JP4126911B2 - 電気光学装置および電子機器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気光学装置および電子機器に関し、特に、特性不良を防止するとともに、歩留まりを向上させることができる優れた電気光学装置および上記の電気光学装置を備えた電子機器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電気光学装置(例えば、液晶表示装置、EL(エレクトロルミネッセンス)発光表示装置等)は、携帯電話機やモバイルコンピュータ等の各種機器の直視型の表示装置として広く用いられている。このような電気光学装置のうち、例えば、アクティブマトリクス型で、半透過・半反射型の液晶表示装置においては、対向配置された薄膜トランジスタ(TFT)アレイ基板と対向基板とがシール材で貼り合わされているとともに、基板間のシール材で区画された領域内に電気光学物質としての液晶が封入、保持されている。
【0003】
また、このような液晶表示装置を構成するTFTアレイ基板の表面(内面側)には、アルミニウムなどからなり、対向基板の側から入射してきた外光を対向基板の方向に反射する光反射膜が形成されている。光反射膜には、光が透過する平面視矩形の透過窓が設けられ、光反射膜の上側には、透過窓を覆うように、ITO(Indium Tin Oxide)膜からなる透明電極が形成され、透明電極の上側には、透明電極を覆うように配向膜が設けられている。
また、透明電極は、画素スイッチング用のTFTとコンタクトホールを介して電気的に接続されている。
【0004】
このような液晶表示装置では、反射モード時には、対向基板側から入射した光をTFTアレイ基板の光反射膜で反射させて対向基板側から出射させ、対向基板側から出射された光によって画像を表示する。また、透過モード時には、バックライトからの光のうち透過窓を透過した光によって画像を表示する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような液晶表示装置では、TFTと透明電極とを電気的に接続するためのコンタクトホールを形成する際に、TFTと透明電極との間の膜厚に起因する段差によって透明電極の段切れが生じ、TFTとの電気的な接続に支障を来す場合があった。とくに、散乱反射光を得るために、凹凸層や凹凸形成層を光反射膜の下側に設けた場合には、TFTと透明電極との間の膜厚が厚くなるので、コンタクトホールの上部から底部までの深さが深くなり、コンタクトホールの側壁に透明電極が成膜されにくくなるため、透明電極の段切れが生じやすく、問題となっていた。
【0006】
また、このような液晶表示装置では、通常、アルミニウムからなる光反射膜をエッチングすることにより、コンタクトホールや透過窓を形成しているが、エッチングされる部分の面積が小さいため、アルミニウムのエッチング時に発生する泡が、エッチングされる光反射膜に付着したまま離れず、アルミニウムのエッチングに支障を来すという不都合が生じる場合があり、エッチング終了後に得られる光反射膜のパターン形状に不良が生じやすいことが問題となっていた。
【0007】
また、このような液晶表示装置を構成する各画素には、一般に、TFTと透明電極とを電気的に接続するためのコンタクトホールを形成する領域と、透過窓を構成する領域とからなる少なくとも2つの光反射膜が形成されていない領域が存在する。光反射膜が形成されていない領域の角部と平面的に重なる領域は、光反射膜の膜厚によって形成される段差に起因する液晶配向不良(ディスクリネーション)が生じやすい領域である。
【0008】
例えば、矩形の光反射膜が形成されていない領域が各画素に2つずつ存在する場合には、光反射膜が形成されていない領域の角部と平面的に重なる領域は8箇所となり、各画素には、8箇所も液晶配向不良が生じやすい領域が存在していることになる。
このように多数の光反射膜形成されていない領域の角部と平面的に重なる領域が存在すると、液晶配向不良による表示不良が生じやすくなるため、問題となっていた。
【0009】
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであって、透明電極とTFTとの接続の信頼性を向上させることができ、また、アルミニウムからなる光反射膜のエッチング時に発生する泡による光反射膜のパターン形状の不良を防止することができ、さらに、光反射膜に設けられた透過窓の角部と平面的に重なる領域における液晶配向不良の発生を少なくすることができる優れた電気光学装置を提供することを目的とする。
また、上記の電気光学装置を備えた電子機器を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の電気光学装置は、互いに対向する上基板と下基板との間に電気光学物質が挟持され、画像表示領域にマトリクス状に形成された複数の画素の各々に反射領域と透過領域とが設けられ、反射モードと透過モードによる画像表示が可能な電気光学装置であって、前記下基板の内面側には、画素スイッチング用の薄膜トランジスタと、光反射膜と透明導電膜とからなる画素電極と、前記薄膜トランジスタと前記画素電極の透明導電膜とを電気的に接続するコンタクトホールとが備えられ、前記光反射膜上に前記透明導電膜が設けられ、前記光反射膜が設けられている領域の少なくとも一部が前記反射領域を構成し、前記透明導電膜によって覆われ、前記光反射膜が形成されていない光反射膜非形成領域に設けられた透過窓が前記透過領域を構成し、前記光反射膜非形成領域が前記複数の画素の各々に設けられ、同一の前記各光反射膜非形成領域内に前記透過窓と前記コンタクトホールとが形成されていることを特徴とする。
【0011】
本発明の電気光学装置においては、透明導電膜とトランジスタとを電気的に接続するコンタクトホールと、光が透過する透過窓とが、同一の光反射膜非形成領域内に形成されているので、1つの光反射膜非形成領域の面積は、コンタクトホールと透過窓とがそれぞれ個別の光反射膜非形成領域内に形成されている場合における各光反射膜非形成領域の面積と比較して、広いものとなる。
【0012】
また、光反射膜非形成領域は、通常、アルミニウムなどからなる光反射膜をエッチングすることにより形成されるが、光反射膜非形成領域の面積を広くすると、エッチングする際に、エッチングされる光反射膜に付着したまま離れない泡の量を減少させることができ、エッチング終了後に得られる光反射膜のパターン形状が不良となるのを防止することができる。本発明の電気光学装置によれば、上述したように、光反射膜非形成領域の面積が広いものとなるので、アルミニウムからなる光反射膜をエッチングすることにより光反射膜非形成領域を形成したとしても、アルミニウムのエッチング時に発生する泡による光反射膜のパターン形状の不良が生じにくいものとなる。
【0013】
また、本発明の電気光学装置においては、透明導電膜とトランジスタとを電気的に接続するコンタクトホールと光が透過する透過窓とが、同一の光反射膜非形成領域内に形成されているので、コンタクトホールと透過窓とがそれぞれ個別の光反射膜非形成領域内に形成されている場合と比較して、光反射膜非形成領域の数が少ないものとなる。
光反射膜非形成領域の数が少ないと、光反射膜非形成領域の角部の数も少なくなり、液晶配向不良が生じやすい領域である光反射膜非形成領域の角部と平面的に重なる領域の数も少なくなるので、液晶配向不良を防止することができ、液晶配向不良による表示不良を防ぐことができる。
【0014】
また、上記の電気光学装置においては、前記光反射膜上に前記透明導電膜が設けられていることが望ましい。
このような電気光学装置とすることで、光反射膜を、例えば、電触の発生しやすいアルミニウムからなるものとした場合に、光反射膜の電触によって発生する不良を防止することができる。
【0015】
また、このような電気光学装置においても、上述したように、コンタクトホールと透過窓とがそれぞれ個別の光反射膜非形成領域内に形成されているものと比較して、光反射膜非形成領域の面積が広いものとなるので、光反射膜非形成領域の周囲長を長くすることができる。
このため、トランジスタと透明導電膜とを電気的に接続するためのコンタクトホールを光反射膜非形成領域内に形成する際に、光反射膜の膜厚に起因する段差によって光反射膜非形成領域の周縁部上に設けられた透明導電膜の一部が途切れたとしても、途切れることなく形成された部分において、透明導電膜とトランジスタとの電気的な接続を確保することができる。よって、前記光反射膜上に前記透明導電膜が設けられているものであっても、透明導電膜とトランジスタとの電気的な接続における信頼性が向上し、歩留まりの向上が実現できる。
【0016】
また、上記の電気光学装置においては、前記コンタクトホールよりも上側に、前記コンタクトホールを覆い、前記光反射膜非形成領域を横断する遮光層が備えられたものであることが望ましい。
【0017】
このような電気光学装置とすることで、上基板側からコンタクトホールに入射する光を遮光することができるので、上基板側からコンタクトホールに入射する光に起因する液晶配向不良などの不都合が防止できる。
また、本発明の電気光学装置において、コンタクトホールを覆う遮光層は、コンタクトホールよりも上側に備えられていれば、上基板に設けられていてもよいし下基板に設けられていてもよいが、前記遮光層が光反射膜非形成領域を横断する領域と平面的に重なる領域に設けられていない場合には、以下に示すような、不都合が生じる場合がある。
【0018】
すなわち、例えば、遮光層が上基板に設けられ、遮光層が前記光反射膜非形成領域を横断する領域と平面的に重なる領域に設けられていない場合、電気光学装置を製造する工程における上基板と下基板との貼り合わせずれによって、光反射膜非形成領域と遮光層との重なる位置が所定の位置からずれて、遮光層と光反射膜非形成領域とが重なる領域の面積が変化してしまう。また、例えば、遮光層が下基板に設けられ、遮光層が前記光反射膜非形成領域を横断する領域と平面的に重なる領域に設けられていない場合、電気光学装置を製造する工程における遮光層の形成位置のずれによって、光反射膜非形成領域と遮光層との重なる位置が所定の位置からずれて、上述した遮光層が上基板に設けられている場合と同様に、遮光層と光反射膜非形成領域とが重なる領域の面積が変化してしまう。
【0019】
このように、遮光層と光反射膜非形成領域とが重なる領域の面積が変化すると、光反射膜非形成領域内に形成された透過窓の面積も変化してしまうので、透過モード時の表示に支障を来し、所定の表示品質が得られない恐れがある。
【0020】
これに対し、上記の電気光学装置においては、基板側から前記トランジスタに入射する光を遮光する遮光層が、光反射膜非形成領域を横断する領域と平面的に重なる領域に設けられているので、透過窓は、光反射膜非形成領域内において、遮光層と平面的に重なる領域を挟んで対向する2つの領域に位置することになり、光反射膜非形成領域と遮光層との重なる位置が所定の位置からずれたとしても、遮光層と光反射膜非形成領域とが重なる領域の面積が変化することはなく、透過窓を構成する2つの領域の面積比が変化するだけとなる。したがって、光反射膜非形成領域内に形成された透過窓の面積が変化して、透過モード時の表示に支障を来すことはなく、一定の表示品質が得られるため、歩留まりを向上させることができる。
【0021】
また、本発明の電気光学装置においては、透明導電膜とトランジスタとを電気的に接続するコンタクトホールと透過窓とが、同一の光反射膜非形成領域内に形成されているので、コンタクトホールと透過窓とがそれぞれ個別の光反射膜非形成領域内に形成されている場合と比較して、上基板側からコンタクトホールに入射する光を遮光する遮光層の形成面積を狭くすることができる。
【0022】
例えば、コンタクトホールと透過窓とがそれぞれ個別の光反射膜非形成領域内に形成されている場合、コンタクトホールが設けられている光反射膜非形成領域の面積が狭くなり、コンタクトホールが設けられている光反射膜非形成領域内の平坦な部分の面積が少なくなるので、コンタクトホールが形成されている部分だけでなく、コンタクトホールが設けられている光反射膜非形成領域全体が液晶配向不良が生じやすい領域となる。このため、コンタクトホールが設けられている光反射膜非形成領域すべてを遮光することができるだけの面積を有する遮光層を形成しなければならない。したがって、遮光領域、すなわち、表示に寄与しない領域の割合が大きくなってしまう。
【0023】
これに対し、本発明の電気光学装置においては、コンタクトホールと透過窓とが、同一の光反射膜非形成領域内に形成されているので、上述したように、光反射膜非形成領域の面積が広くなり、コンタクトホールの周囲にも平坦な部分が形成されるので、光反射膜非形成領域すべてを遮光する必要はない。したがって、表示に寄与する領域の割合を向上させることができる。
【0024】
また、上記の電気光学装置においては、前記光反射膜非形成領域は、前記光反射膜が窓状に開口されてなる窓部から、前記光反射膜の外周部に向かって開口していることが望ましい。
【0025】
このような電気光学装置とすることで、透明導電膜とトランジスタとの電気的な接続のために利用し得る光反射膜の膜厚に起因する段差の延在する長さが、光反射膜非形成領域の周囲長だけでなく、光反射膜の外周の周囲長分も含まれる長さとなるので、トランジスタと透明導電膜とを電気的に接続するためのコンタクトホールを形成する際に、光反射膜の膜厚に起因する段差によって光反射膜非形成領域の周縁部上に設けられた透明導電膜の一部または全部が途切れたとしても、光反射膜の外周部上に設けられた透明導電膜のうちの途切れることなく形成された部分において、透明導電膜とトランジスタとの電気的な接続を確保することができる。よって、透明導電膜とトランジスタとの電気的な接続における信頼性をより一層向上させることができる。
【0026】
また、上記の電気光学装置においては、前記光反射膜が、アルミニウムもしくはその合金、又は銀もしくはその合金、又はこれらにチタン、窒化チタン、モリブデン、タンタル等を含む積層膜から構成されたことが望ましい。
このような電気光学装置とすることで、光反射効率が高い光反射膜となり、反射モード時に明るい表示が得られるものとなる。
【0027】
また、上記の電気光学装置においては、前記画素電極が、アルミニウムもしくはその合金、又は銀もしくはその合金とITO膜(インジウムすず酸化膜)との積層膜から構成されたことが望ましい。
このような電気光学装置とすることで、透過モード時にコントラストの高い表示が得られるものとなる。
【0028】
また、上記の目的を達成するために、本発明の電子機器は、上記の電気光学装置を備えたことを特徴とする。
このような電子機器とすることで、歩留まりを向上させることができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
「第1実施形態」
(電気光学装置の基本的な構成)
図1は、本発明の電気光学装置の一実施形態である液晶表示装置を、各構成要素とともに対向基板の側から見た平面図であり、図2は、図1のH−H’線における断面図である。図3は、電気光学装置(液晶表示装置)の画像表示領域においてマトリクス状に形成された複数の画素における各種素子、配線等の等価回路図である。なお、本形態の説明に用いた各図においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならしめてある。
【0030】
図1及び図2において、本実施の形態の電気光学装置(液晶表示装置)100は、TFTアレイ基板10(下基板)と対向基板20(上基板)とがシール材52によって貼り合わされ、このシール材52によって区画された領域内には、電気光学物質としての液晶50が封入、保持されている。また、シール材52が形成された領域の内側の領域には、遮光性材料からなる周辺見切り53が形成されている。シール材52の外側の領域には、データ線駆動回路201、及び実装端子202がTFTアレイ基板10の一辺に沿って形成されており、この一辺に隣接する2辺に沿って走査線駆動回路204が形成されている。TFTアレイ基板10の残る一辺には、画像表示領域の両側に設けられた走査線駆動回路204の間を接続するための複数の配線205が設けられており、さらに、周辺見切り53の下側等を利用して、プリチャージ回路や検査回路が設けられることもある。また、対向基板20のコーナー部の少なくとも1箇所においては、TFTアレイ基板10と対向基板20との間で電気的導通をとるための基板間導通材206が配設されている。
【0031】
なお、電気光学装置100おいては、使用する液晶50の種類、すなわち、TN(ツイステッドネマティック)モード、STN(スーパーTN)モード等々の動作モードや、ノーマリホワイトモード/ノーマリブラックモードの別に応じて、偏光フィルム、位相差フィルム、偏光板等が所定の向きに配置されるが、ここでは図示を省略している。
【0032】
また、電気光学装置100をカラー表示用として構成する場合には、対向基板20において、TFTアレイ基板10の後述する各画素電極に対向する領域に、例えば、赤(R)、緑(G)、青(B)のカラーフィルタをその保護膜とともに形成する。
【0033】
このような構造を有する電気光学装置100の画像表示領域においては、図3に示すように、複数の画素100aがマトリクス状に構成されているとともに、これらの画素100aの各々には、画素スイッチング用のTFT30が形成されており、画素信号S1、S2、・・・Snを供給するデータ線6aがTFT30のソースに電気的に接続されている。データ線6aに書き込む画素信号S1、S2、・・・Snは、この順に線順次で(線番号の順番で)供給してもよく、相隣接する複数のデータ線6a同士に対して、グループ毎に供給するようにしてもよい。また、TFT30のゲートには走査線3aが電気的に接続されており、所定のタイミングで、走査線3aにパルス的に走査信号G1、G2、・・・Gmをこの順に線順次で(線番号の順番で)印加するように構成されている。反射電極9(光反射膜)及び透明電極8(透明導電膜)は、TFT30のドレインに電気的に接続されており、スイッチング素子であるTFT30を一定期間だけオン状態とすることにより、データ線6aから供給される画素信号S1、S2、・・・Snを各画素に所定のタイミングで書き込む。このようにして反射電極9及び透明電極8を介して液晶に書き込まれた所定レベルの画素信号S1、S2、・・・Snは、図2に示す対向基板20の対向電極21との間で一定期間保持される。
【0034】
(TFTアレイ基板の構成)
図4は、本実施の形態に用いたTFTアレイ基板の相互に隣接する複数の画素群の平面図であり、図5は、図4のA−A’線における画素の断面図である。また、図6は、一つの画素を構成する画素電極における光反射膜非形成領域と透過窓およびコンタクトホールの配置を説明するための図である。
【0035】
図4および図5に示すように、TFTアレイ基板10上には、反射電極9と反射電極9上に設けられた透明電極8とからなり、光が透過する透過窓14を有する画素電極89がマトリクス状に形成されており(図4においては一画素を示す)、これら各画素電極89に対して、画素スイッチング用のTFT30(図3参照)がそれぞれ透明電極8を介して電気的に接続している。
【0036】
また、画素電極89を形成する領域の縦横の境界に沿って、データ線6a、走査線3a及び容量線3bが形成され、TFT30は、データ線6a及び走査線3aに対して接続している。すなわち、データ線6aは、コンタクトホールを介してTFT30の高濃度ソース領域1aに電気的に接続し、画素電極89を構成する透明電極8は、コンタクトホール15及びソース線6bを介してTFT30の高濃度ドレイン領域1dに電気的に接続している。
【0037】
また、TFT30のチャネル形成用領域1a’に対向するように走査線3aが延びている。なお、蓄積容量60は、画素スイッチング用のTFT30(図3参照)を形成するための半導体膜1の延設部分1fを導電化したものを下電極とし、この下電極1fに、走査線3aと同層の容量線3bが上電極として重なった構造になっている。
【0038】
また、図4および図6に示すように、各画素100aには、一つずつ反射電極9が形成されていない光反射膜非形成領域90が設けられ、光反射膜非形成領域90内には、コンタクトホール15が形成されている。図4に示すように、コンタクトホール15は、チタン、窒化チタン、アルミニウム、タンタル、モリブテンなどからなり、画素電極89を形成する領域の周縁部に沿って配置されているTFT30から画素電極89を形成する領域の中心部まで延設されたソース線6bと、画素電極89を構成する透明電極8とを、各画素100aの中央部で電気的に接続するものである。
【0039】
また、光反射膜非形成領域90のうち、ソース線6bと重なり合わない領域が、光が透過する透過窓14となっている。透過窓14に対応する領域は、透明電極8によって覆われ、透過モードで画像表示を行う透過領域である。
また、反射電極9によって覆われ、後述する凹凸形成層(図示せず)および凹凸層(図示せず)を備えた領域は、反射領域であり、ここでは反射モードで画像表示を行う。
【0040】
また、図5に示すように、この反射領域のA−A’線で切断したときの断面は、TFTアレイ基板10の基体としての透明なTFTアレイ基板用のガラス基板10’の表面に、厚さが100nm〜500nmのシリコン酸化膜(絶縁膜)からなる下地保護膜11が形成され、この下地保護膜11の表面には、厚さが30nm〜100nmの島状の半導体膜1が形成されている。半導体膜1の表面には、厚さが約50〜150nmのシリコン酸化膜からなるゲート絶縁膜2が形成され、このゲート絶縁膜2の表面に、厚さが300nm〜800nmの走査線3aがゲート電極として通っている。半導体膜1のうち、走査線3aに対してゲート絶縁膜2を介して対向する領域がチャネル形成用領域1a’になっている。このチャネル形成用領域1a’に対して一方側には、低濃度領域1b及び高濃度ソース領域1aを備えるソース領域が形成され、他方側には低濃度領域1b及び高濃度ドレイン領域1dを備えるドレイン領域が形成され、その中間には、ソース、ドレインのどちらの領域にも属さない高濃度領域1cが形成されている。
【0041】
画素スイッチング用のTFT30の表面側には、厚さが300nm〜800nmのシリコン酸化膜からなる第1層間絶縁膜4、及び厚さが100nm〜800nmのシリコン窒化膜からなる第2層間絶縁膜5が形成されている。第1層間絶縁膜4の表面には、厚さが300nm〜800nmのデータ線6aが形成され、このデータ線6aは、第1層間絶縁膜4に形成されたコンタクトホールを介して高濃度ソース領域1aに電気的に接続している。
【0042】
第2層間絶縁膜5の上層には、有機系樹脂等の感光性樹脂からなる凹凸形成層13及び凹凸層7がこの順に形成され、凹凸層7の表面には、アルミニウムからなる反射電極9と、反射電極9の上層に形成されたITO膜等からなる透明電極8とからなる画素電極89が形成されている。画素電極89を構成する透明電極8は、コンタクトホール15を介してソース線6bと電気的に接続している。また、画素電極89の表面には、背面光源からの光を透過するための透過窓14が形成されているとともに、凹凸層7の表面凹凸形状に対応した凹凸パターン9gが形成されている。さらに、画素電極89の表面側には、ポリイミド膜からなる配向膜12が形成され、配向膜12の表面側には、ラビング処理が施されている。
【0043】
また、高濃度ドレイン領域1dからの延設部分1fに対しては、ゲート絶縁膜2と同時形成された絶縁膜を介して、走査線3aと同層の容量線3bが上電極として対向することにより、蓄積容量60(図3参照)が構成されている。
【0044】
なお、TFT30は、好ましくは上述のようにLDD構造(ライトリー・ドープト・ドレイン構造)をもつが、低濃度領域1bに相当する領域に不純物イオンの打ち込みを行わないオフセット構造を有していてもよい。また、TFT30は、ゲート電極(走査線3aの一部)をマスクとして高濃度で不純物イオンを打ち込み、自己整合的に高濃度のソース及びドレイン領域を形成したセルフアライン型のTFTであってもよい。
【0045】
また、本実施の形態では、TFT30のゲート電極(走査線3a)をソース−ドレイン領域の間に2個配置したデュアルゲート(ダブルゲート)構造としたが、1個配置したシングルゲート構造であってもよく、また、これらの間に3個以上のゲート電極を配置したトリプルゲート以上の構造であってもよい。複数個配置した場合、各々のゲート電極には同一の信号が印加されるようにする。このようにデュアルゲート、又はトリプルゲート以上でTFT30を構成すれば、チャネルとソース−ドレイン領域の接合部でのリーク電流を防止でき、オフ時の電流を低減することができる。これらのゲート電極の少なくとも1個をLDD構造又はオフセット構造にすれば、さらに、オフ電流を低減でき、安定したスイッチング素子を得ることができる。
【0046】
また、図4および図5において、TFTアレイ基板10では、各画素100aを構成する画素電極89の表面のうち、TFT30の形成領域及びコンタクトホール15から外れた領域(凹凸層形成領域)には、前述のように凹凸パターン9gが形成されている。
【0047】
このような凹凸パターン9gを構成するにあたって、本実施形態のTFTアレイ基板10では、前述の凹凸層形成領域には、図5に示すように、アクリル樹脂等の有機系の透光性の感光性樹脂からなる凹凸形成層13が第2層間絶縁膜5の表面に1〜3μmの厚さで例えば、スピンコートによって形成され、この凹凸形成層13の上層には、アクリル樹脂等の有機系の透光性の感光性樹脂等のような流動性材料から形成された絶縁膜からなる凹凸層7が1〜2μmの厚さで例えば、スピンコートによって積層されている。
【0048】
また、凹凸形成層13には、多数の凹凸が形成されている。このため、図5に示すように、画素電極89の表面には、凹凸層7の表面凹凸形状に対応する凹凸パターン9gが形成され、この凹凸パターン9gでは、凹凸層7によって、凹凸形成層13のエッジ等が現れないようになっている。なお、凹凸層7を形成せずに、凹凸形成層13を形成した後、ベーク工程を行うことにより、凹凸形成層13の凹凸の縁を滑らかにしてもよい。
【0049】
(対向基板の構成)
図5において、対向基板20では、対向基板側のガラス基板20’上の、TFTアレイ基板10に形成されている反射電極9の縦横の境界領域と対向する領域にブラックマトリクス、又はブラックストライプ等と称せられる遮光膜23が形成され、その上層側には、ITO膜からなる対向電極21が形成されている。また、対向電極21の上層側には、ポリイミド膜からなる配向膜22が形成されている。
なお、TFTアレイ基板10と対向基板20との間には、液晶50が、保持、封入されている。
【0050】
このように構成した電気光学装置100においては、各画素100aに一つずつ光反射膜非形成領域90が設けられ、同一の光反射膜非形成領域90内にコンタクトホール15と透過窓14とが形成されているので、1つの光反射膜非形成領域90の面積は、コンタクトホール15と透過窓14とがそれぞれ個別の光反射膜非形成領域内に形成されている場合における各光反射膜非形成領域の面積と比較して、広いものとなる。
【0051】
各光反射膜非形成領域90の面積が広いと、各光反射膜非形成領域90の周囲長が長くなるので、コンタクトホール15を光反射膜非形成領域90内に形成する際に、反射電極9の膜厚に起因する段差によって光反射膜非形成領域90の周縁部上に設けられた透明電極8の一部が途切れたとしても、途切れることなく形成された部分において、TFT30に電気的に接続しているソース線6bと透明電極8との電気的な接続を確保することができる。よって、透明電極8とTFT30との電気的な接続における信頼性が向上し、歩留まりの向上が実現できる。
【0052】
また、光反射膜非形成領域90の面積が広いので、アルミニウムからなる反射電極9をエッチングすることにより光反射膜非形成領域90を形成する際に、アルミニウムのエッチング時に発生する泡による反射電極9のパターン形状の不良が生じにくいものとなる。
【0053】
また、本実施形態の電気光学装置100においては、上述したように、コンタクトホール15と透過窓14とが、各画素100aに一つずつ設けられた光反射膜非形成領域90内に形成されているので、コンタクトホール15と透過窓14とがそれぞれ個別の光反射膜非形成領域内に形成されている場合と比較して、光反射膜非形成領域の数が少ないものとなる。
【0054】
図12は、液晶表示装置の一つの画素を構成する画素電極における光反射膜が形成されていない領域と、透過窓およびコンタクトホールの配置を説明するための図であり、コンタクトホールと透過窓とがそれぞれ個別の光反射膜非形成領域内に形成されている場合の例である。
図12において、符号9は、反射電極を示し、符号190は、反射電極9が形成されていない光反射膜非形成領域を示している。このように矩形の光反射膜非形成領域190が各画素に2つずつ存在する場合には、光反射膜非形成領域190の角部190aと平面的に重なる領域は8箇所となり、各画素には、8箇所も液晶配向不良が生じやすい領域が存在していることになる。
【0055】
本実施形態の電気光学装置100においては、上述したように、コンタクトホール15と透過窓14とが、各画素100aに一つずつ設けられた光反射膜非形成領域90内に形成されているので、図4において符号90aで示した光反射膜非形成領域90の角部の数は4箇所となり、液晶配向不良が生じやすい領域である光反射膜非形成領域90の角部90aと平面的に重なる領域も4箇所となり、図12に示すコンタクトホール15と透過窓14とがそれぞれ個別の光反射膜非形成領域内に形成されている場合の8箇所と比較して少なくなるので、液晶配向不良を防止することができ、液晶配向不良による表示不良を防ぐことができる。
【0056】
また、本実施形態の電気光学装置100では、対向基板20側から入射した光を、反射電極9によってTFTアレイ基板10側で反射して、対向基板20側から出射することができ、この間に液晶50によって各画素100a毎で光変調を行えば、外光を利用して所望の画像を表示することができる(反射モード)。
【0057】
また、本実施形態の電気光学装置100は、透過窓14を覆うように透明電極8が形成されているものであるため、透過型の液晶表示装置としても機能する。すなわち、TFTアレイ基板10の側に配置されたバックライト装置(図示せず)から出射された光は、TFTアレイ基板10に入射し、各画素100aにおいて透過窓14を経由して対向基板20側に透過する。このため、液晶50によって各画素100a毎に光変調を行えば、バックライト装置から出射された光を利用して所望の画像を表示することができる(透過モード)。
【0058】
また、本実施形態では、画素電極89の下層側のうち、反射電極9と平面的に重なる領域に凹凸形成層13を形成し、この凹凸形成層13の凹凸を利用して、反射電極9の表面に光散乱用の凹凸パターン9gを形成している。また、凹凸パターン9gでは、凹凸層7によって、凹凸形成層13のエッジ等が現れないようになっている。従って、反射モードで画像を表示したとき、散乱反射光で画像を表示するため、視野角依存性が小さい。
【0059】
また、反射電極9を、アルミニウムからなるものとしたので、光反射効率が高い反射電極9となり、反射モード時に明るい表示が得られるものとなる。
【0060】
また、透明電極8を、ITO膜からなるものとしたので、透過モード時にコントラストの高い表示が得られるものとなる。
【0061】
また、本実施形態の電気光学装置100では、コンタクトホール15が、画素電極89を形成する領域の中心部に設けられているので、仮に、透明電極8を形成した後の工程において、例えばジメチルスルホキシドとモノエタノールアミンとからなるレジスト剥離液などの薬液が各画素100aの外周部から侵入し、アクリル樹脂等の有機系の透光性の感光性樹脂などからなる凹凸形成層13や凹凸層7が膨潤したとしても、凹凸形成層13や凹凸層7の膨潤によって凹凸形成層13や凹凸層7の上層に設けられている透明電極8が途切れて、ソース線6bと透明電極8との電気的な接続に支障を来すという不都合が発生しにくい。
【0062】
すなわち、各画素100aの外周部から侵入した薬液に起因する凹凸形成層13や凹凸層7の膨潤は、画素電極89を形成する領域の周縁部で発生しやすい現象であり、コンタクトホール15が設けられている画素電極89を形成する領域の中心部において発生することはない。
したがって、コンタクトホール15が、画素電極89を形成する領域の周縁部に設けられている場合には、凹凸形成層13や凹凸層7の膨潤によってソース線6bとの電気的な接続を担っている透明電極8が途切れる恐れがある。これに対し、本実施形態においては、コンタクトホール15が、画素電極89を形成する領域の中心部に設けられているので、画素電極89を形成する領域の周縁部で、凹凸形成層13や凹凸層7が膨潤したとしても、ソース線6bとの電気的な接続を担っている透明電極8が途切れることはなく、ソース線6bと透明電極8との電気的な接続を確保することができる。
【0063】
なお、本実施形態においては、反射電極9を、アルミニウムからなるものとしたが、反射電極9はアルミニウムからなるものの限定されるものではなく、例えば、アルミニウム合金、又は銀もしくはその合金、又はこれらにチタン、窒化チタン、モリブデン、タンタル等を含む積層膜から構成されていてもよい。
このような反射電極9を備えた場合も、光反射効率が高い反射電極9となり、反射モード時に明るい表示が得られる液晶表示装置を実現できる。
【0064】
「第2実施形態」
(TFTアレイ基板の構成)
本実施形態において、液晶表示装置の全体構成は、第1実施形態と同様であるため、詳細な説明は省略する。
また、本実施形態の液晶表示装置が、上述した第1実施形態の液晶表示装置と異なるところは、光反射膜非形成領域内における透過窓およびコンタクトホールの配置と、遮光膜の形成領域のみである。このため、本実施形態においては、第1実施形態と異なるところのみ、図面を用いて詳しく説明する。
【0065】
図7は、本実施形態の液晶表示装置の一つの画素を構成する画素電極における光反射膜非形成領域と、透過窓およびコンタクトホールの配置と、遮光膜の形成領域とを説明するための図であり、第1実施形態において説明した図6に対応する図である。
【0066】
図7に示すように、本実施形態においては、第1実施形態と異なり、コンタクトホール15が光反射膜非形成領域90の中央部に形成され、対向基板20に備えられた遮光層23の形成領域を拡大させてなる遮光層23bが光反射膜非形成領域90を横断する領域と平面的に重なる領域に設けられている。遮光層23bは、対向基板20側からコンタクトホール15に入射する光を遮光するものである。
また、光反射膜非形成領域90のうち、遮光層23bと重なり合わない領域が、光が透過する透過窓14となっている。
【0067】
このように本実施形態においては、光反射膜非形成領域90を横断する領域と平面的に重なる領域に遮光層23bが設けられているので、対向基板20側からコンタクトホール15に入射する光に起因する液晶配向不良をより一層効果的に防止することができる。
【0068】
また、本実施形態においては、遮光層23bが、光反射膜非形成領域90を横断する領域と平面的に重なる領域に設けられているので、透過窓14は、光反射膜非形成領域90内において、遮光層23bと平面的に重なる領域を挟んで対向する2つの領域14a、14bに位置することになる。
このため、仮に、本実施形態の液晶表示装置を製造する工程におけるTFTアレイ基板10と対向基板20との貼り合わせずれによって、光反射膜非形成領域90と遮光層23bとの重なる位置が所定の位置からずれたとしても、遮光層23bと光反射膜非形成領域90とが重なる領域の面積が変化することはなく、透過窓14を構成する2つの領域14a、14bの面積比が変化するだけとなる。
【0069】
例えば、図13(a)に示すように、光反射膜非形成領域90と遮光層23bとの重なる位置が図示上方向にずれた場合には、図7に示した透過窓を構成する2つの領域14a、14bのうち、上側の領域14aが狭くなるが、上側の領域14aが狭くなった分だけ下側の領域14bが広くなる。また、例えば、図13(b)に示すように、光反射膜非形成領域90と遮光層23bとの重なる位置が図示下方向にずれた場合には、図7に示した透過窓を構成する2つの領域14a、14bのうち、下側の領域14bが狭くなるが、下側の領域14bが狭くなった分だけ上側の領域14aが広くなる。
このように、光反射膜非形成領域90と遮光層23bとの重なる位置がずれても、透過窓14を構成する2つの領域14a、14bの面積比が変化するだけであり、透過窓14を構成する2つの領域14a、14bの合計面積が変化することはない。
【0070】
したがって、光反射膜非形成領域90内に形成された透過窓14の面積が変化して、透過モード時の表示に支障を来すことはなく、一定の表示品質が得られるため、歩留まりを向上させることができる。
【0071】
なお、このように構成した本実施形態の電気光学装置100においても、各画素100aに一つずつ光反射膜非形成領域90が設けられ、同一の光反射膜非形成領域90内にコンタクトホール15と透過窓14とが形成されているので、1つの光反射膜非形成領域90の面積が、コンタクトホール15と透過窓14とがそれぞれ個別の光反射膜非形成領域内に形成されている場合における各光反射膜非形成領域の面積と比較して広いものとなり、各光反射膜非形成領域90の周囲長が長くなる。このため、TFT30に電気的に接続しているソース線6bと透明電極8との電気的な接続を確保することができるという、第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0072】
また、光反射膜非形成領域90の面積が広いので、アルミニウムからなる反射電極9をエッチングすることにより光反射膜非形成領域90を形成する際に、アルミニウムのエッチング時に発生する泡による反射電極9のパターン形状の不良が生じにくいものとなる。
【0073】
また、本実施形態の電気光学装置100においても、上述したように、コンタクトホール15と透過窓14とが、各画素100aに一つずつ設けられた光反射膜非形成領域90内に形成されているので、コンタクトホール15と透過窓14とがそれぞれ個別の光反射膜非形成領域内に形成されている場合と比較して、光反射膜非形成領域の数が少なく、液晶配向不良が生じやすい領域である光反射膜非形成領域90の角部90aと平面的に重なる領域の数が少なくなるので、液晶配向不良を防止することができ、液晶配向不良による表示不良を防ぐことができる。
【0074】
また、本実施形態の電気光学装置100においては、上述したように、光反射膜非形成領域90の面積が広くなるので、コンタクトホール15の周囲に平坦な部分が形成される。よって、コンタクトホール15と透過窓14とがそれぞれ個別の光反射膜非形成領域内に形成されている場合と比較して、遮光膜23bによって遮光する面積を少なくすることができ、表示に寄与する領域の割合を向上させることができる。
【0075】
「第3実施形態」
(TFTアレイ基板の構成)
本実施形態において、液晶表示装置の全体構成は、第1実施形態と同様であるため、詳細な説明は省略する。
また、本実施形態の液晶表示装置が、上述した第1実施形態の液晶表示装置と異なるところは、光反射膜非形成領域の形状のみである。このため、本実施形態においては、第1実施形態と異なるところのみ、図面を用いて詳しく説明する。
【0076】
図8は、本実施形態の液晶表示装置の一つの画素を構成する画素電極における光反射膜非形成領域と透過窓およびコンタクトホールの配置を説明するための図であり、第1実施形態において説明した図6に対応する図である。
【0077】
図8に示すように、本実施形態においては、第1実施形態と異なり、光反射膜非形成領域90は、反射電極9が窓状に開口されてなる窓部から、反射電極9の外周部に向かって開口している。
【0078】
このように本実施形態においては、光反射膜非形成領域90は、反射電極9が窓状に開口されてなる窓部から、反射電極9の外周部に向かって開口しているので、透明電極8とTFT30との電気的な接続のために利用し得る反射電極9の膜厚に起因する段差の延在する長さが、光反射膜非形成領域90の周囲長だけでなく、反射電極9の外周の周囲長分も含まれる長さとなる。よって、TFT30と透明電極8とを電気的に接続するためのコンタクトホール15を形成する際に、反射電極9の膜厚に起因する段差によって光反射膜非形成領域90の周縁部上に設けられた透明電極8の一部または全部が途切れたとしても、反射電極9の外周部上に設けられた透明電極8のうちの途切れることなく形成された部分において、透明電極8とTFT30との電気的な接続を確保することができる。その結果、透明電極8とTFT30との電気的な接続における信頼性をより一層向上させることができる。
【0079】
(電子機器)
次に、上記の実施形態の液晶表示装置を備えた電子機器の例について説明する。
図9は、携帯電話の一例を示した斜視図である。図9において、1000は携帯電話本体を示し、1001は本発明の液晶表示装置を備えた液晶表示部を示している。
図10は、腕時計型電子機器の一例を示した斜視図である。図10において、1100は時計本体を示し、1101は本発明の液晶表示装置を備えた液晶表示部を示している。
図11は、ワープロ、パソコンなどの携帯型情報処理装置の一例を示した斜視図である。図11において、1200は情報処理装置、1202はキーボードなどの入力部、1204は情報処理本体、1206は本発明の液晶表示装置を備えた液晶表示部を示している。
図9〜図11に示す電子機器は、本発明の液晶表示装置を備えたものであるので、歩留まりを向上させることができる。
【0080】
なお、電子機器としては、図9に示した携帯電話機や、図10に示した腕時計型電子機器、図11に示したパーソナルコンピュータのほかにも、液晶テレビや、ビューファインダ型・モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器等などが挙げられる。
【0081】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明の電気光学装置では、光反射膜非形成領域が各画素に設けられ、透明導電膜とトランジスタとを電気的に接続するコンタクトホールと、光が透過する透過窓とが、同一の光反射膜非形成領域内に形成されているので、1つの光反射膜非形成領域の面積が、コンタクトホールと透過窓とがそれぞれ個別の光反射膜非形成領域内に形成されている場合における各光反射膜非形成領域の面積と比較して広いものとなり、光反射膜をエッチングすることにより光反射膜非形成領域を形成する際に、光反射膜のエッチング時に発生する泡による光反射膜のパターン形状の不良が生じにくいものとなる。
【0082】
また、コンタクトホールと透過窓とが、同一の光反射膜非形成領域内に形成されているので、コンタクトホールと透過窓とがそれぞれ個別の光反射膜非形成領域内に形成されている場合と比較して、光反射膜非形成領域の数が少なく、液晶配向不良が生じやすい領域である光反射膜非形成領域の角部と平面的に重なる領域の数が少なくなるので、液晶配向不良を防止することができ、液晶配向不良による表示不良を防ぐことができる。
【0083】
さらに、上記の電気光学装置において、光反射膜上に透明導電膜が設けられているものとした場合、光反射膜を、例えば、電触の発生しやすいアルミニウムからなるものとした場合に、光反射膜の電触によって発生する不良を防止することができる。
【0084】
また、このような電気光学装置においても、上述したように、コンタクトホールと透過窓とがそれぞれ個別の光反射膜非形成領域内に形成されているものと比較して、光反射膜非形成領域の面積が広いものとなるので、光反射膜非形成領域の周囲長を長くすることができる。
このため、TFTと透明導電膜とを電気的に接続するためのコンタクトホールを光反射膜非形成領域内に形成する際に、光反射膜の膜厚に起因する段差によって光反射膜非形成領域の周縁部上に設けられた透明導電膜の一部が途切れたとしても、途切れることなく形成された部分において、透明導電膜とTFTとの電気的な接続を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の電気光学装置の一実施形態である液晶表示装置を、各構成要素とともに対向基板の側から見た平面図である。
【図2】 図1のH−H’線における断面図である。
【図3】 図3は、電気光学装置(液晶表示装置)の画像表示領域においてマトリクス状に形成された複数の画素における各種素子、配線等の等価回路図である。本発明の投射型表示装置の一例を示す図である。
【図4】 第1実施形態に用いたTFTアレイ基板の相互に隣接する複数の画素群の平面図である。
【図5】 図4のA−A’線における画素の断面図である。
【図6】 一つの画素を構成する画素電極における光反射膜非形成領域と透過窓およびコンタクトホールの配置を説明するための図である。
【図7】 第2実施形態の液晶表示装置の一つの画素を構成する画素電極における光反射膜非形成領域と、透過窓およびコンタクトホールの配置と、遮光膜の形成領域とを説明するための図である。
【図8】 第3実施形態の液晶表示装置の一つの画素を構成する画素電極における光反射膜非形成領域と透過窓およびコンタクトホールの配置を説明するための図である。
【図9】 上記実施形態の液晶表示装置を備えた携帯電話の一例を示す図である。
【図10】 上記実施形態の液晶表示装置を備えた携帯型情報処理装置の一例を示す図である。
【図11】 上記実施形態の液晶表示装置を備えた腕時計型電子機器の一例を示す図である。
【図12】 液晶表示装置の一つの画素を構成する画素電極における光反射膜が形成されていない領域と、透過窓およびコンタクトホールの配置を説明するための図であり、本発明の効果を説明するための図である。
【図13】 液晶表示装置の一つの画素を構成する画素電極における光反射膜が形成されていない領域と、透過窓およびコンタクトホールの配置を説明するための図であり、本発明の効果を説明するための図である。
【符号の説明】
6b ソース線
8 透明電極(透明導電膜)
9 反射電極(光反射膜)
14 透過窓
15 コンタクトホール
89 画素電極
90 光反射膜非形成領域
30 TFT(トランジスタ)
100 電気光学装置

Claims (6)

  1. 互いに対向する上基板と下基板との間に電気光学物質が挟持され、画像表示領域にマトリクス状に形成された複数の画素の各々に反射領域と透過領域とが設けられ、反射モードと透過モードによる画像表示が可能な電気光学装置であって、
    前記下基板の内面側には、画素スイッチング用の薄膜トランジスタと、
    光反射膜と透明導電膜とからなる画素電極と、
    前記薄膜トランジスタと前記画素電極の透明導電膜とを電気的に接続するコンタクトホールとが備えられ、
    前記光反射膜上に前記透明導電膜が設けられ、前記光反射膜が設けられている領域の少なくとも一部が前記反射領域を構成し、前記透明導電膜によって覆われ、前記光反射膜が形成されていない光反射膜非形成領域に設けられた透過窓が前記透過領域を構成し、
    前記光反射膜非形成領域が前記複数の画素の各々に設けられ、同一の前記各光反射膜非形成領域内に前記透過窓と前記コンタクトホールとが形成されていることを特徴とする電気光学装置。
  2. 前記コンタクトホールよりも上側には、前記コンタクトホールを覆い、前記光反射膜非形成領域を横断する遮光層が備えられていることを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
  3. 前記光反射膜非形成領域は、前記光反射膜が窓状に開口された窓部から、前記光反射膜の外周部に向かって開口していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電気光学装置。
  4. 前記光反射膜が、アルミニウムもしくはその合金、又は銀もしくはその合金、又はこれらにチタン、窒化チタン、モリブデン、タンタル等を含む積層膜から構成された請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の電気光学装置。
  5. 前記画素電極が、アルミニウムもしくはその合金、又は銀もしくはその合金とITO膜(インジウムすず酸化膜)との積層膜から構成された請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の電気光学装置。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の電気光学装置を備えたことを特徴とする電子機器。
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