以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。尚、本実施形態では電気光学装置の一例として液晶装置を用いて説明する。
(液晶装置の構成)
液晶装置の実施の形態の構成について図1から図6に基づいて説明する。図1は、液晶装置の実施の形態におけるTFTアレイ基板上に設けられた各種配線、周辺回路等の構成を示す平面図であり、図2は、図1のより詳細な2次元的レイアウトを示す平面図であり、図3は、画像信号線及びクロック信号線等の配線を示す図2のA−A’断面図であり、図4は、図1の画素部分の拡大平面図であり、図5は、TFTアレイ基板をその上に形成された各構成要素と共に対向基板の側から見た平面図であり、図6は、対向基板を含めて示す図5のH−H’断面図である。
図1において、液晶装置200は、例えば石英基板、ハードガラス等からなるTFTアレイ基板1を備えている。TFTアレイ基板1上には、マトリクス状に設けられた複数の画素電極11と、X方向に複数配列されており夫々がY方向に沿って伸びるデータ線35と、Y方向に複数配列されており夫々がX方向に沿って伸びる走査線31と、各データ線35と画素電極11との間に夫々介在すると共に該間における導通状態及び非導通状態を、走査線31を介して夫々供給される走査信号に応じて夫々制御するスイッチング素子の一例としての複数のTFT30とが形成されている。またTFTアレイ基板1上には、後述の蓄積容量(図6参照)のための配線である容量線31’(蓄積容量電極)が、走査線31と平行に形成されている。
TFTアレイ基板1上には更に、データ信号供給手段の一例を構成するサンプリング回路301及びデータ線駆動回路101と、走査線駆動回路104とが形成されている。また、複数の画素電極11により規定される画像表示領域(即ち、実際に液晶の配向状態変化により画像が表示される液晶装置の領域)の上辺には、画像表示領域の両側に設けられた走査線駆動回路104間をつなぐための複数の配線105が設けられており、画像表示領域の四隅には、TFTアレイ基板1と対向基板との間で電気的導通をとるための上下導通端子106が設けられている。以下図1から図3の説明において、TFTアレイ基板1の下辺に沿って複数設けられた外部入力端子102を介して入力される信号名称と、その信号配線とは、説明の容易化のために同一のアルファベット記号を信号及び配線の後に夫々付加して参照する(例えば、信号名称である“クロック信号CLX”に対し、その信号配線を“配線CLX”と呼ぶ)ことにする。
走査線駆動回路104は、外部制御回路から外部入力端子102並びに配線VSSY及びVDDYを介して供給される、走査線駆動回路用の負電源VSSY及び正電源VDDYを電源として用いて、走査線駆動回路用のスタート信号DYの入力により内蔵シフトレジスタ回路をスタートさせる。そして、外部入力端子102並びに配線CLY及びCLY’を介して供給される、走査線駆動回路用の基準クロック信号CLY及びその反転クロック信号CLY’に基づく所定タイミングで、走査線31に走査信号をパルス的に線順次で印加する。
データ線駆動回路101は、外部制御回路から外部入力端子102並びに信号配線VSSX及びVDDXを介して供給される、データ線駆動回路用の負電源VSSX及び正電源VDDXを電源として用いて、データ線駆動回路用のスタート信号DXの入力により内蔵シフトレジスタ回路をスタートさせる。そして、外部入力端子102並びに配線CLX及びCLX’を介して供給されるデータ線駆動回路用の基準クロック信号CLX及びその反転クロック信号CLX’に基づき、走査線駆動回路104が走査信号を印加するタイミングに合わせて、外部入力端子102及び配線VID1〜VID6を介して供給される例えば6相にシリアル-パラレル変換された画像信号VID1〜VID6夫々について、データ線35毎にサンプリング回路駆動信号をサンプリング回路301にサンプリング回路駆動信号線306を介して所定タイミングで供給する。
サンプリング回路301は、TFT302を各データ線35毎に備えており、配線VID1〜VID6がTFT302のソース電極に接続されており、サンプリング回路駆動信号線306がTFT302のゲート電極に接続されている。そして、画像信号VID1〜VID6が入力されると、これらの画像信号をサンプリングする。また、サンプリング回路駆動信号線306を介して、データ線駆動回路101からサンプリング回路駆動信号が入力されると、画像信号VID1〜VID6夫々についてサンプリングされた画像信号を、6つの隣接するデータ線35からなるグループ毎に順次印加する。以上のように、データ線駆動回路101とサンプリング回路301とは、6相にシリアル−パラレル変換された画像信号VID1〜VID6をデータ線35にデータ信号として供給するように構成されている。本実施の形態では隣接する6つのデータ線35に接続されるサンプリング回路301を同時に選択し、6つのデータ線35からなるグループ毎に順次転送していく方式を述べたが、データ線35を1本毎に選択してもよいし、隣接する2、3、…、5本或いは7本以上を同時に選択してもよい。また、データ線35に供給される画像信号のシリアル−パラレル変換数は6相のみならず、サンプリング回路301を構成するTFT302の書き込み特性が良ければ、5相以下でもよいし、画像信号の周波数が高ければ、7相以上に増やしてもよい。この際、少なくとも画像信号のシリアル−パラレル変換数だけ、画像信号用の外部入力端子102及び画像信号線が必要なことは言うまでもない。
図2に示すように、データ線駆動回路101は、スタート信号DXが入力されると、基準クロック信号CLX及びその反転クロック信号CLK’に基づく転送信号の順次生成を開始するシフトレジスタ回路101aと、シフトレジスタ回路101aからの転送信号を波形整形しバッファリングした後、サンプリング回路駆動信号線306を介してサンプリング回路301に供給する波形制御回路101b及びバッファ回路101cとを備えている。また、サンプリング回路301は、6相にシリアル−パラレル変換された画像信号VID1〜VID6に対応してTFT302が6個ずつパラレルに各サンプリング回路駆動信号線306に接続されている。即ち、TFT302から構成されるスイッチS1〜S6が左から1本目のサンプリング回路駆動信号線306に接続されており、スイッチS7〜S12が左から2本目のサンプリング回路駆動信号線306に接続されており、スイッチSn−5〜Snが右端のサンプリング回路駆動信号線306に接続されている。
本実施の形態では特に、図1及び図2に示すように、TFTアレイ基板1には、負電源VSSX用の配線VSSXを兼ねた定電位の導電線(以下、シールド線と称す)80及び正電源VDDX用の配線VDDXを兼ねた定電位のシールド線82が配線されている。これらのシールド線80及び82により、配線VID1〜VID6は、配線CLX及びCLX’から電気的にシールドされている。従って、クロック信号CLXの周波数が高い場合でも、配線CLX及びCLX’から配線VID1〜VID6への高周波のクロックノイズの飛び込みを低減できる。
尚、走査線駆動用のクロック信号CLY(及びその反転クロック信号CLY’)の周波数は、データ線駆動用の上述のクロック信号CLX(及びその反転クロック信号CLX’)の周波数に比べて遥かに低い。従って、クロック信号CLY及びCLY’については、高周波のクロックノイズが問題となることは少ない。しかしながら、本実施の形態においては、図1及び図2に示したように、シールド線80及び82により、配線CLY及びCLY’からも、配線VID1〜VID6は、シールドされるように配線されている。すなわち、外部入力端子102から延設され、データ線駆動回路101の負電源VSSXを兼ねたシールド線80は、対向基板2に設けられた遮光性の額縁53下に沿って、画像表示領域を囲むように配線される。従って、画像信号用の配線VID1〜VID6ばかりではなく、サンプリング回路301のTFT302を介してデータ信号が書き込まれるデータ線35への周辺回路からのノイズの飛び込みをも低減できる。
特に本実施の形態では、配線VSSX及びVDDXを夫々延設してシールド線80及び82とすることにより、外部入力端子や配線を共用することが可能となり、装置構成の簡略化と省スペース化を図ることが出来る。また、シールド線80及び82の電位は、このように定電位線との共用化により、容易に定電位とされる。但し、電源用の配線とシールド線を別個に配線してもよい。
また、データ線駆動回路101及び走査線駆動回路104を駆動するための電源電圧が互いに同じであれば、正電源の電位(正電位)であるVDDX及びVDDY、負電源の電位(負電位)であるVSSX及びVSSYはそれぞれ共用させてもよい。このような構成を採れば、外部入力端子及びそれから延設される配線が削減できるので有利である。
本実施の形態では、図2に示すように、負電源VSSXが入力される外部入力端子102が2つ設けられており、配線VSSXもこれに対応して2本設けられている。そして、配線VID1〜VID6は、負電源VSSXの電位(負電位)とされたシールド線80により、TFTアレイ基板1上で囲まれている。特に、シフトレジスタ回路101aと波形制御回路101bとの間にも、データ線35と同じAl等の金属層から形成されたシールド線80は延設されている。そして、延設されたシールド線80の先端部は、後述のように第1層間絶縁層を介してAl等の金属層の下方において、例えば走査線31と同じポリシリコン等の導電層から形成されたシールド線接続部81を介して、波形制御回路101b及びバッファ回路101cを囲むようにしてシールド線80に接続されている。
他方、図2に示すように、配線CLX及びCLX’は、データ線駆動回路101に隣接する部分においては、正電源VDDXの電位(正電位)とされたシールド線82により、TFTアレイ基板1上で囲まれている。特に、波形制御回路101bとバッファ回路101cとの間にも、データ線35と同じAl等の金属層から形成されたシールド線82は延設されており、その先端部は、例えば走査線31と同じポリシリコン等の導電層から形成されたシールド線接続部83を介して波形制御回路101b及びシフトレジスタ回路101aを囲むようにしてシールド線82に接続されている。
従って、配線VID1〜VID6は、TFTアレイ基板1上で配線CLX及びCLX’から2重にシールドされた構成が採られており、シフトレジスタ回路101a並びに波形制御回路101b及びバッファ回路101cに対するシールドも信頼性が高いものとされている。但し、このように囲む構成を採らなくても、配線CLX及びCLX’と配線VID1〜VID6との間にシールド線80又は82が少なくとも一本介在するように構成すれば、シールドの効果は多少なりとも得られる。
本実施の形態では、図1及び図2に示したように、配線VID1〜VID6と配線CLX及びCLX’とは、TFTアレイ基板1上でX方向に沿って反対向きに(即ち、前者は時計回りに、後者は反時計回りに)引き回されている。従って、これらの配線間の距離が全体として大きくなるため、且つこれらの配線間にあるデータ線駆動回路101の介在に応じてこれらの配線間を伝達する電磁波は減少するので、クロック信号CLX及びCLX’の周波数が高い場合でも、配線CLX及びCLX’から、配線VID1〜VID6への高周波のクロックノイズの飛び込みを更に低減できる。また、配線CLX及びCLX’と配線VID1〜VID6の引き回しは、その方向が入れ替わっても何ら問題はない。すなわち、配線CLX及びCLX’を負電源VSSXでシールドし、配線VID1〜VID6を正電源VDDXでシールドしてもよい。但し、このように反対方向に引き回す構成を採らなくても、配線CLX及びCLX’と配線VID1〜VID6との間にシールド線80又は82が少なくとも一本介在するように構成すれば、シールドの効果は多少なりとも得られる。
本実施の形態では、クロック信号CLX及びCLX’用の外部入力端子102と、画像信号VID1〜VID6用の外部入力端子102とは、負電源VSSX用、正電源VDDX用及びスタート信号DX用の3つの外部入力端子102を間に介して、相互に所定間隔を隔てて配置されている。そして好ましくは、TFTアレイ基板1の周辺部において外部入力端子102を形成可能な領域において、可能な限りクロック信号CLX及びCLX’用の外部入力端子102と、画像信号VID1〜VID6用の外部入力端子102とは、相互に離して配置され、少なくとも一個以上の外部入力端子102が両者間に配置される。このように構成すれば、例えば画像信号線とクロック信号線とを隣接配置した場合と比較して、クロック用の配線から画像信号用の配線への高周波のクロックノイズの飛び込みを低減できる。
本実施の形態では図1及び図2に示したように、シールド線80により、画像表示領域及び複数のデータ線35は、TFTアレイ基板1上で囲まれている。このため、当該画像表示領域及び複数のデータ線35も、配線CLX及びCLX’からシールドされている。従って、データ線駆動回路101から出力されたサンプリング回路駆動信号、TFT30や画素電極11に到達したデータ信号等における、高周波のクロックノイズの発生を低減できる。但し、このように画像表示領域までも囲む構成を採らなくても、サンプリング回路301に至るまでの配線VID1〜VID6をシールド線80又は82によりシールドするように構成すれば、シールドの効果は多少なりとも得られる。
図3に断面図で示すように、シールド線80及び82を含む外部入力端子102に接続された各種配線DY、VSSY、…、VDDXは、例えば、Al(アルミニウム)等の、データ線35と同一の低抵抗金属材料から形成されている。従って、シールド線80及び82の引き回し領域が、たとえ長くても、シールド線80及び82の抵抗は実用上十分に低く抑えられる。即ち、図2に示したように、他の各種配線やシフトレジスタ回路101a並びに波形制御回路101b及びバッファ回路101cの隙間を縫ってジグザグにシールド線82を長く配線でき、更に画像表示領域までも含めた広い領域にシールド線80を長く配線できる。このように比較的簡単な構成により、当該シールドの効果を全体として高めることが出来る。また図3に示すように、シールド線80及び82を含む外部入力端子102に接続された各種配線DY、VSSY、…、VDDXは、TFTアレイ基板1に形成された第1層間絶縁層42上に、即ち同一層上に形成されている。従って、シールドの効果がより効率良く発揮される。更に、このように構成すると、液晶装置200の製造プロセスにおいて、各種配線DY、VSSY、…、VDDXを、例えば、Al層等の同一の低抵抗金属層から同一工程により一括して形成できるので、製造上有利である。
尚、図1から図3に示した外部入力端子102から入力される信号LCCOMは、共通電極の電源信号であり、配線LCCOM及び前述の上下導通端子106上の導通材を介して、後述の対向基板に設けられた共通電極(図7参照)に供給される。
ここで図4の平面図に示すように、容量線31’は、TFTアレイ基板1上において走査線31と平行に、例えば走査線31と同じく導電性のポリシリコン層等から形成されており、シールド線80にコンタクトホール80aを介して接続されている。このように構成すれば、容量線31’を定電位とするための配線をシールド線80で兼用でき、容量線31’を定電位にするために必要な外部入力端子も、シールド線80用の外部入力端子102で兼用できる。
本実施の形態では特に、サンプリング回路301は、図1中斜線領域で示すように且つ図5及び図6に示すように、対向基板2に形成された遮光性の額縁53に対向する位置においてTFTアレイ基板1上に設けられており、データ線駆動回路101及び走査線駆動回路104は、液晶層50に面しないTFTアレイ基板1の狭く細長い周辺部分上に設けられている。TFTアレイ基板1の上には、画像表示領域の周囲において両基板を貼り合わせて液晶層50を包囲するシール部材の一例としての光硬化性樹脂からなるシール材52が、画像表示領域に沿って設けられている。そして、対向基板2上における画像表示領域とシール材52との間には、遮光性の額縁53が設けられている。
額縁53は、後に画像表示領域に対応して開口が開けられた遮光性のケースにTFTアレイ基板1が入れられた場合に、当該画像表示領域が製造誤差等により当該ケースの開口の縁に隠れてしまわないように、即ち、例えばTFTアレイ基板1のケースに対する数百μm程度のずれを許容するように、画像表示領域の周囲に例えば500μm以上の幅を持つ帯状の遮光性材料から形成されたものである。このような遮光性の額縁53は、例えば、Cr(クロム)、Ni(ニッケル)、Al(アルミニウム)等の金属材料を用いたスパッタリング、フォトリソグラフィ及びエッチングにより対向基板2に形成される。或いは、カーボンやTi(チタン)をフォトレジストに分散した樹脂ブラックなどの材料から形成される。
シール材52の外側の領域には、画像表示領域の下辺に沿ってデータ線駆動回路101及び外部入力端子102が設けられており、画像表示領域の左右の2辺に沿って走査線駆動回路104が画像表示領域の両側に設けられている。そして、シール材52とほぼ同じ輪郭を持つ対向基板2が当該シール材52によりTFTアレイ基板1に固着されている。
以上のようにシールド線80及びサンプリング回路301は、TFTアレイ基板1上の額縁53に対向配置、即ち本実施形態の場合は額縁53の下に設けるようにすれば、TFTアレイ基板1上の省スペース化が図られ、例えば、走査線駆動回路104やデータ線駆動回路101をTFTアレイ基板1の周辺部分に余裕を持って形成することができ、シールド線80の形成により液晶装置200における有効表示面積が減少することも殆ど又は全くない。またシールド線80は額縁53に対向する位置に延設されるとともに、対向する位置においてシールド線80と容量線31’とを接続するようにすれば、TFT基板上の有効表示面積を減少させることなく、スペースを有効利用することができる。
(液晶装置全体の構成)
次に、液晶装置200の具体的構成について図7及び図8を参照して説明する。ここに、図7は液晶装置のTFT30部分を示しており、図4におけるB−B’に沿った断面図であり、図8は額縁の下における液晶装置のシールド線80に沿った断面図である。尚、図7及び図8においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならしめてある。
図7の断面図において、液晶装置200は、各画素に設けられるTFT30部分において、TFTアレイ基板1並びにその上に積層された半導体層32、ゲート絶縁層33、走査線31(ゲート電極)、第1層間絶縁層42、データ線35、第2層間絶縁層43、画素電極11及び配向膜12を備えている。液晶装置200はまた、例えばガラス基板から成る対向基板2並びにその上に積層された共通電極21、配向膜22及び遮光膜23を備えている。液晶装置200は更に、これらの両基板間に挟持された電気光学物質として液晶層50を備えている。
ここでは先ず、これらの層のうち、TFT30を除く各層の構成について順に説明する。
第1及び第2層間絶縁層42及び43は夫々、5000〜15000オングストローム程度の層みを持つNSG(ノンシリケートガラス)、PSG(リンシリケートガラス)、BSG(ボロンシリケートガラス)、BPSG(ボロンリンシリケートガラス)などのシリケートガラス膜、窒化シリコン膜や酸化シリコン膜等からなる。尚、TFTアレイ基板1上に、TFT30の下地となる層間絶縁層をシリケートガラス膜、窒化シリコン膜や酸化シリコン膜等から形成してもよい。
画素電極11は例えば、ITO(インジウム・ティン・オキサイド)膜などの透明導電性薄膜からなる。このような画素電極11は、スパッタリング処理等によりITO膜等を約500〜2000オングストロームの厚さに堆積した後、フォトリソグラフィ工程、エッチング工程を施すこと等により形成される。尚、当該液晶装置200を反射型の液晶装置に用いる場合には、Al等の反射率の高い不透明な材料から画素電極11を形成してもよい。
配向膜12は例えば、ポリイミド薄膜などの有機薄膜からなる。このような配向膜12は、例えばポリイミド系の塗布液を塗布した後、所定のプレティルト角を持つように且つ所定方向でラビング処理を施すこと等により形成される。
共通電極21は、対向基板2の全面に渡って形成されている。このような共通電極21は、例えばスパッタリング処理等によりITO膜等を約500〜2000オングストロームの厚さに堆積した後、フォトリソグラフィ工程、エッチング工程を施すこと等により形成される。
配向膜22は、例えば、ポリイミド薄膜などの有機薄膜からなる。このような配向膜22は、例えばポリイミド系の塗布液を塗布した後、所定のプレティルト角を持つように且つ所定方向でラビング処理を施すこと等により形成される。
遮光膜23は、TFT30に対向する所定領域に設けられている。このような遮光膜23は、前述の額縁53同様に、CrやNiなどの金属材料を用いたスパッタリング、フォトリソグラフィ及びエッチングにより形成されたり、カーボンやTiをフォトレジストに分散した樹脂ブラックなどの材料から形成される。遮光膜23は、TFT30の半導体層32に対する遮光の他に、コントラストの向上、色材の混色防止などの機能を有する。
液晶層50は、画素電極11と共通電極21とが対面するように配置されたTFTアレイ基板1と対向基板2との間において、シール材52(図5及び図6参照)により囲まれた空間に液晶が真空吸引等により封入されることにより形成される。液晶層50は、画素電極11からの電界が印加されていない状態で配向膜12及び22により所定の配向状態を採る。液晶層50は、例えば一種又は数種類のネマティック液晶を混合した液晶からなる。シール材52は、二つの基板1及び2をそれらの周辺で貼り合わせるための、例えば光硬化性樹脂や熱硬化性樹脂からなる接着剤であり、両基板間の距離を所定値とするためのスペーサが混入されている。
次に、TFT30に係る各層の構成について順に説明する。
TFT30は、走査線31、走査線31からの電界によりチャネルが形成される半導体層32、走査線31と半導体層32とを絶縁するゲート絶縁層33、半導体層32に形成されたソース領域34、データ線35、及び半導体層32に形成されたドレイン領域36を備えている。ドレイン領域36には、複数の画素電極11のうちの対応する一つが接続されている。ソース領域34及びドレイン領域36は後述のように、半導体層32に対し、n型又はp型のチャネルを形成するかに応じて所定濃度のn型用又はp型用のドーパントをドープすることにより形成されている。n型チャネルのTFTは、動作速度が速いという利点があり、画素のスイッチング素子であるTFT30として用いられることが多い。
TFT30を構成する半導体層32は、例えば、TFTアレイ基板1上にa−Si(アモルファスシリコン)膜を形成後、アニール処理を施して約500〜2000オングストロームの厚さに固相成長させることにより形成する。この際、nチャネル型のTFT30の場合には、Sb(アンチモン)、As(砒素)、P(リン)などのV族元素のドーパントを用いたイオン注入等によりドープしてもよい。また、pチャネル型のTFT30の場合には、B(ボロン)、Ga(ガリウム)、In(インジウム)などのIII族元素のドーパントを用いたイオン注入等によりドープする。特にTFT30をLDD(Lightly Doped Drain)構造を持つnチャネル型のTFTとする場合、p型の半導体層32に、ソース領域34及びドレイン領域36のうちチャネル側に夫々隣接する一部にPなどのV族元素のドーパントにより低濃度ドープ領域を形成し、同じくPなどのV族元素のドーパントにより高濃度ドープ領域を形成する。また、pチャネル型のTFT30とする場合、n型の半導体層32に、BなどのIII族元素のドーパントを用いてソース領域34及びドレイン領域36を形成する。このようにLDD構造とした場合、ショートチャネル効果を低減できる利点が得られる。尚、TFT30は、LDD構造における低濃度ドープ領域にイオン注入したオフセット構造のTFTとしてもよいし、ゲート電極をマスクとして高濃度の不純物イオンをドープすることにより自己整合的に高濃度なソース及びドレイン領域を形成するセルフアライン型のTFTとしてもよい。また、ゲート電極を2個直列に設けデュアルゲート構造としてもよいし、ゲート電極を3個以上直列に設けてもよいことは言うまでもない。このような構成を採れば、TFT30のオフ時におけるリーク電流が低減され、クロストーク等の発生を抑制できるため、高品位な液晶装置を提供することができる。
ゲート絶縁層33は、半導体層32を約900〜1300℃の温度により熱酸化することにより、300〜1500オングストローム程度の比較的薄い厚さの熱酸化膜を形成して得ることができる。これにより半導体層32とゲート絶縁層33の界面状態の優れた良質の絶縁膜を形成することができる。
走査線31は、減圧CVD法等によりポリシリコン膜を堆積した後、フォトリソグラフィ工程、エッチング工程等により形成される。或いは、Al等の金属膜又は金属シリサイド膜から形成されてもよい。この場合、走査線31を、遮光膜23が覆う領域の一部又は全部に対応する遮光膜として配置すれば、金属膜や金属シリサイド膜の持つ遮光性により、遮光膜23の一部又は全部を省略することも可能となる。この場合特に、対向基板2とTFTアレイ基板1との貼り合わせずれによる画素開口率の低下を防ぐことが出来る利点がある。
データ線35は、画素電極11と同様にITO膜等の透明導電性薄膜から形成してもよい。或いは、スパッタリング処理等により、約1000〜5000オングストロームの厚さに堆積されたAl等の低抵抗金属や金属シリサイド等から形成してもよい。
また、第1層間絶縁層42には、ソース領域34へ通じるコンタクトホール37及びドレイン領域36へ通じるコンタクトホール38が夫々形成されている。このソース領域34へのコンタクトホール37を介して、データ線35はソース領域34に電気的接続される。更に、第2層間絶縁層43には、ドレイン領域36へのコンタクトホール38が形成されている。このドレイン領域36へのコンタクトホール38を介して、画素電極11はドレイン領域36に電気的接続される。前述の画素電極11は、このように構成された第2層間絶縁層43の上面に設けられている。各コンタクトホールは、例えば、反応性エッチング、反応性イオンビームエッチング等のドライエッチングにより形成すれば、開口サイズの微細化が可能となり、画素の高開口率化が実現できる。
尚、一般にはチャネルが形成される半導体層32は、光が入射するとp−Siが有する光電変換効果により光電流が発生してしまいTFT30のトランジスタ特性が劣化するが、本実施の形態では、対向基板2には各TFT30に夫々対向する位置に遮光膜23が形成されているので、入射光が半導体層32に入射することが防止される。更にこれに加えて又は代えて、ゲート電極を上側から覆うようにデータ線35をAl等の不透明な金属薄膜から形成すれば、遮光膜23と共に又は単独で、半導体層32への入射光(即ち、図7で上側からの光)の入射を効果的に防ぐことが出来る。
図7において、画素電極11には蓄積容量70が夫々設けられている。この蓄積容量70は、より具体的には、半導体層32と同一工程により形成される第1蓄積容量電極32’、ゲート絶縁層33と同一工程により形成される誘電体層33’、走査線31と同一工程により形成される容量線31’(第2蓄積容量電極)、第1及び第2層間絶縁層42及び43、並びに第1及び第2層間絶縁層42及び43を介して容量線31’に対向する画素電極11の一部から構成されている。このように蓄積容量70が設けられているため、デューティー比が小さくても高精細な表示が可能とされる。
図8の断面図に示すように、額縁53に対向し且つ複数の走査線31の上方の位置において第1層間絶縁層42上をシールド線80は通過する。そして、このシールド線80は、その殆どの部分が、前述したデータ線35と同一工程で形成されたAl等の金属薄膜からなる低抵抗な配線である。このように液晶装置200の製造プロセスにおいて、シールド線80とデータ線35とを一括して形成できるので、製造上有利である。
本実施の形態では特に、TFT30の形成時に同一薄膜形成工程で、サンプリング回路301、データ線駆動回路101、走査線駆動回路104等の周辺回路を形成できるので製造上有利である。例えば、これらの周辺回路は、nチャネル型ポリシリコンTFT及びpチャネル型ポリシリコンTFTから構成される相補型構造の複数のTFTからTFTアレイ基板1上の周辺部分に形成される。
尚、図7及び図8には示されていないが、液晶装置200においては、対向基板2の投射光が入射する側及びTFTアレイ基板1の投射光が出射する側には夫々、例えば、TN(ツイステッドネマティック)モード、STN(スーパーTN)モード、D−STN(ダブル−STN)モード等の動作モードや、ノーマリーホワイトモード/ノーマリーブラックモードの別に応じて、偏光フィルム、位相差フィルム、偏光板などが所定の方向で配置される。
また、以上説明した液晶装置200は、カラー液晶プロジェクタに適用されるため、3つの液晶装置200がRGB用のライトバルブとして夫々用いられ、各装置には夫々RGB色分解用のダイクロイックミラーを介して分解された各色の光が入射光として夫々入射されることになる。従って、各実施の形態では、対向基板2に、カラーフィルタは設けられていない。しかしながら、液晶装置200においても遮光膜23の形成されていない画素電極11に対向する所定領域にRGBのカラーフィルタをその保護膜と共に、対向基板2上に形成してもよい。あるいは、TFTアレイ基板1上の各画素に対応するように、RGBのカラーレジストによりカラーフィルター層を内蔵しても良い。このようにすれば、液晶プロジェクタ以外の直視型や反射型のカラー液晶テレビなどのカラー液晶装置に本実施の形態の液晶装置を適用できる。更に、対向基板2上に1画素1個対応するようにマイクロレンズを形成してもよい。このようにすれば、入射光の集光効率を向上することで、明るい液晶装置が実現できる。更にまた、対向基板2上に、何層もの屈折率の相違する干渉層を堆積することで、光の干渉を利用して、RGB色を作り出すダイクロイックフィルタを形成してもよい。このダイクロイックフィルタ付き対向基板によれば、より明るいカラー液晶装置が実現できる。
液晶装置200において、TFTアレイ基板1側における液晶分子の配向不良を抑制するために、第2層間絶縁層43の上に更に平坦化膜をスピンコート等で塗布してもよく、又はCMP(Chemical Mechanical Polishing)処理を施してもよい。或いは、第2層間絶縁層43を平坦化膜で形成してもよい。
液晶装置200のスイッチング素子は、正スタガ型又はコプラナー型のポリシリコンTFTであるとして説明したが、逆スタガ型のTFTやアモルファスシリコンTFT等の他の形式のTFTに対しても、本実施の形態は有効である。
液晶装置200においては、一例として液晶層50をネマティック液晶から構成したが、液晶を高分子中に微小粒として分散させた高分子分散型液晶を用いれば、配向膜12及び22、並びに前述の偏光フィルム、偏光板等が不要となり、光利用効率が高まることによる液晶装置の高輝度化や低消費電力化の利点が得られる。更に、画素電極11をAl等の反射率の高い金属膜から構成することにより、液晶装置200を反射型液晶装置に適用する場合には、電圧無印加状態で液晶分子がほぼ垂直配向されたSH(スーパーホメオトロピック)型液晶などを用いても良い。更にまた、液晶装置200においては、液晶層50に対し垂直な電界(縦電界)を印加するように対向基板2の側に共通電極21を設けているが、液晶層50に平行な電界(横電界)を印加するように一対の横電界発生用の電極から画素電極11を夫々構成する(即ち、対向基板2の側には縦電界発生用の電極を設けることなく、TFTアレイ基板1の側に横電界発生用の電極を設ける)ことも可能である。このように横電界を用いると、縦電界を用いた場合よりも視野角を広げる上で有利である。その他、各種の液晶材料(液晶相)、動作モード、液晶配列、駆動方法等に本実施の形態を適用することが可能である。また、上述の実施形態では基板上にTFTを形成する構成を用いて説明したがこのような構成に限らず、シリコン基板にスイッチング素子を形成する構成でも適用可能である。また、電気光学物質として液晶を用いて説明したが液晶に限らず、エレクトロルミネッセンス、あるいはプラズマディスプレイ等にも適用可能である。
以上説明した実施の形態において更に、額縁53下やTFTアレイ基板1の周辺部に、プリチャージ回路、検査回路等の周知の周辺回路を設けてもよい。プリチャージ回路は、コントラスト比の向上、データ線35の電位レベルの安定、表示画面上のラインむらの低減等を目的として、データ線35に対し、データ線駆動回路101から供給されるデータ信号に先行するタイミングで、プリチャージ信号を供給することにより、データ信号をデータ線35に書き込む際の負荷を軽減する回路である。例えば、特開平7−295520号公報に、このようなプリチャージ回路の一例が開示されている。他方、検査回路は、額縁53下やTFTアレイ基板の周辺部に、製造途中や出荷時の当該液晶装置の品質、欠陥等を検査するための回路である。
また、以上の実施の形態において、特開平9−127497号公報、特公平3−52611号公報、特開平3−125123号公報、特開平8−171101号公報等に開示されているように、TFTアレイ基板1上においてTFT30に対向する位置(即ち、TFT30の下側)にも、例えば高融点金属からなる遮光層を設けてもよい。このようにTFT30の下側にも遮光層を設ければ、TFTアレイ基板1の側からの戻り光等がTFT30に入射するのを未然に防ぐことができる。従って、当該液晶装置200をプロジェクタ用のライトバルブとして好適に用いることが出来る。
更にまた、以上の実施の形態において、TFT30に代えてTFD(Thin Film Diode)等の2端子型非線形素子等からスイッチング素子を構成してもよい。この場合、データ線及び走査線のうち一方の線を対向基板に配置して共通電極として機能させ、TFTアレイ基板に設けられた他方の線と画素電極との間にスイッチング素子を夫々配置して液晶駆動する。このように構成しても、画素信号線やデータ線をクロック信号線からシールドすることにより、高周波のクロックノイズの画像信号やデータ信号への飛び込みを防止する効果は発揮される。
(液晶装置の動作)
次に、以上のように構成された液晶装置200の動作について図1を参照して説明する。
先ず、走査線駆動回路104は、所定タイミングで走査線31に走査信号をパルス的に線順次で印加する。
これと並行して、6つの配線VID1〜VID6からパラレルな画像信号を受けると、サンプリング回路301は、これらの画像信号をサンプリングする。データ線駆動回路101は、走査線駆動回路104がゲート電圧を印加するタイミングに合わせて、6つの配線VID1〜VID6夫々について一つのデータ線毎にサンプリング回路駆動信号を供給して、サンプリング回路301のTFT302をオン状態とする。これにより、隣接する6つのデータ線35に対して、サンプリング回路301にサンプリングされたデータ信号を順次印加する。即ち、データ線駆動回路101とサンプリング回路301により、配線VID1〜VID6から入力された6相にシリアル−パラレル変換されたパラレルな画像信号VID1〜VID6は、データ線35に供給される。
このように、走査信号(ゲート電圧)及びデータ信号(ソース電圧)の両方が印加されたTFT30においては、ソース領域34、半導体層32に形成されたチャネル及びドレイン領域36を介して画素電極11に電圧が印加される。そして、この画素電極11の電圧は、ソース電圧が印加された時間よりも例えば3桁も長い時間だけ蓄積容量(図7参照)により保持される。ここで特に、シールド線80及び82により、配線VID1〜VID6は、配線CLX及びCLX’からシールドされているので、クロック信号CLXの周波数が高い場合でも、配線CLX及びCLX’から配線VID1〜VID6への高周波のクロックノイズの飛び込みを低減できる。
以上のように、画素電極11に電圧が印加されると、液晶層50におけるこの画素電極11と共通電極21とに挟まれた部分における液晶の配向状態が変化し、ノーマリーホワイトモードであれば、印加された電圧に応じて入射光がこの液晶部分を通過不可能とされ、ノーマリーブラックモードであれば、印加された電圧に応じて入射光がこの液晶部分を通過可能とされ、全体として液晶装置200からは画像信号に応じたコントラストを持つ光が出射する。
以上の結果、表示すべき画像の解像度が高く、高周波のシリアルな画像信号VID1〜VID6が入力される場合にも、これに対応して周波数が高いクロック信号CLX及びCLX’を用いつつ、高周波のクロックノイズの発生により画質が劣化することは殆ど又は全く無くなり、高品位の画像表示が可能とされる。
(電子機器)
次に、以上詳細に説明した液晶装置200を備えた電子機器の実施の形態について図9から図13を参照して説明する。
先ず図9に、このように液晶装置200を備えた電子機器の概略構成を示す。
図9において、電子機器は、表示情報出力源1000、表示情報処理回路1002、駆動回路1004、液晶装置200、クロック発生回路1008並びに電源回路1010を備えて構成されている。表示情報出力源1000は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、光ディスク装置などのメモリ、テレビ信号を同調して出力する同調回路等を含み、クロック発生回路1008からのクロック信号に基づいて、所定フォーマットの画像信号などの表示情報を表示情報処理回路1002に出力する。表示情報処理回路1002は、増幅・極性反転回路、シリアル−パラレル変換回路、ローテーション回路、ガンマ補正回路、クランプ回路等の周知の各種処理回路を含んで構成されており、クロック信号に基づいて入力された表示情報からデジタル信号を順次生成し、クロック信号CLKと共に駆動回路1004に出力する。駆動回路1004は、液晶装置200を駆動する。電源回路1010は、上述の各回路に所定電源を供給する。尚、液晶装置200を構成するTFTアレイ基板の上に、駆動回路1004を搭載してもよく、これに加えて表示情報処理回路1002を搭載してもよい。
次に図10から図13に、このように構成された電子機器の具体例を夫々示す。
図10において、電子機器の一例たる液晶プロジェクタ1100は、上述した駆動回路1004がTFTアレイ基板上に搭載された液晶装置200を含む液晶モジュールを3個用意し、夫々RGB用のライトバルブ200R、200G及び200Bとして用いたプロジェクタとして構成されている。液晶プロジェクタ1100では、メタルハライドランプ等の白色光源のランプユニット1102から投射光が発せられると、3枚のミラー1106及び2枚のダイクロイックミラー1108によって、RGBの3原色に対応する光成分R、G、Bに分けられ、各色に対応するライトバルブ200R、200G及び200Bに夫々導かれる。この際特にB光は、長い光路による光損失を防ぐために、入射レンズ1122、リレーレンズ1123及び出射レンズ1124からなるリレーレンズ系1121を介して導かれる。そして、ライトバルブ200R、200G及び200Bにより夫々変調された3原色に対応する光成分は、ダイクロイックプリズム1112により再度合成された後、投射レンズ1114を介してスクリーン1120にカラー画像として投射される。
本実施の形態においては特に、前述のように遮光層をTFTの下側にも設けておけば、当該液晶装置200からの入射光に基づく液晶プロジェクタ内の投射光学系による反射光、入射光が通過する際のTFTアレイ基板の表面からの反射光、他の液晶装置から出射した後にダイクロイックプリズム1112を突き抜けてくる入射光の一部(R光及びG光の一部)等が、戻り光としてTFTアレイ基板の側から入射しても、画素スイッチング用のTFT30等のチャネルに対する遮光を十分に行うことができる。この場合、小型化に適したプリズムを投射光学系に用いても、各液晶装置のTFTアレイ基板とプリズムとの間において、戻り光防止用のAR(Anti Reflection)フィルムを貼り付けたり、偏光板にAR被膜処理を施したりすることが不要となるので、構成を小型且つ簡易化する上で大変有利である。
図11において、電子機器の他の例たるマルチメディア対応のラップトップ型のパーソナルコンピュータ(PC)1200は、上述した液晶装置200がトップカバーケース内に備えられており、更にCPU、メモリ、モデム等を収容すると共にキーボード1202が組み込まれた本体1204を備えている。
図12において、電子機器の他の例たるページャ1300は、金属フレーム1302内に前述の駆動回路1004がTFTアレイ基板上に搭載されて液晶モジュールをなす液晶装置200が、バックライト1306aを含むライトガイド1306、回路基板1308、第1及び第2のシールド板1310及び1312、二つの弾性導電体1314及び1316、並びにフィルムキャリアテープ1318と共に収容されている。この例の場合、前述の表示情報処理回路1002(図9参照)は、回路基板1308に搭載してもよく、液晶装置200のTFTアレイ基板上に搭載してもよい。更に、前述の駆動回路1004を回路基板1308上に搭載することも可能である。
尚、図12に示す例はページャであるので、回路基板1308等が設けられている。しかしながら、駆動回路1004や更に表示情報処理回路1002を搭載して液晶モジュールをなす液晶装置200の場合には、金属フレーム1302内に液晶装置200を固定したものを液晶装置として、或いはこれに加えてライトガイド1306を組み込んだバックライト式の液晶装置として、生産、販売、使用等することも可能である。
また図13に示すように、駆動回路1004や表示情報処理回路1002を搭載しない液晶装置200の場合には、駆動回路1004や表示情報処理回路1002を含むIC1324がポリイミドテープ1322上に実装されたTCP(Tape Carrier Package)1320に、TFTアレイ基板1の周辺部に設けられた異方性導電フィルムを介して物理的且つ電気的に接続して、液晶装置として、生産、販売、使用等することも可能である。
以上図10から図13を参照して説明した電子機器の他にも、液晶テレビ、ビューファインダ型又はモニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、エンジニアリング・ワークステーション(EWS)、携帯電話、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた装置等などが図9に示した電子機器の例として挙げられる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、高周波のクロックノイズの発生が低減されており、高品位の画像表示が可能な液晶装置200を備えた各種の電子機器を実現できる。