JP4132298B2 - 重ね合わせ検査マークを備える半導体装置 - Google Patents

重ね合わせ検査マークを備える半導体装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、重ね合わせ検査マークに関し、特に、半導体装置の製造工程におけるリソグラフィ工程の重ね合わせ精度を測定するために用いる重ね合わせ検査マークに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、半導体装置の製造工程における2つのリソグラフィ工程間の重ね合わせ精度を測定する方法として、各リソグラフィ工程において本番パターンと同一のマスクを用いて同時に重ね合わせ検査マークのパターンを形成し、重ね合わせ検査マークのパターンの重ね合わせ精度により、本番パターンの重ね合わせ精度を測定する方法が用いられている。以下、図10〜図15を用いて従来の重ね合わせ検査マークを説明する。
【0003】
従来の重ね合わせ検査マークは、図10に示すように、本番パターン101を形成する回路領域111の横に配置されたスクライブライン領域112に配置されている。また、図11に示すように、1層目の本番パターン105aと1層目の重ね合わせ検査マークのパターン105bとは、スクライブライン領域112の溝110により段差を隔てて設けられている。また、2層目の本番パターン101は、1層目の本番パターン105aの上に設けられ、2層目の重ね合わせ検査マークのパターン102は、1層目の重ね合せ検査マークのパターン105bの上に、2層目の本番パターン101と平行な部分を有するように4角形の4辺をライン状にして設けられている。
【0004】
上記のような重ね合わせ検査マークにおいては、2層目の重ね合わせ検査マークのパターン102の幅は、2層目の本番パターン101の幅と無関係に形成されているため、パターン形成時の、収差による位置ずれ量が相違する。そのため、マスクパターンにおけるそれぞれの相対的位置と異なる相対的位置関係を有して2層目の重ね合わせ検査マークのパターン102と2層目の本番パターン101とが形成される現象が生じる。以下、この現象について説明する。
【0005】
通常、マスクを通過した光は、マスクの開口を通過した後は、それぞれの開口の大きさにあわせて所定の回折角を有して進行する。そのため、マスクにより形成されたパターンのそれぞれは、透過光の回折角分だけずれて形成されるという現象、すなわち、収差による位置ずれ現象が生じる。
【0006】
そのため、マスクに形成された開口パターンを通過する光が、太いラインを通過する場合と細いラインを通過する場合とで回折角が異なることにより、本番パターンの太さと重ね合わせ検査マークのパターンの太さとに相違があれば、重ね合わせ検査マークのパターンと本番パターンとの収差による位置ずれ量にも相違が生じる。この収差による位置ずれ量の相違により、本番パターンと重ね合わせ検査マークのパターンとはそれぞれの重ね合わせのずれ量に差が生じる。これが収差による位置ずれ量の相違による影響である。
【0007】
そこで、この収差による位置ずれ量の相違による影響を防止するため、図12および図13に示すような、ライン状の本番パターンの幅とライン状の重ね合わせ検査マークのパターンの幅とを同じにする重ね合わせ検査マークのパターンが用いられている。この場合、2層目の重ね合わせ検査マークのパターン102の幅は、2層目の本番パターン101の幅と同一の幅に形成されているため、それぞれの収差による位置ずれ量が同一になり、2層目の重ね合わせ検査マークのパターン102と2層目の本番パターン101とが、マスクに形成された開口パターンと相対的に同じ間隔を有して形成される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記図12および図13に示したような場合において、2層目の重ね合わせ検査マークのパターン102が形成されている1層目の重ね合わせ検査マークのパターン105bの表面の高さと、2層目の本番パターン101が形成されている1層目の本番パターン105aの表面の高さとが同一に形成されていたため、焦点深度の問題を考慮する必要がなかった。
【0009】
しかしながら、図14および図15に示すように、2層目の重ね合わせ検査マークのパターン102が形成されている1層目の重ね合わせ検査マークのパターン105bの表面の高さと、2層目の本番パターン101が形成されている1層目の重ね合せ検査マークのパターン105aの表面の高さとが異なって形成されている場合、その高さの差を補うだけの焦点深度が確保できない、すなわち、焦点が合わず、精確に2層目の重ね合せ検査マークのパターン102が形成できないという問題が生じる。
【0010】
通常の設計では、2層目の重ね合わせ検査マークのパターン102が形成されている1層目の重ね合わせ検査マークのパターン105bの表面の高さと、2層目の本番パターン101が形成されている1層目の本番パターン105aの表面の高さとの差は、最大でも上下それぞれ0.6μm程度である。そのため、焦点深度を1.2μm程度より大きく確保できるようにすれば、2層目の重ね合わせ検査マークのパターン102が形成されている1層目の重ね合わせ検査マークのパターン105bの表面の高さと、2層目の本番パターン101が形成されている1層目の本番パターン105aの表面の高さとの差がある場合にも、焦点が合った状態でパターン形成を行うことができる。
【0011】
この焦点深度を大きくする方法として、2層目の重ね合わせ検査マークのパターン102の幅を、2層目の本番パターン101の幅より大きくすることが考えられる。この方法によれば、2層目の重ね合わせ検査マークのパターン102を形成するためのマスクの開口幅を、2層目の本番パターン101を形成するためのマスクの開口幅より大きくすることにより、2層目の重ね合わせ検査マークのパターン102を形成するためのマスクの開口を通過する光の回折角を小さくする。これにより、光の基板面に対して入射する角度がより垂直に近づき、焦点深度が大きくなる。
【0012】
しかしながら、焦点深度を大きく確保するために、2層目の重ね合わせ検査マークのパターン102の幅を、2層目の本番パターン101の幅より大きくし過ぎると、上記収差による位置ずれ量の相違による影響が大きくなる。そのため、収差に起因する位置ずれ量の相違によるパターン形成時の形成誤差がある場合にも、重ね合せ検査測定時に、重ね合せ検査測定における許容測定誤差の範囲内で重ね合せ検査測定が行え、かつ、重ね合わせ検査マーク形成時に、焦点深度が十分確保できる状態で重ね合わせ検査マークのパターンが形成できるように、2層目の重ね合わせ検査マークのパターン102の幅を、2層目の本番パターン101の幅より大きくしなければならない。
【0013】
ここで、重ね合わせのずれ量の許容測定誤差について説明する。通常、0. 2μm〜1.0μm程度のライン状の本番パターンの場合、重ね合わせのずれ量の許容測定誤差の規格数値は60nmである。すなわち、全ての測定誤差を合わせて、60nm以下にしなければならない。この測定誤差を生じさせるものとしては、露光装置に起因する測定誤差、ウェハに起因する測定誤差および光の収差に起因する位置ずれ量の相違によるパターン形成時の形成誤差が考えられる。この許容測定誤差60nmのうち、露光装置(ステッパ)のオフセット、回転および倍率に起因する測定誤差は25nm程度であり、ウェハ成分に起因する測定誤差は、30nm程度である。したがって、収差による位置ずれ量の相違によるパターン形成時の形成誤差は、5nm以下に押さえなければならない。
【0014】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、本番パターンと重ね合わせ検査マークのパターンとが段差を有して形成される場合にも、許容測定誤差内で重ね合わせ測定が行える重ね合わせ検査マークを有する半導体装置を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の本発明の重ね合わせ検査マークを備える半導体装置は、半導体装置の同一のリソグラフィ工程において形成される、重ね合わせ検査マークと本番パターンを備える半導体装置であって、本番パターンは、パターンの転写時に、収差に起因して、本番パターンの幅に基づいて第1位置ずれ量の位置ずれを生じるパターンを含み、重ね合わせ検査マークは、パターンの転写時に、収差に起因して、重ね合わせ検査マークの幅に基づいて第2位置ずれ量の位置ずれを生じるパターンを含み、重ね合わせ検査マークの幅および本番パターンの幅は、第1位置ずれ量と第2位置ずれ量との差が許容値以下になるように設定され、重ね合わせ検査マークの幅は、本番パターンと重ね合わせ検査マークのパターンの高さが異なる場合に、焦点深度が確保されるように、本番パターンの幅よりも大きく設定されており、本番パターンの幅と重ね合わせ検査マークの幅との差は、0.085μm以上0.1μm以下である。
【0016】
このような構造にすることにより、パターン転写時の収差に起因する、本番パターンと重ね合わせ検査マークのパターンとの位置ずれ量の相違を所定の値以下にすることができる。また、本番パターンと重ね合せ検査マークのパターンとの基板上の高低差を見込んだ焦点深度を確保することができる。そのため、本番パターンと重ね合わせ検査マークのパターンとが段差を有して形成される場合においても、重ね合わせ検査マーク形成時に、焦点深度を十分に確保した状態で重ね合わせ検査マークが形成できるため、精確な重ね合わせ検査マークが形成できる。また、収差による位置ずれ量の相違が許容形成誤差の範囲内で、重ね合せ検査マークを形成できるため、重ね合せ検査測定時に、許容測定誤差の範囲内で、重ね合わせ検査測定をすることができる。
【0017】
請求項2に記載の本発明の重ね合せ検査マークを備える半導体装置は、請求項1に記載の重ね合せ検査マークを備える半導体装置において、本番パターンが、0.2μm〜1.0μmの範囲の幅を有するライン状であ
【0018】
通常、ラインサイズごとに収差による位置ずれ量は固有の値を示し、ライン状の重ね合せ検査マークのパターンの幅と、ライン状の本番パターンの幅とが決まれば、それぞれのパターンの収差による位置ずれ量の差が決まる。そこで、上記のように、ライン状の重ね合せ検査マークのパターンの幅と、ライン状の本番パターンの幅とが0.1μm以下の差であるような数値範囲に設定することにより、ライン状の本番パターンの幅が0.2μm〜1.0μmの範囲で、ラインサイズと収差による位置ずれ量との関係から、収差による位置ずれ量の相違を許容形成誤差(5nm)以下にすることができる。
【0019】
また、ラインサイズごとに焦点深度は固有の値を示し、ラインサイズが大きくなるにしたがって焦点深度は大きくなる。そこで、上記のように、ライン状の重ね合せ検査マークのパターンの幅を、ライン状の本番パターンの幅より0.085μm以上大きくなるように設定することにより、ラインサイズと焦点深度との関係から、本番パターンの表面と重ね合わせ検査マークのパターンの表面との間に段差(最大でも上下に0.06μmずつ)がある場合にも、焦点深度(1.2μm)を十分に確保することが可能となる。
【0020】
請求項3に記載の本発明の重ね合わせ検査マークを備える半導体装置は、請求項1に記載の重ね合せ検査マークを備える半導体装置において、本番パターンは、開口幅が0.3μm〜1.0μmの範囲の開口幅を有するホール状であり、重ね合せ検査マークのパターンは、ホール状の本番パターンの開口幅より0.1μm以下の範囲で大きい開口幅を有するホール状である。
【0021】
通常、ホールサイズごとに収差による位置ずれ量は固有の値を示し、ホール状の重ね合せ検査マークのパターンの開口幅と、ホール状の本番パターンの開口幅とが決まれば、それぞれのパターンの収差による位置ずれ量の差が決まる。そこで、上記のように、ホール状の重ね合わせ検査マークの開口幅とホール状の本番パターンの開口幅との差を0.1μm以下の数値範囲に設定することにより、ホール状の本番パターンの開口幅が0.3μm〜1.0μmの範囲で、ホールサイズと収差の位置ずれ量との関係から、収差による位置ずれ量の相違を許容形成誤差(5nm)以下にすることができる。
【0022】
また、ホールサイズごとに焦点深度は固有の値を示し、ホールサイズが大きくなるにしたがって焦点深度は大きくなる。そこで、上記のように、ホール状の重ね合せ検査マークのパターンの開口幅をホール状の本番パターンの開口幅より大きく設定することにより、ホールサイズと焦点深度との関係から、ホール状の本番パターンの表面と重ね合わせ検査マークのパターンの表面との間に段差(最大でも上下に0.06μmずつ)がある場合にも、焦点深度(1.2μm)が十分にとれるようにすることが可能となる。
【0023】
なお、開口幅とは、ホールパターンが円形の場合は、円の直径であり、ホールパターンが四角形の場合は、1辺の長さである。
【0024】
前述の許容値は5nm以下であることが望ましい。また、本番パターンと重ね合わせ検査マークのパターンとは、1.2μm以下の高さの差を有していることが望ましい
【0025】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1の重ね合わせ検査マークを図1〜図5を用いて説明する。本実施の形態の重ね合わせ検査マークは、図1および図2に示すように、半導体基板5上の、ライン状の本番パターン1を形成する回路領域11の横に配置されたスクライブライン領域12に、4角形の4辺をライン状にして配置されている。
【0026】
また、1層目の本番パターン5aと1層目の重ね合わせ検査マークのパターン5bとは、スクライブライン領域12の溝10により段差を隔てて設けられている。また、2層目の本番パターン1は、1層目の本番パターン5aの上に設けられ、2層目の重ね合わせ検査マークのパターン2は、1層目の重ね合せ検査マークのパターン5bの上に設けられている。
【0027】
この2層目の本番パターン1の幅は0.2μm、2層目の重ね合わせ検査マークのパターン2の幅は0.29μmであり、2層目の重ね合わせ検査マークのパターン2の幅は、2層目の本番パターン1の幅よりも0.09μmだけ大きくなっている。また、2層目の本番パターン1が設けられている1層目のパターン5aの表面と、2層目の重ね合わせ検査マークのパターン2が設けられている1層目の重ね合わせ検査マークのパターン5bの表面とは、その高さが0.6μmだけ異なっている。
【0028】
この場合、図3に示している、収差による位置ずれ量とラインサイズとの関係から分かるように、2層目の本番パターン1と2層目の重ね合わせ検査マークのパターン2とは、パターン転写後における収差による位置ずれ量が、それぞれ約15nmおよび約11nmであり、その差は、約4nmである。したがって、2層目の重ね合わせ検査マークのパターン2の幅を、2層目の本番パターン1の幅よりも0.09μmだけ大きくすることにより、収差によるずれ量の相違を許容形成誤差(5nm)以下にできることが分かる。
【0029】
このとき、一般に、図3に示すように、2層目の本番パターン1の幅が0.2〜1.0μmの範囲でどうのような値をとっても、2層目の本番パターン1の幅と、2層目の重ね合わせ検査マークのパターン2の幅との差が、0.1μm以下である場合は、収差によるずれ量の相違が許容形成誤差(5nm)以下となる。
【0030】
また、図4に示すように、2層目の重ね合わせ検査マークのパターン2の幅は0.29μmであるため、焦点深度は1.3μm程度となる。その結果、2層目の本番パターン1が設けられている1層目の本番パターン5aの表面と、重ね合わせ検査マークの2層目のパターン2が設けられている1層目の重ね合わせ検査マークのパターン5bの表面とは、その高さが0.6μmだけ異なっていても、必要な焦点深度(1.2μm)を確保することが可能となるため、パターン転写時に、それぞれのパターンは、精確に形成される。
【0031】
このとき、通常、必要とされる焦点深度(1.2μm)を確保することが可能となる、2層目の重ね合わせ検査マークのパターン2の幅は、図4に示すように、0.285μm以上である。
【0032】
したがって、重ね合わせ検査マークと本番パターンとの関係を上記のような数値範囲にすることにより、2層目の本番パターンが0.2μm〜1.0μmの範囲である場合に、2層目の本番パターン1と重ね合せ検査マーク2との幅の差を0.1μm以下にすれば、重ね合わせ検査マークと本番パターンとを形成するときの、収差による位置ずれ量の相違を許容形成誤差(5nm)以下にすることができる。また、2層目の重ね合せ検査マーク2の幅を、2層目の本番パターン1よりも0.085μm以上大きくすれば、焦点深度(1.2μm)を確保することが可能となる。その結果、重ね合せ検査マークと本番パターンとが通常の段差(最大でも上下0.6μmずつ)を有していても、焦点深度を確保することが可能となるとともに、パターン転写後に収差による位置ずれ量の相違を生じても、許容できる範囲の形成誤差の範囲の重ね合わせ検査マークとなる。
【0033】
なお、図5に示すように、複数の2層目のライン状の本番パターン1の太さがそれぞれ異なる場合は、それぞれの2層目のライン状の本番パターン1のうち最も厳しい精度が要求される2層目のライン状の本番パターン1の幅に対して0.085μm〜0.1μmの範囲で、2層目の重ね合わせ検査マークのパターン2の幅を大きくすれば、他のライン状の本番パターンについても、許容できる範囲の測定誤差で、重ね合わせ測定をすることができる。
【0034】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2の重ね合せ検査マークを図6〜図9を用いて説明する。本実施の形態の重ね合せ検査マークは、図6および図7に示すように、実施の形態1のライン状の重ね合せ検査マークを、ホール状の本番パターンに合わせて、所定の間隔を有するホール状の重ね合わせ検査マークで形成した場合である。この2層目の本番パターン1の径は0.3μm、2層目の重ね合わせ検査マークのパターン2の径は0.35μmであり、2層目の重ね合わせ検査マークのパターン2の径は、2層目の本番パターン1の径よりも0.05μmだけ大きくなっている。
【0035】
この場合、図8に示している、収差による位置ずれ量とホールサイズとの関係から分かるように、2層目の本番パターン1と2層目の重ね合わせ検査マークのパターン2とは、パターン転写時の収差による位置ずれ量が、それぞれ約10nmおよび約6nmであり、その差は、約4nmである。したがって、収差による位置ずれ量の相違は、許容形成誤差(5nm)以下となる。その結果、収差による位置ずれ量の相違は、2層目の重ね合わせ検査マークのパターン2の開口幅が、2層目の本番パターン1の幅よりも0.05μmだけ大きくなっていても、許容形成誤差の範囲となる。
【0036】
このとき、一般に、収差による位置ずれ量の差が5nm以下となるのは、図8に示すように、2層目の本番パターン1の開口幅が0.3〜1.0μmの範囲でどうのような値をとっても、2層目の本番パターン1の開口幅と、2層目の重ね合わせ検査マークのパターン2の開口幅との差が、0.1μm以下である場合に成り立つ。
【0037】
また、図9に示すように、重ね合わせ検査マークの2層目のパターン2の径は0.35μmであるため、焦点深度は1.6μm程度となる。このとき、必要となる焦点深度(1.2μm)とることが可能となる、2層目の重ね合わせ検査マークのパターン2の径は、0.285μm以上である。
【0038】
したがって、2層目の重ね合せ検査マークのパターン2の径を、2層目の本番パターン1の径より0.1μm以下の範囲で大きくすれば、重ね合せ検査マークと本番パターンとを形成した後の収差によるずれ量の相違を許容形成誤差(5nm)以下にすることができる。
【0039】
また、ホール状のパターンの焦点深度(1.2μm)を確保するためには、ホール状のパターンの径が0.285μm以上あればよいため、2層目の重ね合せ検査マークのパターン2の径を、2層目の本番パターン1の径(0.3μm)より大きくすれば、必要焦点深度(1.2μm)を確保することが可能となる。その結果、通常の段差(0.6μm)を有していても、焦点深度を確保することが可能な状態で重ね検査マークのパターンを形成でき、また、重ね合わせ検査マークの形成誤差を、収差による位置ずれ量の相違が生じた場合にも、許容形成誤差の範囲となる。
【0040】
また、複数のホール状のパターンの径の大きさがそれぞれ異なる場合は、それぞれのホール状のパターンのうち最も厳しい精度が要求されるホール状のパターンに対して0.1μm以下の範囲で重ね合わせ検査マークの幅を大きくすれば、他のホール状のパターンについても、許容できる範囲の重ね合せ測定誤差となる、重ね合わせ検査マークを形成することができる。
【0041】
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0042】
【発明の効果】
請求項1に記載の本発明の重ね合わせ検査マークを備える半導体装置によれば、収差に起因する、本番パターンと重ね合わせ検査マークのパターンとのパターン転写時の位置ずれ量の相違を所定の値以下に抑制することができる。また、本番パターンと重ね合わせ検査マークのパターンとが段差を有して設けられる場合にも焦点深度を確保することができる。
【0043】
請求項2に記載の本発明の重ね合わせ検査マークを備える半導体装置によれば、0.2μm〜1.0μmの幅のラインパターンに応じて形成される重ね合わせ検査マークにおいて、収差による位置ずれ量の相違を許容形成誤差(5nm)以下にすることができ、かつ、本番パターンと重ね合わせ検査マークとに段差を有して形成される場合にも、焦点深度(1.2μm)が十分に確保される。
【0044】
請求項3に記載の本発明の重ね合わせ検査マークを備える半導体装置によれば、0.3μm〜1.0μmの開口幅のホールパターンに応じて形成されるホールパターンの重ね合わせ検査マークにおいて、収差による位置ずれ量の相違を許容形成誤差(5nm)以下にすることができ、かつ、本番パターンと重ね合わせ検査マークとが段差を有して形成される場合にも、焦点深度(1.2μm)が十分に確保される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1の、本番パターンと重ね合わせ検査マークのパターンとを示す平面図である。
【図2】 実施の形態1の、本番パターンと重ね合わせ検査マークのパターンとを示す断面図である。
【図3】 収差による位置ずれ量とラインサイズとの関係を示すグラフを表す図である。
【図4】 焦点深度とラインサイズとの関係を示すグラフを表す図である。
【図5】 実施の形態1の他の例の、本番パターンと重ね合わせ検査マークのパターンとを示す平面図である。
【図6】 実施の形態2の、本番パターンと重ね合わせ検査マークのパターンとを示す平面図である。
【図7】 実施の形態2の、本番パターンと重ね合わせ検査マークのパターンとを示す断面図である。
【図8】 収差による位置ずれ量の相違とホールサイズとの関係を示すグラフを表す図である。
【図9】 焦点深度とホールサイズとの関係を示すグラフを表す図である。
【図10】 従来の、本番パターンと重ね合わせ検査マークのパターンとのライン幅が異なる場合を示す平面図である。
【図11】 従来の、本番パターンと重ね合わせ検査マークのパターンとのライン幅が異なる場合を示す断面図である。
【図12】 従来の、本番パターンと重ね合わせ検査マークのパターンとのライン幅が同一の場合を示す平面図である。
【図13】 従来の、本番パターンと重ね合わせ検査マークのパターンとのライン幅が同一の場合を示す断面図である。
【図14】 従来の、本番パターンと重ね合わせ検査マークのパターンとが、同一の幅で、形成された位置の高さが異なる場合を示す平面図である。
【図15】 従来の、本番パターンと重ね合わせ検査マークのパターンとが、同一の幅で、形成された位置の高さが異なる場合を示す断面図である。
【符号の説明】
1 2層目の本番パターン、2 2層目の重ね合わせ検査マークのパターン、5 半導体基板、5a 1層目の本番パターン、5b 1層目の重ね合わせ検査マークのパターン、10 溝。

Claims (5)

  1. 半導体装置の同一のリソグラフィ工程において形成される、重ね合わせ検査マークと本番パターンを備える半導体装置であって、
    前記本番パターンは、パターンの転写時に、収差に起因して、前記本番パターンの幅に基づいて第1位置ずれ量の位置ずれを生じるパターンを含み、
    前記重ね合わせ検査マークは、パターンの転写時に、収差に起因して、前記重ね合わせ検査マークの幅に基づいて第2位置ずれ量の位置ずれを生じるパターンを含み、
    前記重ね合わせ検査マークの幅および前記本番パターンの幅は、前記第1位置ずれ量と前記第2位置ずれ量との差が許容値以下になるように設定され、
    前記重ね合わせ検査マークの幅は、
    前記本番パターンと前記重ね合わせ検査マークのパターンの高さが異なる場合に、焦点深度が確保されるように、前記本番パターンの幅よりも大きく設定されており、前記本番パターンの幅と前記重ね合わせ検査マークの幅との差は、0.085μm以上0.1μm以下である、重ね合わせ検査マークを備える半導体装置。
  2. 前記本番パターンが、0.2μm〜1.0μmの範囲の幅を有するライン状であ、請求項1に記載の重ね合わせ検査マークを備える半導体装置。
  3. 前記本番パターンが、0.3μm〜1.0μmの範囲の開口幅を有するホール状であり、
    前記重ね合せ検査マークのパターンが、前記ホール状の本番パターンの開口幅より0.1μm以下の範囲で大きい開口幅を有するホール状である、請求項1に記載の重ね合わせ検査マークを備える半導体装置。
  4. 前記許容値が5nm以下である、請求項1に記載の重ね合わせ検査マークを備える半導体装置。
  5. 前記本番パターンと前記重ね合わせ検査マークのパターンとは、1.2μm以下の高さの差を有している、請求項1に記載の重ね合わせ検査マークを備える半導体装置。
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