JP4130710B2 - 磁気テープ装置およびその制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はサーペンタイン記録再生方式の磁気テープ装置とその制御方法に関し、特に、ファイルリールとマシンリールの間を走行するテープの速度の安定化技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
サーペンタイン記録再生方式の磁気テープ装置は、磁気ヘッドと磁気テープ(以下ではテープと略称する)との接触面積が小さいため、接触によるテープへのダメージが少なくなりテープの走行速度の高速化が達成できる。この故、高い信頼性と高速度の記録または再生(以下、記録再生とする)が要求されているライブラリ用の記録装置として広く利用されている。
【0003】
図10の(a)と(b)は、サーペンタイン記録再生方式のテープ1のトラック番号とコンビネーションヘッド2との対応を示す図である。テープ1は16個のトラックグループ1a〜1pを有し、128個の情報トラックWRAP1a〜8pは8個のトラックずつに区分されてトラックグループ1a〜1pに同図の(b)のように配設されている。
【0004】
同図の(b)の情報トラックWRAP1a〜8pの中で太線の右矢印が付けられている情報トラックは、ファイルリール側ヘッド201aからマシンリール側ヘッド201bに向かってFWD方向にテープ1が走行する場合に情報を記録再生するためのものであり、太線の左矢印が付けられている情報トラックは、テープ1の走行方向がFWD方向と逆方向のBWD方向の場合に情報を記録再生するためのものである。
【0005】
さらに、テープ1は、コンビネーションヘッド2との位置関係を調節するためのパイロット信号を記録している複数のサーボトラックSVTR1〜3(図10では、サーボトラックSVTR1のみを記載)を所定のトラックグループの間に設けている。コンビネーションヘッド2は、サーボトラックに記録されているパイロット信号を再生するための磁気ヘッドとして4つのサーボヘッド(図10では、サーボヘッドSV10a〜40aのみを記載)を各サーボトラック毎に配設している。
【0006】
図11は上記したようなテープを所定の走行速度に制御するための従来技術の要部構成を示す図である。同図のトラッキング手段15は、これらのサーボヘッドから再生したパイロット信号に基づいてアクチュエータ3を駆動し、コンビネーションヘッド2の中の所定の記録用の磁気ヘッドと再生用の磁気ヘッドとが情報トラックWRAP1a〜8pの中の所定の情報トラックに選択的に対抗する位置に制御する。
【0007】
コンビネーションヘッド2は情報の記録時の干渉を防止するため、記録用の磁気ヘッドの位置と再生用の磁気ヘッドの位置がファイルリール側ヘッド201aとマシンリール側ヘッド201bの間で千鳥状になるように配置している。
【0008】
走行中のテープ1は、ファイルリール4とマシンリール7とによって適度の張力を加えられながら、ファイルリール4から巻き出されてコンビネーションヘッド2を経由した後、マシンリール7によって巻き取られる。従って、テープ1の走行が進行するにつれて、ファイルリール4の径はテープ1の巻き出し分だけ減少し、一方、マシンリール7の径は巻き取った分だけ増加する。
【0009】
故に、テープ1の走行速度を一定に維持するためには、ファイルリール4とマシンリール7の各回転速度を両リールの径の増減に応じて変化させる必要がある。そのためには、ファイルリール4の径とその慣性モーメント、およびマシンリール7の径とその慣性モーメント、さらにテープ1の走行速度とをリアルタイムに導出し、それらの値を両リールを駆動するファイルリールモータ6またはマシンリールモータ9に対し回転制御を行う速度制御手段18に制御パラメータとして帰還することが不可欠である。
【0010】
従来、ファイルリール4の径は、ファイルリール4の回転に同期してファイルタコ5から出力する第1のカウント信号(以下、ファイルタコ信号とする)の信号列を計数する第1カウント手段12の計数値に基づいて求めたファイルリール4の積算回転数とテープ1の標準厚みとの積により検出し、またマシンリール7の径は、マシンリール7の回転に同期してマシンタコ8から出力する第2のカウント信号(以下、マシンタコ信号とする)の信号列を計数する第2カウント手段17の計数値に基づいて求めたマシンリール7の積算回転数とテープ1の標準厚みとの積により検出していた。このような方法で求めたリールの径を用いて各リールの慣性モーメントを算出し、さらに、テープ1の走行速度を、ファイルリール4の径と時間間隔計測手段11により計測したファイルタコ信号の信号列の時間間隔に基づいて算出したファイルリール4の角速度との積により検出していた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、通常使用しているテープの厚みが標準の厚みと異なっている場合には、テープの走行中のファイルリールとマシンリールの各径が、各リールの積算回転数とテープの標準の厚みを用いて算出したリールの径の値と違ったものになる。従って、ファイルリール径とその角速度との積によって求まるテープの走行速度は実際の走行速度と異なったものになり、またリールの径から算出される両リールの慣性モーメントも実際の両リールの慣性モーメントと異なっていることになる。
【0012】
故に、テープの走行速度の検出と各リールの慣性モーメントの検出とが不正確なものとなり、コンビネーションヘッドの記録再生のタイミングとテープの走行のタイミングとが所定の標準シーケンスからずれることになる。その結果、標準の厚みと差異のあるテープに記録再生されるような情報はその品質が低下し、運用上の障害になることがある。
【0013】
一方、走行中のテープに接触させたキャプスタンローラの回転によりテープの走行速度を検出する方法が知られている。しかしこの場合には、走行するテープとキャプスタンローラとの接触部分にスリップが生ずることがあり、この方法によるテープの走行速度検出も不正確なものとなる。
【0014】
本発明は、テープの厚みが標準の厚みと異なっていてもテープの走行速度を正確に検出し、さらにテープの巻き緩みを検出して修正し、あるいは初期設定データを適宜修正することにより、記録再生される情報の品質を安定化することを課題とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するために、請求項1記載の磁気テープ装置においては、テープの走行方向に沿って、テープの所定の走行距離毎にパイロット信号が記録されているサーボトラックを備えたテープのパイロット信号を再生する磁気ヘッドと、テープを送出するファイルリールとテープを巻き取るマシンリールとの間を走行するテープの走行速度を、磁気ヘッドにより再生したパイロット信号に基づいて導出するテープ速度検出手段とを有し、さらに、請求項3記載の前記磁気テープ装置の制御方法は、ファイルリールとマシンリールとの間を走行するテープからパイロット信号を再生し、再生したパイロット信号に基づいてテープの走行速度を検出し、さらに、検出された走行速度の所定の標準速度からのずれに対応して、テープの巻き戻し制御、または前記磁気テープに記録されたテープの厚みを含む初期設定データの書き換え制御の少なくとも一つの制御を行う。
【0016】
このように構成しあるいは制御することによりテープの正確な走行速度を検出でき、それに基づいて、コンビネーションヘッドの記録再生のタイミングとテープの走行のタイミングとを生成し、あるいはテープの走行速度の所定の標準速度からのずれに対応してテープの巻き緩みを検出しそれを修正できるので、テープに記録再生される情報の品質を安定化できる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示した実施例に基づいて本発明の要旨を詳細に説明する。なお、従来図において説明した部分は同一符号を用い、その説明も省略する。
【0018】
図1は本発明の実施例の要部構成図である。同図の速度検出手段14はテープ1のサーボトラッキング用のサーボトラックから再生したパイロット信号に基づきテープ1の走行速度を導出するためのものであり、先ずその動作を以下に詳述する。
【0019】
図2の(a)は、本願発明の実施例で利用するテープの複数のサーボトラックの中の一部を表す構成図であり、同図の隣接する3本のサブサーボトラックtr1a〜tr1cは図10の(b)に示しているサーボトラックSVTR1を構成する。図2の(b)〜(f)は、コンビネーションヘッド2の複数のサーボヘッドの中の一つのサーボヘッドSV10aによって再生されるサブサーボトラックtr1aとtr1bとに記録されているパイロットの合成波信号w1と、合成波信号w1を基にして生成される各基準信号との関係を示すタイムチャートである。
【0020】
サブサーボトラックtr1aとtr1cには、テープの走行速度が標準の走行速度のときに再生されると所定の振幅で周波数がf1となるパイロット信号が走行方向に沿って記録されており、またサブサーボトラックtr1bには、テープが所定の標準走行速度のときに再生されると所定の振幅で周波数がf2となるパイロット信号が走行方向に沿って長さL1で記録されている領域と、パイロット信号が記録されていない長さL2のNull領域とが交互に存在するようにしている。
【0021】
テープが所定の標準速度で走行中している場合には、サーボヘッドSV10aがサブサーボトラックtr1aと1bとの両方に記録されているパイロット信号を再生するような位置に構成されているため、サーボヘッドSV10aからの合成波信号w1は、図2の(b)のように2つのパイロット信号の合成波になる。図2の(c)のエンベロープ信号w2は、サーボヘッドSV10aからの合成波信号w1を、図5に示す回路141のコンデンサ141aと増幅器141bとにより低域フィルタ処理した波形である。
【0022】
図3の(a)はサーボヘッドSV10aからの合成波信号w1の各ピーク毎にパルスを生成するように構成した回路140を示し、同図の(b)は各回路素子140a〜140e毎の波形のタイムチャートである。図2の(d)のPKPLS信号w3は、回路140によって合成波信号w1の各ピーク毎に同期したパルス信号になる。
【0023】
図2の(e)は、サブサーボトラックtr1aに記録されているパイロット信号の再生において、サブサーボトラックtr1bのパイロット信号の干渉を除くためにNull領域のタイミングを表すDET_MIN信号w4であり、図5に示す回路141によって生成される。
【0024】
ここでサブサーボトラックtr1aとtr1bのパイロット信号に基づくトラッキングについて説明する。図5のピークホールド回路141cはDET_MIN信号w4の立ち下がり毎にエンベロープ信号w2から抽出したピーク値を保持するように構成されている。従って、A/Dコンバータ141iから出力されるMAX/MIN信号はエンベロープ信号w2のDET_MIN信号w4の周期毎のピーク値を表し、さらに図示しないMAX/MIN検出回路に入力される。MAX/MIN検出回路は入力されたエンベロープ信号w2のピーク値のデータ列から所定の周期で最大値と最小値を検出し、図1の演算手段20へ入力する。演算手段20はこの最大値に対する最小値の比率に基づいてテープ1とコンビネーションヘッド2とが所定の位置関係になるようにトラッキング手段15を制御してアクチュエータ3を駆動する。
【0025】
トラッキング手段15はテープの走行方向がFWD方向の場合、図2の(a)のサーボヘッドSV10aが「A」の位置にあるときには、情報トラックWRAPia〜WRAPip(i=1〜8)の中でi=1となるトラックに、同図の「B」の位置にあるときにはi=3となるトラックに、また、図10の(b)のサーボヘッドSV20aが「A」の位置にあるときにはi=5となるトラックに、図2の「B」の位置にあるときはi=7となるトラックになるように選択的に位置制御する。テープの走行方向がBWD方向の場合には、トラッキング手段15はサーボヘッドSV30aとSV40aからのパイロット信号に基づき、情報トラックWRAPia〜WRAPip(i=1〜8)の中でiの値が偶数のものに対して上述と同様の制御を行う。
【0026】
なお、トラッキングの精度を上げるためには、図示しない複数サーボヘッドに対してもサーボヘッドSV10aと同様の最大値と最小値との検出を行い、それらの複数の値に基づいてトラッキング制御を行うのが好ましい。
【0027】
図2の(f)は、DET_MIN信号w4がHレベルのときにPKPLS信号w3のp個のパルスの時間間隔を周波数がZのクロックZ_clkで計測するためのタイミングを表すCAL_SPEED信号w5であり、図6に示す回路142によって生成される。p個のパルスの時間間隔は同図のCNT(カウンタ)142cによって計数され、REG(レジスタ)142dを経由して演算手段20に入力される。
【0028】
すなわち、図1の速度検出手段14は上記した回路140〜142を備えているので、サブサーボトラックtr1aに記録されているパイロット信号から生成したp個パルスの時間間隔を周波数Zの精度で計測できる。
【0029】
図7は、DET_MIN信号w4の立ち下がりの毎にp個パルスの時間間隔のデータに基づいてテープ1の走行速度を検出するフローチャートを示す。 ここで、Vnは図1のマシンリール7にテープ1をn巻きしたときのテープの走行速度(mm/s)、dはパイロット信号の記録間隔(6bits毎)、Zはpパルス分の時間データを測定するためのサンプリング周波数(Hz)、ρはテープの記録密度(5100bits/mm)、αは図7のステップs6で求めた時間データ(サンプリング周波数Zの換算値)の平均値を表す。テープ1の走行速度Vnは、図7のフローチャートのステップs7のように算出される。
【0030】
このようにテープの走行速度をテープの走行方向に沿って記録されているパイロット信号の再生信号から検知した周波数に基づいて導出するので、ファイルリールの径とその角速度との積を求める必要がなくなる。従って、テープの厚みが標準の厚みと異なっていても、テープの走行速度を正確に検出できる。
【0031】
次に前述の走行速度を用いて、情報をテープ1に記録する場合のテープ1とコンビネーションヘッド2との走行方向の位置関係を保証するシーケンスについて説明する。図1の演算手段20と図示しない上位制御部とは、テープ1とコンビネーションヘッド2との走行方向の位置関係を制御するために、上位制御部から演算手段20へ通知するGAP−OUT信号と演算手段20から上位制御部へ通知するGAP−IN信号との2つの信号で同期を取っている。上位制御部から演算手段20に入力された情報は、ファイルリール側ヘッド201aの中の記録ヘッドの集合を表す図4の(a)に示す記録ヘッド2aでテープ1のDATA−BLOCKnの位置に記録される。テープ1に記録された情報は、マシンリール側ヘッド201bの中の再生ヘッドの集合を表す同図に示す再生ヘッド2bにより再生され、演算手段20を経由して上位制御部に入力され元の情報と照合される。
【0032】
演算手段20は情報の記録時にDATA−BLOCKnの終端が記録ヘッドを通過したときに、図4の(b)に示すGAP−IN位置で上位制御部へGAP−IN信号を通知する。次に上位制御部は演算手段20を経由して所定の個数のIBGコード(INTER−BLOCK−GAPード)をDATA−BLOCKnの終端からテープ1の所定の距離(例えば2mm)にわたって記録する。
【0033】
本実施例ではテープの走行速度を正確に検出できるため、所定の時間の間だけIBGコードを記録すれば良い。上位制御部は、所定の数のIBGコードを記録した後にDATA−BLOCKn+1に次の情報を記録する。
【0034】
情報の再生時には、演算手段20は情報の記録時にDATA−BLOCKnの終端が再生ヘッドを通過したときに、図4の(a)に示したGAP−OUT位置で上位制御部へGAP−IN信号を通知する。次に上位制御部は演算手段20を経由して所定の個数のIBGコードを読み取った後にDATA−BLOCKn+1に記録されている情報を読み取る。
【0035】
次に、テープの走行を間欠動作のように一時停止した場合に情報を記録するシーケンスについて図1と図4を参照して説明する。上位制御部はDATA−BLOCKnを記録した後、すなわち、図4の(a)のようなテープ1と再生ヘッド2bの位置関係で、GAP−OUT信号を演算手段20へ通知する。演算手段20はこの時の第1カウント手段12の計数値yと図示しない時間カウンタにより計測された時間間隔t1とを記憶し、さらに、記録を再開する時のテープ1の走行速度が標準の走行速度まで加速できるようにテープ1を十分にファイルリール4へ巻き戻す。
【0036】
一時停止の状態から記録を再開するために、記憶した第1カウント手段12の計数値の位置ではテープ1が標準の走行速度になるように演算手段20は速度制御手段18を経由してファイルリールモータ6とマシンリールモータ9とを駆動する。DATA−BLOCKnが記録ヘッドを通過するときに、演算手段20はGAP−IN信号を生成する必要があり、以下にその生成方法について説明する。 前記した計数値yと時間間隔t1とは、DATA−BLOCKnが再生ヘッドを通過するときタイミング(以下、タイミング1とする)を表すから、GAP−IN信号の生成タイミング(以下、タイミング2とする)はタイミング1からヘッド間ギャップGの通過時間を補正すれば良い。
【0037】
ファイルタコ5から出力すファイルタコ信号の信号列の時間間隔をTの時間長さに換算したものをTIC、テープの走行速度をVすると、タイミング2を第1カウント手段12の計数値に換算した値は式(1)のようになる。
【0038】
【数1】
【0039】
式(1)の値の整数項が図4の(d)のzで表されるタイミング2の第1カウント手段12の計数値を表し、同式の小数項をΓとすると図4の(d)のu1は式(2)で表される。
【0040】
【数2】
【0041】
従って、演算手段20は第1カンウント手段12の計数値がzで、さらに図示しない時間カウンタの計数値がu1になるタイミングでGAP−IN信号を上位制御部に通知すれば良い。
【0042】
次に、テープの走行速度を所定の精度に維持するために、速度制御手段18が制御パラメータとして必要とするファイルリール4とマシンリール7の慣性モーメントを求めるための両リールの径を算出する方法を説明する。ファイルリール4の径Rfとマシンリール7の径Rmとは、式(3)と(4)の関係にあるから、マシンリール7にテープ1をn巻きしたときのマシンリール7の径は式(5)のようになる。
【0043】
【数3】
【0044】
【数4】
【0045】
【数5】
【0046】
ここで、Tは図示しないクロック発生器からの周期Tのクロック、Vnはマシンリール7にテープ1をn巻きしたときの速度検出手段14により検出されたテープの走行速度、TICnはマシンリール7にテープ1をn巻きしたときのファイルタコ5から出力するファイルタコ信号を周期Tの時間単位で換算したもの、RRCはファイルリール4とマシンリール7との回転比率で、とくにRRCnはマシンリール7にテープ1をn巻きしたときの比率算出手段19により算出されたファイルリールとマシンリールの回転比率、Nはファイルリール1回転当たりにファイルタコ5から出力するファイルタコ信号の数であり、マシンタコ8からはマシンリールが1回転する毎にマシンタコ信号を1つ出力するようにしている。
【0047】
さらにテープ1の厚みをThick、マシンリールのテープが0巻きのときのリール径をRiとすると、式(6)の式(7)との関係からテープ1の厚みを算出できる。
【0048】
【数6】
【0049】
【数7】
【0050】
また、式(8)のように両リールに巻かれているテープ1の総面積は一定であるから、式(9)によってファイルリール4の初期値の径Roが算出できる。
【0051】
【数8】
【0052】
【数9】
【0053】
式(10)と式(11)は前述の式(7)の総面積Cを用いて、ファイルリール4の径Rfとマシンリール7の径Rmを表している。式(10)と式(11)にはテープの厚みThickの項が含まれていないので、両リールの径がテープの厚みが標準の厚みと異なっていても正確に算出できることが判る。
【0054】
【数10】
【0055】
【数11】
【0056】
演算手段20は前記したようにして求めたファイルリールの径Rfとマシンリールの径Rmから各リールの慣性モーメントを算出し、その慣性モーメントをテープの速度と共に速度制御手段18に制御パラメータとして帰還する。従って、速度制御手段18は、マシンリール7にテープ1をn巻きしたときのテープの走行速度を標準の走行速度になるように制御することが可能になる。
【0057】
図8はファイルリールのテープに巻き緩みがあり、テープの走行速度に大きな変動が発生した場合に、その速度変動を検出して巻き戻し制御を含むリテンション処理を起動するフローチャートを示している。テープの走行速度(例えば、2〜3m/s)が±25%変動すると、テープに記録またはテープから再生される情報に破損や化けが発生する。本図に示しているリテンション処理によりテープの巻き緩みを修正できるため、記録または再生される情報の破損や化けを防止できる。
【0058】
なお、図8のステップs22ではテープの走行速度を所定の時間間隔でサンプリングして、サンプリングした走行速度のデータ列の変動の大きさで、例えばデータ列の値の変化の比率で判断してもい。また、ステップs23〜s27を含むリテンション動作の回数を複数に増やせば、テープの巻き緩みをより確実に修正できる。
【0059】
図9はテープを全て巻き取った状態のファイルリールを本実施例の磁気テープ装置にローデングしたときの処理を示すフローチャートである。テープは図示しないスレッディング機構を経由して所定の位置にローディングされると、上位制御部はテープの先頭部分に位置するVCR(volume control region)に記録されているテープの厚みVThickとファイルリールの初期径VRoを読み取り、演算手段20に通知する。演算手段20は前記した式(7)と(9)の関係を利用して、テープをマシンリールにn巻きしたときのテープの厚みThicknとファイルリールの初期径Roとを算出する。これらの値と前述のVCRとVThickとを比較して(ステップs34)異なっていれば、ファイルリールのテープに巻き緩みがあるとして、ステップs35のリテンション動作(図8に記載のステップs23〜s27と同じ動作)を少なくとも1回は行うようにする。さらにテープのアンロード時には、上位制御部は演算手段20が算出したテープの厚みThicknとファイルリールの初期径RoとをテープのVCT領域に書き込む。
【0060】
従って、テープの巻き緩みをテープの走行速度が大きく変動する前に検出できるので、記録または再生される情報の品質がより安定化する。
なお、本欄の説明ではテープの走行方向をファイルリールからマシンリールへの方向で説明したが、マシンリールからファイルリールへの方向についても本実施例の適用が可能である。
【0061】
また、本実施例ではファイルリールモータとマシンリールモータの二つの駆動源を有する構成としたが、一つの駆動源で両リールの少なくとも一つを駆動する構成にしても良い。
【0062】
また、テープの走行速度の制御において、テープの初動時にはファイルタコから出力されるファイルタコ信号に基づいて速度制御し、テープの走行速度が標準速度に近づいた時点でサーボトラックのパイロット信号で速度制御するようにすれば、立ち上がりの応答に優れかつ精密な速度制御が可能になる。
【0063】
また、テープが備えている情報トラックやサーボトラックの数とその配置は本実施例のみ限定されものでなく、数の増減や配置の組み換えがあっても良い。
【0064】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1記載の本発明によれば、テープのサーボトラックに記録されているパイロット信号に基づいてテープの走行速度を導出するので、テープの厚みが標準の厚みと異なっていても、コンビネーションヘッドによる記録再生のタイミングとテープの走行タイミングとを整合するように構成できるためテープに記録再生される情報の品質を安定化できる。
【0065】
さらに、請求項3記載の本発明によれば、再生したパイロット信号に基づいてテープの走行速度を検出して、テープの巻き戻し制御、またはテープに記録された初期設定データの書き換え制御を行うことにより、テープに記録再生される情報の品質を安定化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による実施例の要部構成図
【図2】 サーボヘッドの出力波形と基準信号との関係を示す図
【図3】 本発明におけるPKPLS信号を生成するための回路図
【図4】 本発明のGAP−OUT信号とGAP−IN信号の関係を説明するための図
【図5】 本発明におけるDET_MIN信号を生成するための回路を示す図
【図6】 本発明におけるPLPLS信号の周期を計測するための回路を示す図
【図7】 本発明によるテープの走行速度を算出するためのフローチャート図
【図8】 本発明によるテープの走行中のリテンションを示すフローチャート図
【図9】 本発明によるVCRデータによるリテンション処理を示すフローチャート図
【図10】 テープとコンビネーションヘッドとの対応を示す図
【図11】 従来技術の要部構成図
【符号の説明】
1:テープ(磁気テープ)
2:コンビネーションヘッド
3:アクチュエータ
4:ファイルリール
5:ファイルタコ
6:ファイルリールモータ(第1の駆動部)
7:マシンリール
8:マシンタコ
9:マシンリールモータ(第2の駆動部)
10:R/W手段
11:時間間隔計測手段
12:第1カウント手段
13:ファイルモータ駆動AMP
14:速度検出手段
15:トラッキング手段
16:リールモータ駆動AMP
17:第2カウント手段
18:速度制御手段
19:比率算出手段
20:演算手段
Claims (3)
- 磁気テープの走行方向に沿って、所定の記録密度ρを有する前記磁気テープの所定の走行距離d毎にパイロット信号が記録されているサーボトラックを備えた磁気テープの前記パイロット信号を再生する磁気ヘッドと、前記磁気テープを送出するファイルリールを駆動する第1の駆動部と、前記テープを巻き取るマシンリールを駆動する第2の駆動部とを有するサーペンタイン再生方式磁気テープ装置において、
前記ファイルリールと前記マシンリールとの間を走行する前記磁気テープの前記パイロット信号を前記磁気ヘッドにより再生し、前記パイロット信号を第1の所定数pをカウントする第1のカウンタ回路と、
前記第1のカウンタ回路で計数した時間間隔を所定クロックZにて第2の所定数aを計数する第2のカウンタ回路と、
を有し、テープ速度Vを、式
Vn=d・p・Z/ρ/a
に基づいて導出するテープ速度検出手段を有する
ことを特徴とする磁気テープ装置。 - 前記ファイルリールが所定の角度を回転する毎に出力される第1のカウント信号を計数する第1のカウント手段と、
連続する少なくとも二つの前記第1のカウント信号に対応する時間間隔を計測する時間間隔計測手段と、
前記マシンリールが所定の角度を回転する毎に出力される第2のカウント信号を計数する第2のカウント手段と、
前記第2のカウント信号の計数値の所定時間内の変化分を検出して第2の変化分となし、前記第2の変化分に対応する前記第1のカウント手段により計数された前記第1のカウント信号の計数値の変化分を検出して第1の変化分となし、かつ前記第1および第2の変化分の比率を導出する比率算出手段とを有する
請求項1記載の磁気テープ装置。 - 磁気テープの走行方向に沿って、所定の記録密度ρを有する前記磁気テープの所定の走行距離d毎にパイロット信号が記録されているサーボトラックを備えた磁気テープの前記パイロット信号を再生する磁気ヘッドと、前記磁気テープを送出するファイルリールを駆動する第1の駆動部と、前記磁気テープを巻き取るマシンリールを駆動する第2の駆動部とを有するサーペンタイン再生方式磁気テープ装置の制御方法であって、
前記ファイルリールと前記マシンリールとの間を走行する磁気テープから前記パイロット信号を再生し、
再生した前記パイロット信号を第1の所定数pをカウントし、
前記第1の所定数pをカウントする時間間隔を所定クロックZにて第2の所定数aを計数し、
前記計数値を用いて、テープ速度Vを、式
Vn=d・p・Z/ρ/a
に基づいて磁気テープの走行速度を検出し、
さらに、検出された前記走行速度の所定の標準速度からのずれに対応して、磁気テープの巻き戻し制御、または前記磁気テープに記録された磁気テープの厚みを含む初期設定データの書き換え制御の少なくとも一つの制御を行う
ことを特徴とする磁気テープ装置の制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20396598A JP4130710B2 (ja) | 1998-07-17 | 1998-07-17 | 磁気テープ装置およびその制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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