JP4127039B2 - フィードバック制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、制御対象の動作状態を目標動作状態に制御するためのフィードバック制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、電磁弁や電磁式のアクチュエータには、例えばその動力源としてリニアソレノイドが設けられており、電磁弁の開度やアクチュエータの変位量を調整する際には、その変位量を検出し、その検出変位量が目標変位量となるようにフィードバック制御が行われる。この変位量はリニアソレノイドを流れる電流値に基づいて検出することができるため、リニアソレノイドの通電電流値を検出し、その通電電流値が目標変位量に応じた目標電流値となるようにフィードバック制御が行われるようになっている。
【0003】
このような誘導性負荷に流れる電流をフィードバック制御する技術として、例えば特許文献1に示される制御装置が提案されている。この制御装置は、自動車に搭載された電磁弁に組み込まれたリニアソレノイド制御装置である。このリニアソレノイド制御装置において、制御CPUは例えばホストCPUから入力される目標電流値とリニアソレノイドに実際に流れた実電流値(検出電流値)との偏差に基づき、リニアソレノイドをデューティ駆動するためのデューティ比を算出するフィードバック演算を実行する。PWM信号出力回路は、制御CPUによって算出されたデューティ比に対応したPWM信号を所定の一定周期にて出力することで、スイッチング素子をデューティ駆動することによりリニアソレノイドを通電駆動する。また、リニアソレノイドの通電経路に設けられた電流検出用抵抗の両端電圧はA/D変換器にてA/D変換され、リニアソレノイドに流れた電流を表す検出電流値として、A/Dデータ受渡用RAMに入力される。制御CPUはPWM信号出力回路から出力されるPWM信号の一定周期よりも短い周期にてA/D変換器を起動させる。そして、制御CPUは、A/Dデータ受渡用RAMからPWM信号のm周期時間(mは整数)分の複数の検出電流値を取り込み、該取り込んだ検出電流値を算術平均することにより、m周期時間内の平均電流値を算出する。この後、制御CPUは、前記PWM信号の一定周期よりも長い所定周期毎に平均電流値と目標電流値とに基づきフィードバック演算を行い、PWM信号用のデューティ比を算出する。そして、このように算出された最新のデューティ比がPWM信号出力回路の各出力周期に反映されてそのデューティ比に応じたPWM信号が出力され、リニアソレノイドが通電駆動されることとなる。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−308107号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1の制御方法では、制御CPUによるフィードバック演算は、PWM信号の一定周期よりも長い所定周期にて実行されるため、PWM信号の複数の出力周期にわたって同一のデューティ比によるPWM信号が出力されることとなる。従って、デューティ比が保持されている期間においては、検出電流値が変化して平均電流値が変化しても新たなデューティ比の算出が行われず、前回のデューティ比に応じたPWM信号に基づいてリニアソレノイドが通電駆動されるため、リニアソレノイドの制御精度が低下するという問題がある。
【0006】
このような問題を解決するために、制御CPUによるフィードバック演算の周期をPWM信号の一定周期よりも短く設定して新たなデューティ比を算出し、その新たなデューティ比をPWM信号に反映させることが考えられる。ところが、この場合には制御CPUの演算処理負荷が大きくなるため、優先度の高い他の割込処理をも行うことができる演算処理能力の高い制御装置を用いたり、又はリニアソレノイド専用の制御装置を用いなければならず、これらの場合にはコストが高くなる。また、フィードバック演算をPWM信号の一定周期よりも短い周期で実行するものでは、その演算結果をPWM信号の各出力周期に反映させることができるものの、演算結果を反映させるまでの期間が長くなる。そのため、算出されたデューティ比が、PWM信号の出力タイミングにおいて必要とされる値とは異なってしまうおそれがあり、リニアソレノイドの制御精度が低下するという問題もある。
【0007】
本発明は、こうした問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、制御装置の演算処理負荷の増加を抑制しつつ、制御対象の制御精度を向上させることができるフィードバック制御装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
(1)請求項1に記載の発明は、制御対象の動作状態を検出し、該動作状態に対応して一定周期で変化する検出信号を出力する検出手段と、前記検出信号の前記一定周期に相当する前記検出信号の平均値を算出する平均値算出部と、前記制御対象の動作状態の目標値と、前記平均値とに基づいて前記制御対象の動作状態を目標値となるように制御するための制御指令値を算出するフィードバック演算部と、前記フィードバック演算部の制御指令値に基づいて前記制御対象を制御するための制御信号について、これをその出力周期である前記一定周期内において出力するもの、すなわち前記出力周期の前半期間において前記制御信号の出力を実行し、前記出力周期の後半期間において前記制御信号の出力を停止する出力手段と、前記検出手段の検出信号を前記一定周期よりも短いA/D変換周期毎に取り込み、この取り込んだ検出信号をデジタル値に変換するA/D変換手段と、前記A/D変換手段にて得られた前記検出信号の1周期時間分のデジタル値を順次記憶する記憶手段とを備えたフィードバック制御装置において、前記平均値算出部による前記平均値の算出は、前記記憶手段から取り込まれる前記検出信号の1周期時間分に相当するデジタル値に基づいて実行されるものであり、前記フィードバック演算部による前記制御指令値の算出は、前記出力手段の制御信号の出力時期に同期して実行され、且つ前記制御信号の出力周期の後半期間において実行され、且つ同後半期間において前記A/D変換手段を通じて実行される複数のA/D変換のうちの最後のA/D変換よりも前に実行されるものであることを要旨としている。
【0009】
この構成によれば、フィードバック演算部による制御指令値の算出処理は出力手段からの制御信号の出力時期に同期して実行されるため、制御指令値が出力手段の制御信号に反映されるまでの時間は一定となり、制御対象の制御精度が向上する。また、フィードバック演算は出力手段の制御信号の出力時期に同期して1回のみ実行されるため、演算処理負荷の増加を抑制することができる。また、この構成によれば、制御対象を制御するに当たって、フィードバック演算部が制御に用いる制御対象の動作状態を表すデジタル値が、検出信号に対して遅れを生じることはない。よって、制御対象の動作状態を示す平均値も検出信号に対して遅れがなく、制御指令値が良好に算出され、制御対象の制御精度が向上する。
【0010】
(2)請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のフィードバック制御装置において、前記フィードバック演算部による前記制御指令値の算出は、前記出力手段の制御信号の出力周期である前記一定周期の間に1回だけ実行されるものであることを要旨としている。
【0011】
(3)請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のフィードバック制御装置において、前記制御信号の出力時期に同期する前記制御指令値の算出時期は、少なくとも前記フィードバック演算部での演算に要する時間を含む時間だけ前記出力手段の制御信号の出力時期よりも早い時期に設定されることを要旨としている。
この構成によれば、フィードバック演算部によって算出された最新の制御指令値を出力手段の制御信号の出力時期に反映させることができ、制御対象の制御精度が向上する。
【0012】
(4)請求項4に記載の発明は、制御対象の動作状態を検出し、該動作状態に対応して一定周期で変化する検出信号を出力する検出手段と、前記検出信号の前記一定周期に相当する前記検出信号の平均値を算出する平均値算出部と、前記制御対象の動作状態の目標値と、前記平均値とに基づいて前記制御対象の動作状態を目標値となるように制御するための制御指令値を算出するフィードバック演算部と、前記フィードバック演算部の制御指令値に基づいて前記制御対象を制御するための制御信号について、これをその出力周期である前記一定周期内において出力するもの、すなわち前記出力周期の前半期間において前記制御信号の出力を実行し、前記出力周期の後半期間において前記制御信号の出力を停止する出力手段と、前記検出手段の検出信号を前記一定周期よりも短いA/D変換周期毎に取り込み、この取り込んだ検出信号をデジタル値に変換するA/D変換手段と、前記A/D変換手段にて得られた前記検出信号の1周期時間分のデジタル値を順次記憶する記憶手段とを備えたフィードバック制御装置において、前記平均値算出部による前記平均値の算出は、前記記憶手段から取り込まれる前記検出信号の1周期時間分に相当するデジタル値に基づいて実行されるものであり、前記フィードバック演算部による前記制御指令値の算出は、前記出力手段の制御信号の出力時期に同期して実行され、且つ前記制御信号の出力周期の後半期間において実行され、且つ同後半期間において前記A/D変換手段を通じて実行される複数のA/D変換のうちの最後のA/D変換よりも前に実行され、且つ少なくとも前記フィードバック演算部での演算に要する時間を含む時間だけ前記出力手段の制御信号の出力時期よりも早い時期に実行され、且つ前記出力手段の制御信号の出力周期である前記一定周期の間に1回だけ実行されるものであり、前記制御指令値の算出に際して前記平均値算出部により算出された前記平均値が前記フィードバック演算部に入力され、この入力された平均値と前記目標値とに基づいて前記制御指令値の算出が実行されることを要旨としている。
この構成によっても、請求項1に記載の発明の作用効果に準じた作用効果を奏することができるようになる。
【0013】
(5)請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載のフィードバック制御装置において、前記平均値算出部による前記平均値の算出は、前記検出信号の1周期時間分に相当するデジタル値であって、前記検出手段の検出信号に対して遅れを生じないものが前記記憶手段から取り込まれて実行されるものであることを要旨としている。
【0014】
(6)請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載のフィードバック制御装置において、前記フィードバック演算部による前記制御指令値の算出時期を前記出力手段の制御信号の出力時期に同期させて設定する設定部と、前記設定部によって設定された時期に前記フィードバック演算部による前記制御指令値の算出処理を実行させる起動部とを備えることを要旨としている。
この構成のように、設定部によってフィードバック演算部による制御指令値の算出時期を、出力回路の制御信号の出力時期に同期させて設定し、設定部によって設定された時期にフィードバック演算部による制御指令値の算出処理を実行させることができる。
【0015】
(7)請求項7に記載の発明は、請求項6に記載のフィードバック制御装置において、前記設定部による前記制御指令値の算出時期の同期は、前記出力手段の制御信号の出力が認識された際にそのときの時刻に対して所定の時間が加算され、この加算により得られた値に基づく前記制御指令値の算出時期の設定を通じて実行されるものであることを要旨としている。
(8)請求項8に記載の発明は、請求項7に記載のフィードバック制御装置において、前記所定の時間として、前記フィードバック演算部での演算に要する時間を前記出力手段の制御信号の出力周期である前記一定周期から減算したものが設定されることを要旨としている。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1は、本発明が適用されたリニアソレノイド制御装置10の構成を表すブロック図である。
【0017】
本実施形態のリニアソレノイド制御装置10は、自動車に搭載されたエンジンを目標状態に制御するために、エンジンに設けられたリニアソレノイド24を通電制御するとともに、エンジンの燃料噴射制御及び点火制御等の制御をも実施するものである。
【0018】
リニアソレノイド制御装置10には制御IC12が備えられている。この制御IC12は、例えば変速機コントロール用のCPUによって算出されたリニアソレノイド24に流すべき電流を表すデータ(目標電流値)に従い、リニアソレノイド24に流れる電流をフィードバック制御する。
【0019】
制御IC12は、制御CPU14とPWM信号出力回路16とデータ受渡用RAM18とを備えている。制御CPU14は、リニアソレノイド24をPWM信号にてデューティ駆動するための制御指令値としてのデューティ比を算出し、その検出結果をPWMデータ(駆動データ)としてPWM信号出力回路16に出力する。
【0020】
PWM信号出力回路16は、制御CPU14からリニアソレノイド24に対するPWMデータを読み込み、リニアソレノイド24をデューティ駆動するための制御信号としてのPWM信号SG1を生成する。また、PWM信号出力回路16はPWM信号SG1の出力開始時期に制御CPU14に対して割込信号WS1を出力するようになっている。
【0021】
一方、制御対象となるリニアソレノイド24は、バッテリの正極(電源電圧Vb)からバッテリの負極(グランド)に至る電源ライン中に配設されている。電源ラインにおけるリニアソレノイド24の電源Vb側には、スイッチング手段としてのFET22が設けられている。このFET22のゲート端子にはPWM信号SG1が入力される。PWM信号SG1がHレベルであるときにFET22はオン状態となり、バッテリからリニアソレノイド24への通電経路を通電させる。逆に、PWM信号SG1がLレベルであるときにFET22はオフ状態となり、リニアソレノイド24の通電経路を遮断する。
【0022】
また、リニアソレノイド24のグランド側には、検出手段としての電流検出用抵抗26が設けられている。つまり、所定の電位差を生じる電源ライン中に、誘導性負荷としてのリニアソレノイド24およびスイッチング素子としてのFET22が直列に接続され、この直列回路に対し電流検出用抵抗26が直列に接続されている。この抵抗26は、リニアソレノイド24に流れる電流を検出するためのものである。
【0023】
電流検出用抵抗26の両端はA/D変換器(A/D変換手段)28に接続されている。A/D変換器28は、制御CPU14から一定のA/D変換周期にて出力される起動信号KSに基づいて起動される。A/D変換器28は、制御CPU14によって起動される毎に、リニアソレノイド24に流れた電流を表す電流検出信号(電圧)を順に取り込んでデジタル値に変換し、A/D変換が完了すると制御CPU14に対して割込信号WS2を出力する。
【0024】
制御CPU14は、A/D変換器28から入力される割込信号WS2に基づいてA/D割込処理を実行する。このA/D割込処理では、A/D変換器28によって変換されたデジタル値をデータ受渡用RAM18に順次格納するとともに、データ受渡用RAM18に格納されたPWM信号SG1の1周期時間分に相当するデジタル値を平均することによりリニアソレノイド24に流れる通電電流の平均電流値を算出する。また、制御CPU14はこの平均電流値の算出処理の後に、A/D変換器28の次回の起動時刻の設定処理を行う。
【0025】
更に、制御CPU14は、PWM信号出力回路16から入力される割込信号WS1の出力時期に同期させて、前記リニアソレノイド24を制御するためのデューティ比の算出を行うようになっている。
【0026】
次に、リニアソレノイド制御装置10の作用を説明する。
図1に示されるように、制御CPU14での機能構成として、フィードバック(以下、F/B)演算部30と、割込時間設定部32と、F/B演算起動部34と、平均値算出部36とを有する。
【0027】
平均値算出部36は、A/D変換器28によって変換されたデジタル値をデータ受渡用RAM18に順次格納するとともに、データ受渡用RAM18に格納されたPWM信号SG1の1周期時間分に相当するデジタル値を平均することによりリニアソレノイド24に流れる平均電流値を算出する。
【0028】
F/B演算部30は、リニアソレノイド24の目標電流値と平均値算出部36によって算出された平均電流値とを入力し、この目標電流値と平均電流値とに基づいてリニアソレノイド24の通電電流が目標電流値となるように制御するためのデューティ比を算出する。
【0029】
割込時間設定部32は、PWM信号出力回路16の割込信号WS1に基づいて、フィードバック演算部30によるデューティ比の算出時期を、PWM信号出力回路16のPWM信号SG1の出力時期に同期するように設定する。
【0030】
割込時間設定部32での割込時間設定処理に関し、より詳しくは、図2に示すように、制御CPU14は、ステップ110で割込信号WS1に基づいてPWM信号出力回路16のPWM信号SG1の出力があったことを認識する。次に、ステップ120において、割込信号WS1が入力された時の現在時刻に対して所定時間αを加算することによりフィードバック演算部30によるデューティ比の算出時期を設定する。この所定時間αは、PWM信号SG1の出力周期ωから少なくともフィードバック演算部30の演算に要する実行時間βだけ減算した値に設定される。
【0031】
F/B演算起動部34は、割込時間設定部32によって設定された時刻になると、フィードバック演算部30によるデューティ比の算出処理を起動させる。F/B演算起動部34によるフィードバック演算部30の起動処理に関し、より詳しくは、図3に示すように、制御CPU14は、ステップ210でフィードバック演算部30を実行してPWM信号のデューティ比を算出し、ステップ220にてその算出したPWMデューティ比をレジスタに設定して処理を終了する。
【0032】
この図2、図3の処理を図式化したのが図4である。図4に示すように、PWM信号出力回路16の割込信号WS1が入力されると、そのときの現在時刻に対して所定時間αを加算することによりフィードバック演算部30の起動時間が設定される。そして、時間が経過してその設定された起動時間になると、フィードバック演算部30が起動されてPWM信号のデューティ比が算出される。
【0033】
さて、本実施の形態は、以下の効果がある。
・ フィードバック演算部30によるデューティ比の算出処理はPWM信号出力回路16からのPWM信号SG1の出力時期に同期して実行されるため、デューティ比がPWM信号出力回路16のPWM信号SG1に反映されるまでの時間は一定となり、リニアソレノイド24の制御精度が向上する。また、フィードバック演算部30によるフィードバック演算はPWM信号出力回路16のPWM信号SG1の出力時期に同期して1回のみ実行されるため、制御CPU14の演算処理負荷の増加を抑制することができる。
【0034】
・ リニアソレノイド24を制御するに当たって、フィードバック演算部30が制御に用いるデジタル値が、検出信号に対して遅れを生じることはない。よって、リニアソレノイド24の通電電流を示す平均電流値も検出信号に対して遅れがなく、デューティ比が良好に算出され、リニアソレノイド24の制御精度が向上する。
【0035】
・ フィードバック演算部30によって算出された最新のデューティ比をPWM信号出力回路16のPWM信号SG1の出力時期に反映させることができ、リニアソレノイド24の制御精度が向上する。
【0036】
なお、実施の形態は、次のように変更してもよい。
・ フィードバック演算部30の起動時間を設定する際の所定時間αを固定値と従って、他の優先度の高い割込処理の量に応じて所定時間αを可変とするようにしてもよい。
【0037】
・ 上記実施形態では、リニアソレノイド24のフィードバック制御装置に具体化したが、これに限定されず、制御対象の動作状態を検出して目標値となるようにフィードバック制御を行うものに具体化することができる。
【0038】
次に、上記各実施形態から把握できる他の技術的思想を、以下に記載する。
・ 制御対象の動作状態を検出手段にて検出して一定周期で変化する検出信号を出力する工程と、前記検出信号の前記一定周期に相当する前記検出信号の平均値信号を算出する平均値算出工程と、前記制御対象の動作状態の目標値と、前記平均値信号とに基づいて前記制御対象の動作状態を目標値となるように制御するための制御指令値を算出するフィードバック演算工程と、前記制御指令値に基づいて前記一定周期にて前記制御対象を制御するための制御信号を出力する出力工程と、を備えたフィードバック制御方法において、前記フィードバック演算工程を、前記出力工程における制御信号の出力時期に同期して実行させるようにしたことを特徴とするフィードバック制御方法。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されたリニアソレノイド制御装置の構成を表す機能ブロック図。
【図2】制御装置が実行する起動時間設定制御を示すフローチャート。
【図3】制御装置が実行するフィードバック演算処理を示すフローチャート。
【図4】フィードバック演算の実行タイミングを示す説明図。
【符号の説明】
12…制御IC、14…制御部としての制御CPU、16…出力手段としてのPWM信号出力回路、18…記憶手段としてのデータ受渡用RAM、24…リニアソレノイド、26…電流検出用抵抗、28…A/D変換器、30…フィードバック演算部、32…割込時間設定部、36…平均値算出部、WS1,WS2…割込信号、β…実行時間。
Claims (8)
- 制御対象の動作状態を検出し、該動作状態に対応して一定周期で変化する検出信号を出力する検出手段と、
前記検出信号の前記一定周期に相当する前記検出信号の平均値を算出する平均値算出部と、
前記制御対象の動作状態の目標値と、前記平均値とに基づいて前記制御対象の動作状態を目標値となるように制御するための制御指令値を算出するフィードバック演算部と、
前記フィードバック演算部の制御指令値に基づいて前記制御対象を制御するための制御信号について、これをその出力周期である前記一定周期内において出力するもの、すなわち前記出力周期の前半期間において前記制御信号の出力を実行し、前記出力周期の後半期間において前記制御信号の出力を停止する出力手段と、
前記検出手段の検出信号を前記一定周期よりも短いA/D変換周期毎に取り込み、この取り込んだ検出信号をデジタル値に変換するA/D変換手段と、
前記A/D変換手段にて得られた前記検出信号の1周期時間分のデジタル値を順次記憶する記憶手段と
を備えたフィードバック制御装置において、
前記平均値算出部による前記平均値の算出は、前記記憶手段から取り込まれる前記検出信号の1周期時間分に相当するデジタル値に基づいて実行されるものであり、
前記フィードバック演算部による前記制御指令値の算出は、前記出力手段の制御信号の出力時期に同期して実行され、且つ前記制御信号の出力周期の後半期間において実行され、且つ同後半期間において前記A/D変換手段を通じて実行される複数のA/D変換のうちの最後のA/D変換よりも前に実行されるものである
ことを特徴とするフィードバック制御装置。 - 請求項1に記載のフィードバック制御装置において、
前記フィードバック演算部による前記制御指令値の算出は、前記出力手段の制御信号の出力周期である前記一定周期の間に1回だけ実行されるものである
ことを特徴とするフィードバック制御装置。 - 請求項1または2に記載のフィードバック制御装置において、
前記制御信号の出力時期に同期する前記制御指令値の算出時期は、少なくとも前記フィードバック演算部での演算に要する時間を含む時間だけ前記出力手段の制御信号の出力時期よりも早い時期に設定される
ことを特徴とするフィードバック制御装置。 - 制御対象の動作状態を検出し、該動作状態に対応して一定周期で変化する検出信号を出力する検出手段と、
前記検出信号の前記一定周期に相当する前記検出信号の平均値を算出する平均値算出部と、
前記制御対象の動作状態の目標値と、前記平均値とに基づいて前記制御対象の動作状態を目標値となるように制御するための制御指令値を算出するフィードバック演算部と、
前記フィードバック演算部の制御指令値に基づいて前記制御対象を制御するための制御信号について、これをその出力周期である前記一定周期内において出力するもの、すなわち前記出力周期の前半期間において前記制御信号の出力を実行し、前記出力周期の後半期間において前記制御信号の出力を停止する出力手段と、
前記検出手段の検出信号を前記一定周期よりも短いA/D変換周期毎に取り込み、この取り込んだ検出信号をデジタル値に変換するA/D変換手段と、
前記A/D変換手段にて得られた前記検出信号の1周期時間分のデジタル値を順次記憶する記憶手段と
を備えたフィードバック制御装置において、
前記平均値算出部による前記平均値の算出は、前記記憶手段から取り込まれる前記検出信号の1周期時間分に相当するデジタル値に基づいて実行されるものであり、
前記フィードバック演算部による前記制御指令値の算出は、前記出力手段の制御信号の出力時期に同期して実行され、且つ前記制御信号の出力周期の後半期間において実行され、且つ同後半期間において前記A/D変換手段を通じて実行される複数のA/D変換のうちの最後のA/D変換よりも前に実行され、且つ少なくとも前記フィードバック演算部での演算に要する時間を含む時間だけ前記出力手段の制御信号の出力時期よりも早い時期に実行され、且つ前記出力手段の制御信号の出力周期である前記一定周期の間に1回だけ実行されるものであり、
前記制御指令値の算出に際して前記平均値算出部により算出された前記平均値が前記フィードバック演算部に入力され、この入力された平均値と前記目標値とに基づいて前記制御指令値の算出が実行される
ことを特徴とするフィードバック制御装置。 - 請求項1〜4のいずれか一項に記載のフィードバック制御装置において、
前記平均値算出部による前記平均値の算出は、前記検出信号の1周期時間分に相当するデジタル値であって、前記検出手段の検出信号に対して遅れを生じないものが前記記憶手段から取り込まれて実行されるものである
ことを特徴とするフィードバック制御装置。 - 請求項1〜5のいずれか一項に記載のフィードバック制御装置において、
前記フィードバック演算部による前記制御指令値の算出時期を前記出力手段の制御信号の出力時期に同期させて設定する設定部と、
前記設定部によって設定された時期に前記フィードバック演算部による前記制御指令値の算出処理を実行させる起動部とを備える
ことを特徴とするフィードバック制御装置。 - 請求項6に記載のフィードバック制御装置において、
前記設定部による前記制御指令値の算出時期の同期は、前記出力手段の制御信号の出力が認識された際にそのときの時刻に対して所定の時間が加算され、この加算により得られた値に基づく前記制御指令値の算出時期の設定を通じて実行されるものである
ことを特徴とするフィードバック制御装置。 - 請求項7に記載のフィードバック制御装置において、
前記所定の時間として、前記フィードバック演算部での演算に要する時間を前記出力手段の制御信号の出力周期である前記一定周期から減算したものが設定される
ことを特徴とするフィードバック制御装置。
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