JP4089092B2 - インジェクタ制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、エンジンに燃料を噴射供給するためのインジェクタ制御装置に係り、特に、インジェクタを定電流駆動する際に高電流と低電流に切り替え可能な2段定電流制御機能を有するインジェクタ制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、インジェクタの定電流制御において、特公平7−78374号公報に示すような2段定電流制御方式がある。これは、インジェクタへの通電による可動部の急激なバウンドにおいても確実な開弁を確保するための高電流と、閉弁を早くし、不要なエネルギー消費を抑えるため、保持するのに最低限必要な低電流とに切り替えるものである。
【0003】
この種の装置(車載用インジェクタ制御装置)の構成例を図9に示す。
図9において、インジェクタ301のソレノイド301aに対して、DC−DCコンバータ302とバッテリ電源とが接続され、駆動用IC303によりスイッチ304,305,306をオンすることによりDC−DCコンバータ302からの高エネルギーとバッテリ電源からの低エネルギーをインジェクタ301のソレノイド301aに供給できるようになっている。つまり、駆動用IC303は、図10に示すように、マイコン307からのエンジン運転状態に応じた噴射信号#1を入力して、各スイッチ304〜306をオン/オフ制御する。詳しくは、噴射信号#1に従い駆動用IC303はスイッチ306,304をオンしてコンデンサ302aの充電電圧をインジェクタ301のソレノイド301aに対して放出してインジェクタ301の開弁当初に大電流を流してインジェクタ301の開弁応答性を向上させるとともに、抵抗308により検出されるインジェクタ電流IINJ に応じてスイッチ305をオン/オフさせてインジェクタ301を高電流値Ic1で定電流駆動させてインジェクタ301への通電による可動部の急激なバウンドにおいても確実な開弁を確保する。その後に、保持するのに最低限必要な低電流値Ic2での定電流駆動に切り替えて、閉弁を早くし、不要なエネルギー消費を抑える。
【0004】
ここで、駆動用IC303は、噴射信号#1に対し一定時間T1の定電流値切り替え信号SG1を生成し、定電流値切り替えを行っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、エンジン運転に応じた噴射信号を連続して入力した時、高電流値Ic1での定電流制御中に通電が終了する場合(TQ<T1)と、低電流値Ic2での定電流制御中に通電が終了する場合(TQ>T1)では、閉弁時間が異なり不具合が生じる。詳しくは、インジェクタ301のばねによる閉弁が、高電流値Ic1の場合(TQ<T1)は残留エネルギーが大きいため、閉弁が遅れ噴射量が増加し、低電流値Ic2の場合(TQ>T1)は残留エネルギーが小さいため、閉弁が早く噴射量が減少する。従って、図11に示すように、計算上の噴射時間と実際の噴射量との関係において、燃料噴射量(噴射信号のオンレベルの期間TQ)を徐々に増加させていっても、定電流値切り替え付近で、噴射量が減少する。つまり、噴射時間と噴射量との関係において段差が形成されてしまう。このような噴射量の段差(窪み)は、乗り心地の悪化やスモーク、NOxの発生が大きくなるといった問題が発生する。
【0006】
なお、電流値切り替え前後で噴射量補正をかけることも可能だが、定電流値切り替え時間を駆動用IC303内で作っていたのでは、高・低どちらの電流から閉弁するのか不明のため、噴射量補正をかけることもできない。
【0007】
そこで、この発明の目的は、噴射終了が定電流値の切り替え付近であっても良好な噴射特性を確保することができるインジェクタ制御装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明によれば、ソレノイドに対して第1の所定電流値にて所定期間定電流制御し、所定期間後に第1の所定電流値よりも低い第2の所定電流値にて噴射量に応じた通電停止タイミングまで定電流制御するに際し、噴射量に応じた通電停止タイミングが所定期間の終わりとほぼ等しい時には、第1の所定電流値で定電流制御する期間が延長される。
よって、第1の所定電流値で定電流制御する期間の最適化を図って、噴射終了が定電流値の切り替え付近であっても、噴射特性に段差(窪み)がなくなり、良好な噴射特性を確保することができる。
請求項に記載の発明によれば、請求項1に記載のインジェクタ制御装置において、噴射量に応じた通電停止タイミングが所定期間よりも短いか、長いかが判断され、短いと判断した時は通電停止タイミングが早められ、または長いと判断されたときは通電停止タイミングが遅らされ、通電停止タイミングの最適化を図ることができる。
【0009】
ここで、請求項3に記載のように、請求項に記載のインジェクタ制御装置において、第2の所定電流値での適合により算出した噴射時間が所定時間よりも短いと、通電停止タイミングを早めるべく、前記噴射時間に所定値を減算するとよい。また、請求項4に記載のように、請求項に記載のインジェクタ制御装置において、第1の所定電流値での適合により算出した噴射時間が所定時間よりも長いと、通電停止タイミングを遅らせるべく、前記噴射時間に所定値を加算するとよい。
【0012】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
以下、この発明を具体化した第1の実施の形態を図面に従って説明する。
【0013】
本実施の形態は、車載用4気筒ディーゼルエンジンのコモンレール式燃料噴射システムとして具体化されるものであり、同燃料噴射システムにおいてコモンレール内で蓄圧された高圧燃料は、インジェクタの駆動に伴いディーゼルエンジンの各気筒に対して噴射供給される。
【0014】
図1は、本実施の形態におけるインジェクタ制御装置を示す電気回路図である。図1の装置は、エンジンの各気筒に対して燃料噴射を行うインジェクタ101,102,103,104と、これらインジェクタ101〜104を駆動する駆動回路(EDU:Electric Driver Unit)100と、この駆動回路100に接続されるECU(電子制御装置)200とを備える。ECU200は、CPU、各種メモリ等からなる周知のマイクロコンピュータを備え、エンジン回転数Ne、アクセル開度ACC、エンジン水温THWなど、各種センサにて検出されるエンジン運転情報に基づき気筒毎に噴射信号♯1〜♯4を生成して駆動回路100に出力する。また、ECU200は、2段定電流制御を行う際の定電流値切り替え信号SG1を生成して駆動回路100に出力する。
【0015】
インジェクタ101〜104は常閉式の電磁弁にて構成され、ソレノイド101a,102a,103a,104aを個々に備える。この場合、各ソレノイド101a〜104aが通電されると、図示しない弁体がリターンスプリングの付勢力に抗して開弁位置に移動し、燃料噴射が行われる。また、各ソレノイド101a〜104aの通電が遮断されると、弁体が元の閉弁位置に戻り、燃料噴射が停止される。
【0016】
本実施の形態では、全4気筒のインジェクタ101〜104を2気筒ずつに分け、インジェクタ101と103を同じ噴射グループとして駆動回路100の共通端子COM1に接続し、インジェクタ102と104を同じ噴射グループとして駆動回路100の共通端子COM2に接続している。
【0017】
インダクタL00は一端がバッテリ電源ライン(+B)に接続され、他端がトランジスタ(スイッチング素子)T00に接続されている。以下、トランジスタは全てスイッチング素子として使用される。トランジスタT00のゲート端子には自励式の発振回路110が接続され、この回路110の出力に応じてトランジスタT00がオン/オフする。また、トランジスタT00とGNDとの間には電流検出抵抗R00が接続されている。
【0018】
インダクタL00とトランジスタT00との間には、逆流防止用のダイオードD13を介してコンデンサC10の一端が接続されると共に、逆流防止用のダイオードD23を介してコンデンサC20の一端が接続されている。これらコンデンサC10,C20の他端はトランジスタT00と電流検出抵抗R00との接続点に接続されている。
【0019】
なお、コンデンサC10は、COM1側の噴射グループであるインジェクタ101,103専用のエネルギー蓄積コンデンサであり、コンデンサC20は、COM2側の噴射グループであるインジェクタ102,104専用のエネルギー蓄積コンデンサである。
【0020】
上記インダクタL00、トランジスタT00、電流検出抵抗R00、発振回路110、ダイオードD13,D23、コンデンサC10,C20によりDC−DCコンバータが構成されている。トランジスタT00がオン/オフされると、ダイオードD13,D23を通じてコンデンサC10,C20が充電される。これにより、各コンデンサC10,C20がバッテリ電圧+Bよりも高い電圧に充電される。かかる場合、電流検出抵抗R00により充電電流がモニタされつつ、発振回路110によりトランジスタT00がオン/オフされることで、コンデンサC10,C20が効率の良い周期で充電される。また、コンデンサC10,C20は常に満充電となっている。
【0021】
駆動用IC120には、#1〜#4の入力端子が接続され、駆動用IC120はこの各端子を通じてECU200から第1気筒(#1)〜第4気筒(#4)の各噴射信号を取り込む。また、駆動用IC120はECU200からの定電流値切り替え信号SG1を入力する。
【0022】
トランジスタT12,T22は、#1〜#4の噴射信号がオフ(論理ローレベル)からオン(論理ハイレベル)に反転するタイミングで一時的にオンとなり、コンデンサC10,C20の蓄積エネルギーをインジェクタ101〜104に供給(放出)するためのトランジスタである。より詳しくは、トランジスタT12はコンデンサC10と共通端子COM1との間に設けられ、駆動用IC120によりトランジスタT12がオンされると、コンデンサC10の蓄積エネルギーがCOM1側のインジェクタ101,103に供給される。また、トランジスタT22はコンデンサC20と共通端子COM2との間に設けられ、駆動用IC120によりトランジスタT22がオンされると、コンデンサC20の蓄積エネルギーがCOM2側のインジェクタ102,104に供給される。こうしたコンデンサC10,C20のエネルギー放出により、インジェクタの駆動電流として大電流が流れ、それに伴いインジェクタの開弁応答性が向上する。
【0023】
各インジェクタ101〜104のローサイドには、駆動回路100の端子INJ1,INJ2,INJ3,INJ4を介してトランジスタT10,T20,T30,T40が接続されており、駆動用IC120から#1〜#4の噴射信号が各々供給されると、その論理ハイレベルの噴射信号により当該トランジスタT10〜T40がオンとなる。トランジスタT10,T30とトランジスタT20,T40とは、各々同一の噴射グループを構成するものであり、それら各トランジスタはグループ毎に電流検出抵抗R10,R20を介して接地されている。電流検出抵抗R10,R20によりインジェクタ101〜104に流れる駆動電流が検出され、その検出結果が駆動用IC120に取り込まれる。
【0024】
COM1,COM2端子はそれぞれ、ダイオードD11,D21とトランジスタT11,T21とを介してバッテリ電源ライン(+B)に接続されている。かかる場合、駆動用IC120は、インジェクタ101〜104に流れる駆動電流に応じてトランジスタT11,T21をオン/オフ制御する。これにより、+Bからインジェクタ101〜104に定電流が供給される。ダイオードD12,D22は定電流制御のための帰還ダイオードであり、トランジスタT11,T21のオフ時にインジェクタ101〜104に流れる電流はダイオードD12,D22を介して還流される。
【0025】
実際の動作に際しては、駆動指令である噴射信号の立ち上がりと同時に先ずトランジスタT12またはT22がオンされ、インジェクタ101〜104の駆動電流としてコンデンサC10,C20のエネルギー放出により大電流が流れた後、引き続き、トランジスタT11またはT21を通じて定電流が流れ、噴射信号の立ち下がりに伴い同駆動電流が遮断される。なお、ダイオードD11,D21は、コンデンサC10,C20のエネルギー放出に際し、高電位となるCOM1,COM2端子から+B側への回り込みを防止するためのダイオードである。
【0026】
また、各インジェクタ101〜104のうち、一方の噴射グループを構成するインジェクタ101,103は、ダイオードD10,D30を介してコンデンサC10に接続されており、通電遮断に伴い当該インジェクタ101,103に発生する逆起電力エネルギーはダイオードD10,D30を介してコンデンサC10に回収される。また、他方の噴射グループを構成するインジェクタ102,104は、ダイオードD20,D40を介してコンデンサC20に接続されており、通電遮断に伴い当該インジェクタ102,104に発生する逆起電力エネルギーはダイオードD20,D40を介してコンデンサC20に回収される。
【0027】
また、ECU200から駆動用IC120に対し噴射信号♯1〜♯4と定電流値切り替え信号SG1が出力されるが、ECU200では切り替え信号SG1に基づいて噴射終了時刻を補正する(詳細は後記する)。
【0028】
次に、本実施の形態における作用を、図2のタイムチャートおよび図3のフローチャートを用いて説明する。
図2においては、定電流値切り替え信号SG1と、第1気筒の噴射信号#1と、電流検出抵抗R10により検出した駆動電流(INJ1電流)と、端子INJ1の電位を示している。
【0029】
この図2において、2段定電流制御を行う際の様子が表されている。つまり、INJ1電流に着目したとき、ソレノイドに対して先ず第1の所定電流値(例えば10アンペア)にて所定期間T1だけ定電流制御される。これにより、インジェクタへの通電による弁体の急激なバウンドに対しても確実なる開弁を確保できる。この後に、第1の所定電流値よりも低い第2の所定電流値(例えば5アンペア)にて噴射量に応じた通電停止タイミングt3まで定電流制御される。これにより、閉弁が早くなり、また、不要なエネルギー消費が抑えられる。この2段定電流制御の際の電流値の切り替えのために信号SG1が使用される。つまり、図2においては、両信号SG1,#1は同時にオンし、信号SG1は所定時間T1が経過したらオフし、噴射信号#1は噴射量に応じた時間TQが経過したらオフする。ここで、信号SG1がオンの時、インジェクタ電流は高電流(例えば10アンペア)に、また、信号SG1がオフで、かつ噴射信号#1がオンの時、低電流(例えば5アンペア)に制御される。さらに、図2において、噴射信号#1のオン時間TQが定電流値切り替え信号SG1のオン時間T1より長い場合(TQ>T1)を実線にて示すとともに、逆に、オン時間TQがオン時間T1より短い場合(TQ<T1)を一点鎖線にて示す。
【0030】
一方、ECU200は、図3に示す信号処理を実行しており、このフローチャートに従った処理によってECU200から駆動用IC120への信号が生成される。
【0031】
ECU200はステップ100において、多段定電流制御のうちの低電流値(5アンペア)で適合された噴射量を演算し、遮断電流値Icを5アンペアとした噴射時間TQを算出する。そして、ECU200はステップ101において噴射時間TQと所定時間T1を比較して噴射時間TQが所定時間T1より短いか否か判定する。噴射時間TQが所定時間T1より短いと、ECU200はステップ102において噴射時間TQに所定値αを減算し、これを新たな噴射時間TQとして更新する。ここでのα値は、図2に示すように、10アンペアからの閉弁遅れ量τ1と、5アンペアからの閉弁遅れ量τ2の差分(=τ1−τ2)である。その結果、図2の通電停止タイミングt3’は早められることになる。また、ステップ101で噴射時間TQが所定時間T1より長いと、ECU200はステップ102の処理を迂回する。
【0032】
ECU200はステップ102または101を実行した後、本処理を終了する。
そして、図2に示すように、ECU200からの噴射信号#1〜#4と定電流値切り替え信号SG1が駆動用IC120に同時に入力されると、t1のタイミングで噴射信号に対応したトランジスタT10,T20,T30,T40がオンすると同時に、噴射信号#1又は#3が入力された時はトランジスタT12を、#2,#4が入力された時は、トランジスタT22を短時間オンし、コンデンサC10,C20に蓄積されたエネルギーを放出し、インジェクタに大電流を流すことで開弁を早める。
【0033】
つまり、図2の噴射前において、コンデンサC10,C20は満充電の状態にあり、t1のタイミングで#1の噴射信号がオンに立ち上げられると、トランジスタT10がオンすると共に、それと同時にトランジスタT12がオンし、インジェクタ101による噴射が開始される。トランジスタT12がオンした後において通電電流値(INJ1電流)が所定の値I0 になると、1回の噴射に必要な所定のエネルギーを放出したとしてトランジスタT12がオフする。
【0034】
コンデンサC10のエネルギー放出後は、それに引き続いてトランジスタT11がオン/オフ制御され、ダイオードD11を介してインジェクタ101に定電流が供給される。すなわち、電流検出抵抗R10により検出した駆動電流(INJ1電流)に応じて駆動用IC120がトランジスタT11をオン/オフし、その駆動電流を所定値(例えば10アンペア)に保持する。つまり、抵抗R10(R20)によりインジェクタの電流値を検出し、トランジスタT11(T21)をオン/オフさせることで、定電流制御を行う。
【0035】
さらに、図2のt2のタイミングにおいて、ECU200からの定電流値切り替え信号SG1により、抵抗R10,R20による電流検出値のスレッシュレベルを切り替えて定電流値(例えば5アンペア)を変更する。これにより、インジェクタ101は開弁状態で保持される。
【0036】
その後、t3のタイミングにおいて、#1の噴射信号がオフされると、トランジスタT10がオフしてインジェクタ101が閉弁し、同インジェクタ101による噴射が終了される。インジェクタ101の通電遮断時に発生する逆起電力エネルギーはダイオードD10を通じてコンデンサC10に回収される。このとき、噴射開始時にエネルギー放出を行ったのと同じコンデンサC10でエネルギーが回収される。
【0037】
以後、同様にしてエンジン運転に応じた噴射信号が連続して生成され、インジェクタによる燃料噴射が行われる。
このようにして燃料噴射が行われるわけであるが、図3の処理の実行にて、噴射信号♯1〜♯4に補正をかけることにより、図11の場合には噴射終了が定電流値切り替え付近であると噴射特性に段差が発生したが、本実施形態では、図4に示すように、噴射終了が定電流値切り替え前後でも、閉弁遅れによる噴射量差がなくなる。
【0038】
このように、本実施の形態は下記の特徴を有する。
(イ)ECU200から噴射信号♯1〜♯4と定電流値切り替え信号SG1を出力するようにし、図3の処理の実行にて、切り替え信号に応じて噴射終了時刻(図2のt3’のタイミング)を補正するようにした。つまり、噴射量に応じた通電停止タイミングが所定期間よりも短いかを判断し、短いと判断した時は通電停止タイミングを早めるようにした。よって、通電停止タイミングの最適化を図って、噴射終了が定電流値の切り替え付近であっても、良好な噴射特性を確保することができる。その結果、乗り心地を向上させることができるとともにスモーク、NOx の発生を抑制できる。
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態を、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0039】
図3に代わる補正方法として、本例では、図5に示すフローを実行している。ECU200はステップ200において、多段定電流制御のうちの高電流値(10アンペア)で適合された噴射量を演算し、遮断電流値Icを10アンペアとした噴射時間TQを算出する。そして、ECU200はステップ201において、噴射時間TQと所定時間T1を比較して噴射時間TQが所定時間T1より長いか否か判定する。噴射時間TQが所定時間T1より長いと、ECU200はステップ202において噴射時間TQに所定値αを加算し、これを新たな噴射時間TQとして更新する。その結果、図2の通電停止タイミングt3は遅くなる。また、ステップ201で噴射時間TQが所定時間T1より短いと、ECU200はステップ202の処理を迂回する。
【0040】
ECU200はステップ202または201を実行した後、本処理を終了する。
このように、噴射信号♯1〜♯4に補正をかけることにより、図6に示すように、噴射終了が定電流値切り替え前後でも、閉弁遅れによる噴射量差がなくなる。
【0041】
以上のごとく、噴射量に応じた通電停止タイミングが所定期間よりも長いかを判断し、長いと判断したときは通電停止タイミングを遅らせることによっても、通電停止タイミングの最適化を図って、噴射終了が定電流値の切り替え付近であっても、良好な噴射特性を確保することができる。
(第3の実施の形態)
次に、第3の実施の形態を説明する。
【0042】
本例では、図7に示すフローを実行している。噴射量を演算して噴射時間TQを算出した後において、ECU200はステップ300で噴射時間TQと所定時間T1の差の絶対値が所定値γより小さいか否か判断する。つまり、図2の通電停止タイミングt3,t3’が所定期間T1の終わりとほぼ等しいか否か判定する。そして、|TQ−T1|が所定値γより小さいと、ECU200はステップ301でT1値に補正値ΔT1を加算し、これを新たなT1値として更新する。つまり、図2の10アンペアでの定電流制御期間T1を延長する。その結果、噴射特性が図8のようになる。
【0043】
このように、噴射終了時、高低どちらの電流値となるか不定の場合、切り替え信号を延長させて、高電流値からの通電カットをすることで、確実な補正で良好な噴射量制御を行うことができる。
【0044】
なお、本例は、第1もしくは第2の実施形態と併用が可能である。
このように、本実施の形態は下記の特徴を有する。
(イ)噴射量に応じた通電停止タイミングが所定期間の終わりとほぼ等しい時には、第1の所定電流値で定電流制御する期間を延長するようにした。よって、第1の所定電流値で定電流制御する期間の最適化を図って、噴射終了が定電流値の切り替え付近であっても、噴射特性に段差(窪み)がなくなり、良好な噴射特性を確保することができる。その結果、乗り心地を向上させることができるとともにスモーク、NOx の発生を抑制できる。
【0045】
なお、これまでの説明ではディーゼルエンジンのインジェクタの制御装置に適用したが、ガソリンエンジンのインジェクタの制御装置に適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態におけるインジェクタ制御装置を示す電気回路図。
【図2】 作用説明のためのタイムチャート。
【図3】 第1の実施の形態の作用説明のためのフローチャート。
【図4】 第1の実施の形態の作用説明のための噴射特性図。
【図5】 第2の実施の形態の作用説明のためのフローチャート。
【図6】 第2の実施の形態の作用説明のための噴射特性図。
【図7】 第3の実施の形態の作用説明のためのフローチャート。
【図8】 第3の実施の形態の作用説明のための噴射特性図。
【図9】 従来技術を説明するためのインジェクタ制御装置の構成例を示す図。
【図10】 従来技術を説明するためのタイムチャート。
【図11】 従来技術を説明するための噴射特性図。
【符号の説明】
101,102,103,104…インジェクタ、101a,102a,103a,104a…ソレノイド、120…駆動用IC、200…ECU、C10,C20…コンデンサ、R10,R20…抵抗、T10,T20,T30,T40…トランジスタ、T12,T22…トランジスタ。

Claims (4)

  1. 内燃機関に燃料を供給するインジェクタに備えられ、このインジェクタを開弁させるためのソレノイドに対して先ず第1の所定電流値にて所定期間定電流制御し、所定期間後に第1の所定電流値よりも低い第2の所定電流値にて噴射量に応じた通電停止タイミングまで定電流制御するインジェクタ制御装置において、
    前記噴射量に応じた通電停止タイミングが前記所定期間の終わりとほぼ等しい時には、前記第1の所定電流値で定電流制御する期間を延長することを特徴とするインジェクタ制御装置。
  2. 請求項1に記載のインジェクタ制御装置において、
    前記噴射量に応じた通電停止タイミングが前記所定期間よりも短いか、長いかを判断し、短いと判断した時は前記通電停止タイミングを早める、または長いと判断したときは前記通電停止タイミングを遅らせることを特徴とするインジェクタ制御装置。
  3. 請求項に記載のインジェクタ制御装置において、
    第2の所定電流値での適合により算出した噴射時間が所定時間よりも短いと、通電停止タイミングを早めるべく、前記噴射時間に所定値を減算するインジェクタ制御装置。
  4. 請求項に記載のインジェクタ制御装置において、
    第1の所定電流値での適合により算出した噴射時間が所定時間よりも長いと、通電停止タイミングを遅らせるべく、前記噴射時間に所定値を加算するインジェクタ制御装置。
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