JP4132469B2 - 減圧乾燥装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、減圧乾燥装置、詳しくは、樹脂ペレットなどの粉粒体を乾燥させるための減圧乾燥装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、樹脂ペレットなどの粉粒体を乾燥させるための乾燥装置の1つとして、減圧乾燥装置が知られている。
【0003】
この減圧乾燥装置は、粉粒体を受け入れる減圧乾燥ホッパーと、この減圧乾燥ホッパー内を減圧するための減圧ポンプとを備えており、減圧乾燥ホッパー内に、粉粒体を受け入れて、減圧ポンプによって減圧乾燥ホッパー内を吸引することによって、粉粒体を減圧乾燥するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、減圧乾燥ホッパー内を減圧ポンプによって吸引すると、減圧乾燥ホッパー内の粉粒体からも気体や粉塵などが同時に吸引されるため、減圧ポンプによって吸引した空気をそのまま排気すると、それらまでもが大気に放出されてしまい、良好な環境雰囲気を損なってしまうおそれを生じる。
【0005】
本発明は、上記した事情に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、減圧乾燥ホッパー内から吸引される気体を、簡易な構成によってクリーンな状態で大気に開放し得る減圧乾燥装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、乾燥用材料を受け入れる減圧乾燥槽と、減圧乾燥槽内を減圧するための減圧手段とを備える減圧乾燥装置において、前記減圧乾燥槽内から前記減圧手段により吸引された気体を凝縮させるための凝縮手段を備え、前記凝縮手段は、圧縮することにより気体を凝縮させるように構成されており、前記減圧手段が、気体を圧縮するための圧縮手段を兼ねていることを特徴としている。
【0007】
このような構成によると、減圧乾燥槽内から減圧手段により吸引された気体は、凝縮手段によって凝縮させられるので、凝縮により液化した液体をトラップすることにより、クリーンな気体のみを排気することができる。
【0009】
また、このような構成によると、減圧手段により吸引された気体は、そのまま減圧手段によって圧縮されて凝縮する。
【0010】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記凝縮手段は、凝縮により液化した液体を排出するためのドレンを備えていることを特徴としている。
【0011】
このような構成によると、凝縮手段において、凝縮によりトラップされている液体をドレンから排出することができる。
【0012】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、前記凝縮手段は、圧縮することにより気体を凝縮させるように構成されており、前記凝縮手段により圧縮された気体を気力源として使用するための圧縮気体供給手段を備えていることを特徴としている。
【0013】
このような構成によると、凝縮手段により圧縮された気体は、圧縮気体供給手段から気力源として供給される。
【0014】
また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記圧縮気体供給手段は、前記凝縮手段により圧縮された気体を貯蔵するための圧縮気体貯蔵タンクを備えていることを特徴としている。
【0015】
このような構成によると、凝縮手段により圧縮された気体は、圧縮気体貯蔵タンクにおいて貯蔵される。
【0016】
また、請求項5に記載の発明は、請求項3または4に記載の発明において、前記減圧乾燥槽は、乾燥用材料を受け入れるための第1ゲートおよび/または乾燥用材料を排出するための第2ゲートを備えており、これら第1ゲートおよび/または第2ゲートは、前記圧縮気体供給手段から供給される圧縮気体により作動するように構成されていることを特徴としている。
【0017】
このような構成によると、減圧乾燥槽内に乾燥用材料を受け入れるために第1ゲートを開閉する時には、圧縮気体供給手段から第1ゲートに圧縮気体が供給され、第1ゲートは、この圧縮気体の供給によって開閉動作される。また、減圧乾燥槽内から乾燥用材料を排出するために第2ゲートを開閉する時には、圧縮気体供給手段から第2ゲートに圧縮気体が供給され、第2ゲートは、この圧縮気体の供給によって開閉動作される。
【0018】
また、請求項6に記載の発明は、請求項3ないし5のいずれかに記載の発明において、前記減圧乾燥槽に供給するための乾燥用材料を、気力によって輸送するための第1気力輸送手段を備え、前記第1気力輸送手段は、前記圧縮気体供給手段から供給される圧縮気体により、乾燥用材料を輸送するように構成されていることを特徴としている。
【0019】
このような構成によると、乾燥用材料を減圧乾燥槽に供給する時には、圧縮気体供給手段から第1気力輸送手段に圧縮気体が供給され、第1気力輸送手段は、この圧縮気体により乾燥用材料を搬送する。
【0020】
また、請求項7に記載の発明は、請求項3ないし6のいずれかに記載の発明において、前記減圧乾燥槽から排出される乾燥用材料を、気力によって輸送するための第2気力輸送手段を備え、前記第2気力輸送手段は、前記圧縮気体供給手段から供給される圧縮気体により、乾燥用材料を輸送するように構成されていることを特徴としている。
【0021】
このような構成によると、減圧乾燥槽から乾燥用材料を排出する時には、圧縮気体供給手段から第2気力輸送手段に圧縮気体が供給され、第2気力輸送手段は、この圧縮気体により排出された乾燥用材料を搬送する。
【0022】
また、請求項8に記載の発明は、請求項1ないし7のいずれかに記載の発明において、前記減圧乾燥槽に受け入れられる乾燥用材料を予備乾燥するための予備乾燥手段が備えられていることを特徴としている。
【0023】
このような構成によると、乾燥用材料は、まず、予備乾燥手段によって初期乾燥され、次いで、減圧乾燥槽において減圧乾燥される。
【0024】
また、請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の発明において、前記予備乾燥手段は、前記減圧乾燥槽に接続される予備乾燥槽と、前記予備乾燥槽に熱風を送風するための熱風送風手段とを備えていることを特徴としている。
【0025】
このような構成によると、乾燥用材料は、予備乾燥槽に受け入れられると、熱風送風手段からの熱風により、加熱されるとともに乾燥開始直後の湿気が取り除かれる。
【0026】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の減圧乾燥装置の一実施形態を示す処理システムの全体構成図である。
【0027】
図1において、この処理システムは、減圧乾燥装置1と、この減圧乾燥装置1に供給される乾燥用材料としての粉粒体を気力輸送する第1気力輸送手段としての供給側気力輸送ユニット61と、減圧乾燥装置1から排出される粉粒体を他の処理装置(たとえば、成形機、混合機など)39aおよび39bに気力輸送する第2気力輸送手段としての処理側気力輸送ユニット62とを備えている。
【0028】
このような処理システムは、たとえば、樹脂ペレットなどの粉粒体を、図示しない原料貯蔵タンクから減圧乾燥装置1に供給側気力輸送ユニット61により気力輸送して、減圧乾燥装置1において一定の水分量まで乾燥させた後、乾燥した粉粒体を減圧乾燥装置1から成形機39aおよび39bに処理側気力輸送ユニット62により気力輸送するようなシステムとして構成されている。
【0029】
供給側気力輸送ユニット61は、図示しない原料貯蔵タンクから粉粒体を搬送するために、減圧乾燥装置1の上流側に接続される供給配管20と、この供給配管20に接続される供給側エジェクタ19とを備えている。
【0030】
処理側気力輸送ユニット62は、乾燥した粉粒体を他の処理装置39aおよび39bに搬送するために、減圧乾燥装置1の下流側に接続される輸送配管38aおよび38bと、この輸送配管38aおよび38bに接続される輸送側エジェクタエジェクタ41aおよび41bとを備えている。なお、他の処理装置39aおよび39bには、それぞれレシーバ40aおよび40bが備えられており、このレシーバ40aおよび40bに輸送配管38aおよび38bがそれぞれ接続されている。
【0031】
減圧乾燥装置1は、予備乾燥槽としての予備加熱ホッパー2を備える予備乾燥手段としての予備加熱ユニット3と、減圧乾燥槽としての減圧乾燥ホッパー4を備える減圧乾燥ユニット5とを備えており、予備加熱ホッパー2と減圧乾燥ホッパー4とが接続管29によって接続されるように構成されている。
【0032】
予備加熱ユニット3は、予備加熱ホッパー2に接続される熱風送風手段としての熱風送風ユニット63を備えており、この熱風送風ユニット63は、予備加熱ホッパー2の下流側に、順次、サイクロン6、乾燥フィルタ7、乾燥ブロワ8、乾燥ヒータ9を備え、これらがそれぞれ送風配管11a、11b、11c、11d、11eを介して接続されることによって、熱風を循環させるクローズドライン(すなわち、乾燥ヒータ9が送風配管11eを介して予備加熱ホッパー2に接続されている)の乾燥ライン10を形成するように構成されている。
【0033】
予備加熱ホッパー2は、粉粒体を受け入れる内側容器部12と、この内側容器部12を覆うように、内側容器部12と所定間隔を隔てて形成される外側容器部13との2重容器構造として形成されており、加熱ヒータ9に接続されている送風配管11eが、その側方から、内側容器部12と外側容器部13との間に開口されるように接続されている。
【0034】
内側容器部12および外側容器部13は、その下部が、下に向かって絞られるように形成されており、その下端部には、粉粒体を排出するための排出口14および15が形成されている。また、外側容器部13の排出口15には、接続管29が接続されるとともに、この接続管29を開閉するための第1ゲートとしての上側ゲート16が設けられている。
【0035】
内側容器部12の上部には、供給側気力輸送ユニット61の供給配管20、およびサイクロン6に接続される送風配管11aが接続されており、内側容器部12の内部には、熱風を上下方向に案内する筒状のガイド部材21、およびガイド部材21の上方に設けられ、熱風とともに吹き上げられる粉粒体を衝突させて落下させるための当て部材22が設けられている。
【0036】
減圧乾燥ユニット5は、減圧乾燥ホッパー4の下流側に、順次、ラインフィルタ23、減圧手段および圧縮手段としての減圧ポンプ24、ブースター44、およびドレンとしてのミストセパレータ45を備えており、これらがそれぞれ減圧配管25a、25b、25c,25dを介して接続されることによって、減圧ライン26を形成するように構成されている。なお、本実施形態の減圧乾燥装置1では、凝縮手段は、減圧ポンプ24、ブースター44、およびミストセパレータ45から構成されている。
【0037】
また、減圧乾燥ホッパー4とラインフィルタ23とを接続している減圧配管25aの途中には、大気開放バルブ37が設けられており、また、ラインフィルタ23と減圧ポンプ24とを接続している減圧配管25bの途中は、放熱させるためにフィン状に形成されている。さらに、減圧ポンプ24とブースター44とを接続している減圧配管25cは、その一部が、放熱させるためにフィン状に形成されているとともに、その途中には、リリーフバルブ49が設けられている。
【0038】
減圧乾燥ホッパー4は、粉粒体を受け入れる減圧容器部27と、この減圧容器部27を保温するためのジャケット28とを備えている。
【0039】
減圧容器部27は、その上部に、予備加熱ユニット3に接続される接続管29、およびラインフィルタ23に接続される減圧配管25aが接続されるとともに、その下部は、下に向かって絞られるように形成されており、その下端部には、粉粒体を排出するための排出配管30が接続されている。この排出配管30には、排出配管30を開閉するための第2ゲートとしての下側ゲート31が設けられるとともに、その途中には、リリーフバルブ42が設けられている。なお、この排出配管30には、処理側気力輸送ユニット62が接続されている。
【0040】
ジャケット28は、減圧容器部27の外周側部を覆うように、減圧容器部27の外壁面と所定間隔を隔てて形成されており、この所定間隔を隔てた空間に熱媒を供給して保温するように構成されており、このジャケット28には、予備加熱ユニット3の乾燥ライン10からの熱風が熱媒として供給されるように構成されている。すなわち、乾燥ライン10における乾燥ヒータ9の下流側であって、予備加熱ホッパー2と乾燥ヒータ9とを接続する送風配管11eの途中から、入口配管33を分岐させて、この入口配管33を、側方からジャケット28に接続するとともに、乾燥ヒータ9の上流側に配設される乾燥フィルタ7から、送風配管11b、11cとは別の出口配管34を分岐させて、この出口配管34を、側方からジャケット28に接続することによって、ジャケット供給ライン32を形成し、このジャケット供給ライン32の入口配管34の途中に供給バルブ35を設けて、この供給バルブ35の開閉動作によって、ジャケット28内に熱風を送るように構成されている。
【0041】
減圧ポンプ24は、揺動式のポンプが使用されており、減圧配管25aおよび25bを介して減圧乾燥ホッパー4内から空気を吸引すると同時にその空気を圧縮するように構成されている。ブースター44は、減圧ポンプ24により圧縮された空気をさらに圧縮するものであり、たとえば、減圧ポンプ24により圧縮された空気をさらに2倍程度に圧縮する。ミストセパレータ45は、圧縮された空気から、その圧縮により凝縮して液化したダストをトラップして排出するものである。なお、ミストセパレータ45は、凝縮する目的によっては、冷却するなど、適宜温度コントロールしてもよい。
【0042】
なお、この減圧乾燥装置1では、予備加熱ホッパー2、減圧乾燥ホッパー4、乾燥ブロワ8および乾燥ヒータ9は、保温材17によって覆われている。
【0043】
そして、このように構成された減圧乾燥装置1によって粉粒体を乾燥させるには、まず、予備加熱ユニット3において、初期乾燥を行なう。予備加熱ユニット3により初期乾燥を行なうには、まず、上側ゲート16を閉状態として、乾燥ブロワ8を作動させる。そうすると、乾燥ブロワ8から送風配管11dを介して乾燥ヒータ9に空気が送られて、この乾燥ヒータ9により加熱された熱風が、予備加熱ホッパー2の側方から、内側容器部12と外側容器部13との間の空間に送られ、この熱風によって、内側容器部12が温められ、そして、熱風は、内側容器部12の排出口14から内側容器部12の内部に流入して、ガイド部材21の内周壁に沿って吹き上げられて、送風配管11aから流出するようになる。
【0044】
次いで、供給側エジェクタ19を作動させることによって、供給配管20から粉粒体を内側容器部12に投入する。そうすると、粉粒体は、熱風によって温められている内側容器部12の内壁面と接触して温められながら排出口14に向かって降下し、排出口14に達すると、排出口14から流入する熱風によって、ガイド部材21の内周壁に沿って吹き上げられ、当て部材22に衝突して、再び落下し、再度、内側容器部12の内壁面と接触するという状態が繰り返される。その結果、この予備加熱ユニット3においては、粉粒体は、このような内側容器部12の内壁面との接触、および熱風による吹き上げによって、急速に乾燥される。
【0045】
なお、送風配管11aに送られた熱風は、この送風配管11aに接続されるサイクロン6に流入して粉塵などが除去された後、送風配管11bを介して乾燥フィルタ7に送られて、さらにダストなどが取り除かれた後、送風配管11cを介して再び乾燥ブロワ8に送られる。また、内側容器部12内において湿気を含んだ熱風は、たとえば、サイクロン6や乾燥フィルタ7などで一部大気に開放することにより外気に放出するようにしており、また、その一方で、外気からの湿気の少ない空気を取り入れるようにして、循環する熱風の湿気の上昇を防ぐようにしている。
【0046】
次いで、予備加熱ユニット3において初期乾燥が終了した粉粒体を、減圧乾燥ユニット5によってさらに十分に乾燥する。減圧乾燥ユニット5により乾燥を行なうには、まず、予め予備加熱ユニット3の乾燥ブロワ8が作動した時に、供給バルブ35を開状態としておき、送風配管11eの途中から入口配管33を介してジャケット28内に熱風を送り、これによって、減圧容器部27内を保温しておく。なお、ジャケット28内に流入した熱風は、出口配管34を介して乾燥フィルタ7に流出し、再び乾燥ライン10と合流する。また、供給バルブ35の開閉動作は、減圧容器部27内の保温状態に応じて、適宜、連続または間欠的に行なえばよい。
【0047】
次いで、下側ゲート31を閉状態として、上側ゲート16を開いて粉粒体を減圧容器部27内に受け入れて、その後に再び上側ゲート16を閉状態として、減圧ポンプ24を作動させる。そうすると、減圧配管25a、25bを介して減圧容器部27内が減圧されて、減圧容器部27内に受け入れられている粉粒体が減圧乾燥される。減圧ポンプ24の能力は、減圧容器部27の容量や、粉粒体の種類および大きさなどによって適宜選択すればよいが、たとえば、40〜100Torr程度のものが使用される。
【0048】
また、減圧容器部27内から減圧ポンプ24によって吸引された空気は、減圧配管25aを介してラインフィルタ23に流入して、ダストなどが取り除かれた後、減圧配管25bを介して減圧ポンプ24に送られる。減圧ポンプ24に送られた空気は、その減圧ポンプ24において加圧され、減圧配管25cを介してブースター44に送られて、このブースター44によってさらに圧縮されて、減圧配管25dを介してミストセパレータ45に送られる。その結果、凝縮して液化したダストがミストセパレータ45によってトラップされるとともに、クリーンな空気のみが、後述する加圧配管47に向けて排出される。なお、液化したダストは、ミストセパレータ45から排出すればよい。
【0049】
このように、予備加熱ユニット3において初期乾燥した後に、減圧乾燥ユニット5によって減圧乾燥するようにすれば、粉粒体は、まず、初期乾燥において、加熱されるとともに乾燥開始直後の湿気が取り除かれ、その後に、減圧乾燥ユニット5により減圧乾燥されるので、減圧乾燥ユニット5においては、すばやく、かつ十分に減圧乾燥することができ、省エネルギー化を図れる効率のよい乾燥を達成することができる。しかも、この減圧乾燥装置1においては、減圧容器部27がジャケット28によって保温されているので、予備加熱ユニット3において乾燥された粉粒体は、減圧容器部27に供給されても、その温度を保った状態のままで減圧乾燥される。そのため、粉粒体を、よりすばやく、かつ十分に乾燥することができる。さらに、この減圧乾燥装置1においては、ジャケット28内には、予備加熱ユニット3の乾燥ライン10からジャケット供給ライン32を介して熱風が供給されるので、熱媒を別途供給する必要がなく、また、その供給のための設備の必要もないので、簡易な構成によって、効率的に保温することができ、装置のコストおよびランニングコストの低減を図ることができる。
【0050】
また、減圧容器部27内から減圧ポンプ24により吸引された空気は、減圧ポンプ24およびブースター44により加圧されて、その一部が凝縮するので、凝縮により液化したダストを、ミストセパレータ45によってトラップすることで、クリーンな空気のみを、後述する加圧配管47に向けて排出することができる。
【0051】
また、この減圧ライン26においては、減圧ポンプ24が、減圧容器部27内からの空気を吸引すると同時にその空気を圧縮するように構成されているので、簡易な構成により吸引された空気を凝縮させることができ、しかも、凝縮によりトラップされたダストは、ミストセパレータ45から排出することにより簡易に除去することができるので、装置構成の簡略化およびコストの低減化が図られている。
【0052】
そして、この減圧乾燥ユニット5によって十分に減圧乾燥を行なった後に、大気開放バルブ37を開くとともに、下側ゲート31を開いて減圧容器部27内の粉粒体を排出配管30から排出し、粉粒体の排出が完了した時に、大気開放バルブ37および下側ゲート31を閉じ、減圧乾燥を終了する。なお、排出配管30から排出された粉粒体は、処理側気力輸送ユニット62の輸送側エジェクタ41aおよび41bによって、各輸送配管38aおよび38bを介して各レシーバ40aおよび40bに気力輸送される。
【0053】
また、この減圧乾燥装置1は、減圧ポンプ24およびブースター44により圧縮された空気を気力源として使用するための圧縮気体供給手段としてのエア供給ユニット43を備えている。
【0054】
このエア供給ユニット43は、圧縮気体貯蔵タンクとしてのエアタンク46、電磁バルブ51、送圧配管50a、50b、50c、50d、50eを備えている。エアタンク46は、加圧配管47を介してミストセパレータ45と接続されており、電磁バルブ51は、圧縮空気供給管52を介してエアタンク46と接続されている。また、送圧配管50a、50b、50c、50d、50eは、その一端が、電磁バルブ51に接続されるとともに、他端が、それぞれ、供給側エジェクタ19、上側ゲート16、下側ゲート31、輸送側エジェクタ41aおよび41bに接続されている。なお、圧縮空気供給管52の途中には、エアフィルタ53が設けられている。
【0055】
エアタンク46は、圧縮された空気を貯蔵するものであり、電磁バルブ51は、送圧配管50a、50b、50c、50d、50eのぞれぞれに対応して開閉できるように構成されている。
【0056】
このようなエア供給ユニット43では、減圧ポンプ24およびブースター44により圧縮された空気は、ミストセパレータ45から加圧配管47を介してエアタンク46に送られて、このエアタンク46において溜められる。そして、供給側エジェクタ19、上側ゲート16、下側ゲート31、輸送側エジェクタ41aおよび41bをそれぞれ作動させる時には、それに対応する電磁バルブ51を開動作させる。そうすると、それに対応する送圧配管50a、50b、50c、50d、50eを介してそれぞれに圧縮空気が送られて、それによって、供給側エジェクタ19、上側ゲート16、下側ゲート31、輸送側エジェクタ41aおよび41bがそれぞれ作動する。なお、上側ゲート16および下側ゲート31には、エアシリンダー54および55がそれぞれ備えられており、このエアシリンダー54および55に、送圧配管50b、50cを介して圧縮空気が送られることによって、上側ゲート16および下側ゲート31の開閉動作がそれぞれ行なわれる。
【0057】
より具体的には、供給側エジェクタ19を作動させて粉粒体を減圧乾燥装置1に気力輸送する時には、送圧配管50aに対応する電磁バルブ51が開動作され、これによって、エアタンク46に溜められる圧縮空気が送圧配管50aを介して供給側エジェクタ19に送られ、それによって、粉粒体が気力輸送される。このような気力輸送によれば、供給側エジェクタ19は、格別の気力源を設けてなくても、エア供給ユニット43から供給される圧縮空気により粉粒体を搬送することができるので、装置の簡略化およびランニングコストの低減化を図ることができる。
【0058】
また、輸送側エジェクタ41aおよび41bを作動させて乾燥した粉粒体を他の処理装置39aおよび39bのレシーバ40aおよび40bにそれぞれ気力輸送する時には、各送圧配管50d、50eに対応する電磁バルブ51が開動作され、これによって、エアタンク46に溜められる圧縮空気が各送圧配管50d、50eを介して各輸送側エジェクタ41aおよび41bに送られ、それによって、粉粒体が気力輸送される。このような気力輸送によれば、輸送側エジェクタ41aおよび41bは、格別の気力源を設けてなくても、エア供給ユニット43から供給される圧縮空気により粉粒体を搬送することができるので、装置の簡略化およびランニングコストの低減化を図ることができる。
【0059】
さらに、上側ゲート16を開閉する時には、送圧配管50bに対応する電磁バルブ51が開動作され、これによって、エアタンク46に溜められる圧縮空気が送圧配管50bを介してエアシリンダー54に送られ、このエアシリンダー54の駆動によって上側ゲート16が開閉される。また、下側ゲート31を開閉する時には、送圧配管50cに対応する電磁バルブ51が開動作され、これによって、エアタンク46に溜められる圧縮空気が送圧配管50cを介してエアシリンダー55に送られ、このエアシリンダー55の駆動によって下側ゲート31が開閉される。このようにして、上側ゲート16および/または下側ゲート31を開閉動作させると、格別の動力源を設けてなくても、エア供給ユニット43から供給される圧縮気体により作動するので、装置の簡略化およびランニングコストの低減化を図ることができる。
【0060】
したがって、このようなエア供給ユニット43を設けることによって、減圧ポンプ24によって吸引された空気を、圧縮空気(気力源)として、供給側エジェクタ19、輸送側エジェクタ41aおよび41bなどの輸送系、および、上側ゲート16および下側ゲート31などの駆動系に供給することができるので、別途動力源を設けなくても、減圧ポンプ24により吸引された空気の効率的な利用を図ることができ、省エネルギー化を図れる効率のよい処理システムを構成することができる。また、このエア供給ユニット43には、エアタンク46が備えられているので、圧縮空気は、このエアタンク46によって貯蔵され、所定のタイミングおよび圧力において、適宜供給することができる。そのため、より適切かつ効率的に、圧縮空気を供給することができる。
【0061】
そして、ミストセパレータ45からエア供給ユニット43に送られる圧縮空気は、このエア供給ユニット43から、供給側エジェクタ19、上側ゲート16、下側ゲート31、輸送側エジェクタ41aおよび41bに供給された後、排気されるが、この排気された空気は、ミストセパレータ45によってダストが除去されたクリーンな空気であるため、環境雰囲気が損なわれることもなく、良好な作業環境を確保することができる。
【0062】
なお、電磁バルブ51は、エアタンク46内の圧力などにもよるが、適宜、選択的に、または複数のバルブを同時に開動作してもよい。また、エアタンク46の容量などにより、別途、気力源を設けてもよい。
【0063】
また、以上に述べた実施形態では、予備加熱ユニット3は、内側容器部12の内壁面との接触、および熱風による吹き上げによって乾燥させるように構成したが、これに限らず、たとえば、熱風のみによって乾燥させる通常の熱風循環式乾燥機などを使用してもよく、また、その目的および用途によっては、予備加熱ユニット3を設けなくてもよい。
【0064】
また、本実施形態では、エア供給ユニット43は、供給側エジェクタ19、上側ゲート16、下側ゲート31、輸送側エジェクタ41aおよび41bを作動させるように接続したが、本発明ではこれに限らず、圧縮空気を動力とする装置であれば、その種類を問わず、いかなる装置に接続してもよい。また、エアタンク46を設けずに直接各装置に圧縮空気を送るように構成してもよく、さらには、その目的および用途によっては、エア供給ユニット43を設けなくてもよい。なお、エア供給ユニット43を設けない場合にも、ミストセパレータ45からは、直接クリーンな空気が大気に開放されるため、減圧乾燥装置1から排気される空気によって、環境雰囲気が損なわれることもなく、良好な作業環境を確保することができる。
【0065】
また、本実施形態においては、圧縮ポンプ24によって減圧乾燥ホッパー4内から空気を吸引すると同時にその空気を圧縮するようにしたが、さらに、圧縮するための公知の圧縮機を設けてもよい。また、ブースター44は、特に設けなくてもよい。
【0066】
また、粉粒体は、たとえば、樹脂ペレットやセラミック粒子など、その種類は問わない。
【0067】
【発明の効果】
以上述べたように、請求項1に記載の発明によれば、減圧乾燥槽内から減圧手段により吸引された気体は、凝縮手段によって凝縮させられるので、凝縮により液化した液体をトラップすることにより、クリーンな気体のみを排気することができる。したがって、減圧乾燥装置から排気される気体によって、環境雰囲気が損なわれることもなく、良好な作業環境を確保することができる。
【0068】
また、請求項1に記載の発明によれば、減圧手段が、気体を圧縮するための圧縮手段を兼ねるので、装置構成の簡略化およびコストの低減化を図ることができる。
【0069】
請求項2に記載の発明によれば、簡易な構成によって、凝縮手段においてトラップされている液体を排出することができる。
【0070】
請求項3に記載の発明によれば、凝縮手段により圧縮された気体を、圧縮気体供給手段から気力源として供給することができるので、凝縮手段からそのまま大気に排気するよりも、圧縮気体の有効利用を図ることができ、装置全体としての省力化、ランニングコストの低減化を図ることができる。
【0071】
請求項4に記載の発明によれば、圧縮気体を、圧縮気体貯蔵タンクにおいて貯蔵することができるので、凝縮手段により圧縮された気体を、所定のタイミングおよび圧力において、気力源として供給することができる。そのため、より適切かつ効率的に、圧縮気体を供給することができる。
【0072】
請求項5に記載の発明によれば、第1ゲートおよび/または第2ゲートは、格別の動力源を設けてなくても、圧縮気体供給手段から供給される圧縮気体により作動するので、装置の簡略化およびランニングコストの低減化を図ることができる。
【0073】
請求項6に記載の発明によれば、第1気力輸送手段は、格別の気力源を設けてなくても、圧縮気体供給手段から供給される圧縮気体により乾燥用材料を搬送するので、装置の簡略化およびランニングコストの低減化を図ることができる。
【0074】
請求項7に記載の発明によれば、第2気力輸送手段は、格別の気力源を設けてなくても、圧縮気体供給手段から供給される圧縮気体により乾燥用材料を搬送するので、装置の簡略化およびランニングコストの低減化を図ることができる。
【0075】
請求項8に記載の発明によれば、予備乾燥手段によって初期乾燥された乾燥用材料を、減圧乾燥槽において減圧乾燥するため、すばやく、かつ十分に減圧乾燥することができ、省エネルギー化を図れる効率のよい乾燥を達成することができる。
【0076】
請求項9に記載の発明によれば、乾燥用材料は、予備乾燥槽において加熱されるとともに乾燥開始直後の湿気が取り除かれるので、次いで、減圧乾燥槽において減圧乾燥する時には、より一層、十分に減圧乾燥することができ、より一層、省エネルギー化を図れる効率のよい乾燥を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の減圧乾燥装置の一実施形態を示す処理システムの全体構成図である。
【符号の説明】
1 減圧乾燥装置
2 予備加熱ホッパー
3 予備加熱ユニット
4 減圧乾燥ホッパー
5 減圧乾燥ユニット
16 上側ゲート
24 減圧ポンプ
31 下側ゲート
43 エア供給ユニット
44 ブースター
45 ミストセパレータ
46 エアタンク
61 供給側気力輸送ユニット
62 処理側気力輸送ユニット
63 熱風送風ユニット
Claims (9)
- 乾燥用材料を受け入れる減圧乾燥槽と、減圧乾燥槽内を減圧するための減圧手段とを備える減圧乾燥装置において、
前記減圧乾燥槽内から前記減圧手段により吸引された気体を凝縮させるための凝縮手段を備え、
前記凝縮手段は、圧縮することにより気体を凝縮させるように構成されており、前記減圧手段が、気体を圧縮するための圧縮手段を兼ねていることを特徴とする、減圧乾燥装置。 - 前記凝縮手段は、凝縮により液化した液体を排出するためのドレンを備えていることを特徴とする、請求項1に記載の減圧乾燥装置。
- 前記凝縮手段は、圧縮することにより気体を凝縮させるように構成されており、前記凝縮手段により圧縮された気体を気力源として使用するための圧縮気体供給手段を備えていることを特徴とする、請求項1または2に記載の減圧乾燥装置。
- 前記圧縮気体供給手段は、前記凝縮手段により圧縮された気体を貯蔵するための圧縮気体貯蔵タンクを備えていることを特徴とする、請求項3に記載の減圧乾燥装置。
- 前記減圧乾燥槽は、乾燥用材料を受け入れるための第1ゲートおよび/または乾燥用材料を排出するための第2ゲートを備えており、これら第1ゲートおよび/または第2ゲートは、前記圧縮気体供給手段から供給される圧縮気体により作動するように構成されていることを特徴とする、請求項3または4に記載の減圧乾燥装置。
- 前記減圧乾燥槽に供給するための乾燥用材料を、気力によって輸送するための第1気力輸送手段を備え、
前記第1気力輸送手段は、前記圧縮気体供給手段から供給される圧縮気体により、乾燥用材料を輸送するように構成されていることを特徴とする、請求項3ないし5のいずれかに記載の減圧乾燥装置。 - 前記減圧乾燥槽から排出される乾燥用材料を、気力によって輸送するための第2気力輸送手段を備え、
前記第2気力輸送手段は、前記圧縮気体供給手段から供給される圧縮気体により、乾燥用材料を輸送するように構成されていることを特徴とする、請求項3ないし6のいずれかに記載の減圧乾燥装置。 - 前記減圧乾燥槽に受け入れられる乾燥用材料を予備乾燥するための予備乾燥手段が備えられていることを特徴とする、請求項1ないし7のいずれかに記載の減圧乾燥装置。
- 前記予備乾燥手段は、前記減圧乾燥槽に接続される予備乾燥槽と、前記予備乾燥槽に熱風を送風するための熱風送風手段とを備えていることを特徴とする、請求項8に記載の減圧乾燥装置。
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