JP4130177B2 - 高純度リボフラビン−5’−リン酸ナトリウム塩の製造方法 - Google Patents

高純度リボフラビン−5’−リン酸ナトリウム塩の製造方法 Download PDF

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Description

技術分野
本発明は、医薬、食品添加物、飼料、工業中間体などとして有用な高純度リボフラビン−5’−リン酸(5’−FMN)又はその薬理学的に許容される塩、特にリボフラビン5’−リン酸ナトリウム(5’−FMN−Na)の工業的に優れた新規製造方法に関する。
従来技術
リボフラビン、リボフラビン−5’−リン酸(5’−FMN)又はその薬理学的に許容される塩は、生体内の異なる酵素反応における補酵素として重要な役割を持ち、特にナトリウム塩(5’−FMN−Na)の形で医薬品、食品、および飼料添加物として使用されることが多い。また、特開平5−201864号公報には、リボフラビン、リボフラビン−5’−リン酸(5’−FMN)やその薬理学的に許容される塩(リボフラビン5’−リン酸ナトリウム(5’−FMN−Na)等)に代表されるリボフラビン誘導体による免疫賦活・感染防御治療剤が開示されている。さらに、特表平6−506212号公報には、マラリア疾患の予防と治療にリボフラビンが有効であることが開示されている。
従来、リボフラビンを用いてリボフラビン5’−リン酸(5’−FMN)又はその薬理学的に許容される塩、特に汎用されるリボフラビン−5’−リン酸ナトリウム(5’−FMN−Na)を製造する方法においては、高純度品を得ることが極めて難しく、不純物として、生体内では非活性型の異性体であるリボフラビン4’−リン酸ナトリウム(4’−FMN−Na)、リボフラビン−3’−リン酸ナトリウム(3’−FMN−Na)、リボフラビン−ジホスフェート、リボフラビンポリホスフェート、未反応リボフラビンを多く含有しがちであった。
リボフラビン5’−リン酸(5’−FMN)又はその薬理学的に許容される塩の製造法としては、通常、リボフラビンのホスホリル化法が用いられており、例えば、特開平48−54099号公報には、極性溶媒、三級アミン、オキシ塩化リン及び水の混合物にリボフラビンを添加して反応させ、さらに水を添加して過剰のオキシ塩化リンを分解し、そこで生成する塩酸により加水分解し、pH調製後に濃縮する方法、特開平11−49790号公報には、リボフラビンとオキシ塩化リンを反応させ、反応中間体であるリボフラビン・サイクリック4’−,5’−ホスホリデートまたはその塩を系外に取り出し、特に酸性条件下にて加水分解・異性化することにより製造する方法が開示されている。特に後者の製造法では5’−FMN−Na87〜90%の高含量が得られている。しかしながら、医薬品の純度としては、必ずしも十分なレベルとは言えない。したがって、さらに、精製工程を加えることが必要とされる。
ホスホリル化等により得られたリボフラビン−5’−リン酸(5’−FMN)又はその薬理学的に許容される塩、特に汎用されるリボフラビン−5’−リン酸ナトリウム(5’−FMN−Na)の精製法としては、例えば、特許第2856760号公報に、粗製5’−FMN又はその薬理学的に許容される塩の濃度1〜5重量%、pH4〜8の水溶液を調製して、高分子量吸着樹脂で処理し、得られた溶液から単離し、さらにRP(逆相)シリカゲル処理して水又は低級脂肪族アルコール含量0〜80%の水性混合物で溶離し、濃縮、結晶化させる方法が開示されている。しかしながら、この精製法で得られる5’−FMN又はその薬理学的に許容される塩、特に汎用されるリボフラビン5’−リン酸ナトリウム(5’−FMN−Na)の純度は未だ十分ではなく、不純物であるリボフラビン−4’−リン酸ナトリウム(4’−FMN−Na)、リボフラビン−3’−リン酸ナトリウム(3’−FMN−Na)、リボフラビン−ジホスフェートを十分には除去することができない。
したがって、リボフラビン−5’−リン酸(5’−FMN)又はその薬理学的に許容される塩、特に汎用されるリボフラビン−5’−リン酸ナトリウム(5’−FMN−Na)の高純度製造法が、非常に待ち望まれている。
特に、ホスホリル化法等により得られたリボフラビン−5’−リン酸(5’−FMN)又はその薬理学的に許容される塩を主成分とする混合物から、リボフラビン−4’−リン酸ナトリウム(4’−FMN−Na)、リボフラビン−3’−リン酸ナトリウム(3’−FMN−Na)、リボフラビン−ジホスフェート、リボフラビンポリホスフェート、リボフラビン、ルミフラビン、ルミクロム等の不純物を簡便な手段で除去できる製造法及び/又は精製法が求められている。
発明の開示
以上のような状況を鑑み、本発明者らは鋭意検討した結果、以下に示す構成により所期の目的を達成できることを見出し、本発明を完成した。
本発明は、リボフラビン−5’−リン酸(5’−FMN)又はその薬理学的に許容される塩の精製法において、1)粗製5’−FMN又はその薬理学的に許容される塩を、水又は緩衝液に溶解させて濃度1−15重量%のpH4−8の粗製5’−FMN又はその薬理学的に許容される塩の水溶液を調製し、2)得られた水溶液を機械的に攪拌しつつ、0−60℃の温度にて水に可溶な有機溶媒を、先に得られた水溶液に対して1−100重量%添加して5’−FMN又はその薬理学的に許容される塩を再結晶化させること、を特徴とする高純度5’−FMN又はその薬理学的に許容される塩の製造法である。1)の粗製5’−FMN又はその薬理学的に許容される塩を、水又は緩衝液に溶解させる際の溶液温度は、特に限定されないが必要に応じて加温してもよく、通常、10−100℃であり、望ましくは10−90℃であり、特に望ましくは30−80℃である。2)の水に可溶な有機溶媒の先に得られた水溶液に対する添加量は、通常、1−100重量%であり、好ましくは1−50重量%であり、さらに好ましくは20−40重量%である。また、その温度は、通常0−60℃であり、好ましくは5−55℃であり、さらに好ましくは40−50℃である。
また、本発明は、リボフラビン−5’−リン酸(5’−FMN)又はその薬理学的に許容される塩の精製法において、1)粗製5’−FMN又はその薬理学的に許容される塩を、水又は緩衝液に溶解させて濃度1−15重量%のpH4−8の粗製5’−FMN又はその薬理学的に許容される塩の水溶液を調製し、2)得られた水溶液を機械的に攪拌しつつ、0−60℃の温度にて水に可溶な有機溶媒を、先に得られた水溶液に対して1−100重量%添加して5’−FMN又はその薬理学的に許容される塩を再結晶化させ、3)再結晶化された5’−FMN又はその薬理学的に許容される塩を、水又は緩衝液に溶解させて濃度1−20重量%のpH4−9の水溶液とし、4)次に、カラムの床容積の少なくとも1−100%の液量になるようにして逆相カラムクロマトグラフィーで処理し、その後に水に可溶な有機溶媒又は含水有機溶媒を溶離剤として用いて精製された5’−FMN又はその薬理学的に許容される塩の溶離液を得ること、を特徴とする高純度5’−FMN又はその薬理学的に許容される塩の製造法である。
この1)〜4)の工程により得られた精製された5’−FMN又はその薬理学的に許容される塩の溶離液から、例えば、濃縮、蒸発乾固、結晶化の方法により、精製された5’−FMN又はその薬理学的に許容される塩を得ることができるが、精製された5’−FMN又はその薬理学的に許容される塩を10−60℃の温度で5’−FMNの濃度が5−20%になるまで濃縮し、濃縮液に水に可溶な有機溶媒を0−60℃で1−150重量%添加して5’−FMNを結晶化することが望ましい。濃縮方法は、例えば、減圧濃縮、逆浸透膜濃縮等が挙げられるが、特に限定されない。
1)及び2)の工程に関しては先に記載した通りである。4)の逆相カラムクロマトグラフィー処理に用いるカラム充填剤は、特に限定されないが、通常、ODS(C18,オクタデシルシラン)、C8(オクチルシラン)又はC4(ブチルシラン)であり、望ましくは、ODS(C18,オクタデシルシラン)又はC8(オクチルシラン)であり、特に望ましくはODS(C18,オクタデシルシラン)である。また、逆相カラムクロマトグラフィー処理された5’−FMN又はその薬理学的に許容される塩の溶離剤は、水に可溶な有機溶媒又は含水有機溶媒であれば特に限定されないが、通常、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の低級脂肪族アルコール、アセトニトリル、アセトン、テトラヒドロフラン(THF)、DMF、DMSO、又はその含水溶液、又はそれらの2種類以上の混合物、又はその含水溶液であり、特に望ましくは、アセトニトリル又はアセトニトリル水溶液である。逆相カラムクロマトグラフィー処理の溶離剤として用いる含水有機溶媒(有機溶媒水溶液)中の有機溶媒含量は、特に限定されないが、望ましくは、0.1〜50体積%であり、より望ましくは、1〜30体積%であり、特に望ましくは3〜20体積%である。
さらに、本発明は、リボフラビン5−5’−リン酸(5’−FMN)又はその薬理学的に許容される塩の精製法において、1)粗製5’−FMN又はその薬理学的に許容される塩を、水又は緩衝液に溶解させて濃度1−15重量%のpH4−8の粗製5’−FMN又はその薬理学的に許容される塩の水溶液を調製し、2)得られた水溶液を機械的に攪拌しつつ、0−60℃の温度にて水に可溶な有機溶媒を、先に得られた水溶液に対して1−100重量%添加して5’−FMN又はその薬理学的に許容される塩を再結晶化させ、3)再結晶化された5’−FMN又はその薬理学的に許容される塩を、水又は緩衝液に溶解させて濃度1−20重量%のpH4−9の水溶液とし、4)次に、5’−FMN又はその薬理学的に許容される塩に対して約1−100重量%の活性炭を水溶液に添加し、水溶液中の不純物を活性炭へ吸着後、活性炭を含有する媒質をろ過することにより、精製された5’−FMN又はその薬理学的に許容される塩の水溶液(ろ液)を得ること、を特徴とする高純度5’−FMN又はその薬理学的に許容される塩の製造法である。この1)〜4)の工程により得られた精製された5’−FMN又はその薬理学的に許容される塩の溶液から、例えば、濃縮、蒸発乾固、結晶化の方法により、精製された5’−FMN又はその薬理学的に許容される塩を得ることができる。即ち、1)〜4)の工程により得られた精製された5’−FMN又はその薬理学的に許容される塩の溶液において、通常、(1)溶液に水に可溶な有機溶媒を0−60℃で1−150重量%添加、又は、(2)溶液を、10−60℃の温度で5’−FMNの濃度が5−20%になるまで濃縮し濃縮液に水に可溶な有機溶媒を0−60℃で1−150重量%添加して、5’−FMNを結晶化することができるが、特に、(2)溶液を、10−60℃の温度で5’−FMNの濃度が5−20%になるまで濃縮し濃縮液に水に可溶な有機溶媒を0−60℃で1−150重量%添加して、5’−FMNを結晶化することが望ましい。濃縮方法は、例えば、減圧濃縮、逆浸透膜濃縮等が挙げられるが、特に限定されない。
1)〜3)の工程に関しては先に記載した通りである。
4)の活性炭処理においては、5’−FMN又はその薬理学的に許容される塩の水溶液中に溶解状態で存在する不純物が吸着される。水溶液への活性炭の添加量は、通常、5’−FMN又はその薬理学的に許容される塩に対して約1−100重量%であり、好ましくは5〜50重量%であり、より好ましくは15〜30重量%である。本発明に係る活性炭は、通常、水蒸気賦活法で製造される活性炭の場合、原料がピート、亜炭、石炭等であり、化学賦活法で製造される活性炭の場合、原料が木材等であるが、これらに限定される訳ではない。また、活性炭の内表面積は、特に限定されないが、好ましくは、500−1500m2/gである。活性炭の形状は、特に限定されないが、好ましくは粉末状又は粒状であり、さらに好ましくは粉末状である。活性炭末の粒径は、特に限定されず、好ましくは0.1〜150μmであり、特に0.1〜150μmの粉末状活性炭が好ましい。市販の活性炭としては、例えば、化学賦活法で製造される活性炭として、二村化学工業製の太閤Y(登録商標)、Norit製のCASP(登録商標)等が、水蒸気賦活法で製造される活性炭としては、武田薬品工業製の白鷺P(登録商標)等が挙げられるが、もちろん、これらに限定される訳ではない。
また、本発明は、リボフラビン−5’−リン酸(5’−FMN)又はその薬理学的に許容される塩の精製法において、1)粗製5’−FMN又はその薬理学的に許容される塩を、水又は緩衝液に溶解させて濃度1−15重量%のpH4−8の粗製5’−FMN又はその薬理学的に許容される塩の水溶液を調製し、 2)得られた水溶液を機械的に攪拌しつつ、0−60℃の温度にて水に可溶な有機溶媒を、先に得られた水溶液に対して1−100重量%添加して5’−FMN又はその薬理学的に許容される塩を再結晶化させ、 3)再結晶化された5’−FMN又はその薬理学的に許容される塩を、水又は緩衝液に溶解させて濃度1−20重量%のpH4−9の水溶液とし、 4)次に、5’−FMN又はその薬理学的に許容される塩に対して約1−100重量%の活性炭を水溶液に添加し、水溶液中の不純物を活性炭へ吸着後、活性炭を含有する媒質をろ過して、5’−FMN又はその薬理学的に許容される塩の水溶液を得て、 5)次に、水溶液に、5’−FMN又はその薬理学的に許容される塩に対して10−200重量%の高分子量吸着樹脂を添加し、水溶液中の不純物を高分子量吸着樹脂へ吸着後、高分子量吸着樹脂を含有する媒質をろ過することにより、精製された5’−FMN又はその薬理学的に許容される塩の溶液を得ること、を特徴とする高純度5’−FMN又はその薬理学的に許容される塩の製造法である。
この1)〜5)の工程により得られた精製された5’−FMN又はその薬理学的に許容される塩の溶液から、例えば、濃縮、蒸発乾固、結晶化の方法により、精製された5’−FMN又はその薬理学的に許容される塩を得ることができる。即ち、1)〜4)の工程により得られた精製された5’−FMN又はその薬理学的に許容される塩の溶液において、通常、(1)溶液に水に可溶な有機溶媒を0−60℃で1−150重量%添加、又は、(2)溶液を、10−60℃の温度で5’−FMNの濃度が5−20%になるまで濃縮し濃縮液に水に可溶な有機溶媒を0−60℃で1−150重量%添加して、5’−FMNを結晶化することができるが、特に、(2)溶液を、10−60℃の温度で5’−FMNの濃度が5−20%になるまで濃縮し濃縮液に水に可溶な有機溶媒を0−60℃で1−150重量%添加して、5’−FMNを結晶化することが望ましい。濃縮方法は、例えば、減圧濃縮、逆浸透膜濃縮等が挙げられるが、特に限定されない。
1)〜4)の工程に関しては先に記載した通りである。
5)の高分子量吸着樹脂処理においては、5’−FMN又はその薬理学的に許容される塩の水溶液中に溶解状態で存在する不純物が吸着される。水溶液への高分子量吸着樹脂の添加量は、通常、5’−FMN又はその薬理学的に許容される塩に対して10−200重量%であり、好ましくは50〜150重量%であり、より好ましくは80〜110重量%である。本発明に係る高分子量吸着樹脂は、特に限定されないが、例えば、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、メタクリル酸重合体等である。高分子量吸着樹脂の粒径は、特に限定されず、好ましくは3〜1000μmであり、より好ましくは50〜250μmである。市販の高分子量吸着としては、例えば、三菱化学製のDIAION SEPABEADS(登録商標)特にSP207、SP700、SP850、HP20、HP2MG等が挙げられる。
本発明において、リボフラビン−5’−リン酸(5’−FMN)の薬理学的に許容される塩とは、特に限定されず、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等無機塩、種々の有機塩が挙げμられるが、望ましくは、リボフラビン−5’−リン酸ナトリウム(5’−FMN−Na)である。
本発明において、1)で使用する粗製5’−FMN又はその薬理学的に許容される塩の製造法は限定されないが、特に、下記に示すリボフラビン(1)とオキシ塩化リンとの反応、又は、リボフラビン(1)とオキシ塩化リンを反応後水酸化ナトリウムとのナトリウム塩化反応において製造されるものであって、リボフラビン(1)とオキシ塩化リンを反応させて粗製5’−FMN(3)を製造する反応において、反応中間体であるリボフラビン・サイクリック−4’、5’−ホスホリデート(2)またはその塩を系外に取り出し、酸性条件下にて加水分解・異性化することにより製造される5’−FMN(3)又はその薬理学的に許容される塩、特に5’−FMN−Na(4)が望ましい。
Figure 0004130177
この粗製5’−FMN又はその薬理学的に許容される塩は、ピリジン及びオキシ塩化リンの存在下で反応中間体リボフラビン・サイクリック4’−,5’−ホスホリデート(2)を黄色結晶として単離し、洗浄後乾燥して酸性条件で加水分解・異性化を行なうことにより製造される。加水分解・異性化の条件は、特に限定されないが、1−35.5(w/v)%濃度の酸、望ましくは5−18%濃度の酸を出発原料であるリボフラビン(1)に対し1−10倍容量、望ましくは1−8倍容量、特に望ましくは2−4容量用いて、10〜100℃、望ましくは30〜80℃、特に望ましくは30〜60℃で攪拌反応により調製することが望ましい。酸の種類は、特に限定されないが、例えば塩酸、硝酸、硫酸等の鉱酸が挙げられ、望ましくは塩酸である。異性化の進行はHPLCにてチェックを行い5’−FMNの純度が90%を超えた時点を仮の終点とし、これを確認後、得られた懸濁反応液中に酸又はアルカリを添加し溶解後に、先に溶解した液性とは逆のアルカリ又は酸でpHを4−8、望ましくはpH5.5に調整する。この溶液を冷却後濾取し、アルコールで洗浄後乾燥して、5’−FMNの薬理学的に許容される塩、例えば5’−FMN−Naが得られるのである。
本発明においては、各種水溶液、反応液、反応工程、及びカラムクロマトグラフィーの溶離剤などに水を使用する。本発明において使用する水は特に限定されないが、望ましくは、蒸留水、イオン交換水及び/又は精製水である。
本発明における高純度5’−FMN又はその薬理学的に許容される塩の製造法の最大の特徴は、粗製5’−FMN又はその薬理学的に許容される塩の再結晶化による精製を行なうことである。
望ましくは、本発明における高純度5’−FMN又はその薬理学的に許容される塩の製造法の最大の特徴は、その少なくとも2段階の精製工程にある。即ち、リボフラビンのホスホリル化工程により得られた粗製5’−FMN又はその薬埋学的に許容される塩の再結晶化による精製を行なった後に、ODSカラム等の逆相カラムクロマトグラフィー処理によるカラム精製または活性炭処理による精製を行うのである。
本発明における高純度5’−FMN又はその薬理学的に許容される塩、特に5’―FMN−Naの製造法においては、再結晶化工程で、粗製5’−FMN−Na中の不純物のリボフラビン−4’−リン酸ナトリウム(4’−FMN−Na)、リボフラビン−3’−リン酸ナトリウム(3’−FMN−Na)、リボフラビン−ジホスフェート等を除去し、次の逆相クロマトグラフィーによるカラム処理工程または活性炭処理工程により、粗製5’−FMN−Na中の未反応のリボフラビン、ルミフラビン、ルミクロムを除去する。したがって、本発明に係る高純度5’−FMN又はその薬理学的に許容される塩の製造法を使用することにより5’−FMN又はその薬理学的に許容される塩中のほとんどの不純物を除去することが可能となるのである。
尚、従来、高純度5’−FMN又はその薬理学的に許容される塩の製造法として、例えば、特許第2856760号公報には、吸着クロマトグラフィーによるカラム処理と逆相クロマトグラフィーによるカラム処理の2段階の精製工程が知られているが、両工程において主に未反応リボフラビン、ルミフラビン、ルミクロムを除去するのみであり、リボフラビン−4’−リン酸ナトリウム(4’−FMN−Na)、リボフラビン−3’−リン酸ナトリウム(3’−FMN−Na)、リボフラビン−ジホスフェートは十分には除去できなかったのである。
本発明における高純度5’−FMN又はその薬理学的に許容される塩、特に5’−FMN−Naの製造法においては、再結晶化工程で、粗製5’−FMN−Na中の不純物のリボフラビン−4’−リン酸ナトリウム(4’−FMN−Na)、リボフラビン−3’−リン酸ナトリウム(3’−FMN−Na)、リボフラビン−ジホスフェート等を除去し、次に活性炭処理工程により、粗製5’−FMN−Na中の未反応のリボフラビン、ルミフラビン、ルミクロムを除去して高純度を確保した後、純度0.1%以下の微量不純物を更に除去する必要がある場合は、活性炭処理工程後に高分子量吸着樹脂で処理しても良い。
本発明においては、例えば、次の方法により、高純度5’−FMN又はその薬理学的に許容される塩を製造することができる。
(1)粗製5’−FMN−Naの製造
コルベン中にアセトニトリル500ml、ピリジン250g、オキシ塩化リン507gを入れ10℃にて攪拌する。次に、水33mlをアセトニトリル200mlに溶解した液を1時間かけて滴下してリン酸化試薬を調製し、リボフラビン180g(0.478mol)を徐々に添加し10℃にて12時間攪拌する。析出した黄色の中間体リボフラビン・サイクリック−4’,5’−ホスホリデートの結晶を濾過し、アセトニトリル500mlにて洗浄後、風乾し、これを6%塩酸600ml(10℃)中に添加し、40℃にて27時間攪拌する。反応液を10℃に冷却し、25%水酸化ナトリウム水溶液540mlを添加し生成物を完全に溶解後に、8℃に冷却しつつ濃塩酸45mlを滴下してpHを5.5に調製し、5’−FMN−Naの黄色結晶を析出させた。析出した結晶を濾過し、メタノール400mlにて洗浄後減圧乾燥して粗製5’−FMN−Na195gを得る。
(2)粗製5’−FMN−Naの再結晶化精製
(1)で得た粗製5’−FMN−Na50gを1000mlコルベンに入れ、水400mlに懸濁下攪拌し、50℃で加温攪拌することにより完全に溶解させる。この溶液にエタノール100mlを滴下し攪拌しつつ8℃に冷却し、5’−FMN−Naの黄色結晶を再結晶化により析出・濾過後、エタノール150mlで洗浄し減圧乾燥して38.35gの精製5’−FMN−Naを得る。
(3)ODSカラムクロマトグラフィー処理による5’−FMN−Naのカラム精製
(2)で得た精製5’−FMN−Na20gを水400mlに溶解して、濃度5重量%のpH5.5の5’−FMN−Na水溶液を調製する。この5’−FMN−Na水溶液をODSカラムにチャージした後、溶離剤として10%アセトニトリルを用いて展開し、溶離液を捕集する。
(4)精製5’−FMN−Naの単離
(3)で得た5’−FMN−Naを含有する10%アセトニトリル溶離液を、50℃の水浴上にて約150mlになるまで減圧濃縮し、濃縮液を攪拌しつつエタノール30mlを滴下し8℃に冷却して、黄色結晶を析出、濾過しエタノール30mlにて洗浄後減圧乾燥して高純度5’−FMN−Naを16.9g得る。この精製5’−FMN−Naは、98%以上の5’−FMN−Na含量を有し、不純物のリボフラビン−4’−リン酸ナトリウム(4’−FMN−Na)含有量は約1%であり、リボフラビン−3’−リン酸ナトリウム(3’−FMN−Na)、リボフラビン−ジホスフェート、リボフラビンは検出されない。
また、本発明においては、例えば、次の方法によっても、高純度5’−FMN又はその薬理学的に許容される塩を製造することができる。
(1)粗製5’−FMN−Naの製造、及び(2)粗製5’−FMN−Naの再結晶化精製の工程は、上記のとおりである。
(3)活性炭処理による5’−FMN−Naの精製
精製5’−FMN−Na5gを水30mlに溶解して、1N−NaOH水5.6mlを加え、濃度12重量%のpH7.9の5’−FMN−Na水溶液を調製する。この5’−FMN−Na水溶液に活性炭(二村化学製の太閤Y)0.75g(5’−FMN−Naに対して15重量%)を添加し、30℃で1時間懸濁後、活性炭をろ別する。ろ別した活性炭を水25mlで洗浄し、その洗浄水は先に得られたろ液と合わせる。
(4)精製5’−FMN−Naの単離
(3)で得た5’−FMN−Naを含有する水溶液に、1N−HCl水4.3mlを加え、pH6.0にして、攪拌しつつエタノール60mlを滴下し8℃に冷却して、黄色結晶を析出、濾過しエタノール10mlにて洗浄後減圧乾燥して高純度5’−FMN−Naを3.66g得る。この精製5’−FMN−Naは、97%以上の5’−FMN−Na含量を有し、不純物のリボフラビン−4’−リン酸ナトリウム(4’−FMN−Na)含有量は約2%であり、リボフラビン−3’−リン酸ナトリウム(3’−FMN−Na)は約0.2%、リボフラビン−ジホスフェート0.1%以下、リボフラビンは約0.2%である。
さらに、本発明においては、例えば、次の方法によっても、高純度5’−FMN又はその薬理学的に許容される塩を製造することができる。
(1)粗製5’−FMN−Naの製造、及び(2)粗製5’−FMN−Naの再結晶化精製の工程は、上記のとおりである。
(3)活性炭処理による5’−FMN−Naの精製
精製5’−FMN−Na5gを水50mlに溶解して、濃度9重量%のpH6の5’−FMN−Na水溶液を調製する。この5’−FMN−Na水溶液に活性炭(Norit製CASP)0.6g(5’−FMN−Naに対して12重量%)を添加し、50℃で1時間懸濁後、活性炭をろ別する。ろ別した活性炭を水10mlで洗浄し、その洗浄水は先に得られたろ液と合わせる。
(4)高分子量吸着樹脂による5’−FMN−Naの精製
(3)で得た5’−FMN−Naを含有する水溶液に、高分子量吸着樹脂(三菱化学製のSP700)5gを加え、30℃で1時間懸濁後、高分子量吸着樹脂をろ別する。ろ別した高分子量吸着樹脂を水15mlで洗浄し、その水は先に得られたろ液と合わせる。
(5)精製5’−FMN−Naの単離
得られたろ液に攪拌しつつエタノール75mlを滴下し8℃に冷却して、黄色結晶を析出、濾過しエタノール10mlにて洗浄後減圧乾燥して高純度5’−FMN−Naを3.23g得る。この精製5’−FMN−Naは、97%以上の5’−FMN−Na含量を有し、不純物のリボフラビン−4’−リン酸ナトリウム(4’−FMN−Na)含有量は約2%であり、リボフラビン−3’−リン酸ナトリウム(3’−FMN−Na)は約0.3%、リボフラビン−ジホスフェート0.1%以下、リボフラビンは約0.1%である。
本発明によるとリボフラビン5’−リン酸(5’−FMN)又はその薬理学的に許容される塩、特に汎用されるリボフラビン−5’−リン酸ナトリウム(5’−FMN−Na)の高純度製造法の提供が可能である。即ち、粗製リボフラビン5’−リン酸ナトリウム(5’−FMN−Na)から、リボフラビン−4’−リン酸ナトリウム(4’−FMN−Na)、リボフラビン−3’−リン酸ナトリウム(3’−FMN−Na)、リボフラビン−ジホスフェート、リボフラビンポリホスフェート、リボフラビン、ルミフラビン、ルミクロム等の不純物を簡便な手段でほとんど除去することが可能である。その効果例を以下に示す。
実験例
(1)本発明における精製法(再結晶化精製及び逆相カラムクロマトグラフィーによるカラム精製)の5’−FMN−Naの純度に及ぼす効果
下記に示す組成の粗製5’−FMN−Naを用いて、(1)再結晶化精製を行い、次に、(2)逆相カラムクロマトグラフィー処理によるカラム精製を行ない、さらに引き続いて(3)精製5’−FMN−Naの単離を行なった。
使用した粗製5’−FMN−Naの粗成
Figure 0004130177
即ち、最初に、上記の粗製5’−FMN−Na50gを水400mlに懸濁下攪拌しつつ、50℃で加温攪拌して完全に溶解させ、この溶液にエタノール100mlを徐々に滴下し8℃で冷却攪拌して5’−FMN−Naの黄色結晶が析出させた。析出した結晶を濾過後、エタノール150mlで洗浄し減圧乾燥して5’−FMN−Na38.5gを得た((1)再結晶化精製)。この再結晶化精製した5’−FMN−Naの純度を下記に示す条件でHPLCによる評価を行なった。その結果を表1に示した。
HPLC分析条件
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:254nm)
カラム:Nucleosil−5C18、4.6mmx250mm
カラム温度:40℃
移動相:2%リン酸二水素カリウム水溶液:メタノール:アセトニトリル=4 0:9:1
流量:1.0ml/min
注入量:5ul
次に、上記で得た再結晶化された精製5’−FMN−Na5gを水100mlに溶解し濃度5重量%のpH5.5に調整した水溶液(原液)を、ポンプによりYMC社製のODSカラム(YMC−AQ−C18、内径20mm×長さ50mm)にチヤージした後に、溶離剤として5%アセトニトリル水溶液(v/v)で展開し、溶離液はuv254nmで検出しフラクションごとに4画分に分割し、画分中の5’−FMN−Na((2)逆相カラムクロマトグラフィー処理によるカラム精製)の純度をHPLCで評価した。この評価結果を表2に示した。
さらに、次に、ODSカラムクロマトグラフィー処理をしたNo.2〜4画分を合わせ、50℃の水浴上にて約50mlになるまで減圧濃縮し、これにエタノール10mlを滴下し8℃に冷却攪拌して、5’−FMN−Naの結晶を析出させ、濾過後エタノール10mlにて洗浄し減圧乾燥して精製5’−FMN−Na4.0gを得た((3)精製5’−FMN−Naの単離)。この濃縮・結晶化精製した5’−FMN−Naの純度をHPLCで評価し、その結果を表3に示した。
Figure 0004130177
Figure 0004130177
Figure 0004130177
また、比較対照実験として、特許第2856760号公報に準じた方法により5’−FMN−Naの精製を行なった。即ち、「再結晶化精製」の代わりに(1)’高分子量吸着樹脂を充填した吸着カラムクロマトグラフィー処理によるカラム精製を行ない、次に、(2)逆相カラムクロマトグラフィー処理によるカラム精製を行ない、さらに引き続いて(3)精製5’−FMN−Naの単離を行なった。
即ち、最初に、先述した組成の粗製5’−FMN−Na5gを水100mlに溶解し濃度5重量%のpH5.5に調整した水溶液をポンプにより三菱化学製の吸着剤樹脂SP−850が充填された吸着カラム(内径20mmX長さ500mm)にチヤージした後に、溶離剤として10%メタノール水溶液(V/V)で展開した。溶離液はUV吸収254nmで検出し溶離液中の5’−FMN−Na((1)’高分子量吸着樹脂を充填した吸着カラムクロマトグラフィー処理によるカラム精製)の純度をHPLCで同様に評価し、その結果を表4に示した。
次に、上記の吸着カラム精製された精製5’−FMN−Na5gを水100mlに溶解し濃度5重量%のpH5.5に調整した水溶液を、ポンプによりYMC社製のODSカラム(YMC−AQ−C18、内径20mmX長さ500mm)にチャージした後に、溶離剤として10%エタノール水溶液(v/v)で展開し、溶離液はUV254nmで検出しフラクションごとに4画分に分割し、画分中の5’−FMN−Na((2)逆相カラムクロマトグラフィー処理によるカラム精製)の純度をHPLCで評価した。この評価結果を表5に示した。
さらに、次に、ODSカラムクロマトグラフィー処理をしたNo.2〜4画分を合わせ、50℃で蒸発濃縮し、20℃に冷却して5’−FMN−Naの結晶を析出させ、濾過後エタノール10mlにて洗浄し減圧乾燥して精製5’−FMN−Naを得た((3)精製5’−FMN−Naの単離)。この濃縮・単離した5’−FMN−Naの純度をHPLCで評価し、その結果を表6に示した。
Figure 0004130177
Figure 0004130177
Figure 0004130177
本発明に係る5’−FMN−Naの製造・精製法及び比較対照実験の対比の結果、本発明に係る5’−FMN−Naの製造・精製法では、(1)再結晶化精製工程により、4’−FMN−Na、3’−FMN−Na及びリボフラビン・ジホスフェートがかなり除去され、(2)逆相カラム精製(溶離剤:5%アセトニトリル水溶液)によりリボフラビン及びリボフラビン・ジホスフェートが除去され、(3)結晶化による精製5’−FMN−Naの単離により、さらに4’−FMN−Na、3’−FMN−Naが除去され、最終の精製5’−FMN−Naの純度は97%強の高純度であった。一方、比較対照実験(特許第2856760号公報に準じた精製方法)に係る5’−FMN−Naの製造・精製法では、(1)’高分子量吸着樹脂を充填した吸着カラム精製によりリボフラビンがかなり除去され、(2)逆相カラム精製(溶離剤:10%メタノール水溶液)によりさらにリボフラビンが除去されたが、(3)精製5’−FMN−Naの単離では不純物量の変化は認められず、また、(1)〜(3)のいずれの精製工程においても、4’−FMN−Na、3’−FMN−Na、リボフラビン・ジホスフェートはほとんど除去されず、最終の精製5’−FMN−Naの純度は90%強と低かった。また、逆相カラム精製では、溶離剤の種類が、リボフラビンの除去効率に影響を及ぼし、本発明に係るアセトニトリルの5〜10%水溶液ではリボフラビンを完全に除去できたが、10%メタノール水溶液ではリボフラビンのわずかな残存が認められた。尚、光分解物のルミフラビン、ルミクロムは、本発明及び比較対照実験のいずれにおいても検出されずほぼ完全に除去されていた。
本発明に係る5’−FMN−Naの製造・精製法(粗製5’−FMN−Naを用いて、(1)再結晶化精製を行い、次に、(2)逆相カラムクロマトグラフィー処理によるカラム精製を行ない、さらに引き続いて(3)精製5’−FMN−Naの単離を行なう)は、従来法と比較して、主要な不純物(4’−FMN−Na、3’−FMN−Na、リボフラビン・ジホスフェート、リボフラビン)の除去効果が大きく、際立って優れた高純度5’−FMN−Naの製造法であることは明らかである。
(2)逆相カラムクロマトグラフィー処理によるカラム精製における溶離剤の種類の5’−FMN−Naの純度に及ぼす効果
逆相カラムクロマトグラフィー処理によるカラム精製において、溶離剤の種類の5’−FMN−Naの純度に及ぼす効果を評価するために、実施例13(カラム:Wakosil−40−18、溶離剤:10%アセトニトリル水溶液)の対照実験として、実施例13の溶離剤のみを10%エタノールに代えた実験を行い、溶離液はUV254nmで検出しフラクションごとに5画分に分割し、画分中の5’−FMN−Naの純度をHPLCで評価した。この評価結果を表7に示した。
次に、ODSカラムクロマトグラフィー処理をしたNo.2〜5画分を合わせ、50℃の水浴上にて約150mlになるまで減圧濃縮し、濃縮液を攪拌しつつエタノール30mlを滴下し8℃に冷却して、黄色結晶を析出させた。この結晶を濾過しエタノール30mlにて洗浄後減圧乾燥して高純度5’−FMN−Na16.4g(回収率82.0%)を得て、この濃縮・精製した5’−FMN−Naの純度をHPLCで評価し、その結果を表8に示した。また、旋光度は+41.8℃であった。
Figure 0004130177
Figure 0004130177
尚、また、旋光度は+41.8℃であった。
同様に、実施例16(カラム:YMC−AQ−C18、溶離剤:5%アセトニトリル水溶液)の対照実験として、実施例16の溶離剤のみを10%エタノールに代えた実験を行い、溶離液はUV254nmで検出しフラクションごとに6画分に分割し、画分中の5’−FMN−Naの純度をHPLCで評価した。この評価結果を表9に示した。
次に、ODSカラムクロマトグラフィー処理をしたNo.2〜6画分を合わせ、50℃の水浴上にて約50mlになるまで減圧濃縮し、濃縮液を攪拌しつつエタノール10mlを滴下し8℃に冷却して、黄色結晶を析出させた。この結晶を濾過しエタノール10mlにて洗浄後減圧乾燥して高純度5’−FMN−Na4.1g(回収率82.0%)を得た後に、この濃縮・精製した5’−FMN−Naの純度をHPLCで評価し、その結果を表10に示した。また、旋光度は+41.9度であった。
Figure 0004130177
Figure 0004130177
本発明に係る実施例13及び16の5’−FMN−Naの製造・精製法及び対照実験の対比の結果、本発明に係る5’−FMN−Naの製造・精製法では、逆相カラム精製の溶離剤としてアセトニトリル水溶液の使用によりリボフラビンが完全に除去され5’−FMN−Naの純度も高かった。一方、逆相カラム精製の溶離剤としてエタノール水溶液を使用した対照実験では、不純物としてリボフラビンの残留が認められた。また、不純物除去に必要な溶離剤の量は、本発明(溶離剤:アセトニトリル水溶液)では、対照実験(溶離剤:エタノール水溶液)の1/2量で十分であった。
本発明に係る5’−FMN−Naの製造・精製法において、逆相カラムクロマトグラフィー処理によるカラム精製に使用する溶離剤は、アセトニトリル水溶液がエタノール水溶液よりも優れた効果を有することは明らかである。
(3)本発明に係る精製法(再結晶化精製及び活性炭処理による精製)の5’−FMN−Naの純度に及ぼす効果
下記に示す組成の粗製5’−FMN−Naを用いて、(1)再結晶化精製を行い、次に、(2)活性炭処理による精製を行ない、さらに引き続いて(3)精製5’−FMN−Naの単離を行なった。
使用した粗製5’−FMN−Naの粗成
Figure 0004130177
即ち、最初に、上記の粗製5’−FMN−Na5.5gを水55mlに懸濁下攪拌しつつ、50℃で加温攪拌して完全に溶解させ、この溶液にエタノール28mlを徐々に滴下し1℃で冷却攪拌して5’−FMN−Naの黄色結晶が析出させた。析出した結晶を濾過後、エタノール10mlで洗浄し減圧乾燥して5’−FMN−Na4.8gを得た((1)再結晶化精製)。この再結晶化精製した5’−FMN−Naの純度のHPLCによる評価結果を表Aに示した。
次に、上記で得た再結晶化された精製5’−FMN−Na4gを水56mlに溶解して、1N−NaOH水4.7mlを加え、濃度6重量%のpH7.8の5’−FMN−Na水溶液を調製した。この5’−FMN−Na水溶液に活性炭(二村化学製の太閤Y)3.2g(5’−FMN−Naに対して80重量%)を添加し、50℃で2時間懸濁後、活性炭をろ別した。ろ別した活性炭を水15mlで洗浄し、その洗浄水は先に得られたろ液と合わせた((2)活性炭処理による精製)。
さらに、この活性炭処理された精製5’−FMN−Naを含有する水溶液に、1N−HCl水2.5mlを加え、pH6.0にして、攪拌しつつエタノール40mlを滴下し4℃に冷却して、黄色結晶を析出、濾過しエタノール10mlにて洗浄後減圧乾燥して高純度5’−FMN−Naを1.98g得た((3)精製5’−FMN−Naの単離)。この結晶化精製した5’−FMN−Naの純度をHPLCで評価し、その結果を表Bに示した。
Figure 0004130177
Figure 0004130177
Figure 0004130177
また、比較対照実験として、先に示した[(1)本発明における精製法(再結晶化精製及び逆相カラムクロマトグラフィーによるカラム精製)の5’−FMN−Naの純度に及ぼす効果]の評価の際に用いた[特許第2856760号公報に準じた方法による5’−FMN−Naの精製]を行なった。即ち、「再結晶化精製及び活性炭処理による精製」の代わりに(1)’高分子量吸着樹脂を充填した吸着カラムクロマトグラフィー処理によるカラム精製を行ない、次に、(2)逆相カラムクロマトグラフィー処理によるカラム精製を行ない、さらに引き続いて(3)精製5’−FMN−Naの単離を行なった。
本発明に係る5’−FMN−Naの製造・精製法及び比較対照実験の対比の結果、本発明に係る5’−FMN−Naの製造・精製法では、(1)再結晶化精製工程により、4’−FMN−Na、3’−FMN−Na及びリボフラビン・ジホスフェートがかなり除去され、(2)活性炭処理及びそれに続く精製5’−FMN−Naの単離によりリボフラビンが主に除去され、さらに4’−FMN−Na、3’−FMN−Naが除去され、最終の精製5’−FMN−Naの純度は93%強の高純度であった。一方、比較対照実験(特許第2856760号公報に準じた精製方法)に係る5’−FMN−Naの製造・精製法では、(1)’高分子量吸着樹脂を充填した吸着カラム精製によりリボフラビンがかなり除去され、(2)逆相カラム精製(溶離剤:10%メタノール水溶液)によりさらにリボフラビンが除去されたが、(3)精製5’−FMN−Naの単離では不純物量の変化は認められず、また、(1)〜(3)のいずれの精製工程においても、4’−FMN−Na、3’−FMN−Na、リボフラビン・ジホスフェートはほとんど除去されず、最終の精製5’−FMN−Naの純度は90%強と低かった。尚、光分解物のルミフラビン、ルミクロムは、本発明及び比較対照実験のいずれにおいても検出されずほぼ完全に除去されていた。
本発明に係る5’−FMN−Naの製造・精製法(粗製5’−FMN−Naを用いて、(1)再結晶化精製を行い、次に、(2)活性炭処理による精製、さらに引き続いた(3)精製5’−FMN−Naの単離)は、従来法と比較して、主要な不純物(リボフラビン、4’−FMN−Na、3’−FMN−Na、リボフラビン・ジホスフェート)の除去効果が大きく、優れた高純度5’−FMN−Naの製造法であることは明らかである。
実施例
次に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定される訳ではない。
実施例1 粗製リボフラビン−5’−リン酸ナトリウム(5’−FMN−Na)の再結晶化精製法
1)粗製5’−FMN及び粗製5’−FMN−Naの製造
攪拌機、塩化カルシウム管、温度計、バッフルを付けた2L4頚コルベン中にアセトニトリル500ml、ピリジン250g(3.14mol)、オキシ塩化リン507g(3.3mol)を入れ10℃にて攪拌した。次に、水33mlをアセトニトリル200mlに溶解した液を1時間かけて滴下してリン酸化試薬を調製し、リボフラビン180g(0.478mol)を徐々に添加し10℃にて12時間攪拌した。析出した黄色の中間体リボフラビン・サイクリック−4’,5’−ホスホリデートの結晶を濾過し、アセトニトリル500mlにて洗浄後、風乾した(収量360g)。
ついで2L4頚コルベンに6%塩酸(水)600mlを入れ、10℃で攪拌しつつ上記に得た中間体360gを添加し、40℃にて27時間攪拌した。HPLCにて原料中間体の消失を確認後、反応液を10℃に冷却し、25%水酸化ナトリウム(水)溶液540mlを1時間かけて滴下し生成物を完全に溶解させた(pH=9.26)。
この反応液を8℃に冷却しつつ濃塩酸45mlを滴下してpHを5.5に調製し、5’−FMN−Naの黄色結晶を析出させた。析出した結晶を濾過し、メタノール400mlにて洗浄後減圧乾燥して5’−FMN−Na195gを得た(収率85.3%)。
HPLC評価の結果、この生成物は以下の組成であった。
Figure 0004130177
2)粗製5’−FMN−Naの再結晶化精製
1)で得た5’−FMN−Na50g(0.1045mol)を1000mlコルベンに入れ水400mlに懸濁下攪拌し、50℃で加温攪拌することにより完全に溶解させた。この溶液にエタノール100mlを滴下し攪拌しつつ8℃に冷却し、5’−FMN−Naの黄色結晶が析出させた。
析出した結晶を濾過後、エタノール150mlで洗浄し減圧乾燥して38.35gの精製5’−FMN−Naを得た(回収率76.7%)。
HPLC評価の結果、この精製5’−FMN−Naは以下の組成であった。また、旋光度は+41.5度であった。
Figure 0004130177
実施例2−12. 粗製5’−FMN−Naの再結晶化精製法
実施例1と同様に、実施例1の1)により得られた粗製5’−FMN−Na5g(0.0104mol)を100mlコルベンに入れ水40mlに懸濁下攪拌し、50℃で加温攪拌することにより完全に溶解させた。この溶液に水に可溶な溶媒を滴下し攪拌しつつ8℃に冷却し、5’−FMN−Naの黄色結晶を得た。析出した結晶を濾過後、エタノール15mlで洗浄し減圧乾燥して精製5’−FMN−Naを得た(回収率76.7%)。
HPLC評価により得られた各々の精製5’−FMN−Naの組成及び再結晶化精製法による回収率を、表11に示した。
Figure 0004130177
実施例2−12においてリボフラビン−ジホスフェートの含有量は0.21−0.23%であった。
実施例13. 再結晶化品5’−FMN−NaのODSカラムクロマトグラフィー処理による高純度5’−FMN−Naの製造法
実施例1の2)で得られた再結晶化された精製5’−FMN−Na20gを水400mlに溶解し、濃度5重量%のpH5.5の5’−FMN−Na水溶液(原液)を調製した。和光純薬社製のODSカラムWakosil−40−C18(内径50mmx長さ500mm)を10%アセトニトリル水溶液であらかじめ置換しておき、上記の原液をポンプでODSカラムにチャージした後、溶離剤として10%アセトニトリルを用いて展開し、溶離液をフラクションごとに4画分に分割した。
HPLC評価により得られた各々の画分の精製5’−FMN−Naの組成を、表12に示した。
Figure 0004130177
ODSカラムクロマトグラフィー処理をしたNo.2〜4画分を合わせ、50℃の水浴上にて約150mlになるまで減圧濃縮し、濃縮液を攪拌しつつエタノール30mlを滴下し8℃に冷却して、黄色結晶を析出させた。この結晶を濾過しエタノール30mlにて洗浄後減圧乾燥して高純度5’−FMN−Naを16.9g得た(回収率84.5%)。HPLC評価の結果、この精製5’−FMN−Naは以下の組成であった。また、旋光度は+42.2度であった。
Figure 0004130177
実施例14−15. 再結晶化品5’−FMN−NaのODSカラムクロマトグラフィー処理による高純度5’−FMN−Naの製造法
ODSカラムにチャージ後に展開に用いる溶離剤の種類だけを変え、それ以外は実施例13と同様の方法で高純度5’−FMN−Naを製造した。
即ち、実施例1の2)で得られた再結晶化された精製5’−FMN−Na20gを水400mlに溶解し、濃度5重量%のpH5.5の5’−FMN−Na水溶液(原液)を調製した。和光純薬社製のODSカラムWakosil−40−C18(内径50mmx長さ500mm)を用いて、上記の原液をポンプでODSカラムにチャージした後、溶離剤として10%アセトン水溶液(実施例14)又は10%THF水溶液(実施例15)を用いて展開し、溶離液の画分を捕集した。
HPLC評価により得られた各々の捕集画分の精製5’−FMN−Naの組成を、表13に示した。
Figure 0004130177
次に、ODSカラムクロマトグラフィー処理をし捕集した各々の溶離液の画分を、50℃の水浴上にて約150mlになるまで減圧濃縮し、濃縮液を攪拌しつつエタノール30mlを滴下し8℃に冷却して、黄色結晶を析出させた。この結晶を濾過しエタノール30mlにて洗浄後減圧乾燥して高純度5’−FMN−Naを得た。
HPLC評価の結果、この精製5’−FMN−Naは以下の表14に示す組成であった。
Figure 0004130177
実施例16. 高純度5’−FMN−Naの製造法
実施例1の2)で得られた再結晶化された精製5’−FMN−Na5gを水100mlに溶解し、濃度5重量%のpH5.5の5’−FMN−Na水溶液(原液)を調製した。YMC社製のODSカラムYMC−AQ−C18(内径20mmX長さ500mm)を5%アセトニトリル水溶液であらかじめ置換しておき、上記の原液をポンプでODSカラムにチャージした後、溶離剤として5%アセトニトリルを用いて展開し、溶離液をフラクションごとに4画分に分割した。
HPLC評価により得られた各々の画分の精製5’−FMN−Naの組成を、表15に示した。
Figure 0004130177
Figure 0004130177
ODSカラムクロマトグラフィー処理をしたNo.2〜4画分を合わせ、50℃の水浴上にて約50mlになるまで減圧濃縮し、エタノール10mlを滴下して8℃に冷却攪拌して、高純度5’−FMNの結晶を析出させ、濾過後エタノール10mlにて洗浄し減圧乾燥して高純度5’−FMN−Na4.2gを得た(回収率84.0%)。
HPLC評価の結果、この精製5’−FMN−Naは以下の組成であった。また、旋光度は+42.1度であった。
Figure 0004130177
実施例17. 再結晶化品5’−FMN−Naの活性炭処理による高純度5’−FMN−Naの製造法
下記に示す組成の再結晶化精製品5’−FMN−Naを用いて、活性炭処理を行ない、さらに引き続いて精製5’−FMN−Naの単離を行なった。
使用した粗製5’−FMN−Naの粗成
Figure 0004130177
Figure 0004130177
(1)活性炭処理による5’−FMN−Naの精製
上記組成の再結晶化精製品5’−FMN−Na5gを水30mlに溶解して、1N−NaOH水5.6mlを加え、濃度12重量%のpH7.9の5’−FMN−Na水溶液を調製した。この5’−FMN−Na水溶液に活性炭(二村化学製の太閤Y)0.75g(5’−FMN−Naに対して15重量%)を添加し、30℃で1時間懸濁後、活性炭をろ別した。ろ別した活性炭を水25mlで洗浄し、その洗浄水を先に得られたろ液と合わせ、活性炭処理による精製5’−FMN−Naを含有する水溶液を得た。
(2)精製5’−FMN−Naの単離
(1)で得た5’−FMN−Naを含有する水溶液に、1N−HCl水4.3mlを加え、pH6.0にして、攪拌しつつエタノール60mlを滴下し8℃に冷却して、黄色結晶を析出、濾過し、エタノール10mlにて洗浄後減圧乾燥して高純度5’−FMN−Naを3.66g得た。HPLC評価の結果、この精製5’−FMN−Naは以下の組成であった。
精製後の5’−FMN−Naの粗成
Figure 0004130177
実施例18. 再結晶化品5’−FMN−Naの活性炭処理と高分子量吸着樹脂による高純度5’−FMN−Naの製造法
実施例17で用いた再結晶化精製品5’−FMN−Naを用いて、活性炭処理を行ない、引き続いて高分子量吸着樹脂による精製を行い、さらに引き続いて精製5’−FMN−Naの単離を行なった。
(1)活性炭処理と高分子量吸着樹脂による5’−FMN−Naの精製
精製5’−FMN−Na5gを水50mlに溶解して、濃度9重量%のpH6の5’−FMN−Na水溶液を調製した。この5’−FMN−Na水溶液に活性炭(Norit製CASP)0.6g(5’−FMN−Naに対して12重量%)を添加し、50℃で1時間懸濁後、活性炭をろ別した。ろ別した活性炭を水10mlで洗浄し、その洗浄水は先に得られたろ液と合わせて、活性炭処理による精製5’−FMN−Naを含有する水溶液を得た。この活性炭処理による精製5’−FMN−Naを含有する水溶液に、高分子量吸着樹脂(三菱化学製のSP700)5gを加え、30℃で1時間懸濁後、高分子量吸着樹脂をろした。ろ別した高分子量吸着樹脂を水15mlで洗浄し、その水は先に得られたろ液と合わせて、高分子量吸着樹脂処理による精製5’−FMN−Naを含有する水溶液を得た。
(2)精製5’−FMN−Naの単離
(1)で得た高分子量吸着樹脂処理による精製5’−FMN−Naを含有する水溶液を攪拌しつつエタノール75mlを滴下し、8℃に冷却して、黄色結晶を析出、濾過しエタノール10mlにて洗浄後、減圧乾燥して高純度の精製5’−FMN−Naを3.23g得た。HPLC評価の結果、この精製5’−FMN−Naは以下の組成であった。
精製5’−FMN−Naの単離
Figure 0004130177

Claims (15)

  1. リボフラビン−5’−リン酸(5’−FMN)又はその薬理学的に許容される塩の精製法において、 1)粗製5’−FMN又はその薬理学的に許容される塩を、水又は緩衝液に溶解させて濃度1−15重量%のpH4−8の粗製5’−FMN又はその薬理学的に許容される塩の水溶液を調製し、 2)得られた水溶液を機械的に攪拌しつつ、0−60℃の温度にて水に可溶な有機溶媒を、先に得られた水溶液に対して1−100重量%添加して5’−FMN又はその薬理学的に許容される塩を再結晶化させること、を特徴とする高純度5’−FMN又はその薬理学的に許容される塩の製造法。
  2. リボフラビン−5’−リン酸(5’−FMN)又はその薬理学的に許容される塩の精製法において、 1)粗製5’−FMN又はその薬理学的に許容される塩を、水又は緩衝液に溶解させて濃度1−15重量%のpH4−8の粗製5’−FMN又はその薬理学的に許容される塩の水溶液を調製し、 2)得られた水溶液を機械的に攪拌しつつ、0−60℃の温度にて水に可溶な有機溶媒を、先に得られた水溶液に対して1−100重量%添加して5’−FMN又はその薬理学的に許容される塩を再結晶化させ、 3)再結晶化された5’−FMN又はその薬理学的に許容される塩を、水又は緩衝液に溶解させて濃度1−20重量%のpH4−9の水溶液とし、 4)次に、カラムの床容積の少なくとも1−100%の液量になるようにして逆相カラムクロマトグラフィーで処理し、その後に水に可溶な有機溶媒又は含水有機溶媒を溶離剤として用いて、精製された5’−FMN又はその薬理学的に許容される塩の溶液を得ること、を特徴とする高純度5’−FMN又はその薬理学的に許容される塩の製造法。
  3. リボフラビン−5’−リン酸(5’−FMN)又はその薬理学的に許容される塩の精製法において、 1)粗製5’−FMN又はその薬理学的に許容される塩を、水又は緩衝液に溶解させて濃度1−15重量%のpH4−8の粗製5’−FMN又はその薬理学的に許容される塩の水溶液を調製し、 2)得られた水溶液を機械的に攪拌しつつ、0−60℃の温度にて水に可溶な有機溶媒を、先に得られた水溶液に対して1−100重量%添加して5’−FMN又はその薬理学的に許容される塩を再結晶化させ、 3)再結晶化された5’−FMN又はその薬理学的に許容される塩を、水又は緩衝液に溶解させて濃度1−20重量%のpH4−9の水溶液とし、 4)次に、5’−FMN又はその薬理学的に許容される塩に対して約1−100重量%の活性炭を水溶液に添加し、水溶液中の不純物を活性炭へ吸着後、活性炭を含有する媒質をろ過することにより、精製された5’−FMN又はその薬理学的に許容される塩の水溶液を得ること、を特徴とする高純度5’−FMN又はその薬理学的に許容される塩の製造法。
  4. リボフラビン−5’−リン酸(5’−FMN)又はその薬理学的に許容される塩の精製法において、 1)粗製5’−FMN又はその薬理学的に許容される塩を、水又は緩衝液に溶解させて濃度1−15重量%のpH4−8の粗製5’−FMN又はその薬理学的に許容される塩の水溶液を調製し、 2)得られた水溶液を機械的に攪拌しつつ、0−60℃の温度にて水に可溶な有機溶媒を、先に得られた水溶液に対して1−100重量%添加して5’−FMN又はその薬理学的に許容される塩を再結晶化させ、 3)再結晶化された5’−FMN又はその薬理学的に許容される塩を、水又は緩衝液に溶解させて濃度1−20重量%のpH4−9の水溶液とし、 4)次に、5’−FMN又はその薬理学的に許容される塩に対して約1−100重量%の活性炭を水溶液に添加し、水溶液中の不純物を活性炭へ吸着後、活性炭を含有する媒質をろ過して、5’−FMN又はその薬理学的に許容される塩の水溶液を得て、 5)次に、水溶液に、5’−FMN又はその薬理学的に許容される塩に対して10−200重量%の高分子量吸着樹脂を添加し、水溶液中の不純物を高分子量吸着樹脂へ吸着後、高分子量吸着樹脂を含有する媒質をろ過することにより、精製された5’−FMN又はその薬理学的に許容される塩の溶液を得ること、を特徴とする高純度5’−FMN又はその薬理学的に許容される塩の製造法。
  5. 請求項2の1)〜4)の工程により得られた精製された5’−FMN又はその薬理学的に許容される塩の溶液を、10−60℃の温度で5’−FMNの濃度が5−20%になるまで濃縮し濃縮液に水に可溶な有機溶媒を0−60℃で1−150重量%添加して、5’−FMNを結晶化することを特徴とする高純度5’−FMN又はその薬理学的に許容される塩の製造法。
  6. 請求項3の1)〜4)の工程、又は、請求項4の1)〜5)の工程により得られた精製された5’−FMN又はその薬理学的に許容される塩の溶液において、1)溶液に水に可溶な有機溶媒を0−60℃で1−150重量%添加、又は、2)溶液を、10−60℃の温度で5’−FMNの濃度が5−20%になるまで濃縮し濃縮液に水に可溶な有機溶媒を0−60℃で1−150重量%添加して、5’−FMNを結晶化することを特徴とする高純度5’−FMN又はその薬理学的に許容される塩の製造法。
  7. 逆相カラムクロマトグラフィーに用いるカラム充填剤が、ODS(C18,オクタデシルシラン)及び/又はC8(オクチルシラン)である請求項2又は5記載の高純度5’−FMN又はその薬理学的に許容される塩の製造法。
  8. 逆相カラムクロマトグラフィーの溶離剤として用いる有機溶媒又は含水有機溶媒中の有機溶媒が、低級脂肪族アルコール、アセトニトリル、アセトン、テトラヒドロフラン又はそれらの2種類以上の混合物である請求項2、5、7のいずれか1項記載の高純度5’−FMN又はその薬理学的に許容される塩の製造法。
  9. 溶離剤として用いる含水有機溶媒中の有機溶媒含量が、0.1〜50体積%である請求項2、5,7,8のいずれか1項記載の高純度5’−FMN又はその薬理学的に許容される塩の製造法。
  10. 活性炭が、水蒸気賦活法で製造されたピート、亜炭、石炭及び/又は化学賦活法で製造された木材である粉末炭又は粒状炭である請求項3,4、6のいずれか1項記載の高純度5’−FMN又はその薬理学的に許容される塩の製造法。
  11. 高分子量吸着樹脂が、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、メタクリル酸重合体である請求項4又は6記載の高純度5’−FMN又はその薬理学的に許容される塩の製造法。
  12. 粗製5’−FMN又はその薬理学的に許容される塩を、水又は緩衝液に溶解させる際に、30−80℃に加温することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の高純度5’−FMN又はその薬理学的に許容される塩の製造法。
  13. 粗製5’−FMN又はその薬理学的に許容される塩が、下記に示すリボフラビン(1)とオキシ塩化リンとの反応、又は、リボフラビン(1)とオキシ塩化リンを反応後水酸化ナトリウムとのナトリウム塩化反応において製造されるものであって、リボフラビン(1)とオキシ塩化リンを反応させて粗製5’−FMN(3)を製造する反応において、反応中間体であるリボフラビン・サイクリック−4’,5’−ホスホリデート(2)またはその塩を系外に取り出し、酸性条件下にて加水分解・異性化することにより製造されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の高純度5’−FMN又はその薬理学的に許容される塩の製造法。
    Figure 0004130177
  14. 酸性条件が、1−35.5(w/v)%濃度の酸を出発原料であるリボフラビン(1)に対し1−10倍容量用いて調製される条件である請求項13記載の高純度5’−FMN又はその薬理学的に許容される塩の製造法。
  15. リボフラビン5’−リン酸(5’−FMN)の薬理学的に許容される塩が、リボフラビン−5’−リン酸ナトリウム(5’−FMN−Na)である請求項1〜14のいずれか1項記載の高純度5’−FMN又はその薬理学的に許容される塩の製造法。
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