JP4131264B2 - N,n−ジアルキルアリルアミン系重合体の製造方法 - Google Patents

N,n−ジアルキルアリルアミン系重合体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、N,N−ジアルキルアリルアミン系重合体の製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、ファインケミカルズ分野における各種用途に有用なN,N−ジアルキルアリルアミン重合体またはその付加塩を、収率よく、工業的に有利に製造する方法に関するものである。
ポリアリルアミン(アリルアミン重合体)は、側鎖に第一アミノ基を含む直鎖のオレフィン系重合体で、水に良く溶け、水中でプラスに荷電するカチオン系高分子である。ポリアリルアミンは、独特の反応性高分子構造と性質を持ち、そのため、反応染料用染料固着剤、直接染料用染料固着剤、インクジェット記録用紙の添加剤等、極めて多くの分野で使用されている。そのポリアリルアミンの製造方法については、モノアリルアミンの無機酸塩を、水又は極性溶媒中、アゾ基を含むラジカル重合開始剤を用いて重合することにより製造する方法が知られている。
一方、N,N−ジアルキルアリルアミン重合体またはその付加塩に関しては、ポリアリルアミンと比較する点で、極めて興味ある実用的な重合体であると考えられるにもかかわらず、特許文献1の9頁比較例12に記載のように、ラジカル重合開始剤によるN,N−ジメチルアリルアミン等のモノマーの重合反応によっては、痕跡量(収率5%)の重合体を得るのみでほとんど重合せず、現在までのところN,N−ジアルキルアリルアミン重合体を重合により高重合率で得たという報告は見られないのが現状である。
従って、現在知られているN,N−ジアルキルアリルアミン重合体の製造方法としては、ある種の重合体から、その重合体の側鎖の置換基を化学的に変換してN,N−ジアルキルアリルアミン重合体又はその付加塩を製造する方法が知られているにすぎない。そのような製造方法の1つとしては、ポリ(N,N−ジメチルアクリルアミド)等のポリ(N,N−ジアルキルアクリルアミド)をソジウム・ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムハイドライドと反応することによりN,N−ジアルキルアリルアミン重合体を製造する方法が知られている(特許文献2参照)。しかし、この方法は、無水条件で行うので工業的に目的の重合体を製造するのは難しいという問題がある。また、N,N−ジアルキルアリルアミン重合体の別な製造方法としては、ポリアリルアミンにギ酸とホルムアルデヒドを作用させることにより製造する方法が知られている(特許文献3参照)が、この方法では、モノアリルアミンを出発原料として目的物を得るのに2段階必要であることから、必ずしも、満足のいく方法でないと考えられる。
ところで、プリンターとして、ドットインパクトプリンター、レーザープリンター、サーマルプリンター、インクジェットプリンターなどが知られているが、これらの中でインクジェットプリンターは、高速で低騒音である、印刷コストが低い、機構が簡単で小型軽量化が可能である、マルチカラー化や画像の大型化が容易である、現像定着が不要である、記録パターンの融通性が大きいなどの特徴を有することから、近年広く普及している。
このインクジェットプリンターにおいては、インクジェット記録方式として、従来から、静電吸引方式、空気圧送方式、圧電素子の電気的変形を利用した方式、あるいは加熱発泡時の圧力を利用した方式等によってインク小滴を発生・噴射させ、更にこのインク小滴を記録用紙に付着させて記録を行っている。そして、この記録方式におけるインクとしては、通常、染料や顔料などの着色剤を、水または水溶性有機溶剤、あるいはこれらの混合液に溶解または分散させて調製した水性インクが使用されている。
近年、インクジェット記録では普通紙上の耐水性が求められてきており、これを達成する水性インク組成として、ポリエチレンイミン及びこの変成物を中心としたポリアミンと染料との組み合わせが種々検討されてきた。
しかしながら、このようなポリアミンは耐水性が不充分であったり、保存安定性が悪かったり、適用できる染料の選択肢が狭いなどの欠点を有している。
一方、アリルアミン重合体を耐水化剤として、インク組成物に使用することが試みられているが、この場合、特許文献4に記載されているように、アリルアミン塩酸塩重合体と染料(スルホン酸塩等の酸塩を含む染料)とを反応させることにより、アリルアミン重合体を対カチオンとする染料を製造し、これを固体として単離することにより、無機塩等を取り除いてから使用しなければならない等の煩雑な操作が必要であった。また、その煩雑な操作を省くため、あらかじめアリルアミン重合体をフリーにしてさらに無機塩等を取り除いても、インクに用いた場合、インクの凝集等がおこりやすく実用に適用するには問題となっていた
特公平2−14364号公報 米国特許4053512号明細書 特開昭60−108405号公報 特開昭63−33484号公報
このような事情のもとで、本発明の目的は、ファインケミカルズ分野における各種用途に有用で、特にインクジェットインク用の耐水化剤などとして有用なN,N−ジアルキルアリルアミン重合体を、収率よく、工業的に有利に製造する方法を提供することにある。
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、水系溶媒中において、特定量の特定のラジカル開始剤の存在下、N,N−ジアルキルアリルアミンの付加塩を重合させることにより、さらには、この重合液に特定の処理を施したのち、イオン交換膜電気透析に付すことにより、上記の目的を達成しうることを見出した。
本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、(1)水系溶媒中において、一般式(I)
(式中、R1およびR2は、それぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基を示す。)
で表されるN,N−ジアルキルアリルアミンの付加塩を、該付加塩に対して5〜100モル%の、分子中にアゾ基を有するラジカル開始剤または過硫酸塩系ラジカル開始剤の存在下で重合させ、所望により中和することを特徴とする、一般式(II)
(式中、R及びRは上記と同じである。)
で表される繰り返し単位を有するN,N−ジアルキルアリルアミン重合体またはその付加塩の製造方法(以下、製造方法1と称す。)、および
(2)水系溶媒中において、上記一般式(I)で表されるN,N−ジアルキルアリルアミンの付加塩を、該付加塩に対して5〜100モル%の、分子中にアゾ基を有するラジカル開始剤または過硫酸塩系ラジカル開始剤の存在下で重合させたのち、重合液を中和処理して生成した重合体を遊離状態にし、さらに残存するモノマーを減圧下に留去させ、次いでイオン交換膜電気透析に付し、場合により酸処理することを特徴とする、上記一般式(II)で表される繰り返し単位を有するN,N−ジアルキルアリルアミン重合体またはその付加塩の製造方法(以下、製造方法2と称す。)を提供するものである。
本発明によれば、ファインケミカルズ分野における各種用途に有用で、特にインクジェットインク用の耐水化剤などとして有用な、N,N−ジアルキルアリルアミン重合体またはその付加塩を、収率よく、工業的に有利に製造することができる。
まず、本発明の製造方法1について説明する。
製造方法1は、水系溶媒中において、分子中にアゾ基を有するラジカル開始剤
または過硫酸塩系ラジカル開始剤の存在下、N,N−ジアルキルアリルアミンの付加塩を重合させて、N,N−ジアルキルアリルアミン重合体またはその付加塩を製造する方法である。
この製造方法1におけるN,N−ジアルキルアリルアミンの付加塩としては、一般式(I)
(式中、R1およびR2は、それぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基を示す。)
で表される化合物の付加塩が用いられる。
この一般式(I)で表されるN,N−ジアルキルアリルアミンの付加塩の例としては、N,N−ジメチルアリルアミン、N,N−ジエチルアリルアミン、N,N−ジプロピルアリルアミン、N,N−ジブチルアリルアミンの付加塩を挙げることができる。付加塩としては、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、亜硫酸塩、リン酸塩等を例示できる。このN,N−ジアルキルアリルアミンの付加塩は1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。本発明では、N,N−ジメチルアリルアミン塩酸塩を原料として用いた場合、得られるN,N−ジメチルアリルアミン塩酸塩重合体はメタノールに可溶となる。
この方法においては、重合は水系溶媒中で行われ、この水系溶媒としては、例えば、水、無機酸(塩酸、硫酸、リン酸、ポリ−リン酸)、有機酸水溶液、無機酸塩(塩化亜鉛、塩化カルシウム、塩化マグネシウムなど)水溶液等が挙げられる。
なお、特公平6−2780号公報では、低分子量アリルアミン重合体の製造方法として、本発明に用いる触媒を使用してモノアリルアミンを大過剰の塩酸存在下で重合することが必要であると開示している。
しかし、本発明においては、特に酸は大過剰使用しなくても低分子量のN,N−ジアルキルアリルアミン重合体またはその付加塩を製造することができる。従って、重合後の処理を極めて簡単にすることもできる。
本発明においては、使用する酸の量は、N,N−ジアルキルアリルアミンに対し100〜110当量%が好ましい。使用する酸の量がN,N−ジアルキルアリルアミンに対し100当量%未満であると重合率が低くなりやすく、110当量%を超えると、得られる重合体の溶液が着色しやすくなることもある。
重合に際して、前記のN,N−ジアルキルアリルアミンの付加塩は、単離された結晶の形で使用されるのが普通であるが、上記の水系溶媒にN,N−ジアルキルアリルアミンと酸とを加えてその系中で付加塩を生成させてもよい。言うまでもなく、酸の水溶液を重合媒体として使用する場合には、所定量のN,N−ジアルキルアリルアミンを酸の水溶液に加え、そのまま重合させることができる。
この方法においては、重合触媒として、分子中にアゾ基を有するラジカル開始剤または過硫酸塩系ラジカル開始剤が用いられる。ここで、分子中にアゾ基を有するラジカル開始剤としては、特公平2−14364号公報、特公平2−56361号公報、特公平2−56362号公報、特公平2−57082号公報、特公平2−57083号公報に記載されているものが例示できる。
これらのラジカル重合開始剤の中で、分子中にアゾ基とカチオン性窒素を有する化合物が好ましく、その中で、一般式(VI)で示されるアゾ化合物の無機酸または有機酸塩が原料合成の難易さから実用に供せられる。
5−N=N−R6 …(VI)
[式中のR5とR6の少なくとも一方、好ましくは両方がアミノアルキル、アミノアリール、アミジニルアルキル、アミジニルアリール、アミノアルカリール、アミノアラルキル、アミジニルアラルキル、アミジニルアルカリール、シアノアミノアルキルおよびシアノアミノアルカリールからなる群から選ばれるカチオン化し得る窒素原子を含む基であり、R5とR6の一方が上記カチオン化し得る窒素原子を含む基である場合には、残りのものが、アルキル、アリール、アルカリール、アラルキル、シアノアルキル、シアノアリール、シアノアルカリール、シアノアラルキルからなる群から選ばれた基であり、また、R5とR6は、これらが一緒になって一般式(VII)で示される単一のアルキレン基を形式してもよい。
(式中、Rはアルキレン、アルキルアルキレンおよびアリールアルキレン基からなる群から選択される基であり、共有結合(a)および(b)は、それぞれアゾ基の窒素原子と結合してアゾ基を含む環を形成しており、Xはカチオン化し得る窒素原子を含む基である)]。
これらのうち、一般式(VI)で示されるラジカル重合開始剤が、アゾ基に隣接する第二又は第三炭素を有する化合物であることが特に好ましい。
この分子中にアゾ基を有するラジカル開始剤(以下、アゾ系ラジカル開始剤ということがある。)の例としては、2,2’−ジアミジニル−2,2’−アゾプロパン・塩酸塩[別名として2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩]、2,2’−ジアミジニル−2,2’−アゾブタン・塩酸塩、2,2’−ジアミジニル−2,2’−アゾペンタン・塩酸塩、2,2’−ビス(N−フェニルアミジニル)−2,2’−アゾプロパン・塩酸塩、2,2’−ビス(N−フェニルアミジニル)−2,2’−アゾブタン・塩酸塩、2,2’−ビス(N,N−ジメチルアミジニル)−2,2’−アゾプロパン・塩酸塩、2,2’−ビス(N,N−ジメチルアミジニル)−2,2’−アゾブタン・塩酸塩、2,2’−ビス(N,N−ジエチルアミジニル)−2,2’−アゾプロパン・塩酸塩、2,2’−ビス(N,N−ジエチルアミジニル)−2,2’−アゾブタン・塩酸塩、2,2’−ビス(N,N−ジn−ブチルアミジニル)−2,2’−アゾプロパン・塩酸塩、2,2’−ビス(N,N−ジn−ブチルアミジニル)−2,2’−アゾブタン・塩酸塩、3,3’−ビス(N,N−ジn−ブチルアミジニル)−3,3’−アゾペンタン・塩酸塩、アゾ−ビス−N,N’−ジメチレンイソブチルアミジン・塩酸塩などが挙げられる。これらの塩酸塩は、二塩酸塩であることが好ましい。
また、分子中にアゾ基を有するラジカル開始剤の別の例として、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]塩酸塩、2,2’−アゾ−ビス(2−メチル−4−ジエチルアミノ)−ブチロニトリル・塩酸塩、2,2’−アゾ−ビス(2−メチル−4−ジメチルアミノ)−ブチロニトリル・塩酸塩、2,2’−アゾ−ビス(2−メチル−4−ジエチルアミノ)−ブチロニトリル・塩酸塩、2,2’−アゾ−ビス(2−エチル−4−ジエチルアミノ)−ブチロニトリルまたは2,2’−アゾ−ビス(2−メチル−4−ジメチルアミノ)−ブチロニトリルを、ジメチル硫酸またはp−トルエンスルホン酸メチルなどで四級化して得た第4アンモニウム塩型アゾニトリル; 3,5−ジアミジニル−1,2−ジアゾ−1−シクロペンテン・塩酸塩、3−メチル−3,4−ジアミジニル−1,2−ジアゾ−1−シクロペンテン・塩酸塩、3−エチル−3,5−ジアミジニル−1,2−ジアゾ−1−シクロペンテン・塩酸塩、3,5−ジメチル−3,5−ジアミジニル−1,2−ジアゾ−1−シクロペンテン・塩酸塩、3、6−ジアミジニル−1,2−ジアゾ−1−シクロヘキセン・塩酸塩、3−フェニル−3,5−ジアミジニル−1,2−ジアゾ−1−シクロペンテン・塩酸塩、3,5−ジフェニル−3,5−ジアミジニル−1,2−ジアゾ−1−シクロペンテン・塩酸塩; 2,2’−アゾビス−(2−メチル−プロピオアミドキシム)、2,2’−アゾビス−(2−メチル−プロピオン−ヒドロキサム酸)、2,2’−アゾビス−(2−メチル−ブチロアミドキシム)、2,2’−アゾビス−(2−メチル−ブチルヒドロキサム酸)、2,2’−アゾビス−(2−イソブチル−2−メチル−プロピオアミドキシム)、2,2’−アゾビス−(2−イソブチル−2−メチル−プロピオン−ヒドロキサム酸)、2,2’−アゾビス−(2−シクロヘキシル−プロピオアミドキシム)、2,2’−アゾビス−(2−シクロヘキシル−プロピオン−ヒドロキサム酸)、2,2’−アゾビス−(2−フェニル−プロピオアミドキシム)、2,2’−アゾビス−(2−フェニル−プロピオン−ヒドロキサム酸)、2,2’−アゾビス−(2−ベンジル−プロピオアミドキシム)、2,2’−アゾビス−(2−ベンジル−プロピオン−ヒドロキサム酸)、1,1’−アゾビス−(シクロヘキシル−カルボアミドキシム)、1,1’−アゾビス−(シクロヘキシル−カルボヒドロキサム酸); 2,2’−アゾビス−(2−カルボキシメチル−プロピオアミドキシム)、2,2’−アゾビス−(2−カルボキシエチル−プロピオアミドキシム)、3,3’−アゾビス−(3−カルボキシエチル−ブチロアミドキシム)、2,2’−アゾビス−(2−カルボキシメチル−プロピオンヒドロキサム酸)、2,2’−アゾビス−(2−カルボキシエチル−プロピオンヒドロキサム酸)、3,3’−アゾビス−(3−カルボキシエチル−ブチルヒドロキサム酸); 2,2’−アゾビス−(2−メチルプロピオン酸メチルエステル)、2,2’−アゾビス−(2−メチルプロピオン酸エチルエステル)、2,2’−アゾビス−(2−エチルプロピオン酸メチルエステル)、2,2’−アゾビス−(2−エチル酪酸メチルエステル)、2,2’−アゾビス−(2−アセトキシ−プロパン)、2,2’−アゾビス−(2−アセトキシ−ブタン)、1,1’−アゾビス(1−ホルムオキシ−シクロヘキサン); 2,2’−アゾビス−(2−メチルプロピオン酸ヒドラジド)、2,2’−アゾビス−(2−メチル酪酸ヒドラジド)、2,2’−アゾビス−(2−エチル酪酸ヒドラジド)、1,1’−アゾビス−(1−シクロヘキシルカルボン酸ヒドラジド)、4,4’−アゾビス−(4−ヒドロキシ吉草酸ヒドラジド)、4,4’−アゾビス−(4−ヒドロキシカプロン酸ヒドラジド)などが挙げられる。
これらのアゾ系ラジカル開始剤は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、後述する比較例に示すように、分子中にアゾ基を有するラジカル重合開始剤の代わりに、ラジカル重合開始剤として知られているt−ブチルヒドロキシペルオキシド、過酸化水素等を用いて同様な条件下で重合させても、ほとんど重合しない。
一方、過硫酸塩としては、例えば過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウムなどが挙げられ、これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
この方法における前記ラジカル開始剤の添加量は、N,N−ジアルキルアリルアミンの付加塩に対して、5〜100モル%の範囲で選ばれる。この量が5モル%未満では重合体の重合率が低く、実用的でないし、100モル%を超えると所望の分子量の重合体が得られにくい上、経済的に不利となる。好ましい添加量は7〜50モル%の範囲であり、より好ましくは10〜40モル%の範囲である。このラジカル開始剤は、時間をおいて、複数回に分けて添加してもよい。
特に着色の少ない重合体が得られる点から、アゾ系ラジカル開始剤を上記範囲の量で用いるのが有利である。
重合温度は、用いる水系溶媒の種類およびラジカル重合開始剤の種類などにより異なるが、アゾ系ラジカル開始剤を用いる場合には、通常55℃〜還流温度、好ましくは55〜100℃である。
重合温度が55℃を越えないと重合が起こりにくいため重合率が低くなりやすく、重合温度が100℃を越えると重合液が褐色等に着色することもある。
一方、過硫酸塩系ラジカル開始剤を用いる場合には、通常30℃〜還流温度、好ましくは40〜90℃、さらに好ましくは50〜70℃である。この場合、意外にも、50〜70℃の低温でも重合が高重合率でしかも低重合度で起きる。重合温度が高すぎると重合が起こりにくいため重合率が低くなりやすく、重合温度が高すぎると重合液が褐色等に着色しやすい。
重合時間は、重合温度及びラジカル重合開始剤の種類と量などに左右され一概に定めることはできないが、通常150時間以内で十分ある。
出発単量体の濃度はその溶解度の範囲内で高いほうが望ましいが、通常30重量%以上、好ましくは50〜90重量%である。
N,N−ジアルキルアリルアミン重合体の付加塩を固体として所望する場合には、例えば、反応混合物を中和することなく、そのまま、反応混合物を析出用溶媒に投入し、析出した固形物を濾過などの手段により取り出すことができる。この場合、析出用溶媒は、重合溶媒に溶け、かつ、重合溶媒と析出用溶媒とを混合しそのとき得られる混合溶媒が目的の重合体の付加塩を実質的に溶解させないように、種類と量とを選ぶことが重要である。析出用溶媒は複数の溶媒を混合したものでも構わない。例えば、N,N−ジアルキルアリルアミン重合体の付加塩がN,N−ジメチルアリルアミン塩酸塩重合体である場合には、析出用溶媒として、アセトン−イソプロパノール1:1(重量比)の混合溶媒等を選ぶことができる。
取り出したN,N−ジアルキルアリルアミン重合体の付加塩は、必要により、さらに、それを適当な溶媒、例えば前記の析出用溶媒で洗浄した後、乾燥処理することにより精製することができる。
本発明において製造されたN,N−ジアルキルアリルアミン塩酸塩重合体は、重合反応終了後、水溶性である。
遊離型のN,N−ジアルキルアリルアミン重合体を所望する場合には、例えば、重合終了後の反応混合物を、適当なアルカリ、例えば水酸化ナトリウムを用いて中和処理することにより、遊離型のN,N−ジアルキルアリルアミン重合体を得ることができる。
このようにして、一般式(II)
(式中、R1およびR2は前記と同じである。)
で表される繰り返し単位を有するN,N−ジアルキルアリルアミン重合体またはその付加塩が得られる。
遊離型のN,N−ジアルキルアリルアミン重合体は、前記一般式(II)でR1とR2がどちらもCH3のときは、水溶性であるが、R1とR2のアルキル基の炭素数が大きくなるにつれて水に溶けにくくなる。このような遊離状態で水に溶けにくいN,N−ジアルキルアリルアミン重合体を水系で使用する場合は、ポリマー内のジアルキルアミノ基を適当な割合で付加塩にしておくことによりポリマーの水溶性を増大させることができる。
なお、本明細書においてN,N−ジアルキルアリルアミン重合体の付加塩とは、N,N−ジアルキルアリルアミン重合体の完全付加塩例えばN,N−ジアルキルアリルアミン塩酸塩重合体のほかに、部分付加塩をも含むものとする。
このようにして得られたN,N−ジアルキルアリルアミン重合体またはその付加塩の水溶液は、多少着色されている。
したがって、特に精製され、着色度が改善されたN,N−ジアルキルアリルアミン重合体またはその付加塩を所望する場合には、次に述べる製造方法2を実施すればよい。
本発明の製造方法2においては、前記製造方法1で得られた重合液を中和処理することにより、生成した重合体を、遊離状態にし、次いで残存するモノマーを減圧下に留去した後、イオン交換膜電気透析に付して精製することにより、精製された遊離のN,N−ジアルキルアリルアミン重合体を得ることができる。また、付加塩を所望する場合は、この精製された遊離のN,N−ジアルキルアリルアミン重合体を、所望の付加塩を構成する酸で処理すればよい。
重合終了後の液をそのまま、特公平7−68298号公報に記載のように、イオン交換膜電気透析に付しても着色の改善は起こりにくく、かつ、脱塩できにくい。そのため、重合終了後の液をまず、アルカリにて中和する。中和の程度は、N,N−ジアルキルアリルアミン重合体を完全に遊離の状態にする程度まで行うことが好ましい。中和後の水溶液のpHは、通常9〜13.5、好ましくは10〜13にする。
さらに、中和完了後、中和した重合体の溶液中に残存するモノマーを減圧下に留去する。このとき、目的の重合体は、留去されずに残すことができる。残存するモノマーを減圧下に留去するときは、外温40〜100℃で10〜300mmHgの条件で行うことが好ましく、外温50〜80℃で20〜200mmHgの条件で行うことがさらに好ましい。
モノマーを除去した後、得られる液をイオン交換膜電気透析に付す場合には、モノマー留去の際、水も一部留去されるので、水で希釈してからイオン交換膜電気透析に付しても良い。この場合、イオン交換膜電気透析により、目的の重合体がほとんど除去されずに残り、しかも、重合体溶液の着色が改善される。それと共に、重合のため大量に使用したラジカル重合開始剤に由来する不純物と中和により生成した塩も、併せて除去することができる。
次に、この製造方法2において用いるイオン交換膜電気透析の実施態様を、添付図面に従って説明する。
図1は、本発明の方法において、重合体の精製に用いる電気透析装置の1例の概略図であって、電槽9は、陽イオン交換膜Cと陰イオン交換膜Aとが交互に並行に配列され、膜により区画された希釈室3、濃縮室4および電極室5より成立しており、電槽9の両端の電極室5には、それぞれ陽極と陰極の電極板6が設備されている。原液槽1に投入された原液(モノマー留去後に得られる液)は、ポンプP1により電槽9の希釈室3に送られる。ここで、着色成分等は、陽イオン交換膜Cまたは陰イオン交換膜Aを通して濃縮室4へ移動する。このとき、N,N−ジアルキルアリルアミン重合体は陽イオン交換膜Cにより遮断されるため希釈室3に残り、着色が改善された状態で、そのまま残留する。一方、濃縮液槽2および電極室5には、濃縮液たる電解液が投入される。この濃縮液はポンプP2により濃縮室4へ送られる。
具体的には、原液、濃縮液、および電極液をそれぞれ、希釈室、濃縮室、電極室へ循環させ、電極板6に直流電圧を印加することにより、原液槽1に投入された原液からは、徐々に不純物が透析除去され、濃縮液中に透析された不純物は濃縮液槽2に濃縮される。その結果、原液槽1には精製された重合体水溶液が、濃縮液槽2には不純物が濃縮貯蔵されることになる。このとき、濃縮液槽には、中和塩またはラジカル重合開始剤由来の不純物が併せて濃縮貯蔵される。
かくして、着色が改善され、かつ中和塩またはラジカル重合開始剤由来の不純物が除去されたN,N−ジアルキルアリルアミン重合体の水溶液を得ることができる。
なお、この場合に用いられる陽イオン交換膜および陰イオン交換膜は一般的なイオン交換膜(例えば旭硝子(株)製のCMV,AMV等)で良く、特殊なイオン交換膜を用いる必要はあえてない。またこれらのイオン交換膜を装着させる電気透析槽も、市販されているものでもよく、膜間隔、室数等を特別に設定してやる必要はない。
このようにして精製したN,N−ジアルキルアリルアミン重合体は、灼熱残分を5重量%以下、好ましくは2重量%以下、より好ましくは0.5重量%以下にすることができ、かつ残存モノマー量を250重量ppm以下にすることができる。
本発明においては、比較的低重合度のN,N−ジアルキルアリルアミン重合体またはその付加塩が製造できる。得られる重合体の重量平均分子量は、反応条件により異なるが、遊離状態として250〜3000である。なお、本明細書において、重量平均分子量は、ポリエチレンオキシドを標準としてゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)より求めた重量平均分子量をいう。
本発明においては、モノマー濃度を低くし、重合温度を高くし、ラジカル重合開始剤濃度を高くすれば、低重合度の重合体が得られる。
また、このようにして得たN,N−ジアルキルアリルアミン重合体の水溶液に塩酸等の酸を加えることにより、精製されたN,N−ジアルキルアリルアミン重合体の付加塩の水溶液を得ることができる。また、場合によっては、得られるその水溶液を、所望により濃縮した後、例えばアセトン−イソプロパノール1:1(重量比)混合溶媒等、適当な極性溶媒に入れることにより沈殿を発生させ、析出する沈殿を濾取することにより、N,N−ジアルキルアリルアミン重合体の付加塩を、固体として取り出すことができる。
この製造方法1および2で得られたN,N−ジアルキルアリルアミン重合体またはその付加塩は、ファインケミカルズ分野における各種用途に有用であり、例えばインクジェットインク用に、耐水化剤などとして用いることができる。特に、製造方法2で得られた精製遊離型のN,N−ジアルキルアリルアミン重合体は、着色が少なく、かつ灼熱残分が少ない上、金属を腐食しにくいなどの特徴を有し、インクジェットインク用として好適である。
また該N,N−ジアルキルアリルアミン重合体またはその付加塩の中には、感温性熱可逆的な性質を示すものが見出されており、例えば、製造方法2で得られた精製遊離型のN,N−ジメチルアリルアミン重合体は、水との混合物が高温(45℃以上)で濁り、低温では透明な溶液(曇点:43.5℃、42℃ではほぼ透明)となることが確認されている。したがって、感温性熱可逆型材料として、新規用途の開拓が可能となる。
本発明の製造方法により得られる重合体1は、一般式(II)
(式中のR1およびR2は前記と同じである。)
で表される繰り返し単位からなり、かつポリエチレンオキシドを標準としてゲルパーミエーションクロマトグラフィー法で求めた重量平均分子量が250〜3000であり、灼熱残分量が5重量%以下のN,N−ジアルキルアリルアミン重合体である。
このN,N−ジアルキルアリルアミン重合体としては、灼熱残分が2重量%以下、特に0.5重量%以下で、かつ残存モノマー量が250重量ppm以下であるものが好適である。
この重合体における上記一般式(II)で表される繰り返し単位は1種含有されていてもよいし、2種以上含有されていてもよい。
このような性状を有するN,N−ジアルキルアリルアミン重合体は、例えば前述の製造方法2によって製造することができる。
このN,N−ジアルキルアリルアミン重合体は、ファインケミカルズ分野における各種用途に有用であるが、着色が少なく、かつ無機塩が少ない上、金属に対する腐食性が小さいことなどから、特に、インクジェットインク用に、耐水化剤などとして好適に用いられる。
また、この重合体の中で、感温性熱可逆的性質を有するものが見出されており(例えば、N,N−ジメチルアリルアミン重合体)、感温性熱可逆型材料などの新規な機能性材料としても有望である。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
実施例1 ラジカル重合開始剤として2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩を用いたN,N−ジメチルアリルアミン塩酸塩重合体の製造
撹拌機、温度計および還流冷却器を備えた100mlの三口フラスコに、濃度60.21wt%のN,N−ジメチルアリルアミン塩酸塩水溶液50.50g(0.25モル)を入れ、それを60℃に加温し、温度が一定になってから、ラジカル重合開始剤として、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩4.34g(モノマーに対して6.4モル%)を添加し重合を開始した。重合を開始して、24時間、48時間および72時間経過した後にも、それぞれ2.17g(モノマーに対して3.2モル%)の2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩を添加した。その後、重合反応をさらに24時間続けた。
その後、得られた淡黄色の反応溶液を3リットルのアセトン−イソプロパノール混合溶媒(重量比1対1)中に入れ、重合体を再沈させて、ガラス濾過器に濾過し、十分に洗浄した後、60℃で48時間真空乾燥して重合体22.3gを得た。
得られた重合体のIRスペクトル(KBr法)を図2に示す。920cm-1および995cm-1のC=C二重結合の水素由来の面外変角振動に基づく吸収が消失していることから、目的のN,N−ジメチルアリルアミン塩酸塩重合体であることが支持される。
実施例2 ラジカル重合開始剤として2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩を用いたN,N−ジメチルアリルアミン塩酸塩重合体の製造
実施例1において2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩の代わりに、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩を同モル量を用いた以外は、実施例1と同様に操作してN,N−ジメチルアリルアミン塩酸塩重合体を得た。
実施例3 ラジカル重合開始剤として2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩を用いたN,N−ジエチルアリルアミン塩酸塩重合体の製造
実施例1において、N,N−ジメチルアリルアミン塩酸塩の代わりに、N,N−ジエチルアリルアミン塩酸塩を同モル量用いた以外は同様に操作して、N,N−ジエチルアリルアミン塩酸塩重合体を得た。
実施例4 ラジカル重合開始剤として過硫酸アンモニウムを用いたN,N−ジメチルアリルアミン塩酸塩重合体の製造
実施例1において、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩の代わりに、過硫酸アンモニウムを同モル量用いた以外は、実施例1と同様に操作してN,N−ジメチルアリルアミン塩酸塩重合体を得た。
実施例5 ラジカル重合開始剤として過硫酸アンモニウムを用いたN,N−ジエチルアリルアミン塩酸塩重合体の製造
実施例4において、N,N−ジメチルアリルアミン塩酸塩の代わりに、N,N−ジエチルアリルアミン塩酸塩を用いた以外は、実施例4と同様に操作してN,N−ジエチルアリルアミン塩酸塩重合体を得た。
比較例1、2 ラジカル重合開始剤としてt−ブチルヒドロペルオキシドまたは過酸化水素を用いたN,N−ジメチルアリルアミン塩酸塩重合体の製造
実施例1において2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩の代わりに、t−ブチルヒドロペルオキシド(比較例1)、または過酸化水素(比較例2)を同モル量用いた以外は、実施例1と同様に操作した。
得られた重合体の重合率、重量平均分子量および着色度
実施例1〜5、および比較例1、2で得られたN,N−ジメチルアリルアミ ン塩酸塩重合体又はN,N−ジエチルアリルアミン塩酸塩重合体の重合率(% )、重量平均分子量、着色度を表1に示す。
表1の重合率のデータは、再沈法により得られた重量から求めた。
各塩酸塩重合体の重量平均分子量はGPC法により求めた。GPC法のため のカラムとしては、アサヒパック水系ゲル濾過タイプGS−220HQ(排除 限界分子量3,000)とGS−620HQ(排除限界分子量200万)を直 列に接続したものを用いた。また、カラムの溶出溶媒としては、濃度0.4モ ル/リットル塩化ナトリウム水溶液を用いた。
なお、本明細書において、重量平均分子量は、ポリエチレンオキシドを標準 としてGPC法により求めた重量平均分子量をいう。着色度のデータは、重合 終了後の反応液を目視で観察して得た。
アゾ基を有するラジカル重合開始剤を用いた方法(実施例1〜3)では、重合
率が高く、かつ、重合終了後の溶液の着色は、淡黄色で良好であった。それに対し、ラジカル重合開始剤としてt−ブチルヒドロペルオキシドまたは過酸化水素を用いた方法では、目的の重合体は得られなかった(比較例1、比較例2)。また、ラジカル重合開始剤として過硫酸アンモニウムを用いたときは(実施例4、5)、目的の重合体は得られるが、重合終了後の溶液は褐色であった。
[N,N−ジメチルアリルアミン塩酸塩重合体の各種溶媒に対する溶解性]
実施例1で得られたN,N−ジメチルアリルアミン塩酸塩重合体0.1gの各種溶媒(5ml)に対する溶解性(30℃)を検討した。比較の重合体としては、モノアリルアミン塩酸塩重合体(日東紡績(株)製、PAA・HCl−3S,分子量約1万)を用いた。結果を表2に示す。N,N−ジメチルアリルアミン塩酸塩重合体は、モノアリルアミン塩酸塩重合体に比べ有機溶媒に溶けやすい結果となった。
実施例6 精製されたN,N−ジメチルアリルアミン重合体の製造
撹拌機、温度計および還流冷却器を備えた2リットルの三口セパラブルフラスコに、N,N−ジメチルアリルアミン425.75g(5モル)と水66.80gを入れ、撹拌下で冷却した。内温が5℃以下になってから、濃塩酸520.89g(5モル)を5時間かけて滴下し、濃度60wt%のN,N−ジメチルアリルアミン塩酸塩水溶液を調製した。
次いで、このモノマー水溶液を60℃に加温し、温度が一定になってから、ラジカル重合開始剤として、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩86.78g(モノマーに対して6.4モル%)を添加し、重合を開始した。重合を開始して、24時間、48時間および72時間経過した後にも、それぞれ43.39g(モノマーに対して3.2モル%)の2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩を添加した。その後、重合反応を24時間続けた。
重合終了後、このセパラブルフラスコ中の反応溶液を冷却し、温度を5℃に維持しながら、濃度49.4wt%の水酸化ナトリウム水溶液462.31g(5.71モル)を滴下し中和した。中和した後、この反応混合物を水で希釈し、重合体濃度を5wt%に調製し、次いで、減圧下(80mmHg)、外温60℃でモノマーのN,N−ジメチルアリルアミンを留去し、N,N−ジメチルアリルアミン重合体に対する量を250重量ppm以下にした。
得られた濃縮物を水で希釈し、N,N−ジメチルアリルアミン重合体濃度を9wt%に調製し、その2,680g(初期電導度103,000μS/cm)を、イオン交換膜電気透析(イオン交換膜電気透析として日本錬水(株)DU−0b型を用いた)に付した。
イオン交換膜としては、陽イオン交換膜として旭硝子(株)製CMVを12枚、陰イオン交換膜として旭硝子(株)製AMVを11枚を使用した。なお、透析条件としては、濃縮液槽には、濃度1wt%塩化ナトリウム水溶液4リットルを入れ、電極槽には、濃度1wt%の硫酸ナトリウム水溶液4リットルを入れ、原液槽には、脱モノマーした重合体水溶液を入れた。これらの液を125リットル/hrの流量で循環させながら、電極間に13.5ボルトの直流電圧を印加した。この条件で8時間、電導度7,200μS/cmになるまで、イオン交換膜電気透析をすることにより、精製されたN,N−ジメチルアリルアミン重合体水溶液を得た。電位差滴定によって求めた、このイオン交換膜透析での重合体回収率は96%であった。この水溶液の一部を650℃で2.5時間、オーブン中で燃焼させ、灼熱残分を求めたところ、灼熱残分は、N,N−ジメチルアリルアミン重合体に対して0.1重量%を示した。GPCで求めたこの重合体の重量平均分子量は800であった。
このイオン交換膜電気透析で得られたN,N−ジメチルアリルアミン重合体水溶液0.5gを60℃で24時間、真空乾燥して得た、固体のN,N−ジメチルアリルアミン重合体のIRスペクトルを図3に示す。920cm-1および995cm-1のC=C二重結合の水素由来の面外変角振動に基づく吸収が消失していることから、目的のN,N−ジメチルアリルアミン重合体であることが支持される。
実施例7 精製されたN,N−ジメチルアリルアミン重合体の製造
2リットルセパラブルフラスコに、N,N−ジメチルアリルアミン(5モル,425.76g)を入れ、撹拌しながら氷冷した。内温が5℃以下になったら、濃塩酸(5モル,506.4g)を5時間かけフラスコ内に滴下した。滴下終了後、得られる混合物を、60℃に加温し、その温度を維持しながら、それに、35wt%水溶液に調製した過硫酸アンモニウム(0.8モル)を滴下し、次いで、24時間、60℃で重合反応を行った。
重合終了後、そのセパラブルフラスコを氷冷し、40wt%水溶液に調製した水酸化ナトリウム8.57モル(855.9g)を滴下した。
中和完了後、反応混合物を、ポリマー濃度10wt%まで水で希釈し、さらに減圧下(80mmHg)、60℃で、モノマーがポリマーに対し250重量ppm以下になるまで、モノマーを留去して除去した。
得られる混合物をポリマー濃度4wt%になるように水で希釈し、その4リットル(初期電導度79000μS/cm)を、イオン交換膜電気透析(イオン交換膜電気透析装置としては日本錬水(株)DU0b型を用いた)に付した。またイオン交換膜としては、陽イオン交換膜として旭ガラス(株)製CMVを12枚、陰イオン交換膜として旭ガラス(株)製AMV11枚を使用した。電極層には、1wt%硫酸ナトリウム水溶液4リットルを用いた。
なお、透析条件としては、濃縮液槽には、1wt%塩化ナトリウム水溶液4リットルを入れ、原液槽には、脱モノマーした重合体水溶液を入れた。この各液を125リットル/hrの流量で循環させながら、電極間に13.5ボルトの直流電圧を印加した。この条件で5時間、電導度4200μS/cmになるまで、イオン交換膜電気透析をすることにより、精製されたN,N−ジメチルアリルアミン重合体水溶液を得た。ポリマーの収率(電位差滴定)は80%であった。この水溶液の一部を550℃で2.5時間、オーブン中で燃焼させ灼熱残分を求めたところ、ポリマーに対し0.12wt%を示した。GPCで求めた重量平均分子量は、600であった。
この精製N,N−ジメチルアリルアミン重合体水溶液を一部取り、減圧下に留去した後、乾燥することにより、N,N−ジメチルアリルアミン重合体を固体として得た。得られたN,N−ジメチルアリルアミン重合体のIRスペクトル(KBr法)を図4に示す。920及び995cm-1の二重結合水素由来の面外変角振動が消失していることから、目的の重合体であることが支持される。
実施例8 精製されたN,N−ジメチルアリルアミン塩酸塩重合体の製造
実施例7で得られた精製N,N−ジメチルアリルアミン重合体水溶液(アミンモノマー単位で7.5ミリモル)に、アミンモノマーと同モル量の35wt%塩酸水溶液を加えた後、得られる液を、濃縮した後、アセトン−イソプロパノール1:1(重量比)混合溶媒に入れ、析出する沈殿を濾取・乾燥することによりN,N−ジメチルアリルアミン塩酸塩重合体を固体として得た。得られたN,N−ジメチルアリルアミン塩酸塩重合体のIRスペクトル(KBr法)を図5に示す。920及び995cm-1の二重結合水素由来の面外変角振動が消失していることから、目的の重合体であることが支持される。
N,N−ジメチルアリルアミン塩酸塩重合体の各種溶媒に対する溶解性
実施例8で得られたN,N−ジメチルアリルアミン塩酸塩重合体0.1gの各種溶媒(5ml)に対する溶解性(30℃)を検討した。比較の重合体としては、モノアリルアミン塩酸塩重合体(日東紡績(株)製、PAA・HCl−3S,分子量約1万)を用いた。結果を表3に示す。
N,N−ジメチルアリルアミン塩酸塩重合体は、モノアリルアミン塩酸塩重合体に比べ有機溶媒に溶けやすい結果となった。
応用例1 アルミニウム腐食試験
実施例6において、製造・精製したN,N−ジメチルアリルアミン重合体を酢酸水溶液で中和してpH7に調整して精製したN,N−ジメチルアリルアミン重合体水溶液(モノマー単位で0.02モル/リットル)を得て、その水溶液にアルミニウム薄片を入れ、60℃で放置しアルミニウム表面に腐食が始まる日(腐食日)を調べた。その結果、腐食日は、13日であった。一方、比較として、実施例6に記載したもので中和及びイオン交換膜電気透析をしないで得た重合体の水溶液をpH7に調整した粗製のN,N−ジメチルアリルアミン重合体水溶液を得て、その腐食日を同様にして調べたところ、4日であった。イオン交換膜電気透析をして精製したものは、金属の腐食に強いことが判明した。
応用例2 感温性データ
実施例6において得た精製N,N−ジメチルアリルアミン重合体水溶液を室温で濃度5重量%に調整し、それを1分間に1℃ずつ高くしていったところ、42℃までは透過率がほぼ100%(波長500nmで測定)であったものが、45℃以上では透過率がほぼ0%となった。曇点は43.5℃であった。
同様に、50℃にしておいた精製N,N−ジメチルアリルアミン重合体と水との混合物からなるエマルジョンを1分間に1℃ずつ低くしていったところ、曇点は43.5℃であり、それを過ぎると低温では溶液となった。
本発明の方法で製造・精製したN,N−ジメチルアリルアミン重合体と水との混合物は、高温で濁り、かつ、低温で溶液となる感温性熱可逆型材料となることが判明した。
図6に、精製N,N−ジメチルアリルアミン重合体と水との混合物を加温していく場合の温度と透過率との関係をグラフに示す。
応用例3
組成1:インクセット1の調製
〈イエロー〉
実施例6で得た精製N,N−ジメチルアリルアミン重合体2重量%(固形分)、C.I.ダイレクトイエロー86 2重量%、グリセリン10重量%、ジエチレングリコール10重量%、2−ピロリドン5重量%、サーフィノール465 1重量%及び残部水を含有するイエローインクを調製した。
〈マゼンタ〉
実施例6で得た精製N,N−ジメチルアリルアミン重合体3重量%(固形分)、C.I.アシッドレッド289 2.5重量%、グリセリン15重量%、トリエチレングリコール15重量%、サーフィノール465 1重量%、及び残部水を含有するマゼンタインクを調製した。
〈シアン〉
実施例6で得た精製N,N−ジメチルアリルアミン重合体2重量%(固形分)、C.I.ダイレクトブルー86 3重量%、チオグリコール10重量%、エチレングリコール15重量%、サーフィノール465 1重量%及び残部水を含有するシアンインクを調製した。
〈ブラック〉
実施例6で得た精製N,N−ジメチルアリルアミン重合体2重量%(固形分)、C.I.フードブラック2 3重量%、グリセリン10重量%、ジエチレングリコール15重量%、サーフィノール465 1重量%、及び残部水を含有するブラックインクを調製した。
これら4種のインクを合わせてインクセット1とする。
比較組成1:カラーインクセット2の調製
N,N−ジメチルアリルアミン重合体を用いなかったこと以外は、組成1と同様にして、イエローインク2、マゼンタインク2、シアンインク2及びブラックインク2を得た。これら4種のインクを合わせてインクセット2とする。
比較組成2:N,N−ジメチルアリルアミン重合体の合成及びカラーインクセット3の調製
まず、特開昭60−108405号公報に記載されている方法に従い、モノアリルアミンの塩酸塩をアゾ系ラジカル開始剤を用いて重合し、得られたポリアリルアミンにギ酸とホルムアルデヒドを反応させてN,N−ジメチルアリルアミン重合体を合成した。
このN,N−ジメチルアリルアミン重合体を用い、組成1と同様にして、イエローインク3、マゼンタインク3、シアンインク3およびブラックインク3を得た。これら4種のインクを合わせてインクセット3とする。このインクセットは、この合成方法で得たN,N−ジメチルアリルアミン重合体に残存するホルムアルデヒドの臭気が強く、人体や環境への悪影響が懸念された。
インク組成物の性能評価試験
上記で調製したインク組成物を以下の方法で評価した。
なお、プリンタとして、インクジェット記録方式プリンタ(セイコーエプソン株式会社製;カラープリンタMJ−5000C)を用いた。また、インクは、5μmフィルターで濾過してから評価に用いた。
評価試験1:耐水性
記録媒体としてA4サイズの普通紙(商品名:ゼロックス−P、富士ゼロックス株式会社製)上に3.5cm(非記録部分)おきに1.5cm幅のブラック、イエロー、マゼンタ、シアン、レッド、グリーンおよびブルーのフルベタ印刷を行なった。記録物を1時間自然放置した後に、水500mlに1時間浸漬した。浸漬後、24時間自然乾燥し、非記録部のインク移り濃度および記録部のインク残りを目視で評価した。その結果を次の基準で評価した。
評価A:非記録部は全く着色していない。記録部にも変化はない。
評価B:非記録部がわずかに着色しているインクがある。
評価NG:非記録部にインクの付着が目立つ。記録部に濃度低下がある。
評価試験2:耐光性
評価試験1と同様の記録媒体とプリンタを用い、組成1、比較組成1、2で調製したブラックインクとカラーインクセットを各々組み合わせてフルカラー画像を印刷した。印刷物をJIS0841の日光試験の昼夜法にて耐光性を評価した。その結果を次の基準で評価した。
評価AA:ブルースケールを基準として、カチオン性水溶性樹脂を添加しないインクに対して等級変化が全くない。
評価A:等級変化が1級未満である。
評価B:等級変化が1あるいは2級である。
評価NG:等級変化が2級を超える。
評価試験3:環境安定性
インクを封入した容器を、60℃で1日放置、その後−30℃で1日放置を繰り返すサイクルに10回曝露した。その後、析出物の発生、インクの変色の発生を目視で観察した。その結果を次の基準で評価した。
評価A:変化なし。
評価B:析出物または変色が観察された。
評価NG:顕著な析出物または変色が観察された。
以上の結果を表4に示す。
ファインケミカルズ分野における各種用途に有用で、特にインクジェットインク用の耐水化剤などとして有用な、N,N−ジアルキルアリルアミン重合体またはその付加塩を、収率よく、工業的に有利に製造することができる。
本発明の精製方法に用いる電気透析装置の1例の概略図である。 実施例1で得たN,N−ジメチルアリルアミン塩酸塩重合体のIRスペクトル図である。 実施例6で得たN,N−ジメチルアリルアミン重合体のIRスペクトル図である。 実施例7で得たN,N−ジメチルアリルアミン重合体のIRスペクトル図である。 実施例8で得たN,N−ジメチルアリルアミン塩酸塩重合体のIRスペクトルである。 応用例2において、N,N−ジメチルアリルアミン重合体と水との混合物の加温過程における温度と透過率との関係を示すグラフである。
符号の説明
図1における符号1は原液槽、2は濃縮液槽、3は希釈室、4は濃縮室、5は電極室、6は電極板、7は原液経路、8は濃縮液経路、9は電槽、P1およびP2は、それぞれポンプ、Aは陰イオン交換膜、Cは陽イオン交換膜である。




Claims (4)

  1. 水系溶媒中において、一般式(I)
    (式中、RおよびRは、それぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基を示す。)
    で表されるN,N−ジアルキルアリルアミンの付加塩を、該付加塩に対して5〜100モル%の、分子中にアゾ基を有するラジカル開始剤または過硫酸塩系ラジカル開始剤の存在下で重合させ、所望により中和することを特徴とする、一般式(II)
    (式中、R及びRは上記と同じである。)
    で表される繰り返し単位を有するN,N−ジアルキルアリルアミン重合体またはその付加塩の製造方法。
  2. 分子中にアゾ基を有するラジカル重合開始剤が、分子中にアゾ基とカチオン性窒素とを有するものである請求項1に記載の方法。
  3. 水系溶媒中において、一般式(I)
    (式中、RおよびRは、それぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基を示す。)
    で表されるN,N−ジアルキルアリルアミンの付加塩を、該付加塩に対して5〜100モル%の、分子中にアゾ基を有するラジカル開始剤または過硫酸塩系ラジカル開始剤の存在下で重合させたのち、重合液を中和処理して生成した重合体を遊離状態にし、さらに残存するモノマーを減圧下に留去させ、次いでイオン交換膜電気透析に付し、場合により酸処理することを特徴とする、一般式(II)
    (式中、R及びRは上記と同じである。)
    で表される繰り返し単位を有するN,N−ジアルキルアリルアミン重合体またはその付加塩の製造方法。
  4. N,N−ジアルキルアリルアミン重合体またはその付加塩がインクジェットインク用に用いられる請求項3に記載の方法
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