JP4131046B2 - 印刷装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
印字ヘッドのワイピング装置を改良した印刷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
印字ヘッドを往復運動させて走査しながらノズルからインクを吐出して記録用紙に印刷を行うインクジェットプリンタ等の印刷装置において、ヘッドのノズルから吐出したインクが、ノズル口に付着することがある。特に乾燥等により粘度の高まったノズル孔内のインクを吸引、排出するインクパージ動作を行うとノズル口にインクが付着し易すかった。そのため従来より、このインクパージ動作の後に、ゴム状のブレードで印字ヘッドのノズル面を拭き取るワイピングを行なっていた。このワイピングを行えば印字ヘッドのノズル面に付着したインクを拭き取ることができ、印字ヘッドのノズル面を清浄を保つことができ、その結果、印字の品質を高く保つことができた。
【0003】
このワイピング動作は、通常はワイパが、印刷動作の邪魔にならないように待機位置にばねの付勢力で待機しており、ワイピング動作を行うときだけ印字ヘッドのノズル面をワイピングできる位置までLFモータなどを駆動源としてワイパを移動させてワイピング位置にワイパを掛止固定させてワイピングをし、ワイピングが終わった時点で、ワイパの掛止を解除してワイパを再びばねの付勢力で移動させ、ストッパ部材により当接させて待機位置に停止させて格納させておくものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ワイピング動作を行うと、ワイパで拭き取ったインクがワイパに付着し、その付着したインクがゴム状のワイパを保持しているワイパホルダに伝わって流下し、このワイパホルダの下面に滞留することがある。また、さらに滴下してストッパ部材にも滞留することがあった。このためワイパホルダの下面やストッパ部材の上面の当接部分にインクが滞留したまま、ワイパを待機位置に格納しようとすると、待機位置のストッパ部材とこの下面にインクが滞留したワイパホルダとが勢いよく当接し、その際にこのインクが飛散したりして印刷用紙や印刷装置内部に付着してしまい、印刷用紙の汚れの原因になるという問題があり、又、メンテナンス上でも余分な手間がかかるという問題があった。
【0005】
この発明は上記課題を解決するものであり、ワイピング機構を備え、印字ヘッドのワイピングを行い印字の品質を高く保ちながら、このワイピングにより拭き取ったインクによる汚れを防止することで、印刷用紙の汚れが防止され、また印刷装置自体の汚れも少ないメンテナンスの容易な印刷装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、請求項1に係る発明の印刷装置では、ノズルから記録紙にインクを吐出して画像を形成する印字ヘッドと、前記印字ヘッドを搭載して主走査方向に往復移動可能なキャリッジと、弾性体からなり前記印字ヘッドの前記ノズルをワイピングするワイパと、前記ワイパを保持するワイパ保持手段と、主走査方向に移動する前記印字ヘッドの前記ノズル面を前記ワイパがワイピング可能な位置であるワイピング位置から、前記印字ヘッドの印刷動作の妨げにならない位置である待機位置へ離間させる方向に前記ワイパ保持手段を付勢する付勢手段と、前記付勢手段の付勢力に抗して前記ワイパ保持手段を前記ワイピング位置に移動する移動手段と、前記ワイパ保持手段を前記ワイピング位置に掛止保持する掛止手段と、前記掛止手段の掛止を解除して前記付勢手段による付勢力により前記待機位置に前記ワイパ保持手段を移動させる掛止解除手段と、
前記掛止解除手段により掛止を解除されて前記付勢手段の付勢力により移動されるワイパ保持手段を、その下部と当接させることにより前記待機位置に停止させる停止部材を有する移動停止手段とを備え、前記ワイパ保持手段の下部又は前記停止部材には、当接面積小さくする突起部が設けられていることを特徴とする。
【0007】
この構成に係る発明の印刷装置では、ワイピング機構を備え、印字ヘッドのワイピングを行うことができ、印字の品質を高く保ちながら、このワイピングにより拭き取ったインクをワイパ保持手段と移動停止手段とで大きい面積で面接触させてインクが飛散することを、ワイパ保持手段の下部又は停止部材に当接面積を小さくする突起部を有するため、狭い面積で停止部材とワイパ保持手段を当接させることができるため、当接時のワイパ保持手段底部に滞留しているインクの移動速度を遅くすることができ、飛散するインクを減少させることができる。そのため、印刷用紙にインクを飛散させることなく、インクの飛散による印刷用紙の汚れを防止し、また印刷装置自体の汚れも防止することで内部クリーニングなどの必要がないメンテナンスの容易な印刷装置とすることができる。
【0008】
請求項2に係る発明の印刷装置では、請求項1に記載の印刷装置の構成に加え、前記当接は、略線接触であることを特徴とする。
【0009】
この構成に係る発明の印刷装置では、前記当接を略線接触とすることで、極めて狭い面積で停止部材とワイパ保持手段を当接させることができるため、当接時のワイパ保持手段底部に滞留しているインクの移動速度を遅くすることができ、もってインクの飛散を少なくすることができる。また、線接触であれば耐磨耗性の点でも有利である。
【0010】
請求項3に係る発明の印刷装置では、請求項1に記載の印刷装置の構成に加え、前記当接は、略点接触であることを特徴とする。
【0011】
この構成に係る発明の印刷装置では、前記当接を略点接触とすることで、極めて狭い面積で停止部材とワイパ保持手段を当接させることができるため、当接時のワイパ保持手段底部に滞留しているインクの移動速度をさらに遅くすることができ、もってインクの飛散をさらに少なくすることができる。
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
請求項に係る発明の印刷装置では、請求項に記載の印刷装置の構成に加え、前記突起部は、尖形の先端部を有することを特徴とする。
【0017】
この構成に係る発明の印刷装置では、突起部の先端部を尖形にすることで、極めて狭い面積で停止部材とワイパ保持手段を当接させることができるため、当接時のワイパ保持手段底部に滞留しているインクの移動速度を遅くすることができ、もってインクの飛散を少なくすることができる。
【0018】
請求項に係る発明の印刷装置では、請求項に記載の印刷装置の構成に加え、前記突起部は、半球状の先端部を有することを特徴とする。
【0019】
この構成に係る発明の印刷装置では、狭い面積で停止部材とワイパ保持手段を当接させることができるため、当接時のワイパ保持手段底部に滞留しているインクの移動速度を遅くすることができ、もってインクの飛散を少なくすることができる。その一方、先端が尖形ではないので耐磨耗性や耐変形性に対しても有利である。
【0020】
請求項に係る発明の印刷装置では、請求項1乃至請求項のいずれかに記載の印刷装置の構成に加え、前記停止部材は、インクの排出用の溝を有することを特徴とする。
【0021】
この構成に係る発明の印刷装置では、前記停止部材にインクが滞留しにくく、そのため繰り返し連続使用してもインクの飛散を少なくできる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、添付図面を参照して説明する。この携帯型プリンタ1は、所定位置に配設された複数のインクカートリッジ大8及びインクカートリッジ小9(以下インクカートリッジ8,9と略記する)を内蔵し、このインクカートリッジ8,9から印字ヘッド右15及び印字ヘッド左16(以下印字ヘッド15,16と略記する)へインクを供給して、かかるインクを印字ヘッド15,16に配設されたノズル右15a及びノズル左16a(以下ノズル15a,16aと略記する)から、印字ヘッド15,16を搭載したキャリッジ27を用紙搬送方向と直交する方向である主走査方向に往復移動させながら印刷用紙PPへインクを吐出して印刷を行うものである。
【0023】
図1は、本発明の一の実施の形態である携帯型プリンタ1の外観を示す正面図である。図1に示すように、この携帯型プリンタ1は略矩形箱状に形成されたケースであるプリンタ本体3を備えている。このプリンタ本体3の下側略中央部分には、携帯型プリンタ1の長手方向(図1の左右方向)に幅広に形成された矩形状の開口部である排紙口4が形成されている。この排紙口4は、印刷済みの印刷用紙PPを排出するための開口部であり、その長手方向幅が印刷用紙PPの用紙幅に対応して形成されている。尚、本実施の形態の携帯型プリンタ1では排紙口4の長手方向幅がA4サイズの用紙幅(略210mm)より大きく形成されている。プリンタ本体3の上部には、インクカートリッジ8,9の交換のための開閉蓋7が設けられる。
【0024】
図2は、携帯型プリンタ1の内部構造を概略的に示した一部切欠斜視図である。図中の矢印Xは印刷用紙PPの搬送方向を示しており、図中の矢印Yは印字ヘッド15,16の主走査時の移動方向を示している。
【0025】
図2に示すように、プリンタ本体3は略矩形箱状の本体フレーム6を兼ね、本体フレーム6の上部空間1aには、矩形棚状のカートリッジフレーム5が備えられている。カートリッジフレーム5の下方の奥側全体に仕切り板5aが備えられて上部空間1aと下部空間1bが仕切られており、手前側は下部空間1bに対して開口している。インクカートリッジ8,9は、仕切り板5aの上のカートリッジフレーム5に上端をそろえて水平に並べられて配置される。
【0026】
携帯型プリンタ1の本体フレーム6の下部空間1bには、プリンタ本体3内を矢印Y及び反矢印Y方向へ向けて往復移動可能なキャリッジ27に印字ヘッド15,16が主走査方向に沿って並設されて搭載されている。この印字ヘッド15,16は、インクを吐出して印刷を行うものであり、印字ヘッド右15の下面には、ノズル右15aが配設され、ピエゾ素子(圧電素子)で構成された多数のノズル口18からなる2列のノズル列が用紙搬送方向Xに沿って形成されている。そしてこれらのノズル列のうちの一列には、インクパッケージ8aの各インクパッケージから供給されたマゼンタのインクが、他方の列にはブラックのインクがそれぞれ充填されている。また、印字ヘッド左16の下面も同様に構成されたノズル左16aが配設され、イエロー、シアンのインクが充填される。以下イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックをそれぞれY、M、C、Kと略記する。そして、これらのノズル列によりY、M、C、Kの各インクが吐出されカラー印刷が可能になっている。
【0027】
この印字ヘッド15,16によれば、ピエゾ素子で構成された複数のノズル15a,16aに電圧が印加されると、その電圧値に比例した歪みがノズル15a,16aに生じ、ノズル15a,16aが収縮する。この収縮によって、各ノズル15a,16aのノズル口18内に充填されたインクが印刷用紙PPへ吐出され印刷が行われるのである。
【0028】
印字ヘッド15,16の上方である、携帯型プリンタ1の上部空間1aのカートリッジフレーム5には、2つの略矩形箱状に形成されたインクカートリッジ8,9が着脱可能に水平状態で格納されている。このインクカートリッジ8,9の下方には上述した仕切り板5aが配設されている。このインクカートリッジ8,9のうち、図2上において左側に配設されたインクカートリッジ大8は、印字ヘッド右15から吐出されるインクが充填されたインクパッケージ8aが収納されており、インクパッケージ8aは2つのインクパッケージから構成されており、マゼンタとブラックのインクが夫々に一色ずつ充填されている。
【0029】
インクカートリッジ大8の下部は、後述する印字ヘッド15,16の目詰まり防止のためのパージ動作により吸引された廃インクを貯留するスペースである廃インク溜8b(図示せず)が設けられている。
【0030】
一方、図2上でインクカートリッジ大8の右側には略矩形箱状のインクカートリッジ小9が、インクカートリッジ大8と上端を揃えた水平の姿勢で着脱可能に隣接して配設されている。このインクカートリッジ小9は、インクカートリッジ大8と同様に、印字ヘッド左16から吐出されるインクを充填した2つのインクパッケージからなるインクパッケージ9aを収納しており、この2つのインクパッケージにはイエローとシアンのインクがそれぞれ充填されている。このインクカートリッジ小9及びインクパッケージ9aは、インクカートリッジ大8及びインクパッケージ8aよりも小さく形成され且つ少量のインクを収容している。具体的には、インクパッケージ8aには各色8mlずつのインクが、インクパッケージ9aには各色5.5mlずつのインクが夫々貯留されている。これは、印字ヘッド15,16のノズル15a,16aのインク吐出量が異なることを想定したことによるものである。
【0031】
このインクカートリッジ8,9の内部に収納されたインクパッケージ8a,9aは、略矩形状の袋体に形成されており、ポリエチレン樹脂等で構成されたフィルムシートを複数枚、例えば、略10枚程度積層した積層構造フィルム材で形成されている。このインクパッケージ8a,9aを形成する積層構造フィルム材は、その剛性強度を大きく形成することにより形状復元性が付与されるものであり、インクパッケージ8a,9aの形状変化を抑制することができる。よって、インクパッケージ8a,9aから印字ヘッド15,16へインクが供給され、インクパッケージ8a,9a内のインクが減少しても、インクパッケージ8a,9aが大気圧などに押し潰されることなく、その内圧を適度な負圧に維持することができる。
【0032】
また、インクカートリッジ8,9は、印字ヘッド15,16の上方に配設されて印字ヘッド15,16にインクを供給するが、インクカートリッジ大8とインクカートリッジ小9は水平に同一レベルで格納されるため、インクパッケージ内に収納される4色の各インクパッケージが同一水平面上に配置され、また印字ヘッド15,16のノズル15a,16aも同一水平面上に配置されているため、インクパッケージ8a,9aに収納された各色のインクと各色のインクに対応する各ノズルとの高低差が同一になるように構成されている。そのため、高低差から生じるノズルに対する水圧を一定に維持することができ、各色のインクのノズルの内圧が均一になって、均一なインクの供給をすることができる。
【0033】
印字ヘッド15,16へ供給されるインクのインク供給圧を均一な負圧に維持することにより、印字ヘッド15,16のノズル15a,16aのノズル口18にあるインク液面に凹面状のメニスカス(曲面)が形成され、且つこれら内圧は均一に保たれているので、印字ヘッド15,16のノズル15a,16aから吐出されるインクの吐出性を均一に維持して、印刷品質を良好に維持することができる。
【0034】
例えば、本実施の形態の印字ヘッド15,16では、インク供給圧が大気圧に対して略0mmAq(水柱)以上且つ略−300mmAq(水柱)以下の範囲(動作圧範囲)内であれば、ノズル15a,16aのノズル口18内のインク液面に凹面状のメニスカスを形成することができる。尚、本実施の形態の携帯型プリンタ1で印刷を行う際における印字ヘッド15,16の最適な動作圧範囲(最適動作圧範囲)は、大気圧に対して略−30mmAq(水柱)以下かつ略−100mmAq(水柱)以上の圧力値である。
【0035】
図2上における携帯型プリンタ1の上部空間1aのインクカートリッジ8,9の左方には、CPU、入力バッファ用メモリやヘッド駆動用のIC等を備えた制御部34が備えられる。この制御部34には各ヘッドに電圧を印加するためのFPC(フレキシブルプリンテッドケーブル)が4枚接続され、携帯型プリンタ1の上部空間1aの制御部34の後方縁部分(図2の奥側)で4枚のヘッド駆動用FPC35が積層されて、さらに、携帯型プリンタ1の上部空間1aのインクカートリッジ大8の後方縁部分(図2の奥側)で、後述のインクカートリッジ8,9に継合された上下方向に積層されたインクの供給チューブ12に、図2上において手前側に積層されて、印字ヘッド15,16の上部に継合される。このヘッド駆動用FPC35は、ポリイミド製の基材の上に導電層となる配線パターンを形成し、さらにこれを保護膜で覆ったフィルム状のものである。
【0036】
図4は、携帯型プリンタ1を図1のIV−IV線において右方向から見た概略を示す部分断面図である。なお、便宜上CRモータ(キャリッジモータ)30は省略してある。図4の上部には、上述したインクカートリッジ8,9に収納されたインクパッケージ8a(図示せず),9aに、インク抽出針10が各色毎にそれぞれ刺し込まれている。この各インク抽出針10は、インクパッケージ8a,9aの内部に充填されたインクを抽出するものであり、耐腐食性を有するステンレス鋼材等の金属材料やセラミックス材料等でそれぞれ形成されている。インク抽出針10は中空針状体に形成されており、インク抽出針10の先端部分(図4の左側)には、インクパッケージ8a,9a内のインクを抽出するための開口部である抽出穴l0aが設けられており、抽出穴l0aはインク抽出針10内の空間に連通して形成されている。このため、インク抽出針10がインクパッケージ8a,9a内へ挿入された場合に、かかる抽出穴l0aにより、インクパッケージ8a,9a内のインクをインク抽出針10内の空間へ流入させることができる。
【0037】
また、インクカートリッジ大8には、後述するパージ動作により吸引され廃インクチューブ66(図6参照)により搬送された廃インクが注入される。
【0038】
図4に示すように、携帯型プリンタ1の上部空間1aの後方縁部分(図4の右側)で、インクパッケージ8a,9aの各色それぞれ4つのインクパッケージに刺し込まれた各インク抽出針10の基部(反先端部分(図4の右側))には、略L字状に屈曲された継手部材11の一端側がそれぞれ継合されている。一方、これらの継手部材11の他端側には、インクの供給チューブ12がそれぞれ継合されている。この各継手部材11はそれぞれ中空管状に形成されており、その内部にはインク抽出針10の抽出穴l0aに連通する連通穴(図示せず)がそれぞれ穿設されている。この各供給チューブ12はポリプロピレン、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル等の合成樹脂等で形成された可撓性を有する略中空円筒状の円管であり、その内部をインクが流れて印字ヘッド15,16へインクを供給するものである。
【0039】
本実施の形態においては各供給チューブ12はNORTON社製のタイゴン(TYGON(登録商標))チューブで構成されており、そのチューブ肉厚が略0.5mm以上且つ略1.5mm以下、及び、チューブ内径が略0.5mm以上且つ略1.5mm以下のもので構成されている。例えば、本実施の形態の各供給チューブ12はチューブ肉厚が略0.8mm、チューブ内径が略0.8mmであり、各供給チューブ12の外径(チューブ肉厚の2倍の長さとチューブ内径との和)が略2.4mmのTYGONチューブで構成されている。尚、各供給チューブ12を屈曲した状態における湾曲部分の曲率半径Rの最小値(最小曲率半径)は略20mmである。
【0040】
この4本の供給チューブ12を、図2、図4においてさらに説明すると、携帯型プリンタ1の上部空間1aの後方縁部分(図2の奥側)の略中央部で、各色のインクパッケージ8a,9aに継合された夫々の供給チューブ12に、細長ロの字状のバインダが嵌装され、上下方向に積層されて一列に束ねられ、さらに、手前側、即ち湾曲した供給チューブ12内側には、前述の制御部34に接続され、積層された4枚のヘッド駆動用FPC35とさらに積層され、また奥側、即ち湾曲した供給チューブ12の外側には、本体フレーム6との干渉から供給チューブ12を保護するための保護フィルム14が積層される。
【0041】
この保護フィルム14は、インクの供給チューブ12が本体フレーム6の内壁との接触が起こる場合に、摺動がスムーズに行われるようにするために配置される保護部材で、表面の接着性や粘着性の低い材料をフィルム状に形成したものを用いる。保護フィルム14自体が自立する必要があり、且つ、供給チューブ12及びヘッド駆動用FPC35と一体化して印字ヘッド15,16の移動に伴って動くように湾曲する必要があり、その厚さは略25μm以上300μm以下がよい。本実施の形態では、100μm程度の厚さをもつポリエチレンテレフタレート(PET)により形成されている。
【0042】
上部空間1aの後方縁部分(図2の奥側)の略中央部においては、手前側から、ヘッド駆動用FPC35、供給チューブ12、保護フィルム14の順に積層されていることになる。これらの部材は、広い部分と狭い部分との2つの開口部を有する「日」の字形からなるバインダ13により所定間隔で結束される。このバインダ13の狭い部分は、供給チューブ12の4本の列が崩れないように供給チューブ12に密着して固定されている。バインダ13の広い部分は、狭い部分の4〜5倍の幅を有して、4枚のヘッド駆動用FPC35が、積層された4本の供給チューブの束から大きく離れない程度に束ねられるものであり、内部は自由に滑るようになっている。このためこれらの束が湾曲されるようなことがあっても、ヘッド駆動用FPC35が内側へ十分に逃げられるスペースが確保されるため湾曲が阻害されるようなことはなく、容易に湾曲させることができる。さらにバインダ13の外側には保護フィルム14が、供給チューブ12を覆うように配設されている。
【0043】
およそ5cm間隔程度で前述のバインダ13により束ねられた4本の供給チューブ12とヘッド駆動用FPC35は、その積層状態が維持されつつ、仕切り板5a上の同一平面上で図2上の右手方向から手前方向に湾曲されて、さらに携帯型プリンタ1の上部空間1aの前方縁部分(図2の手前側)で印字ヘッド方向、図2上では印字ヘッド15,16が左方の初期位置にあるため左方に湾曲されて、印字ヘッド15,16上部の継合部に継合されている。各色のインクはそれぞれの供給チューブ12を通り、各色の所定の印字ヘッド15,16に搬送される。
【0044】
また、各供給チューブ12は前述のバインダ13により上下方向に積層状態で束ねて配設されているので、各供給チューブ12が重力方向(図2の下側)へ向けて垂れ下がり屈曲することを防止することができる。しかも、供給チューブ12の下方には上述した仕切り板5aが配設されているので、かかる仕切り板5aによって4本の供給チューブ12を下方から支えて、各供給チューブ12が重力方向へ垂れ下がり屈曲することを防止することができる。その上、弾性を有する保護フィルム14と同様に弾性を有するヘッド駆動用FPC35によって、4本の積層された供給チューブ12が挟まれているため、上述した湾曲部分以外の部分で急角度の屈曲を防止することができるので、供給チューブ12が折れ曲がったり急角度で屈曲することにより内側の断面積が小さくなって各供給チューブ12内を流れるインクのエネルギー損失を生ずるようなことがない。その上、湾曲した供給チューブ12の内側には、インクカートリッジ大8の廃インク溜8bの突起部84(図4参照)があるため、この部分での不本意な屈曲を防止することができる。
【0045】
ここで、この保護フィルム14、供給チューブ12、ヘッド駆動用FPC35の積層された束を、便宜上ハーネス17ということにする。図3は、ハーネス17が、上部空間1aの後方縁部分(図2の奥側)の略中央部から、印字ヘッド15,16の上部に継合され、印字ヘッド15,16が移動したときのハーネス17の状態を、図1のIII−III線から一部を省略して上方視したのが、(A)、(B)、(C)に示す図である。図3において、Y方向が主走査方向である。
【0046】
図3(A)は、印字ヘッド15,16が、印刷前の初期位置にある状態を示すものである。即ち、印字ヘッド右15が、印刷領域であるプラテン32の左端にある状態である。この状態が図上最も左側に位置している状態を表わす。この状態は、同時に印字ヘッド左16が、フラッシング領域左42の上にある状態でもある。この場合のハーネス17は、それ自身の弾性により真っ直ぐ伸びようとするため、本体フレーム6の前面壁(図3(A)下側)に保護フィルム14を押し付けた状態になっている。この状態から図2に示す様に、CRモータ30が電圧を印加されて回転し、キャリッジ27を移動させ、印字ヘッド15,16を図上右方向、即ち印字方向Yに移動させると、印字ヘッド15,16に継合されたハーネス17も、これに従って移動する。この場合、ハーネス17は、本体フレーム6の前面壁(図3(A)下側)に保護フィルム14を押し付けた状態で、保護フィルム14を本体フレーム6の前面壁上を摺動させながら移動する。
【0047】
次に、キャリッジ27がY方向に移動し、印字ヘッド15,16がキャップ62,63の上方に位置した状態を示すのが図3(B)の状態である。この位置は印字ヘッド15,16のパージ動作を行う場所であり、また、プリンタの未使用時に印字ヘッド15,16を第1のキャップ62及び第2のキャップ63(以下キャップ62,63と略記する)で覆って格納する場所でもある。この状態では、ハーネス17は本体フレーム6の後壁(図3(B)上側)に順次移動し、湾曲部分のハーネス17の長さが短くなり、そのため、今まで本体フレーム6の前壁(図3(B)下側)に接触摺動していたハーネス17が、本体フレーム6の前壁から離れた状態である。従って、キャリッジ27の移動の抵抗は減少し、CRモータ30への負荷は低減される。
【0048】
更に、キャリッジ27をY方向に移動させ、最も右端にある状態が、図3(C)の図である。この状態では、印字ヘッド右15は、フラッシング領域右41の上にある状態である。この状態では、ハーネス17は、本体フレーム6の前面壁(図3(C)下側)から離れた状態にある。従って、本体フレーム6の前壁との摺動抵抗はない。
【0049】
なお、本実施の形態では、前述のように2色のノズル列を1つの印字ヘッドに備えることにより、印字ヘッドのコンパクト化を図っているが、夫々のインクを吐出するノズル列を夫々別の印字ヘッドにより構成することももちろん可能である。いずれを選択するかは、生産コストとコンパクト化の要請のバランスによるものである。従ってヘッドの数も2個に限らず、数個備えるものも考えられる。
【0050】
図4の図中の矢印Xは、印刷用紙PPの搬送方向を図示している。図4に示すように、プリンタ本体3の後側下方(図4の右側)には、未使用の印刷用紙PPを挿入する挿入口22が穿設されている。この挿入口22から挿入された印刷用紙PPの搬送方向(矢印X方向)における下流側には、印刷用紙PPを搬送するためのパルスモータからなるLFモータ(ラインフィードモータ)31により駆動される搬送ローラ23と、その搬送ローラ23へ印刷用紙PPを押圧するための押さえローラ24とが配設されており、かかる両者が協動して印刷用紙PPを押圧し挟持しつつ搬送する。
【0051】
搬送ローラ23及び押さえローラ24の下流側には、搬送ローラ23から排出された印刷用紙PPをプリンタ本体3外へ排出するためのLFモータ31により駆動される排紙ローラ25と、その排紙ローラ25へ印刷用紙PPを押圧するための押さえローラ26とが配設されている。この排紙ローラ25と、押さえローラ26とが協動して、印刷用紙PPを排紙口4より排紙する。
【0052】
また、搬送ローラ23及び排紙ローラ25の間に位置する印刷用紙PPの上方には上述した印字ヘッド15,16が配設されている。印字ヘッド15,16は、プリンタ本体3の本体フレーム6に横架されたガイドバー29に沿って、図4の紙面に対する略垂直方向、即ち、図2の矢印Y及び反矢印Y方向へ向けて往復移動可能なキャリッジ27に着脱可能に装着されている。この印字ヘッド15,16の印刷用紙PP側面には、搬送ローラ23等により挟持された印刷用紙PPへインクの吐出を行うための上述した複数のノズル15a,16aが形成されている。
【0053】
次に印字ヘッド15,16を搭載したキャリッジ27について、図2、図3、図4を参照して説明する。本体下部空間1bに配設されたキャリッジ27は、主走査方向に延設されたガイドバー29を背面側(図4の右側)に貫通させ、このガイドバー29に案内されながら主走査方向に移動自在に設けられる。そして、図2の右端に配置されるCRモータ30の回転軸に軸支された駆動プーリ38及び図2の左端に配置される従動プーリ39にタイミングベルト36が掛け回され、このタイミングベルト36の一ヵ所にキャリッジ27が固定される。このCRモータ30が、制御部34により電圧を印加されると、CRモータ30が回転して駆動プーリ38を回転させ、タイミングベルト36を回転させてキャリッジ27をガイドバー29に案内させながら主走査方向(図2Y方向及び反Y方向)に移動させる。
【0054】
このキャリッジ27の位置を認識するためにキャリッジ27の背面側(図4右側)には、タイミングフェンス33が設けられる。タイミングフェンス33はリニア式のエンコーダで、微細なスリットが入ったガラス板で、僅かに位相をずらした2組のLEDからなる投光器及びフォトトランジスタからなる受光器の組み合わせからなるフォトセンサ及び、原点検出用の1組のフォトセンサ(図示せず)により、タイミングフェンス33を透過したタイミングフェンス33の反対側に設けられた投光器(図示せず)からの光を受光器(図示せず)により検出する。この内2組のフォトセンサは、前記スリットの1/2の位相差になるように配置され、進行方向がわかるようにしてある。今1組のフォトセンサは原点検出用に用いる。
【0055】
このフォトセンサから得られたパルスによるデータに基づいて制御部34に備えられたCPUにより累積、解析し、キャリッジ27の位置を認識するインクリメンタル型の制御を行う。なお、前述の透過式のタイミングフェンス33の他にも、タイミングフェンス33として、アルミニウム等の板に微細な縞模様を印刷或いは焼き付け等して、ここにレーザ投光器により投光し、タイミングフェンス33からの反射光を受光器により検出して同様に位置を認識する反射型のタイミングフェンス33を用いてもよい。またアブソリュート型の目盛りを有するタイミングフェンスを用いてもよい。
【0056】
CRモータ30は直流モータであり、PWM制御あるいは電流値制御により、速度制御が可能であり、このタイミングフェンス33からの位置情報により現在位置を認識し、さらにキャリッジ27の速度、加速度を求めて、これらのデータからPDI制御によるフィードバック制御を行う。
【0057】
図5は、図4のV−V線における携帯型プリンタ1の断面図であり、図中の矢印Yは、キャリッジ27の移動方向を図示している。図5に示すように、プリンタ本体3の右側部分に配設された本体フレーム6の上部には、キャリッジ27を図5の左右方向(矢印Y及び反矢印Y方向)へ往復移動させる駆動力を供給するCRモータ30が配設されており、その下方には搬送ローラ23や排紙ローラ25を回転させるLFモータ31が配設されている。
【0058】
ここで、フラッシング動作について説明する。ノズル口18からインクを吐出するインクジェットヘッドである印字ヘッド15,16において、インクが印刷用紙PPに吐出された後乾燥して定着するようにインクは乾燥性を有する溶媒を用いているが、本携帯型プリンタ1を使用していない場合には、ノズル15a,16aは、キャップ62,63に覆われているため乾燥が防止されている。また、印刷動作中ノズル口18は、モノクロ印刷の場合であれば常にインクを吐出するため、ノズル口18に貯留されたインクは常に交換され、乾燥によりインクの粘度が上がるようなことはない。
【0059】
しかし、カラー印刷の場合は長時間使用されない色のインクがあるため、インクが吐出されないまま外気に露出されたノズル口18に貯留されたインクは乾燥して粘度が高くなってしまう。そのため、長時間印刷動作を続けていると、特定の色のノズル口18が目詰まりしてしまうことがある。そのため、一定時間印刷動作をした場合は、印刷用紙PPのない、即ち印刷領域43に相当するプラテン32から印字ヘッド15,16を待避させるフラッシング領域41,42を設け、このフラッシング領域41,42においてノズル15a,16aからインクを、予め準備されたインクの吸収体に吐出することにより、ノズル口18に滞留した粘度が上昇したインクを新たなインクと入れ替え、目詰まりを防止するものである。本実施の形態の携帯型プリンタ1の場合、印刷動作の最初と最後及び、印刷動作を行って10秒経過するたびにこのフラッシング動作をしている。
【0060】
次に、パージ動作及びその機構について説明する。パージ動作は、前述のフラッシングと同様、印字ヘッド15,16のノズル15a,16aの目詰まりを防止するのを主な目的とするものである。前述のフラッシング動作は、印刷途中で、ノズル15a,16aの乾きを防止するため、定期的にインクをフラッシング領域41,42に吐出させるものであった。これに対し、パージ動作は、プリンタを使用しない場合は、印字ヘッド15,16に乾燥防止のキャップ62,63が被せられ乾燥が防止されるが、キャップ62,63の密閉度は完全なものでなく乾燥が徐々に進行するため、長期間使用しなかった場合には、ノズル15a,16a内のインクが乾燥により粘度が高まり、前述フラッシング動作では粘度の高いインクの排出ができないようになる場合がある。そのような場合に、吸引ポンプで強制的にノズル15a,16a内の粘度の高いインクを排出させるものである。
【0061】
以下、本実施の形態のパージ機構について図6を参照して詳述する。図6は、本実施の形態の携帯型プリンタ1を図1のVI−VI線より上方視した部分断面図である。なお、ポンプ65の部分は断面表示してある。また一部分省略してある。印刷用紙PPの搬送に用いるLFモータ31に電圧が印加されると、LFモータ31は回転するが、パージをする場合は、LFモータギヤ37により、ポンプ駆動ギヤ61に駆動力が伝達される。ポンプ駆動ギヤ61の駆動力は、その先端のベベルギヤによりポンプ駆動カム64に伝達され、ポンプ駆動カム64が回転させられる。ポンプ駆動カム64は、下方が開放した内部空洞の円筒状の部材であって、上面には前述のポンプ駆動ギヤ61のベベルギヤとかみ合うようなベベルギヤが形成されている。また、上面には、変形環状の案内溝である溝(内)64a、溝(外)64bが二重に刻設され、さらに側面にも溝(横)64cが周状に刻設される。また開放した内部下面には、フォトセンサ68に対応するような突起(図示せず)が設けられている。この突起は、フォトセンサ68に検知され、ポンプ駆動カム64の初期位置を検出する。
【0062】
ポンプ駆動カム64の図上左方には、ポンプ65が配置される。このポンプ65は2つのピストン、即ち第1のピストン65d及び第2のピストン65eを有し、第1のピストン65dは筒状のロッドを有し、当該ロッドの先端には溝(外)64bに案内される従動部であるフォロワー外65bが配設される。また、第2のピストン65eは第1のピストン65dの筒状のロッドの内部を貫通するロッドを有し、当該ロッドの先端には溝(内)64aに案内される従動部であるフォロワー内65aが配設される。このポンプ65には吸入口65cと、図上右方向に位置する排出口65fが配設される。吸入口65cには内部中空のパージチューブ67が継合され、パージチューブ67はキャップ62,63に連通して継合される。従って、パージ動作はキャップ62,63は同時に行われることになる。また、排出口65fには、内部中空の廃インクチューブ66が継合され、インクカートリッジ大8の廃インク溜8bに連通して継合される。このため、いずれの色のインクも廃インクとしてインクカートリッジ大8の廃インク溜8bに貯留されることになる。
【0063】
ポンプ駆動カム64の図上右側には、2つのキャップ、即ち第1のキャップ62と第2のキャップ63が配置され、キャップ62,63は、ポンプ駆動カム64が回転することにより側面に刻設された溝(横)64cにより従動子(図示せず)が動かされ、キャップ昇降部69によりキャップ62,63が昇降させられる
【0064】
以下、パージ動作について図6に沿って詳説する。パージが必要な場合は、所定の制御手段によりCRモータ30(図2参照)に電圧が印加され、キャリッジ27が移動し印字ヘッド15,16がキャップ62,63の上部に移動されると、タイミングフェンス33により検知されて、パージ動作を開始する。まず、LFモータギヤ37によりLFモータ31の回転がポンプ駆動カム64に伝えられて、初期位置にあったポンプ駆動カム64が回転させられる。そうすると、溝(横)64cの従動子が動かされてキャップ昇降部69を動かし、キャップ62,63は上昇して、印字ヘッド15,16のノズル15a,16aのある面を密閉して覆う。
【0065】
初期位置において第1のピストン65dと第2のピストン65eは略当接した状態で、第1のピストン65dは初期位置において排出口65fを閉じる位置にあり、第2のピストン65eは初期位置において吸入口65cを閉じる位置にある。以下第1のピストン65dと第2のピストン65e及びキャップ昇降部69は、ポンプ駆動カム64の案内により以下のような動作を行う。
【0066】
キャップ62,63が上昇した後、第2のピストン65eが左方に移動し、第1のピストン65dと第2のピストン65eの間の距離が広がり、両ピストンの間の内容積が増加し負圧を生じるとともに第1のピストン65dにより閉じていた吸入口65cが開口する。ポンプ65で生じた負圧により、パージチューブ67を介してキャップ62,63内も負圧を生じる。そのため、ノズル口18内のインクは吸引されキャップ62,63内に排出され、さらにパージチューブ67を通って吸入口65cからポンプ65内に流入し、第1のピストン65dと第2のピストン65eの間の空間に貯留される。所定量インクがポンプ65内に流入すれば負圧は消失する。これに僅かに遅れキャップ62,63はキャップ昇降部69により下降されてプラテン32(図4参照)の面より下がり、印字ヘッド15,16は以後解放される。
【0067】
次に、第1のピストン65dと第2のピストン65eはその間隔を一定に維持したまま同時に右方に移動する。そのため、内部の圧力は一定に保たれたままであり、吸入口65cからインクをさらに吸入したり、逆に排出してパージチューブ67にインクを逆流させキャップ62,63にインクが戻るようなことはない。そして、第2のピストン65eは吸入口65cを閉じ、一方で第1のピストン65dが閉じていた排出口65fを開口する。ここで第1のピストン65dは停止し、第2のピストン65eのみがさらに右方に移動する。従って、第1のピストン65dと第2のピストン65eとの間隔は狭くなり、この間の内容積も小さくなる。そのため、ポンプ65内に貯留された廃インクは加圧されて、排出口65fから排出される。排出された廃インクは廃インクチューブ66を通り、インクカートリッジ大8に設けられた廃インク溜8bに注入される。そして第1のピストン65dと第2のピストン65eは略当接した状態で同時に左方に移動し、第1のピストン65dは排出口65fを閉じ、第2のピストン65eは吸入口65cを閉じる位置で停止する。
【0068】
最後に、ポンプ駆動カム64の下部に突設された突起(図示せず)がフォトセンサ68により検出され、パージ動作の終了が制御部34に伝えられて、LFモータ31からポンプ駆動ギヤ61への駆動力の伝達がLFモータギヤ37により解除されポンプ駆動カム64の回転が初期位置で停止してパージ動作は終了する。
【0069】
次に、本実施の形態の携帯型プリンタ1のワイピング機構90について、先ずその構成を説明する。図5に示すように、キャップ62,63の図上左手に並んでキャップ昇降部69上にワイピング機構90が配置されている。ここで、図7は、ワイパ91がワイピング位置にあるワイピング機構90の概略を示す斜視図である。又、図8は、ワイパホルダ92が図7から下方に移動した待機位置にあるワイピング機構90の概略を示す斜視図である。以下、図7及び図8に沿ってワイピング機構90を説明する。
【0070】
図7に示すように、基部99は、前述キャップ昇降部69に設置され(図5参照)、その図示しない内部には、ワイパホルダ92の移動を案内するガイド96のスロットが設けられ、ガイド96の動きを上下方向に規制している。基部99にはキャップ62,63の反対側であるポンプ65側に、図8に示すような、上方へ突設され掛止受部98が凹設された一対の柱状部分を備える。この突設部と反対側の基部99のキャップ62,63側には、ワイパホルダ92を下支えして、その位置を決定するストッパ94が突設されている。ストッパ94の脇には、基部99内のインクを排出するためのスリットである排出スリット100が切り欠かれて設けられている。前期ガイド96の上部には、前面視L字形状のワイパホルダ92が配置され、上方に向かって突設された壁状部分に、ワイパ91が貼設されている。又、ワイパホルダ92の台部分のポンプ65側には、基部99の掛止受部98と掛止される掛止爪97(図9参照)が設けられる。
【0071】
ワイパ91は、ゴム素材からなるブレード状の上端が先薄の板状部材である。但し、素材はゴムに限られるものではなく、ノズル口18を傷つけず且つ付着したインクを確実に拭き残らないように摺動できれば、例えば弾性を有した金属などであってもよい。さらに形状としても、ブレード状のほか、ローラ状の部材を用いてもここでいうワイピングは可能である。この先薄状の先端部を、移動する印字ヘッド15,16のノズル15a,16aにあるノズル口18に接触させ、ここに付着した不要なインクを掻きとってクリーニングするワイピングを行う。
【0072】
図9は、ワイパホルダ92が待機位置にあるワイピング機構90を前面視した模式図であり、図10は、ワイパホルダ92が、ワイピング位置にあるワイピング開始前のワイピング機構90を前面視した模式図である。以下図9及び図10に沿って、ワイピング機構90の構成とその作用について説明する。
【0073】
図9に示すように、ワイパホルダ92は、ポンプ機構フレーム60にその一端を固定されたばね93により連結されて、ポンプ機構フレーム60側、図9において左下方に付勢されている。ここで待機位置にあるワイパホルダ92は、掛止爪97が掛止受部98に掛止されていないため、後述する図10に示すワイパホルダ92の水平位置よりキャップ62,63側に変位している。このため、キャップ昇降部69に設けられたキャップ連動部89とワイパホルダ92のキャップ62,63側下端に設けられた連動部95がかみ合うようになっている。そして、前述のようにパージ動作によってキャップ昇降部69によりキャップ62,63が上昇されるとともに、連動部95及びキャップ連動部89により連動されてワイパホルダ92は、ばね93の付勢力に抗して、キャップ62,63とともにガイド96に案内されながら上昇させられる。
【0074】
図10は、ワイパホルダ92が、ワイピング位置に移動された図である。この場合、図9に示したように、連動部95が、キャップ連動部89により上昇され掛止爪97が、掛止受部98の位置まで来たワイピング位置に来たとき、図においてワイパホルダ92は、ばね93により左下方に付勢されているので、掛止爪97は掛止受部98に陥入し、ワイパホルダ92は全体に左に変位する。そのため,掛止爪97は掛止受部98に掛止され、且つ連動部95とキャップ連動部89のかみ合いは解除される。従って、ワイパホルダ92は、掛止爪97と掛止受部98の掛止のみにより、ばね93の付勢力に抗してワイピング位置でその位置が固定される。このとき印字ヘッド15,16は、上昇したキャップ62,63に覆われて前述のパージ動作が行われる。
【0075】
パージ動作が終了すると、印字ヘッド15,16を覆っていたキャップ62,63は印字ヘッド15,16から離脱して下方に離れる。このときキャップ連動部89も、下方に移動するが、既にワイパホルダ92は、連動部95における連動が解かれ、掛止受部98により支えられているため、キャップ62,63の動作に拘わらずワイピング位置に固定されたままである。印字ヘッド15,16のノズル口18にはパージ動作により不要なインクが付着している。次に、印字ヘッド15,16は印刷動作のため、図3(B)に示す位置から、図3(A)に示す位置に移動をする。この際、ワイピング機構90の上方を通過する印字ヘッド15,16のノズルが、ワイピング位置にありプラテン32より上方に突き出したワイパ91の先端によりワイピングされる。そして、このワイピング動作によりワイパ91で掻きとった不要なインクはワイパ91に付着して、重力によりワイパ91を伝わって下方に流下する。
【0076】
なお、このワイピング動作のとき、印字ヘッド15,16がワイパ91に接触するが、接触する方向が、ばね93に付勢されている方向、言い換えれば掛止爪97と掛止受部98が掛止される方向であるので、このワイピングの際の接触によっては掛止爪97と掛止受部98の掛止は外れることなくワイピングが行われ、且つワイピング終了後も外れることはなく、ワイパホルダ92はワイピング位置を維持している。
【0077】
ワイピングが終了し、ノズル口18に付着したインクが清拭された印字ヘッド15,16は、印刷動作を行う。一旦図3(A)の位置のホームポジションに復帰した印字ヘッド15,16は、主走査方向に移動しつつ、印刷開始に先立ってキャリッジ27の走行テストを行う。そして、ワイピング機構90の上方を通過する際、ワイピング位置にあるワイパ91の先端部はプラテン32より突出して、印字ヘッド15,16に接触する。そうすると、ワイパ91の先端は図11に示すように、主走査方向Y(右向き)に押圧され、そのためワイパホルダ92も同様に右に変位させられる。そのため、ばね93の付勢力により掛止状態を維持させられていた掛止爪97と掛止受部98の掛止が解除され、掛止を解除されたワイパホルダ92は、ばね93の付勢力により、ポンプ機構フレーム60側、即ち図で左下方に引かれる。そのため、ガイド96に姿勢を規制されつつワイパホルダ92は下方に移動する。
【0078】
下方に移動したワイパホルダ92は、再び図9に示すように底部がストッパ
94に当接して移動が停止される。そして、この待機位置で再びキャップ連動部89により移動されるまで、即ち印刷を終了するか、使用者の操作によりパージ動作が行わなければ、ばね93によりこの位置を維持する。
【0079】
ところで、ワイピング動作後は、このワイパ91がワイピング動作により掻き取ったインクが流下し、さらにワイパホルダ92を伝って下方に流下し、ワイパホルダ92の下端から滴下される。ここで、従来のストッパを備えたワイピング機構を図14に示す。図14に示す従来例のように、ストッパ94の上端部の面積が広い場合は、この上端部、つまりストッパ94の当接面が広くなるため、ここに示すように流下してきたインクが滞留しやすい。そのため、下方に勢いよく付勢されて移動するワイパホルダ92を、広い面積の当接面で受けた場合、このワイパホルダ92の下端部によりストッパ94の上面に滞留されたインクを勢い良く押しのける結果となる。ここに滞留するインク量が多ければ、押しのけられるインクの体積も多く、そのためインクが印刷用紙PPに飛散したり、又携帯型プリンタ1内部にも飛散することになり、これらを汚損してしまう。
【0080】
一方、本実施の形態のストッパでは、ワイパホルダ92と当接する面積が従来に比較して小さいため、ここで押しのけるインクの量も少なく、印刷用紙PPにインクを飛散させることも少ない。
【0081】
なお、本発明は、このストッパ94に滞留するインク量を少なくするところに発明のポイントがあり、本実施の形態のみに示されたもの以外にも、本発明の実施が可能である。
【0082】
図12(A)〜(D)は、本実施の形態の変形例のその一部を示した図である。例えば、図12(A)は、ストッパの当接部分を線接触にするような畝条101に構成された例を示す。このように当接面を線状に接触させることで、当接部分に貯留されるインクの量は著しく少なくなり、ワイパホルダ92とストッパ94が当接しても押しのけるインク量が少ない。即ち、インクの飛散量を低減できる。
【0083】
又図12(B)に示すような、ストッパの先端を尖った突起部102にすれば、さらに接触面積は少なくなり、インクの飛散量もさらに低減できる。
【0084】
そして、先端が半球状の突起部103であれば、接触面積は先端が尖形のものよりやや大きくなるものの、耐磨耗性や耐変形性の点で有利なものとできる。
【0085】
さらに、上述の例のように突起物を設けるほかにも、ストッパ94にインク排出用の溝104を設けて、ストッパ94上に滞留するインクを低減させることでも、インクの飛散量は少なくできる。
【0086】
一方、以上のようにストッパ94の当接する面積を減少させるばかりでなく、例えば図13に示すように、ワイパホルダ92の下部の形状を変形して、当接する面積を減少させるような形状のようなものであってもよい。又、上述のストッパの形状も、ワイパホルダ92に適用できることももちろんである。
【0087】
次に、図2及び図4を参照して、携帯型プリンタ1の使用方法について説明する。カートリッジ部材をプリンタ本体3に装着するとともに、カートリッジ部材に搭載された印字ヘッド15,16をプリンタ本体3に搭載されたキャリッジ27に装着する。インクカートリッジ8,9の装着後、電源が投入されると、印刷開始前に、ノズル口18の乾燥したり気泡を含んだインクや、ごみ等が付着したインクを吸引して排出し、良好な印刷をするためパージ動作が印刷に先立って行われる。電源投入時の初期位置は、印字ヘッド15,16のノズル15a,16aはキャップ62,63により密閉された状態になっているので、図6に示すようにLFモータ31により、LFモータギヤ37を介してポンプ駆動ギヤ61に駆動力が伝えられパージ動作が行われる。
【0088】
そして、パージ動作が終了すると、本発明のポイントであるワイピング機構90により、印字ヘッド15,16のワイピングが行われるが、既に詳述したためここでは省略する。
【0089】
その後キャリッジ27の動作確認がなされ、その際にキャリッジ27が、ワイピング機構90の上方を通過しながらワイパ91が掛止解除されワイパ91は待機位置に戻る。そして、印刷開始の初期位置にキャリッジ27が停止される。未使用の印刷用紙PPが携帯型プリンタ1の挿入口22へ挿入されると、印刷用紙PPはLFモータ31により回転される搬送ローラ23及び押さえローラ24によって、印字ヘッド15,16の下方へ搬送される。搬送された印刷用紙PPは、矢印Y及び反矢印Y方向の主走査方向(用紙搬送方向と直交する方向)に往復移動される印字ヘッド15,16の下方を通過する際に、印字ヘッド15,16の複数のノズル15a,16aから吐出されるインクによって印刷される。
【0090】
インクカートリッジ8,9のインクパッケージ8a,9aに充填されたインクは、そのインクパッケージ8a,9a内に夫々刺し込まれた各インク抽出針10の各抽出穴l0aから各インク抽出針10の内部へ流入して、各継手部材11の連通口(図示せず)を通過して、4本の供給チューブ12へそれぞれ流れ込んで、印字ヘッド15,16へ供給され、印字ヘッド15,16のノズル15a,16aから吐出される。印刷された印刷済みの印刷用紙PPは、LFモータ31により回転される排紙ローラ25及び押さえローラ26によって、排紙口4から排紙される。
【0091】
上記のように、印字ヘッド15,16は、CRモータ30により駆動されるキャリッジ27に搭載されて、図2の矢印Y及び反矢印Y方向へ向けて携帯型プリンタ1の下部空間1b内を往復移動するとともに、ノズル15a,16aからインクを吐出して印刷を行う。このように、印字ヘッド15,16がキャリッジ27に搭載されて往復移動すると、印字ヘッド15,16の上部に継合された4本の供給チューブ12が印字ヘッド15,16の移動に伴って往復移動される。印字ヘッド15,16が携帯型プリンタ1の下部空間1bの右側部分(図2の右側)へ移動すると、この各供給チューブ12は、印字ヘッド15,16へ向かうに従って湾曲され、その湾曲部分(屈曲部分)は携帯型プリンタ1の上部空間1aの仕切り板5aに支持されて、携帯型プリンタ1の上部空間1aに配設される印字ヘッド15,16の上部の継合部へ向けて湾曲される。
【0092】
また、印刷の最初と最後、及び印刷途中にあっては約10秒毎にフラッシング領域に印字ヘッド15,16が待避されてフラッシング動作が行われる。
そして、印刷終了後は、キャリッジ27は、キャップ62,63の上で停止され、LFモータ31により、LFモータギヤ37を介してポンプ駆動ギヤ61に駆動力が伝えられ、一度パージ動作が行われ、さらにキャップ62,63は上昇した位置で停止し、ノズル15a,16aはキャップ62,63により密閉された状態にされ、未使用時のノズル15a,16aの乾燥が防止される。
【0093】
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上述した実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能であることは容易に推察できるものである。
【0094】
例えば、本実施の形態ではインクジェット式の印字ヘッドを例に説明したが、インクジェット式のヘッドに限らず、何らかの方法でインクを吐出又は吸引する印刷方法であれば、本発明は適用が可能である。
【0095】
【発明の効果】
上記説明から明らかなように、請求項1に係る発明の印刷装置では、ノズルから記録紙にインクを吐出して画像を形成する印字ヘッドと、印字ヘッドを搭載して主走査方向に往復移動可能なキャリッジと、弾性体からなり印字ヘッドのノズルをワイピングするワイパと、ワイパを保持するワイパ保持手段と、主走査方向に移動する印字ヘッドのノズル面をワイパがワイピング可能な位置であるワイピング位置から、印字ヘッドの印刷動作の妨げにならない位置である待機位置へ離間させる方向に前記ワイパ保持手段を付勢する付勢手段と、付勢手段の付勢力に抗してワイパ保持手段をワイピング位置に移動する移動手段と、ワイパ保持手段をワイピング位置に掛止保持する掛止手段と、掛止手段の掛止を解除して付勢手段による付勢力により待機位置にワイパ保持手段を移動させる掛止解除手段と、掛止解除手段により掛止を解除されて付勢手段の付勢力により移動されるワイパ保持手段を、その下部と当接させることにより待機位置に停止させる停止部材を有する移動停止手段とを備え、停止部材は、ワイパ保持手段の付勢方向側の端部における移動方向に垂直な断面の断面積に比較して、当該面積より小さな面積で当接することを特徴とするため、ワイピング機構を備え、印字ヘッドのワイピングを行うことができ、印字の品質を高く保ちながら、このワイピングにより拭き取ったインクをワイパ保持手段と移動停止手段とで大きい面積で面接触させてインクが飛散することを、ワイパ保持手段の下部又は停止部材に当接面積を小さくする突起部を有するため、狭い面積で停止部材とワイパ保持手段を当接させることができるため、当接時のワイパ保持手段底部に滞留しているインクの移動速度を遅くすることができ、飛散するインクを減少させることができるという効果がある。そのため、印刷用紙にインクを飛散させることなく、インクの飛散による印刷用紙の汚れを防止し、また印刷装置自体の汚れも防止することで内部クリーニングなどの必要がないメンテナンスの容易な印刷装置とすることができるという効果を奏する。
【0096】
請求項2に係る発明の印刷装置では、請求項1に記載の印刷装置の効果に加え、前記当接を略線接触とすることで、極めて狭い面積で停止部材とワイパ保持手段を当接させることができるという効果がある。そのため、当接時のワイパ保持手段底部に滞留しているインクの移動速度を遅くすることができ、もってインクの飛散を少なくすることができるという効果を奏する。また、線接触であれば耐磨耗性の点でも有利であるという効果を奏する。
【0097】
請求項3に係る発明の印刷装置では、請求項1に記載の印刷装置の効果に加え、前記当接を略点接触とすることで、極めて狭い面積で停止部材とワイパ保持手段を当接させることができるという効果がある。そのため、当接時のワイパ保持手段底部に滞留しているインクの移動速度をさらに遅くすることができ、もってインクの飛散をさらに少なくすることができるという効果を奏する。
【0098】
【0099】
【0100】
請求項に係る発明の印刷装置では、請求項に記載の印刷装置の効果に加え、突起部が、尖形の先端部を有することを特徴とするため、突起部の先端部を尖形にすることで、極めて狭い面積で停止部材とワイパ保持手段を当接させることができるという効果がある。そのため、当接時のワイパ保持手段底部に滞留しているインクの移動速度を遅くすることができ、もってインクの飛散を少なくすることができるという効果を奏する。
【0101】
請求項に係る発明の印刷装置では、請求項に記載の印刷装置の効果に加え、突起部が、半球状の先端部を有することを特徴とするため、狭い面積で停止部材とワイパ保持手段を当接させることができるという効果がある。そのため、当接時のワイパ保持手段底部に滞留しているインクの移動速度を遅くすることができ、もってインクの飛散を少なくすることができるという効果を奏する。その一方、先端が尖形ではないので耐磨耗性や耐変形性が増すという効果も奏する。
【0102】
請求項に係る発明の印刷装置では、請求項1乃至請求項のいずれかに記載の印刷装置の効果に加え、停止部材が、インクの排出用の溝を有することを特徴とするため、停止部材にインクが滞留しにくく、そのため繰り返し連続使用してもインクの飛散を少なくできるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一の実施の形態である携帯型プリンタ1の外観を示す正面図である。
【図2】 携帯型プリンタ1の内部構造を概略的に示した一部切欠斜視図である。
【図3】 印字ヘッド15,16の移動に伴いハーネス17が移動する状態を、携帯型プリンタ1を図1のIII−III線において一部を省略して上方視した図である。
(A) キャリッジ27が最も左端にある状態を示す図である。
(B) キャリッジ27がパージ動作位置にある状態を示す図である。
(C) キャリッジ27が最も右端にある状態を示す図である。
【図4】 携帯型プリンタ1を図1のIV−IV線において右方向から見た概略を示す部分断面図である。
【図5】 携帯型プリンタ1を図4のV−V線において右方向から見た断面図である。
【図6】 携帯型プリンタ1を図1のVI−VI線より上方視した部分断面図である。
【図7】 ワイパ91がワイピング位置にあるワイピング機構90の概略を示す斜視図である。
【図8】 ワイパホルダ92が図7から下方に移動した待機位置にあるワイピング機構90の概略を示す斜視図である。
【図9】 ワイパホルダ92が待機位置にあるワイピング機構90を前面視した模式図である。
【図10】 ワイパホルダ92が、ワイピング位置にあるワイピング開始前のワイピング機構90を前面視した模式図である。
【図11】 ワイパホルダ92が、ワイピング位置にあるワイピング終了後のワイピング機構90を前面視した模式図である。
【図12】 本実施の形態の変形例のストッパの一部を示した図である。
(A) 畝条101の形状のストッパの一部を示す図である。
(B) 尖形の先端形状の突起部102を備えたストッパの一部を示す図である。
(C) 半球状の先端形状の突起部103を備えたストッパの一部を示す図である。
(D) 排出用104の溝を備えたストッパの一部を示す図である。
【図13】 ワイパホルダ92の下部の形状を変形して、当接する面積を減少させるような形状を示す図である。
【図14】 従来のストッパを備えたワイピング機構を示す図である。
【符号の説明】
1 携帯型プリンタ(印刷装置)
15 印字ヘッド右
15a ノズル右
16 印字ヘッド左
16a ノズル左
18 ノズル口
27 キャリッジ
41 フラッシング領域右
42 フラッシング領域左
43 印刷領域
90 ワイピング機構
91 ワイパ(掛止解除手段)
92 ワイパホルダ(ワイパ保持手段)
93 ばね(付勢手段)
94 ストッパ(停止部材)
95 連動部(移動手段)
96 ガイド
97 掛止爪(掛止手段)
98 掛止受部(掛止手段)
PP 印刷用紙

Claims (6)

  1. ノズルから記録紙にインクを吐出して画像を形成する印字ヘッドと、
    前記印字ヘッドを搭載して主走査方向に往復移動可能なキャリッジと、
    弾性体からなり前記印字ヘッドの前記ノズルをワイピングするワイパと、
    前記ワイパを保持するワイパ保持手段と、
    主走査方向に移動する前記印字ヘッドの前記ノズル面を前記ワイパがワイピング可能な位置であるワイピング位置から、前記印字ヘッドの印刷動作の妨げにならない位置である待機位置へ離間させる方向に前記ワイパ保持手段を付勢する付勢手段と、
    前記付勢手段の付勢力に抗して前記ワイパ保持手段を前記ワイピング位置に移動する移動手段と、
    前記ワイパ保持手段を前記ワイピング位置に掛止保持する掛止手段と、
    前記掛止手段の掛止を解除して前記付勢手段による付勢力により前記待機位置に前記ワイパ保持手段を移動させる掛止解除手段と、
    前記掛止解除手段により掛止を解除されて前記付勢手段の付勢力により移動されるワイパ保持手段を、その下部と当接させることにより前記待機位置に停止させる停止部材を有する移動停止手段とを備え、
    前記ワイパ保持手段の下部又は前記停止部材には、当接面積小さくする突起部が設けられていることを特徴とする印刷装置。
  2. 前記当接は、略線接触であること
    を特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
  3. 前記当接は、略点接触であること
    を特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
  4. 前記突起部は、
    尖形の先端部を有すること
    を特徴とする請求項に記載の印刷装置。
  5. 前記突起部は、
    半球状の先端部を有すること
    を特徴とする請求項に記載の印刷装置。
  6. 前記停止部材は、
    インクの排出用の溝を有すること
    を特徴とする請求項1乃至請求項のいずれかに記載の印刷装置。
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