JP4127586B2 - 半導体装置の製造方法および半導体製造装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置の製造技術、特に、成膜工程において処理室内に堆積した堆積膜をエッチングガスによって除去することにより処理室内をクリーニングする技術に関し、例えば、成膜処理を実施する減圧CVD装置に利用して有効な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体集積回路装置(以下、ICという。)は半導体ウエハ(以下、ウエハという。)の上に薄膜を形成し、この薄膜に回路パターンをリソグラフィー処理やエッチング処理によって形成することにより製造される。ウエハ上に薄膜を形成する薄膜形成工程に使用される薄膜形成方法として、減圧CVD装置を使用して実施される方法がある。減圧CVD装置によってウエハの上に薄膜が形成される際には、減圧CVD装置の処理室にウエハが搬入された後に処理室が密閉される。処理室はヒータによって400℃〜900℃程度に加熱されるとともに、真空排気装置によって10Pa〜200Pa程度に真空排気される。この処理条件が維持された処理室には成膜に必要な原料ガスが供給され、熱エネルギーによって引き起こされる原料ガスの化学反応によってウエハ上に薄膜が形成される。
【0003】
ところで、原料ガスの化学反応によって成膜される際には、ウエハ上だけでなく処理室や治具にも反応生成物が付着する。この反応生成物は成膜方法が繰り返し実施される度に処理室や治具に堆積して行き、膜(以下、堆積膜という。)を形成する。堆積膜はある程度の厚みに達すると、剥離すること等により塵埃となってワークであるウエハに付着するため、製品(IC)不良の原因になる。
【0004】
そこで、従来は堆積膜がある程度の厚みに達する度に、処理室や治具を弗酸水溶液によってエッチングすることにより、処理室や治具に堆積した堆積膜を除去するウエットクリーニング法が実施されている。
【0005】
ところが、このウエットクリーニング法においては、処理室や治具を弗酸水溶液に浸す必要上、減圧CVD装置の分解作業および再組立作業が必要になるため、クリーニングの作業時間が長くなり、減圧CVD装置の稼働効率が大幅に低下してしまう。
【0006】
そこで、減圧CVD装置の稼働効率の低下を防止するクリーニング方法として、三弗化塩素(ClF3 )や三弗化窒素(NF3 )および弗化水素(HF)等の反応性エッチングガス(以下、エッチングガスという。)を使用したドライクリーニング法が提案されている。ドライクリーニング法はエッチングガスを処理室に送り込んで、堆積膜をエッチングガスによってエッチングすることにより除去する方法である。ドライクリーニング法は減圧CVD装置の分解作業および再組立作業を省略することができるため、クリーニング作業全体としての時間を大幅に短縮することができ、減圧CVD装置の稼働効率の低下を防止することができる。
【0007】
一方、減圧CVD装置においては、処理室で消費されなかった余分の原料ガス成分および処理室の反応によって生成された反応生成物や副生成物等の物質が処理室から真空排気装置によって排気されるガス(以下、排気ガスという。)と共にそのまま排気されて廃棄処分されるのを防止するために、排気ガス中の物質を捕集するトラップ(捕集装置)としてコールドトラップ(冷却捕集装置)が排気路の真空排気装置の上流側に介設されている。すなわち、排気ガスに乗ってコールドトラップに至った排気ガス中の物質(以下、被捕集物ということがある。)は、冷却されて液化または固化されるとともに排気ガスと分離されて捕集され、コールドトラップ内に回収される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
前記したコールドトラップを備えている減圧CVD装置において、前記したドライクリーニング法が実施された場合には、エッチングガスがコールドトラップを通過することになるため、エッチングガスがコールドトラップ内に回収されている被捕集物と接触して反応することになる。そこで、エッチングガスと被捕集物との接触を防止するために、減圧CVD装置においてドライクリーニング法を実施するに際しては、コールドトラップ内に回収されている被捕集物を予め除去する作業が必要になると、考えられる。
【0009】
しかしながら、コールドトラップ内に回収されている被捕集物を除去する作業は時間を要するため、減圧CVD装置のドライクリーニング法全体としての作業時間が長期化してしまう。つまり、減圧CVD装置においてドライクリーニング法を採用しても、減圧CVD装置の休止期間(ダウンタイム)が長期化してしまうため、結局、減圧CVD装置の稼働効率が低下してしまう。
【0010】
本発明の目的は、ドライクリーニング法の作業時間を短縮することができる半導体装置の製造方法および半導体製造装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る半導体製造装置は、被処理物に対する処理が内部において繰り返し実施される処理室と、前記処理によって堆積した堆積膜をエッチングするエッチングガスを前記処理室に供給するエッチングガス供給装置と、前記処理室を排気する排気路に介設されて前記処理の排気ガス中の物質を捕集するトラップとを備えている半導体製造装置において、
前記トラップを迂回する迂回路と、前記エッチングガスの供給時に前記迂回路を開き前記トラップへの前記排気路を閉じる切換弁とを備えていることを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る半導体製造装置は、被処理物に対する処理が内部において繰り返し実施される処理室と、前記処理によって堆積した堆積膜をエッチングするエッチングガスを前記処理室に供給するエッチングガス供給装置と、前記処理室を排気する排気路とを備えている半導体製造装置において、
前記エッチングガスを排気するドライクリーニング用排気路が前記処理室に前記排気路とは別に接続されていることを特徴とする。
【0013】
前記した第一の手段において、被処理物に対する処理が処理室の内部にて繰り返し実施されて堆積物が処理室の内部に堆積した場合には、エッチングガスが処理室内を流されて堆積物をエッチングによって除去するドライクリーニングが実施される。その際、切換弁によって迂回路が開かれ排気路が閉じられることにより、エッチングガスはトラップを迂回されて排気される。したがって、エッチングガスがトラップによって捕集された物質に接触することはなく、エッチングと当該被捕集物との反応が発生することは必然的に防止される。
【0014】
前記した第二の手段において、被処理物に対する処理が処理室の内部にて繰り返し実施されて堆積物が処理室の内部に堆積した場合には、エッチングガスが処理室内を流されて堆積物をエッチングによって除去するドライクリーニングが実施される。その際、エッチングガスはドライクリーニング用排気路によって排気される。したがって、処理用排気路に処理の排気ガス中の物質を捕集するトラップが介設されている場合であっても、エッチングガスがトラップによって捕集された物質に接触することはなく、エッチングと当該被捕集物との反応が発生することは必然的に防止される。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図面に即して説明する。
【0016】
本実施形態に係る半導体装置の製造方法における薄膜形成工程においては、図1に示されている二枚葉式減圧CVD装置(以下、単にCVD装置という。)が使用される。
【0017】
本実施形態に係る半導体製造装置としてのCVD装置は、耐熱性が有り重金属汚染等を防止可能な材料の一例である石英ガラスによって形成されたプロセスチューブ1を備えている。プロセスチューブ1は両端が開口した角筒形状に形成されており、中心線が水平になるように横置きされている。プロセスチューブ1の内部室は処理室2を実質的に形成しており、処理室2の内部には保持治具3が配置されている。保持治具3はプロセスチューブ1と同様に石英ガラスによって形成されており、ウエハ4を水平に保持するように構成されている。
【0018】
プロセスチューブ1の外部には処理室2の内部を全体にわたって均一に加熱するためのヒータ5が、プロセスチューブ1の周囲を包囲するように装備されている。ヒータ5は温度制御部(図示せず)によって自動的に制御されるように構成されている。
【0019】
プロセスチューブ1の一端開口は被処理物としてのウエハを出し入れするための炉口を実質的に構成しており、炉口にはゲートバルブ6が装着された炉口部材7が連結されている。プロセスチューブ1の炉口部材7にはロードロック室(図示せず)が隣接して連結されており、ウエハはロードロック室と処理室2との間をゲートバルブ6の開閉によって搬入搬出されるようになっている。また、プロセスチューブ1の他端開口は炉端を実質的に構成しており、炉端には開口を塞ぐ炉端部材8が連結されている。
【0020】
炉口部材7および炉端部材8の上側壁には、複数個のガス供給口9が長手方向に並べられて開設された炉口側ガス供給口部材10Aおよび炉端側ガス供給口部材10Bがそれぞれ取り付けられており、炉口側ガス供給口部材10Aには炉口側ガス供給路11Aが接続され、炉端側ガス供給口部材10Bには炉端側ガス供給路11Bが接続されている。炉口側ガス供給路11Aと炉端側ガス供給路11Bとはいずれも方向制御弁12を介して原料ガス供給装置13およびエッチングガス供給装置14に接続されている。原料ガス供給装置13は成膜シーケンス制御部(図示せず)によって制御されて原料ガスを供給するように構成されている。エッチングガス供給装置14はエッチングガス制御部(図示せず)によって制御されてエッチングガスを供給するように構成されている。方向制御弁12は原料ガスおよびエッチングガスの供給を炉口側ガス供給路11Aと炉端側ガス供給路11Bとの間で切り換えるように構成されている。
【0021】
炉口部材7の下側壁および炉端部材8の下側壁には炉口側排気口15Aおよび炉端側排気口15Bがそれぞれ開設されており、炉口側排気口15Aおよび炉端側排気口15Bには炉口側排気路16Aおよび炉端側排気路16Bがそれぞれ接続されている。炉口側排気路16Aおよび炉端側排気路16Bには開閉を切り換える炉口側切換弁17Aおよび炉端側切換弁17Bがそれぞれ介設されており、炉口側排気路16Aおよび炉端側排気路16Bは炉口側切換弁17Aおよび炉端側切換弁17Bの下流側においてメイン排気路18に接続されている。
【0022】
メイン排気路18は真空ポンプ等によって構成された真空排気装置20に可変流量制御弁19を介して接続されており、メイン排気路18、真空排気装置20等によって処理用排気系21が構成されている。
【0023】
メイン排気路18の真空排気装置20の上流側には、排気ガス中の物質を捕集するためのトラップとしてのコールドトラップ22が介設されている。コールドトラップ22は排気ガスを流通させつつ原料ガス成分や副生成物等の排気ガス中の物質を捕集して回収する回収部23と、冷却水の流通によって回収部23を冷却する冷却水路24とを備えており、原料ガス成分や副反応生成物が通過してしまうのを捕集によって阻止するように構成されている。コールドトラップ22はメイン排気路18に対してセルフシール継手25によって着脱自在に装着されるようになっている。
【0024】
メイン排気路18には迂回路26がコールドトラップ22を迂回するように接続されている。メイン排気路18のコールドトラップ22の上流側にはメイン排気路18の開閉を切り換える上流側メイン排気路切換弁(以下、第一開閉弁という。)27が介設されており、メイン排気路18のコールドトラップ22の下流側には同じく下流側メイン排気路切換弁(以下、第二開閉弁という。)28が介設されている。迂回路26には迂回路26の開閉を切り換える迂回路切換弁(以下、第三開閉弁という。)29がコールドトラップ22と並列に介設されている。なお、図示しないが、以上の各弁は電磁操作方式によって操作されるように構成されており、成膜シーケンス制御部やエッチングガス制御部等によって開閉作動が制御されるようになっている。また、迂回路26の下流側(第二開閉弁28との接続部側)に迂回路切換弁をもう一つ設けてもよい。
【0025】
次に、本発明の一実施形態である半導体装置の製造方法における薄膜形成処理工程およびそれに続くドライクリーニング工程を、前記構成に係るCVD装置を使用してゲート用絶縁膜としての五酸化タンタル(Ta2 O5 )膜を形成する場合を具体例にして説明する。
【0026】
図1に示されているように、Ta2 O5 膜を形成しようとする二枚のウエハ4は処理室2において保持治具3に上下で平行に保持される。炉口側切換弁17Aまたは炉端側切換弁17B、第一開閉弁27および第二開閉弁28が開かれることによって、処理室2の内部が所定の真空度(例えば、10〜100Pa)に真空排気装置20によって真空排気される。また、処理室2の内部が所定の温度(例えば、約400℃)に全体にわたって均一にヒータ5によって加熱される。
【0027】
次いで、Ta2 O5 膜を形成するための原料ガスとして、ペンタエトキシタンタル〔Ta(OC2 H5 )5 。以下、PETaという。〕と酸素(O2 )との混合ガスが処理室2の内部に原料ガス供給装置13によって供給される。処理室2に流入した原料ガスは保持治具3に保持されたウエハ4に接触しながら処理室2を流れて、炉口側排気口15Aまたは炉端側排気口15Bから排気される。ウエハ4に接触した原料ガスは熱エネルギーによって化学反応が進んだ状態になっているため、原料成分によるCVD反応によってTa2 O5 膜がウエハ4に堆積(デポジション)される。
【0028】
ちなみに、CVD膜をウエハ4の全体にわたって均一に形成させるために、原料ガスの供給が炉口側ガス供給路11Aと炉端側ガス供給路11Bとの間で方向制御弁12によって適宜に切り換えられ、同時に、排気が炉口側排気路16Aと炉端側排気路16Bとの間で炉口側切換弁17Aと炉端側切換弁17Bとによって切り換えられる。なお、第三開閉弁29は閉じられており、排気ガスは迂回路26を流通しない状態になっている。
【0029】
一方、処理室2から排気される排気ガス中には、処理室で消費されなかった余分の原料ガス成分(例えば、PETa)およびCVD反応によって生成された反応生成物(例えば、Ta2 O5 )や副生成物等の物質が含まれている。処理室2から排気された排気ガスは炉口側排気路16Aまたは炉端側排気路16Bを経由してメイン排気路18を流通しコールドトラップ22に至り、コールドトラップ22において冷却される。排気ガスが冷却されると、排気ガス中の前記した物質は液化または固化するとともに、重力や遠心分離作用等によって排気ガスと分離されて捕集され、コールドトラップ22の回収部23内に回収される。
【0030】
所定の時間が経過すると、成膜シーケンス制御部の制御によって原料ガス供給装置13は原料ガスの供給を停止する。成膜シーケンス制御部の制御によってゲートバルブ6が開放され、成膜されたウエハ4がハンドリング装置(図示せず)によって処理室2から搬出される。続いて、次のウエハ4が処理室2に搬入される。以降、前述した成膜処理が繰り返される。
【0031】
以上の成膜処理が繰り返されることにより、コールドトラップ22の回収部23には前記した排気ガス中の物質である被捕集物が次第に蓄積されて行く。
【0032】
ところで、原料ガスの反応によって成膜される際には、ウエハ4の上だけでなく、処理室2の内面にも反応生成物や副生成物が付着する。この反応生成物や副生成物は前述した成膜処理が繰り返される度に処理室2に堆積して行き、堆積膜を形成する。堆積膜はある程度の厚みに達すると、剥離すること等により塵埃となって処理中のウエハ4に付着するため、製品不良の原因になる。
【0033】
そこで、本実施形態においては、堆積膜がある程度の厚みに達すると、処理室2の内部全体がドライクリーニングされることにより、処理室2の内面に堆積した堆積膜が除去される。以下、ドライクリーニング法について説明する。
【0034】
処理室2の内面に堆積した堆積膜(図示せず)の厚さが予め設定された所定の厚さに達すると、成膜シーケンス制御部によって成膜モードからドライクリーニングモードに切り換えられる。ちなみに、所定の厚さは堆積膜が剥離し易くなる厚みよりも小さい値であり、実験やコンピュータによる模擬試験および過去の実績データの解析等の経験的手法によって予め設定される。堆積膜の厚さは一回当たりの堆積厚さに処理回数を乗ずることにより求めることができる。また、堆積膜の厚さは膜厚測定装置によって測定してもよい。
【0035】
ドライクリーニングモードに切り換えられて、図2に示されているように、ウエハ4の処理室2への搬入が中断された後に、メイン排気路18の第一開閉弁27および第二開閉弁28が閉じられ、迂回路26の第三開閉弁29が開かれる。炉口側切換弁17Aまたは炉端側切換弁17Bが開かれると、迂回路26を通じて処理室2の内部が所定の真空度に真空排気装置20によって真空排気される。また、処理室2の内部が所定の温度に全体にわたって均一にヒータ5によって加熱される。
【0036】
次いで、エッチングガスとして三弗化塩素(ClF3 )ガスが処理室2の内部にエッチングガス供給装置14によって供給される。処理室2に流入したエッチングガスは処理室2の内面および保持治具3に接触しながら処理室2を流れて、炉口側排気口15Aまたは炉端側排気口15Bから排気される。処理室2の内面および保持治具3に接触したエッチングガスは熱エネルギーによって活性化された状態になっているため、処理室2の内面および保持治具3に堆積した堆積物がエッチング反応によって除去される。堆積膜はエッチングによって次第に除去されて行き、相対的に処理室2の内面および保持治具3がクリーニングされて行く。
【0037】
ちなみに、処理室2におけるエッチング反応を全体にわたって均一に起こさせるために、エッチングガスの供給が炉口側ガス供給路11Aと炉端側ガス供給路11Bとの間で方向制御弁12によって適宜に切り換えられ、同時に、排気が炉口側排気路16Aと炉端側排気路16Bとの間で炉口側切換弁17Aと炉端側切換弁17Bとによって切り換えられる。
【0038】
ドライクリーニングに際しては、メイン排気路18の第一開閉弁27および第二開閉弁28が閉じられているため、排気ガスはコールドトラップ22を流通することはない。したがって、図2に示されているように、ドライクリーニングの実施中にはコールドトラップ22をセルフシール継手25において取り外すことができる。取り外したコールドトラップ22に対しては回収部23が捕集した被捕集物の除去等の保守点検作業を、オフラインでドライクリーニング作業と同時進行的に実施することができる。ちなみに、被捕集物の除去は回収部23のカートリッジだけを取り外す作業等によっても実施することができる。
【0039】
以上のドライクリーニング工程が終了すると、エッチング制御部によってドライクリーニングモードから成膜モードに戻される。ちなみに、ドライクリーニングの終了時点すなわちエッチングの終点は実験やコンピュータによる模擬試験および過去の実績データの解析等の経験的手法によって予め設定してもよいし、堆積膜の膜厚測定装置や排気ガス中の成分測定装置等によって自動的に判定してもよい。
【0040】
以上説明したように、本発明によれば次のような効果が得られる。
【0041】
1) CVD装置のメイン排気路にコールドトラップを迂回する迂回路を接続することにより、ドライクリーニング工程の実施に際してエッチングガスをコールドトラップを迂回させて排気することができるため、エッチングガスがコールドトラップに捕集された被捕集物に接触するのを防止することができる。
【0042】
2) エッチングガスがコールドトラップの被捕集物に接触するのを防止することにより、その接触による発火等の二次的弊害を未然に防止することができる。
【0043】
3) エッチングガスがコールドトラップの被捕集物に接触するのを防止することにより、ドライクリーニング工程の実施前にコールドトラップの被捕集物を除去しなくても済むため、ドライクリーニング工程全体としての作業時間を短縮することができ、CVD装置の稼働効率を高めることができる。
【0044】
4) ドライクリーニング工程の作業時間を短縮することにより、その分、ドライクリーニングの実施頻度を高めることができるため、プロセスチューブの清浄度を常に高く維持することができ、その結果、CVD装置の処理の品質および性能を高めることができ、ひいては半導体装置の製造歩留りや品質を高めることができる。
【0045】
5) エッチングガスをコールドトラップを迂回させて排気することにより、ドライクリーニング工程の実施中にコールドトラップをメイン排気路から取り外してオフラインにてメンテナンスを実施することができるため、ドライクリーニング作業とコールドトラップのメンテナンス作業とを同時進行させることができ、その結果、ドライクリーニング工程全体としての作業時間をより一層短縮することができる。
【0046】
6) 排気路におけるトラップの上流側および下流側に第一開閉弁および第二開閉弁をそれぞれ介設することにより、コールドトラップが排気路から外された際に排気路から排気ガスが漏洩するのを防止することができる。
【0047】
図3は本発明の他の実施形態であるCVD装置を示す模式図である。
【0048】
本実施形態が前記実施形態と異なる点は、ドライクリーニング工程の実施に使用されるドライクリーニング用排気系30が成膜処理工程の実施に使用される処理用排気系21と別に設けられている点にある。すなわち、図3に示されているように、ドライクリーニング用排気系30は可変流量制御弁32および真空排気装置33を有したドライクリーニング用排気路31を備えており、ドライクリーニング用排気路31は処理用排気系21の炉口側排気路16Aおよび炉端側排気路16Bに排気路を開閉する開閉弁34および35を介してそれぞれ接続されている。
【0049】
本実施形態においては、ドライクリーニング工程が実施される際には、図3に示されているように、処理用排気系21が休止され、ドライクリーニング用排気系30が稼働される。本実施形態によれば、ドライクリーニング工程の実施に際して、エッチングガスが処理用排気系21のコールドトラップ22を流通しないため、前記実施形態と同様の作用および効果が奏されることになる。
【0050】
ところで、コールドトラップによって捕集し切れなかった被捕集物は処理用排気系21の真空排気装置20に捕集される可能性があり、ドライクリーニングに際してエッチングガスが当該真空排気装置20の被捕集物に接触すると、二次的弊害の発生が予想される。しかし、本実施形態によれば、ドライクリーニング専用の排気系30が使用されることにより、ドライクリーニング用のエッチングガスが処理用排気系21のコールドトラップ22だけでなく真空排気装置20に流れるのを回避することができるため、その真空排気装置20での二次的弊害の発生も防止することができる。
【0051】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々に変更が可能であることはいうまでもない。
【0052】
例えば、排気ガス中の物質を捕集するトラップとしては、コールドトラップを使用するに限らず、遠心分離装置や気液分離装置およびフィルタ等を使用してもよい。
【0053】
迂回路およびドライクリーニング用排気路にはドライクリーニング工程の排気ガス中の物質を捕集するためのトラップを介設してもよい。
【0054】
ドライクリーニングの対象となる堆積膜は、Ta2 O5 膜の形成処理によって生成されるものに限らず、その他のゲート用薄膜や多層配線用薄膜等の形成処理によって生成されるものであってもよい。
【0055】
ドライクリーニングに使用されるエッチングガスは、三弗化塩素に限らず、弗素(F2 )や弗化水素(HF)、三弗化窒素(NF3 )に弗素を添加した混合ガス等であってもよい。
【0056】
処理対象は半導体ウエハに限らず、液晶パネルやコンパクトディスク、磁気ディスク等であってもよい。
【0057】
前記実施形態では二枚葉減圧CVD装置およびそれを使用した成膜処理工程およびドライクリーニング工程について説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、バッチ式減圧CVD装置、枚葉式およびバッチ式の常圧CVD装置やプラズマCVD装置、また、エピタキシャル装置、スパッタリング装置、蒸着装置等の薄膜形成装置、さらには、ドライエッチング装置等並びにそれらを使用した処理工程にも適用することができる。要するに、本発明は処理が処理室で実施されて処理室の内部に堆積膜が形成される半導体製造装置全般および半導体装置の製造方法全般に適用することができる。
【0058】
【発明の効果】
以上説明した本発明によれば、ドライクリーニング工程の実施に際してエッチングガスがトラップに捕集された被捕集物に接触するのを防止することができるため、接触による反応が起こるのを未然に防止することができる。
【0059】
エッチングガスがトラップの被捕集物に接触するのを防止することにより、ドライクリーニング工程の実施前にトラップの被捕集物を除去しなくても済むため、ドライクリーニング工程全体としての作業時間を短縮することができ、半導体製造装置の稼働効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態であるCVD装置を示す模式図である。
【図2】本発明の一実施形態である半導体装置の製造方法におけるドライクリーニング工程を示すCVD装置の模式図である。
【図3】本発明の他の実施形態であるCVD装置を示す模式図である。
【符号の説明】
1…プロセスチューブ、2…処理室、3…保持治具、4…ウエハ(半導体ウエハ)、5…ヒータ、6…ゲートバルブ、7…炉口部材、8…炉端部材、9…ガス供給口、10A…炉口側ガス供給口部材、10B…炉端側ガス供給口部材、11A…炉口側ガス供給路、11B…炉端側ガス供給路、12…方向制御弁、13…原料ガス供給装置、14…エッチングガス供給装置、15A…炉口側排気口、15B…炉端側排気口、16A…炉口側排気路、16B…炉端側排気路、17A…炉口側切換弁、17B…炉端側切換弁、18…メイン排気路、19…可変流量制御弁、20…真空排気装置、21…処理用排気系、22…コールドトラップ(トラップ)、23…回収部、24…冷却水路、25…セルフシール継手、26…迂回路、27…第一開閉弁(上流側メイン排気路切換弁)、28…第二開閉弁(下流側メイン排気路切換弁)、29…第三開閉弁(迂回路切換弁)、30…ドライクリーニング用排気系、31…ドライクリーニング用排気路、32…可変流量制御弁、33…真空排気装置、34、35…開閉弁。
Claims (4)
- 原料ガスによる被処理物に対する処理が処理室の内部において繰り返し実施される処理工程と、前記処理室の内部に前記処理によって堆積した堆積膜がエッチングガスによって除去されるドライクリーニング工程とを備えている半導体装置の製造方法において、
前記処理工程では、前記処理室から排気される排気ガス中の物質を捕集するトラップが設けられた排気路によって前記原料ガスが排気され、
前記ドライクリーニング工程では、前記トラップを迂回するように前記排気路に接続された迂回路によって前記エッチングガスが排気されることを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 原料ガスによる被処理物に対する処理が処理室の内部において繰り返し実施される処理工程と、前記処理室の内部に前記処理によって堆積した堆積膜がエッチングガスによって除去されるドライクリーニング工程とを備えている半導体装置の製造方法において、
前記処理工程では、前記処理室から排気される排気ガス中の物質を捕集するトラップが設けられた処理用排気路によって前記原料ガスが排気され、
前記ドライクリーニング工程では、前記処理用排気路とは別に設けられたドライクリーニング用排気路によって前記エッチングガスが排気されることを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 原料ガスによる被処理物に対する処理が内部において繰り返し実施される処理室と、前記原料ガスを前記処理室に供給する原料ガス供給装置と、前記処理室の内部に前記処理によって堆積した堆積膜をエッチングするエッチングガスを前記処理室に供給するエッチングガス供給装置と、前記処理室を排気する排気路に介設されて前記処理の際に前記処理室から排気される排気ガス中の物質を捕集するトラップとを備えている半導体製造装置において、
前記トラップを迂回するように前記排気路に接続された迂回路と、前記原料ガスの供給時に前記トラップへの前記排気路を開き前記迂回路を閉じるとともに、前記エッチングガスの供給時に前記迂回路を開き前記トラップへの前記排気路を閉じる切換弁とを備えていることを特徴とする半導体製造装置。 - 原料ガスによる被処理物に対する処理が内部において繰り返し実施される処理室と、前記原料ガスを前記処理室に供給する原料ガス供給装置と、前記処理室の内部に前記処理によって堆積した堆積膜をエッチングするエッチングガスを前記処理室に供給するエッチングガス供給装置と、前記処理室に接続され前記処理の際に前記処理室を排気する処理用排気路と、前記処理用排気路に介設されて前記処理室から排気される排気ガス中の物質を捕集するトラップとを備えている半導体製造装置において、
前記処理室には、前記エッチングガスを排気するドライクリーニング用排気路が前記処理用排気路とは別に接続されていることを特徴とする半導体製造装置。
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