JP4131859B2 - 蒸気温度制御装置及び蒸気温度制御方法並びにこれらを用いた発電プラント - Google Patents
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Description
これらの従来技術を用い、熱交換器の入口と出口に2本の蒸気管が接続され、熱交換器の入口と接続する2本の蒸気管それぞれに配置されている減温器スプレ弁を制御して、熱交換器の出口と接続する2本の蒸気管を通過する蒸気温度をその目標値に一致させる方法としては、以下に述べる(i)(ii)の2通りの制御方法が考えられる。
(ii)(T1+T2)/2=Tcとなるように、V1=V2を決める。
ここで、T1は熱交換器右側出口の蒸気管を通過する蒸気の温度、T2は熱交換器左側出口の蒸気管を通過する蒸気の温度、V1は熱交換器右側入口の蒸気管に配置した減温器のスプレ弁開度、V2は熱交換器左側入口の蒸気管に配置した減温器のスプレ弁開度、Tcは熱交換器出口蒸気温度の目標値である。
本実施形態では、本発明を火力発電プラントに適用した場合を例に説明する。本実施形態の発電プラントは、減温器のスプレ弁を介しスプレ水を噴霧することにより熱交換器に接続した蒸気管を流れる蒸気の温度を目標値に制御する機能を有している。
図1に示した火力発電プラント100においては、供給水を加熱して蒸気を発生させるボイラ101の熱源としての火炉部に対し、例えば石炭やバイオマス等の燃料及び燃料搬送用の1次空気をバーナ120〜122から、燃焼調整用の2次空気を空気ポート123からそれぞれ供給し、燃料、1次空気及び2次空気を火炉で燃焼し高温のガスを発生させる。ボイラ101を通過したガスは、排ガス処理装置105に送られ、含有する有害物質が除去された後、煙突106を介し大気に放出される。
図2はボイラ101の3次元構造図で、先の各図と同様の部分には同符号を付してある。なお、図2では、ボイラ101(煙道部52)におけるガスの流通方向(図中の右斜め上方向)に直交する方向をボイラ101の左右方向とし、図中、ボイラ101の左右中心から左手側をa系統、右手側をb系統と定義する。また説明の便宜上、a,b両系統の構成要素に関して符号にそれぞれ添え字a,bを付して区別する。
図3に示すように、1次熱交換器102のヘッダ部150には、火炉水壁119を通過した蒸気が左側入口141aと右側入口141bの左右両側から流入する。左側入口141aから流入した蒸気は、分流して管路151,152,153に流入し、ボイラ101の煙道部52内の空間を流通した後、それぞれ管路161,162,163を介して1次熱交換器102の出口ヘッダ部160に到達し、左側出口142aから流出する。一方、右側入口141bから流入した蒸気は、分流して管路156,155,154に流入し、ボイラ101の煙道部52内の空間を流通した後、それぞれ管路166,165,164を介して1次熱交換器102の出口ヘッダ部160に到達し、右側出口142bから流出する。このように、1次熱交換器102において、左側入口141aから流入した蒸気は主に左側出口142aから流出し、右側入口141bから流入した蒸気は主に右側出口142bから流出する。
ボイラ101中の蒸気の流れについて説明すると、図4において、左側入口141aを介し1次熱交換器102のヘッダ部150に流入した蒸気は、左側入口141a→左側出口142a→減温器107a→左側入口143a→左側出口144a→減温器108b→右側入口145b→右側出口146bの順に通過する。一方、右側入口141bから流入した蒸気は、右側入口141b→右側出口142b→減温器107b→右側入口143b→右側出口144b→減温器108a→左側入口145a→左側出口146aの順に通過する。
なお、図2〜図4では熱交換器系の系統数を2としているが、蒸気管51の分岐数を増やし、3系統、4系統・・・とする場合もある。
図5は、制御装置200のハードウェア構成を表すブロック図である。
図5に示すように、制御装置200には、外部入力インターフェイス271、外部出力インターフェイス274を介して信号伝送ネットワーク230が接続されており、受信した信号を必要に応じて記憶部273に記憶しながら演算処理部272によって各種指令信号を演算・生成する。指令信号は外部出力インターフェイス274を介して対応の制御機器へ出力される。また、外部入力インターフェイス271にはキーボード261とマウス262とからなる外部入力装置260及びデータ記憶装置250が接続されている。出力インターフェイス274には、画像表示装置281と磁気ディスク装置282とからなる出力装置280が接続され、運転者とのインターフェイスとして機能する。
G142a:1次熱交換器102の左側出口142aを通過する蒸気流量。
G142b:1次熱交換器102の右側出口142bを通過する蒸気流量。
G143a:2次熱交換器103の左側入口143aを通過する蒸気流量。
G143b:2次熱交換器103の右側入口143bを通過する蒸気流量。
G144a:2次熱交換器103の左側出口144aを通過する蒸気流量。
G144b:2次熱交換器103の右側出口144bを通過する蒸気流量。
G145a:3次熱交換器104の左側入口145aを通過する蒸気流量。
G145b:3次熱交換器104の右側入口145bを通過する蒸気流量。
G107a=G143a−G142a・・・(1)
G107b=G143b−G142b・・・(2)
G108a=G145a−G144b・・・(3)
G108b=G145b−G144a・・・(4)
このようにデータ記憶装置250には、設定した熱交換器出口の蒸気温度目標値から、これら条件を満足するために必要なスプレ流量を計算するスプレ流量計算モデルが保存されている。
図6に示すように、記憶部273には、火力発電プラント100からの計測データは、例えば計測器番号(行410)毎に各計測時刻(列400)に計測されたプロセス値(行430)が単位(行420)と共に保存される。
具体的には、図1、図4における蒸気圧力計測器132a,132b,133a,133bで計測したデータは列401,402,403,404にそれぞれ記憶され、蒸気温度計測器115a,115b,116a,116bで計測したデータは列405,406,407,408にそれぞれ記憶されている。
このように、記憶部273には、各計測値が計測器毎に計測時刻に対応付けられてテーブル形式で保存されている。
図7は、図5の演算部272の概略構成を表す機能ブロック図である。
図7に示すように、演算部272には、共通の熱交換器に接続した複数の蒸気管51のそれぞれの蒸気温度目標値を決定する蒸気温度目標値演算部510と、この蒸気温度目標値演算部510により決定されたそれぞれの蒸気温度目標値を基づき、共通の熱交換器に接続した複数の蒸気管51のそれぞれに設けたスプレ弁に対する制御指令値を計算し対応するスプレ弁に出力するスプレ制御指令値演算部520とを備えている。上記温度目標値演算部510においては、後述するように各スプレ流量の偏差や蒸気温度の偏差を変数とする評価関数Q(k)の値をしきい値と比較判定することにより、決定される蒸気温度目標値はスプレ弁開度の操作余裕と蒸気温度の制限値が考慮されたものとなる。
図8に示すように、本実施形態おいて、蒸気温度目標値演算部510における蒸気温度目標値の決定は、情報取得(ステップ300)、モデル調整条件判定(ステップ310)、スプレ流量計算モデル調整(ステップ320)、2次熱交換器出口蒸気温度目標候補値設定(ステップ330)、スプレ流量計算(ステップ340)、評価関数値計算(ステップ350)、終了判定(ステップ360)、及び2次熱交換器出口蒸気温度目標値決定(ステップ370)の各手順によりなされる。以下、この図8に示したフローチャートの各手順について説明する。
このステップ330では、2次熱交換器103の左側出口144aの蒸気温度目標候補値TSH2-a(k)と、2次熱交換器103の右側出口144bの蒸気温度目標値候補値TSH2-b(k)を、以下に述べる手順で設定する。
ΔJa=[F(P133a,T116a)×(GcFW/2−GcSP+GcSP2a)]−[F(P132a,T115a)×(GcFW/2−GcSP)+F(PSP,TSP)×GcSP2a)]・・・(5)
ΔJb=[F(P133b,T116b)×(GcFW/2−GcSP+GcSP2b)]−[F(P132b,T115b)×(GcFW/2−GcSP)+F(PSP,TSP)×GcSP2b)]・・・(6)
(5)式及び(6)式において、右辺第1項は2次熱交換器103の出口における蒸気の熱量であり、第2項は2次熱交換器103の入口における蒸気の熱量である。ここで、F(P,T)は蒸気表を参照して蒸気圧力P、蒸気温度Tにおける蒸気エンタルピを計算する関数、P133a,P132a,P133b,P132bはそれぞれ圧力計測器133a,132a,133b,132bで計測した蒸気圧力のプロセス値、T116a,T115a,T116b,T115bはそれぞれ温度計測器116a,115a,116b,115bで計測した蒸気温度のプロセス値、Pspは2次熱交換器減温器107のスプレ水圧力、Tspは2次熱交換器減温器107のスプレ水温度、GcFWは給水指令値、GcSPは熱交換器系スプレ流量の総和、GcSP2a,GcSP2bは2次熱交換器減温器107a,107bのスプレ流量である。
TSH2-a(k)=TSH2-a(k-1)+(ΔJa−0.5×Jdesign)×α・・・(7)
TSH2-b(k)=TSH2-b(k-1)+(ΔJb−0.5×Jdesign)×β・・・(8)
ここで、TSH2-MAXは2次熱交換器103を通過する蒸気温度許容値の最大値であり、2次熱交換器を構成する材料等に応じて決定する値である。また、kは2次熱交換器出口蒸気温度目標候補値設定のステップ330、スプレ流量計算のステップ340、評価関数値計算のステップ350、終了判定のステップ360を1演算周期内に繰り返した回数、α,βはステップサイズ、Jdesignは2次熱交換器103における熱吸収量の計画値である。
Q(k)=Γ1(GSP2-a(k)−GSP2-b(k))2+Γ2(GSP3-a(k)−GSP3-b(k))2+Γ3(TSP2-a(k)−TSP2-b(k))2・・・(9)
ここで、Γ1≧0,Γ2≧0,Γ3≧0は制御系設計者が決定する調整ゲインである。この評価関数Q(k)では、式に表されているように、スプレ流量の偏差と蒸気温度(目標候補値)の偏差を変数とし各変数に調整ゲインを乗じて加算するため、スプレ流量の偏差又は蒸気温度の偏差が小さくなれば、得られる評価関数値が小さくなる。
Q(k)=Γ4(VSP2-a(k)−VSP2-b(k))2+Γ5(VSP3-a(k)−VSP3-b(k))2+Γ6(TSP2-a(k)−TSP2-b(k))2・・・(10)
ここで、VSP2-a(k)は2次熱交換器減温器107aでスプレ流量GSP2-a(k)を噴射した時の2次熱交換器減温器スプレ弁109aの弁開度、VSP2-b(k)は2次熱交換器減温器107bでスプレ流量GSP2-b(k)を噴射した時の2次熱交換器減温器スプレ弁109bの弁開度、VSP3-a(k)は3次熱交換器減温器108aでスプレ流量GSP3-a(k)3次熱交換器減温器スプレ弁110aの弁開度、VSP2-a(k)は3次熱交換器減温器108bでスプレ流量GSP3-b(k)を噴射した時の3次熱交換器減温器スプレ弁110bの弁開度である。また、Γ4≧0,Γ5≧0,Γ6≧0は制御系設計者が決定する調整ゲインである。
2次熱交換器103の出口蒸気温度が蒸気温度目標値演算部510で決定した2次熱交換器出口蒸気温度目標値と一致するように2次熱交換器減温器107a,107bのスプレ弁109a,109bを制御し、3次熱交換器104の出口蒸気温度が予め設計した目標値に一致するように3次熱交換器減温器108a,108bのスプレ弁110a,110bを制御する。スプレ弁は、例えば図9の制御ロジックを用いて制御する。
図10において、スプレ弁指令値476は、スプレ流量目標値471とスプレ流量472との偏差を入力としたPI制御器475の出力で作成する。
共通の熱交換器に接続する複数の蒸気管のそれぞれに蒸気温度目標値を設定し、それら蒸気管を流れる蒸気にスプレ水を噴霧するスプレ弁を制御することにより、以下に述べる効果が得られる。評価関数計算のステップ350において計算する(9)式の評価関数Q(k)の値は、a系統とb系統の間のスプレ流量又は蒸気温度の差が小さいほど小さくなる。これはa系統とb系統の2次熱交換器減温器107のスプレ流量の差(=GSP2-a(k)−GSP2-b(k))が小さいと評価関数Q(k)の第1項の値が小さくなるためである。同様に、3次熱交換器減温器108のスプレ流量の差はGSP3-a(k)−GSP3-b(k)であり、2次熱交換器104の出口蒸気温度の差はTSH2-a(k)−TSH2-b(k)であるので、これらの値が小さくなるとそれぞれ評価関数Q(k)の第2項、第3項の値が小さくなる。
図11では、ガスの流れる方向に対して、煙道部52中央より右側(図中の下側)のガス温度が左側(図中の上側)のガス温度よりも高くなっている。この場合、同一の熱交換器であっても、煙道の右側に配置されている熱交換器を通過した蒸気の方が煙道の左側を通過した蒸気に比べて熱吸収量が多くなる。つまり、b系統の蒸気の熱吸収量が多くなる。
図14は、本発明の蒸気温度制御装置の発電プラントへの適用例を一般化して表した図である。この図において、先の各図と同様の部分には同符号を付し説明を省略する。
図14において、発電プラント600には、熱交換器A,B・・・と、これら熱交換器A,B・・・に接続する複数の蒸気管(図示せず)のそれぞれに設けた減温器610,620・・・とが設置されている。図14において、熱交換器Aに接続するn本の蒸気管を通る蒸気の温度は、n本の蒸気管のそれぞれに設けた減温器610のスプレ弁A1,A2・・・Anからのスプレ水で温度制御され、熱交換器Bに接続するm本の蒸気管を通る蒸気の温度は、m本の蒸気管のそれぞれに設けた減温器620のスプレ弁B1,B2・・・Bmからのスプレ水で温度制御される。なお、図14には、熱交換器A,Bのみを記載しているが、それ以上の熱交換器が設けられる場合もある。また、必ずしも全ての熱交換器に対応して減温器が設けられるとは限らない。
101 ボイラ
102 第1熱交換器
103 第2熱交換器
104 第3熱交換器
107,107a,b 減温器
108,108a,b 減温器
109,109a,b スプレ弁
110,110a,b スプレ弁
200 蒸気温度制御装置
510 蒸気温度目標値演算部
520 スプレ制御指令値演算部
Claims (9)
- 減温器のスプレ弁を介しスプレ水を噴霧することにより熱交換器に接続した蒸気管を流れる蒸気の温度を目標値に制御する発電プラントの蒸気温度制御装置において、
共通の熱交換器に接続した複数の蒸気管のそれぞれの蒸気温度目標値を決定する蒸気温度目標値演算部と、
この蒸気温度目標値演算部により決定された前記複数の蒸気管のそれぞれの蒸気温度目標値に基づき、前記複数の蒸気管のそれぞれに設けた前記スプレ弁に対する制御指令値を計算するスプレ制御指令値演算部とを備え、
前記蒸気温度目標値演算部は、前記複数の蒸気管のそれぞれに対し、前記スプレ弁開度の操作余裕と蒸気温度の制限値とを考慮した変数を用いた評価関数を指標として蒸気温度目標値を決定することを特徴とする発電プラントの蒸気温度制御装置。 - 減温器のスプレ弁を介しスプレ水を噴霧することにより熱交換器に接続した蒸気管を流れる蒸気の温度を目標値に制御する発電プラントの蒸気温度制御装置において、
共通の熱交換器に接続した複数の蒸気管のそれぞれの蒸気温度目標値を決定する蒸気温度目標値演算部と、
この蒸気温度目標値演算部により決定された前記複数の蒸気管のそれぞれの蒸気温度目標値に基づき、前記複数の蒸気管のそれぞれに設けた前記スプレ弁に対する制御指令値を計算するスプレ制御指令値演算部とを備え、
前記蒸気温度目標値演算部は、前記複数の蒸気管のそれぞれに設けた前記スプレ弁によるスプレ流量の偏差又は前記複数の蒸気管を流れる蒸気の温度偏差のうちの少なくともいずれかを変数として導き出された評価関数値を指標として、前記複数の蒸気管のそれぞれの蒸気温度目標値を決定することを特徴とする発電プラントの蒸気温度制御装置。 - 減温器のスプレ弁を介しスプレ水を噴霧することにより熱交換器に接続した蒸気管を流れる蒸気の温度を目標値に制御する発電プラントの蒸気温度制御装置において、
共通の熱交換器に接続した複数の蒸気管のそれぞれの蒸気温度目標値を決定する蒸気温度目標値演算部と、
この蒸気温度目標値演算部により決定された前記複数の蒸気管のそれぞれの蒸気温度目標値に基づき、前記複数の蒸気管のそれぞれに設けた前記スプレ弁に対する制御指令値を計算するスプレ制御指令値演算部とを備え、
共通の熱交換器に接続した複数の蒸気管のそれぞれの蒸気温度目標候補値を設定する手順と、
設定した蒸気温度目標候補値に基づいて前記複数の蒸気管にそれぞれ設けたスプレ弁による各スプレ流量を設定する手順と、
設定したスプレ流量の偏差又は前記蒸気温度目標候補値の偏差のうちの少なくともいずれかを変数として評価関数値を導き出す手順と、
導き出した評価関数値をしきい値と比較して前記複数の蒸気管のそれぞれの蒸気温度目標値を決定する手順と、
決定された前記複数の蒸気管のそれぞれの蒸気温度目標値に基づき、前記複数の蒸気管のそれぞれに設けた前記スプレ弁に対する制御指令値を計算する手順と
を実行することを特徴とする発電プラントの蒸気温度制御装置。 - 減温器のスプレ弁を介しスプレ水を噴霧することにより熱交換器に接続した蒸気管を流れる蒸気の温度を目標値に制御する発電プラントの蒸気温度制御方法において、
共通の熱交換器に接続した複数の蒸気管のそれぞれに対し、前記スプレ弁開度の操作余裕と蒸気温度の制限値とを考慮した変数を用いた評価関数を指標として前記蒸気温度目標値を決定し、
決定した前記複数の蒸気管のそれぞれの蒸気温度目標値に基づき、前記複数の蒸気管のそれぞれに設けた前記スプレ弁に対する制御指令値を計算する
ことを特徴とする発電プラントの蒸気温度制御方法。 - 減温器のスプレ弁を介しスプレ水を噴霧することにより熱交換器に接続した蒸気管を流れる蒸気の温度を目標値に制御する発電プラントの蒸気温度制御方法において、
共通の熱交換器に接続した複数の蒸気管のそれぞれに設けた前記スプレ弁によるスプレ流量の偏差又は前記複数の蒸気管を流れる蒸気の温度偏差のうちの少なくともいずれかを変数として導き出された評価関数値を指標として、前記複数の蒸気管のそれぞれの前記蒸気温度目標値を決定し、
決定した前記複数の蒸気管のそれぞれの蒸気温度目標値に基づき、前記複数の蒸気管のそれぞれに設けた前記スプレ弁に対する制御指令値を計算する
ことを特徴とする発電プラントの蒸気温度制御方法。 - 減温器のスプレ弁を介しスプレ水を噴霧することにより熱交換器に接続した蒸気管を流れる蒸気の温度を目標値に制御する発電プラントの蒸気温度制御方法において、
共通の熱交換器に接続した複数の蒸気管のそれぞれの蒸気温度目標候補値を設定し、
設定した蒸気温度目標候補値に基づいて前記複数の蒸気管にそれぞれ設けたスプレ弁による各スプレ流量を設定し、
設定したスプレ流量の偏差又は前記蒸気温度目標候補値の偏差のうちの少なくともいずれかを変数として評価関数値を導き出し、
導き出した評価関数値をしきい値と比較して前記複数の蒸気管のそれぞれの蒸気温度目標値を決定し、
そして、決定された前記複数の蒸気管のそれぞれの蒸気温度目標値に基づき、前記複数の蒸気管のそれぞれに設けた前記スプレ弁に対する制御指令値を計算する
ことを特徴とする発電プラントの蒸気温度制御方法。 - 供給水を加熱して蒸気を発生させる熱源と、
この熱源に設けた少なくとも1つの熱交換器と、
共通の熱交換器に接続した複数の蒸気管と、
これら複数の蒸気管のそれぞれに設けられ、スプレ弁を介しスプレ水を噴霧することにより前記蒸気管を流れる蒸気の温度を調節する少なくとも1対の減温器と、
前記複数の蒸気管のそれぞれの蒸気温度目標値を決定する蒸気温度目標値演算部と、
この蒸気温度目標値演算部により決定された前記複数の蒸気管のそれぞれの蒸気温度目標値に基づき、前記複数の蒸気管のそれぞれに設けた前記スプレ弁に対する制御指令値を計算するスプレ制御指令値演算部と
を備え、
前記蒸気温度目標値演算部は、前記複数の蒸気管のそれぞれに対し、前記スプレ弁開度の操作余裕と蒸気温度の制限値とを考慮した変数を用いた評価関数を指標として蒸気温度目標値を決定することを特徴とする発電プラント。 - 供給水を加熱して蒸気を発生させる熱源と、
この熱源に設けた少なくとも1つの熱交換器と、
共通の熱交換器に接続した複数の蒸気管と、
これら複数の蒸気管のそれぞれに設けられ、スプレ弁を介しスプレ水を噴霧することにより前記蒸気管を流れる蒸気の温度を調節する少なくとも1対の減温器と、
前記複数の蒸気管のそれぞれの蒸気温度目標値を決定する蒸気温度目標値演算部と、
この蒸気温度目標値演算部により決定された前記複数の蒸気管のそれぞれの蒸気温度目標値に基づき、前記複数の蒸気管のそれぞれに設けた前記スプレ弁に対する制御指令値を計算するスプレ制御指令値演算部と
を備え、
前記蒸気温度目標値演算部は、前記複数の蒸気管のそれぞれに設けた前記スプレ弁によるスプレ流量の偏差又は前記複数の蒸気管を流れる蒸気の温度偏差のうちの少なくともいずれかを変数として導き出された評価関数値を指標として、前記複数の蒸気管のそれぞれの蒸気温度目標値を決定することを特徴とする発電プラント。 - 供給水を加熱して蒸気を発生させる熱源と、
この熱源に設けた少なくとも1つの熱交換器と、
共通の熱交換器に接続した複数の蒸気管と、
これら複数の蒸気管のそれぞれに設けられ、スプレ弁を介しスプレ水を噴霧することにより前記蒸気管を流れる蒸気の温度を調節する少なくとも1対の減温器と、
前記複数の蒸気管のそれぞれの蒸気温度目標値を決定する蒸気温度目標値演算部、及びこの蒸気温度目標値演算部により決定された前記複数の蒸気管のそれぞれの蒸気温度目標値に基づき、前記複数の蒸気管のそれぞれに設けた前記スプレ弁に対する制御指令値を計算するスプレ制御指令値演算部を有する蒸気温度制御装置とを備え、
前記蒸気温度制御装置は、前記複数の蒸気管のそれぞれの蒸気温度目標候補値を設定する手順、設定した蒸気温度目標候補値に基づいて前記複数の蒸気管にそれぞれ設けたスプレ弁による各スプレ流量を設定する手順、設定したスプレ流量の偏差又は前記蒸気温度目標候補値の偏差のうちの少なくともいずれかを変数として評価関数値を導き出す手順、導き出した評価関数値をしきい値と比較して前記複数の蒸気管のそれぞれの蒸気温度目標値を決定する手順、及び決定された前記複数の蒸気管のそれぞれの蒸気温度目標値に基づき、前記複数の蒸気管のそれぞれに設けた前記スプレ弁に対する制御指令値を計算する手順を実行することを特徴とする発電プラント。
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