、ドアノブの回動軸として設けられたドア軸と、このドア軸の回動をラッチボルトの押し引き動に変換するためのハブ体とを連結する部分で生じていることがあった。
従来、このようなガタを解消するため、ドア軸に対してその軸の太さを太くさせるように作用するバネ装置を組み込む対応策が種々、提案されている(特開平8−13859号公報、実公平6−50615号公報、実開平5−47259号公報等参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来のように、ドア軸に対してその軸の太さを太くさせるように作用するバネ装置を組み込む対応策では、そもそも、それほど太くはないドア軸への加工が必要であるため、加工が困難且つ面倒であり、それだけ製作コストが高騰するといった欠点があった。
しかも、このような加工を施すことでドア軸の強度が低下するということもあった。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、製作コストが極めて低廉化でき、しかもドア軸の強度低下を招来することもないドア軸の軸受け構造を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明は次の手段を講じた。
第1に、前記ハブ体5には、前記ドア軸10が挿通される角孔の軸連結孔11と、前記ハブケース3のボス嵌合孔9に対応していて前記軸連結孔11まわりでかつハブ体5の表裏に膨出した円形ボス部6とが形成されており、
前記各軸受け板20は、前記各円形ボス部6の外周面に被さりかつ前記ボス嵌合孔9に嵌る皿部20aと、この皿部20aの全周部に張り出した鍔20bとが形成され、
前記各軸受け板20は、前記皿部20aの中心部にドア軸10を貫通する軸通孔22が形成されていて、この軸通孔22を形成している開口縁部の対向二辺からハブ体5側へ突出しかつドア軸10の側面と当接してガタを取るガタ取り片23が形成されていることである。
【0007】
第2に、前記軸受け板20の各ガタ取り片23は、前記軸通孔22の内方に向けて折曲されていて、中間が軸通孔22の孔内幅を狭めてドア軸10の側面に当接する山折れ部に形成されていることである。
また、本発明に係るドア軸のハブ連結構造では、次のような特徴及び作用を有する。
ハブケースに対してボルト部材(ラッチボルトやデッドボルト等に相当)の押し引き駆動用として回動自在に収納されるハブ体と、このハブ体を回動させるドア軸とを連結する部分に、ハブケースに対するハブ体の回動を保持させる軸受け板が設けられている。
【0008】
そして、この軸受け板とドア軸との間に、これら両者間のガタを埋めるガタ取り片が設けられている。
このように本発明では、ドア軸自体に加工を施すものではない。
このようなことから、製作コストがむやみに高騰化するということはなく、またドア軸の強度低下に繋がることもない。
ハブ体には、ドア軸との連結に用いられる軸連結孔と、この軸連結孔まわりを膨出させた円形ボス部とが形成されているものとする。またハブケースには、ハブ体の円形ボス部に対応するボス嵌合孔が形成されているものとする。
【0009】
そして軸受け板は、ハブ体における円形ボス部の外周面と、ハブケースにおけるボス嵌合孔の開口内周部との間を回動自在に保持するものとして形成する。
このような場合、軸受け板には、ハブ体の軸連結孔と一致してドア軸を貫通可能とする軸通孔が形成されたものとするが、この軸通孔の開口縁部に対し、上記したガタ取り片を設けるようにすればよい。
これであれば、軸受け板としてガタ取り片を具備させるだけでよいので、製作コストは極めて低廉化できることになる。
【0010】
なお、軸受け板に設けられたガタ取り片は、この軸受け板の軸通孔にドア軸が挿通されたときにハブ体側の適所へ当接して、軸受け板とハブ体との間のガタをも除去できるようにすることができる。
これによって、ドア軸のガタツキを徹底的に解消させることができ、好適である。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づき説明する。
図1は、本発明に係るドア軸のハブ連結構造1の一実施形態を示しており、また図2及び図3は、このハブ連結構造1を適用可能なドアラッチ装置2の一例を示している。
まず、このドアラッチ装置2について概説する。
このドアラッチ装置2は、ドア(図示略)の開閉側端部へ取付可能としたハブケース3に対し、ボルト部材(ラッチボルト)4が出入り方向(図2の左右方向)へ進退自在に保持されていると共に、このボルト部材4をハブケース3内へ意図的に退入させるためのハブ体5が回動自在に収納されている。
【0012】
図1から明らかなように、このハブ体5は、表裏両側へ膨出する一対の円形ボス部6を有したものであって、この円形ボス部6における周方向の相反する2カ所から、それぞれボルト伝動レバー7とバネ用レバー8とが突出形成されている。
表裏の円形ボス部6は、ハブ体5の肉厚分を挟んで対称配置となっており、ハブケース3の両側の側板3a、3b(なお一方の側板3bは着脱可能な蓋である)に貫通状に設けられるボス嵌合孔9に対して回動自在に嵌められるところとなっている。
【0013】
そして、これら両円形ボス部6の各中心部を貫通するようにしてドア軸10用の軸連結孔11が形成されている。この軸連結孔11は、ドア軸10との一体回動を可能にするため、角孔となっている。
ハブ体5のボルト伝動レバー7は二股状の突出形状を有しており、その股間に相当する空間部分14でボルト部材4の後部係合部15を挟持状に係合させるようになっている。
なお、ボルト部材4の後部係合部15はバネ止めの作用をも奏するもので、ハブケース3内に組み込まれる押出スプリング16と係合することでこの押出スプリング16による弾発作用を受け、これによりボルト部材4は進出方向へ突出した状態が付勢保持されることになる。
【0014】
また、ハブ体5のバネ用レバー8は、リターンスプリング17の弾発作用を延長杆18を介して受けるためのものである。このリターンスプリング17は、ハブケース3内にあって上記押出スプリング16とは逆向きに弾発力を生じるように組み込まれる。
このようなドアラッチ装置2にあって、本発明に係るハブ連結構造1を適用するうえでは、ハブ体5の円形ボス部6に対して軸受け板20を装着したうえで、この軸受け板20を介してハブケース3へ収納するようにしている。
【0015】
図4及び図5に示すように、この軸受け板20は、円形をした皿部20aのまわり全周部に鍔20bを張り出させたような形状をしたもので、皿部20aに相当する部分の内側をハブ体5の円形ボス部6に被せるようにしている。
従って、この状態でハブ体5をハブケース3内へ組み込めば、ハブ体5における円形ボス部6の外周面と、ハブケース3におけるボス嵌合孔9の開口内周部との間に軸受け板20が介在して、両者間の回動を円滑に保持し、且つ殊にハブ体5の円形ボス部6が摩耗するのを防止できることになる。
【0016】
これら軸受け板20には、皿部20aの中心部に、ハブ体5の軸連結孔11と一致してドア軸10を貫通可能とする軸通孔22が形成されている。
そして、この軸通孔22の開口縁部に対して、ガタ取り片23が設けられている。
本実施形態において、このガタ取り片23は、軸通孔22の対向二辺に設けられたものとしてある。
また、これらガタ取り片23は、軸通孔22の内方へ向けて断面「く」字状に折曲されたものとしてあり、この「く」字状に折れ曲がったうちの中間の山折れ部が軸通孔22の孔内幅を狭めるような寸法関係とされている。
【0017】
従って、軸通孔22内にドア軸10が挿通されれば、ガタ取り片23における中間の山折れ部がドア軸10の側面に当接することになり、その結果、ガタ取り片23には折曲状態が延ばされる方向に弾性変形が生じつつ、両外側へ押しのけられるようになる。
そのため、このとき発生するガタ取り片23の弾発力により、この軸受け板20とドア軸10との間のガタが埋められ、これら両者間のガタツキが除去されることになる。
【0018】
また、ガタ取り片23の先端部は、軸通孔22内にドア軸10が挿通されていない状態では、ハブ体5における軸連結孔11の内面に対して非接触としておくのが好ましい。しかし、軸通孔22内にドア軸10が挿通されてガタ取り片23が上記のように両外方へ押しのけられたときには、その先端部がハブ体5における軸連結孔11の内面に接触するようにしておくのが好ましい。
すなわち、ガタ取り片23が上記のように弾発力を生じた状態でドア軸10の側面と軸連結孔11の内面との双方に当接することになれば、軸受け板20とハブ体5との間のガタも埋められ、これら両者間のガタツキも除去されることになる。
【0019】
結果として、ハブ体5に対するドア軸10のガタツキも、またハブ体5に対する軸受け板20のガタツキもを、徹底的に解消されることになる。
このように本発明では、軸受け板20としてガタ取り片23を具備させるだけでよいので、軸受け板20自体としての製作コストが高コスト化するということはなく、しかもドア軸10に対して加工を施すものではないので、ドアラッチ装置2の全体として、製作コストがむやみに高騰化するということもない。またドア軸10の強度低下に繋がることも、一切、ない。
【0020】
ところで、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、実施の形態に応じて適宜変更可能である。
例えば、本発明は、上記したような施錠機能を有しないドアラッチ装置2に対して採用することが限定されるものではなく、施錠機能を有するデッドロック装置(図示略)に対して採用することも可能である。この場合のボルト部材4はデッドボルトに相当することになる。
また、本発明は、出入り口用ドア以外にも、什器などのドア用として採用することが可能である。
【0021】
軸受け板20において、ガタ取り片23は、軸通孔22の開口縁に対して1カ所だけとしたり2カ所以上としたりすることができる。
ガタ取り片23の断面形状は、「く」字状以外にも、単に軸通孔22内方へ傾斜状態で設けられた、いわゆる「へ」字状としたり、或いは凸面カーブ状としたりすることも可能である。
その他、軸受け板20の細部形状や材質も、適宜変更可能である。
【0022】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明に係るドア軸のハブ連結構造では、主として軸受け板に対する対応構造としているので、製作コストが極めて低廉化でき、しかもドア軸の強度低下を招来することもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るハブ連結構造の一実施形態を示す分解斜視図である。
【図2】 図1のハブ連結構造を適用可能なドアラッチ装置の一例をその側面方向から示した内部構造図である。
【図3】 図2のA−A線断面図である。
【図4】 軸受け板を示す正面図である。
【図5】 軸受け板の取付状態を示す側断面図である。
【符号の説明】
1 ハブ連結構造
3 ハブケース
4 ボルト部材
5 ハブ体
6 円形ボス部
9 ボス嵌合孔
10 ドア軸
11 軸連結孔
20 軸受け板
22 軸通孔
23 ガタ取り片

Claims (2)

  1. ハブケース(3)に対してボルト部材(4)の押し引き駆動用として回動自在に収納されるハブ体(5)と、このハブ体(5)を回動させるドア軸(10)とを連結する部分に、ハブケース(3)に対するハブ体(5)の回動を保持させる表裏一対の軸受け板(20)が設けられており、
    前記ハブ体(5)には、前記ドア軸(10)が挿通される角孔の軸連結孔(11)と、前記ハブケース(3)のボス嵌合孔(9)に対応していて前記軸連結孔(11)まわりでかつハブ体(5)の表裏に膨出した円形ボス部(6)とが形成されており、
    前記各軸受け板(20)は、前記各円形ボス部(6)の外周面に被さりかつ前記ボス嵌合孔(9)に嵌る皿部(20a)と、この皿部(20a)の全周部に張り出した鍔(20b)とが形成され、
    前記各軸受け板(20)は、前記皿部(20a)の中心部にドア軸(10)を貫通する軸通孔(22)が形成されていて、この軸通孔(22)を形成している開口縁部の対向二辺からハブ体(5)側へ突出しかつドア軸(10)の側面と当接してガタを取るガタ取り片(23)が形成されていることを特徴とするドア軸のハブ連結構造。
  2. 前記軸受け板(20)の各ガタ取り片(23)は、前記軸通孔(22)の内方に向けて折曲されていて、中間が軸通孔(22)の孔内幅を狭めてドア軸(10)の側面に当接する山折れ部に形成されていることを特徴とする請求項1記載のドア軸のハブ連結構造。
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