JP4127605B2 - 半導体記憶装置 - Google Patents

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  • Read Only Memory (AREA)
  • Semiconductor Memories (AREA)
  • Non-Volatile Memory (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気的にデータの消去/再書き込み可能な不揮発性の半導体記憶装置(EEPROM)に係り、特にMOS型トランジスタ構造の記憶素子を行列状に配置して構成したバンクを複数個有する半導体記憶装置において、あるバンクで消去または書き込みを実行中に他のバンクの読み出しが可能な構成を有する半導体メモリに関するもので、一括消去可能な半導体メモリ(フラッシュメモリ)などに使用されるものである。
【0002】
【従来の技術】
EEPROMのメモリセルとして、サイズの縮小を図るために、半導体基板に形成された二重ウエル上に二層スタックゲート構造を有するNMOSトランジスタが形成されている。
【0003】
図4は、二層スタックゲート構造のNMOSトランジスタからなるセルの一例を示す断面図である。
【0004】
図中、30はP型基板(Psub)、31はN型ウエル(NWell)、32はNウエル中に形成されたP型ウエル(Pwell)である。N型ウエル31中には、ウエル引き出し電極がN+ 型の拡散層33で形成されている。また、P型ウエル32中には、N+ 型の拡散層34でNMOSトランジスタのソースSおよびドレインDが形成されており、P+ 型の拡散層35でウエル引き出し電極が形成されている。
【0005】
そして、基板30上には、ゲート絶縁膜36上に第1層目の多結晶シリコン層により浮遊ゲートFGが形成され、その上に絶縁膜37で分離されて第2層目の多結晶シリコン層により制御ゲートCGが形成されている。
【0006】
実際の半導体記憶装置では、同一ウエル上に複数のセルが行列上に配置されており、各行のセルの制御ゲートCGに接続された複数の行線WLと各行のセルのドレインDに接続された複数の列線BLによりいずれかのセルが選択されるように構成されている。また、全てのセルのソースSおよびNウエル31、Pウエル32にソース線SLが共通に接続されている。
【0007】
ここで、セルの動作について簡単に説明する。
【0008】
データの消去に際しては、ソース線SLに例えば10Vを印加することにより、セルのソースS、Nウエル31、Pウエル32に例えば10Vを印加する。また、全ての行線WLに例えば−7Vを印加することにより、全ての制御ゲートCGに−7Vを印加する。ドレインDはフローティング状態にする。この時、浮遊ゲートFG中の電子は、FNトンネリングによってチャネル中に放出される。この状態ではセルの閾値は低くなっており、この消去状態のデータを“1”と称するものとする。
【0009】
データの書き込みに際しては、書き込みたいセルを選択するために、複数の行線WLのいずれかを例えば9V、複数の列線BLのいずれかを例えば5V、ソース線SLを0Vに設定する。この時、選択されたセルでは、ホットエレクトロン注入により浮遊ゲートFG中に電子が注入される。この状態ではセルの閾値は高くなっており、この書き込み状態のデータを“0”と称する。
【0010】
データの読み出しに際しては、読み出したいセルを選択するために、複数の行線WLのいずれかを例えば5V程度、複数の列線BLのいずれかを低電圧(例えば0.7V程度)、ソース線SLを0Vに設定する。この時、選択したセルが書き込み状態(データ“0”)の場合、セルはオンしないので電流は流れない。これに対して、選択したセルのデータが消去状態(データ“1”)の場合、セルはオンし、例えば40μA程度のセル電流が流れる。この電流の振幅をセンス増幅回路(図示せず)等で増幅して読み出しを行う。
【0011】
なお、以上の動作説明では、ソースに高電圧を印加して消去するNOR型のメモリセルを例にとったが、メモリセルの基板側に高電圧を印加して消去する形式のメモリセル、また、NAND型のメモリセルでも、同様の動作制御が可能である。
【0012】
最近の半導体記憶装置は、例えば携帯機器の部品として使用され、各種プログラムや個人データの格納に用いられるが、システムに必要なメモリチップ数の削減を図るため、プログラムやデータを1つの半導体記憶装置に格納する要求が高い。
【0013】
しかし、図4に示したようなセルを用いた場合、データ書き換えに要する時間が比較的長くなってしまう。データの書き込みには通常10μs程度の時間を要し、データの消去にはブロックに対して数百ms〜数s程度の時間を要し、このデータ書き換えの間はデータの読み出しができなくなる。
【0014】
一方、あるメモリ領域でデータ読み出しを行いながら、同時に別のメモリ領域でデータの書き込みまたは消去を行うことを可能としたRWW (Read While Write)型と呼ばれるメモリシステムが提案されている。
【0015】
そして、本願出願人は、特願2000-127106により、図4に示した二層スタックゲート構造のNMOSトランジスタをセルとして用いて、データ書込みまたは消去データ動作と読出し動作が同時実行可能なフラッシュメモリを具体的に実現し得る「半導体装置」を提案した。
【0016】
図5は、現在提案されている同時実行可能なフラッシュメモリの一部を取り出して具体的な構成例を示している。
【0017】
図5において、複数のバンクBNK0〜BNKkは、それぞれ1乃至複数個のブロック回路群(本例では、BA0〜BAi)が第1の方向に配列されて構成されており、この複数のバンクBNK0〜BNKkiは前記第1の方向に直交する第2の方向に配列されている。
【0018】
前記各ブロック回路群BA0〜BAiは、それぞれ電気的にデータの書き換え可能なMOS構造のメモリセルが行列状に配置され、消去単位で区分されたセルアレイMA0と、副行選択デコーダRS0、行線WL、列線BL、列選択ゲートCG0、ブロックデコーダBD0が設けられている。
【0019】
各バンクBNK0〜BNKkには、それぞれ対応して、主行選択デコーダRM0〜RMk、j個のデータ線切換回路DLSW0〜DLSWk、電源デコーダVD0〜VDkが設けられている。
【0020】
また、各バンクBNK0〜BNKkには、同一バンク内のブロック回路群BA0〜BAiに共通に接続される主行選択線Mi、j本(例えば8本、あるいは16本)の副データ線SDLjが形成されている。
【0021】
上記副データ線SDLjは、同一バンク内のブロック回路群BA0〜BAi上で前記第1の方向に第1の配線層で形成されており、各ブロック回路群BA0〜BAiのj個の列選択ゲートCG0に接続されるとともに、各バンクBNK0〜BNKk毎に前記j個のデータ線切換回路DLSW0〜DLSWkに対応して接続されている。
【0022】
前記電源デコーダVD0〜VDkは、バンク単位での書き込み/消去時の電源コントロールやメモリセル選択のためのデコードコントロールを行う回路群である。
【0023】
さらに、バンク領域外には、読み出し動作(第1の動作モード)において選択されたバンクにおける前記メモリセルのデータが前記j本の副データ線およびj個のデータ線切換回路DLSW0〜DLSWkを介して読み出されるj本の読み出し用主データ線MDL_Rjが前記第2の方向に第2の配線層で形成されている。そして、このj本の読み出し用主データ線MDL_Rjにj個の読み出し用増幅回路SA_Rlが接続されている。
【0024】
また、バンク領域外には、書き込み/消去動作(第2の動作モード)において選択されたバンクにおける前記メモリセルのデータが前記j本の副データ線およびj個のデータ線切換回路DLSWiを介して読み出されるj本のオート用主データ線が前記第2の方向に第2の配線層で形成されている。そして、このオート用主データ線にj個のオート用増幅回路SA_Ajが接続されている。
【0025】
上記構成において、セルの選択は以下のように行われる。
【0026】
アドレス信号にしたがって主行選択デコーダRM0と副行選択デコーダRS0により1本の行線WLを選択する。また、アドレス信号にしたがってブロックデコーダBD0がブロック選択および列選択を行い、列線BLを副データ線SDLjに接続する。
【0027】
データの読み出しを行う場合には、副データ線SDLjは、データ線切換回路DLSW0〜DLSWkの切り換え制御によって読み出し用主データ線MDL_Rjを経由して読み出し用増幅回路SA_Rjに接続された状態となる。そして、この読み出し用増幅回路SA_Rjによるセルデータの読み出しは、出力回路(図示せず)の数に対応して、例えば8本のバイトデータ、または、16本のワードデータに対して同時に行われる。
【0028】
また、データの書き込み/消去を行う場合には、副データ線SDLjは、データ線切換回路DLSW0〜DLSWkの切り換え制御によってオート用主データ線MDL_Ajを経由してオート用増幅回路SA_Ajに接続された状態となる。そして、コントロール回路(図示せず)により、自動的にセルの書き込み/消去レベルのチェックが行われる。この際、データの消去はブロック回路単位で行い、ブロックデコーダBDiは、消去時のソース線電位コントロール等の制御を行う。
【0029】
上記構成によれば、あるバンク(例えばBNK0)内のあるブロックを消去している場合には、BNK0内の副データ線SDLjは、該バンクのデータ線切換回路DLSW0によってオート用主データ線MDL_Ajに接続される。この際、他のバンク(例えばBNKk)内のデータを読みたい場合には、BNKk内の副データ線SDLjを該バンクのデータ線切換回路DLSWkによって読み出し用データ線MDL_Rjに接続することにより読み出しを実現することができる。
【0030】
ところで、最近、フラッシュメモリの実効的な読み出しサイクルの高速化への要求から、ページ読み出し品や、バースト品の要求も高くなっている。これらは、例えば8ワードを1ページとして一括に読み出し、その後、ワード単位でシリアルに出力していく仕様であり、各データ線(SDLj、MDL_Rj、MDL_Aj)は多数必要になる。
【0031】
図6は、図5に示したフラッシュメモリを二層メタル配線を用いて実現した場合の配線層のパターンレイアウトを示す。
【0032】
図中、副行選択デコーダRSiの出力である行線WLiは、多結晶ポリシリコン層PoSiで形成され、列線BLiは第1層目のメタルM1で形成される。また、主行選択デコーダRMiの出力である主行選択線Miは、セルアレイMAi上に第2層目のメタルM2で形成される。また、副データ線SDLjは、列選択ゲートCGi上またはその脇上に第2層目のメタルM2で形成される。また、読み出し用データ線MDL_Rjおよびオート用データ線MDL_Ajは、電源デコーダVDDi上またはその脇上を第2層目のメタルM2で形成される。
【0033】
しかし、このような配線層のレイアウトでは、前述したようなデュアルワーク対応品において各データ線(SDLj、MDL_Rj、MDL_Aj)が増加すると、その増加分だけ半導体記憶装置のチップ面積が増加する。
【0034】
ここで、二層メタル配線を用いてデュアルワーク品を実現する際、第2層目のメタルM2のピッチを例えば1μmとし、データ線脇にシールド線(GND電位)を2本付加した場合のチップ面積を考える。一例として、各セルアレイMAiは512Kビットのセルを有し、各バンクBNKiは8個のブロック回路群(4Mビットのセル)からなり、全体で8個のバンクBNKi(32Mビットのセル)を有する場合を考える。
【0035】
この場合、バイト単位読み出し品では、各データ線(SDLj、MDL_Rj、MDL_Aj)はそれぞれ(8+2)本であり、データ線の占有領域DLAは10μm程度になるが、チップ面積に対する比率は小さい。また、ワード単位読み出し品では、各データ線(SDLj、MDL_Rj、MDL_Aj)はそれぞれ(16+2)本であり、データ線の占有領域DLAは18μm程度になるが、チップ面積に対する比率は小さい。
【0036】
しかし、例えば1ワードを1ページとする8ワードのページ読み出し品(8ページ品)では、各データ線(SDLj、MDL_Rj、MDL_Aj)はそれぞれ(128+2)本あり、データ線の占有領域DLAは128μm程度になり、チップ面積に対して無視できなくなり、チップ面積の増加をまねき、製造コストの高騰をまねく。
【0037】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように従来の半導体記憶装置を二層メタル配線を用いてデュアルワーク対応のページ読み出し品を実現した場合には、データ線が著しく増加し、その増加分だけチップ面積が増加するという問題があった。
【0038】
本発明は上記の問題点を解決すべくなされたもので、デュアルワーク対応のページ読み出し品などを実現する際に同時に読み出すメモリセルが増えた場合でも、読み出し用データ線の占有面積の増加を抑制し、チップ面積の増加、製造コストの高騰を抑制し得る半導体記憶装置を提供することを目的とする。
【0039】
【課題を解決するための手段】
本発明の半導体記憶装置は、それぞれ電気的にデータの書き換え可能なMOS構造のメモリセルが行列状に配置され、第1の方向に配列された複数のメモリセルブロックと、前記複数のメモリセルブロック上で前記第1の方向に第1の配線層で形成され、各メモリセルブロックに接続された複数の副データ線と、少なくとも前記複数のメモリセルブロックと前記副データ線信号で構成された第1のバンク領域と、前記第1のバンク領域と同一構成を有し、前記第1の方向に直交する第2の方向に配列された少なくとも1つの第2のバンク領域と、前記第1および第2のバンク領域上で第2の配線層で形成され、第1の動作モードにおいて選択されたバンク領域における前記メモリセルのデータが読み出される複数の読み出しデータ線と、前記複数の読み出しデータ線に接続された複数の第1の増幅回路と、前記第2の方向で前記メモリセルブロック上を避けた領域に形成され、第2の動作モードにおいて前記メモリセルのデータが前記副データ線を介して読み出され、前記複数の読み出しデータ線よりも本数の少ない複数のオートデータ線と、前記複数のオートデータ線に接続され、前記複数の第1の増幅回路よりも少ない複数の第2の増幅回路と、前記各メモリセルブロックに設けられ、前記第1の動作モード/第2の動作モードに対応して前記副データ線と前記読み出しデータ線とを接続状態/非接続状態に切り換える切り換え手段とを具備し、前記第1のバンク領域のメモリセルの情報を前記第2の増幅回路で読み出し中であっても、前記第2のバンク領域のメモリセルの情報を前記第1の増幅回路より読み出すことを可能にしたことを特徴とする。
【0040】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0041】
<第1の実施形態>
図1は、本発明が適用される半導体記憶装置として、前記特願2000-127106 号に記載された同時実行可能なフラッシュメモリのチップ構成の一例を示す。
【0042】
図1において、メモリセルアレイ1 は、それぞれn 個のブロックBO〜Bn−1 を配列してなるm 個のコア0 〜m −1 により構成されている。各ブロックBO〜Bn−1 は、データ消去の最小単位であり、それぞれ複数のメモリセルが配列されている。メモリセルは、例えばスタックト・ゲート構造の不揮発性メモリセルである。コアは、1乃至複数のブロックの集合として定義されるが、図の例ではn 個ずつのブロックBO〜Bn−1 により1つのバンクを形成している。
【0043】
各コアには、メモリセルを選択するための行デコーダと列デコーダを含む行デ列デコーダ2 、アドレス線や電源線を切り換えるスイッチ回路(アドレス線SW)3 、ローカルデータ線4 、データ線スイッチ回路16が設けられている。
【0044】
メモリセルアレイ1 の全コアに対して共通に、データ読み出し動作時にメモリセルを選択するための第1のアドレスバス線(リード用アドレスバス線)6aと、データ書込みまたは消去時のオート動作に必要な第2のアドレスバス線(ライト/イレーズ用アドレスバス線)6bが配設されている。
【0045】
また、全コアに対して共通に、データ読み出し動作に用いられる第1のデータバス線(リード用データバス線)7aと、データ書込みまたは消去動作に用いられる第2のデータバス線(ライト/イレーズ用データバス線)7bが配設される。
【0046】
これらのデータバス線7a,7bにそれそれ対応して、データ読み出し動作に用いられる第1のセンスアンプ回路(リード用S/A1)11a と、データ書込みまたは消去時のべリフアイ読出しに用いられる第2のセンスアンプ回路(べリフアイ用S/A2)11b が設けられている。
【0047】
また、全コアに対して共通に、読出し用電源12a から読出し用電源電位が供給される第1の電源線(リード用電源線)8aが配設され、書き込みまたは消去電源12b からデータ書込みまたは消去用電源電位が供給される第2の電源線(ライト/イレーズ用電源線)8bが配設されている。リード用電源線8aにはデータ読み出し時、電源VCC より昇圧された電圧が与えられ、これがメモリセルのゲートに供給されて高速読出しが可能となっている。
【0048】
さらに、前記リード用アドレスバス線6aおよびライト/イレーズ用アドレスバス線6bにアドレス信号を供給するためのアドレスバッファ回路10と、外部とのインタフエースをとるインタフエース回路14が設けられている。
【0049】
即ち、このフラッシュメモリは、電気的書き換え可能な不揮発性メモリセルを有し、データ消去の単位となるメモリセルの範囲を1ブロックとし、1乃至複数のブロックの集合を1コアとして複数のコアが配列されたメモリセルアレイと、前記複数のコアのうちデータ書き込みまたは消去を行うために任意個数のコアを選択するコア選択手段と、前記コア選択手段により選択されたコア内の選択されたメモリセルにデータ書き込みを行うデータ書込み手段と、前記コア選択手段により選択されたコア内の選択されたブロックのデータ消去を行うデータ消去手段と、前記コア選択手段により選択されていないコア内のメモリセルに対してデータ読出しを行うデータ読み出し手段とを具備することを特徴とする。
【0050】
次に、上記フラッシュメモリにおける動作を簡単に説明する。
【0051】
外部から入力されるアドレス信号はインタフエース回路14内のアドレス入力回路を経てアドレスバッファ回路10に供給される。このアドレスバッファ回路10から、動作モードに応じて、アドレスバス線6a,6bにそれぞれ読出し用アドレス,書き込みまたは消去用アドレスが供給される。各アドレスバス線6a,6bに供給されたアドレスは、各コア毎に設けられたアドレス線・電源線切り換え用のスイッチ回路(アドレス線SW)3 により選択的に各コアの行列デコーダ2 に転送される。また、電源線8a,8bも上記スイッチ回路3 により選択的に切り換えられて各コアの行列デコーダ2 に供給される。
【0052】
各コアにおいて、ローカルデータ線4 は、データ線スイッチ回路16により、データ読み出し時はリード用データバス線7aに接続され、データ書込みまたは消去時はライト/イレーズ用データバス線7bに接続される。
【0053】
即ち、各コアの選択メモリセルのデータは、ローカルデータ線4 に読み出され、動作モードに応じてデータ線スイッチ回路16によりデータバス線7aまたは7bに転送され、それそれリード用センスアンプ回路11a 、べリフアイ用センスアンプ回路11b により検知増幅される。
【0054】
べリフアイ用センスアンプ回路11b の読出し結果は、書き込み/消去(ライト/イレーズ)制御回路15に送られる。この書き込み/消去制御回路15では、書き込みまたは消去が十分であるか否かが判定され、不十分であれば再書き込みまたは再消去の制御が行われる。
【0055】
以上のように、データ読み出しと、データ書き込みまたは消去を同時に実行しても、それそれの動作を独立のアドレスバス線、データバス線、センスアンプ回路、電源回路により制御できることになる。
【0056】
次に、データ書き込みと読み出しを同時に実行する場合の動作例として、コア0 に対してデータ書込みが行われ、他のコア内のセルデータを読み出す場合の動作を具体的に説明する。
【0057】
チップ外部から、コア0 部の選択アドレス信号が入力され、書き込みコマンドが入力されると、インタフエース回路14で書き込みコマンドが判定され、書き込みフラグが立つ。このフラグにより、コア0 部のスイッチ回路3 により、ライト/イレーズ用アドレスバス線6bのアドレス信号がコア0 の行列デコーダ2 に入力され、ライト/イレーズ用電源12b の電源が供給される。また、データ線スイッチ回路16によりコア0 部のデータ線4 はべリフアイ用センスアンプ回路11b につながるライト/イレーズ用データパス線7bに接続される。
【0058】
このようにアドレスバス線、データバス線および電源線をセットすることにより、コア0 では選択されたワード線に昇圧された書き込み電圧が印加され、ビット線には書き込みデータに応じて書き込み制御回路15から高電圧、もしくは低電圧が印加される。これにより、メモリセルがフローティングゲート型のMOS トランジスタ構造のものである場合、選択されたメモリセルのフローティングゲートにホットエレクトロン注入がなされて、データ書込みが行われる。一回の書き込みが終了すると、データが読み出されてべリフアイ用センスアンプ回路11b で検知される。そして、書き込み制御回路15によりべリフアイ判定され、書き込み十分であれば動作を終了し、書き込み不十分であれば更に追加書込みが行われる。
【0059】
以上のコア0 に対するデータ書込みの間、他の任意のコア、例えばコア1 でのデータ読出しを行うことが可能である。即ち、外部から入力されたアドレスにより、読み出したいメモリセルを含むコア1 の行列デコーダ2 にはリード用アドレスバス線6aのアドレス信号が供給され、リード用電源12a の電源出力が供給される。また、データ線4 はスイッチ回路16を介してリード用データパス線7aに接続される。データ書込みもデータ読み出しもなされない、それ以外のコアの行列デコーダ2 には、アドレス信号は入力されず、データバス線も接続されない。
【0060】
コア1 の選択メモリセルから読み出されたデータは、リード線データパス線7aを介してリード用センスアンプ回路11a で検知増幅される。この読出しデータは、インタフエース回路14を介してチップ外部に出力される。
【0061】
即ち、データ書込みを行っているコア0 以外のコアであれば、コア2 でもコア3 でもコアm −1 でも、任意に読み出すことが可能である。データ書込みを行っているコア0 のアドレスを入力してデータ読み出しを実行することは禁止される。このように、データ書込み中のコアに対して読出し要求があった場合には、選択されたコアが書き込み動作中であることを示すビジー信号を出力して、外部に知らせるようになっている。
【0062】
データ消去とデータ読み出しを同時に実行する場合の動作も、上記したデータ書き込みと読み出しを同時に実行する場合の動作と基本的に同様である。
【0063】
いま、例えばコア0 の選択ブロックに対してデータ消去を行い、他のコア内のセルデータを読み出す場合の動作について説明する。
【0064】
チップ外部から、コア0 内のブロックの選択アドレス信号が入力され、消去コマンドが入力されると、インタフエース回路14で消去コマンドが判定されて消去フラグが立つ。このフラグによりコア0 のスイッチ回路3 により、ライト/イレーズ用アドレスバス線6bのアドレス信号がコア0 の行列デコーダ2 に入力され、ライト/イレーズ用電源12b の消去用電源電位が供給される。また、データ線スイッチ回路16によりコア0 部のデータ線4 はべリフアイ用センスアンプ回路11bにつながるライト/イレーズ用データバス線7bに接続される。
【0065】
このようにアドレスバス線、データバス線および電源線をセットすることで、選択されたコア0 の選択ブロックのワード線には全て負電圧が印加され、ビット線はオープン、ソース線には消去用の正の高電圧が印加され、ブロック単位で消去される。
【0066】
一回のデータ消去が終了すると、データが読み出されてべリフアイ用センスアンプ回路11b で検知される。制御回路15では、消去が十分か否かの判定がなされ、十分であれば動作を終了し、NGであればさらに追加消去される。
【0067】
以上のコア0 に対するデータ消去の間、他の任意のコアに対してデータ読み出し要求が入ると、そのコアでのデータ読出しが行われる。
【0068】
図2は、本発明の第1の実施形態に係るフラッシュメモリの一部を示す回路図である。
【0069】
図2に示すフラッシュメモリは、基本的な回路構成は、図1に示したフラッシュメモリと同じであるが、メモリセルアレイ上に読み出し用の主データ線MDL_Rlを形成し、メモリセルアレイから離れた領域にオート用の主データ線MDL_Ajを形成し、三層メタル配線を用いてデュアルワーク対応のページ読み出し品を実現したことを特徴とする。
【0070】
図2のフラッシュメモリは、図5を参照して前述したフラッシュメモリと比べて、次の点が異なり、その他の部分は同じであるので同一符号を付している。
【0071】
(1)各ブロック回路群BA0〜BAi内において、副データ線SDLjと読み出し用主データ線MDL_Rlとの接続/非接続を切り換えるための副データ線切換回路SDLSWが追加されている。
【0072】
(2)メモリセルアレイ外部において、読み出しデータ線切換回路RDLSWにより前記読み出し用主データ線MDL_Rlが読み出しデータ線RDLlに選択的に接続されるように構成されており、この読み出しデータ線RDLlに読み出し用増幅回路SA_Rlが接続されている。
【0073】
即ち、図2において、それぞれ1乃至複数個のブロック回路群(本例では、BA0〜BAi)が第1の方向に配列されて複数のバンクBNK0〜BNKkが構成され、この複数のバンクBNK0〜BNKkは前記第1の方向に直交する第2の方向に配列されている。
【0074】
前記各ブロック回路群BA0〜BAiは、それぞれ電気的にデータの書き換え可能なMOS構造のメモリセルが行列状に配置されて構成され、消去単位で区分されたセルアレイMA0と、副行選択デコーダRS0、行線WL、列線BL、列選択ゲートCG0、ブロックデコーダBD0のほかに、副データ線切換回路SDLSWが設けられている。
【0075】
各バンクBNK0〜BNKkには、それぞれ対応して、主行選択デコーダRM0〜RMk、j個のデータ線切換回路DLSW0〜DLSWk、電源デコーダVD0〜VDkが設けられている。
【0076】
また、各バンクBNK0〜BNKkには、同一バンク内のブロック回路群BA0〜BAiに共通に接続される主行選択線Mi、j本(例えば8本、あるいは16本)の副データ線SDLjが形成されている。
【0077】
上記副データ線SDLjは、同一バンク内のブロック回路群BA0〜BAi上で前記第1の方向に第1の配線層で形成されており、各ブロック回路群BA0〜BAiのj個の列選択ゲートCG0に前記副データ線切換回路SDLSWを介して接続されるとともに、各バンクBNK0〜BNKk毎に前記j個のデータ線切換回路DLSW0〜DLSWkに対応して接続されている。
【0078】
前記電源デコーダVD0〜VDkは、バンク単位での書き込み/消去時の電源コントロールやメモリセル選択のためのデコードコントロールを行う回路群である。
【0079】
さらに、各バンクBNK0〜BNKk上には、読み出し動作(第1の動作モード)において選択されたバンクにおける前記メモリセルのデータが前記副データ線切換回路SDLSWを介して読み出されるj本の読み出し用主データ線MDL_Rlが前記第2の方向に第2の配線層で形成されている。
【0080】
そして、バンク領域外には、前記読み出しデータ線RDLlに接続された読み出しデータ線切換回路RDLSWおよび読み出しデータ線RDLlが設けられており、上記読み出しデータ線RDLlに読み出し用増幅回路SA_Rlが接続されている。
【0081】
また、バンク領域外(もしくは、前記ブロック回路群BA0〜BAi上を避けた領域)には、書き込み/消去動作(第2の動作モード)において前記メモリセルのデータが前記j本の副データ線およびj個のデータ線切換回路DLSW0〜DLSWkを介して読み出されるj本のオート用主データ線MDL_Ajと、このオート用主データ線MDL_Ajに接続されたj個のオート用増幅回路SA_Ajが設けられている。
【0082】
なお、各ブロック回路群BA0〜BAi内の副データ線切換回路SDLSWは、読み出し動作(第1の動作モード)/書き込み/消去動作(第2の動作モード)に対応して副データ線SDLjと読み出し用主データ線MDL_Rlとを接続状態/非接続状態に切り換える役割を有する。
【0083】
これに対して、各バンクBNK0〜BNKk内のデータ線切換回路DLSW0〜DLSWkは、副データ線SDLjとオート用主データ線MDL_Ajのみとの接続/非接続状態の切り換えに使用され、接続が不要な時に非接続状態にすることによってオート用主データ線MDL_Ajの寄生容量を軽減する役割を有する。但し、このデータ線切換回路DLSW0〜DLSWkを省略し、副データ線SDLjを直接にオート用主データ線MDL_Ajに接続してもかまわない。
【0084】
図3は、図2のフラッシュメモリを三層メタルの配線層で実現した場合のパターンレイアウトの一例を示す。
【0085】
副行選択デコーダRS0の出力であるメモリセルの行線WLは、多結晶ポリシリコン層PoSiで形成され、列線BLは第1層目のメタルM1(以下、M1層と記す)で形成される。
【0086】
主行選択デコーダRM0の出力である主行選択線Miは、各ブロック回路群BA0〜BAiのセルアレイMA0上で第1の方向に第2層目のメタルM2(以下、M2層と記す)で形成される。
【0087】
副データ線SDLjは、副データ線切換回路SDLSW上、または、その脇上に沿って第1の方向にM2層で形成される。
【0088】
読み出し用主データ線MDL_Rlは、各バンクBNK0〜BNKkのブロック回路群BA0〜BAi上で第2の方向に第3層目のメタルM3(以下、M3層と記す)で形成される。
【0089】
オート用主データ線MDL_Ajは、各バンクBNK0〜BNKkの電源デコーダVD0〜VDkおよびデータ線切換回路DLSW0〜DLSWkの上またはその脇上に沿って第2の方向にM3層あるいはM2層で形成される。
【0090】
読み出し用データ線RDLlは、第1の方向にM3層あるいはM2層で形成される。
【0091】
さらに、前記読み出し用主データ線MDL_Rlとオート用主データ線MDL_Ajとの間を電気的に遮蔽する効果を持たせるために、両者間で例えばバンク領域上に1本乃至複数本のシールド線SLDを配設するようにしてもよい。
【0092】
なお、主行選択デコーダRM0の出力の主行選択線Miの配線層と、読み出し用主データ線MDL_Rlの配線層を逆転させてもかまわない。
【0093】
上記構成のフラッシュメモリによれば、読み出し用の主データ線MDL_Rlをセルアレイ上に形成し、オート用の主データ線MDL_Ajをメモリセルアレイから離れた領域に形成することにより、三層メタル配線を用いてデュアルワーク対応のページ読み出し品を実現することができた。
【0094】
<パターンレイアウトの変形例>
第1の実施形態のフラッシュメモリにおいて、読み出し用主データ線MDL_Rlは、同時に読み出す仕様相当の本数(8ワードページの場合、128本)必要であるが、オート用主データ線MDL_Ajは、必ずしも読み出し用主データ線MDL_Rlと同数配置する必要はなく、例えば16本程度でも何ら問題はない。
【0095】
そこで、オート用主データ線MDL_Ajの数を読み出し用主データ線MDL_Rjの数より減らすように変更すれば、メモリのチップ面積の増加を最小限に抑制することができる。
【0096】
【発明の効果】
上述したように本発明の半導体記憶装置によれば、デュアルワーク対応のページ読み出し品などを実現する際に同時に読み出すメモリセルが増えた場合でも、読み出し用データ線の占有面積の増加を抑制し、チップ面積の増加、製造コストの高騰を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体記憶装置の適用例として、特願2000-127106に記載された同時実行可能なフラッシュメモリのチップ構成の一例を示すブロック図。
【図2】本発明の半導体記憶装置の第1の実施形態に係るフラッシュメモリの一部を示す回路図。
【図3】図2のフラッシュメモリを三層メタルの配線層で実現した場合のパターンレイアウトの一例を示す図。
【図4】二層スタックゲート構造のNMOSトランジスタからなるセルの一例を示す断面図。
【図5】現在提案されている同時実行可能なフラッシュメモリの一部を取り出して構成例を示す図。
【図6】図5に示したフラッシュメモリを二層メタル配線を用いて実現した場合の配線層のパターンレイアウトを示す図。
【符号の説明】
BNK0〜BNKk…バンク、
BA0〜BAi…ブロック回路群、
MA0…セルアレイ、
RS0…副行選択デコーダ、
CG0…列選択ゲート、
BD0…ブロックデコーダ、
RM0〜RMk…主行選択デコーダ、
Mi…主行選択線、
SDLj…副データ線、
DLSW0〜DLSWk…データ線切換回路、
VD0〜VDk…電源デコーダ、
SDLSW…副データ線切換回路、
MDL_Rl…読み出し用主データ線、
RDLSW…読み出しデータ線切換回路、
RDLl…読み出しデータ線、
SA_Rl…読み出し用の増幅回路、
MDL_Aj…オート用の主データ線、
SA_Aj…オート用の増幅回路、
SLD…シールド線。

Claims (6)

  1. それぞれ電気的にデータの書き換え可能なMOS構造のメモリセルが行列状に配置され、第1の方向に配列された複数のメモリセルブロックと、
    前記複数のメモリセルブロック上で前記第1の方向に第1の配線層で形成され、各メモリセルブロックに接続された複数の副データ線と、
    少なくとも前記複数のメモリセルブロックと前記副データ線信号で構成された第1のバンク領域と、
    前記第1のバンク領域と同一構成を有し、前記第1の方向に直交する第2の方向に配列された少なくとも1つの第2のバンク領域と、
    前記第1および第2のバンク領域上で第2の配線層で形成され、第1の動作モードにおいて選択されたバンク領域における前記メモリセルのデータが読み出される複数の読み出しデータ線と、
    前記複数の読み出しデータ線に接続された複数の第1の増幅回路と、
    前記第2の方向で前記メモリセルブロック上を避けた領域に形成され、第2の動作モードにおいて前記メモリセルのデータが前記副データ線を介して読み出され、前記複数の読み出しデータ線よりも本数の少ない複数のオートデータ線と、
    前記複数のオートデータ線に接続され、前記複数の第1の増幅回路よりも少ない複数の第2の増幅回路と、
    前記各メモリセルブロックに設けられ、前記第1の動作モード/第2の動作モードに対応して前記副データ線と前記読み出しデータ線とを接続状態/非接続状態に切り換える切り換え手段とを具備し、
    前記第1のバンク領域のメモリセルの情報を前記第2の増幅回路で読み出し中であっても、前記第2のバンク領域のメモリセルの情報を前記第1の増幅回路より読み出すことを可能にしたことを特徴とする半導体記憶装置。
  2. 前記副データ線と前記オートデータ線を電気的に接続する接続手段をさらに具備することを特徴とする請求項1記載の半導体記憶装置。
  3. 前記第1の配線層は、前記第2の配線層より下層に形成されることを特徴とする請求項1または2記載の半導体記憶装置。
  4. 前記オートデータ線は、前記第2の配線層あるいはそれより上層の第3の配線層に形成されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに記載の半導体記憶装置。
  5. 前記読み出しデータ線は、前記第2の方向に形成されたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1つに記載の半導体記憶装置。
  6. 前記読み出しデータ線と前記オートデータ線は平行に形成され、両データ線間には少なくとも1本のシールド線が形成されていることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1つに記載の半導体記憶装置。
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