JP4132280B2 - 潤滑油組成物 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は優れた摩擦特性とその持続性を備えた潤滑油組成物に関し、詳しくは、特に摩擦により影響を受ける部位を持つ機構に使用される潤滑油、例えば、湿式クラッチを使用した多段式自動変速機用潤滑油、金属ベルトを使用した無段変速機用潤滑油、トラクションドライブを使用した無段変速機用潤滑油として、またシンクロナイザリングを使用した手動変速機用潤滑油として、あるいはまたトラクター等に使用される変速機とブレーキを同時に潤滑する共通潤滑用潤滑油等の動力伝達機構用の潤滑油として使用するのに適した潤滑油組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
自動車の多段式自動変速機の場合、一般に変速は湿式摩擦機構を利用した変速クラッチを使用して行われるが、この部分にはクラッチの係合時のショックを和らげるために、係合直前の摩擦係数を下げる摩擦調整剤が添加された潤滑油組成物が使用される。特に近年、トルクコンバーターに湿式摩擦機構を利用したのロックアップクラッチが自動変速機に採用されるようになったが、このロックアップクラッチの滑りロックアップ制御では、自励振動(シャダー)の発生を防ぐため摩擦調整剤が巧みに組み合わされた潤滑油組成物の使用が不可欠である。
金属ベルトを使用した無段変速機やトラクションドライブを使用した無段変速機でも、湿式クラッチ(湿式摩擦機構を利用した変速クラッチやロックアップクラッチ)が使用されている場合、同様の問題が生ずるため、同様に摩擦調整剤が添加された潤滑油組成物が使用される。
しかしながら、従来使用されているこれらの潤滑油組成物の性能はかならずしも十分でなく、特に摩擦特性とその耐久性(持続性)に問題がある。そのためしばしばオイル交換が必要であった。
また、シンクロメッシュ機構にシンクロナイザリングを使用した自動車用手動変速機では、変速操作時に引っ掛かりと呼ばれる不具合が生じ易い。これは変速操作時、一旦静止したシンクロナイザリングを若干ギヤコーン上で滑らす必要があり、このときの静摩擦係数が高いと引っかかりが発生する。これを防止するためには静摩擦係数を低下させる摩擦調整剤を添加した潤滑油組成物が使用されるが、従来の手動変速機用潤滑油組成物では十分な摩擦特性が得られていなかった。
一方、トラクターでは変速機とブレーキは同じ潤滑油で潤滑する共通潤滑がほとんどであるため、使用する潤滑油にはブレーキ鳴き防止の性能が要求される。ブレーキ鳴きは湿式ブレーキ(湿式摩擦機構を利用したブレーキ)のスティックスリップ又は自励振動によって発生する。これを防ぐにも、より低速滑り条件で摩擦係数を下げる特性を持つ摩擦調整剤が添加された潤滑油組成物が使用される。しかしながら従来のトラクター用の潤滑油組成物は、その性能が十分でなく、しばしばブレーキ鳴きを生じ製品のクレームが発生していた。
本発明は、このような実情に鑑みなされたものであり、その目的は摩擦特性とその耐久性に優れ、特に、自動車の自動変速機油、無段変速機油、手動変速機油として、あるいはまたトラクターの共通潤滑用潤滑油等の動力伝達機構用潤滑油として優れた適性を有する潤滑油組成物を提供することにある。
【0003】
【課題を解決するための手段】
本発明は、潤滑油基油に、下記の一般式(1)で表されるジオール化合物(以下これを(A)成分と呼ぶ)を組成物全量基準で0.01〜5.0質量%、及び(D)一般式(13)で表されるリン系化合物、一般式(14)で表されるリン系化合物、及びこれらのリン系化合物の誘導体からなる群より選ばれる少なくとも一種を組成物全量基準でリン元素量として0.005〜0.5質量%含有してなる変速機用潤滑油組成物である。
化5
Figure 0004132280
(一般式(1)中、R1は炭素数14〜30のアルキル基又はアルケニル基である。)
化6
Figure 0004132280
(一般式(13)中、R 66 、R 67 及びR 68 は、それぞれ個別に、水素原子又は炭素数1〜30の炭化水素基を示し、かつ、R 66 、R 67 及びR 68 のうち少なくとも1つは炭化水素基であり、X 、X 、X 及びX は、それぞれ個別に酸素原子又は硫黄原子を示す。)
化7
Figure 0004132280
(一般式(14)中、R 69 、R 70 及びR 71 は、それぞれ個別に、水素原子又は炭素数1〜30の炭化水素基を示し、かつ、R 69 、R 70 及びR 71 のうち少なくとも1つは炭化水素基であり、X 、X 及びX は、それぞれ個別に酸素原子又は硫黄原子を示す。)
また本発明は、潤滑油基油に、(A)下記一般式(1)で表されるジオール化合物を組成物全量基準で0.01〜5.0質量%含有してなる手動変速機用潤滑油組成物である。
化8
Figure 0004132280
(一般式(1)中、R 1 は炭素数14〜30のアルキル基又はアルケニル基である。)
本発明に係る潤滑油組成物の好ましいものの一つは、上に規定した量の(A)成分に加えてさらに、リンを含有しない摩擦調整剤(以下これを(B)成分と呼ぶ)を組成物全量基準で0.01〜5.0質量%含有する。
本発明に係る潤滑油組成物の好ましいものの他の一つは、上に規定した量の(A)成分に加えて、コハク酸イミド系無灰分散剤(以下これを(C)成分と呼ぶ)を組成物全量基準で0.5〜15.0質量%含有する。
本発明に係る潤滑油組成物の好ましいものの別の一つは、上に規定した量の(A)成分及び(B)成分に加えて、上に規定した量の(C)成分を含有する。
本発明に係る潤滑油組成物の好ましいもののさらに別の一つは、上に規定し量の(A)成分に加えて、リン系化合物(以下これを(D)成分と呼ぶ)をリン元素量とし組成物全量基準で0.005〜0.5質量%含有する。
本発明に係る潤滑油組成物の好ましいものの他の一つは、上に規定した量の(A)成分及び(B)成分に加えて、上に規定した量の(D)成分を含有する。
本発明に係る潤滑油組成物の好ましいものの別の一つは、上に規定した量の(A)成分及び(C)成分に加えて、上に規定した量の(D)成分を含有する。本発明に係る潤滑油の好ましいもののさらに別の一つは、上に規定した量の(A)成分、(B)成分及び(C)成分に加えて、上に規定した量の(D)成分を含有する。
本発明に係る潤滑油組成物の好ましいものの他の一つは、上記した量の(A)成分に加えて、塩基性金属系清浄剤(以下これを(E)成分と呼ぶ)を組成物全量基準で0.1〜5.0質量%含有する。
本発明に係る潤滑油組成物の好ましいものの別の一つは、上記した量の(A)成分及び(B)成分に加えて、上に規定した量の(E)成分を含有する。
本発明に係る潤滑油組成物の好ましいもののさらに別の一つは、上記した量の(A)成分及び(C)成分に加えて、上に規定した量の(E)成分を含有する。
本発明に係る潤滑油組成物の好ましいものの他の一つは、上記した量の(A)成分及び(D)成分に加えて、上に規定した量の(E)成分を含有する。
本発明に係る潤滑油組成物の好ましいものの別の一つは、上に規定した量の(A)成分、(B)成分及び(C)成分に加えて、上に規定した量の(E)成分を含有する。
本発明に係る潤滑油組成物の好ましいもののさらに別の一つは、上に規定した量の(A)成分、(B)成分及び(D)成分に加えて、上に規定した量の(E)成分を含有する。
本発明に係る潤滑油組成物の好ましいものの他の一つは、上に規定した量の(A)成分、(C)成分及び(D)成分に加えて、上に規定した量の(E)成分を含有する。
本発明に係る潤滑油組成物の好ましいものの別の一つは、上に規定した量の(A)成分、(B)成分、(C)成分及び(D)成分に加えて、上に規定した量の(E)成分を含有する。
本発明に係る潤滑油組成物の好ましいもののさらに別の一つは、上に規定した量の(A)成分に加えて、ジチオリン酸亜鉛(以下これを(F)成分と呼ぶ)を組成物全量基準で0.05〜5.0質量%含有する。
本発明に係る潤滑油組成物の好ましいものの他の一つは、上に規定した量の(A)成分及び(B)成分に加えて、上に規定した量の(F)成分を含有する。
本発明に係る潤滑油組成物の好ましいものの別の一つは、上に規定した量の(A)成分及び(C)成分に加えて、上に規定した量の(F)成分を含有する。
本発明に係る潤滑油組成物の好ましいもののさらに別の一つは、上に規定した量の(A)成分及び(D)成分に加えて、上に規定した量の(F)成分を含有する。
本発明に係る潤滑油組成物の好ましいものの他の一つは、上に規定した量の(A)成分及び(E)成分に加えて、上に規定した量の(F)成分を含有する。
本発明に係る潤滑油組成物の好ましいものの別の一つは、上に規定した量の(A)成分、(B)成分及び(C)成分に加えて、上に規定した量の(F)成分を含有する。
本発明に係る潤滑油組成物の好ましいもののさらに別の一つは、上に規定した量の(A)成分、(B)成分及び(D)成分に加えて、上に規定した量の(F)成分を含有する。
本発明に係る潤滑油組成物の好ましいものの他の一つは、上に規定した量の(A)成分、(B)成分及び(E)成分に加えて、上に規定した量の(F)成分を含有する。
本発明に係る潤滑油組成物の好ましいものの別の一つは、上に規定した量の(A)成分、(C)成分及び(D)成分に加えて、上に規定した量の(F)成分を含有する。
本発明に係る潤滑油組成物の好ましいもののさらに別の一つは、上に規定した量の(A)成分、(C)成分及び(E)成分に加えて、上に規定した量の(F)成分を含有する。
本発明に係る潤滑油組成物の好ましいものの他の一つは、上に規定した量の(A)成分、(D)成分及び(E)成分に加えて、上に規定した量の(F)成分を含有する。
本発明に係る潤滑油組成物の好ましいものの別の一つは、上に規定した量の(A)成分、(B)成分、(C)成分及び(D)成分に加えて、上に規定した量の(F)成分を含有する。
本発明に係る潤滑油組成物の好ましいもののさらに別の一つは、上に規定した量の(A)成分、(B)成分、(C)成分及び(E)成分に加えて、上に規定した量の(F)成分を含有する。
本発明に係る潤滑油組成物の好ましいものの他の一つは、上に規定した量の(A)成分、(B)成分、(D)成分及び(E)成分に加えて、上に規定した量の(F)成分を含有する。
本発明に係る潤滑油組成物の好ましいものの別の一つは、上に規定した量の(A)成分、(C)成分、(D)成分及び(E)成分に加えて、上に規定した量の(F)成分を含有する。
本発明に係る潤滑油組成物の好ましいもののさらに別の一つは、上に規定した量の(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分及び(E)成分に加えて、上に規定した量の(F)成分を含有する。
本発明の変速機用潤滑油組成物は、自動変速機用潤滑油又は無段変速機用潤滑油として用いるのが好ましい。
本発明の変速機用潤滑油組成物はまた、手動変速機用潤滑油として用いるのが好ましい。
【0004】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の内容をさらに詳細に説明する。本発明の変速機用潤滑油組成物(以下単に、潤滑油組成物と称する場合がある)の必須成分は、下記の一般式(1)で表されるジオール化合物である(以下、これを(A)成分と呼ぶ)。
化9
Figure 0004132280
一般式(1)中、R1は炭素数14〜30、好ましくは14〜24のアルキル基又はアルケニル基を示す。R1の炭素数が14未満である場合及び30を越える場合は、潤滑油の摩擦特性が悪化するため、それぞれ好ましくない。このアルキル基又はアルケニル基は、直鎖状でも分枝状でも良いが、摩擦特性に優れる点から直鎖状であることが好ましい。R1の具体例としては、例えば、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基、トリコシル基、テトラコシル基、ペンタコシル基、ヘキサコシル基、ヘプタコシル基、オクタコシル基、ノナコシル基、トリアコンチル基等のアルキル基(これらアルキル基は直鎖状でも分枝状でも良い);テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサデセニル基、ヘプタデセニル基、オクタデセニル基、ノナデセニル基、イコセニル基、ヘンイコセニル基、ドコセニル基、トリコセニル基、テトラコセニル基、ペンタコセニル基、ヘキサコセニル基、ヘプタコセニル基、オクタコセニル基、ノナコセニル基、トリアコンテニル基等のアルケニル基(これらアルケニルは直鎖状でも分枝状でも良く、また二重結合の位置も任意である);等が挙げられる。
(A)成分である一般式(1)のジオール化合物として特に好ましいものには、1,2−ヘキサデカンジオール、1,2−オクタデカンジオール、1,2−イコサンジオール、1,2−ドコサンジオール、1,2−テトラコサンジオール、1,2−ヘキサコサンジオール、9−オクタデセン−1,2−ジオール、11−イコセン−1,2−ジオール等が含まれる。
本発明の(A)成分には、一般式(1)のジオール化合物の1種又は2種以上を使用することができ、2種以上を混用する場合の各ジオール化合物の混合割合も任意に選ぶことができる。
本発明の潤滑油組成物は、(A)成分を含有しているが故に、当該組成物を自動変速機や無段変速機に用いた場合には、その湿式クラッチ部における変速ショックを低減させ、すなわち、μ0(クラッチが系合する直前の摩擦係数)/μd(動摩擦係数)を低下させ、しかもその低下効果を長期間持続するという優れた耐久性を発揮する。
また、本発明の潤滑油組成物を手動変速機に用いた場合では、手動変速機で使用されるシンクロナイザリングの材質である銅合金での静摩擦係数(μs)の低下効果に著効を発揮する。
本発明の潤滑油組成物において、(A)成分の含有量の下限値は組成物全量基準で0.01質量%、好ましくは0.05質量%であり、一方、その上限値は、組成物全量基準で5.0質量%、好ましくは3.0質量%である。(A)成分の含有量が組成物全量基準で0.01質量%に満たない場合は、ジオール化合物配合による摩擦特性の改善効果に乏しく、一方、含有量が組成物全量基準で5.0質量%を越える場合は、静摩擦係数μsが下がりすぎ、湿式クラッチ等の動力伝達部位での動力の伝達容量が低下するため、それぞれ好ましくない。
【0005】
本発明の潤滑油組成物における基油には、通常の潤滑油の基油として用いられる任意の鉱油及び/又は合成油が使用できる。基油の動粘度は特に限定されず任意であるが、通常は100℃における動粘度が1〜10mm2/s、好ましくは2〜8mm2/sであるものを用いるのが望ましい。
使用可能な鉱油の具体例としては、例えば、原油を常圧蒸留及び減圧蒸留して得られた潤滑油留分を、溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、接触脱ろう、水素化精製、硫酸洗浄、白土処理等の精製処理等を適宜組み合わせて精製したパラフィン系、ナフテン系等の油やノルマルパラフィン等が挙げられる。
また合成油としては、特に制限はないが、ポリ−α−オレフィン(1−オクテンオリゴマー、1−デセンオリゴマー、エチレン−プロピレンオリゴマー等)及びその水素化物、イソブテンオリゴマー及びその水素化物、イソパラフィン、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、ジエステル(ジトリデシルグルタレート、ジ2−エチルヘキシルアジペート、ジイソデシルアジペート、ジトリデシルアジペート、ジ2−エチルヘキシルセバケート等)、ポリオールエステル(トリメチロールプロパンカプリレート、トリメチロールプロパンペラルゴネート、ペンタエリスリトール2−エチルヘキサノエート、ペンタエリスリトールペラルゴネート等)、ポリオキシアルキレングリコール、ジアルキルジフェニルエーテル、並びにポリフェニルエーテル等が使用できる。
トラクションドライブ機構を有する無段変速機用の潤滑油として、本発明の潤滑油組成物を用いる場合には、その基油としてイソブテンオリゴマーあるいはその水素化物、又は下記の一般式(2)〜(7)で表される合成油を使用することが特に好ましい。これらの合成油はトラクション係数が高く、低温流動性に優れ、かつ高い高温粘度を有しているので、これらを使用すれば総合的な性能に優れた無段変速機用潤滑油が得られるからである。
【化10】
Figure 0004132280
(一般式(2)中、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9及びR10は、それぞれ個別に水素又は炭素数が1〜8のアルキル基(ナフテン環を含んでもよい。)、好ましくは1〜4のアルキル基を示す。)
【化11】
Figure 0004132280
(一般式(3)中、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19及びR20は、それぞれ個別に水素又は炭素数が1〜8のアルキル基(ナフテン環を含んでもよい。)、好ましくは1〜4のアルキル基を示す。)
【化12】
Figure 0004132280
(一般式(4)中、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R31及びR32は、それぞれ個別に水素又は炭素数が1〜8のアルキル基(ナフテン環を含んでもよい。)、好ましくは1〜4のアルキル基)を示す。)
【化13】
Figure 0004132280
(一般式(5)中、R33、R34、R35、R36、R37及びR38は、それぞれ水素又は炭素数が1〜8のアルキル基(ナフテン環を含んでもよい。)、好ましくは1〜4のアルキル基を示す。)
【化14】
Figure 0004132280
(一般式(6)中、R39、R40、R41、R42、R43及びR44は、それぞれ水素又は炭素数が1〜8のアルキル基(ナフテン環を含んでもよい。)、好ましくは1〜4のアルキル基を示す。)
【化15】
Figure 0004132280
(一般式(7)中、R45、R46、R47、R48、R49及びR50は、それぞれ水素又は炭素数が1〜8のアルキル基(ナフテン環を含んでもよい。)、好ましくは1〜4のアルキル基を示す。)
一般式(2)〜(7)おいてR3〜R50を示すアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、シクロペンチルメチル基、シクロペンチルエチル基、シクロペンチルプロピル基、メチルシクロペンチルメチル基、エチルシクロペンチルメチル基、ジメチルシクロペンチルメチル基、メチルシクロペンチルエチル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルエチル基、メチルシクロヘキシルメチル基、シクロヘプチルメチル基等(アルキル基は直鎖状でも分枝状でも良い)が挙げられ、これらの中でも1〜4のアルキル基が特に好ましい。
なお、一般式(2)〜(7)で表される合成油の詳細については、例えば、本出願人が先に出願した特願平10−96504号、同10−96505号、同10−112711号、同10−112712号、同10−112713号の明細書等に記載されている。
【0006】
本発明の潤滑油組成物は、上記の(A)成分に加えて、さらにリンを含有しない摩擦調整剤,すなわち、(B)成分を含有するのが好ましい。
先に説明した(A)成分を配合した本発明の潤滑油組成物は、摩擦特性とその耐久性に優れたものであるが、湿式クラッチ、シクロナイザリング、湿式ブレーキ等の動力伝達部位における初期のなじみ性が小さい。しかし、(A)成分と(B)成分を併用することにより、初期から優れた摩擦特性を発揮する潤滑油組成物を得ることができる。
(B)成分としては、潤滑油用の摩擦調整剤として通常用いられる任意の化合物が使用可能であるが、特に炭素数6〜30のアルキル基又はアルケニル基を分子中に少なくとも1個有す化合物が好ましい。
(B)成分のアルキル基又はアルケニル基は、直鎖状でも分枝状でも良いが、その炭素数は6〜30、好ましくは9〜24の範囲にある。アルキル基又はアルケニル基の炭素数が6未満場合及び30を越える場合は、潤滑油組成物の摩擦特性が悪化するため、それぞれ好ましくない。
このアルキル基又はアルケニル基の具体例としては、例えば、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基、トリコシル基、テトラコシル基、ペンタコシル基、ヘキサコシル基、ヘプタコシル基、オクタコシル基、ノナコシル基、トリアコンチル基等のアルキル基(これらのアルキル基は直鎖状でも分枝状でも良い);ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサデセニル基、ヘプタデセニル基、オクタデセニル基、ノナデセニル基、イコセニル基、ヘンイコセニル基、ドコセニル基、トリコセニル基、テトラコセニル基、ペンタコセニル基、ヘキサコセニル基、ヘプタコセニル基、オクタコセニル基、ノナコセニル基、トリアコンテニル基等のアルケニル基(これらのアルケニル基は直鎖状でも分枝状でも良く、また二重結合の位置も任意である);等が挙げられる。
本発明の(B)成分に使用して好ましい摩擦調整剤は、
(B−1)炭素数6〜30のアルキル基又はアルケニル基を分子中に少なくとも1個有するアミン化合物又はその誘導体
(B−2)炭素数6〜30のアルキル基又はアルケニル基を分子中に少なくとも1個有する脂肪酸エステル、脂肪酸アミド又は脂肪酸金属塩
に2群に大別することができる。
【0007】
(B−1)群のアミン化合物の具体例としては、例えば、下記の一般式(8)で表される脂肪族モノアミン又はそのアルキレンオキシド付加物、下記の一般式(9)で表される脂肪族ポリアミン、一般式(10)で表されるイミダゾリン化合物等が挙げられる。
【化16】
Figure 0004132280
(一般式(8)中、R51は炭素数6〜30、好ましくは9〜24のアルキル基又はアルケニル基を示し、R52及びR53はそれぞれ個別にエチレン基又はプロピレン基を示し、R54及びR55はそれぞれ個別に水素又は炭素数1〜30の炭化水素基を示し、a及びbは、それぞれ個別に0〜10、好ましくは0〜6の整数を示し、かつa+b=0〜10、好ましくは0〜6である。)
【化17】
Figure 0004132280
(一般式(9)中、R56は炭素数6〜30、好ましくは9〜24のアルキル基又はアルケニル基を示し、R57はエチレン基又はプロピレン基を示し、R58及びR59はそれぞれ個別に水素又は炭素数1〜30の炭化水素基を示し、cは、1〜5、好ましくは1〜4の整数を示している。)
【化18】
Figure 0004132280
(一般式(10)中、R61は炭素数6〜30、好ましくは9〜24のアルキル基又はアルケニル基を示し、R62はエチレン基又はプロピレン基を示し、R63は水素又は炭素数1〜30の炭化水素基を示し、dは、0〜10、好ましくは0〜6の整数を示している。)
なお、一般式(8)〜(10)において、R51、R56及びR60が示すアルキル基又はアルケニル基は、直鎖状でも分枝状でも良いが、その炭素数は6〜30、好ましくは9〜24の範囲にある。アルキル基又はアルケニル基の炭素数が6未満の場合及び30を超える場合は潤滑油組成物の摩擦特性が悪化するため、それぞれ好ましくない。
51、R56及びR60が示すアルキル基又はアルケニル基の具体例としては、(B)成分に関して既に記述した各種のアルキル基やアルケニル基等が挙げられるが、摩擦特性により優れる点から、ラウリル基(直鎖ドデシル基)、ミリスチル基(直鎖テトラデシル基)、パルミチル基(直鎖ヘキサデシル基)、ステアリル基(直鎖オクタデシル基)、オレイル基(直鎖オクタデセニル基)等の炭素数12〜18の直鎖アルキル基又はアルケニル基が特に好ましい。
また、R54、R55、R58、R59及びR62が示す基としては、水素原子のほか、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基、トリコシル基、テトラコシル基、ペンタコシル基、ヘキサコシル基、ヘプタコシル基、オクタコシル基、ノナコシル基、トリアコンチル基等のアルキル基(これらのアルキル基は直鎖状でも分枝状でも良い);ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサデセニル基、ヘプタデセニル基、オクタデセニル基、ノナデセニル基、イコセニル基、ヘンイコセニル基、ドコセニル基、トリコセニル基、テトラコセニル基、ペンタコセニル基、ヘキサコセニル基、ヘプタコセニル基、オクタコセニル基、ノナコセニル基、トリアコンテニル基等のアルケニル基(これらのアルケニル基は直鎖状でも分枝状でも良く、また二重結合の位置も任意である);シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等の炭素数5〜7のシクロアルキル基;メチルシクロペンチル基、ジメチルシクロペンチル基、メチルエチルシクロペンチル基、ジエチルシクロペンチル基、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロヘキシル基、メチルエチルシクロヘキシル基、ジエチルシクロヘキシル基、メチルシクロヘプチル基、ジメチルシクロヘプチル基、メチルエチルシクロヘプチル基、ジエチルシクロヘプチル基等の炭素数6〜11のアルキルシクロアルキル基;フェニル基、ナフチル基等のアリール基:トリル基、キシリル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、ペンチルフェニル基、ヘキシルフェニル基、ヘプチルフェニル基、オクチルフェニル基、ノニルフェニル基、デシルフェニル基、ウンデシルフェニル基、ドデシルフェニル基等の炭素数7〜18の各アルキルアリール基(アルキル基は直鎖状でも分枝状でも良く、また置換位置も任意である);ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基、フェニルペンチル基、フェニルヘキシル基等の炭素数7〜12の各アリールアルキル基(アルキル基は直鎖状でも分枝状でも良く、また置換位置も任意である);等が挙げられる。
一般式(8)で表される脂肪族モノアミン又はそのアルキレンオキシド付加物としては、摩擦特性により優れる点から、一般式(8)におけるR54及びR55が別個に水素又は炭素数1〜6のアルキル基であり、かつa=b=0である脂肪族モノアミンや、R54及びR55が水素であり、かつa及びbが別個に0〜6の範囲の数であり、a+b=1〜6を満たす脂肪族モノアミンのアルキレンオキシド付加物がより好ましく用いられる。
一般式(9)で表される脂肪族ポリアミンとしては、摩擦特性により優れる点から、一般式(9)におけるR58及びR59が、別個に水素又は炭素数1〜6のアルキル基である脂肪族ポリアミンがより好ましく用いられる。
また、一般式(10)で表されるイミダゾリン化合物としては、摩擦特性により優れる点から、一般式(10)におけるR62が、水素又は炭素数1〜6のアルキル基であるイミダゾリン化合物がより好ましく用いられる。
(B−1)群に分類されているアミン化合物の誘導体の具体例としては、例えば、一般式(8)〜(10)で示されるようなアミン化合物に、炭素数2〜30のモノカルボン酸(脂肪酸等)や、シュウ酸、フタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の炭素数2〜30のポリカルボン酸を作用させて、残存するアミノ基及び/又はイミノ基の一部又は全部を中和したり、アミド化した、いわゆる酸変性化合物と、一般式(8)〜(10)で示されるようなアミン化合物に、ホウ酸を作用させて、残存するアミノ基及び/又はイミノ基の一部又は全部を中和した、いわゆるホウ酸変性化合物と、一般式(8)又は(10)で示されるようなアミン化合物に、エチレンオキシドやプロピレンオキシド等のアルキレンオキシドを反応させた、いわゆるアミン化合物のアルキレンオキシド付加物などが挙げられるほか、上記した酸変性、ホウ酸変性、アルキレンオキサイド付加の中から選ばれる2種以上の変性を、アミン化合物に施して得られるアミン変性物等が挙げられる。
(B−1)群に分類されているアミン化合物又はその誘導体の具体例としては、特性に優れる点から、ラウリルアミン、ラウリルジエチルアミン、ラウリルジエタノールアミン、ドデシルジプロパノールアミン、パルミチルアミン、ステアリルアミン、ステアリルテトラエチレンペンタミン、オレイルアミン、オレイルプロピレンジアミン、オレイルジエタノールアミン、N−ヒドロキシエチルオレイルイミダゾリン等のアミン化合物;これらアミン化合物のアルキレンオキシド付加物;これらアミン化合物のアルキレンオキシド付加物;又はこれらの混合物等が特に好ましく用いられる。
【0008】
前記(B−2)群の脂肪酸エステル、脂肪酸アミド又は脂肪酸金属塩における脂肪酸は、直鎖脂肪酸でも分枝脂肪酸でもよく、飽和脂肪酸でも不飽和脂肪酸でも良いが、そのアルキル基又はアルケニル基の炭素数は、6〜30、好ましくは9〜24の範囲にある。脂肪酸のアルキル基又はアルケニル基の炭素数が6未満の場合及び30を超える場合は、湿式クラッチの摩擦特性が悪化するため、それぞれ好ましくない。
この脂肪酸としては、例えば、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸、トリデカン酸、テトラデカン酸、ペンタデカン酸、ヘキサデカン酸、ヘプタデカン酸、オクタデカン酸、ノナデカン酸、イコサン酸、ヘンイコサン酸、ドコサン酸、トリコサン酸、テトラコサン酸、ペンタコサン酸、ヘキサコサン酸、ヘプタコサン酸、オクタコサン酸、ノナコサン酸、トリアコンチル基等の飽和脂肪酸(飽和脂肪酸は直鎖状でも分枝状でも良い);ヘプテン酸、オクテン酸、ノネン酸、デセン酸、ウンデセン酸、ドデセン酸、トリデセン酸、テトラデセン酸、ペンタデセン酸、ヘキサデセン酸、ヘプタデセン酸、オクタデセン酸、ノナデセン酸、イコセン酸、ヘンイコセン酸、ドコセン酸、トリコセン酸、テトラコセン酸、ペンタコセン酸、ヘキサコセン酸、ヘプタコセン酸、オクタコセン酸、ノナコセン酸、トリアコンテン酸等の不飽和脂肪酸(不飽和脂肪酸は直鎖状でも分枝状でも良く、また二重結合の位置も任意である);等が挙げられるが、特に摩擦特性により優れる点から、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、各種油脂から誘導される直鎖脂肪酸(ヤシ油脂肪酸等)の直鎖脂肪酸やオキソ法等で合成される直鎖脂肪酸と分枝脂肪酸の混合物が好ましく用いられる。
(B−2)群に分類されている脂肪酸エステルとしては、前記脂肪酸の多価アルコールエステル等が挙げられる。
この多価アルコールとしては、炭素数3〜6の多価アルコール又はその2、3量体が挙げられ、具体的には、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビタン等の多価アルコール、及びその2〜3量体であるジグリセリン、ジトリメチロールエタン、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール、トリグリセリン、トリトリメチロールエタン、トリトリメチロールプロパン、トリペンタエリスリトール等が挙げられる。なお、ここでいうエステルとは、多価アルコール中の水酸基のすべてがエステル化された、いわゆるフルエステルと、多価アルコール中の水酸基の少なくとも1個以上がエステル化されない水酸基の形のままで残っている、いわゆる部分エステルの両方を意味するが、本発明においては、摩擦特性により優れる点から部分エステルを用いるのが好ましい
脂肪酸エステルとして好ましい具体例には、グリセリンモノラウレート、グリセリンモノイソラウレート、グリセリンジラウレート、グリセリンジイソラウレート、グリセリンモノミリステート、グリセリンモノイソミリステート、グリセリンジミリステート、グリセリンジイソミリステート、グリセリンモノパルミテート、グリセリンモノイソパルミテート、グリセリンジパルミテート、グリセリンジイソパルミテート、グリセリンモノステアレート、グリセリンモノイソステアレート、グリセリンジステアレート、グリセリンジイソステアレート、グリセリンモノオレエート、グリセリンモノイソオレエート、グリセリンジオレエート、グリセリンジイソオレエート等のグリセリン部分エステル;トリメチロールエタンモノラウレート、トリメチロールエタンモノイソラウレート、トリメチロールエタンジラウレート、トリメチロールエタンジイソラウレート、トリメチロールエタンモノミリステート、トリメチロールエタンモノイソミリステート、トリメチロールエタンジミリステート、トリメチロールエタンジイソミリステート、トリメチロールエタンモノパルミテート、トリメチロールエタンモノイソパルミテート、トリメチロールエタンジパルミテート、トリメチロールエタンジイソパルミテート、トリメチロールエタンモノステアレート、トリメチロールエタンモノイソステアレート、トリメチロールエタンジステアレート、トリメチロールエタンジイソステアレート、トリメチロールエタンモノオレエート、トリメチロールエタンモノイソオレエート、トリメチロールエタンジオレエート、トリメチロールエタンジイソオレエート等のトリメチロールエタン部分エステル;トリメチロールプロパンモノラウレート、トリメチロールプロパンモノイソラウレート、トリメチロールプロパンジラウレート、トリメチロールプロパンジイソラウレート、トリメチロールプロパンモノミリステート、トリメチロールプロパンモノイソミリステート、トリメチロールプロパンジミリステート、トリメチロールプロパンジイソミリステート、トリメチロールプロパンモノパルミテート、トリメチロールプロパンモノイソパルミテート、トリメチロールプロパンジパルミテート、トリメチロールプロパンジイソパルミテート、トリメチロールプロパンモノステアレート、トリメチロールプロパンモノイソステアレート、トリメチロールプロパンジステアレート、トリメチロールプロパンジイソステアレート、トリメチロールプロパンモノオレエート、トリメチロールプロパンモノイソオレエート、トリメチロールプロパンジオレエート、トリメチロールプロパンジイソオレエート等のトリメチロールプロパン部分エステル;ペンタエリスリトールモノラウレート、ペンタエリスリトールモノイソラウレート、ペンタエリスリトールジラウレート、ペンタエリスリトールジイソラウレート、ペンタエリスリトールトリラウレート、ペンタエリスリトールトリイソラウレート、ペンタエリスリトールモノミリステート、ペンタエリスリトールモノイソミリステート、ペンタエリスリトールジミリステート、ペンタエリスリトールジイソミリステート、ペンタエリスリトールトリミリステート、ペンタエリスリトールトリイソミリステート、ペンタエリスリトールモノパルミテート、ペンタエリスリトールモノイソパルミテート、ペンタエリスリトールジパルミテート、ペンタエリスリトールジイソパルミテート、ペンタエリスリトールトリパルミテート、ペンタエリスリトールトリイソパルミテート、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールモノイソステアレート、ペンタエリスリトールジステアレート、ペンタエリスリトールジイソステアレート、ペンタエリスリトールトリステアレート、ペンタエリスリトールトリイソステアレート、ペンタエリスリトールモノオレエート、ペンタエリスリトールモノイソオレエート、ペンタエリスリトールジオレエート、ペンタエリスリトールジイソオレエート、ペンタエリスリトールトリオレエート、ペンタエリスリトールトリイソオレエート等のペンタエリスリトール部分エステル;ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノイソラウレート、ソルビタンジラウレート、ソルビタンジイソラウレート、ソルビタントリラウレート、ソルビタントリイソラウレート、ソルビタンモノミリステート、ソルビタンモノイソミリステート、ソルビタンジミリステート、ソルビタンジイソミリステート、ソルビタントリミリステート、ソルビタントリイソミリステート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノイソパルミテート、ソルビタンジパルミテート、ソルビタンジイソパルミテート、ソルビタントリパルミテート、ソルビタントリイソパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンジステアレート、ソルビタンジイソステアレート、ソルビタントリステアレート、ソルビタントリイソステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノイソオレエート、ソルビタンジオレエート、ソルビタンジイソオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタントリイソオレエート等のソルビタン部分エステル;及びこれらの混合物等がある。
これらの脂肪酸エステルのなかでも、特に摩擦特性に優れる点から、グリセリンモノオレエート、グリセリンジオレエート、トリメチロールエタンモノオレエート、トリメチロールエタンジオレエート、トリメチロールプロパンモノオレエート、トリメチロールプロパンジオレエート、ペンタエリスリトールモノオレエート、ペンタエリスリトールジオレエート、ペンタエリスリトールトリオレエート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンジオレエート、ソルビタントリオレエート及びこれらの混合物等がより好ましく用いられ、最も好ましくはモノオレエートであるグリセリンモノオレエート、トリメチロールエタンモノオレエート、トリメチロールプロパンモノオレエート、ペンタエリスリトールモノオレエート、ソルビタンモノオレエート及びこれらの混合物等が用いられる。
(B−2)群に分類されている脂肪酸アミドには、前記した脂肪酸やその酸塩化物に、アンモニアや炭素数1〜8の炭化水素基又は水酸基含有炭化水素基のみを分子中に含有するアミン化合物等の含窒素化合物を反応させて得られるアミド等が含まれる。
この含窒素化合物としては、例えば、アンモニア;モノメチルアミン、モノエチルアミン、モノプロピルアミン、モノブチルアミン、モノペンチルアミン、モノヘキシルアミン、モノヘプチルアミン、モノオクチルアミン、ジメチルアミン、メチルエチルアミン、ジエチルアミン、メチルプロピルアミン、エチルプロピルアミン、ジプロピルアミン、メチルブチルアミン、エチルブチルアミン、プロピルブチルアミン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン等のアルキルアミン(アルキル基は直鎖状でも分枝状でも良い);モノメタノールアミン、モノエタノールアミン、モノプロパノールアミン、モノブタノールアミン、モノペンタノールアミン、モノヘキサノールアミン、モノヘプタノールアミン、モノオクタノールアミン、モノノナノールアミン、ジメタノールアミン、メタノールエタノールアミン、ジエタノールアミン、メタノールプロパノールアミン、エタノールプロパノールアミン、ジプロパノールアミン、メタノールブタノールアミン、エタノールブタノールアミン、プロパノールブタノールアミン、ジブタノールアミン、ジペンタノールアミン、ジヘキサノールアミン、ジヘプタノールアミン、ジオクタノールアミン等のアルカノールアミン(アルカノール基は直鎖状でも分枝状でも良い);及びこれらの混合物等が使用できる。
(B−2)群に分類される脂肪酸アミドとしては、摩擦特性により優れる点から、ラウリン酸アミド、ラウリン酸ジエタノールアミド、ラウリン酸モノプロパノールアミド、ミリスチン酸アミド、ミリスチン酸ジエタノールアミド、ミリスチン酸モノプロパノールアミド、パルミチン酸アミド、パルミチン酸ジエタノールアミド、パルミチン酸モノプロパノールアミド、ステアリン酸アミド、ステアリン酸ジエタノールアミド、ステアリン酸モノプロパノールアミド、オレイン酸アミド、オレイン酸ジエタノールアミド、オレイン酸モノプロパノールアミド、ヤシ油脂肪酸アミド、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸モノプロパノールアミド、炭素数12〜13の合成混合脂肪酸アミド、炭素数12〜13の合成混合脂肪酸ジエタノールアミド、炭素数12〜13の合成混合脂肪酸モノプロパノールアミド、及びこれらの混合物等が特に好ましく用いられる。
また、(B−2)群に分類されている脂肪酸金属塩には、前記した脂肪酸のアルカリ土類金属塩(マグネシウム塩、カルシウム塩等)や亜鉛塩等が含まれる。(B−2)群の脂肪酸金属塩としては、湿式クラッチの摩擦特性により優れる点から、ラウリン酸カルシウム、ミリスチン酸カルシウム、パルミチン酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、オレイン酸カルシウム、ヤシ油脂肪酸カルシウム、炭素数12〜13の合成混合脂肪酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛、ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸亜鉛、ヤシ油脂肪酸亜鉛、炭素数12〜13の合成混合脂肪酸亜鉛、及びこれらの混合物等が特に好ましく用いられる。
本発明の(B)成分としては、(B−1)群及び(B−2)群に分類されているで代表的な摩擦調整剤と、これ以外のリンを含まない摩擦調整剤の中から任意に選ばれる1種又は2種以上の摩擦調整剤を使用することができ、2種以上を使用する場合にあって、各摩擦調整剤の混合割合も任意に選ぶことができる。
本発明の潤滑油組成物において、(B)成分の含有量の下限値は、組成物全量基準で0.01質量%、好ましくは0.03質量%であり、一方、その上限値は、組成物全量基準で5.0質量%、好ましくは3.0質量%である。(B)成分の含有量が組成物全量基準で0.01質量%に満たない場合は、摩擦特性に対する初期なじみの改善効果に乏しく、一方、含有量が組成物全量基準で5.0質量%を越える場合は、静摩擦係数μsが下がりすぎ、湿式クラッチ等の動力伝達部位での動力の伝達容量が低下するため、それぞれ好ましくない。
【0009】
本発明の潤滑油組成物は、コハク酸イミド系無灰分散剤、すなわち、(C)成分を含有することが好ましい。
(C)成分は静摩擦係数μsを上げると同時に湿式クラッチや湿式ブレーキの係合中の動摩擦係数μdを上げる効果を有する。通常、(B)成分として前述した摩擦調整剤はμsを下げる効果が大きいため、添加量が多すぎると湿式クラッチが滑りやすくなり、湿式クラッチ等の動力伝達部位での動力の伝達容量が低下するという不具合が生ずる。従って、(B)成分である摩擦調整剤の添加量には限界がある。然るに、(C)成分を併用することにより、同じμsのレベルを保ちながらより多くの摩擦調整剤の添加が可能となる。摩擦調整剤は使用中に次第に劣化し、その効果も漸減するが、(C)成分の併用により摩擦調整剤の添加量を増加させることができるため、摩擦特性の改善効果の持続時間、すなわち耐久性を長くすることができる。
しかし、本発明の(C)成分は必ずしも(B)成分と併用しなければならないことはない。本発明の(A)成分は単独で使用しても摩擦特性改善の耐久性に優れる点に特徴があるが、(C)成分と併用することにより、さらに耐久性を向上させることが可能となる。このことは、特に自動車のロックアップクラッチにおけるシャダー防止効果を延長させる手段として非常に効果的である。
(C)成分としては、例えば、炭素数30〜400のアルキル基又はアルケニル基を分子中に少なくとも1個有するコハク酸イミド又はその誘導体から任意に選ばれる1種あるいは2種以上が使用可能である。
(C)成分の具体例としては、例えば、下記の一般式(11)又は(12)で示される化合物等が挙げられる。
【化19】
Figure 0004132280
(一般式(11)中、R63は炭素数30〜300、好ましくは40〜150のアルキル基又はアルケニル基を示し、eは1〜5、好ましくは2〜4の整数を示している。)
【化20】
Figure 0004132280
(一般式(12)中、R64及びR65は、それぞれ個別に炭素数30〜300、好ましくは40〜150のアルキル基又はアルケニル基を示し、fは0〜4、好ましくは1〜3の整数を示している。)
なお、コハク酸イミドとは、イミド化に際しては、ポリアミンの一端に無水コハク酸が付加した、一般式(11)のようないわゆるモノタイプのコハク酸イミドと、ポリアミンの両端に無水コハク酸が付加した、一般式(12)のようないわゆるビスタイプのコハク酸イミドがあるが、(C)成分としては、そのいずれでも、またこれらの混合物でも使用可能である。一般的にはモノタイプの方がクラッチ表面への吸着力に優れているため、静摩擦係数μs向上効果を強調するためには、モノタイプのコハク酸イミド系無灰分散剤を用いることが効果的である。
一般式(11)〜(12)におけるアルキル基又はアルケニル基は直鎖状でも分枝状でも良いが、好ましいものとしては、プロピレン、1−ブテン、イソブチレン等のオレフィンのオリゴマーやエチレンとプロピレンのコオリゴマーから誘導される分枝状アルキル基や分枝状アルケニル基等が挙げられる。
一般式(11)〜(12)におけるアルキル基又はアルケニル基の炭素数は30〜300、好ましくは40〜150の範囲にある。この炭素数が30未満の場合は化合物の潤滑油基油に対する溶解性が低下し、一方、その炭素数が300を越える場合は、潤滑油組成物の低温流動性が悪化するため、それぞれ好ましくない。また、このアルキル基又はアルケニル基は、炭素数が小さいほど湿式クラッチにおけるμsを高くする傾向にある。従って、この効果を大きくするためには炭素数が小さい方が好ましいが、一方、コハク酸イミド系無灰分散剤が有する清浄性向上効果は炭素数が大きい方が大きい。従って、一般には、炭素数40〜150程度のものが使用されるが、(C)成分併用によるμsの向上効果を強調するためには、炭素数が40未満のアルキル基又はアルケニル基を有するコハク酸イミド系無灰分散剤を用いることも効果的である。
(C)成分のコハク酸イミド系無灰分散剤の窒素含有量は任意であるが、耐摩耗性、酸化安定性及び摩擦特性等の点から、通常、その窒素含有量が0.01〜10質量%、好ましくは0.1〜10質量%のものが望ましく用いられる。
(C)成分であるコハク酸イミド系無灰分散剤の誘導体の具体例としては、例えば、前述したようなコハク酸イミドに炭素数2〜30のモノカルボン酸(脂肪酸等)やシュウ酸、フタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の炭素数2〜30のポリカルボン酸を作用させて、残存するアミノ基及び/又はイミノ基の一部又は全部を中和したり、アミド化した、いわゆる酸変性化合物;前述したような含窒素化合物にホウ酸を作用させて、残存するアミノ基及び/又はイミノ基の一部又は全部を中和したり、アミド化した、いわゆるホウ素変性化合物;前述したような含窒素化合物に硫黄化合物を作用させた硫黄変性化合物;及び前述したような含窒素化合物に酸変性、ホウ素変性、硫黄変性から選ばれた2種以上の変性を組み合わせた変性化合物;等が挙げられる。なお、これら誘導体の中ではホウ酸変性品がμsを向上させる効果に特に優れるため、この効果を強調するためには、ホウ酸変性したコハク酸イミド系無灰分散剤を用いることも効果的である。
本発明の潤滑油組成物においては、上記したコハク酸イミド系無灰分散剤の1種又は2種以上を(C)成分として使用することができるが、潤滑油組成物における(C)成分の含有量の下限値は、組成物全量基準で0.5質量%、好ましくは1.0質量%であり、一方、その上限値は、組成物全量基準で15.0質量%、好ましくは10.0質量%である。(C)成分の含有量が組成物全量基準で0.5質量%に満たない場合は、(C)成分併用による湿式クラッチでのμdやμsの向上効果が得られず、一方、含有量が組成物全量基準で15.0質量%を越える場合は、潤滑油組成物の低温流動性が悪化し、またシール材等の耐久性に悪影響を及ぼす恐れがあるため、それぞれ好ましくない。
【0010】
本発明の潤滑油組成物はまた、リン系化合物、すなわち、(D)成分を含有することが好ましい。
(D)成分も、(B)成分と同様に、(A)成分であるジオール化合物と併用することにより、潤滑油組成物の湿式クラッチ、シクロナイザリング、湿式ブレーキ等の部位における初期のなじみ性を改善し、初期から優れた摩擦特性を発揮することが可能となる。
(D)成分のとしては、リン酸、亜リン酸、下記の一般式(13)で表されるリン酸エステル(ホスフェート)、下記の一般式(14)で表される亜リン酸エステル(ホスファイト)及びこれらリン系化合物の誘導体の中から選ばれる1種又は2種以上の化合物を任意の混合割合で使用することができる。
【化21】
Figure 0004132280
(一般式(13)中、R66、R67及びR68は、それぞれ個別に、水素原子又は炭素数1〜30の炭化水素基を示し、かつ、R66、R67及びR68のうち少なくとも1つは炭化水素基であり、X1、X2、X3及びX4は、それぞれ個別に、酸素原子又は硫黄原子を示す。)
【化22】
Figure 0004132280
(一般式(14)中、R69、R70及びR71は、それぞれ個別に、水素原子又は炭素数1〜30の炭化水素基を示し、かつ、R69、R70及びR71のうち少なくとも1つは炭化水素基であり、X1、X2、X3及びX4は、それぞれ個別に、酸素原子又は硫黄原子を示す。)
上述したとおり、一般式(13)〜(14)におけるR66、R67、R68、R69、R70及びR71は、それぞれ個別に、水素原子又は炭素数1〜30の炭化水素基、好ましくは水素原子又は炭素数3〜30の炭化水素基、より好ましくは水素原子又は炭素数4〜24の炭化水素基を示しており、かつ、R66、R67及びR68並びにR69、R70及びR71のうち少なくとも1つは炭化水素基である。R66、R67、R68、R69、R70又はR71の炭素数が30を超える場合は、潤滑油組成物の摩擦特性が悪化するため好ましくない。
このような炭素数1〜30の炭化水素基の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基、トリコシル基、テトラコシル基、ペンタコシル基、ヘキサコシル基、ヘプタコシル基、オクタコシル基、ノナコシル基、トリアコンチル基等のアルキル基(これらアルキル基は直鎖状でも分枝状でも良い);ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサデセニル基、ヘプタデセニル基、オクタデセニル基、ノナデセニル基、イコセニル基、ヘンイコセニル基、ドコセニル基、トリコセニル基、テトラコセニル基、ペンタコセニル基、ヘキサコセニル基、ヘプタコセニル基、オクタコセニル基、ノナコセニル基、トリアコンテニル基等のアルケニル基(これらアルケニル基は直鎖状でも分枝状でも良く、また二重結合の位置も任意である);シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等の炭素数5〜7のシクロアルキル基;メチルシクロペンチル基、ジメチルシクロペンチル基、メチルエチルシクロペンチル基、ジエチルシクロペンチル基、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロヘキシル基、メチルエチルシクロヘキシル基、ジエチルシクロヘキシル基、メチルシクロヘプチル基、ジメチルシクロヘプチル基、メチルエチルシクロヘプチル基、ジエチルシクロヘプチル基等の炭素数6〜11のアルキルシクロアルキル基(アルキル基の置換位置は任意である);フェニル基、ナフチル基等のアリール基:トリル基、キシリル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、ペンチルフェニル基、ヘキシルフェニル基、ヘプチルフェニル基、オクチルフェニル基、ノニルフェニル基、デシルフェニル基、ウンデシルフェニル基、ドデシルフェニル基等の炭素数7〜18の各アルキルアリール基(アルキル基は直鎖状でも分枝状でも良く、また二重結合の位置も任意である);ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基、フェニルペンチル基、フェニルヘキシル基等の炭素数7〜12の各アリールアルキル基(アルキル基は直鎖状でも分枝状でも良く,またアリール基の置換位置も任意である)等が挙げられるが、これらの中でもアルキル基、アルケニル基、アリール基又はアルキルアリール基であるのが好ましい。
また、リン系化合物の誘導体には、リン酸、亜リン酸、一般式(13)においてR66、R67及びR68のうち1つ又は2つが水素である酸性リン酸エステル若しくは一般式(14)においてR69、R70及びR71のうち1つ又は2つが水素である酸性亜リン酸エステル等のリン系化合物に、アンモニアや炭素数1〜8の炭化水素基又は水酸基含有炭化水素基のみを分子中に含有するアミン化合物等の含窒素化合物を作用させて、残存する酸性水素の一部又は全部を中和した塩等が包含される。
この含窒素化合物の具体例としては、例えば、アンモニア;モノメチルアミン、モノエチルアミン、モノプロピルアミン、モノブチルアミン、モノペンチルアミン、モノヘキシルアミン、モノヘプチルアミン、モノオクチルアミン、ジメチルアミン、メチルエチルアミン、ジエチルアミン、メチルプロピルアミン、エチルプロピルアミン、ジプロピルアミン、メチルブチルアミン、エチルブチルアミン、プロピルブチルアミン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン等のアルキルアミン(アルキル基は直鎖状でも分枝状でも良い);モノメタノールアミン、モノエタノールアミン、モノプロパノールアミン、モノブタノールアミン、モノペンタノールアミン、モノヘキサノールアミン、モノヘプタノールアミン、モノオクタノールアミン、モノノナノールアミン、ジメタノールアミン、メタノールエタノールアミン、ジエタノールアミン、メタノールプロパノールアミン、エタノールプロパノールアミン、ジプロパノールアミン、メタノールブタノールアミン、エタノールブタノールアミン、プロパノールブタノールアミン、ジブタノールアミン、ジペンタノールアミン、ジヘキサノールアミン、ジヘプタノールアミン、ジオクタノールアミン等のアルカノールアミン(アルカノール基は直鎖状でも分枝状でも良い);及びこれらの混合物等が挙げられる。
(D)成分のリン系化合物としては、摩擦特性により優れる点から、リン酸、亜リン酸、一般式(13)においてR66、R67及びR68のうち1つ又は2つが水素である酸性リン酸エステル若しくは一般式(14)においてR69、R70及びR71のうち1つ又は2つが水素である酸性亜リン酸エステル、又は上述したようなこれらリン系化合物のアミン塩、アルカノールアミン塩等がより好ましく用いられる。
(D)成分として特に好ましい化合物を具体的に列挙すれば、例えば、リン酸;亜リン酸;モノブチルホスフェート、モノペンチルホスフェート、モノヘキシルホスフェート、モノペプチルホスフェート、モノオクチルホスフェート、モノノニルホスフェート、モノデシルホスフェート、モノウンデシルホスフェート、モノドデシルホスフェート、モノトリデシルホスフェート、モノテトラデシルホスフェート、モノペンタデシルホスフェート、モノヘキサデシルホスフェート、モノヘプタデシルホスフェート、モノオクタデシルホスフェート、モノノナデシルホスフェート、モノイコシルホスフェート、モノヘンイコシルホスフェート、モノドコシルホスフェート、モノトリコシルホスフェート、モノテトラコシルホスフェート等のモノアルキルホスフェート(アルキル基は直鎖状でも分枝状でも良く、またチオホスフェートであっても良い);モノオクタデセニルホスフェート等のモノアルケニルホスフェート(アルケニル基は直鎖状でも分枝状でも良く、二重結合の位置も任意であり、またチオホスフェートであっても良い);モノフェニルホスフェート、モノクレジルホスフェート等のモノ(アルキル)アリールホスフェート(アルキル基の置換位置は任意であり、またチオホスフェートであっても良い);ジブチルホスフェート、ジペンチルホスフェート、ジヘキシルホスフェート、ジペプチルホスフェート、ジオクチルホスフェート、ジノニルホスフェート、ジデシルホスフェート、ジンウンデシルホスフェート、ジドデシルホスフェート、ジトリデシルホスフェート、ジテトラデシルホスフェート、ジペンタデシルホスフェート、ジヘキサデシルホスフェート、ジヘプタデシルホスフェート、ジオクタデシルホスフェート、ジノナデシルホスフェート、ジイコシルホスフェート、ジヘンイコシルホスフェート、ジドコシルホスフェート、ジトリコシルホスフェート、ジテトラコシルホスフェート等のジアルキルホスフェート(アルキル基は直鎖状でも分枝状でも良く、またチオホスフェートであっても良い);ジオクタデセニルホスフェート等のジアルケニルホスフェート(アルケニル基は直鎖状でも分枝状でも良く、二重結合の位置も任意であり、またチオホスフェートであっても良い);ジフェニルホスフェート、ジクレジルホスフェート等のジ(アルキル)アリールホスフェート(アルキル基の置換位置は任意であり、またチオホスフェートであっても良い);モノブチルホスファイト、モノペンチルホスファイト、モノヘキシルホスファイト、モノペプチルホスファイト、モノオクチルホスファイト、モノノニルホスファイト、モノデシルホスファイト、モノウンデシルホスファイト、モノドデシルホスファイト、モノトリデシルホスファイト、モノテトラデシルホスファイト、モノペンタデシルホスファイト、モノヘキサデシルホスファイト、モノヘプタデシルホスファイト、モノオクタデシルホスファイト、モノノナデシルホスファイト、モノイコシルホスファイト、モノヘンイコシルホスファイト、モノドコシルホスファイト、モノトリコシルホスファイト、モノテトラコシルホスファイト等のモノアルキルホスファイト(アルキル基は直鎖状でも分枝状でも良い、またチオホスファイトであっても良い);モノオクタデセニルホスファイト等のモノアルケニルホスファイト(アルケニル基は直鎖状でも分枝状でも良く、二重結合の位置も任意であり、またチオホスファイトであっても良い);モノフェニルホスファイト、モノクレジルホスファイト等のモノ(アルキル)アリールホスファイト(アルキル基の置換位置は任意であり、またチオホスファイトであっても良い);ジブチルホスファイト、ジペンチルホスファイト、ジヘキシルホスファイト、ジペプチルホスファイト、ジオクチルホスファイト、ジノニルホスファイト、ジデシルホスファイト、ジンウンデシルホスファイト、ジドデシルホスファイト、ジトリデシルホスファイト、ジテトラデシルホスファイト、ジペンタデシルホスファイト、ジヘキサデシルホスファイト、ジヘプタデシルホスファイト、ジオクタデシルホスファイト、ジノナデシルホスファイト、ジイコシルホスファイト、ジヘンイコシルホスファイト、ジドコシルホスファイト、ジトリコシルホスファイト、ジテトラコシルホスファイト等のジアルキルホスファイト(アルキル基は直鎖状でも分枝状でも良く、またチオホスファイトであっても良い);ジオクタデセニルホスファイト等のジアルケニルホスファイト(アルケニル基は直鎖状でも分枝状でも良く、二重結合の位置も任意であり、またチオホスファイトであっても良い);ジフェニルホスファイト、ジクレジルホスファイト等のジ(アルキル)アリールホスファイト(アルキル基の置換位置は任意であり、またチオホスファイトであっても良い);これらリン系化合物と上述したようなアミン、アルカノールアミンとの塩;及びこれらの混合物等が挙げられる。
一般式(13)のR66、R67若しくはR68のうち1つ若しくは2つ、又は、一般式(14)のR69、R70若しくはR71のうち1つ若しくは2つが、炭素数6以上、好ましくは炭素数9以上のアルキル基又はアルケニル基、より好ましくは、ラウリル基、ミリスチル基、パルミチル基、ステアリル基、オレイル基等の直鎖アルキル基又は直鎖アルケニル基であり、他が水素原子であるリン酸エステル(チオリン酸エステルでも良い)や亜リン酸エステル(チオ亜リン酸エステルでも良い)を(D)成分に使用した場合は、特に潤滑油組成物の初期なじみ性の改善効果が大きい。
さらに、本発明において(B)成分として(B−1)群のアミン化合物を使用する場合は、(D)成分として、一般式(13)のR66、R67若しくはR68のうち1つ若しくは2つ、又は、一般式(14)のR69、R70若しくはR71のうち1つ若しくは2つが、炭素数1〜30の炭化水素基であり、他が水素原子であるリン酸エステル(チオリン酸エステルでも良い)や亜リン酸エステル(チオ亜リン酸エステルでも良い)、特に亜リン酸エステルを選択すると、潤滑油組成物の初期なじみ性の改善効果が特に大きい。この場合、(B−1)群のアミン化合物と(D)成分の上記リン酸エステル又は亜リン酸エステルは、それぞれ単独で潤滑油基油に加えても良く、また予め両者を反応させたアミン化合物とリン化合物の塩の形で潤滑油基油に加えても良い。
また、本発明において(C)成分のコハク酸イミド系無灰分散剤を使用する場合には、(D)成分としてリン酸を用いると、潤滑油組成物の初期なじみ性の改善効果が特に大きい。この場合、(C)成分のコハク酸イミド系無灰分散剤と(D)成分のリン酸はそれぞれ個別に潤滑油基油に含有させても良く、また予め両者を反応させたコハク酸イミド系無灰分散剤のリン酸変性品の形で潤滑油基油に含有させても良い。
本発明では上記したリン化合物の1種又は2種以上を(D)成分として使用することができるが、本発明の潤滑油組成物における(D)成分の含有量の下限値は、組成物全量基準でリン元素量として0.005質量%、好ましくは0.01質量%であり、一方、その上限値は、組成物全量基準でリン元素量として0.5質量%、好ましくは0.3質量%である。(D)成分の含有量が組成物全量基準でリン元素量として0.005質量%に満たない場合は、潤滑油組成物の初期なじみ性の改善効果に乏しく、一方、含有量が組成物全量基準でリン元素量として0.5質量%を越える場合は、潤滑油組成物の酸化安定性が低下したり、またシール材や樹脂材等の耐久性に悪影響を及ぼす恐れがあるため、それぞれ好ましくない。
【0011】
本発明の潤滑油組成物は、塩基性金属系清浄剤、すなわち、(E)成分を含有していることが好ましい。
この(E)成分は、μsやμ0の値をあまり変化させずにμdの値を上昇させ、結果としてμ0/μdを低減させる効果がある。(A)成分であるジオール化合物は、それ単独でも湿式クラッチにおけるμ0/μdを低減する効果を持つが、(E)成分と併用することによりその効果が増大する。
また、μ0/μdを低減する(E)成分の効果は、湿式クラッチを有する自動変速機や無断変速機に本発明の潤滑油組成物を使用した場合でも発揮されるが、特に手動変速機やトラクター等、銅合金を使用したシンクロナイザリングや湿式ブレーキに使用した場合に顕著である。さらに(E)成分は、このようなシンクロナイザリングや湿式ブレーキにおいては、静摩擦係数μsを低下させる機能があり、手動変速機の引っかかりやトラクターのブレーキ鳴きの防止に効果的である。
(E)成分である塩基性金属系清浄剤の全塩基価の下限値は、100mgKOH/g、好ましくは150mgKOH/gであり、一方、その上限値は450mgKOH/gである。全塩基価が100mgKOH/g未満の場合は潤滑油組成物の酸化安定性が悪化し、一方、全塩基価が450mgKOH/gを超える場合は、潤滑油組成物の貯蔵安定性に悪影響を及ぼす恐れがあるため、それぞれ好ましくない。
なお、ここで言う全塩基価とは、JIS K2501「石油製品及び潤滑油−中和価試験法」の7.に準拠して測定される過塩素酸法による全塩基価を意味している。
(E)成分の具体例としては、例えば
(E−1)全塩基価が100〜450mgKOH/gの塩基性アルカリ土類金属スルフォネート
(E−2)全塩基価が20〜450mgKOH/gの塩基性アルカリ土類金属フェネート
(E−3)全塩基価が20〜450mgKOH/gの塩基性アルカリ土類金属サリシレート
の中から選ばれる1種類又は2種類以上の塩基性金属系清浄剤等が挙げられる。
(E−1)のアルカリ土類金属スルフォネートとしては、より具体的には、例えば、分子量100〜1500、好ましくは200〜700のアルキル芳香族化合物を、スルフォン化することによって得られるアルキル芳香族スルフォン酸のアルカリ土類金属塩、特にマグネシウム塩及び/又はカルシウム塩が好ましく用いられ、アルキル芳香族スルフォン酸としては、具体的には、いわゆる石油スルフォン酸や合成スルフォン酸等が挙げられる。
石油スルフォン酸としては、一般に鉱油の潤滑油留分のアルキル芳香族化合物をスルフォン化したものやホワイトオイル製造時に副生する、いわゆるマホガニー酸等が用いられる。合成スルフォン酸としては、例えば、洗剤の原料となるアルキルベンゼン製造プラントから副生したり、ポリオレフィンをベンゼンにアルキル化することにより得られる、直鎖状や分枝状のアルキル基を有するアルキルベンゼンを原料とし、これをスルフォン化したもの、あるいはジノニルナフタレンをスルフォン化したもの等が用いられる。これらアルキル芳香族化合物をスルフォン化する際のスルフォン化剤には特に制限はないが、通常、発煙硫酸や硫酸が用いられる。
(E−2)のアルカリ土類金属フェネートとしては、例えば、炭素数4〜30、好ましくは6〜18の直鎖状又は分枝状のアルキル基を少なくとも1個有するアルキルフェノール、このアルキルフェノールと元素硫黄を反応させて得られるアルキルフェノールサルファイド又はこのアルキルフェノールとホルムアルデヒドを反応させて得られるアルキルフェノールのマンニッヒ反応生成物のアルカリ土類金属塩、特にマグネシウム塩及び/又はカルシウム塩が好ましく用いられる。
また、(E−3)のアルカリ土類金属サリシレートとしては、例えば、炭素数4〜30、好ましくは6〜18の直鎖状又は分枝状のアルキル基を少なくとも1個有するアルキルサリチル酸のアルカリ土類金属塩、特にマグネシウム塩及び/又はカルシウム塩が好ましく用いられる。
(E−1)塩基性アルカリ土類金属スルフォネート、(E−2)塩基性アルカリ土類金属フェネート及び(E−3)塩基性アルカリ土類金属サリシレートには、その全塩基価が100〜450mgKOH/gの範囲にある限りにおいて、アルキル芳香族スルフォン酸、アルキルフェノール、アルキルフェノールサルファイド、アルキルフェノールのマンニッヒ反応生成物、アルキルサリチル酸等を、直接、マグネシウム及び/又はカルシウムのアルカリ土類金属の酸化物や水酸化物等のアルカリ土類金属塩基と反応させたり、又は一度ナトリウム塩やカリウム塩等のアルカリ金属塩としてからアルカリ土類金属塩と置換させること等により得られる中性塩(正塩)を過剰のアルカリ土類金属塩やアルカリ土類金属塩基(アルカリ土類金属の水酸化物や酸化物)を水の存在下で加熱することにより得られる塩基性塩や、炭酸ガスの存在下で中性塩(正塩)をアルカリ土類金属の塩基と反応させることにより得られる過塩基性塩(超塩基性塩)が含まれる。
なお、これらの反応は、通常、溶媒(ヘキサン等の脂肪族炭化水素溶剤、キシレン等の芳香族炭化水素溶剤、軽質潤滑油基油等)中で行われる。また、金属系清浄剤は通常、軽質潤滑油基油等で希釈された状態で市販されており、また、入手可能であるが、一般的に、その金属含有量が1.0〜20質量%、好ましくは2.0〜16質量%のものを用いるのが望ましい。
本発明では上記した塩基性金属系清浄剤の1種又は2種以上が(E)成分として使用可能であるが、本発明の潤滑油組成物における(E)成分の含有量の下限値は、組成物全量基準で0.05質量%、好ましくは0.1質量%であり、一方、その上限値は、組成物全量基準で5.0質量%、好ましくは3.0質量%である。(E)成分の含有量が組成物全量基準で0.05質量%に満たない場合は、潤滑油組成物の摩擦特性の向上効果に乏しく、一方、含有量が組成物全量基準で5.0質量%を越える場合は、潤滑油組成物の酸化安定性が低下したり、また摩擦材の目詰まりを起こす恐れがあるため、それぞれ好ましくない。
【0012】
また、本発明の潤滑油組成物は、ジチオリン酸亜鉛、すなわち、(F)成分を含有していることが好ましい。
この(F)成分はμsを低減させる効果があり、特に(E)成分である塩基性金属系清浄剤と併用した場合にその効果が大きい。また(F)成分がμsを低減する効果は、本発明の潤滑油組成物を自動変速機油や無断変速機油として使用した場合でも発揮されるが、特に銅合金を使用した手動変速機のシンクロナイザリングやトラクターの湿式ブレーキにおいて顕著であり、手動変速機における引っかかりやトラクターにおけるブレーキ鳴きをより効果的に防止することができる。
(F)成分のジチオリン酸亜鉛としては、具体的には、下記の一般式(15)で表されるジチオリン酸亜鉛等が挙げられる。
【化23】
Figure 0004132280
(一般式(15)中、R72、R73、R74及びR75は、それぞれ個別に、炭素数1〜18のアルキル基、アリール基又は炭素数7〜18のアルキルアリール基を示す。)
上記のアルキル基の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基等が挙げられ、特に炭素数3〜8のアルキル基が好ましい。これらアルキル基は直鎖状でも分枝状でも良い。これらはまた第1級(プライマリー)アルキル基でも第2級(セカンダリー)アルキル基でも良い。
念のため付言すれば、R72、R73、R74及びR75を導入する際にα−オレフィンの混合物を原料とする場合があるが、この場合、一般式(15)で表される化合物は、構造の異なるアルキル基を有するジアルキルジチオリン酸亜鉛の混合物となる。
一般式(15)のアリール基としては、具体的には、フェニル基、ナフチル基等が挙げられ、同様にして、アルキルアリール基としては、具体的には、トリル基、キシリル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、ペンチルフェニル基、ヘキシルフェニル基、ヘプチルフェニル基、オクチルフェニル基、ノニルフェニル基、デシルフェニル基、ウンデシルフェニル基、ドデシルフェニル基等(これらのアルキル基は直鎖状でも分枝状でも良く、また全ての置換異性体を含む)が挙げられる。
一般式(15)のR72、R73、R74及びR75は、このようなアルキル基、アリール基、アルキルアリール基のいずれでも良いが、潤滑油組成物に極圧性が要求される場合は(F)成分として第2級アルキル基を有するジチオリン酸亜鉛を、耐熱性が要求される場合は(F)成分としてアリール基又はアルキルアリール基を有するジチオリン酸亜鉛を用いるのが好ましい。しかし、摩擦特性の改善効果等を考慮すると、総合的には第1級アルキル基を有するジチオリン酸亜鉛を用いるのが最も好ましい。
本発明では上記したジチオリン酸亜鉛の1種又は2種以上を、(F)成分として使用できるが、本発明の潤滑油組成物における(F)成分の含有量の下限値は、組成物全量基準で0.05質量%、好ましくは0.1質量%であり、一方、その上限値は、組成物全量基準で5.0質量%、好ましくは3.0質量%である。(F)成分の含有量が組成物全量基準で0.05質量%に満たない場合は、(F)成分併用による潤滑油組成物のμsの低減効果に乏しく、一方、含有量が組成物全量基準で5.0質量%を越える場合は、摩擦材の目詰まりを起こす恐れがあり、またシール材や樹脂材等の耐久性に悪影響を及ぼす恐れがあるため、それぞれ好ましくない。
【0013】
本発明においては、潤滑油基油に(A)成分のジオール化合物を特定量含有させるだけで、また、必要に応じて(B)〜(F)成分の中から選ばれる1種又は2種以上の成分をそれぞれ特定量併用するだけで、摩擦特性に特に優れた潤滑油組成物を得ることができるが、その性能を更に向上させる目的で、必要に応じて、さらに粘度指数向上剤、流動点降下剤、酸化防止剤、極圧添加剤、腐食防止剤、ゴム膨潤剤、消泡剤、着色剤等に代表される各種添加剤を単独で、又は数種類組み合わせて含有させても良い。
粘度指数向上剤としては、具体的には、各種メタクリル酸エステルから選ばれる1種又は2種以上のモノマーの共重合体若しくはその水添物などのいわゆる非分散型粘度指数向上剤、又はさらに窒素化合物を含む各種メタクリル酸エステルを共重合させたいわゆる分散型粘度指数向上剤等が例示できる。他の粘度指数向上剤の具体例としては、非分散型又は分散型エチレン-α-オレフィン共重合体(α−オレフィンとしてはプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン等が例示できる)及びその水素化物、ポリイソブチレン及びその水添物、スチレン-ジエン水素化共重合体、スチレン-無水マレイン酸エステル共重合体及びポリアルキルスチレン等がある。
これら粘度指数向上剤の分子量は、せん断安定性を考慮して選定することが必要である。具体的には、粘度指数向上剤の数平均分子量は、例えば、分散型及び非分散型ポリメタクリレートの場合では、5,000〜150,000、好ましくは5,000〜35,000のものが、ポリイソブチレン又はその水素化物の場合では、800〜5,000、好ましくは1,000〜4,000のものが、エチレン-α-オレフィン共重合体又はその水素化物の場合では、800〜150,000、好ましくは3,000〜12,000のもののぞましい。
これら粘度指数向上剤の中でも、エチレン-α-オレフィン共重合体又はその水素化物を用いた場合には、特にせん断安定性に優れた潤滑油組成物を得ることができる。
本発明の潤滑油組成物には、上記した粘度指数向上剤の1種又は2種以上を、任意の量で含有させることができるが、通常、その含有量は、潤滑油組成物全量基準で0.1〜40.0質量%であるのが望ましい。
酸化防止剤としては、フェノール系化合物やアミン系化合物等、潤滑油に一般的に使用されているものであれば使用可能である。具体的には、2−6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール等のアルキルフェノール類、メチレン−4、4−ビスフェノール(2、6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール)等のビスフェノール類、フェニル−α−ナフチルアミン等のナフチルアミン類、ジアルキルジフェニルアミン類、(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)脂肪酸(プロピオン酸等)と1価又は多価アルコール、例えばメタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール等とのエステル等が使用できる。
本発明の潤滑油組成物には、上記した酸化防止剤の1種又は2種以上を、任意の量で含有させることができるが、通常、その含有量は、潤滑油組成物全量基準で0.01〜5.0質量%であるのが望ましい。
極圧添加剤としては、例えば、ジスルフィド類、硫化オレフィン類、硫化油脂類等の硫黄系化合物等が使用できる。本発明の潤滑油組成物には、これら極圧添加剤の1種又は2種以上を任意の量で含有させることができるが、通常、その含有量は、潤滑油組成物全量基準で0.01〜5.0質量%であるのが望ましい。腐食防止剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系、チアジアゾール系、イミダゾール系化合物等が使用可能である。本発明の潤滑油組成物には、これら腐食防止剤の1種又は2種以上を任意の量で含有させることができるが、通常、その含有量は、潤滑油組成物全量基準で0.01〜3.0質量%であるのが望ましい。
消泡剤としては、例えば、ジメチルシリコーン、フルオロシリコーン等のシリコーン類が使用できる。本発明の潤滑油組成物には、これら消泡剤の1種又は2種以上を任意の量で含有させることができるが、通常、その含有量は、潤滑油組成物全量基準で0.001〜0.05質量%であるのが望ましい。
着色剤も任意の量で本発明の潤滑油組成物に含有させることができるが、通常、その含有量は、潤滑油組成物全量基準で0.001〜1.0質量%であるのが望ましい。
【0014】
【実施例】
以下、本発明の内容を実施例及び比較例によってさらに具体的に説明するが、本発明はこれらによりなんら限定されるものではない。
[試験1]
表1に示す組成を有する本発明の潤滑油組成物(実施例1〜3)を調製した。これらの組成物について、自動変速機や無断変速機など、湿式クラッチ機構における摩擦特性を評価するため、以下に示す条件でSAENo.2摩擦試験Aを行い、ダイナミックサイクル500サイクル経過時のμ0/μ1800(μ1800はモーター回転数1800rpmでの動摩擦係数を示す)を測定した。その結果を表1に示した。比較のため、潤滑油基油のみの場合(比較例1)及び他の摩擦調整剤を用いた潤滑油組成物(比較例2〜5)の場合についても同様のSAENo.2摩擦試験Aを行い、その結果も表1に併記した。
なお、実施例1〜3及び比較例2〜5における摩擦調整剤の含有量は、潤滑油組成物100g中に6.5×10-4モルに統一した。
Figure 0004132280
【0015】
【表1】
Figure 0004132280
【0016】
表1の結果から明らかなとおり、本発明のジオール化合物を含有する実施例の潤滑油組成物は、μ0/μdが低く、湿式クラッチ系合終了間際(変速時)の変速ショックが小さいことがわかる。
[試験2]
表1の実施例2及び比較例4の潤滑油組成物について、湿式クラッチにおける摩擦特性の耐久性を評価するため、以下に示す条件でSAENo.2摩擦試験Bを行い、ダイナミックサイクル15000サイクルまでのμ0/μ1200(μ1200はモーター回転数1200rpmでの動摩擦係数を示す)を測定した。その結果を図1に示した。
なお、比較例4の潤滑油組成物は、ダイナミックサイクル7000サイクルでμ0/μ1200の値が1.1に達したため、この時点で試験を打ち切った。
Figure 0004132280
図1の結果から明らかなとおり、本発明に係る(A)ジオール化合物を含有する実施例の潤滑油組成物は、オレイルアミンを含有する比較例の潤滑油組成物に比べ、湿式クラッチの摩擦特性に対して格段の耐久性を有することがわかる。
[試験3]
表1の実施例1の潤滑油組成物について、手動変速機で使用されるシンクロナイザリングやトラクターで使用される湿式ブレーキの材質である銅合金における摩擦特性を評価するため、以下に示す条件でシンクロ摩擦試験を行い、なじみ運転(ダイナミックサイクル試験)1000サイクル経過後にスタティックサイクル試験を行い、静摩擦係数μs(μsはシンクロナイザリングが静止状態から1rpmでスリップ開始後の最大摩擦係数を示す)を測定した。その結果を表2に示した。
また、表1の比較例1〜5の潤滑油組成物及び手動変速機油やトラクター共通潤滑油において摩擦調整剤として多用されている硫化油脂を含有する潤滑油組成物(比較例6)についても同様の試験を行い、その結果も表2に示した。
Figure 0004132280
【0017】
【表2】
Figure 0004132280
【0018】
表2の結果から明らかなとおり、本発明に係るジオール化合物を含有する実施例の潤滑油組成物は、手動変速機のシンクロメッシュ機構やトラクターの湿式ブレーキで用いられる銅合金での静摩擦係数μsが低く、手動変速機での引っかかりやトラクターのブレーキ鳴きの防止効果に優れていることがわかる。
[試験4]
本発明の潤滑油組成物において、(B)リンを含有しない摩擦調整剤との併用による湿式クラッチにおける摩擦特性への影響を評価するため、表1の実施例2及び比較例4の潤滑油組成物並びに表1の精製鉱油A99.64質量%、ジオール化合物B0.19質量%及びオレイルアミン0.17質量%の組成を有する潤滑油組成物(実施例4)について、試験2と同様のSAENo.2摩擦試験Bを行い、ダイナミックサイクル15000サイクルまでのμ0/μ1200を測定し、その結果を図2に示した。
図2の結果から明らかなとおり、本発明の潤滑油組成物において、(B)摩擦調整剤を併用することにより、湿式クラッチにおける摩擦特性の初期なじみ性を大きく改善できることがわかる。
[試験5]
本発明に係る潤滑油組成物において、(C)コハク酸イミド系無灰分散剤の併用による湿式クラッチにおける摩擦特性への影響を評価するため、表3に示す組成を有する実施例5、実施例6及び実施例7の潤滑油組成物について、試験1と同様のSAENo.2摩擦試験Aを行い、ダイナミックサイクル1000サイクル時点でのμ0/μ1800及び静摩擦係数μsを測定した。その結果も表3に示した。
【0019】
【表3】
Figure 0004132280
【0020】
表3の実施例5〜7のSAENo.2摩擦試験の結果の比較から明らかなとおり、本発明に係る潤滑油組成物において、(C)コハク酸イミド系無灰分散剤を併用することにより、ジオール化合物の含有量を3倍に増量しても、ほぼ同一のμ0/μ1800及びμsの値を保つことができ、摩擦特性の耐久性に優れた潤滑油組成物が得られることを示している。
[試験6]
本発明に係る潤滑油組成物において、(C)成分であるコハク酸イミド系無灰分散剤の併用による湿式クラッチにおける摩擦特性耐久性への影響を評価するため、上述の表3に示す実施例5及び実施例7の潤滑油組成物について、以下に示す条件で低速滑り試験を行い、μ1(回転数1rpm時の摩擦係数)/μ50(回転数50rpm時の摩擦係数)の経時変化を測定した。結果を図3に示した。
なお、μ1/μ50のが1以下であれば、実際に自動変速機や無段変速機のトルクコンバーター部の湿式クラッチにおいて、シャダーが発生しない。
低速滑り試験の運転条件
ディスク :国産自動変速機用ペーパー系摩擦材A(1枚)
プレート :国産自動変速機用鋼製プレートA(1枚)
油 温 :120℃
モーター回転数:0〜150rpm
押しつけ圧 :980kPa
図3の結果から明らかなとおり、本発明に係る潤滑油組成物において、(C)コハク酸イミド系無灰分散剤を併用することにより、自動変速機や無段変速機におけるシャダー防止寿命を大幅に延長できることがわかる。
[試験7]
本発明に係る潤滑油組成物において、(D)リン系化合物の併用による湿式クラッチにおける摩擦特性への影響を評価するため、表4に示す組成を有する実施例8、実施例9及び比較例7の潤滑油組成物について、試験1と同様のSAENo.2摩擦試験Aを行い、ダイナミックサイクル100サイクル時点でのμ0/μ1800を測定した。その結果も表4に示した。
【0021】
【表4】
Figure 0004132280
【0022】
表4の結果から明らかなとおり、本発明に係る潤滑油組成物において、(D)リン系添加剤を併用することにより、湿式クラッチにおける摩擦特性の初期なじみ性を改善できることがわかる。
[試験8]
本発明に係る潤滑油組成物において、(E)塩基性金属系清浄剤及び(F)ジチオリン酸亜鉛の併用による、手動変速機で使用されるシンクロナイザリングの材質である銅合金における摩擦特性を評価するため、表5に示す組成を有する実施例10〜12及び比較例8の潤滑油組成物について、試験3と同様のシンクロ摩擦試験を行い、なじみ運転1000サイクル経過後の静摩擦係数μsを測定した。その結果も表5に示した。
【0023】
【表5】
Figure 0004132280
【0024】
表5の結果から明らかなとおり、本発明の潤滑油組成物に(E)塩基性金属系清浄剤を併用した場合は、手動変速機のシンクロメッシュ機構やトラクターの湿式ブレーキで用いられる銅合金での静摩擦係数μsの低減効果に優れ、手動変速機での引っかかりやトラクターのブレーキ鳴きの防止効果に優れることがわかる。またこの効果は、さらに(F)亜鉛ジチオフォスフェートを併用すると、一層発揮されることがわかる。
[試験9]
試験8と同様に、本発明に係る潤滑油組成物において、(E)成分及び(F)成分併用による、トラクターのブレーキ鳴きへの影響を評価するため、表6に示す組成を有する実施例13〜15び比較例9の潤滑油組成物について、以下に示す条件で、油温が5℃及び油温が外気温と同一の場合のトラクターブレーキ鳴き試験を行い、その結果も表6示した。
トラクタ−ブレーキ鳴き試験
使用トラクター:15馬力トラクター
試験方法:試験油を充填したトラクターを12時間以上低温室(0℃)にて冷やす。低温室から出したトラクターを暖気なしで5km/hrに加速し、ブレーキをかけ音の発生を聞いた後油温を測定する。これを2度繰り返し5℃の試験とした。次いで高速走行を行って油温を上昇させ、油温が30℃に達したところで走行を中止した。その後、同様に5km/hrに加速してブレーキをかけ、音の発生を聞く。これを2度繰り返し外気温の試験とした。
【0025】
【表6】
Figure 0004132280
【0026】
表6の結果から明らかなとおり、本発明の潤滑油組成物に(E)成分の塩基性金属系清浄剤を併用した場合は、トラクターのブレーキ鳴きの防止効果に優れることがわかる。またこの効果は、さらに(F)成分の亜鉛ジチオフォスフェートを併用すると、一層発揮されることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例2及び比較例4の潤滑油組成物について、湿式クラッチにおける摩擦特性の耐久性を評価したグラフである。
【図2】実施例2,4及び比較例4の潤滑油組成物について、湿式クラッチにおける摩擦特性の初期なじみ性を評価したグラフである。
【図3】実施例5及び7の潤滑油組成物について、μ1(回転数1rpm時の摩擦係数)/μ50(回転数50rpm時の摩擦係数)の経時変化を評価したグラフである。

Claims (7)

  1. 潤滑油基油に、(A)下記一般式(1)で表されるジオール化合物を組成物全量基準で0.01〜5.0質量%、及び(D)一般式(13)で表されるリン系化合物、一般式(14)で表されるリン系化合物、及びこれらのリン系化合物の誘導体からなる群より選ばれる少なくとも一種を組成物全量基準でリン元素量として0.005〜0.5質量%含有してなることを特徴とする変速機用潤滑油組成物。
    Figure 0004132280
    (一般式(1)中、R1は炭素数14〜30のアルキル基又はアルケニル基である。)
    Figure 0004132280
    (一般式(13)中、R 66 、R 67 及びR 68 は、それぞれ個別に、水素原子又は炭素数1〜30の炭化水素基を示し、かつ、R 66 、R 67 及びR 68 のうち少なくとも1つは炭化水素基であり、X 、X 、X 及びX は、それぞれ個別に酸素原子又は硫黄原子を示す。)
    Figure 0004132280
    (一般式(14)中、R 69 、R 70 及びR 71 は、それぞれ個別に、水素原子又は炭素数1〜30の炭化水素基を示し、かつ、R 69 、R 70 及びR 71 のうち少なくとも1つは炭化水素基であり、X 、X 及びX は、それぞれ個別に酸素原子又は硫黄原子を示す。)
  2. (B)リンを含有しない摩擦調整剤を組成物全量基準で0.01〜5.0質量%さらに含有してなることを特徴とする請求項1に記載の変速機用潤滑油組成物。
  3. (C)コハク酸イミド系無灰分散剤を組成物全量基準で0.5〜15.0質量%さらに含有してなることを特徴とする請求項1又は2に記載の変速機用潤滑油組成物。
  4. (E)塩基性金属系清浄剤を組成物全量基準で0.1〜5.0質量%さらに含有してなることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の変速機用潤滑油組成物。
  5. (F)ジチオリン酸亜鉛を組成物全量基準で0.05〜5.0質量%さらに含有してなることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の変速機用潤滑油組成物。
  6. 自動変速機用潤滑油又は無段変速機用潤滑油であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の変速機用潤滑油組成物。
  7. 潤滑油基油に、(A)下記一般式(1)で表されるジオール化合物を組成物全量基準で0.01〜5.0質量%含有してなることを特徴とする手動変速機用潤滑油組成物。
    Figure 0004132280
    (一般式(1)中、R 1 は炭素数14〜30のアルキル基又はアルケニル基である。)
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