JP4127471B2 - 内燃機関の冷却系制御装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関で温められた冷却水を保温状態で貯溜してこれを次の始動前に内燃機関に供給する蓄熱器を備えた内燃機関の冷却系制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、車両用の内燃機関においては、始動時の早期暖機性能を高めて排気エミッション低減と燃費低減を実現するために、内燃機関の停止時に、それまでに内燃機関で温められた冷却水(温水)を蓄熱器に回収し、次の始動前に電動ポンプで蓄熱器内の温水を内燃機関に供給して内燃機関を予熱することで、内燃機関を早期に暖機することが提案されている(特開2001−132447号公報参照)。
【0003】
また、始動後に内燃機関の暖機が完了するまでは、内燃機関からの冷却水がラジエータに流れないようにするために、内燃機関とラジエータとをつなぐ冷却水循環回路中に、ラジエータと並列にバイパス流路を設けると共に、冷却水循環回路とバイパス流路との接続部分に、ラジエータへの流路とバイパス流路との間で冷却水の流れを切り換えるサーモスタットバルブを設け、冷却水の温度が暖機完了に相当する所定温度よりも低いときには、サーモスタットバルブによってラジエータへの流路を遮断してバイパス流路を開放し、内燃機関からの冷却水をバイパス流路に流して循環させるようにしたものがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、始動前に蓄熱器から内燃機関に温水を供給するときに、この温水が内燃機関から冷却水循環回路に流れ込んで、冷却水循環回路中に設置した水温センサの周辺に温水が流れてしまうと、始動時の水温センサの検出値の信頼性の低下を招く。すなわち、この場合には、水温センサが実際の内燃機関の温度よりも高温の温水の温度を検出してしまい、実際の内燃機関の温度がまだ低いのに、内燃機関の温度が高くなっていると誤検出されてしまう。このため、始動時に水温センサの検出値に基づいて燃料噴射量を補正すると、実際の内燃機関の温度よりも高い温度を基準にした噴射補正が行われてしまい、その結果、始動時の燃料噴射量が適正値よりも少なくなって、始動時の空燃比が目標空燃比よりもリーン側にずれてしまい、始動時の空燃比制御性が悪くなるという欠点が発生する。
【0005】
本発明は、このような欠点を解決することを目的とする発明であり、従って、本発明の目的は、始動時に冷却水循環回路中の水温センサが実際の内燃機関の温度よりも高温の温水の温度を検出することを防止して、始動時の水温センサの検出値の信頼性を向上することができる内燃機関の冷却系制御装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記第1の目的を達成するために、本発明の請求項1の内燃機関の冷却系制御装置は、内燃機関とラジエータとの間で冷却水を循環させる冷却水循環回路と、この冷却水循環回路中に前記ラジエータをバイパスするように設けられたバイパス流路と、内燃機関で温められた冷却水(以下「温水」という)を保温状態で貯溜してこれを次の始動前に内燃機関に供給する蓄熱器と、前記冷却水循環回路及び/又は前記バイパス流路に設けられたバルブを制御して始動前に前記蓄熱器から内燃機関に温水を供給するときに前記バルブを内燃機関から前記バイパス流路への冷却水の流れを遮断する状態に切り換える冷却水循環制御手段とを備えたものにおいて、冷却水の温度を検出する水温センサを、前記冷却水循環回路のうちの内燃機関の冷却水出口側で且つ前記蓄熱器からの温水が循環しない位置に設置、し、この水温センサにより検出された冷却水の温度に基づいて前記バイパス流路への冷却水の流れを制御すると共に、始動時に前記バイパス流路を開放して内燃機関から流出する冷却水を該バイパス流路に流して循環させ、燃料噴射制御手段によって、始動時に前記水温センサで検出した冷却水温に基づいて燃料噴射量を補正するようにしたものである。このようにすれば、始動前に蓄熱器から内燃機関に温水を供給するときに、その温水が水温センサの周辺に流れることを防止できるため、始動時に水温センサが実際の内燃機関の温度よりも高温の温水の温度を検出することを防止できて、始動時の水温センサの検出値の信頼性を向上することができる。
【0007】
更に、請求項1に係る発明では、始動時にバイパス流路を開放して内燃機関から流出する冷却水を該バイパス流路に流して循環させると共に、始動時に水温センサで検出した冷却水温に基づいて燃料噴射制御手段により燃料噴射量を補正するようにしている。つまり、始動時にバイパス流路を開放して内燃機関から流出する冷却水を該バイパス流路に流して循環させると、内燃機関から流出する冷却水を水温センサの周辺に流すことができるため、始動時に実際の内燃機関の温度に対応した冷却水温を水温センサで精度良く検出することができる。その結果、始動時に水温センサで検出した冷却水温に基づいて燃料噴射量を補正すれば、始動時に実際の内燃機関の温度に応じた燃料噴射量の補正を行うことができて、始動時の燃料噴射量を適正化することができ、始動時の空燃比制御性を向上することができる。
【0008】
また、請求項2,7のように、蓄熱器から内燃機関への温水供給開始から所定期間経過後の水温センサの検出値と温水供給開始前の水温センサの検出値との差に基づいて前記バルブが開き放しになる開固着の有無を開固着判定手段により判定するようにしても良い。もし、前記バルブの開固着が発生すると、始動前に蓄熱器から内燃機関に温水を供給するときに、その温水が内燃機関から冷却水循環回路中の水温センサの周辺に流れ込んでしまうため、その温水の影響を受けて、水温センサで検出する冷却水温が実際の内燃機関の温度よりも高くなってしまい、その結果、温水供給開始から時間が経過するに従って水温センサの検出値と温水供給開始前の水温センサの検出値との差が大きくなる。この関係から、温水供給開始からある程度の時間が経過した後の水温センサの検出値と温水供給開始前の水温センサの検出値との差が所定の開固着判定値よりも大きいか否かで、前記バルブの開固着の有無を判定することができる。
【0009】
この場合、請求項3,8のように、前記バルブが開固着していると判定された場合に、始動から所定期間が経過するまで、温水供給開始前の水温センサの検出値と始動後経過時間に基づいて冷却水温を推定し、その推定冷却水温に基づいて燃料噴射量を補正するようにすると良い。もし、前記バルブが開固着した状態になっていると、始動時の水温センサの検出値が始動前に蓄熱器から供給された温水の影響を受けて実際の内燃機関の温度よりも高い温度になっているため、温水供給開始前の水温センサの検出値と始動後経過時間に基づいて冷却水温を推定した方が水温センサの検出値よりも実際の内燃機関の温度に近い温度を求めることができる。従って、前記バルブが開固着している場合に、この推定冷却水温に基づいて燃料噴射量を補正すれば、水温センサの検出値に基づいて燃料噴射量を補正する場合と比べて、燃料噴射量を精度良く補正することができる。
【0010】
尚、前記バルブが開固着している場合でも、始動後の時間経過に伴って、内燃機関の温度が高くなるに従って、水温センサの検出値が実際の内燃機関の温度に近付いていくため、両者の温度差がある程度小さくなるまでの所定期間が経過した後は、推定冷却水温に代えて、水温センサの検出値を用いて燃料噴射量を補正するようにすれば良い。このようにすれば、前記バルブが開固着している場合に、推定冷却水温と水温センサの検出値とのうちの信頼性の高い方を用いて燃料噴射量を補正することができ、空燃比制御性の悪化を回避することができる。
【0011】
この場合、燃料噴射量の補正に用いる推定冷却水温と水温センサの検出値との切り換えのタイミングは、始動後の経過時間等で判断しても良いが、請求項4,9のように、前記バルブが開固着していると判定された場合に、推定冷却水温と始動後の前記水温センサの検出値との差が所定値以下になるまで推定冷却水温を用いて燃料噴射量を補正し、その後は、水温センサの検出値を用いて燃料噴射量を補正するようにしても良い。このようにすれば、始動後の内燃機関の運転状態や外気温等によって始動後の内燃機関の温度上昇速度が変化しても、それに応じた適正なタイミングで、燃料噴射量の補正に用いる冷却水温情報を推定冷却水温から水温センサの検出値に切り換えることができる。
【0012】
また、請求項のように、冷却水循環回路の冷却水の流れをラジエータとバイパス流路との間で切り換える機能又は両者の流量比を制御する機能を有する制御バルブと、バイパス流路中に設けたバイパスバルブとを備えたシステムにおいては、蓄熱器から内燃機関に温水を供給するときに、制御バルブをラジエータへの冷却水の流れを遮断する状態に維持し、且つ、バイパスバルブを閉弁してバイパス流路を遮断するようにすれば良い。この場合、制御バルブは、ラジエータとバイパス流路にそれぞれ流れる冷却水の流量比を制御することができる電磁バルブを用いても良いし、或は、ラジエータとバイパス流路との間で冷却水の流れを切り換える三方切換弁を用いても良い。いずれの場合も、バイパス流路中にバイパスバルブを設けることで、本発明を実現することができる。
【0013】
更に、請求項5に係る発明では、始動から所定期間経過後の水温センサの検出値と温水供給開始前(又は始動当初)の水温センサの検出値との差に基づいてバイパスバルブが閉じ放しになる閉固着の有無を閉固着判定手段により判定するようにすれば良い。もし、バイパスバルブの閉固着が発生すると、始動後も、始動前の内燃機関への温水供給中と同じく、バイパスバルブと制御バルブによってバイパス流路及びラジエータへの冷却水の流れが遮断された状態に維持されるため、始動からある程度の時間が経過して内燃機関の暖機が終了しても、内燃機関の冷却水が冷却水循環回路中の水温センサの周辺に流れず、水温センサの検出値が温水供給開始前(又は始動当初)の水温センサの検出値とあまり変化しない状態となる。そのため、バイパスバルブの閉固着発生時には、実際に内燃機関の暖機が終了しても、水温センサの検出値が暖機完了に相当する水温まで上昇しないため、暖機前と誤判定されてしまい、その結果、暖機後も、制御バルブによってラジエータへの流路が遮断された状態に維持されて、水温センサで検出する冷却水温の上昇が少ない状態が続くことになる。この関係から、始動から所定期間経過後の水温センサの検出値と温水供給開始前(又は始動当初)の水温センサの検出値との差が所定の閉固着判定値よりも小さいか否かで、バイパスバルブの閉固着の有無を判定することができる。
【0014】
この場合、請求項6,10のように、バイパスバルブが閉固着していると判定された場合には、制御バルブをラジエータに冷却水を流すように切り換えるようにすると良い。このようにすれば、バイパスバルブが閉固着している場合でも、その閉固着が検出された時点で、内燃機関から冷却水を冷却水循環回路中の水温センサの周辺に流すことができて、水温センサで実際の内燃機関の温度に対応した冷却水温を検出することができ、冷却水温の検出精度を確保することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。まず、図1に基づいて冷却系全体の構成を説明する。内燃機関であるエンジン11の冷却水通路(ウォータジャケット)の入口には、エンジン11の動力によって駆動される機械式ウォータポンプ12が設けられている。このエンジン11の冷却水通路の出口とラジエータ13の入口とが冷却水循環パイプ14によって接続され、ラジエータ13の出口と機械式ウォータポンプ12の吸込み口とが冷却水循環パイプ15によって接続されている。これにより、エンジン11の冷却水通路→冷却水循環パイプ14→ラジエータ13→冷却水循環パイプ15→機械式ウォータポンプ12→エンジン11の冷却水通路の経路で冷却水が循環する冷却水循環回路16が構成されている。
【0016】
この冷却水循環回路16には、ラジエータ13と並列にバイパス流路17が設けられ、このバイパス流路17の両端が冷却水循環パイプ14,15の途中に接続されている。そして、バイパス流路17と冷却水循環パイプ15との合流部に流量制御バルブ18(制御バルブに相当)が設けられている。この流量制御バルブ18は、ラジエータ13とバイパス流路17にそれぞれ流れる冷却水の流量比を制御することができる電磁バルブにより構成されている。更に、バイパス流路17の途中にはバイパスバルブ19が設けられている。このバイパスバルブ19は、例えば常開型の電磁バルブにより構成されており、単に開弁と閉弁とを切り換えるだけで、弁開度(バイパス流量)を制御する機能は持たない。
【0017】
また、エンジン11に対して、暖房用の温水回路20と蓄熱用の温水回路21とが並列に設けられている。暖房用の温水回路20中には、電磁バルブ22と暖房用のヒータコア23とが直列に接続され、蓄熱用の温水回路21中には、保温材(断熱材)で形成された保温構造の蓄熱器24と電動式ウォータポンプ25とが直列に接続されている。
【0018】
エンジン11の運転中に車室内を暖房するときは、電磁バルブ22を開放してエンジン11から流れ出る温水(冷却水)の一部をヒータコア23に流し、このヒータコア23の放熱によって空調装置(図示せず)の送風空気を加熱する。また、イグニッションスイッチ(以下「IGスイッチ」と表記する)をOFFしてエンジン11を停止させるときには、電動式ウォータポンプ25を起動してエンジン11内の温水を蓄熱器24内に回収し、保温状態で貯溜する。
【0019】
一方、冷却水温を検出する水温センサ26は、冷却水循環回路16のうちのエンジン11の冷却水出口側で且つ蓄熱器24からの温水が循環しない位置に設置されている。この水温センサ26の出力信号は、制御回路27(ECU)に入力される。この制御回路27は、マイクロコンピュータを主体として構成され、そのROM(記憶媒体)に記憶された図2乃至図4の冷却系制御ルーチンを実行することで、冷却系の各バルブ(流量制御バルブ18、バイパスバルブ19)の動作を制御すると共に、蓄熱用の温水回路21中の電動式ウォータポンプ25の起動/停止を制御する。
【0020】
ここで、図2乃至図4の冷却系制御ルーチンによる冷却系の制御の概要を図5のタイムチャートに基づいて説明する。運転者がIGスイッチをOFF位置からON位置に操作すると、バイパスバルブ19を閉弁してバイパス流路17を遮断した状態(バイパス流量=0%)にすると共に、流量制御バルブ18をラジエータ13の流路を遮断した状態(ラジエータ流量=0%)に維持し、且つ、電動式ウォータポンプ25を起動して、蓄熱器24内に貯溜されている温水をエンジン11内に図1に破線矢印で示すように始動後のエンジン11内の冷却水の循環方向とは逆方向に流してエンジン11を予熱する。
【0021】
その後、運転者がIGスイッチをON位置からスタート位置に操作してスタータ(図示せず)を起動してエンジン11を始動すると、エンジン回転速度Neが所定の始動完了回転速度(例えば400rpm)以上に上昇した時点で、エンジン11の始動が完了したと判断して、電動式ウォータポンプ25をOFFして、エンジン11への温水供給を終了する。
【0022】
尚、図5に示すように、エンジン11への温水供給開始からエンジン11の始動が完了するまでの時間が所定時間(例えば7秒間)を越えた場合は、まだ、エンジン11の始動が完了していなくても、エンジン11の冷却水通路が温水で満たされたと判断して、電動式ウォータポンプ25をOFFし、エンジン11への温水供給を終了する。
【0023】
そして、電動式ウォータポンプ25をOFFした時点(エンジン11への温水供給を終了した時点)で、バイパスバルブ19を開弁してバイパス流路17を開放する。この後は、エンジン11の暖機が完了するまで、エンジン11からバイパス流路17のみに冷却水を循環させ、暖機完了後は、水温センサ26で検出した冷却水温がエンジン運転状態に応じて設定された目標水温に一致するように流量制御バルブ18の制御量をフィードバック制御して、バイパス流路17への冷却水流量(バイパス流量)とラジエータ13への冷却水流量(ラジエータ流量)との流量比を制御する。
【0024】
尚、エンジン11の運転中に車室内を暖房するときは、暖房用の温水回路20中の電磁バルブ22を開放してエンジン11から流れ出る温水(冷却水)の一部をヒータコア23に流し、このヒータコア23の放熱によって空調装置(図示せず)の送風空気を加熱する。
【0025】
その後、運転者がIGスイッチをON位置からOFF位置に操作して、エンジン11の運転を停止すると、直ちに、蓄熱用の温水回路21中の電動式ウォータポンプ25を起動して、図1に破線矢印で示すようにエンジン11内の温水をエンジン運転中の冷却水の循環方向とは逆方向に流して、その温水を蓄熱器24内に回収する。これにより、次のエンジン始動時まで、蓄熱器24内に温水が保温状態で貯溜される。
【0026】
その後、蓄熱器24内への温水の回収を開始してから蓄熱器24内に十分な温水が蓄えられるまでの所定時間(例えば7秒間)が経過した時点で、電動式ウォータポンプ25を停止して、蓄熱器24内への温水の回収を終了する。
【0027】
以上説明した冷却系の制御を実行する図2乃至図4の冷却系制御ルーチンは、IGスイッチのON後に所定時間毎(例えば16m秒毎)に起動され、特許請求の範囲でいう冷却水循環制御手段としての役割を果たす。本ルーチンが起動されると、まずステップ101で、IGスイッチがOFF位置からON位置に操作された直後であるか否かを判定し、ON位置に操作された直後であれば、ステップ102に進み、水温センサ26で検出した現在の冷却水温THWを温水供給前の冷却水温THWint(冷却水温の初期値)としてセットし、次のステップ103で、電動式ウォータポンプ25の駆動フラグXEWPをON(駆動)にセットして、電動式ウォータポンプ25を起動し、蓄熱器24内に貯溜されている温水をエンジン11内に供給してエンジン11を予熱する。
【0028】
更に、次のステップ104で、常開型のバイパスバルブ19の駆動フラグXBIPをON(閉弁)にセットしてバイパスバルブ19を閉弁し、バイパス流路17を遮断し、続くステップ105で、流量制御バルブ18の制御量TQを0%にセットして、流量制御バルブ18をラジエータ13の流路を遮断する状態に維持する。これにより、始動前に蓄熱器24からエンジン11に供給される温水が冷却水循環回路16に流れ込むことを防止する。
【0029】
以上説明したステップ102〜105の処理は、IGスイッチがOFF位置からON位置に操作された直後に1回のみ実行する初期化処理であり、これ以外の時期に本ルーチンが起動されたときには、これらの初期化処理(ステップ102〜105)を飛び越してステップ106に進む。
【0030】
そして、このステップ106で、IGスイッチがONかOFFかを判別し、ONされていれば、ステップ107に進み、IGスイッチON後の経過時間をカウントするON時間カウンタCIGONをインクリメントし、次のステップ108で、IGスイッチOFF後の経過時間をカウントするOFF時間カウンタCIGOFFを0にリセットする。反対に、IGスイッチがOFFされていれば、ステップ109に進み、ON時間カウンタCIGONを0にリセットし、次のステップ110で、OFF時間カウンタCIGOFFをインクリメントする。
【0031】
この後、図3のステップ111に進み、ON時間カウンタCIGONのカウント値が所定時間(例えば7秒)以上になったか否かを判定することで、温水供給開始から所定時間(例えば7秒)以上経過したか否かを判定し、所定時間以上経過していれば、ステップ113に進み、電動式ウォータポンプ25の駆動フラグXEWPをOFF(停止)にセットして、電動式ウォータポンプ25を停止してエンジン11への温水供給を終了すると共に、常開型のバイパスバルブ19の駆動フラグXBIPをOFF(開弁)にセットしてバイパスバルブ19を開弁し、バイパス流路17を開放する。
【0032】
一方、ON時間カウンタCIGONのカウント値が所定時間(例えば7秒)に達していない場合は、ステップ111からステップ112に進み、エンジン回転速度Neが所定の始動完了回転速度(例えば400rpm)以上に上昇したか否かで、エンジン11の始動が完了したか否かを判定し、エンジン11の始動が完了したと判定されれば、ステップ113に進み、電動式ウォータポンプ25を停止して、エンジン11への温水供給を終了すると共に、バイパスバルブ19を開弁してバイパス流路17を開放する。
【0033】
上記ステップ111、112でいずれも「No」と判定されときに、エンジン11への温水供給中であれば、そのまま温水供給を継続し、IGスイッチのOFF直後であれば、後述する図4のステップ118以降の処理により、エンジン11内の温水を蓄熱器24内に回収する。
【0034】
上記ステップ113の処理によりエンジン11への温水供給を終了した場合は、ステップ114に進み、水温センサ26で検出した冷却水温THWが所定温度(例えば80℃)以上に上昇したか否かで、エンジン11の暖機が完了したか否かを判定し、暖機完了前と判定されれば、ステップ117に進み、流量制御バルブ18の制御量TQを0%にセットして、流量制御バルブ18をラジエータ13の流路を遮断する状態に維持する。これにより、暖機完了前は、エンジン11から流れ出る冷却水がラジエータ13を流れずにバイパス流路17を通って循環し、ラジエータ13で冷却水の温度が低下することが回避される。
【0035】
一方、上記ステップ114で、暖機完了後(冷却水温THW≧所定温度)と判定された場合は、ステップ115に進み、現在のエンジン運転状態(例えばエンジン回転速度Ne、吸入空気量GN)に応じてマップ又は数式により目標水温THWTGを算出する。この後、ステップ116に進み、水温センサ26で検出した冷却水温THWが目標水温THWTGに一致するように流量制御バルブ18の制御量TQをフィードバック制御する。これにより、暖機後は、水温センサ26で検出した冷却水温THWが目標水温THWTGよりも高ければ、ラジエータ13への冷却水流量(ラジエータ流量)を増加させてバイパス流路17への冷却水流量(バイパス流量)を減少させ、反対に、水温センサ26で検出した冷却水温THWが目標水温THWTGよりも低ければ、ラジエータ13への冷却水流量(ラジエータ流量)を減少させてバイパス流路17への冷却水流量(バイパス流量)を増加させるように流量制御バルブ18の制御量TQをフィードバック制御する。
【0036】
その後、図4のステップ118に進み、IGスイッチがON位置からOFF位置に操作された直後(エンジン停止直後)であるか否かを判定し、OFF位置に操作された直後であれば、ステップ119に進み、電動式ウォータポンプ25の駆動フラグXEWPをON(駆動)にセットして、電動式ウォータポンプ25を起動する。これにより、エンジン停止直後にエンジン11内の温水を蓄熱器24内に回収する。
【0037】
この後、ステップ120に進み、OFF時間カウンタCIGOFFのカウント値が所定時間(例えば7秒)以上になったか否かを判定することで、温水回収開始から所定時間(例えば7秒)以上経過したか否かを判定し、所定時間以上経過していれば、ステップ121に進み、電動式ウォータポンプ25の駆動フラグXEWPをOFF(停止)にセットして、電動式ウォータポンプ25を停止して、蓄熱器24への温水回収を終了する。
【0038】
また、制御回路27は、ROMに記憶された図6のバイパスバルブ開固着判定ルーチンを実行することで、エンジン11への温水供給開始から所定時間(例えば3〜7秒)経過後の水温センサ26の検出値THWと温水供給開始前の水温センサ26の検出値THWintとの差に基づいてバイパスバルブ19が開き放しになる開固着の有無を判定する。
【0039】
もし、バイパスバルブ19の開固着が発生すると、始動前に蓄熱器24からエンジン11に温水を供給するときに、その温水がエンジン11から冷却水循環回路16中の水温センサ26の周辺に流れ込んでしまうため、その温水の影響を受けて、水温センサ26で検出する冷却水温THWが実際のエンジン11の温度よりも高くなってしまう。その結果、バイパスバルブ19の開固着発生時には、図7に示すように、温水供給開始から時間が経過するに従って水温センサ26の検出値THWと温水供給開始前の水温センサ26の検出値THWint(正常時の冷却水温)との差が大きくなる。この関係から、温水供給開始からある程度の時間が経過した後の水温センサ16の検出値THWと温水供給開始前の水温センサ26の検出値THWintとの差(絶対値)が所定の開固着判定値よりも大きいか否かで、バイパスバルブ19の開固着の有無を判定することができる。
【0040】
尚、本実施形態では、開固着判定の信頼性を高めるために、温水供給開始から所定時間経過後に、水温センサ16の検出値THWと温水供給開始前の水温センサ26の検出値THWintとの差|THW−THWint|が所定の開固着判定値よりも大きいか否かを判定する処理を所定周期で繰り返し、その結果、|THW−THWint|が開固着判定値よりも大きいと判定される状態が所定回数連続したときに、バイパスバルブ19の開固着と判定して、バイパスバルブ開固着フラグを「1」にセットするようにしている。
【0041】
以上説明したバイパスバルブ19の開固着判定を実行する図6のバイパスバルブ開固着判定ルーチンは、IGスイッチのON後に所定時間毎(例えば16m秒毎)に起動され、特許請求の範囲でいう開固着判定手段としての役割を果たす。本ルーチンが起動されると、まずステップ201で、開固着判定実行条件が成立しているか否かを、図2のステップ107でインクリメントされるON時間カウンタCIGONのカウント値が例えば3秒から7秒までの範囲内で、且つ、始動前であるか否かによって判定する。つまり、エンジン11への温水供給開始後の経過時間が例えば3秒から7秒までの期間で、且つ、始動前であれば、開固着判定実行条件が成立し、それ以外の場合は、開固着判定実行条件が不成立となり、以降の処理を行うことなく、本ルーチンを終了する。
【0042】
一方、開固着判定実行条件が成立していれば、ステップ202に進み、現在の水温センサ16の検出値THWと温水供給開始前の水温センサ26の検出値THWintとの差|THW−THWint|が所定の開固着判定値よりも大きいか否かを判定し、|THW−THWint|が開固着判定値以下であれば、バイパスバルブ19の開固着が発生していないと判断して、ステップ203に進み、開固着カウンタを「0」にリセットし、次のステップ204で、バイパスバルブ開固着フラグを「0」にリセットして本ルーチンを終了する。
【0043】
これに対し、上記ステップ202で、|THW−THWint|が開固着判定値よりも大きいと判定された場合は、バイパスバルブ19の開固着が発生している可能性があるため、ステップ205に進み、開固着カウンタをインクリメントして、次のステップ206で、開固着カウンタの値が所定値を越えたか否かを判定する。その結果、開固着カウンタの値が所定値以下であれば、まだ、開固着と判定せずに本ルーチンを終了する。
【0044】
もし、ステップ206で、開固着カウンタの値が所定値を越えていると判定されれば、最終的に開固着と判断して、ステップ207に進み、バイパスバルブ開固着フラグを「1」にセットして本ルーチンを終了する。
【0045】
また、制御回路27は、ROMに記憶された図8のバイパスバルブ閉固着判定ルーチンを実行することで、始動から所定時間経過後の水温センサ26の検出値THWと温水供給開始前の水温センサ26の検出値THWintとの差に基づいてバイパスバルブ19が閉じ放しになる閉固着の有無を判定する。
【0046】
もし、バイパスバルブ19の閉固着が発生すると、図9に示すように、始動後も、始動前のエンジン11への温水供給中と同じく、バイパスバルブ19と流量制御バルブ18によってバイパス流路17及びラジエータ13への冷却水の流れが遮断された状態に維持されるため、始動からある程度の時間が経過してエンジン11の暖機が終了しても、エンジン11の冷却水が冷却水循環回路16中の水温センサ26の周辺に流れず、水温センサ26の検出値THWが温水供給開始前の水温センサ26の検出値THWintとあまり変化しない状態となる。そのため、バイパスバルブ19の閉固着発生時には、図9に示すように、実際にエンジン11の暖機が終了しても、水温センサ26の検出値THWが暖機完了に相当する水温まで上昇しないため、暖機前と誤判定されてしまい、その結果、暖機後も、流量制御バルブ18によってラジエータ13への冷却水の流れが遮断された状態に維持されて、水温センサ26で検出する冷却水温THWの上昇が少ない状態が続くことになる。この関係から、始動から所定時間経過後の水温センサ26の検出値THWと温水供給開始前の水温センサ26の検出値THWintとの差が所定の閉固着判定値よりも小さいか否かで、バイパスバルブ19の閉固着の有無を判定することができる。
【0047】
そして、バイパスバルブ19が閉固着していると判定された場合には、流量制御バルブ18をエンジン11からの冷却水が全てラジエータ13に流れるように強制的に切り換える。このようにすれば、バイパスバルブ13が閉固着している場合でも、その閉固着が検出された時点で、エンジン11から冷却水を冷却水循環回路16中の水温センサ26の周辺に流すことができて、水温センサ26で実際のエンジン11の温度に対応した冷却水温を検出することができる。
【0048】
尚、本実施形態では、閉固着判定の信頼性を高めるために、始動から所定時間(例えば10〜30秒)経過後に、水温センサ16の検出値THWと温水供給開始前の水温センサ26の検出値THWintとの差|THW−THWint|が所定の閉固着判定値よりも小さいか否かを判定する処理を所定周期で繰り返し、その結果、|THW−THWint|が閉固着判定値よりも小さいと判定される状態が所定回数連続したときに、バイパスバルブ19の閉固着と判定して、バイパスバルブ閉固着フラグを「1」にセットするようにしている。
【0049】
以上説明したバイパスバルブ19の閉固着判定を実行する図8のバイパスバルブ開固着判定ルーチンは、IGスイッチのON後に所定時間毎(例えば16m秒毎)に起動され、特許請求の範囲でいう閉固着判定手段としての役割を果たす。本ルーチンが起動されると、まずステップ301で、エンジン回転速度Neが所定の始動完了回転速度(例えば400rpm)以上に上昇し、且つスタータがOFFされたか否かによって、始動後であるか否かを判定し、始動後でないと判定されれば、ステップ302に進み、始動後の経過時間をカウントする始動後カウンタを「0」にリセットする。一方、始動後と判定されれば、ステップ303に進み、始動後カウンタをインクリメントする。
【0050】
この後、ステップ304に進み、始動後カウンタのカウント値(始動後の経過時間)が例えば10秒から30秒までの範囲内であるか否かによって、閉固着判定期間であるか否かを判定し、閉固着判定期間でなければ、以降の処理を行うことなく、本ルーチンを終了する。
【0051】
これに対し、閉固着判定期間であれば、ステップ305に進み、現在の水温センサ16の検出値THWと温水供給開始前の水温センサ26の検出値THWintとの差|THW−THWint|が所定の閉固着判定値よりも小さいか否かを判定し、|THW−THWint|が閉固着判定値以上であれば、バイパスバルブ19の閉固着が発生していないと判断して、ステップ306に進み、閉固着カウンタを「0」にリセットし、次のステップ307で、バイパスバルブ閉固着フラグを「0」にリセットして本ルーチンを終了する。
【0052】
これに対し、上記ステップ305で、|THW−THWint|が閉固着判定値よりも小さいと判定された場合は、バイパスバルブ19の閉固着が発生している可能性があるため、ステップ308に進み、閉固着カウンタをインクリメントして、次のステップ309で、閉固着カウンタの値が所定値を越えたか否かを判定する。その結果、閉固着カウンタの値が所定値以下であれば、まだ、閉固着と判定せずに本ルーチンを終了する。
【0053】
もし、ステップ309で、閉固着カウンタの値が所定値を越えていると判定されれば、最終的に閉固着と判断して、ステップ310に進み、バイパスバルブ閉固着フラグを「1」にセットすると共に、流量制御バルブ18の制御量TQを100%にセットして、流量制御バルブ18をエンジン11からの冷却水が全てラジエータ13に流れるように切り換える。
【0054】
また、制御回路27は、ROMに記憶された図10の燃料噴射制御ルーチンを実行することで、水温センサ26で検出した冷却水温又は推定水温に応じて燃料噴射量を補正して最終噴射量を求める。
【0055】
ところで、バイパスバルブ19が開固着した状態になっていると、図11に示すように、始動時の水温センサ26の検出値THWが蓄熱器24から供給される温水の影響を受けて実際のエンジン11の温度よりも高い温度になっているため、温水供給開始前の水温センサ26の検出値THWintと始動後経過時間に基づいて冷却水温を推定した方が水温センサ26の検出値THWよりも実際のエンジン11の温度に近い温度を求めることができる。従って、バイパスバルブ19が開固着している場合には、この推定冷却水温に基づいて燃料噴射量を補正すれば、水温センサ26の検出値THWに基づいて燃料噴射量を補正する場合と比べて、燃料噴射量を精度良く補正することができる。
【0056】
尚、バイパスバルブ19が開固着している場合でも、始動後の時間経過に伴って、エンジン11の温度が高くなるに従って、水温センサ26の検出値THWが実際のエンジン11の温度に近付いていくため、両者の温度差がある程度小さくなってからは、推定冷却水温に代えて、水温センサ26の検出値THWを用いて燃料噴射量を補正する。このようにすれば、バイパスバルブ19が開固着している場合に、推定冷却水温と水温センサ26の検出値THWとのうちの信頼性の高い方を用いて燃料噴射量を補正することができ、空燃比制御性の悪化を回避することができる。
【0057】
以上説明した燃料噴射制御を実行する図10の燃料噴射制御ルーチンは、IGスイッチのON後に所定時間毎(例えば16m秒毎)に起動され、特許請求の範囲でいう燃料噴射制御手段としての役割を果たす。本ルーチンが起動されると、まずステップ401で、前記図8のステップ301でインクリメントされる始動後カウンタのカウント値(始動後の経過時間)が所定時間K1以下であるか否かを判定する。ここで、所定時間K1は、エンジン11の冷却水出口側の冷却水温(以下「エンジン出口冷却水温」という)ETHWが温水供給開始前の水温センサ26の検出値THWintと等しいと仮定する期間を設定するためのものである。従って、始動後カウンタのカウント値が所定時間K1以下であれば、エンジン出口冷却水温ETHWとして温水供給開始前の水温センサ26の検出値THWintを用いる。
【0058】
これに対し、始動後カウンタのカウント値が所定時間K1を越えていれば、ステップ403に進み、バイパスバルブ開固着フラグが「1」であるか否かで、バイパスバルブ19の開固着が発生しているか否かを判定し、開固着が発生していない場合(バイパスバルブ開固着フラグ=0の場合)は、エンジン出口冷却水温ETHWと水温センサ26の検出値THWとがほぼ一致するため、ステップ406に進み、水温センサ26の検出値THWをそのままエンジン出口冷却水温ETHWとして用いる。
【0059】
一方、バイパスバルブ19の開固着が発生している場合(バイパスバルブ開固着フラグ=1の場合)は、エンジン出口冷却水温ETHWと水温センサ26の検出値THWとが一致しないため、ステップ404に進み、エンジン出口冷却水温ETHWを次式により推定する。
ETHW(i) =ETHW(i-1) +C
【0060】
ここで、ETHW(i) は今回のエンジン出口冷却水温推定値、ETHW(i-1) は前回のエンジン出口冷却水温推定値、Cは演算周期当たりの水温上昇量である。この演算周期当たりの水温上昇量Cは、演算処理の簡略化のために固定値としても良いが、エンジン運転状態、外気温、前回のエンジン出口冷却水温ETHW(i-1) 等に応じてマップ又は数式により演算周期当たりの水温上昇量Cを算出するようにしても良い。上式において、エンジン出口冷却水温ETHWの初期値は、ステップ402で記憶した温水供給開始前の水温センサ26の検出値THWintとなるため、上式によるエンジン出口冷却水温ETHWの推定は、温水供給開始前の水温センサ26の検出値THWintと始動後経過時間(始動後の演算回数)等に基づいて行われることになる。
【0061】
エンジン出口冷却水温ETHWの推定後、ステップ405に進み、▲1▼始動後カウンタのカウント値(始動後の経過時間)が所定時間K2以上になったか、又は、▲2▼推定したエンジン出口冷却水温ETHWと現在の水温センサ26の検出値THWとの差|ETHW−THW|が所定値以下になったか否かを判定する。ここで、所定時間K2は、バイパスバルブ19の開固着発生時にエンジン出口冷却水温ETHWと水温センサ26の検出値THWとの差が小さくなる(所定値以下になる)までに要する始動後経過時間であり、予め実験等で測定して設定されている。この所定時間K2は、演算処理の簡略化のために固定値としても良いが、エンジン運転状態、外気温等に応じてマップ又は数式により所定時間K2を算出するようにしても良い。
【0062】
上記ステップ405で、▲1▼始動後カウンタのカウント値が所定時間K2以上になった場合、又は、▲2▼推定したエンジン出口冷却水温ETHWと現在の水温センサ26の検出値THWとの差|ETHW−THW|が所定値以下になった場合のいずれかに該当すれば、エンジン出口冷却水温ETHWの推定を終了し、ステップ406に進み、水温センサ26の検出値THWをエンジン出口冷却水温ETHWとして用いる(つまりエンジン出口冷却水温ETHWを水温センサ26で検出する)。一方、上記ステップ405で、▲1▼、▲2▼のいずれにも該当しない場合は、ステップ404で推定したエンジン出口冷却水温ETHWをそのまま用いる。
【0063】
以上のようにしてエンジン出口冷却水温ETHWを推定値又は検出値のいずれかに決定した後、ステップ407に進み、エンジン出口冷却水温ETHWに基づいて燃料噴射量に対する補正係数efase1、efase2、FWLをマップ又は数式により算出する。
【0064】
この後、ステップ408に進み、燃料噴射量TAUを次式により算出する。
TAU=基本噴射量×α×(1+FWL+efase1+efase2)
ここで、基本噴射量は、エンジン運転状態(例えばエンジン回転速度、吸入空気量等)に応じてマップ等により算出される基本的な燃料噴射量である。αは、空燃比フィードバック補正係数、学習補正係数、加減速補正係数等の各種の補正係数である。
【0065】
尚、上記ステップ407では、エンジン出口冷却水温ETHWに応じて3種類の補正係数efase1、efase2、FWLを算出するようにしたが、これら3種類の補正係数を1つの補正係数に統合して算出するようにしても良い。
【0066】
以上説明した図2乃至図4の冷却系制御ルーチンによって、始動前に蓄熱器24内の温水をエンジン11に供給するときに、流量制御バルブ18とバイパスバルブ19によってラジエータ13及びバイパス流路17への冷却水の流れが遮断される。
【0067】
以上説明した本実施形態では、バイパス流路17中にバイパスバルブ19を設け、始動前に蓄熱器24内の温水をエンジン11に供給するときに、バイパスバルブ19を閉弁してバイパス流路17を遮断し、更に、ラジエータ13の流路を流量制御バルブ18によって遮断するようにしたので、始動前に蓄熱器24からエンジン11に供給した温水が冷却水循環回路16に流れ込むことを防止できて、温水による内エンジン11の予熱効果が低下するのを防止でき、始動時の早期暖機性能を向上することができる。
【0068】
しかも、始動前に蓄熱器24内の温水をエンジン11に供給するときに、その温水が冷却水循環回路16中の水温センサ26の周辺に流れることを防止できるため、始動前に水温センサ26の検出水温が上昇することを防止できて、始動時に水温センサ26が実際のエンジン11の温度よりも高温の温水の温度を検出することを防止でき、始動時の水温センサ26の検出値の信頼性を向上することができる。その結果、始動時に水温センサ26で検出した冷却水温に基づいて燃料噴射量を補正しても、始動時に空燃比が目標空燃比よりもリーンになってしまうことを防止できて、空燃比を目標空燃比付近で安定させることができ、エンジン回転変動を小さくできる。
【0069】
尚、従来の冷却系では、始動前に蓄熱器24からエンジン11に供給した温水が冷却水循環回路16に流れ込んで、冷却水循環回路16中に設置した水温センサ26の周辺に温水が流れてしまうため、図12に示すように、始動前から水温センサ26の検出水温が上昇して実際のエンジン11の温度よりも高温の温水の温度を検出してしまい、実際のエンジン11の温度がまだ低いのに、エンジン11の温度が高くなっていると誤検出されてしまう。このため、始動時に水温センサ26の検出値に基づいて燃料噴射量を補正すると、実際のエンジン11の温度よりも高い温度を基準にした噴射補正が行われてしまい、その結果、図12に示すように、始動時の燃料噴射量が適正値よりも少なくなって、始動時の空燃比が目標空燃比よりもリーン側にずれてしまい、空燃比が不安定でエンジン回転変動が大きくなるという欠点がった。
【0070】
一方、本実施形態では、蓄熱器24からエンジン11への温水の供給を開始してからある程度の時間が経過した後の水温センサ26の検出値と温水供給開始前の水温センサ26の検出値との差が所定の開固着判定値よりも大きいか否かで、バイパスバルブ19の開固着の有無を判定するようにしたので、バイパスバルブ19の開固着が発生したときに適宜のフェールセーフ処理を行うことができる。
【0071】
本実施形態では、バイパスバルブ19の開固着が発生すると、始動時の水温センサ26の検出値が始動前に蓄熱器24から供給された温水の影響を受けて実際のエンジン11の温度よりも高い温度になっていることを考慮して、バイパスバルブ19が開固着していると判定された場合に、始動から所定期間が経過するまで、温水供給開始前の水温センサ26の検出値と始動後経過時間に基づいて冷却水温を推定し、その推定冷却水温に基づいて燃料噴射量を補正するようにしたので、バイパスバルブ19の開固着発生時に水温センサ26の検出値に基づいて燃料噴射量を補正する場合と比べて、燃料噴射量を精度良く補正することができ、空燃比がリーン側にずれることを防止できる。
【0072】
また、本実施形態では、始動から所定期間経過後の水温センサ26の検出値と温水供給開始前の水温センサ26の検出値との差が所定の閉固着判定値よりも小さいか否かで、バイパスバルブ19の閉固着の有無を判定するようにしたので、バイパスバルブ19の閉固着が発生したときに適宜のフェールセーフ処理を行うことができる。
【0073】
この場合、バイパスバルブ19が閉固着していると判定されたときに、流量制御バルブ18をラジエータ13に冷却水を流すように強制的に切り換えるようにしたので、バイパスバルブ19が閉固着している場合でも、その閉固着が検出された時点で、エンジン11から冷却水を冷却水循環回路16中の水温センサ26の周辺に流すことができて、水温センサ26で実際のエンジン11の温度に対応した冷却水温を検出することができ、冷却水温の検出精度を確保することができる。
【0074】
尚、始動から所定期間経過後の水温センサ26の検出値と始動当初の水温センサ26の検出値との差が所定の閉固着判定値よりも小さいか否かで、バイパスバルブ19の閉固着の有無を判定するようにしても良い。
【0075】
また、本実施形態で用いた流量制御バルブ18は、ラジエータ13とバイパス流路17にそれぞれ流れる冷却水の流量比を制御することができる電磁バルブにより構成されているが、ラジエータ13とバイパス流路17との間で冷却水の流れを切り換える三方切換弁を用いても良い。
【0076】
或は、バイパスバルブ19を設ける代わりに、冷却水循環パイプ14中の水温センサ26の上流側又は下流側に電磁バルブを設け、始動前に蓄熱器24内の温水をエンジン11に供給するときに、この電磁バルブを閉弁することで、ラジエータ13及びバイパス流路17への冷却水の流れを遮断するようにしても良い。この場合は、バイパス流路17中にバイパスバルブ19を設ける必要はない。
【0077】
また、本実施形態で用いるバイパスバルブ19は、開弁と閉弁とを単純に切り換えることができれば良く、バイパスバルブ19の開度(バイパス流量)を制御する機能は必要としないが、バイパスバルブ19を開度制御可能な電磁バルブで構成した場合は、流量制御バルブ18に代えて、ラジエータ13の入口側又は出口側に開度制御可能な電磁バルブを設け、これら2個の開度制御可能な電磁バルブの開度を制御することで、本実施形態の流量制御バルブ18と同様の流量制御を行うようにしても良い。
【0078】
また、本実施形態では、運転者がIGスイッチをOFF位置からON位置に操作したときに、バイパスバルブ19を閉弁して、電動式ウォータポンプ25を起動して、蓄熱器24からエンジン11への温水の供給を開始するようにしたが、例えば、駐車中に車外から運転席のドアが開放されたとき(ドアスイッチのON時)に、バイパスバルブ19を閉弁して、電動式ウォータポンプ25を起動して蓄熱器24からエンジン11への温水の供給を開始するようにしても良く、要は、エンジン11が始動される可能性が高いことを何等かの方法で察知した時点で、エンジン11への温水供給を開始するようにすれば良い。
【0079】
また、本実施形態では、流量制御バルブ18を用いているが、流量制御バルブ18に代えてサーモスタットバルブを用いても良い。
その他、本発明は、上述した各種の機能の一部を省略して実施しても良いことは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における冷却系の構成を概略的に示すブロック図
【図2】冷却系制御ルーチンの処理の流れを示すフローチャート(その1)
【図3】冷却系制御ルーチンの処理の流れを示すフローチャート(その2)
【図4】冷却系制御ルーチンの処理の流れを示すフローチャート(その3)
【図5】冷却系制御ルーチンによる制御例を示すタイムチャート
【図6】バイパスバルブ開固着判定ルーチンの処理の流れを示すフローチャート
【図7】バイパスバルブの開固着発生時の制御例を示すタイムチャート
【図8】バイパスバルブ閉固着判定ルーチンの処理の流れを示すフローチャート
【図9】バイパスバルブの閉固着発生時の制御例を示すタイムチャート
【図10】燃料噴射制御ルーチンの処理の流れを示すフローチャート
【図11】燃料噴射制御ルーチンによる制御例を示すタイムチャート
【図12】本実施形態の効果を従来と比較して説明するためのタイムチャート
【符号の説明】
11…エンジン(内燃機関)、12…機械式ウォータポンプ、13…ラジエータ、16…冷却水循環回路、17…バイパス流路、18…流量制御バルブ(制御バルブ)、19…バイパスバルブ、23…ヒータコア、24…蓄熱器、25…電動式ウォータポンプ、26…制御回路(冷却水循環制御手段,燃料噴射制御手段,開固着判定手段,閉固着判定手段)。

Claims (10)

  1. 内燃機関とラジエータとの間で冷却水を循環させる冷却水循環回路と、この冷却水循環回路中に前記ラジエータをバイパスするように設けられたバイパス流路と、内燃機関で温められた冷却水(以下「温水」という)を保温状態で貯溜してこれを次の始動前に内燃機関に供給する蓄熱器と、前記冷却水循環回路及び/又は前記バイパス流路に設けられたバルブを制御して始動前に前記蓄熱器から内燃機関に温水を供給するときに前記バルブを内燃機関から前記バイパス流路への冷却水の流れを遮断する状態に切り換える冷却水循環制御手段とを備えた内燃機関の冷却系制御装置において、
    冷却水の温度を検出する水温センサを、前記冷却水循環回路のうちの内燃機関の冷却水出口側で且つ前記蓄熱器からの温水が循環しない位置に設置し、
    前記冷却水循環制御手段は、前記水温センサにより検出された冷却水の温度に基づいて前記バイパス流路への冷却水の流れを制御すると共に、始動時に前記バイパス流路を開放して内燃機関から流出する冷却水を該バイパス流路に流して循環させ、
    始動時に前記水温センサで検出した冷却水温に基づいて燃料噴射量を補正する燃料噴射制御手段を備えていることを特徴とする内燃機関の冷却系制御装置。
  2. 内燃機関とラジエータとの間で冷却水を循環させる冷却水循環回路と、この冷却水循環回路中に前記ラジエータをバイパスするように設けられたバイパス流路と、内燃機関で温められた冷却水(以下「温水」という)を保温状態で貯溜してこれを次の始動前に内燃機関に供給する蓄熱器と、前記冷却水循環回路及び/又は前記バイパス流路に設けられたバルブを制御して始動前に前記蓄熱器から内燃機関に温水を供給するときに前記バルブを内燃機関から前記バイパス流路への冷却水の流れを遮断する状態に切り換える冷却水循環制御手段とを備えた内燃機関の冷却系制御装置において、
    冷却水の温度を検出する水温センサを、前記冷却水循環回路のうちの内燃機関の冷却水出口側で且つ前記蓄熱器からの温水が循環しない位置に設置し、
    前記冷却水循環制御手段は、前記水温センサにより検出された冷却水の温度に基づいて前記バイパス流路への冷却水の流れを制御し、
    前記蓄熱器から内燃機関への温水供給開始から所定期間経過後の前記水温センサの検出値と温水供給開始前の前記水温センサの検出値との差に基づいて前記バルブが開き放しになる開固着の有無を判定する開固着判定手段を備えていることを特徴とする内燃機関の冷却系制御装置。
  3. 前記開固着判定手段で前記バルブが開固着していると判定された場合に、始動から所定期間が経過するまで、温水供給開始前の前記水温センサの検出値と始動後経過時間に基づいて冷却水温を推定し、その推定冷却水温に基づいて燃料噴射量を補正する手段を備えていることを特徴とする請求項に記載の内燃機関の冷却系制御装置。
  4. 前記開固着判定手段で前記バルブが開固着していると判定された場合に、始動後に温水供給開始前の前記水温センサの検出値と始動後経過時間に基づいて冷却水温を推定し、その推定冷却水温と始動後の前記水温センサの検出値との差が所定値以下になるまで推定冷却水温に基づいて燃料噴射量を補正する手段を備えていることを特徴とする請求項に記載の内燃機関の冷却系制御装置。
  5. 内燃機関とラジエータとの間で冷却水を循環させる冷却水循環回路と、この冷却水循環回路中に前記ラジエータをバイパスするように設けられたバイパス流路と、内燃機関で温められた冷却水(以下「温水」という)を保温状態で貯溜してこれを次の始動前に内燃機関に供給する蓄熱器と、前記冷却水循環回路及び/又は前記バイパス流路に設けられたバルブを制御して始動前に前記蓄熱器から内燃機関に温水を供給するときに前記バルブを内燃機関から前記バイパス流路への冷却水の流れを遮断する状態に切り換える冷却水循環制御手段とを備えた内燃機関の冷却系制御装置において、
    冷却水の温度を検出する水温センサを、前記冷却水循環回路のうちの内燃機関の冷却水出口側で且つ前記蓄熱器からの温水が循環しない位置に設置し、
    前記バルブは、前記冷却水循環回路の冷却水の流れを前記ラジエータと前記バイパス流路との間で切り換える機能又は両者の流量比を制御する機能を有する制御バルブと、前記バイパス流路中に設けたバイパスバルブとからなり、
    前記冷却水循環制御手段は、前記水温センサにより検出された冷却水の温度に基づいて前記バイパス流路への冷却水の流れを制御すると共に、前記蓄熱器から内燃機関に温水を供給するときに前記制御バルブを前記ラジエータへの冷却水の流れを遮断する状態に維持し、且つ、前記バイパスバルブを閉弁して前記バイパス流路を遮断し、
    始動から所定期間経過後の前記水温センサの検出値と温水供給開始前又は始動当初の前記水温センサの検出値との差に基づいて前記バイパスバルブが閉じ放しになる閉固着の有無を判定する閉固着判定手段を備えていることを特徴とする内燃機関の冷却系制御装置。
  6. 前記冷却水循環制御手段は、前記閉固着判定手段で前記バイパスバルブが閉固着していると判定された場合に、前記制御バルブを前記ラジエータに冷却水を流すように切り換えることを特徴とする請求項に記載の内燃機関の冷却系制御装置。
  7. 内燃機関とラジエータとの間で冷却水を循環させる冷却水循環回路と、この冷却水循環回路中に前記ラジエータをバイパスするように設けられたバイパス流路と、内燃機関で温められた冷却水(以下「温水」という)を保温状態で貯溜してこれを次の始動前に内燃機関に供給する蓄熱器と、前記冷却水循環回路及び/又は前記バイパス流路に設けられたバルブを制御して始動前に前記蓄熱器から内燃機関に温水を供給するときに前記バルブを内燃機関から前記バイパス流路への冷却水の流れを遮断する状態に切り換える冷却水循環制御手段とを備えた内燃機関の冷却系制御装置において、
    冷却水の温度を検出する水温センサを、前記冷却水循環回路のうちの内燃機関の冷却水出口側で且つ前記蓄熱器からの温水が循環しない位置に設置し、
    前記蓄熱器から内燃機関への温水供給開始から所定期間経過後の前記水温センサの検出値と温水供給開始前の前記水温センサの検出値との差に基づいて前記バルブが開き放しになる開固着の有無を判定する開固着判定手段を備えていることを特徴とする内燃機関の冷却系制御装置。
  8. 前記開固着判定手段で前記バルブが開固着していると判定された場合に、始動から所定期間が経過するまで、温水供給開始前の前記水温センサの検出値と始動後経過時間に基づいて冷却水温を推定し、その推定冷却水温に基づいて燃料噴射量を補正する手段を備えていることを特徴とする請求項に記載の内燃機関の冷却系制御装置。
  9. 前記開固着判定手段で前記バルブが開固着していると判定された場合に、始動後に温水供給開始前の前記水温センサの検出値と始動後経過時間に基づいて冷却水温を推定し、その推定冷却水温と始動後の前記水温センサの検出値との差が所定値以下になるまで推定冷却水温に基づいて燃料噴射量を補正する手段を備えていることを特徴とする請求項に記載の内燃機関の冷却系制御装置。
  10. 内燃機関とラジエータとの間で冷却水を循環させる冷却水循環回路と、この冷却水循環回路中に前記ラジエータをバイパスするように設けられたバイパス流路と、内燃機関で温められた冷却水(以下「温水」という)を保温状態で貯溜してこれを次の始動前に内燃機関に供給する蓄熱器と、前記冷却水循環回路及び/又は前記バイパス流路に設けられたバルブを制御して始動前に前記蓄熱器から内燃機関に温水を供給するときに前記バルブを内燃機関から前記バイパス流路への冷却水の流れを遮断する状態に切り換える冷却水循環制御手段とを備えた内燃機関の冷却系制御装置において、
    冷却水の温度を検出する水温センサを、前記冷却水循環回路のうちの内燃機関の冷却水出口側で且つ前記蓄熱器からの温水が循環しない位置に設置し、
    前記冷却水循環回路の冷却水の流れを前記ラジエータと前記バイパス流路との間で切り換える機能又は両者の流量比を制御する機能を有する制御バルブと、
    前記バイパス流路中に設けたバイパスバルブと、
    始動から所定期間経過後の前記水温センサの検出値と温水供給開始前又は始動当初の前記水温センサの検出値との差に基づいて前記バイパスバルブが閉じ放しになる閉固着の有無を判定する閉固着判定手段とを備え、
    前記冷却水循環制御手段は、前記蓄熱器から内燃機関に温水を供給するときに前記制御バルブを前記ラジエータへの冷却水の流れを遮断する状態に維持し、且つ、前記バイパスバルブを閉弁して前記バイパス流路を遮断する手段と、前記閉固着判定手段で前記バイパスバルブが閉固着していると判定された場合に、前記制御バルブを前記ラジエータに冷却水を流すように切り換える手段とを有することを特徴とする内燃機関の冷却系制御装置。
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