JP5029663B2 - 燃料噴射制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、コイルへの通電によって開弁する電磁ソレノイド式のインジェクタを駆動する燃料噴射制御装置に関するものである。
車両に搭載された内燃機関の各気筒にそれぞれ燃料を噴射供給するインジェクタ(燃料噴射弁)としては、コイルへの通電により開弁する電磁ソレノイド式のインジェクタが知られている。そして、このようなインジェクタを駆動して燃料噴射を制御する燃料噴射制御装置は、コイルへの通電タイミング及び通電時間を制御することにより、内燃機関への燃料噴射時期及び燃料噴射量を制御している。
また、こうした燃料噴射制御装置としては、昇圧回路によりコンデンサを充電電圧が目標値となるように充電すると共に、コイルへの通電期間の開始時には、そのコンデンサからコイルへ放電させてインジェクタを速やかに開弁させ、コイルへの放電電流が所定のピーク値に達したことを検知すると、コンデンサからの放電を停止して、その後は通電期間が終了するまで、コイルに上記ピーク値よりも小さい一定電流を流すことでインジェクタの開弁状態を維持し、通電期間が終了すると、コイルへの通電を停止してインジェクタを閉弁させるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
ところで、直噴式ガソリンエンジンやコモンレール式ディーゼルエンジン用の燃料噴射制御装置では、各気筒の1行程において複数回燃料を噴射する、いわゆる多段噴射を実施する場合がある。
そして、この種の燃料噴射制御装置において、多段噴射が実施される場合には、図10(A)に示すように、噴射間隔が短くなってコンデンサの放電間隔も短くなる。すると、後段の燃料噴射時においては、コンデンサの充電が間に合わず、コンデンサの充電電圧(以下、コンデンサ電圧ともいう)VCが目標値よりも低い状態で、インジェクタのコイル(以下、インジェクタコイルともいう)への放電が実施される可能性がある。また、多段噴射が実施される場合に限らず、エンジン回転数が非常に高くなった場合にも、同様の可能性が生じる。
尚、図10(A)において、「噴射指令信号」とは、燃料の噴射及びインジェクタコイルへの通電を指令する信号であり、その噴射指令信号がハイになっている期間が、通電期間に該当している。そして、図10(A)は、燃料噴射が短い間隔で2回行われた場合の、各回におけるインジェクタコイルの電流(インジェクタコイルに流れる電流であり、以下、インジェクタ電流ともいう)Iと、コンデンサ電圧VCとを例示している。また、図10(A)の例において、インジェクタ電流Iは、ピーク値Ipに達した後、通電開始時から一定時間が経過したタイミングが到来するまでは、第1の一定電流に制御され、その後、通電期間の終了時までは、第1の一定電流よりも低い第2の一定電流に制御されている。
ここで、コンデンサ電圧VCが目標値になっている状態でコンデンサからインジェクタコイルへの放電が実施される場合のことを、「正規の場合」と称することにすると、コンデンサ電圧VCが目標値よりも低い状態でコンデンサからインジェクタコイルへの放電が実施された場合には、正規の場合よりも、インジェクタ電流Iの立ち上がり(即ち、単位時間当たりの増加分)が緩やかになる。
例えば、図10(B)において、実線は、図10(A)における1回目(左側)の燃料噴射の場合のインジェクタ電流Iであって、正規の場合のインジェクタ電流Iを示している。また、一点鎖線は、図10(A)における2回目(右側)の燃料噴射の場合のインジェクタ電流Iであって、コンデンサ電圧VCが目標値よりも低い状態でコンデンサからインジェクタコイルへの放電が行われた場合のインジェクタ電流Iを示している。その図10(B)のように、図10(A)における2回目の燃料噴射では、図10(A)における1回目の燃料噴射(即ち、正規の場合)と比較すると、コイルへの通電開始時からインジェクタ電流Iがピーク値Ipに到達するまでの時間が長くなる。
そして、このようにインジェクタ電流Iの立ち上がりが緩やかになると、インジェクタの開弁タイミングが遅れる。つまり、コイルへの通電開始時からインジェクタが開弁するまでの時間(開弁到達時間)が長くなる。その結果、インジェクタが開弁している時間が短くなり、そのインジェクタからの実際の燃料噴射量が、正規の場合の燃料噴射量(即ち、噴射すべき本来の燃料噴射量)よりも少なくなってしまう。特に、近年の自動車においては、微少で高精度な燃料噴射の制御が必要となっており、インジェクタの開弁遅れによる噴射量への影響を無視できなくなっている。
そこで、特許文献1の装置では、コンデンサの放電前の充電電圧を検出して、その充電電圧の検出値から、インジェクタの開弁タイミングの遅れ時間を算出し、その算出した遅れ時間だけ、インジェクタコイルへの放電開始タイミング(=通電開始タイミング)を早める補正を行うことにより、通電時間を長くして、燃料噴射量が少なくなってしまうことを防止している。
特開2008−190388号公報
上記特許文献1の装置では、インジェクタの開弁タイミングの遅れ時間を、コンデンサの充電電圧から推定するものであるため、コンデンサやインジェクタコイルの電気的特性(コンデンサの静電容量、インジェクタコイルのインダクタンス及び抵抗値等)にばらつきがあると、遅れ時間の算出精度が低下し、延いては、通電時間の補正精度が低下して、燃料噴射量の制御精度が低くなる。
尚、コンデンサの静電容量を予め大きく設定しておくことにより、噴射間隔が短くなっても充電電圧が低下しないようにすることが考えられるが、その手法では、装置の低コスト化及び小型化を妨げてしまう。
本発明は、こうした問題に鑑みなされたものであり、燃料噴射制御装置において、コンデンサの充電電圧が目標値に達していない状態で該コンデンサからインジェクタコイルへの放電が行われる場合の、燃料噴射量の制御精度を向上させることを目的としている。
請求項1の燃料噴射制御装置は、1つ以上のインジェクタのコイルに供給する電気エネルギーが蓄積されるコンデンサと、該コンデンサを、それの充電電圧が所定の目標値となるように充電する充電手段と、インジェクタのコイルへの通電期間を設定する設定手段と、インジェクタのコイルへの通電を制御する通電制御手段とを備えている。
そして、通電制御手段は、設定手段により設定された通電期間の開始タイミングが到来すると、その通電期間中に通電すべき駆動対象のインジェクタのコイルへコンデンサから放電させることにより該インジェクタを開弁させ、そのコイルに流れる電流(インジェクタ電流)が所定のピーク値に達したことを検知すると、コンデンサからの放電を停止して、その後は前記通電期間が終了するまで、インジェクタのコイルに前記ピーク値よりも小さい一定電流を流すことで該インジェクタの開弁状態を維持し、通電期間が終了すると、インジェクタのコイルへの通電を停止して該インジェクタを閉弁させる。
そして特に、請求項1の燃料噴射制御装置は、記憶手段と、計測手段と、通電時間補正手段とを備えている。
記憶手段には、前記通電期間の開始タイミング(インジェクタのコイルへの通電開始時であり、コンデンサからの放電開始時でもある)からコイルに流れる電流が前記ピーク値以下の規定値に達するまでの時間である立ち上がり評価時間の基準値が記憶される。尚、その基準値とは、コンデンサの充電電圧が前記目標値になっている状態で該コンデンサからインジェクタのコイルへの放電が実施される正規の場合での、立ち上がり評価時間の値であり、立ち上がり評価時間の正常値であるとも言える。
また、計測手段は、設定手段により設定された通電期間の開始タイミングが到来すると、前記立ち上がり評価時間を計測すると共に、その立ち上がり評価時間が前記基準値を超えたならば、その立ち上がり評価時間が基準値よりも長くなった分である遅延時間を計測する。
そして、通電時間補正手段は、計測手段により遅延時間が計測されると、通電制御手段がインジェクタのコイルに実際に通電する実通電時間を、前記計測された遅延時間に応じて、前記設定手段により設定された通電期間よりも長くする。
つまり、コンデンサの充電電圧(コンデンサ電圧)が前記目標値よりも低い状態で該コンデンサからインジェクタのコイル(インジェクタコイル)への放電が行われたとすると、正規の場合よりも、インジェクタ電流の立ち上がりが緩やかになるため、通電開始時(放電開始時)からインジェクタ電流が規定値に達するまでの立ち上がり評価時間は、それの基準値よりも長くなる。
そこで、請求項1の燃料噴射制御装置では、立ち上がり評価時間が基準値よりも長くなった分である遅延時間(=実際の立ち上がり評価時間−基準値)を計測している。その遅延時間には、コンデンサの充電電圧は元より、コンデンサの静電容量やインジェクタコイルのインダクタンス及び抵抗値等の電気的特性が反映されるからである。そして、請求項1の燃料噴射制御装置では、その計測した遅延時間に応じて、インジェクタコイルに実際に通電する実通電時間を、設定手段により設定された通電期間(以下、本来の通電期間ともいう)よりも長くするようにしている。より具体的には、本発明は、上記遅延時間を計測し、その計測した遅延時間に基づいて、インジェクタの開弁時間が正規の場合と同じになるように、実通電時間を本来の通電期間よりも長くする、という思想のものである。
このため、請求項1の燃料噴射制御装置によれば、コンデンサの充電電圧が目標値に達していない状態で該コンデンサからインジェクタコイルへの放電が行われる場合の、燃料噴射量の制御精度(一般には、多段噴射における2段目以降の噴射量の制御精度)を、コンデンサやインジェクタコイルの電気的特性のばらつきによる影響を抑えつつ、向上させることができる。
そして更に、請求項1の燃料噴射制御装置では、基準値更新手段を設けているため、燃料噴射量の制御精度を一層向上させることができる。
即ち、基準値更新手段は、インジェクタコイルへの放電前のコンデンサの充電電圧が前記目標値になっていると判定した場合に、計測手段により計測された立ち上がり評価時間を、前記基準値として記憶手段に更新記憶させる手段である。そして、このような基準値更新手段を設ければ、コンデンサやインジェクタコイルの電気的特性が時間の経過や温度で変動したとしても、その変動を反映した基準値を記憶手段に記憶させることができる。よって、コンデンサやインジェクタコイルの電気的特性が時間経過や温度変化に起因して変動しても、正しい遅延時間が得られるようになり、その結果、燃料噴射量の制御精度を一層向上させることができるようになる。
一方、基準値更新手段は、コンデンサの充電電圧が目標値になっているか否かを、例えば、コンデンサの充電電圧を監視することで判定するように構成することができる。
また、基準値更新手段は、請求項2に記載のように、設定手段により設定される通電期間の開始タイミングの間隔である噴射間隔が所定の判定値よりも長いか否かを判定し、噴射間隔が判定値よりも長ければ、インジェクタコイルへの放電前のコンデンサの充電電圧が目標値になっていると判定するように構成することもできる。そして、この構成によれば、基準値更新手段のために、コンデンサの充電電圧を監視する機構を設けなくても済む、という点で有利である。尚、判定値としては、その判定値よりも噴射間隔が長ければ、コンデンサの充電電圧が充電手段によって確実に目標値にまで回復すると考えられる時間に設定しておけば良い。
次に、請求項の燃料噴射制御装置では、請求項1,2の燃料噴射制御装置において、通電時間補正手段は、通電制御手段がインジェクタのコイルへの通電を停止するタイミングを、前記設定された通電期間の終了タイミングよりも遅らせることにより、実通電時間を前記通電期間よりも長くする。つまり、通電時間補正手段は、計測手段によって遅延時間が計測されると、通電制御手段がインジェクタのコイルへの通電を停止するタイミングを、今回計測された遅延時間に応じて、前記設定された通電期間の終了タイミングよりも遅らせるようになっている。
この構成によれば、計測手段によって遅延時間が計測された場合(即ち、実際の立ち上がり評価時間が基準値よりも長くなった場合)に、その回の燃料噴射における実通電時間が、今回計測された遅延時間に応じて、本来の通電期間よりも延長されることとなり、計測手段が計測した遅延時間を、その回の燃料噴射に反映させることができる。よって、各回の燃料噴射量の制御精度を適切に向上させることができる。
例えば、他の構成例として、通電時間補正手段は、計測手段によって遅延時間が計測されると、次回の燃料噴射のために通電制御手段がインジェクタのコイルへの通電を開始するタイミングを、前記計測された遅延時間に応じて、本来の通電期間の開始タイミングよりも早めるように構成することもできる。但し、その構成では、今回の燃料噴射での噴射量が少なくなった分を、次回の燃料噴射時に補填することとなり、トータルの燃料噴射量を確保するに止まることとなる。しかし、請求項の構成によれば、前述した通り、各回の燃料噴射量の制御精度を適切に向上させることができ有利である。
尚、立ち上がり評価時間の基準値としては、理論上の計算値を、記憶手段に記憶させておくようにしても良いが、例えば、当該燃料噴射制御装置の製造工程の最終段階において、正規の場合での立ち上がり評価時間を、計測装置等により実測し、その実測値を記憶手段に記憶させるようにすれば、より正しい基準値を記憶手段に記憶させておくことができる。
次に、計測手段が立ち上がり評価時間の計測を終了する時のインジェクタ電流の値である前記規定値は、請求項に記載のように、前記ピーク値とすることができる。
そして、そのように構成すれば、装置構成を簡略化することができる。つまり、計測手段は、通電期間の開始タイミングが到来すると、その時点から、インジェクタ電流が規定値に達したことを検知するまで、立ち上がり評価時間の計測を行うこととなるが、「規定値=ピーク値」であれば、その計測手段において、インジェクタ電流が規定値(=ピーク値)に達したことを検知する部分と、通電制御手段において、インジェクタ電流がピーク値に達したことを検知する部分とを、共用することができるからである。
ところで、請求項1〜の燃料噴射制御装置において、通電時間補正手段は、前記実通電時間を、計測手段によって計測された遅延時間だけ、前記設定された通電期間よりも長くするように構成することができる。例えば、請求項の燃料噴射制御装置であれば、通電時間補正手段は、通電制御手段がインジェクタコイルへの通電を停止するタイミングを、前記設定された通電期間の終了タイミングよりも、計測手段によって計測された遅延時間だけ遅らせるように構成することができる。但し、こうした構成は、前記規定値を、インジェクタ電流がその値に達するとインジェクタが開弁することとなる開弁開始電流値に設定した場合に、最も有効となる(つまり、燃料噴射量の制御精度を最も高めることができる)構成である。
このため、例えば「規定値=ピーク値」とした請求項の燃料噴射制御装置において、更に制御精度を高めるためには、請求項に記載のように、通電時間補正手段は、前記実通電時間を、計測手段によって計測された遅延時間に所定の係数を乗じた時間だけ、前記通電期間よりも長くするように構成することが好ましい。
つまり、一般に、前記ピーク値は、開弁開始電流値よりも大きい値に設定されるため、インジェクタは、インジェクタ電流が前記ピーク値に達する前に開弁することとなる。そこで、「規定値=ピーク値」とした場合には、計測手段によって計測された遅延時間Tdに、所定の係数kを乗じることで、正規の場合に対するインジェクタの開弁遅れ時間を求め、その算出した開弁遅れ時間(=Td×k)だけ、実通電時間を通電期間よりも長くすれば良い。
尚、例えば、ピーク値をIpとし、開弁開始電流値をIoとし、コンデンサからの放電によるインジェクタ電流が時間に比例して増加すると近似したならば、係数kは、「Io/Ip」の値に設定することができる。また、ここでは、「規定値=ピーク値」とした場合について説明したが、計測された遅延時間Tdに係数kを乗ずるという請求項に記載の手法は、規定値を、開弁開始電流値Io以外の値に設定した場合に有効なものであり、例えば、係数kは「Io/規定値」の値に設定することができる。但し、係数kの値は、「Io/規定値」に限るものではなく、計測される遅延時間Tdを、正規の場合に対するインジェクタの開弁遅れ時間に変換可能な値に適宜設定することができる。
また、逆に言うと、請求項1〜の燃料噴射制御装置において、請求項に記載の如く、前記規定値を、開弁開始電流値とした場合には、計測手段によって計測される遅延時間Tdが、正規の場合に対するインジェクタの開弁遅れ時間と等しくなるため、遅延時間Tdに係数kを乗ずる手法をとらなくても済む。このため、請求項の燃料噴射制御装置ならば、請求項に記載のように、通電時間補正手段は、前記実通電時間を、計測手段によって計測された遅延時間Tdだけ、前記設定された通電期間よりも長くするように構成すれば良い。
実施形態の燃料噴射制御装置の構成を表す構成図である。 駆動制御回路の基本動作を説明するタイムチャートである。 駆動制御回路の基本動作を表すフローチャートである。 第1実施形態の駆動制御回路の動作を、図3の基本動作と合わせて表すフローチャートである。 第1実施形態の作用を説明する説明図である。 第2実施形態の駆動制御回路の動作を、図3の基本動作と合わせて表すフローチャートである。 第3実施形態の作用を説明する説明図である。 第3実施形態の駆動制御回路の動作を表す第1のフローチャートである。 第3実施形態の駆動制御回路の動作を表す第2のフローチャートである。 課題を説明する説明図である。
以下に、本発明が適用された実施形態の燃料噴射制御装置について、図面に従い説明する。尚、本実施形態の燃料噴射制御装置は、車両に搭載された多気筒(この例では4気筒)ディーゼルエンジンの各気筒#1〜#4に燃料を噴射供給する4個の電磁ソレノイド式ユニットインジェクタ(以下単に、インジェクタという)を駆動するものであり、その各インジェクタのコイルへの通電時間及び通電タイミングを制御することにより、ディーゼルエンジンの各気筒#1〜#4への燃料噴射量及び燃料噴射時期を制御する。また、本実施形態において、オン/オフさせるスイッチとして使用しているトランジスタは、MOSFETであるが、バイポーラトランジスタ等の他種類のスイッチング素子でも良い。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態の燃料噴射制御装置100を示す構成図である。
但し、図1では、4個のインジェクタ101のうち、例えば第1気筒#1に対応する1つのインジェクタ101のみを示しており、以下では、その1つのインジェクタ101の駆動に関して説明する。また、インジェクタ101は、開弁用のアクチュエータとして電磁ソレノイドを備えた周知のものである。つまり、インジェクタ101では、内蔵されたソレノイドのコイル101aに通電されると、そのソレノイドにより弁体が開弁位置に移動して、当該インジェクタ101が開弁状態となり、燃料噴射が行われる。そして、コイル101aへの通電が停止されると、弁体が閉弁位置に戻って、当該インジェクタ101が閉弁状態となり、燃料噴射が停止される。
図1に示すように、燃料噴射制御装置100は、インジェクタ101のコイル101aの一端(上流側)が接続される端子CMと、コイル101aの他端(下流側)が接続される端子INJと、その端子INJに一方の出力端子が接続されたトランジスタからなる気筒選択スイッチT10と、その気筒選択スイッチT10の他方の出力端子とグランドラインとの間に接続された電流検出用の抵抗R10と、を備えている。
尚、実際には、端子CMは、各気筒のインジェクタ101について共通の端子となっており、その端子CMに、各インジェクタ101のコイル101aがそれぞれ接続されている。そして、端子INJ及び気筒選択スイッチT10は、各インジェクタ101のコイル101a毎にそれぞれ備えられている。また、気筒選択スイッチT10は、駆動対象のインジェクタを選択するためのスイッチであることから、その名(気筒選択スイッチという名)で呼ぶ。
更に、燃料噴射制御装置100は、電源電圧としての車載バッテリの電圧(バッテリ電圧)VBが供給される電源ラインLpに一方の出力端子が接続されたトランジスタからなる定電流供給用スイッチT11と、その定電流供給用スイッチT11の他方の出力端子にアノードが接続され、カソードが上記端子CMに接続された逆流防止用のダイオードD11と、インジェクタ101を速やかに開弁させるための大きな電流(いわゆるピーク電流)をコイル101aに流すためのコンデンサC10と、バッテリ電圧VBを昇圧して、そのバッテリ電圧VBよりも高い電圧を生成しコンデンサC10を充電する充電回路(昇圧回路)110と、オンすることでコンデンサC10の正極側を端子CMに接続させるトランジスタからなる放電スイッチT12と、を備えている。
尚、定電流供給用スイッチT11は、コイル101aに一定電流を流すためにオン/オフされるスイッチであることから、その名(定電流供給用スイッチという名)で呼ぶ。また、放電スイッチT12は、コンデンサC10からコイル101aに放電させるスイッチであるため、その名(放電スイッチという名)で呼ぶ。
そして更に、燃料噴射制御装置100は、アノードがグランドラインに接続されると共に、カソードが端子CMに接続されたダイオードD12と、上記各スイッチT10〜T12及び充電回路110を制御する駆動制御回路120と、CPU、ROM、RAMなどからなる周知のマイコン(マイクロコンピュータ)130と、を備えている。
上記ダイオードD12は、気筒選択スイッチT10がオンされている状態で、放電スイッチT12がオンからオフされた時、あるいは、定電流供給用スイッチT11がオンからオフされた時に、コイル101aに電流を還流させるダイオードである。また、駆動制御回路120は、記憶内容が書き換え可能な不揮発性のメモリ121(例えばEEPROMやフラッシュROM)や、時間を計測するためのカウンタ123,125を備えている。
ここで、マイコン130は、エンジン回転数NE、アクセル開度ACC、エンジン水温THWなど、各種センサにて検出されるエンジンの運転情報に基づいて、気筒毎に噴射指令信号を生成して駆動制御回路120に出力する。この噴射指令信号は、その信号のレベルがハイの間だけインジェクタ101のコイル101aに通電する(換言すれば、インジェクタ101を開弁させる)、という意味を持っている。このため、マイコン130は、エンジンの運転情報に基づいて、各気筒毎に、インジェクタ101のコイル101aへの通電期間を設定し、その通電期間だけ、該当する気筒の噴射指令信号をハイにしていると言える。
一方、充電回路110は、インダクタL0と、そのインダクタL0を駆動するトランジスタからなる昇圧スイッチT0と、電流検出用の抵抗R0と、逆流防止用のダイオードD0と、を備えている。
そして、インダクタL0は一端が電源ラインLpに接続され、他端が昇圧スイッチT0の一方の出力端子に接続されている。また、昇圧スイッチT0の他方の出力端子とグランドラインとの間に、抵抗R0が接続されている。更に、インダクタL0と昇圧スイッチT0との接続点に、ダイオードD0のアノードが接続され、そのダイオードD0のカソードが、コンデンサC10の一端(正極側)に接続されている。そして、コンデンサC10の他端(負極側)は、昇圧スイッチT0と抵抗R0との接続点に接続されている。
このような充電回路110においては、昇圧スイッチT0が駆動制御回路120によってオン/オフされる。そして、昇圧スイッチT0がオン/オフされると、インダクタL0と昇圧スイッチT0との接続点に、バッテリ電圧VBよりも高いフライバック電圧(逆起電圧)が発生し、そのフライバック電圧によりダイオードD0を通じてコンデンサC10が充電される。これにより、コンデンサC10がバッテリ電圧VBよりも高い電圧に充電される。
また、駆動制御回路120は、放電スイッチT12をオフさせている期間(即ち、コンデンサC10からコイル101aに放電させていない期間)において、下記の充電制御を行う。
即ち、充電制御では、コンデンサ電圧(コンデンサC10の充電電圧)VCをモニタして、コンデンサ電圧VCが所定の目標値(例えば100V)に達していなければ、その目標値となるまで、昇圧スイッチT0をオン/オフさせる。また、その際に、インダクタL0又はコンデンサC10から抵抗R0に流れる電流を、該抵抗R0に生じる電圧によりモニタして、コンデンサC10が効率の良く充電されるように昇圧スイッチT0をオン/オフさせる。例えば、昇圧スイッチT0をオンしてから、抵抗R0に流れる電流(この場合は、インダクタL0に流す電流)が第1の閾値にまで上昇したと判定すると、昇圧スイッチT0をオフし、昇圧スイッチT0をオフしてから、抵抗R0に流れる電流(この場合は、コンデンサC10の充電電流)が第1の閾値よりも小さい第2の閾値にまで下降したと判定すると、昇圧スイッチT0をオンする、という動作を繰り返す。
次に、駆動制御回路120の上記充電制御以外の基本動作について、図2のタイムチャートに基づき、図3のフローチャートを参照しつつ説明する。尚、前述したように、駆動制御回路120には、マイコン130から各気筒の噴射指令信号がそれぞれ入力されるが、ここでは、第1気筒#1を例に挙げて説明する。
まず、燃料噴射の開始前において、駆動制御回路120は、前述した充電制御により、コンデンサC10を充電しており、噴射間隔(つまり、コンデンサC10の放電間隔)が比較的長ければ、コンデンサ電圧VCは目標値になっている。
そして、図2に示すように、マイコン130から駆動制御回路120への第1気筒#1の噴射指令信号S#1が、コイル101aへの通電オフ(噴射停止)を示すローから通電オン(噴射実施)を示すハイになると、駆動制御回路120は、第1気筒#1に対応する気筒選択スイッチT10をオンし、それと同時に放電スイッチT12もオンする(図3のS100)。
すると、コンデンサC10がコイル101aへの通電経路をなす端子CMに接続されて、コンデンサC10からコイル101aに放電され、これにより、コイル101aへの通電が開始される。そして、このとき、図2における「インジェクタ電流I」の段(最下段)に示すように、コイル101aには、コンデンサC10の放電により、インジェクタ101を速やかに開弁させるための大電流が流れる。また、このようなコンデンサC10の放電に際し、高電位となる端子CM側から電源ラインLp側への回り込みは、ダイオードD11によって防止される。
そして、駆動制御回路120は、コイル101aに流れる電流であるインジェクタ電流Iを、抵抗R10に生じる電圧により検出し、そのインジェクタ電流Iが、予め定められたピーク値Ip(例えば15A)に達したか否かを判定する(図3のS300)。そして、インジェクタ電流Iがピーク値Ipに達したことを検知すると(図3のS300:YES)、放電スイッチT12をオフする(図3のS400)。
このようにして、コイル101aへの通電期間の開始時には、放電スイッチT12がオンされて、コンデンサC10からコイル101aに放電され、これにより、そのコイル101aに大電流が流れて、インジェクタ101の開弁応答が早まる。
また、駆動制御回路120は、気筒選択スイッチT10及び放電スイッチT12をオンすると同時に、コイル101aに一定電流を流すための定電流制御も開始する(図3のS200)。
その定電流制御は、抵抗R10に生じる電圧により検出されるインジェクタ電流Iが、ピーク値Ipよりも小さい開弁維持用の一定電流となるように、定電流供給用スイッチT11をオン/オフさせる制御であり、具体的には、下記のようなものである。
即ち、定電流制御では、インジェクタ電流Iが下側閾値icL以下になると定電流供給用スイッチT11をオンし、インジェクタ電流Iが上側閾値icH以上になると定電流供給用スイッチT11をオフする、という制御を行う。尚、下側閾値icLと、上側閾値icHと、ピーク値Ipとの関係は、「icL<icH<ip」である。
このため、放電スイッチT12のオフに伴い、インジェクタ電流Iがピーク値Ipから低下して下側閾値icL以下になると、以後は、定電流制御により定電流供給用スイッチT11のオン/オフが繰り返されて、インジェクタ電流Iの平均値が、上側閾値icHと下側閾値icLとの間の一定電流に制御されることとなる。
尚、図2の3段目に示すように、噴射指令信号がハイレベルになってから少しの間だけ定電流供給用スイッチT11がオンされているのは、この定電流制御によるものである。つまり、定電流供給用スイッチT11は、噴射指令信号がハイレベルになってからインジェクタ電流Iが上側閾値icHに到達するまではオンし続けられるためである。但し、コンデンサ電圧VCの方が電源ラインLpの電圧(バッテリ電圧VB)よりも高いため、放電スイッチT12がオンされている間は、たとえ定電流供給用スイッチT11がオンされても、コイル101aへはコンデンサC10から電流が流れる。
また、図2では、説明を簡略化するため、下側閾値icL及び上側閾値icHが常に一定であって、インジェクタ電流Iを1種類の一定電流に制御する場合を例示しているが、実際には、前述した図10のように、コイル101aへの通電開始時から一定時間が経過するまでの期間は、インジェクタ電流Iを第1の一定電流に制御し、その後、噴射指令信号がローになって通電を終了するまでの期間は、下側閾値icL及び上側閾値icHを、小さい値に切り替えて、インジェクタ電流Iを第1の一定電流よりも低い第2の一定電流に制御する。
そして、このような定電流制御により、放電スイッチT12のオフ後は、電源ラインLp側からコイル101aに一定電流を流し、その一定電流により、インジェクタ101の開弁状態を維持する。尚、駆動制御回路120は、定電流制御を、放電スイッチT12をオフした時(図3のS400)から開始するようになっていても良い。
その後、マイコン130からの噴射指令信号S#1がハイからローになり、そのことを駆動制御回路120が検知すると(図3のS500:YES)、該駆動制御回路120は、気筒選択スイッチT10をオフすると共に、定電流制御を終了して定電流供給用スイッチT11もオフ状態に保持する(図3のS600)。すると、コイル101aへの通電が停止してインジェクタ101が閉弁し、そのインジェクタ101による燃料噴射が終了される。
一方、駆動制御回路120は、放電スイッチT12をオフした後、上記充電制御を再開して、コンデンサ電圧VCを目標値に回復させる。これは、次回の燃料噴射(インジェクタ駆動)に備えるためである。
また、第1気筒#1以外のインジェクタ101についても、上記と同様の手順で駆動される。
以上が駆動制御回路120の基本動作であるが、次に、本実施形態に特有の駆動制御回路120の動作について、図4を用い説明する。尚、ここでも、第1気筒#1の噴射指令信号S#1がハイになった場合を例に挙げて説明する。
図4は、駆動制御回路120の特有動作を、図3の基本動作と合わせて表すフローチャートであり、その図4におけるS210〜S240、S310〜S340、S510及びS520の動作が、図3の基本動作に加えられた特有動作である。また、図4において、S210〜S300からなるループの動作と、S510及びS520からなるループの動作との各々は、コイル101aへの通電開始時からインジェクタ電流Iがピーク値Ipに達するまでの時間(以下、ピーク値到達時間という)Tpよりも十分に短い一定時間毎に繰り返し行われる。
まず、駆動制御回路120は、何れかの噴射指令信号(ここではS#1)がハイになると、内部のカウンタ123,125の値を0にリセットする。
そして、図4に示すように、駆動制御回路120は、噴射指令信号S#1がハイになって、気筒選択スイッチT10及び放電スイッチT12をオンする(S100)ことによりコイル101aへの通電を開始すると、ピーク値到達時間Tpを計測する動作として、カウンタ(Tp計測用カウンタ)123を1カウントアップさせる動作を行う(S210)。尚、本実施形態では、ピーク値Ipが規定値に相当し、ピーク値到達時間Tpが立ち上がり評価時間に相当している。
また、今回の噴射間隔(即ち、前回に何れかの気筒の噴射指令信号がハイになってから、今回、何れかの噴射指令信号がハイになった時までの間隔)Tiが、所定の判定値Tthよりも長いか否かを判定し(S220)、噴射間隔Tiが判定値Tthよりも長くなければ(S220:NO)、現在計測中のピーク値到達時間Tp(具体的には、現在のカウンタ123の値)が、ピーク値到達時間Tpの基準値Tspを越えているか否かを判定する(S230)。
尚、駆動制御回路120は、図4に示す動作とは別の動作によって噴射間隔Tiを計測している。また、上記判定値Tthは、その値よりも噴射間隔Tiが長ければ、コンデンサ電圧VCが前述の充電制御によって目標値にまで回復すると考えられる値に設定されている。一方、上記基準値Tspは、コンデンサ電圧VCが目標値になっている状態でコンデンサC10からコイル101aへの放電が実施される正規の場合での、ピーク値到達時間Tpの値である。そして、その基準値Tspは、メモリ121に記憶されているが、そのメモリ121には、当該燃料噴射制御装置100の製造段階において、基準値Tspの初期値が書き込まれる。また、基準値Tspの初期値としては、理論上の計算値でも良いが、例えば、当該燃料噴射制御装置100の製造工程において、正規の場合でのピーク値到達時間Tpを、計測装置等により計測し、その実測値を基準値Tspの初期値としてメモリ121に書き込むようにすれば、より正しい基準値Tspを記憶させておくことができる。具体的には、コンデンサ電圧VCが確実に目標値になっていると考えられる条件が成立している状態で、ピーク値到達時間Tpを計測し、その実測値をメモリ121に書き込めば良い。また、基準値Tspの初期値は、マイコン130からメモリ121に転送されるようになっていても良い。
図4に基づく説明に戻ると、駆動制御回路120は、現在計測中のピーク値到達時間Tpが基準値Tspを越えていると判定すると(S230:YES)、そのピーク値到達時間Tpが基準値Tspよりも長くなった分の時間である遅延時間Tdを計測する動作として、カウンタ(Td計測用カウンタ)125を1カウントアップさせる動作を行う(S240)。
そして、インジェクタ電流Iがピーク値Ipに達したか否かを判定し(S300)、インジェクタ電流Iがピーク値Ipに達していなければ(S300:NO)、上記S210以降の動作を再び行う。
一方、上記S220の動作により、噴射間隔Tiが判定値Tthよりも長いと判定した場合(S220:YES)、あるいは、上記S230の動作により、現在計測中のピーク値到達時間Tpが基準値Tspを越えていないと判定した場合には(S230:NO)、上記S240の動作(遅延時間Tdの計測動作)を行わずに、インジェクタ電流Iがピーク値Ipに達したか否かを判定する(S300)。
そして、前述したように、S210〜S300の動作は、一定時間毎に繰り返し行われる。
その後、駆動制御回路120は、インジェクタ電流Iがピーク値Ipに達したと判定すると(S300:YES)、既述したように放電スイッチT12をオフする(S400)のであるが、それと共に、カウンタ123,125のカウントアップ(即ち、ピーク値到達時間Tpの計測及び遅延時間Tdの計測)を停止する(S310)。
更に、上記S220と同じ判定、即ち、今回の噴射間隔Tiが判定値Tthよりも長いか否かの判定を行い(S320)、噴射間隔Tiが判定値Tthよりも長ければ(S320:YES)、正規の場合での燃料噴射が正常に行われると考えられる所定条件が成立しているか否かを判定する(S330)。尚、その所定条件としては、例えば、「エンジン回転数がアイドル回転数以上であること」や、「バッテリ電圧VBが、燃料噴射システムの正常動作を実現可能な所定値(例えば10V)以上であること」や、「燃料圧力が、燃料噴射システムの正常動作を実現可能な所定値(例えば60MPa)以上であること」等である。
そして、上記所定条件が成立していれば(S330:YES)、メモリ121に記憶されている基準値Tspを、現在のカウンタ123の値に書き換える。つまり、カウンタ123によって今回計測したピーク値到達時間Tpを、基準値Tspとしてメモリ121に更新記憶させる(S340)。
また、上記S320の動作により、噴射間隔Tiが判定値Tthよりも長くないと判定した場合(S320:NO)、あるいは、上記S330の動作により、所定条件が成立していないと判定した場合には(S323:NO)、上記S340の動作(基準値Tspの更新動作)を行わずに、放電スイッチT12をオフする(S400)。
その後、駆動制御回路120は、マイコン130からの噴射指令信号S#1がハイからローになったことを検知すると(S500:YES)、遅延時間Tdの計測値であるカウンタ125の値が、0以下であるか否かを判定し(S510)、カウンタ125の値が0以下であれば(S510:YES)、気筒選択スイッチT10をオフすると共に定電流制御を終了して、コイル101aへの通電を停止する(図3のS600)。
また、カウンタ125の値が0以下でなければ(S510:NO)、カウンタ125を1カウントダウンさせる動作を行ってから、再びS510の判定動作を行う。尚、前述したように、S510及びS520の動作も一定時間毎に繰り返し行われる。
このため、S240の動作によって遅延時間Tdが計測された場合には、噴射指令信号S#1がローになってから、その遅延時間Tdが経過した時点で、コイル101aへの通電が停止されることとなる。
つまり、駆動制御回路120は、カウンタ123をカウントアップさせることで、ピーク値到達時間Tpを計測している(S210)。
また、噴射間隔Tiが判定値Tthよりも長くない場合には、コンデンサC10を充電する時間が十分でなく、コンデンサ電圧VCが目標値に達していない状態でコイル101aへの放電が行われる可能性があり、その場合には、インジェクタ電流Iの立ち上がりが緩やかになって、ピーク値到達時間Tpが基準値Tspよりも長くなる可能性がある。
そして、本第1実施形態では、ピーク値到達時間Tpが基準値Tspよりも長くなった分の時間である遅延時間Td(=Tp−Tsp)だけ、インジェクタ101の開弁タイミングが正規の場合よりも遅れると想定している。換言すれば、遅延時間Tdと、正規の場合に対するインジェクタ101の開弁遅れ時間とが、等しいと想定している。
そこで、駆動制御回路120は、噴射間隔Tiが判定値Tthよりも長くないと判定した場合には(S220:NO)、S230の動作により、現在計測中のピーク値到達時間Tpが基準値Tspを超えたか否かを判定し、基準値Tspを超えたなら(S230:YES)、インジェクタ電流Iがピーク値Ipに到達するまで、S240の動作により、カウンタ125をカウントアップさせることで、遅延時間Td(=Tp−Tsp)を計測している。
このため、図5(A)における「インジェクタ電流I」の段の一点鎖線で示すように、インジェクタ電流Iの立ち上がりが、実線で示される正規の場合よりも緩やかになって、実際のピーク値到達時間Tpが基準値Tspよりも長くなった場合には、S230及びS240の動作により、遅延時間Td(=Tp−Tsp)が計測される。
そして、駆動制御回路120は、噴射指令信号がハイからローになった時点で、カウンタ125の値が0以下でなければ(S510:NO)、ピーク値到達時間Tpが基準値Tspよりも長くなって遅延時間Tdが計測されたということであるため、その時点から、カウンタ125を0までカウントダウンさせることで、計測した遅延時間Tdと同じ時間だけ待ち、カウンタ125が0になった時点で、コイル101aへの通電を停止するようにしている(S510、S520、S600)。
このため、図5(A),(B)における「インジェクタ電流I」の段の一点鎖線で示すように、ピーク値到達時間Tpが基準値Tspよりも長くなって遅延時間Tdが計測された場合には、コイル101aへの通電停止タイミングが、噴射指令信号の立ち下がりタイミングよりも、計測された遅延時間Tdだけ遅れることとなる。このことにより、コイル101aへの実際の通電時間(実通電時間)が、マイコン130によって設定された通電期間(即ち、噴射指令信号がハイになっている期間)よりも、遅延時間Tdだけ長くなる。
よって、このような駆動制御回路120を備えた燃料噴射制御装置100によれば、コンデンサ電圧VCが目標値に達していない状態でコンデンサC10からコイル101aへの放電が行われた場合でも、インジェクタ101の開弁時間が正規の場合と同じになるように、実通電時間を本来の通電期間よりも長くすることができる。そして、計測対象の遅延時間Tdには、コンデンサ電圧VCは元より、コンデンサC10の静電容量やコイル101aのインダクタンス及び抵抗値等の電気的特性が反映される。このため、コンデンサ電圧VCが目標値に達していない状態でコンデンサC10からコイル101aへの放電が行われる場合の、燃料噴射量の制御精度を、コンデンサC10やコイル101aの電気的特性のばらつきによる影響を抑えつつ、向上させることができる。
また、図5(B)に示すように、駆動制御回路120は、噴射間隔Tiが判定値Tthよりも長い場合には、今回の燃料噴射が正規の場合の燃料噴射(コンデンサ電圧VCが目標値になっている状態での燃料噴射)であると考えられるため、前述した所定条件が成立していれば(S330:YES)、今回計測したピーク値到達時間Tpを、基準値Tspとしてメモリ121に更新記憶させ(S340)、次回の燃料噴射時には、その更新した基準値Tspを用いて、図4におけるS230の判定を行う。
このため、コンデンサC10やコイル101aの電気的特性が時間の経過や温度で変動したとしても、その変動を反映した基準値Tspをメモリ121に記憶させることができ、その結果、より正しい遅延時間Td(=Tp−Tsp)が得られて、燃料噴射量の制御精度を一層向上させることができるようになる。
また、本第1実施形態では、立ち上がり評価時間としてピーク値到達時間Tpを計測するため、その時間Tpを計測するための機能部分として、インジェクタ電流Iがピーク値に達したことを検知する機能部分(S300の判定を行う機能部分)は、特に追加する必要がない。つまり、駆動制御回路120には、元々、放電スイッチT12のオフタイミングを決めるために、インジェクタ電流Iがピーク値に達したことを検知する比較器等からなる機能部分(S300の判定を行う機能部分)が備えられるため、その機能部分を、ピーク値到達時間Tpを計測するのに共用できるからである。
尚、本第1実施形態では、充電回路110と、駆動制御回路120において充電制御を行う部分とが、充電手段に相当し、マイコン130が設定手段に相当し、駆動制御回路120において図3の基本動作(S100〜S600)を行う部分が、通電制御手段に相当している。また、メモリ121が記憶手段に相当している。そして、駆動制御回路120において、図4のS210〜S310の動作を行う部分が、計測手段に相当し、図4のS510,S520の動作を行う部分が、通電時間補正手段に相当し、図4のS320〜S340の動作を行う部分が、基準値更新手段に相当している。また、噴射指令信号の立ち上がりタイミングが、設定された通電期間の開始タイミングに相当し、噴射指令信号の立ち下がりタイミングが、設定された通電期間の終了タイミングに相当している。
一方、第1の変形例として、駆動制御回路120は、カウンタ125を用いずに遅延時間Tdを計測しても良い。つまり、図4において、S240の動作を行わず、また、S230の判定を、S310の後(即ち、ピーク値到達時間Tpの計測完了後)に行い、「Tp>Tsp」であれば、TpからTspを減算し、その減算結果を遅延時間Tdの計測値とするように構成しても良い。但し、図4の構成の方が、演算(減算)が不要という点で有利である。
また、第2の変形例として、図4におけるS330の条件成立判定は、省略することも可能である。但し、そのS330の判定を入れることで、基準値Tspの更新を、より正しく行うことができる。
また、第3の変形例として、駆動制御回路120は、図4のS100で気筒選択スイッチT10と放電スイッチT12をオンする直前に、コンデンサ電圧VCを検出して記憶し、図4におけるS220とS320との各々では、「Ti>Tth」であるか否かの判定に代えて、上記記憶した放電直前のコンデンサ電圧VCが目標値に達しているか否かを判定するように構成しても良い。
また、第4の変形例として、図4におけるS230〜S300の動作によって、遅延時間Tdを計測した場合に、コイル101aへの今回の通電停止タイミングを遅延時間Tdだけ遅らせるのではなく、その計測した遅延時間Tdをマイコン130に出力し、マイコン130が、次回の燃料噴射のための噴射指令信号を、その遅延時間Tdだけ早くハイにする(つまり、次回のコイル101aへの通電開始タイミングを遅延時間Tdだけ早める)ように構成することもできる。但し、コイル101aへの今回の通電停止タイミングを遅延時間Tdだけ遅らせるように構成した方が、計測した遅延時間Tdを、その回の燃料噴射に反映させることができるため、各回の燃料噴射量の制御精度を適切に向上させることができるという点で有利である。
また、第5の変形例として、上記実施形態では、駆動制御回路120が、ハードウェア回路によって構成されているものとして説明したが、駆動制御回路120もマイコンを中心に構成して、図4の動作を、そのマイコンの処理によって実現しても良い。
[第2実施形態]
ところで、上記第1実施形態では、計測される遅延時間Tdと、正規の場合に対するインジェクタ101の開弁遅れ時間とが等しい、と想定していた。換言すれば、ピーク値Ipとインジェクタ101の開弁開始電流値Ioとが等しい、と想定していた。尚、開弁開始電流値Ioとは、インジェクタ電流Iがその値に達するとインジェクタ101が開弁することとなる電流値のことである。
これに対して、もし、インジェクタ101の特性上、それの開弁開始電流値Ioが、ピーク値Ipよりも小さく、しかも、一層高い制御精度を実現するのであれば、駆動制御回路120の図4の動作は、図6のように変更すれば良い。
即ち、図6では、図4に対して、S410が追加されており、そのS410では、今回計測した遅延時間Tdに所定の係数kを乗ずる。
このため、本第2実施形態では、ピーク値到達時間Tpが基準値Tspよりも長くなって遅延時間Tdが計測された場合、コイル101aへの通電停止タイミングが、噴射指令信号の立ち下がりタイミングよりも、「遅延時間Td×k」の時間だけ遅れることとなり、コイル101aへの実際の通電時間が、マイコン130によって設定された通電期間よりも、「遅延時間Td×k」の時間だけ長くなる。
そして、係数kは、遅延時間Tdを、正規の場合に対するインジェクタ101の開弁遅れ時間に変換可能な値に予め設定されている。例えば、コンデンサC10からの放電によるインジェクタ電流Iが時間に比例して増加すると近似したならば、係数kは、「Io/Ip」の値に設定することができる。
そして、このような第2実施形態によれば、ピーク値Ipが開弁開始電流値Ioと等しくない場合に、燃料噴射量の制御精度を高めるのに有利である。
[第3実施形態]
一方、第3実施形態の燃料噴射制御装置100では、第1実施形態と比較すると、下記(1),(2)の点が異なっている。
(1)図7に示すように、インジェクタ101の開弁開始電流値Ioは、ピーク値Ipよりも小さい。
(2)駆動制御回路120は、ピーク値到達時間Tpを計測するのではなく、図7に示すように、コイル101aへの通電開始時(噴射指令信号の立ち上がり時)からインジェクタ電流Iが開弁開始電流値Ioに達するまでの時間(以下、開弁到達時間という)Toを計測する。そして更に、その開弁到達時間Toが、該開弁到達時間Toの基準値Tsoを超えたならば、その開弁到達時間Toが基準値Tsoよりも長くなった分の時間(To−Tso)を、遅延時間Tdとして計測する。つまり、本第3実施形態では、開弁開始電流値Ioが規定値に相当し、開弁到達時間Toが、立ち上がり評価時間に相当している。
尚、基準値Tsoは、コンデンサ電圧VCが目標値になっている状態でコンデンサC10からコイル101aへの放電が実施される正規の場合での、開弁到達時間Toの値である。そして、その基準値Tsoの初期値も、第1実施形態での基準値Tspと同様の手法により、メモリ121に書き込まれる。更に、駆動制御回路120は、第1実施形態と同様に、そのメモリ121内の基準値Tsoを更新する。
また、図7における「インジェクタ電流I」の段の一点鎖線で示すように、本第3実施形態の駆動制御回路120も、開弁到達時間Toが基準値Tsoよりも長くなって遅延時間Td(=To−Tso)を計測した場合には、コイル101aへの通電停止タイミングを、噴射指令信号の立ち下がりタイミングよりも、計測した遅延時間Tdだけ遅らせるようになっている。
このように、第3実施形態の駆動制御回路120は、上記(2)の点以外は、第1実施形態と同じ動作を行うこととなるが、以下に、その駆動制御回路120が行う動作の詳細について説明する。
第3実施形態の駆動制御回路120は、図4の動作に代えて、図8と図9の動作を行う。尚、図8及び図9において、図4における動作と同じ動作については、同一のステップ番号を付しているため、適宜説明を省略する。
まず、図8の動作は、図3の基本動作に対して、図4のS510及びS520の動作を追加したものであり、換言すれば、図4の動作から、S210〜S240及びS310〜S340の動作を削除したものである。そして、駆動制御回路120は、何れかの噴射指令信号がハイになると、図8の動作を開始する。
また、駆動制御回路120は、何れかの噴射指令信号がハイになると、内部のカウンタ123,125の値を0にリセットすると共に、図8の動作と並行して、図9の動作も開始する。尚、図9におけるS215〜S305からなるループの動作と、図8におけるS510及びS520からなるループの動作との各々は、開弁到達時間Toよりも十分に短い一定時間毎に繰り返し行われる。
そして、図9に示すように、駆動制御回路120は、まず、開弁到達時間Toを計測する動作として、カウンタ(To計測用カウンタ)123を1カウントアップさせる動作を行う(S215)。
また、第1実施形態と同様に、今回の噴射間隔Tiが判定値Tthよりも長いか否かを判定し(S220)、「Ti>Tth」でなければ(S220:NO)、図4のS230と同様に、現在計測中の開弁到達時間To(具体的には、現在のカウンタ123の値)が基準値Tsoを越えているか否かを判定する(S235)。
そして、現在計測中の開弁到達時間Toが基準値Tsoを越えていると判定すると(S235:YES)、第1実施形態と同様に、遅延時間Td(=To−Tso)を計測する動作として、カウンタ(Td計測用カウンタ)125を1カウントアップさせる動作を行う(S240)。
そして、インジェクタ電流Iが開弁開始電流値Ioに達したか否かを判定し(S305)、インジェクタ電流Iが開弁開始電流値Ioに達していなければ(S305:NO)、上記S215以降の動作を再び行う。
一方、上記S220の動作により、「Ti>Tth」であると判定した場合(S220:YES)、あるいは、上記S235の動作により、現在計測中の開弁到達時間Toが基準値Tsoを越えていないと判定した場合には(S235:NO)、上記S240の動作(遅延時間Tdの計測動作)を行わずに、インジェクタ電流Iが開弁開始電流値Ioに達したか否かを判定する(S305)。そして、前述したように、S215〜S305の動作は、一定時間毎に繰り返し行われる。
その後、駆動制御回路120は、インジェクタ電流Iが開弁開始電流値Ioに達したと判定すると(S305:YES)、カウンタ123,125のカウントアップ(即ち、開弁到達時間Toの計測及び遅延時間Tdの計測)を停止する(S315)。
そして、第1実施形態と同様に、「Ti>Tth」であるか否かの判定を行い(S320)、「Ti>Tth」であれば(S320:YES)、前述の所定条件が成立しているか否かを判定する(S330)。そして、所定条件が成立していれば(S330:YES)、メモリ121内の基準値Tsoを、現在のカウンタ123の値に書き換える。つまり、カウンタ123によって今回計測した開弁到達時間Toを、基準値Tsoとしてメモリ121に更新記憶させる(S345)。そして、当該図9の動作を終了する。
また、上記S320の動作により、「Ti>Tth」ではないと判定した場合(S320:NO)、あるいは、上記S330の動作により、所定条件が成立していないと判定した場合には(S330:NO)、上記S345の動作(基準値Tsoの更新動作)を行わずに、当該図9の動作を終了する。
尚、図8のS300でインジェクタ電流Iがピーク値Ipに達したと判定されるよりも前に、この図9のS305でインジェクタ電流Iが開弁開始電流値Ioに達したと判定されて、当該図9の動作が全て完了することとなる。よって、マイコン130からの噴射指令信号がハイからローに変わって、図8におけるS510の判定が最初に行われる時点では、遅延時間Td(=To−Tso)の計測が完了している。このため、図9の動作で遅延時間Tdが計測されたならば、図8のS510及びS520の処理により、コイル101aへの通電停止タイミングが、噴射指令信号の立ち下がりタイミングよりも、計測された遅延時間Tdだけ遅らされることとなる。
以上のような第3実施形態の駆動制御回路120を備えた燃料噴射制御装置100によれば、計測する遅延時間Tdが、正規の場合に対するインジェクタ101の開弁遅れ時間と等しいため、第2実施形態の如く遅延時間Tdに係数kを乗ずる手法をとらなくても、燃料噴射量の制御精度を高めることができる。
尚、第1実施形態について述べた変形例と同様の変形は、上記第2及び第3実施形態の各々についても適用することができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
例えば、立ち上がり評価時間を決める規定値は、ピーク値Ip以下の値であれば良く、ピーク値Ipと開弁開始電流値Ioとの間の値や、開弁開始電流値Ioよりも小さい値に設定することも可能である。また、規定値を開弁開始電流値Io以外の値に設定した場合に、燃料噴射精度を一層上げるには、第2実施形態のように、計測した遅延時間Tdに所定の係数を乗じることで、その遅延時間Tdを、正規の場合に対するインジェクタ101の開弁遅れ時間に換算し、その開弁遅れ時間だけ実通電時間を長くするように構成すれば良い。
また、制御対象のエンジンは、ディーゼルエンジンに限らず、直噴式ガソリンエンジンでも良い。また、エンジンの気筒数及びインジェクタの数は、4以外でも良い。
100…燃料噴射制御装置、101…インジェクタ、101a…コイル(インジェクタコイル)、110…充電回路、120…駆動制御回路、121…メモリ、123,125…カウンタ、130…マイコン、C10…コンデンサ、CM,INJ…端子、D0,D11,D12…ダイオード、L0…インダクタ、Lp…電源ライン、R0,R10…抵抗、T0…昇圧スイッチ、T10…気筒選択スイッチ、T11…定電流供給用スイッチ、T12…放電スイッチ

Claims (7)

  1. 1つ以上のインジェクタのコイルに供給する電気エネルギーが蓄積されるコンデンサと、
    前記コンデンサを、それの充電電圧が所定の目標値となるように充電する充電手段と、
    前記インジェクタのコイルへの通電期間を設定する設定手段と、
    前記設定手段により設定された通電期間の開始タイミングが到来すると、その通電期間中に通電すべき駆動対象のインジェクタのコイルへ前記コンデンサから放電させることにより該インジェクタを開弁させ、前記コイルに流れる電流が所定のピーク値に達したことを検知すると、前記コンデンサからの放電を停止して、その後は前記通電期間が終了するまで、前記インジェクタのコイルに前記ピーク値よりも小さい一定電流を流すことで該インジェクタの開弁状態を維持し、前記通電期間が終了すると、前記インジェクタのコイルへの通電を停止して該インジェクタを閉弁させる通電制御手段と、
    を備えた燃料噴射制御装置において、
    前記通電期間の開始タイミングから前記コイルに流れる電流が前記ピーク値以下の規定値に達するまでの立ち上がり評価時間の基準値であって、前記コンデンサの充電電圧が前記目標値になっている状態で該コンデンサから前記コイルへの放電が実施される場合での前記立ち上がり評価時間の値を記憶する記憶手段と、
    前記設定手段により設定された通電期間の開始タイミングが到来すると、前記立ち上がり評価時間を計測すると共に、その立ち上がり評価時間が前記基準値を超えたならば、その立ち上がり評価時間が前記基準値よりも長くなった分である遅延時間を計測する計測手段と、
    前記計測手段により前記遅延時間が計測されると、前記通電制御手段が前記インジェクタのコイルに実際に通電する実通電時間を、前記計測された遅延時間に応じて、前記設定された通電期間よりも長くする通電時間補正手段と、
    前記コイルへの放電前の前記コンデンサの充電電圧が前記目標値になっていると判定した場合に、前記計測手段により計測された前記立ち上がり評価時間を、前記基準値として前記記憶手段に更新記憶させる基準値更新手段と、
    を備えていること特徴とする燃料噴射制御装置。
  2. 請求項に記載の燃料噴射制御装置において、
    前記基準値更新手段は、前記設定手段により設定される通電期間の開始タイミングの間隔である噴射間隔が所定の判定値よりも長いか否かを判定し、前記噴射間隔が前記判定値よりも長ければ、前記コイルへの放電前の前記コンデンサの充電電圧が前記目標値になっていると判定すること、
    を特徴とする燃料噴射制御装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の燃料噴射制御装置において、
    前記通電時間補正手段は、前記通電制御手段が前記コイルへの通電を停止するタイミングを、前記通電期間の終了タイミングよりも遅らせることにより、前記実通電時間を前記通電期間よりも長くすること、
    を特徴とする燃料噴射制御装置。
  4. 請求項1ないし請求項の何れか1項に記載の燃料噴射制御装置において、
    前記規定値は、前記ピーク値であること、
    を特徴とする燃料噴射制御装置。
  5. 請求項に記載の燃料噴射制御装置において、
    前記通電時間補正手段は、前記実通電時間を、前記計測された遅延時間に所定の係数を乗じた時間だけ、前記通電期間よりも長くすること、
    を特徴とする燃料噴射制御装置。
  6. 請求項1ないし請求項の何れか1項に記載の燃料噴射制御装置において、
    前記規定値は、前記インジェクタのコイルに流れる電流がその値に達すると該インジェクタが開弁することとなる開弁開始電流値であること、
    を特徴とする燃料噴射制御装置。
  7. 請求項に記載の燃料噴射制御装置において、
    前記通電時間補正手段は、前記実通電時間を、前記計測された遅延時間だけ、前記通電期間よりも長くすること、
    を特徴とする燃料噴射制御装置。
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