JP4125787B2 - 新規ピリミジン化合物および医薬組成物 - Google Patents
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Description
本発明は医薬として有用な化合物とその用途に関する。さらに詳しくは、エンドセリンB受容体選択的拮抗作用を有し、エンドセリンB受容体が関与する疾患の予防または治療に有用な新規ピリミジン化合物並びに該新規ピリミジン化合物を含有する医薬組成物またはエンドセリンB受容体選択的拮抗剤に関する。
背景技術
エンドセリンは、21個のアミノ酸からなる内皮細胞由来の血管作動性ペプチドであり、血管系のホメオスタシスに関与している。また、エンドセリンは循環器系疾患の一部に関与しており、例えば高血圧、脳血管収縮、急性腎不全、急性増殖性腎症、急性心筋梗塞、血管内膜肥厚等の心血管系疾患の増悪因子としてエンドセリン受容体を介して作用を発現する。
エンドセリンの受容体として、現在までにエンドセリンA受容体とエンドセリンB受容体の2種類のサブタイプが知られており、受容体拮抗剤としてはA受容体選択的、B受容体選択的およびAB受容体非選択的の3種類が考えられている。それぞれのタイプの受容体がどのような疾患に関与しているかは徐々に明らかになってきており、エンドセリンA受容体選択的拮抗剤が心血管病変の急性期に有効に作用するのではないかと期待されているが、十分満足のいく結果は得られていない。そのことから、エンドセリンA受容体だけでなく、エンドセリンB受容体も心血管病変の発生および進展に関与している可能性が示唆されており、その他にもエンドセリンB受容体は血中エンドセリンの代謝、血管の内膜肥厚やある種の細胞の発生分化にも関与していると考えられている。
エンドセリン受容体拮抗作用を有し、ピリミジン構造を有する化合物が特開平5−222003に開示されているが、ここにはエンドセリンB選択性については全く触れられていない。
また、非ペプチド性エンドセリンB受容体選択的拮抗剤として、ピリミジン骨格を有した化合物がフェブズ・レターズ(FEBS Letters)第383巻、第37頁〜第41頁に開示されている。
多くのエンドセリン受容体拮抗剤の開発が行われている中で、エンドセリンB受容体選択的拮抗剤は比較的少数であり、その中でも非ペプチド性で高い選択性をもつものはほとんど見出されていない。エンドセリンB受容体の機能がいまだ解明途中である状況下、エンドセリンBが関与している疾患の予防および治療剤、並びに受容体の機能解明に有用な試薬として、高い活性および選択性を有したエンドセリンB受容体選択的拮抗剤の開発が望まれていた。
発明の開示
本発明者らは以下の式(I)で示される化合物が拮抗剤としての高い活性および選択性を有する事を見出し、本発明を完成した。即ち、本発明は、式(I):
(式中、AはR1−W−、OHC−Y−O−またはハロゲンであり、R1は置換されていてもよいアリールであり、WはSO2NH、SO2NR4、CONH、(CH2)nNH、OまたはSであり、R2は置換されていてもよいアリールであり、R3は水素、置換されていてもよい低級アルキルまたは置換されていてもよいアリールであり、R4は低級アルキルであり、XはO、Sまたは単結合であり、Yは低級アルキレンまたは低級アルケニレンであり、nは0〜2の整数である。Xが単結合のときR2は水素またはハロゲンであってもよい)
好ましくは式(I’):
(式中、R1およびR2は各々独立して置換されていてもよいアリールであり、R3は水素、置換されていてもよい低級アルキルまたは置換されていてもよいアリールであり、XはO、Sまたは単結合であり、Yは低級アルキレンまたは低級アルケニレンである)
で示される化合物もしくはその製薬上許容される塩またはそれらの水和物を提供するものである。また、上記化合物(I)を含有する医薬組成物およびエンドセリンB受容体選択的拮抗剤を提供するものである。さらに、別の態様としては、化合物(I)を投与することを特徴とする、エンドセリンBに起因する疾患の治療および/または予防の方法を提供する。また、エンドセリンBに起因する疾患の治療および/または予防のための医薬を製造するための化合物(I)の使用に関する。
さらに、式(IV):
(式中、Halはハロゲンであり、R2、R3、XおよびYは上記と同義であり、Zは保護されたホルミルである)
で示される化合物と式(III’):
R1−SO2NHM (III’)
(式中、R1は上記と同義であり、Mは金属原子である)
で示される化合物を反応させることを特徴とする、式(II’):
(式中、R1、R2、R3、X、YおよびZは上記と同義である)
で示される化合物の製造方法、およびさらに脱保護することを特徴とする、化合物(I’)の製造方法を提供する。
また、その製造法に用いる中間体である式(IV):
(式中、Halはハロゲンであり、R2、R3、XおよびYは上記と同義であり、Zは保護されたホルミルである)
で示される化合物またはその塩を提供する。
発明を実施するための最良の形態
本明細書中、「アリール」とは、具体的にはフェニルおよびナフチル等を包含し、好ましくはフェニルである。「置換されていてもよいアリール」とは、低級アルキル、低級アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、メチレンジオキシまたはエチレンジオキシ等の置換基を1以上有していてもよく、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロペンテニル等の飽和炭素環または不飽和炭素環と縮合していてもよいアリールを意味する。
「低級アルキル」とは、炭素数1〜6の直鎖または分枝状のアルキルを意味する。具体的には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、ペンチルおよびヘキシル等を包含し、好ましくはt−ブチルである。「置換されていてもよい低級アルキル」は任意の位置に1以上の置換基を有していてもよいアルキルであり、その置換基としてはハロゲン、ヒドロキシ、低級アルコキシ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニルおよびアシル等が挙げられる。
「低級アルキレン」とは、−(CH2)m−(m=1〜6)で示される基であり、具体的にはメチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレンを包含し、好ましくはトリメチレンである。
「低級アルケニレン」とは、少なくとも1以上の二重結合を有する炭素数2〜7の直鎖状または分枝状の基であり、具体的にはビニレン、プロペニレン、ブテニレン、ブタジエニレン、ペンテニレン、ペンタジエニレン、ヘキセニレン、ヘキサジエニレン、ヘキサトリエニレン、ヘプテニレン、ヘプタジエニレン、ヘプタトリエニレン等を包含する。これらの二重結合の位置は任意でよい。
「低級アルコキシ」とは、炭素数1〜6の直鎖または分枝状のアルコキシを意味し、具体的には、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、t−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ等を包含し、好ましくはメトキシである。これらは置換基としてハロゲン、ヒドロキシ等を有していてもよい。
「ハロゲン」とは、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を表わす。
「保護されたホルミル」とは、保護基としてエチレングリコール、プロピレングリコール、2,2−ジメチルプロパノール等のジオール類またはメタノール、エタノール等のモノオール類等を用いて環状アセタールまたはジアルキルアセタールに変換した基、メルカプトエタノール等を用いて1,3−オキサチオランに変換した基、チオール、ジチオールまたはそれらのトリメチルシリルエーテル等を用いてジチオアセタールに変換した基等を意味する。
「本発明化合物」という場合には化合物(I)および/または(I’)の製薬上許容される塩をも包含する。例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、フッ化水素酸、臭化水素酸等の鉱酸の塩;ギ酸、酢酸、酒石酸、乳酸、クエン酸、フマール酸、マレイン酸、コハク酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、カンファースルホン酸等の有機酸の塩;アンモニウム、トリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム等の有機塩基の塩;ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属の塩またはカルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属の塩等を挙げることができる。これらの塩は通常行われる方法で生成させることができる。
本発明化合物は、その水和物をも包含し、本発明化合物1分子に対して任意の数の水分子と結合していてもよい。
本発明化合物は、例えば以下のような方法により合成することができる。
[A法;A=R1−W−かつX=OまたはS]
まず、アルカリ金属アルコラート等の塩基の存在下、アルコール等の溶媒中で化合物aと一般式R2−XHで示されるグアイヤコール、m−メトキシフェノール等のフェノール化合物またはo−メトキシベンゼンチオール、m−メトキシベンゼンチオール等のチオール化合物を反応させて化合物bを得る。
次いで、化合物bとアミジンまたはその塩(例えばフォルムアミジンアセテート、ピリミジン−2−カルボキサミジンベンゼンスルホン酸塩等)をアルカリ金属アルコラート等の塩基存在下、適当な溶媒中で縮合させて化合物cを得る。
次いで、有機塩基の存在または不存在下で化合物cにハロゲン化剤等を反応させ、化合物dを得る。この場合の溶媒はハロゲン化剤と反応しない有機溶媒であればいずれでもよいが、有機塩基またはハロゲン化剤が液状である場合には溶媒として使用する事もできる。
化合物eは化合物dに化合物R1−W’(W’はSO2NH2、CONH2、(CH2)nNH2、OH、SHまたはそれらの金属塩である;以下、化合物(III)と略す)を反応させて得られる。反応させる化合物(III)は化合物dに対し、1.5〜2モルであることが好ましく、ジメチルスルホキシドまたはジメチルホルムアミド等の溶液中で反応させればよい。
次いで、水素化ナトリウム、ブチルリチウム等の塩基存在下で、化合物eとエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等のジオール類を反応させて化合物fを得、それをさらに酸化して目的化合物を得る。化合物eとジオール類の反応においては、ジオール類を過剰に使用する事が好ましく、ジオールを溶媒として使用してもよい。化合物fの酸化反応では、アルコール類からアルデヒド類への酸化反応において、通常使用され得る酸化剤を使用すればよく、塩化メチレン等の酸化剤に不活性な溶媒中で実施する。
目的の化合物のWがSO2NR4である場合には、上記の方法でWがSO2NHである化合物を得た後、ジメチルホルムアミド等の溶媒中、よう化メチル等のアルキル化剤を用いてアルキル化すればよい。
尚、各工程における反応温度については−78℃〜150℃の範囲で必要に応じた温度を選択する事が出来る。また、反応を実施する際に支障となる置換基を有する化合物については、その基をあらかじめ保護し、適当な段階で脱離させればよい。
化合物(III)は公知物を用いればよいが、例えばW’がSO2NH2またはその金属塩である場合(以下、化合物(III’)とする)には、以下の方法により公知化合物より合成することも可能である。
まず、公知化合物gをトルエン等の適当な溶媒中、アンモニア水と反応させて化合物hを得、次に化合物hをメタノール、エタノール等の溶媒中、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等のアルカリ(MOH;Mは金属原子であり、例えばカリウム、ナトリウム)と反応させれば化合物(III’)が得られる。
[B法;A=R1−W−またはハロゲンかつX=単結合]
目的化合物のAがR1−W−である場合には、まず4,6−ハロゲノピリミジンの4位および6位を上記と同様の方法で置換して化合物iを得、N−ブロモサクシンイミド等で5位をハロゲン化して化合物jを得る。次にアリールスズ化合物とのパラジウム触媒を用いたクロスカップリング反応(ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(Journal of Organic Chemistry)第58巻、1963〜1966頁、1993年)にて置換基R2を導入すれば目的化合物が得られる。目的化合物のWがSO2NR4である場合には、上述の方法でWがSO2NHである化合物(I−a)を得た後、アルキル化すればよい。
目的化合物のAがハロゲンである場合には、例えば通常の方法により化合物d’のハロゲンを一旦異なる置換基に変換し、上記と同様に置換基R2を導入した後、常法により置換基O−Y−CHOおよびハロゲンを導入して目的化合物を合成すればよい。
[C法;X=OまたはS]
目的化合物のAがR1−W−である場合には、上記と同様の方法により得た化合物dと化合物HO−Y−Z(ここでYは前記と同義であり、Zは保護されたホルミルである)を水素化ナトリウム、ブチルリチウム等の塩基存在下、氷冷下〜加熱下、好ましくは氷冷下で、溶媒としてテトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等を用い、数十分〜数時間反応させて化合物(IV)を得る。反応させるHO−Y−Zは、化合物dが1モルに対し、約1〜1.3モルであることが好ましい。
得られた化合物(IV)と化合物(III)をジメチルスルホキシドまたはジメチルホルムアミド等の溶液中、0℃〜150℃で数時間〜数十時間反応させて化合物(II)を得、最後に脱保護反応に付して目的化合物を得る。反応させる化合物(III)は化合物(IV)に対し、1.5〜2モルであることが好ましい。脱保護反応は用いられるホルミルの保護基により、通常行われる方法の中から適した方法を用いることができ、例えば、ギ酸等の酸を用いて加水分解すればよい。
目的化合物のAがハロゲンである場合には、化合物(IV)を脱保護反応に付せばよい。また、目的化合物のAがOHC−Y−O−である場合には、上記と同様にして化合物dにHO−Y−Zを反応させて化合物kを得、続いて脱保護反応に付せばよい。反応させるHO−Y−Zは、化合物dが1モルに対し、約2〜4モル程度を用いれば好適に目的化合物が得られる。
[D法;A=OHC−Y−O−かつX=単結合]
化合物d’にB法と同様にしてHO−Y−CH2OHを反応させ、化合物lを得、後はB法と同様の方法で反応させれば目的化合物が得られる。
本発明化合物は、エンドセリンB受容体選択的拮抗剤としていずれも高い活性および選択性を有しており、医薬としての使用が可能である。エンドセリンBは循環器系の疾患、例えば高血圧、急性腎不全、心不全、腎虚血、脳虚血、脳梗塞、脳浮腫、偏頭痛等の発現、血中エンドセリンの代謝および血管の内膜肥厚等に関与していると考えられているため、これらの疾患の治療および予防剤として非常に有用である。また、エンドセリンBの機能解明のために用いる試薬としても有用である。
本発明化合物を医薬として投与した場合、経口的、非経口的のいずれの方法でも安全に投与することができる。経口投与は常法に従って錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤、丸剤、液剤、懸濁剤、シロップ剤、バッカル剤または舌下剤等の通常用いられる剤型に調製して投与すればよい。非経口投与は、例えば筋肉内投与等の注射剤、坐剤、経皮吸収剤、吸入剤等、通常用いられるいずれの剤型でも好適に投与することができるが、特に経口投与が好ましい。
本発明の医薬組成物は、有効成分の有効量に最終投与剤型に適した賦形剤、結合剤、湿潤剤、崩壊剤、滑沢剤および希釈剤等の各種医薬用添加剤を必要に応じて混合して調製することができる。注射剤の場合には適当な担体と共に滅菌処理を行って製剤とすればよい。
具体的には、賦形剤としては乳糖、白糖、ブドウ糖、デンプン、炭酸カルシウムまたは結晶セルロース等、結合剤としてはメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ゼラチンまたはポリビニルピロリドン等、崩壊剤としてはカルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デンプン、アルギン酸ナトリウム、カンテン末またはラウリル硫酸ナトリウム等、滑沢剤としてはタルク、ステアリン酸マグネシウムまたはマクロゴール等が挙げられる。坐剤の基剤としてはカカオ脂、マクロゴール、またはメチルセルロース等を用いることができる。さらに、液剤または乳濁性、懸濁性の注射剤として調製した場合には通常使用されている溶解補助剤、懸濁化剤、乳化剤、安定化剤、保存剤、等張剤等を適宜添加してもよく、経口投与の場合には嬌味剤、芳香剤等を加えてもよい。
エンドセリンB受容体選択的拮抗剤としての投与量は、患者の年齢、体重、投与経路、病気の種類や程度等を考慮した上で設定することが望ましいが、ヒトへ経口的に投与した場合には、成人に対して通常1μg〜200mg/kg/日を1回〜数回に分けて投与すればよい。また、非経口的に投与した場合には、投与経路により大きく異なるが、通常、0.1μg〜20mg/kg/日を1回〜数回に分けて投与すればよい。
上記一般式(I)または(I’)で表わされる化合物は強いエンドセリンB受容体選択的拮抗活性を有するだけでなく、経口投与が可能である、正常血圧ラットに投与しても無影響である等の特徴を有しており、非常に有用である。中でも、以下の化合物はエンドセリンB拮抗活性およびエンドセリンB選択性が高く好ましい。
式(I)において、
(1)AがR1−SO2NH−、R1−CONH−、R1NH−、OHC−Y−O−またはハロゲン、(2)好ましくはR1−SO2NH−、R1NH−またはOHC−Y−O−、(3)さらに好ましくはR1−SO2NH−またはOHC−Y−O−である化合物、(4)最も好ましくはAがR1−SO2NH−であり、R1が低級アルキルで置換されているフェニルである化合物、
(5)R2が低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルキレンジオキシ、ヒドロキシ、ベンジルオキシで置換されていてもよいフェニル、(6)好ましくは低級アルコキシで置換されたフェニル、(7)さらに好ましくはメトキシ置換フェニルである化合物、
(8)R3が水素である化合物、
(9)XがOまたは単結合、(10)好ましくはOである化合物、
(11)Yが低級アルキレン、(12)好ましくは炭素数1〜4のアルキレン、(13)さらに好ましくはトリメチレンである化合物、
(14)AがR1−SO2NH−、R1−CONH−、R1NH−、OHC−Y−O−またはハロゲンであり、R2が低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルキレンジオキシ、ヒドロキシ、ベンジルオキシで置換されていてもよいフェニルであり、R3が水素であり、XがOまたは単結合であり、Yが低級アルキレンである化合物、(15)好ましくはAがR1−SO2NH−、R1NH−またはOHC−Y−O−であり、R2が低級アルコキシで置換されたフェニルであり、R3が水素であり、XがOであり、Yが炭素数1〜4のアルキレンである化合物、(16)さらに好ましくはAがR1−SO2NH−またはOHC−Y−O−であり、R2が低級アルコキシで置換されたフェニルであり、R3が水素であり、XがOであり、Yが炭素数1〜4のアルキレンである化合物、(17)最も好ましくはAがR1−SO2NH−であり、R1が低級アルキルで置換されているフェニルであり、R2がメトキシ置換フェニルであり、R3が水素であり、XがOであり、Yがトリメチレンである化合物、
(18)AがR1−SO2NH−であり、R1が低級アルキルで置換されているフェニルであり、R2が低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルキレンジオキシ、ヒドロキシ、ベンジルオキシで置換されていてもよいフェニルであり、R3が水素であり、XがOまたは単結合であり、Yが低級アルキレンである化合物、
(19)AがR1−SO2NH−、R1−CONH−、R1NH−、OHC−Y−O−またはハロゲンであり、R2がメトキシ置換フェニルであり、R3が水素であり、XがOまたは単結合であり、Yが低級アルキレンである化合物、
(20)AがR1−SO2NH−、R1−CONH−、R1NH−、OHC−Y−O−またはハロゲンであり、R2が低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルキレンジオキシ、ヒドロキシ、ベンジルオキシで置換されていてもよいフェニルであり、R3が水素であり、XがOまたは単結合であり、Yがトリメチレンである化合物、
式(I’)において、
(1)R1が低級アルキルで置換されているかまたは炭素環と縮合しているフェニル、(2)好ましくは低級アルキルで置換されたフェニル、(3)さらに好ましくは炭素数3〜6のアルキルで置換されたフェニル、(4)さらに好ましくはtert−ブチルで置換されたフェニルである化合物、
(5)R2が低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルキレンジオキシ、ヒドロキシ、ベンジルオキシで置換されていてもよいフェニル、(6)好ましくは低級アルコキシで置換されたフェニル、(7)さらに好ましくは炭素数1〜3のアルコキシで置換されたフェニル、(8)最も好ましくはメトキシで置換されたフェニルである化合物、
(9)R3が水素である化合物、
(10)XがOまたは単結合、(11)好ましくはOである化合物、
(12)Yが炭素数1〜4のアルキレン、(13)さらに好ましくはトリメチレンである化合物、
(14)R1が低級アルキルで置換されているかまたは炭素環と縮合しているフェニルであり、R2が低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルキレンジオキシ、ヒドロキシ、ベンジルオキシで置換されていてもよいフェニルであり、R3が水素であり、XがOまたは単結合であり、Yが炭素数1〜4のアルキレンである化合物、
(15)R1が低級アルキルで置換されたフェニルであり、R2が低級アルコキシで置換されたフェニルであり、R3が水素であり、XがOまたは単結合であり、Yが炭素数1〜4のアルキレンである化合物、
(16)R1が炭素数3〜6のアルキルで置換されたフェニルであり、R2が炭素数1〜3のアルコキシで置換されたフェニルであり、R3が水素であり、XがOまたは単結合であり、Yが炭素数1〜4のアルキレンである化合物、
(17)R1がtert−ブチルで置換されたフェニルであり、R2がメトキシで置換されたフェニルであり、R3が水素であり、XがOまたは単結合であり、Yが炭素数1〜4のアルキレンである化合物、
(18)R1がtert−ブチルで置換されたフェニルであり、R2がメトキシで置換されたフェニルであり、R3が水素であり、XがOであり、Yがトリメチレンである化合物。
以下に実施例を示し、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらにのみ限定されるものではない。
実施例
本実施例中における略語の意味を示す。
Me メチル
i−Pr iso−プロピル
t−Bu tert−ブチル
OMe メトキシ
Ph フェニル
MD メチレンジオキシ
ED エチレンジオキシ
DMF ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
NBS N−ブロモサクシンイミド
PCC ピリジニウムクロロクロメート
THF テトラヒドロフラン
実施例1 4−tert−ブチル−N−[5−(2−メトキシフェノキシ)−6−(4−オキソ−ブトキシ)−ピリミジン−4−イル]ベンゼンスルホンアミド(I−1)の合成[A法]
(第1工程)
化合物1(4−tert−ブチルベンゼンスルホニルクロライド,9.9g,42.5mmol,アルドリッチ・ケミカル・カンパニー製)のトルエン(100ml)溶液に28%アンモニア水(100ml)を攪拌しながら加え、室温で4時間反応させた。反応液は濃縮し、氷冷下濃塩酸でpH=13に調整して分液した。水層はさらに濃塩酸でpH=7とし、酢酸エチルにて抽出した。一方、有機層は濃縮して水層からの酢酸エチルと合併し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒留去し化合物2(4−tert−ブチルベンゼンスルホンアミド)を8.88g得た。
収率98%
1HNMR(DMSO-d6)δppm:1.30(s,9H),7.26(s,2H),7.56-7.77(m,4H).
(第2工程)
化合物2(3.0g,14.0mmol)のメタノール(20ml)溶液に室温下、水酸化カリウム(928mg)と水(4ml)を加え、室温で1時間攪拌した。反応液を濃縮し、メタノールを加えて再濃縮の操作を3回繰り返し、化合物3(4−tert−ブチルベンゼンスルホンアミドカリウム)を3.18g得た。
収率90%
1HNMR(DMSO-d6)δppm:1.27(s,9H),7.29,7.57(ABq,4H,J=8.4Hz,Δν=85.4Hz).
(第3工程)
1.33mol/lのナトリウムメチラートメタノール溶液150.0mlに氷冷下、グアイヤコール25.0g(0.2mol)を10分間かけて滴下し、同温度で10分攪拌した。これに化合物4(ジメチルクロロマロネート,37.0g,0.2mol,アルドリッチ・ケミカル・カンパニー製)を氷冷下20分間かけて滴下し、室温で2.5時間反応させた。反応液を濃縮し、水を加え、トルエンで抽出した。その有機層を1%水酸化ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒留去した。残渣を減圧蒸留(3mmHg,142−145℃)により精製して化合物5(ジメチル−2−メトキシフェノキシマロネート,29.3g)を得た。
収率58%
1HNMR(CDCl3)δppm:3.85(s,6H),3.86(s,3H),5.27(s,1H),6.82-7.10(m,4H)
(第4工程)
1mol/lのナトリウムメチラートメタノール溶液30.4mlに、氷冷下フォルムアミジンアセテート1.1gと化合物5(1.4g,5.5mmol)を加えて同温度で1時間反応させた。反応液を濃縮し、水を加え、トルエンで抽出した。水層を氷冷下1N塩酸水を用いてpH=4とし、析出した結晶を濾取して水洗を繰り返し、化合物6(5−(2−メトキシフェノキシ)−1H−ピリミジン−4,6−ジオン,1.12g)を得た。
収率87%
1HNMR(CD3OD)δppm:3.87(s,3H),6.68-7.04(m,4H),7.97(s,1H).
Anal.Calcd for C11H10N2O40.37H2O
C,54.85;H,4.49;N,11.63;
Found C,54.82;H,4.53;N,11.78.
(第5工程)
化合物6(1.0g,4.27mmol)にコリジン(1.41ml)を加え、氷冷下オキシ塩化リン(5.8ml)を分割して加えた後、油浴温度135℃にて4時間反応させた。冷却後、濃縮し残渣を氷にあけて水を加え、酢酸エチルで抽出した。飽和炭酸水素ナトリウム、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して化合物7(4,6−ジクロロ−5−(2−メトキシフェノキシ)−ピリミジン,1.0g)を得た。
収率86%
1HNMR(CDCl3)δppm:3.88(s,3H),6.64-6.68(m,1H),6.84-7.17(m,3H),8.63(s,1H).
(第6工程)
化合物7(2.0g,5.97mmol)と化合物3(3.43g,13.6mmol)のジメチルスルホキシド(10ml)溶液を120℃で2時間反応させた。冷却後、1N塩酸水(10ml)を加えて酢酸エチルで抽出した。水で3回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、化合物8(4−tert−ブチル−N−[6−クロロ−5−(2−メトキシフェノキシ)−ピリミジン−4−イル]ベンゼンスルホンアミド,2.78g)を得た。
収率84%
1HNMR(CDCl3)δppm:1.33(s,9H),3.97(s,3H),6.88-7.20(m,4H),7.49,7.97(ABq,4H,J=8.6Hz,Δν=95.6Hz),8.41(s,1H).
(第7工程)
1,4−ブタンジオール(4.3ml)に60%水素化ナトリウム(145mg,3.63mmol)を投入し、室温で30分反応させた。そこへ化合物8(412mg,0.92mmol)を加え、油浴温度100℃で3時間反応させた。冷却後、1N塩酸水でpH=1とし、酢酸エチルで抽出した。水で3回洗浄して無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、化合物9(4−tert−ブチル−N−[6−(4−ヒドロキシブトキシ)−5−(2−メトキシフェノキシ)−ピリミジン−4−イル]−ベンゼンスルホンアミド,369mg)を得た。
収率80%
1HNMR(CDCl3)δppm:1.30(s,9H),1.39-1.53(m,2H),1.62-1.77(m,2H),3.48-3.57(m,2H),3.88(s,3H),4.27-4.33(m,2H),6.76-7.10(m,4H),7.33-7.48(m,2H),7.78-7.98(m,2H),8.17(s,1H).
(第8工程)
化合物9(500mg,1.0mmol)の塩化メチレン(5ml)溶液に室温でピリジニウムクロロクロメート(430mg,2.0mmol)を加え、室温で2時間反応させた。反応液を濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して目的化合物(I−1;378mg)を得た。
収率82%
1HNMR(CDCl3)δppm:1.33(s,9H),1.88-2.01(m,2H),2.32(t,2H,J=7.0Hz),3.94(s,3H),4.34(t,2H,J=6.2Hz),6.80-7.16(m,4H),7.48,8.00(ABq,4H,J=8.6Hz,Δν=104.2Hz),8.23(s,1H),9.64(s,1H).
実施例2 4−tert−ブチル−N−[5−(3−メトキシフェノキシ)−6−(4−オキソ−ブトキシ)−ピリミジン−4−イル]ベンゼンスルホンアミド(I−2)の合成[A法]
(第1工程)
グアイヤコールのかわりにm−メトキシフェノール(和光純薬工業社製)を用い、化合物5と同様の方法で化合物10(2−(3−メトキシ−フェノキシ)−マロンニックアシッド ジメチルエステル,3.7g)を得た。
収率70%
1HNMR(CDCl3)δppm:3.78(s,3H),3.85(s,6H),6.46-6.63(m,3H),7.19(t,1H,J=8.0Hz).
(第2工程)
化合物6と同様の方法で、化合物11(5−(3−メトキシフェノキシ)−1H−ピリミジン−4,6−ジオン,2.08g)を得た。
収率61%
1HNMR(DMSO-d6)δppm:3.71(s,3H),6.38-6.41(m,2H),6.54-6.57(m,1H),7.11-7.17(m,1H),8.01(s,1H).
(第3工程)
化合物7と同様の方法で、化合物12(4,6−ジクロロ−5−(3−メトキシフェノキシ)−ピリミジン,2.3g)を得た。
収率78%
1HNMR(CDCl3)δppm:3.81(s,3H),6.33-6.38(m,1H),6.45(t,1H,J=2.4Hz),6.66-6.71(m,1H),7.23(t,1H,J=8.2Hz),8.69(s,1H).
(第4工程)
化合物8と同様の方法で、化合物13(4−tert−ブチル−N−[6−クロロ−5−(3−メトキシフェノキシ)−ピリミジン−4−イル]ベンゼンスルホンアミド,2.6g)を得た。
収率88%
1HNMR(CDCl3)δppm:1.34(s,9H),3.78(s,3H),6.29-6.39(m,1H),6.40-6.42(m,1H),6.66-6.71(m,1H),7.20(t,1H,J=8.2Hz),7.54,8.03(ABq,4H,J=8.2Hz,Δν=98.5Hz),8.49(s,1H).
(第5工程)
化合物9と同様の方法で、化合物14(4−tert−ブチル−N−[6−(4−ヒドロキシブトキシ)−5−(3−メトキシフェノキシ)−ピリミジン−4−イル]−ベンゼンスルホンアミド,50mg)を得た。
収率46%
1HNMR(CDCl3)δppm:1.32(s,9H),1.59-1.68(m,4H),3.34-3.48(m,2H),3.73(s,3H),4.24-4.28(m,2H),6.34-6.41(m,2H),6.61-6.66(m,1H),7.17(t,1H,J=8.2),7.52,8.04(ABq,4H,J=8.6Hz,Δν=104.0Hz),8.29(s,1H).
(第6工程)
化合物(I−1)と同様の方法で、表1に記載の目的化合物(I−2;29mg)を得た。
収率58%
1HNMR(CDCl3)δppm:1.34(s,9H),1.82-1.90(m,2H),2.17(t,2H,J=6.9Hz),3.77(s,3H),4.29(t,2H,J=6.0Hz),6.33-6.40(m,2H),6.62-6.66(m,1H),7.16(t,1H,J=9.6Hz),7.52,8.03(ABq,4H,J=8.4Hz,Δν=156.4Hz),8.28(s,1H),9.53(s,1H).
実施例3〜実施例10 その他の化合物(I)の合成[A法]
表1に記載の以下の化合物を実施例1と同様の方法で合成した。
(I−3)
1H NHR(CDCl3)δppm:1.34(s,9H),1.77-1.91(m,2H),2.17(t,2H,J=8.0Hz),3.78(s,3H),4.27(t,2H,J=6.0Hz),6.71-6.83(m,4H),7.52,8.05(ABq,4H,J=8.8Hz,Δν=105.0Hz),8.27(s,1H),9.54(s,1H).
(I−4)
1H NHR(CDCl3)δppm:1.34(s,9H),1.85-1.93(m,2H),2.26(t,2H,J=6.9Hz),4.29(t,2H,J=6.0Hz),5.97(s,2H),6.19-6.22(m,1H),6.41(d,1H,J=2.7Hz),6.66(d,1H,J=8.7Hz),7.52,8.04(ABq,4H,J=8.4Hz,Δν=156.7Hz),8.27(s,1H),9.61(s,1H).
(I−5)
1H NHR(CDCl3)δppm:1.33(s,9H),1.94-2.03(m,2H),2.37(t,2H,J=6.9Hz),4.30-4.45(m,6H),6.47(t,1H,J=4.5Hz),6.66-6.71(m,2H),7.47-7.51(m,2H),7.99-8.03(m,2H),8.24(s,1H),9.66(s,1H).
(I−6)
1H NHR(CDCl3)δppm:1.34(s,9H),1.78-1.91(m,2H),2.19(t,2H,J=7.0Hz),2.47(s,3H),3.77(s,3H),4.27(t,2H,J=6.2Hz),6.32-6.41(m,2H),6.60-6.65(m,1H),7.15(d,1H,J=8.0Hz),7.51(d,2H,J=8.8Hz),8.05(t,2H,J=8.6Hz),9.54(s,1H).
(I−7)
1H NHR(CDCl3)δppm:1.33(s,9H),1.88-1.97(m,2H),2.31(t,2H,J=6.9Hz),2.43(s,3H),3.95(s,3H),4.31(t,2H,J=6.0Hz),6.79-7.10(m,4H),7.48,8.03(ABq,4H,J=8.4Hz,Δν=164.2Hz),8.51(brs,1H),9.63(s,1H).
(I−8)
1H NHR(CDCl3)δppm:1.31(s,9H),1.84-1.98(m,2H),2.23(t,2H,J=7.0Hz),3.78(s,3H),4.42(t,2H,J=6.0Hz),6.39-6.47(m,2H),6.62-6.68(m,1H),7.18(t,1H,J=8.0Hz),4.43-7.47(m,3H),7.51,8.08(ABq,4H,J=8.8Hz,Δν=113.3Hz),8.22-8.27(m,2H),9.56(s,1H).
(I−9)
1H NHR(CDCl3)δppm:1.30(s,9H),1.95-2.08(m,2H),2.36(t,2H,J=7.4Hz),3.98(s,3H),4.48(t,2H,J=6.4Hz),6.82-7.16(m,4H),7.40-7.50(m,5H),8.05(d,2H,J=8.6Hz),8.20-8.25(m,2H),8.56(s,1H),9.66(s,1H).
(I−10)
1H NHR(CDCl3)δppm:1.25(d,6H,J=7.0Hz),1.88-2.04(m,2H),2.32(t,2H,J=7.0Hz),2.89-3.30(m,1H),3.94(s,3H),4.34(t,2H,J=6.2Hz),6.81-7.15(m,4H),7.33,8.00(ABq,4H,J=8.2Hz,Δν=135.2Hz),9.64(s,1H).
実施例11 化合物(I−11)の合成[B法]
(第1〜第3工程)
実施例1第6〜8工程と同様にして、化合物16、17、18を得た。
化合物16
収率 71%
1H NHR(CDCl3)δppm:1.34(s,9H),5.05(s,1H),7.53,7.86(ABq,4H,J=11.0Hz,Δν=66.3Hz),8.74(s,1H).
化合物17
収率 51%
1H NHR(CDCl3)δppm:1.33(s,9H),1.69-1.90(m,4H),4.11(t,2H,J=6.3Hz),4.37(t,2H,J=6.3Hz),6.64(s,1H),7.51,7.83(ABq,4H,J=8.7Hz,Δν=97.4Hz),8.64(s,1H).
化合物18
収率 78%
1H NHR(CDCl3)δppm:1.34(S,9H),2.05-2.15(m,2H),2.63(t,2H,J=7.5Hz),4.38(t,2H,J=6.3Hz),6.66(s,1H),7.53,7.85(ABq,4H,J=8.4Hz,Δν=95.0Hz),8.63(s,1H),9.84(s,1H).
(第4工程)
化合物18(2.0g,5.3mmol)のDMF(10ml)溶液に氷冷下、N−ブロモサクシンイミド(1.23g,6.9mmol)を投入し同温度で30分間反応させた。反応液に酸性亜硫酸ソーダ水を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を水洗し無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、目的化合物19(1.33g)を得た。
収率 55%
1H NHR(CDCl3)δppm:1.33(s,9H),2.07-2.15(m,2H),2.62(t,2H,J=6.9Hz),4.42(t,2H,J=6.3Hz),7.53,8.03(ABq,4H,J=9.0Hz;Δν=166.6Hz),7.86(s,1H),8.29(s,1H),9.82(s,1H).
(第5工程)
化合物19(147mg,0.32mmol)のジオキサン(2ml)溶液に、4−メチルフェニルトリブチルチン(化合物20;351mg)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロライド(47mg)、塩化銅(I)(20mg)、2,6−ジ−t−ブチルクレゾール(2−3粒)を加え、1.5時間還留した。冷却後、酢酸エチルとフッ化カリウム水溶液を加え室温で30分間撹拌した。不溶物をろ過し、ろ液を10%塩酸水で酸性化し酢酸エチルで抽出した。有機層を水洗し無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、目的化合物(I−11)95mgを得た。
収率 63%
1H NHR(CDCl3)δppm:1.33(s,9H),1.91-1.99(m,2H),2.37-2.42(m,3H),2.42(s,3H),4.30(t,2H,J=6.3Hz),7.10-7.58(m,6H),8.00(d,2H,J=7.6Hz),8.38(s,1H),9.62(s,1H).
参考例1 化合物20の合成
化合物21(2.0ml,1mol/lエーテル溶液)をテトラハイドロフラン(15ml)で希釈し塩化トリブチルチン(0.543ml)を加え、19時間還留した。冷却後塩化アンモニウム水溶液を加え、エーテル抽出した。有機層を水洗し無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去して化合物20を得た。
実施例12〜実施例14 その他の化合物(I)の合成[B法]
実施例11と同様の方法で以下の化合物を合成した。
(I−12)
1H NHR(CDCl3)δppm:1.32(s,9H),1.87-2.03(m,2H),2.38(t,2H,J=8.0Hz),4.28(t,2H,J=6.2Hz),7.16-7.27(m,2H),7.36-7.52(m,5H),7.96(d,2H,J=7.8Hz),8.34(s,1H),9.58(s,1H).
(I−13)
1H NHR(CDCl3)δppm:1.32(s,9H),2.04-2.13(m,2H),2.63(t,2H,J=6.9Hz),4.38(t,2H,J=6.6Hz),6.66(m,1H),7.48-7.54(m,2H),7.82-7.88(m,2H),8.70(s,1H),9.81(s,1H).
(I−14)
1H NHR(CDCl3)δppm:1.33(s,9H),2.07-2.15(m,2H),2.62(t,2H,J=6.9Hz),4.41(t,2H,J=6.3Hz),7.53,8.09(ABq,4H,J=9.0Hz,Δν=166.6Hz),7.86(s,1H),8.29(s,1H),9.82(s,1H).
実施例15 化合物(I−2)の合成[C法]
(第1〜第3工程)
実施例1第3工程〜第5工程と同様にして化合物22〜24を得た。
化合物22 収率 67%
化合物23 収率 93%
化合物24 収率 93%
(第4工程)
参考例2の方法で得た化合物26(202.5g,1.16mol)のテトラハイドロフラン(3000ml)溶液に氷冷下、60%水素化ナトリウム(46.5g,1.16mol)を投入し30分還留した。冷却後、そこへ化合物24(300g,1.11mol)を加え、3時間還留した。冷却後、水を加えトルエンで抽出した。水で3回洗浄し無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、目的化合物25(402g)を得た。
収率 89%
1H NHR(CDCl3)δppm:0.70(s,3H),1.16(s,3H),1.50-1.60(m,2H),1.72-1.86(m,2H),3.35(d,2H,J=10.6Hz),3.55(d,2H,J=10.6Hz),3.78(s,3H),4.33-4.43(m,3H),6.36-6.41(m,1H),6.47(t,1H,J=2.2Hz),6.60-6.65(m,1H),7.17(t,1H,J=8.2Hz),8.41(s,1H).
(第5工程)
実施例1第6工程と同様にして化合物28を得た。
収率 71%
1H NHR(CDCl3)δppm:0.69(s,3H),1.13(s,3H),1.34(s,9H),1.39-1.50(m,2H),1.60-1.75(m,2H),3.32(d,2H,J=10.8Hz),3.53(d,2H,J=10.8Hz),3.77(s,3H),4.25-4.31(m,3H),6.30-6.36(m,1H),6.40(t,1H,J=2.2Hz),6.60-6.65(m,1H),7.14(t,1H,J=8.3Hz),7.51,8.02(ABq,4H,J=8.9Hz,Δν=103.3Hz),8.28(s,1H).
(第6工程)
ギ酸ナトリウム(204g,3.0mol)を溶解した76%ギ酸水溶液に、化合物28(351.43g,0.6mol)を投入し70℃で1.5時間反応させた。冷却後、水を加えトルエンで抽出した。有機層を飽和重曹水でPH=8とし水、飽和食塩水で洗浄し無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、酢酸イソプロピルから再結晶し目的化合物(I−2)242gを得た。
収率 81%
1H NHR(CDCl3)δppm:1.34(s,9H),1.82-1.90(m,2H),2.17(t,2H,J=6.9Hz),3.77(s,3H),4.29(t,2H,J=6.0Hz),6.33-6.40(m,2H),6.62-6.66(m,1H),7.16(t,1H,J=9.6Hz),7.52,8.03(ABq,4H,J=8.4Hz,Δν=156.4Hz),8.28(s,1H),9.53(s,1H).
参考例2 化合物26の合成
化合物29(1337.3g,12.84mol)を4%塩酸水に溶解し、氷冷下2,3−ジハイドロフラン(900g,12.84mol)を滴下した。室温で17時間反応させた後、氷冷下4N水酸化ナトリウムで中和し酢酸エチルで抽出した。有機層を水洗し無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。残渣を蒸留により精製し、目的化合物26(1419.5g)を得た。
収率 63%
1H NHR(CDCl3)δppm:0.72(s,3H),1.19(s,3H),1.66-1.80(m,4H),2.36(brs,1H),3.43(d,2H,J=10.8Hz),3.62(d,2H,J=10.8Hz),3.64(t,2H,J=5.7Hz),4.48(t,1H,J=4.2Hz).
実施例16〜23 その他の化合物(I)の合成[C法]
実施例15と同様にして以下の化合物を得た。
(I−1) 前記と同様
(I−15)
1H NHR(CDCl3)δppm:1.31(s,9H),1.81-1.97(m,2H),2.21(t,2H,J=7.1Hz),4.30(t,2H,J=6.1Hz),5.18(s,2H),6.80-6.94(m,2H),6.96-7.10(m,2H),7.28-7.41(m,5H),7.45,7.93(ABq,4H,J=8.5Hz,Δν=97.5Hz),8.22(s,1H),8.42(s,1H),9.57(s,1H).
(I−16)
1H NHR(CDCl3)δppm:0.69(s,1H),1.13(s,3H),1.34(s,9H),1.39-1.50(m,2H),1.60-1.71(m,2H),3.33(d,2H,J=11.4Hz),3.53(d,2H,J=11.1Hz),3.77(s,3H),4.25-4.31(m,3H),6.31-6.36(m,1H),6.40(t,1H,J=2.4Hz),6.62(dd,1H,J=2.4,8.3Hz),7.14(t,1H,J=8.3Hz),7.51,8.02(ABq,4H,J=8.9Hz,Δν=103.3Hz),8.28(s,1H).
(I−19)
1H NHR(CDCl3)δppm:1.78-1.93(m,2H),2.06-2.24(m,2H),2.18(t,2H,J=7.0Hz),2.96(t,4H,J=7.5Hz),3.78(s,3H),4.28(t,2H,J=6.1Hz),6.34(dd,1H,J=2.4,8.4Hz),6.39(dd,1H,J=2.4,2.4Hz),6.64(dd,1H,J=2.4,8.4Hz),7.17(dd,1H,J=8.4,8.4Hz),7.32(d,1H,J=8.1Hz),7.91(s,1H),8.27(s,1H),9.53(s,1H).
(I−20)
1H NHR(CDCl3)δppm:1.76-1.91(m,6H),2.18(t,2H,J=7.2Hz),2.75-2.88(m,4H),3.78(s,3H),4,29(t,2H,J=6.0Hz),6.34(dd,1H,J=2.4,8.2Hz),6.39(dd,1H,J=2.4,2.4Hz),6.64(dd,1H,J=2.4,8.2Hz),7.17(d,1H,J=8.7Hz),7.64(s,1H),7.76-7.83(m,2H),8.27(s,1H),9.54(s,1H).
(I−21)
1H NHR(CDCl3)δppm:1.31(s,9H),1.88-1.97(m,2H),2.26(t,2H,J=7.5Hz),3.79(s,3H),4.35(t,2H,J=6.3Hz),6.50-6.55(m,2H),6.62-6.65(m,1H),7.20(t,1H,J=7.8Hz),7.34-7.38(m,2H),7.46-7.49(m,1H),8.26(s,1H),9.59(s,1H).
(I−22)
1H NHR(CDCl3)δppm:1.93-2.07(m,4H),2.39(t,4H,J=7.0Hz),3.78(s,3H),4.40(t,4H,J=6.4Hz),6.37-6.47(m,2H),6.57-6.62(m,1H),7.16(t,1H,J=8.2Hz),8.23(s,1H),9.66(s,2H).
(I−23)
1H NHR(CDCl3)δppm:1.91-2.00(m,2H),2.29(t,2H,J=6.9Hz),3.79(s,3H),4.40(t,2H,J=5.7Hz),6.37-6.41(m,1H),6.46(t,1H,J=2.4Hz),6.63-6.66(m,1H),7.19(t,1H,J=8.1Hz),8.41(s,1H),9.61(s,1H).
実施例24 化合物(I−17)の合成[C法]
化合物(I−2)(602mg)のジクロロメタン(4ml)溶液に氷冷下攪拌しながら1Mボロントリブロマイドジクロロメタン溶液(1.205ml)を加え室温で4時間反応させた。反応液は濃縮し残渣を氷冷水に流入し酢酸エチルにて抽出した。水洗後、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒留去し残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、目的化合物(I−17)を得た。
1H NHR(CDCl3)δppm:1.33(s,9H),1.81-1.91(m,2H),2.20(t,2H,J=7.5Hz),4.28(t,2H,J=5.7Hz),6.30-6.37(m,2H),6.56-6.59(m,1H),7.10(t,1H,J=8.1Hz),7.51,8.03(ABq,4H,J=8.7Hz,Δν=153.1Hz),8.26(s,1H),9.52(s,1H).
実施例25 化合物(I−18)の合成[C法]
同様に、化合物(I−1)より、化合物(I−18)を合成した。
1H NHR(CDCl3)δppm:1.34(s,9H),1.81-1.93(m,2H),2.20(t,2H,J=6.0Hz),4.28(t,2H,J=5.7Hz),5.85-6.05(m,1H),6.49-6.60(m,1H),6.68-6.78(m,1H),6.97-7.05(m,2H),7.53,8.05(ABq,4H,J=8.4Hz,Δν=157.8Hz),7.90-8.10(m,1H),8.27(s,1H),9.55(s,1H).
実施例26 化合物(I−24)の合成[C法]
化合物(I−2)(20mg)のDMF(0.3ml)溶液に室温下、炭酸カリウム(6.6mg)とヨウ素化メチル(0.025ml)を加え、室温で12時間攪拌した。反応液を氷水にあけ1N塩酸水でpH=1とした。酢酸エチルにて抽出し水洗後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒留去後残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、目的化合物(I−24)を得た。
1H NHR(CDCl3)δppm:1.34(s,9H),1.85-1.98(m,2H),2.23(t,2H,J=7.0Hz),3.15(s,3H),3.78(s,3H),4.37(t,2H,J=6.2Hz),6.41-6.50(m,2H),6.60-6.65(m,1H),7.17(t,1H,J=8.2Hz),7.50,7.89(ABq,4H,J=8.6Hz,Δν=77.3Hz),8.43(s,1H),9.59(s,1H).
実施例27 化合物(I−25)の合成[C法]
実施例26と同様の方法で化合物(I−1)から化合物(I−25)を得た。
1H NHR(CDCl3)δppm:1.34(s,9H),1.87(tt,2H,J=6.2,6.2Hz),2.17(t,2H,J=6.2Hz),3.15(s,3H),3.86(s,3H),4.53(t,2H,J=6.2Hz),6.77-6.89(m,2H),6.92-6.98(m,1H),7.01-7.08(m,1H),7.49,7.93(ABq,4H,J=8.6Hz,Δν=129.2Hz),8.59(s,1H),9.55(s,1H).
実施例28 化合物(I−26)の合成[C法]
化合物27(472mg)と4−tert−ブチルベンジルアミン(565mg)を120℃で1時間反応させた。冷却後氷水に流入し酢酸エチルにて抽出した。水洗後、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒留去し残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、化合物30を得た。続いて実施例15第6工程と同様の方法により、化合物(I−26)を得た。
1H NHR(CDCl3)δppm:1.30(s,9H),1.87-1.96(m,2H),2.26(t,2H,J=7.2Hz),3.76(s,3H),4.32(t,2H,J=6.0Hz),4.64(d,2H,J=5.7Hz),6.37-6.61(m,3H),7.13-7.22(m,3H),7.30-7.35(m,2H),8.19(s,1H),9.58(s,1H).
実施例29 化合物(I−27)の合成[C法]
実施例28と同様の方法で化合物(I−27)を合成した。
1H NHR(CDCl3)δppm:1.89-1.99(m,2H),2.28(t,2H,J=7.0Hz),3.67(q,2H,J=6.6),3.76(s,3H),3.77(s,3H),4.32(t,2H,J=6.2Hz),4.48-5.02(m,1H),6.36-6.43(m,2H),6.57-6.62(m,1H),6.75,7.01(ABq,4H,J=8.6Hz,Δν=52.5Hz),7.16(t,1H,J=8.6Hz),8.17(s,1H),9.58(s,1H).
実施例30 化合物(I−28)の合成[C法]
4−tert−ブチルフェノール(360mg)のDMF溶液に氷冷下、60%水素化ナトリウム(64mg)を投入し室温で30分反応させた。そこへ化合物27(327mg)を加えバス温度100℃で1時間反応させた。冷却後、氷水にあけトルエンで抽出した。水洗し無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、化合物31を得た。続いて実施例15第6工程と同様の方法により、化合物(I−28)を得た。
1H NHR(CDCl3)δppm:1.31(s,9H),1.94-2.08(m,2H),2.39(t,2H,J=7.4Hz),3.79(s,3H),4.43(t,2H,J=6.2Hz),6.48-6.64(m,3H),7.19(t,1H,J=8.2Hz),6.92,7.48(ABq,4H,J=8.6Hz,Δν=111.9Hz),8.25(s,1H),9.65(s,1H).
実施例31〜実施例32 化合物(I−29)および(I−30)の合成[C法]
実施例30と同様の方法により、以下の化合物を合成した。
(I−29)
1H NHR(CDCl3)δppm:1.32(s,9H),1.89-1.98(m,2H),2.25(t,2H,J=6.9Hz),3.77(s,3H),4.39(t,2H,J=6.0Hz),6.46-6.53(m,2H),6.61-6.66(m,1H),7.20(t,1H,J=8.1Hz),7.46,7.72(ABq,4H,J=8.1Hz,Δν=77.9Hz),8.43(brs,1H),8.55(brs,1H),9.53(s,1H).
(I−30)
1H NHR(CDCl3)δppm:1.33(s,9H),1.85-1.98(m,2H),2.24(t,2H,J=7.4Hz),3.79(s,3H),4.35(t,2H,J=6.2Hz),6.43-6.52(m,2H),6.60-6.66(m,1H),7.19(t,1H,J=8.2Hz),7.40-7.50(m,4H),8.32(s,1H),9.57(s,1H).
試験例1 エンドセリンA受容体への(ETA−R)親和力の測定
ラット大動脈平滑筋A7r5細胞への125I標識エンドセリン−1結合を阻害する強さから求めた。具体的には、48穴プレートに培養した細胞を緩衝液で洗浄した後、8.3×10-12Mの125I標識エンドセリン−1と各種蛋白分解酵素阻害剤を含むHEPES緩衝化ハンクス(Hanks’)液(0.3ml)を加え、本発明化合物存在下、あるいは非存在下で、37℃で1時間インキュベートした。反応終了後、反応液を吸引除去し、細胞をHEPES緩衝化ハンクス液で洗浄した後、細胞に結合した放射活性をガンマカウンターで測定した。特異的結合は、10-7M非放射性エンドセリン−1を含む条件下で求めた非特異的結合を差し引く事により得た。125I標識エンドセリン−1の特異的結合を50%阻害する本発明化合物の濃度(IC50)とした。結果を表3に示す。
試験例2 エンドセリンB受容体(ETB−R)への親和力の測定
ブタエンドセリンBレセプターを発現させたCOS−7細胞への125I標識エンドセリン−3結合を阻害する強さから求めた。具体的には、ブタエンドセリンETBレセプター遺伝子を組み込んだプラスミドベクターをリポフェクチン法によりCOS−7細胞に導入した。培養細胞を緩衝液で洗浄した後、25×10-12Mの125I標識エンドセリン−3と各種蛋白分解酵素阻害剤を含むHEPES緩衝化ハンクス液(0.1ml)に103〜104個の細胞を懸濁し、本発明化合物存在下、あるいは非存在下で、37℃で1時間インキュベートした。反応終了後、ガラス繊維濾紙により細胞に結合した放射活性を分離し、ガンマカウンターで測定した。特異的結合は、10-7M非放射性エンドセリン−1を含む条件下で求めた非特異的結合を差し引く事により得た。125I標識エンドセリン−3の特異的結合を50%阻害する本発明化合物の濃度(IC50)とした。結果を表3に示す。
表3より、本発明化合物は強いエンドセリンB受容体選択的拮抗作用を有している事がわかる。
製剤例1
ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびステアリン酸マグネシウムを除く上記処方成分を均一に混合した後、ヒドロキシプロピルメチルセルロース8%(w/w)水溶液を結合剤として湿式造粒法にて打錠用顆粒を調製した。これにステアリン酸マグネシウムを混合した後、打錠機を用いて直径7mm、1錠重量130mgに形成し、内服錠とした。
産業上の利用可能性
以上のように、本発明化合物は、強いエンドセリンB受容体拮抗作用を有し、その選択性も非常に高いため、エンドセリンB受容体選択的拮抗剤として有用である。
Claims (10)
- 式(I):
(式中、AはR1−W−、OHC−Y−O−またはハロゲンであり、
R1は低級アルキル、低級アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、メチレンジオキシおよびエチレンジオキシからなる群から選ばれる1以上の置換基で置換されていてもよいアリール;または、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルもしくはシクロペンテニルと縮合していてもよいアリールであり、
WはSO2NH、SO2NR4、CONH、(CH2)nNH、OまたはSであり、
R2は低級アルキル、低級アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、メチレンジオキシおよびエチレンジオキシからなる群から選ばれる1以上の置換基で置換されていてもよいアリール;または、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルもしくはシクロペンテニルと縮合していてもよいアリールであり、
R3は水素;ハロゲン、ヒドロキシ、低級アルコキシ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニルおよびアシルからなる群から選ばれる1以上の置換基で置換されていてもよい低級アルキル;低級アルキル、低級アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、メチレンジオキシおよびエチレンジオキシからなる群から選ばれる1以上の置換基で置換されていてもよいアリール;または、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルもしくはシクロペンテニルと縮合していてもよいアリールであり、
R4は低級アルキルであり、
XはO、Sまたは単結合であり、
Yは低級アルキレンまたは低級アルケニレンであり、
nは0〜2の整数である。
Xが単結合のときR2は水素またはハロゲンであってもよい)
で示される化合物もしくはその製薬上許容される塩またはそれらの水和物。 - 式(I’):
(式中、R1およびR2は各々独立して低級アルキル、低級アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、メチレンジオキシおよびエチレンジオキシからなる群から選ばれる1以上の置換基で置換されていてもよいアリール;または、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルもしくはシクロペンテニルと縮合していてもよいアリールであり、
R3は水素;ハロゲン、ヒドロキシ、低級アルコキシ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニルおよびアシルからなる群から選ばれる1以上の置換基で置換されていてもよい低級アルキル;低級アルキル、低級アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、メチレンジオキシおよびエチレンジオキシからなる群から選ばれる1以上の置換基で置換されていてもよいアリール;または、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルもしくはシクロペンテニルと縮合していてもよい置換されていてもよいアリールであり、
XはO、Sまたは単結合であり、
Yは低級アルキレンまたは低級アルケニレンである)
で示される化合物もしくはその製薬上許容される塩またはそれらの水和物。 - R3が水素である、請求の範囲第1項または第2項記載の化合物もしくはその製薬上許容される塩またはそれらの水和物。
- R1が低級アルキルで置換されたフェニルである、請求の範囲第1項または第2項記載の化合物もしくはその製薬上許容される塩またはそれらの水和物。
- R2が低級アルコキシで置換されたフェニルである、請求の範囲第1項または第2項記載の化合物もしくはその製薬上許容される塩またはそれらの水和物。
- 請求の範囲第6項記載の化合物を含有することを特徴とするエンドセリンB受容体選択的拮抗剤。
- 請求の範囲第8項に記載の方法に続いてさらに脱保護することを特徴とする、請求の範囲第2項記載の化合物の製造方法。
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