JP3750360B2 - 電気光学装置及び電子機器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、TFT(薄膜トランジスタ)駆動等によるアクティブマトリクス駆動方式の電気光学装置及びこれを用いた電子機器の技術分野に属し、特に、入射光の利用効率を向上するためのマイクロレンズが対向基板上に設けられた形式の電気光学装置及びこれを用いた電子機器の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来、TFT駆動によるアクティブマトリクス駆動方式の電気光学装置においては、縦横に夫々配列された多数の走査線及びデータ線並びにこれらの各交点に対応して多数のTFTがTFTアレイ基板上に設けられている。各TFTは、走査線にゲートが接続され、データ線にソースが接続され、画素電極にドレインが接続されている。特に画素電極は、TFTや配線を構成する各種の層や当該画素電極を相互に絶縁するための層間絶縁層上に設けられているため、層間絶縁層等に開孔されたコンタクトホールを介してTFTのドレインに接続されている。TFTアレイ基板上には更に、所謂デューティー比が小さくても画像表示が可能なように各画素電極に蓄積容量を付与するための容量線が走査線に平行に設けられるのが一般的である。
【0003】
ここで、通常ITO(Indium Tin Oxide)薄膜から形成される画素電極をTFTのドレインに接続するためのコンタクトホールは、TFTから画素電極までの配線を長くとることにより配線抵抗が増加したり断線したりする不具合を防ぐために、各画素毎にTFTが形成された四角い画素の角に寄せられた位置に開孔される。
【0004】
他方、この種の電気光学装置では、画面を明るくするためには、電気光学装置の画像表示領域全体に対する画素の開口領域の比率である画素開口率を高めることが重要であるが、Al(アルミニウム)等からなるデータ線、ポリシリコン等からなる走査線や容量線、半導体層や絶縁層を含むTFTなどが画像表示領域内に非開口領域をなすため、画素開口率を高めるのには一定の限界がある。特に、画素密度を上げて高精細な画像を表示可能とするため及び電気光学装置の大きさを小型化するために画素ピッチを小さくすると、このような非開口領域をなす各種配線やTFT等を小さくすることに一定の限界があるが故に、画素開口率を高めることも困難となる。
【0005】
そこで、例えば特開昭60−165621号〜165624号公報、特開平5−196926号公報等に開示されているように、入射光の利用効率を向上するためのマイクロレンズが対向基板上に設けられた形式の電気光学装置が開発されている。この場合、画素開口率が同じであれば、電気光学装置に対向基板の側から入射した光は、開口領域に入るように集光されるので、開口率が同じであっても、各開口を通過する光の強度が増加するため、電気光学装置により表示される画像を明るく出来る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、電気光学装置の技術分野における表示画像の高品位化や省エネルギ化の要請の下では、例えば上述した従来のマイクロレンズを用いた電気光学装置においても、入射光の利用効率は十分とは言えない。
【0007】
本発明は上述の問題点に鑑みなされたものであり、比較的簡単な構成を用いて入射光の利用効率を改善し得る電気光学装置及び当該電気光学装置を備えた電子機器を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の電気光学装置は上記課題を解決するために、一対の第1及び第2基板間に電気光学物質が封入されてなり、該第1基板上に、複数のデータ線と、該複数のデータ線に交差する複数の走査線と、前記各データ線及び前記各走査線に対応して設けられたスイッチング素子と、前記複数のスイッチング素子に対応して設けられマトリクス状に配置された複数の画素電極とが設けられており、前記第2基板上には前記複数の画素電極に対応して複数のマイクロレンズが設けられてなり、前記画素電極の開口領域は、当該開口領域のほぼ中心点を通る少なくとも一本の中心線に対して線対称な形状を持つことを特徴とする。
【0009】
本発明のかかる構成によれば、開口領域は、そのほぼ中心点を通る中心線に対して線対称であるので、円形等の光照射領域は、この線対称な開口領域内において線対称な位置に形成される。従って、当該開口領域に対する光照射領域が占める割合が高くなる。
【0010】
本発明の電気光学装置は、前記画素電極はコンタクトホールを介して前記スイッチンング素子に接続されてなり、前記コンタクトホールは、前記開口領域の前記中心線に対して線対称な位置に開孔されてなることを特徴とする。
【0011】
本発明のかかる構成によれば、コンタクトホールは、開口領域の中心線に対して線対称な位置に開孔されているので、マトリクス状に配置されて四角い平面形状を持つ各画素内の中央付近に位置する線対称な開口領域を広くとることができる。そしてコンタクトホールの周囲における画素電極の段差が開口領域に対して線対称となる。従って、例えば電気光学物質が液晶であれば、右回りの液晶を用いた場合でも左回りの液晶を用いた場合でも、リバースティルト等の液晶の配向不良の起き易さは、殆ど同じとなる。即ち、どちらか一方回りの液晶を用いると、配向不良が顕著に発生してしまうような事態を未然に防ぐことが可能となり、どちら回りの液晶でも等しく採用でき実用上便利である。また、従来のように各画素の角にコンタクトホールが形成され線対称でない開口領域内に円形等の光照射領域が形成される場合と比較して、光の利用効率が改善される。
【0012】
本発明の電気光学装置は、前記第1基板上に、前記複数の画素電極と前記複数のデータ線及び走査線との間に夫々介在する複数の薄膜トランジスタが更に設けられており、該薄膜トランジスタのソース及びドレインの一方が前記データ線に接続されており、該ソース及びドレインの他方が前記コンタクトホールを介して前記画素電極に接続されており、前記薄膜トランジスタのゲートが前記走査線に接続されていることを特徴とする。
【0013】
本発明のかかる構成によれば、開口領域の中心線に対して線対称な位置に開孔されたコンタクトホールを介して画素電極がTFT(薄膜トランジスタ)のドレインに接続されているので、マトリクス状に配置されて四角い各画素内の中央付近に位置する線対称な開口領域を広くすることができる。従って、従来のように各画素の角に形成されたコンタクトホールを介して画素電極がTFTのドレインに接続される場合と比較して、光の利用効率が改善される。
【0014】
本発明の電気光学装置は、前記第1基板上に、前記画素電極に所定蓄積容量を夫々付与する複数の容量線が前記走査線と平行に更に設けられており、前記走査線に沿った方向の前記開口領域の幅は、相隣接する2つの前記データ線により規定されており、前記データ線に沿った方向の前記開口領域の幅は、前記開口領域を挟んで相隣接する前記容量線及び走査線により規定されており、前記コンタクトホールは、前記開口領域を挟むことなく相隣接する前記容量線及び走査線の間に開孔されていることを特徴とする。
【0015】
本発明のかかる構成によれば、コンタクトホールは、開口領域を挟むことなく相隣接する容量線及び走査線の間にあるスペースを利用して、開孔されているので、容量線及び走査線によりデータ線に沿った方向の幅が規定された線対称な開口領域を、マトリクス状に配置された四角い各画素内において広くとることができる。従って、従来のように各画素の角にコンタクトホールが形成される場合と比較して、光の利用効率が改善される。
【0016】
本発明の電気光学装置は、前記開口領域は、回転対称な平面形状を持つことを特徴とする。
【0017】
本発明のかかる構成によれば、マイクロレンズによる円形等の光照射領域が、円形、正方形、正六角形等の回転対称な開口領域内に形成される。しかも、両者のほぼ中心点は重ねられている。従って、当該開口領域に対する光照射領域が占める割合が高くなり、光の利用効率が改善される。
【0018】
本発明の電気光学装置は、前記コンタクトホールは、前記開口領域毎に、前記中心線上に一つ開孔されていることを特徴とする。
【0019】
本発明のかかる構成によれば、開口領域毎に、コンタクトホールが中心線上に一つだけ開孔されているので、線対称な開口領域を、マトリクス状に配置された四角い各画素内において広くとることができる。
【0020】
本発明の電気光学装置は、前記コンタクトホールは、前記開口領域毎に、前記中心線を挟んで2つずつ開孔されていることを特徴とする。
【0021】
本発明のかかる構成によれば、開口領域毎に、コンタクトホールが中心線を挟んで2つずつ開孔されているので、線対称な開口領域を、マトリクス状に配置された四角い各画素内において広くとることができる。特に、開口領域毎に(即ち、画素電極毎に)1つのコンタクトホールを形成する場合と比較して、2つのコンタクトホールを設けることでコンタクトホール内におけるコンタクト抵抗を下げることも可能となるので、各コンタクトホールの径を小さくしてもよいことになる。従って、開口形状の自由度が増し、円形に近く且つ光利用効率が高い開口が得られる。ここで、コンタクトホールは、電気光学装置の層構成において比較的深い穴である(即ち、エッチングが比較的困難な穴である)ので、このようにコンタクトホールを複数にすることは、歩留まりを向上させる上で役立つ。
【0022】
本発明の電子機器は、上述の電気光学装置を備えたことを特徴とする。
【0023】
本発明の電子機器によれば、電子機器は、上述した本願発明の電気光学装置を備えており、開口領域に対する光照射領域が広く、光の利用効率が改善された電気光学装置により、明るく高品位の画像表示が可能となる。 本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施の形態から明らかにする。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0025】
(液晶パネルの第1の実施の形態)
電気光学装置の一例として液晶パネルについて説明する。第1の実施の形態の液晶パネルを図1から図6に基づいて説明する。図1は、液晶パネルの有するTFTアレイ基板をその上に形成された各構成要素と共に対向基板の側から見た平面図であり、図2は、対向基板を含めて示す図1のH−H’断面図である。また、図3は、マイクロレンズの一例が形成された画素部における対向基板の拡大断面図であり、図4は、マイクロレンズの他の一例が形成された画素部における対向基板の拡大断面図である。更に、図5は、図1の画素部を拡大して示すTFTアレイ基板の拡大平面図であり、図6は、図5のA−A’断面図である。
【0026】
図1において、液晶パネル100は、例えば石英基板、ハードガラス等からなるTFTアレイ基板1を備えている。液晶パネル100の中央に位置する画像表示領域においてTFTアレイ基板1上には、図5に示すようにマトリクス状に設けられた複数の画素電極11と、X方向に複数配列されており夫々がY方向に沿って伸びるデータ線35(ソース電極線)と、Y方向に複数配列されており夫々がX方向に沿って伸びる走査線31(ゲート電極線)と、この走査線31と平行に配列された容量線131(蓄電容量電極)が設けられている。
【0027】
再び図1において、TFTアレイ基板1の上には、シール材52がその縁に沿って設けられており、その内側に並行して対向基板2(図2参照)の周辺見切り53が設けられている。シール材52の外側の領域には、データ線駆動回路101及び実装端子102がTFTアレイ基板1の一辺に沿って設けられており、走査線駆動回路104が、この一辺に隣接する2辺に沿って設けられている。更にTFTアレイ基板1の残る一辺には、複数の配線105が設けられている。また、シール材52の四隅には、TFTアレイ基板1と対向基板2との間で電気的導通をとるための導通剤106が設けられている。
【0028】
走査線駆動回路104は、外部制御回路から供給される電源、基準クロック等に基づいて、所定タイミングで走査線31(図5参照)に走査信号をパルス的に線順次で印加するように構成されている。
【0029】
データ線駆動回路101は、外部の画像信号源から供給される画像信号を、外部制御回路から供給される電源、基準クロック等に基づいて走査線駆動回路104が走査信号を印加するタイミングに合わせてサンプリングして、各データ線に対応するデータ信号としてデータ線35(図5参照)に印加するように構成されている。
【0030】
尚、本実施の形態では特に、画素部におけるTFT30の形成時に同一工程で、データ線駆動回路101及び走査線駆動回路104を構成するTFTを形成することも可能であり、製造上有利である。但し、データ線駆動回路101及び走査線駆動回路104をTFTアレイ基板1の上に設ける代わりに、例えばTAB(テープオートメイテッドボンディング)基板上に実装された駆動用LSIに、TFTアレイ基板1の周辺部に設けられた異方性導電フィルムを介して電気的及び機械的に接続するようにしてもよい。尚、複数のデータ線35に所定電圧レベルのプリチャージ信号を画像信号に先行して夫々供給するプリチャージ回路、多相展開された画像信号をサンプルリングして複数のデータ線35に夫々供給するサンプリング回路、TFT30や各種の配線の欠陥を検査するための検査回路等を、TFTアレイ基板1上に更に設けてもよい。
【0031】
図2のH−H’断面に示すように、図1に示したシール材52とほぼ同じ輪郭を持つ対向基板2が当該シール材52によりTFTアレイ基板1に固着されており、両基板間に液晶層50が挟持されている。液晶層50は、画素電極11と対向電極21とが対面するように配置されたTFTアレイ基板1と対向基板2との間において、シール材52により囲まれた空間に液晶が真空吸引等により封入されることにより形成される。液晶層50は、画素電極11からの電界が印加されていない状態で後述の配向膜12(図5参照)及び22(図3参照)により所定の配向状態を採る。液晶層50は、例えば一種又は数種類のネマティック液晶を混合した液晶からなる。シール材52は、二つの基板1及び2をそれらの周辺で貼り合わせるための、例えば光硬化性樹脂や熱硬化性樹脂からなる接着剤であり、両基板間の距離を所定値とするためのグラスファイバー或いはガラスビーズ等のスペーサが混入されている。対向基板2には、ブラックマトリクス、ブラックストライプ等と呼ばれる遮光層23が設けられており、マトリクス状に配置された各画素の開口領域を規定している。
【0032】
図3に示すように、このような画素の開口領域に対応して複数のマイクロレンズ200が対向基板2上にマトリクス状に設けられている。
【0033】
マイクロレンズ200は、例えば、特開平6−194502号公報に開示されている製造方法により形成される。即ち、例えば、対向基板2上に感光性材料の膜を形成した後、各レンズとなる部分に対応する凸部が残るように光パターニングした後、感光性材料の熱変形及び表面張力により、滑らかな各レンズの凸面を持つ感光性材料からなる配列パターンを対向基板2の上に形成し、その後、当該感光性材料の配列パターンをマスクとしてドライエッチングを行って感光性材料の配列パターンを対向基板2に彫り写すことにより、表面に滑らかな各レンズの凸面が彫られたマイクロレンズ200が形成される。或いは、伝統的な所謂「熱変形法」によりマイクロレンズ200を形成してもよい。
【0034】
マイクロレンズ200の表面全体には、接着剤201によりカバーガラス202が貼り付けられており、この上に更に遮光層23、対向電極(共通電極)21及び配向膜22が順に形成される。この場合、遮光層23は、各開口の中心が各マイクロレンズ200のレンズ中心200aに重なるように各マイクロレンズ200の境界に沿ってマトリクス状に設けられている。
【0035】
図3において、対向電極21は、対向基板2の全面に渡って形成されている。このような対向電極21は、例えばスパッタリング処理等によりITO膜等を約500〜2000オングストロームの厚さに堆積した後、フォトリソグラフィ工程、エッチング工程を施すこと等により形成される。配向膜22は、例えば、ポリイミド薄膜などの有機薄膜からなる。このような配向膜22は、例えばポリイミド系の塗布液を塗布した後、所定のプレティルト角を持つように且つ所定方向でラビング処理を施すこと等により形成される。遮光層23は、TFT30に対向する所定領域に設けられている。このような遮光層23は、CrやNiなどの金属材料を用いたスパッタリング、フォトリソグラフィ及びエッチングにより形成されたり、カーボンやTiをフォトレジストに分散した樹脂ブラックなどの材料から形成される。遮光層23は、後述のTFT30の半導体層(ポリシリコン膜)32に対する遮光の他に、コントラストの向上、色材の混色防止などの機能を有する。 或いは、図4に示すように、例えば、予め各レンズの凸面が形成された透明板(マイクロレンズアレイ)を対向基板2の表面に貼り付けて構成したマイクロレンズ200’を対向基板2に設けるようにしてもよい。更に、対向基板2の液晶層50に対面する側の面上に、このようなマイクロレンズアレイを貼り付けてもよい。
【0036】
このように各種の層が形成された対向基板2は、図2に示したように液晶層50に対し配向膜22が面するように配置される。
【0037】
図5及び図6に示すようにTFTアレイ基板1上には更に、各データ線35と画素電極11との間にコンタクトホール37及び38を介して夫々介在すると共に該間における導通状態及び非導通状態を、走査線31を介して夫々供給される走査信号に応じて夫々制御する複数のTFT30と、容量線131とTFT30のドレインから延設された半導体層32bが絶縁膜(ゲート絶縁膜)33を介して対向配置されてなり、各画素電極11に所定の蓄積容量を付与する複数の蓄積容量70とが設けられている(図6参照)。そして、TFT30のソース領域34がデータ線35にコンタクトホール37を介して接続されており、TFT30のドレイン領域36がコンタクトホール38を介して画素電極11に接続されており、走査線31がTFT30のゲート電極として構成されている。
【0038】
図6において、TFT30は、TFTアレイ基板1上に積層された半導体層32、ゲート絶縁膜33、走査線31(ゲート電極線)、第1層間絶縁層42、データ線35(ソース電極線)、第2層間絶縁層43、画素電極11及び配向膜12を備えている。
【0039】
第1及び第2層間絶縁層42及び43は夫々、5000〜15000オングストローム程度の層みを持つNSG、PSG、BSG、BPSGなどのシリケートガラス膜、窒化シリコン膜や酸化シリコン膜等からなる。尚、TFTアレイ基板1上に、TFT30の下地となる層間絶縁層をシリケートガラス膜、窒化シリコン膜や酸化シリコン膜等から形成してもよい。画素電極11は例えば、ITO膜(インジウム・ティン・オキサイド膜)などの透明導電性薄膜からなる。このような画素電極11は、スパッタリング処理等によりITO膜等を約500〜2000オングストロームの厚さに堆積した後、フォトリソグラフィ工程、エッチング工程を施すこと等により形成される。尚、当該液晶パネル100を反射型の液晶パネルに用いる場合には、Al等の反射率の高い不透明な材料から画素電極11を形成してもよい。配向膜12は例えば、ポリイミド薄膜などの有機薄膜からなる。このような配向膜12は、例えばポリイミド系の塗布液を塗布した後、所定のプレティルト角を持つように且つ所定方向でラビング処理を施すこと等により形成される。
【0040】
図6に示すように、TFT30は、LDD(Lightly Doped Drain)構造を有しており、走査線31、走査線31からの電界によりチャネルが形成される半導体層32のチャネル形成用領域32a、走査線31と半導体層32とを絶縁するゲート絶縁膜33、半導体層32の低濃度ソース領域(ソース側LDD領域)34’、データ線35、半導体層32の低濃度ドレイン領域(ドレイン側LDD領域)36’、半導体層32の高濃度ソース領域34及び高濃度ドレイン領域36を備えている。高濃度ドレイン領域36には、複数の画素電極11のうちの対応する一つがコンタクトホール38を介して接続されている。ソース領域34及び34’並びにドレイン領域36及び36’は、半導体層32に対し、n型又はp型のチャネルを形成するかに応じて所定濃度のn型用又はp型用のドーパントをドープすることにより形成されている。n型チャネルのTFTは、動作速度が速いという利点があり、画素のスイッチング素子であるTFT30として用いられることが多い。本実施の形態では特にデータ線35(ソース電極線)は、Al等の金属膜や金属シリサイド等の合金膜などの遮光性の薄膜から構成されている。また、走査線31(ゲート電極線)、ゲート絶縁膜33及び第1層間絶縁膜42の上には、高濃度ソース領域34へ通じるコンタクトホール37及び高濃度ドレイン領域36へ通じるコンタクトホール38が夫々形成された第2層間絶縁膜42が形成されている。このソース領域34へのコンタクトホール37を介して、データ線35(ソース電極線)は高濃度ソース領域34に電気的接続されている。更に、データ線35及び第1層間絶縁膜42の上には、高濃度ドレイン領域36へのコンタクトホール38が形成された第2層間絶縁膜43が形成されている。この高濃度ドレイン領域36へのコンタクトホール38を介して、画素電極11は高濃度ドレイン領域36に電気的接続されている。前述の画素電極11は、このように構成された第2層間絶縁膜43の上面に設けられている。
【0041】
TFT30は、好ましくは上述のようにLDD構造を持つが、低濃度ソース領域34’及び低濃度ドレイン領域36’に不純物イオンの打ち込みを行わないオフセット構造を持ってよいし、ゲート電極31をマスクとして高濃度で不純物イオンを打ち込み、自己整合的に高濃度ソース及びドレイン領域を形成するセルフアライン型のTFTであってもよい。
【0042】
また、本実施の形態の蓄積容量70は、半導体層32の高濃度ドレイン領域36を、容量線131に沿って延設し、容量線131と絶縁膜33を介して対向させることにより形成される。これに加えて、半導体層32の高濃度ドレイン領域36を、データ線35に沿って延設し、同じくデータ線35下に容量線131を延設して、この部分に絶縁膜33を介して対向させることによっても蓄積容量を形成している。更に、TFTアレイ基板1の側から液晶パネル100に入射される光(例えば、戻り光、離面反射等)がTFT30のチャネル形成領域32a等に入射しないようにするための遮光層をTFT30の下側に形成した場合には、容量線下或いはデータ線下において、遮光膜とこれに対向する半導体層32とから蓄積容量を形成してもよい。
【0043】
これらの結果、データ線35下の領域及びデータ線に平行な領域という開口領域(図5の斜線部)を外れたスペースを有効に利用して、画素電極11の蓄積容量を増やすことが出来る。
【0044】
本実施の形態では特に、画素電極11の開口領域(図5中の斜線領域)は、開口領域のほぼ中心点11aを通る中心線11bに対して線対称な形状を持つ。また、コンタクトホール38は、開口領域の中心線11bに対して線対称な位置に開孔されている。更に、マイクロレンズ200は、ほぼ中心点11aに対向する位置にレンズ中心200a(図3参照)を夫々有する。尚、画素電極11は、コンタクトホール38を介した配線接続が容易となるように、その平面形状が開口領域よりも広く且つコンタクトホール38が開孔される位置まで含むように構成されている。
【0045】
本実施の形態によれば、光が対向基板2の側から入射すると、開口領域のほぼ中心点11a(重心)に対向する位置にレンズ中心200aを有するマイクロレンズ200により、この入射光は、開口領域のほぼ中心点11aを中心として画素電極11上に集光される。従って、マイクロレンズ200により集光された光により円形(若しくは略円形又は楕円形)の光照射領域が開口領域内に形成される。ここで、コンタクトホール38は、開口領域の中心線11bに対して線対称な位置に開孔されている。このため、四角い平面形状を持つ各画素内の中央付近に位置する線対称な開口領域を広くとることができる。そして、開口領域は、そのほぼ中心点11aを通る中心線11bに対して線対称であるので、円形等の光照射領域は、この線対称な開口領域内において線対称な位置に形成される(円形等の中心がほぼ中心点11aと重なることになる)。従って、当該開口領域に対する光照射領域が占める割合が高くなり、光の利用効率が改善される。尚、マイクロレンズの集光能力としては、光照射領域が開口領域に丁度収まる程度に集光できれば十分であり、必要以上に光照射領域を小さくする必要はない。
【0046】
更に、本実施の形態によれば、コンタクトホール38は、開口領域の中心線11bに対して線対称な位置に開孔されているので、コンタクトホール38の周囲における画素電極11の段差(図6参照)が開口領域に対して線対称となる。従って、液晶層50用に、右回りの液晶を用いた場合でも左回りの液晶を用いた場合でも、リバースティルト等の液晶の配向不良の起き易さは、殆ど同じとなる。即ち、どちらか一方回りの液晶を用いると、配向不良が顕著に発生してしまうような事態を未然に防ぐことが可能となり、液晶層50として、右回りの液晶でも左回りの液晶でも等しく採用でき実用上便利である。
【0047】
尚、図1から図6には示されていないが、対向基板2の入射光が入射する側及びTFTアレイ基板1の出射光が出射する側には夫々、例えば、TN(ツイステッドネマティック)モード、STN(スーパーTN)モード、D−STN(ダブル−STN)モード等の動作モードや、ノーマリーホワイトモード/ノーマリーブラックモードの別に応じて、偏光フィルム、位相差フィルム、偏光板などが所定の方向で配置される。
【0048】
次に以上のように構成された第1の実施の形態の動作について説明する。
【0049】
先ず、制御回路から画像信号を受けたデータ線駆動回路101(図1及び図2参照)は、この画像信号に応じたタイミング及び大きさで信号電圧をデータ線35(図5及び図6参照)に印加し、これと並行して、走査線駆動回路104(図1及び図2参照)は、所定タイミングで走査線31にゲート電圧をパルス的に順次印加し、TFT30は駆動される。これにより、ゲート電圧がオンとされた時点でソース電圧が印加されたTFT30においては、ソース領域34及び34’、半導体層32のチャネル形成用領域32aに形成されたチャネル並びにドレイン領域36及び36’を介して画素電極11に電圧が印加される。そして、この画素電極11の電圧は、ソース電圧が印加された時間よりも例えば3桁も長い時間だけ蓄積容量70により保持される(図5及び図6参照)。
【0050】
以上のように、画素電極11に電圧が印加されると、液晶層50におけるこの画素電極11と対向電極21とに挟まれた部分における液晶の配向状態が変化し、ノーマリーホワイトモードであれば、印加された電圧に応じて入射光がこの液晶部分を通過不可能とされ、ノーマリーブラックモードであれば、印加された電圧に応じて入射光がこの液晶部分を通過可能とされ、全体として液晶パネル100からは画像信号に応じたコントラストを持つ光が出射する。
【0051】
特に本実施の形態では、マイクロレンズ200(図3及び図4参照)により光の利用効率が高められているため、液晶パネル100により、明るい高画質の画像を表示することが可能となる。
【0052】
以上に構成及び動作を説明したように本実施の形態によれば、従来の如く各画素の角に形成されたコンタクトホールを介して画素電極がTFTのドレインに接続される場合と比較して、光の利用効率が改善される。特に、本実施の形態の場合、開口領域は、正方形に近い矩形、即ち、回転対称な平面形状を持つので、円形等の光照射領域が、当該開口領域に対して占める割合が高くなり、光の利用効率が改善される。尚、開口領域を円形、正十二角形、正八角形、正六角形、正方形等の他の回転対称な形状としてもよいことは言うまでもない。更に本実施の形態では、X方向の開口領域の幅は、相隣接する2つのデータ線35により規定されており、Y方向の開口領域の幅は、開口領域を挟んで相隣接する容量線131及び走査線31により規定されており、コンタクトホール38を、開口領域を挟むことなく相隣接する容量線131及び走査線31の間にあるスペースに開孔することにより、画像表示領域の2次元スペースを有効利用できる。従って、開口領域をより効率的に広くすることが出来、光の利用効率が非常に改善されている。
【0053】
しかも、図5から分かるように、コンタクトホール38と開口領域との間には走査線31又は容量線131が存在するため、これらの配線幅に応じてコンタクトホール37を開口領域から基板面に沿って離すことが出来る。このため、コンタクトホール37の段差による開口領域への悪影響を軽減できる。更に、コンタクトホール38は、基板面に沿ってTFT30及びデータ線35からも比較的離間している(どのTFT30やデータ線からも、開口領域の幅の半分程度の距離を隔てて位置している)ので、コンタクトホール38の開孔の際や、実際の液晶パネル100の動作に際して、コンタクトホール38が、TFT30やデータ線35に悪影響を及ぼす事態をも未然に防ぐことが出来る。
【0054】
以上のように、本実施の形態の液晶パネル100は、画素ピッチを小さくして、各画素の微細化を行う場合に非常に適している。
【0055】
尚、本実施の形態では、TFTを用いて画素電極11を駆動するように構成したが、TFT以外の、例えば、TFD(Thin Film Diode:薄膜ダイオード)等のアクティブマトリクス素子を用いることも可能であり、更に、液晶パネルをパッシブマトリクス型の液晶パネルとして構成することも可能である。また、液晶パネルに限らず、エレクトロルミネッセンス、あるいはプラズマディスプレイ等にもてきようできる。このような場合であっても、マイクロレンズで画素電極上に光を集光する構成を採る限り、本実施の形態で説明した開口領域を線対称や回転対称として、レンズ中心を開孔領域のほぼ中心点に対向させる構成は、光の利用効率を向上させる上で本実施の形態の場合と同様に有効である。
【0056】
(液晶パネルの第2の実施の形態)
本発明による液晶パネルの第2の実施の形態について図1〜図4並びに図7及び図8を参照して説明する。図7は、図1の画素部を拡大して示すTFTアレイ基板の拡大平面図であり、図8は、図7のB−B’断面図である。尚、図7及び図8において、図6及び図7と同じ構成要素については、同じ参照符号を付し、その説明は省略する。
【0057】
第2の実施の形態では、液晶パネル100の全体構成は図1及び図2に示した第1の実施の形態とほぼ同様であり、マイクロレンズを備えた対向基板の構成についても、図3及び図4に示した第1の実施の形態の場合とほぼ同様である。
【0058】
図7及び図8において、第2の実施の形態では特に、コンタクトホール38が開孔される位置の周囲であり、相隣接するデータ線31’及び容量線131’の間に、図7中、右下がりの斜線領域を付して示したシート状ポリシリコン80が設けられている。また、走査線31’及び容量線131’は、このシート状ポリシリコン80に重ならないように、このシート状ポリシリコン80が設けられた領域に沿って縁が後退して形成さている(図7参照)。その他の構成については、第1の実施の形態の場合と同様である。
【0059】
この結果、本第2の実施の形態によれば、シート状ポリシリコン80の存在により、コンタクトホール38をエッチングにより開孔する際に、半導体層32を突き抜けても何等問題が生じないので(図8参照)、当該コンタクトホール38を開孔する工程制御が容易となる。更に本実施の形態では、コンタクトホール38を、開口領域を挟むことなく相隣接する容量線131’及び走査線31’の間にあるスペースに開孔すると共に、このスペースを確保するために容量線131’及び走査線31’の縁がシート状ポリシリコン80に沿って夫々後退しているので、画像表示領域の2次元スペースを有効利用できる。従って、開口領域をより効率的に広くすることが出来、光の利用効率が非常に改善されている。(液晶パネルの第3の実施の形態)
本発明による液晶パネルの第3の実施の形態について図9を参照して説明する。図9は、図1の画素部を拡大して示すTFTアレイ基板の拡大平面図であり、尚、図9において、図6と同じ構成要素については、同じ参照符号を付し、その説明は省略する。
【0060】
第3の実施の形態では、液晶パネル100の全体構成は図1及び図2に示した第1の実施の形態とほぼ同様であり、マイクロレンズを備えた対向基板の構成についても、図3及び図4に示した第1の実施の形態の場合とほぼ同様である。
【0061】
図9において、第3の実施の形態では特に、TFT30のドレインと画素電極11を接続するために二つのコンタクトホール38’、38’が、開口領域毎に、中心線11b’を挟んで線対称な位置に開孔されている。そして、TFT30を構成する半導体層32が、ドレインから各画素の左右両方の下側の角にまで延設されている。また、コンタクトホール37及び38’の開孔形状を円形とすると共に開孔径を第1及び第2の実施の形態の場合と比べて小さく設定してある。その他の構成については、第1の実施の形態の場合と同様である。
【0062】
従って本第3の実施の形態によれば、開口領域毎に、コンタクトホール38’、38’が中心線11b’を挟んで2つずつ開孔されているので、線対称な開口領域を、マトリクス状に配置された四角い各画素内において広くとることができる。従って、光の利用効率が改善される。
【0063】
特に、開口領域毎に1つのコンタクトホール38を形成する第1及び第2の実施の形態の場合と比較して、2つのコンタクトホール38’、38’を設けることでコンタクトホール内におけるコンタクト抵抗を下げることができ、各コンタクトホール38’、38’の径が小さく構成されている。このように、本実施の形態では、開口形状の自由度が増しており、円形に近く且つ光利用効率の高い開口が得られる。ここで、液晶パネル100の層構成において比較的深い穴であり、従ってエッチングが比較的困難であるコンタクトホール38’、38’を複数にすることにより、当該エッチング工程を含む製造方法により製造される当該液晶パネル100の歩留まりを向上させることができる。 尚、以上説明した第1から第3の実施の形態では、遮光層23により、データ線35、走査線31、容量線131、コンタクトホール38、TFT30等が形成された領域を覆うことにより、図5、図7及び図9に夫々斜線で示した(各画素電極11よりも小さい)画素の開口領域を規定するようにしたが、Al等の遮光性材料からこれらの配線等を構成する場合には、遮光層23の少なくとも一部に代えて当該遮光性の配線により、画素の開口領域の少なくとも一部を規定するように構成してもよい。
【0064】
また、以上説明した第1から第3の実施の形態では、液晶パネル100は、カラー液晶プロジェクタに適用されるため、3つの液晶パネル100がRGB用のライトバルブとして夫々用いられ、各パネルには夫々RGB色分解用のダイクロイックミラーを介して分解された各色の光が投写光として夫々入射されることになる。従って、各実施の形態では、対向基板2に、カラーフィルタは設けられていない。しかしながら、液晶パネル100においてもブラックマトリックス23の形成されていない画素電極11に対向する所定領域にRGBのカラーフィルタをその保護膜と共に、対向基板2上に形成してもよい。このようにすれば、液晶プロジェクタ以外の直視型や反射型のカラー液晶テレビなどのカラー液晶装置に本実施の形態の液晶パネルを適用できる。更に、対向基板2上に、何層もの屈折率の相違する干渉層を堆積することで、光の干渉を利用して、RGB色を作り出すダイクロイックフィルタを形成してもよい。このダイクロイックフィルタ付き対向基板によれば、より明るいカラー液晶パネルが実現できる。
【0065】
更に、第1から第3の実施の形態の液晶パネル100において、TFTアレイ基板1側における液晶分子の配向不良を更に抑制するために、第2層間絶縁膜43の上に更に平坦化膜をスピンコート等で塗布してもよく、又はCMP処理を施してもよい。或いは、第2層間絶縁膜43を平坦化膜で形成してもよい。また、液晶パネル100のスイッチング素子は、正スタガ型又はコプラナー型のポリシリコンTFTであるとして説明したが、逆スタガ型のTFTやアモルファスシリコンTFT等の他の形式のTFTに対しても、本実施の形態は有効である。更に、液晶パネル100においては、一例として液晶層50をネマティック液晶から構成したが、液晶を高分子中に微小粒として分散させた高分子分散型液晶を用いれば、配向膜19及び22、並びに前述の偏光フィルム、偏光板等が不要となり、光利用効率が高まることによる液晶パネル100の高輝度化や低消費電力化の利点が得られる。更に、画素電極11をAl等の反射率の高い金属膜から構成することにより、液晶パネル100を反射型液晶装置に適用する場合には、電圧無印加状態で液晶分子がほぼ垂直配向されたSH(スーパーホメオトロピック)型液晶などを用いても良い。更にまた、液晶パネル100においては、液晶層50に対し垂直な電界(縦電界)を印加するように対向基板2の側に対向電極21を設けているが、液晶層50に平行な電界(横電界)を印加するように一対の横電界発生用の電極から画素電極11を夫々構成する(即ち、対向基板2の側には縦電界発生用の電極を設けることなく、TFTアレイ基板1の側に横電界発生用の電極を設ける)ことも可能である。このように横電界を用いると、縦電界を用いた場合よりも視野角を広げる上で有利である。その他、各種の液晶材料(液晶相)、動作モード、液晶配列、駆動方法等に本実施の形態を適用することが可能である。
【0066】
更にまた、以上の実施の形態において、特開平9−127497号公報、特公平3−52611号公報、特開平3−125123号公報、特開平8−171101号公報等に開示されているように、TFTアレイ基板1上においてTFT30に対向する位置(即ち、TFT30の下側)にも、例えば高融点金属からなる遮光層を設けてもよい。このようにTFT30の下側にも遮光層を設ければ、TFTアレイ基板1の側からの戻り光等がTFT30に入射するのを未然に防ぐことができる。この場合には、TFT30の下側の遮光層により、図5、図7及び図9に夫々斜線で示した画素の開口領域の一部又は全部を規定することも可能である。
【0067】
(電子機器)
次に、以上詳細に説明した実施の形態における液晶パネル100を備えた電子機器の実施の形態について図10から図14を参照して説明する。
【0068】
先ず図10に、このように液晶パネル100を備えた電子機器の概略構成を示す。
【0069】
図10において、電子機器は、表示情報出力源1000、表示情報処理回路1002、駆動回路1004、液晶パネル100、クロック発生回路1008並びに電源回路1010を備えて構成されている。表示情報出力源1000は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、光ディスク装置などのメモリ、画像信号を同調して出力する同調回路等を含み、クロック発生回路1008からのクロック信号に基づいて、所定フォーマットの画像信号などの表示情報を表示情報処理回路1002に出力する。表示情報処理回路1002は、増幅・極性反転回路、相展開回路、ローテーション回路、ガンマ補正回路、クランプ回路等の周知の各種処理回路を含んで構成されており、クロック信号に基づいて入力された表示情報からデジタル信号を順次生成し、クロック信号CLKと共に駆動回路1004に出力する。駆動回路1004は、液晶パネル100を駆動する。電源回路1010は、上述の各回路に所定電源を供給する。尚、液晶パネル100を構成するTFTアレイ基板の上に、駆動回路1004を搭載してもよく、これに加えて表示情報処理回路1002を搭載してもよい。
【0070】
次に図11から図14に、このように構成された電子機器の具体例を夫々示す。
【0071】
図11において、電子機器の一例たる液晶プロジェクタ1100は、上述した駆動回路1004がTFTアレイ基板上に搭載された液晶パネル100を含む液晶モジュールを3個用意し、夫々RGB用のライトバルブ100R、100G及び100Bとして用いたプロジェクタとして構成されている。液晶プロジェクタ1100では、メタルハライドランプ等の白色光源のランプユニット1102から投写光が発せられると、3枚のミラー1106及び2枚のダイクロイックミラー1108によって、RGBの3原色に対応する光成分R、G、Bに分けられ、各色に対応するライトバルブ100R、100G及び100Bに夫々導かれる。この際特にB光は、長い光路による光損失を防ぐために、入射レンズ1122、リレーレンズ1123及び出射レンズ1124からなるリレーレンズ系1121を介して導かれる。そして、ライトバルブ100R、100G及び100Bにより夫々変調された3原色に対応する光成分は、ダイクロイックプリズム1112により再度合成された後、投写レンズ1114を介してスクリーン1120にカラー画像として投写される。
【0072】
本実施の形態では特に、前述のように遮光膜をTFTの下側に設けておけば、当該液晶パネル100からの投写光に基づく液晶プロジェクタ内の投写光学系による反射光、投写光が通過する際のTFTアレイ基板の表面からの反射光、他の液晶パネル100から出射した後にダイクロイックプリズム1112を突き抜けてくる投写光の一部(R光及びG光の一部)等が、戻り光としてTFTアレイ基板の側から入射しても、画素電極のスイッチング用のTFT等のチャネル領域に対する遮光を十分に行うことができる。このため、小型化に適したプリズムを投写光学系に用いても、各液晶パネルのTFTアレイ基板とプリズムとの間において、戻り光防止用のARフィルムを貼り付けたり、偏光板にAR被膜処理を施したりすることが不要となるので、構成を小型且つ簡易化する上で大変有利である。
【0073】
図12において、電子機器の他の例たるマルチメディア対応のラップトップ型のパーソナルコンピュータ(PC)1200は、上述した液晶パネル100がトップカバーケース内に備えられており、更にCPU、メモリ、モデム等を収容すると共にキーボード1202が組み込まれた本体1204を備えている。
【0074】
図13において、電子機器の他の例たるページャ1300は、金属フレーム1302内に前述の駆動回路1004がTFTアレイ基板上に搭載されて液晶表示モジュールをなす液晶パネル100が、バックライト1306aを含むライトガイド1306、回路基板1308、第1及び第2のシールド板1310及び1312、二つの弾性導電体1314及び1316、並びにフィルムキャリアテープ1318と共に収容されている。この例の場合、前述の表示情報処理回路1002(図10参照)は、回路基板1308に搭載してもよく、液晶パネル100のTFTアレイ基板上に搭載してもよい。更に、前述の駆動回路1004を回路基板1308上に搭載することも可能である。
【0075】
尚、図13に示す例はページャであるので、回路基板1308等が設けられている。しかしながら、駆動回路1004や更に表示情報処理回路1002を搭載して液晶モジュールをなす液晶パネル100の場合には、金属フレーム1302内に液晶パネル100を固定したものを液晶装置として、或いはこれに加えてライトガイド1306を組み込んだバックライト式の液晶装置として、生産、販売、使用等することも可能である。
【0076】
また図14に示すように、駆動回路1004や表示情報処理回路1002を搭載しない液晶パネル100の場合には、駆動回路1004や表示情報処理回路1002を含むIC1324がポリイミドテープ1322上に実装されたTCP(Tape Carrier Package)1320に、TFTアレイ基板1の周辺部に設けられた異方性導電フィルムを介して物理的且つ電気的に接続して、液晶装置として、生産、販売、使用等することも可能である。
【0077】
以上図11から図14を参照して説明した電子機器の他にも、液晶テレビ、ビューファインダ型又はモニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、エンジニアリング・ワークステーション(EWS)、携帯電話、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた装置等などが図10に示した電子機器の例として挙げられる。
【0078】
以上説明したように、本実施の形態によれば、光の利用効率が高く、画面が明るい高品位の画像表示が可能な液晶パネルを備えた各種の電子機器を実現できる。
【0079】
【発明の効果】
本発明の電気光学装置によれば、マイクロレンズにより、画素の開口領域に対する光照射領域が占める割合を高くしつつ、光を画素電極上に集光できる。従って、従来のように例えば各画素の角にコンタクトホールが形成され線対称でない開口領域内に光を集光する場合と比較して、光の利用効率を高められる。この結果、画面が明るい高品位の画像を表示することが可能となる。更に、本発明によれば、コンタクトホールの周囲における画素電極の段差が開口領域に対して線対称となるので、例えば電気光学物質として液晶を用いた場合、右回りの液晶でも、左回りの液晶でも配向不良の問題を起こすことなく用いることができ、実用上便利である。 また、本発明の電子機器によれば、画面が明るい高品位の画像表示が可能であり、しかも低コスト且つ省エネルギ型の液晶プロジェクタ、パーソナルコンピュータ、ページャ等の様々な電子機器を実現可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による液晶パネルの第1の実施の形態におけるTFTアレイ基板をその上に形成された各構成要素と共に対向基板の側から見た平面図である。
【図2】 図2は、対向基板を含めて示す図1のH−H’断面図である。
【図3】 マイクロレンズの一例が形成された画素部における対向基板の拡大断面図である。
【図4】 マイクロレンズの他の一例が形成された画素部における対向基板の拡大断面図である。
【図5】 図1の画素部を拡大して示すTFTアレイ基板の拡大平面図である。
【図6】 図5のA−A’断面図である。
【図7】 本発明による液晶パネルの第2の実施の形態における画素部を拡大して示すTFTアレイ基板の拡大平面図である。
【図8】 図7のB−B’断面図である。
【図9】 本発明による液晶パネルの第3の実施の形態における画素部を拡大して示すTFTアレイ基板の拡大平面図である。
【図10】 本発明による電子機器の実施の形態の概略構成を示すブロック図である。
【図11】 電子機器の一例としての液晶プロジェクタを示す断面図である。
【図12】 電子機器の他の例としてのパーソナルコンピュータを示す正面図である。
【図13】 電子機器の一例としてのページャを示す分解斜視図である。
【図14】 電子機器の一例としてのTCPを用いた液晶装置を示す斜視図である。
【符号の説明】
1…TFTアレイ基板
2…対向基板
11…画素電極
11a…開口領域のほぼ中心点
11b…開口領域の中心線
12…配向膜
21…対向電極
22…配向膜
23…遮光層
30…TFT
31、31’…走査線(ゲート電極線)
32…半導体層
32a…チャネル形成用領域
33…ゲート絶縁膜
34…高濃度ソース領域
34’…低濃度ソース領域
35…データ線(ソース電極線)
36…高濃度ドレイン領域
36’…低濃度ドレイン領域
37、38…コンタクトホール
42…第1層間絶縁層
43…第2層間絶縁層
50…液晶層
52…シール材
53…周辺見切り
70…蓄積容量
80…シート状ポリシリコン
101…データ線駆動回路
104…走査線駆動回路
131、131’…容量線
200、200’…マイクロレンズ
200a、200a’…レンズ中心
201…接着剤
Claims (8)
- 一対の第1及び第2基板間に電気光学物質が封入されてなり、
該第1基板上に、複数の遮光性のデータ線と、該複数のデータ線に交差する複数の走査線と、前記各データ線及び前記各走査線に対応して設けられた画素トランジスタと、前記複数の画素トランジスタに対応して設けられマトリクス状に配置された複数の透明の画素電極とが設けられており、
前記第2基板上には前記複数の画素電極に対応して複数のマイクロレンズが設けられてなり、
前記画素電極は前記第1基板上で前記データ線と該データ線と交差する容量線により開口が規定され、前記マイクロレンズのレンズ中心は前記画素電極の開口のほぼ中心に対向する位置に設けられ、
前記画素トランジスタの半導体層のドレイン領域は前記データ線下及び前記容量線下に沿って延設され、この延設されたドレイン領域を用いて蓄積容量が形成されることを特徴とする電気光学装置。 - 前記蓄積容量は前記ドレイン領域と前記容量線を用いて形成されることを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
- 前記第2基板は前記マイクロレンズのレンズ中心に重なるように開口を規定する遮光層を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電気光学装置。
- 前記画素電極と前記画素トランジスタのドレイン電極とを接続するコンタクトホールを備え、前記コンタクトホールは前記画素電極の中心線上に位置することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の電気光学装置。
- 前記画素電極と前記画素トランジスタのドレイン電極とを接続する2つのコンタクトホールを備え、前記2つのコンタクトホールは前記画素電極の中心線を挟んで線対称に位置することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の電気光学装置。
- 前記データ線上に、平坦化された絶縁膜が形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の電気光学装置。
- 前記データ線上に形成された絶縁膜と、
前記絶縁膜上に形成された平坦化膜とを有することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の電気光学装置。 - 請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の電気光学装置を備えたことを特徴とする電子機器。
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