JP4125154B2 - こんろ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、調理鍋を五徳上に載置して環状バーナで加熱調理するこんろに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、テーブルこんろ101は、図6に示すようにトッププレート2に設けられる開口2aの中央位置にこんろバーナ3が配置され、その周囲に汁受皿4が載置される。汁受皿4の外周には、こんろバーナ3への二次空気C供給用の導入口4aが開口される。調理鍋Pは、こんろバーナ3の上方周囲に設けられた五徳150に載置され、こんろバーナ3の燃焼により加熱される。
この五徳150は、調理鍋Pを載置する複数の五徳爪151と各五徳爪151の基盤となる五徳リング152とにより一体的に構成され、トッププレート2上に載置される。
こんろバーナ3は、中央に中央開口部6bが形成されて環状混合気室6aを有するバーナ本体6と、バーナ本体6に載置することにより外周縁に多数の主炎口7Aを形成するバーナヘッド7とからなる。
【0003】
このテーブルこんろ101では、こんろバーナ3の燃焼時に必要な二次空気として、バーナヘッド7の中央の筒部7cを通る二次空気A(図中実線矢印)と、汁受皿4の外周に形成された導入口4aからの二次空気C(図中実線矢印)とを導入する。また、こんろバーナ3の燃焼排気は、調理鍋Pと五徳リング152との間の隙間Yを通って排出される。
そして、このようなテーブルこんろ101では、五徳爪151の高さを低くすることによって、調理鍋Pと五徳リング152との間の隙間Yから二次空気が供給されることを防止して、火炎の温度低下を防ぎ燃焼性能を向上させると共に、熱効率を向上させることができる(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−215023号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したテーブルこんろ101では、五徳リング152が外周端から内周に向けて徐々に下がるように傾斜しているため、五徳径より小さい調理鍋を使用した場合には、図7に示すように、鍋底の外周部と五徳リング152上面との間に大きな隙間Y’ができてしまい、つまり鍋外周からリング上面へおろした鉛直距離Jが長くなり、外側から冷えた二次空気がこの隙間Y’を通って大量に入り込むために熱効率や燃焼性能を向上させることができないという問題があった。
また、調理鍋Pと五徳リング152との間の隙間Yを小さくしすぎると、排気抵抗が増大してこれまた燃焼性能悪化の原因となるだけでなく、火炎の熱が五徳リング152に奪われるようになってしまい、熱効率が低下するという問題もある。
本発明のこんろは上記課題を解決し、小さな調理鍋に対しても調理鍋と五徳リングとの間の隙間を最適な大きさに設定して、熱効率及び燃焼性能を向上させることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明の請求項1記載のこんろは、
周方向に多数の炎口を配設した環状バーナを備えるとともに、
調理鍋を上記環状バーナの上方で支持する複数の五徳爪と上記環状バーナの炎口の周囲を囲むように設けられ該五徳爪を支持する五徳リングとにより形成された五徳をトッププレートに載置し、
上記五徳リングの下面を伝わらせて、上記環状バーナへ燃焼用二次空気を送るこんろにおいて、
上記五徳リングは、内周側の面をリング中心に向かって下向きに傾斜させて延長した傾斜鍔部を備えるとともに、その外側にリング状の平坦部を形成し、
上記平坦部と上記傾斜鍔部との境界線で囲まれる水平面の面積をA(cm2)、上記境界線上の点と上記五徳爪の上端との垂直距離をL(cm)、上記環状バーナへの単位時間当たりの最大燃料供給量をIp(kW)として、75<A×L/Ip<115の関係が成り立つことを要旨とする。
【0007】
また、本発明の請求項2記載のこんろは、上記請求項1記載のこんろにおいて、
上記五徳リングは、リング中心から外周端までの水平距離が、リング中心から上記境界線までの水平距離の1.5倍以内であることを要旨とする。
【0008】
上記構成を有する本発明の請求項1記載のこんろは、環状バーナへの単位時間当たりの最大燃料供給量に対する燃焼空間(平坦部と傾斜鍔部との境界線で囲まれる水平面と調理鍋の底面とで囲まれた空間)の大きさ(A×L/Ip)を完全燃焼させるのに必要な大きさ(75cm3/kW)以上としているため、常に良好な燃焼状態を維持できる。また、この燃焼空間が広すぎると、鍋底と五徳リングとの間の隙間が広くなりすぎ、冷えた二次空気が外部から入り込んでしまうが、環状バーナへの単位時間当たりの最大燃料供給量に対する燃焼空間の大きさの上限値(115cm3/kW)も設定しているためこの問題も生じない。従って、五徳の形状や五徳と調理鍋との位置関係が関係式:75<A×L/Ip<115を満たすことにより、環状バーナの燃焼性能を良好に維持でき、熱効率も向上する。
つまり、環状バーナの燃焼性能が単位時間当たりの最大燃料供給量に対する燃焼空間の大きさ(A×L/Ip)に大きく依存することに着目し、この値を最適範囲内に特定することで上記課題を解決したのである。
しかも、五徳リングの傾斜鍔部の外側に平坦部を形成し、その内側にのみ傾斜面を形成することにより、小さい調理鍋を五徳に載置しても、鍋底の外周部と五徳リングとの間の隙間の大きさや燃焼空間の大きさを、大きい調理鍋を載置した場合と同程度にすることが可能である。このため、小さい調理鍋に対しても大きい調理鍋に対してと同様火炎の温度低下を防止できる。
【0009】
また、本発明の請求項2記載のこんろは、五徳リングの大きさをリング中心から境界線までの水平距離の1.5倍以内に制限することによって、五徳リングへの環状バーナからの放熱を抑えている。傾斜鍔部の外周に形成した平坦部が大きすぎると、環状バーナからの五徳への放熱が大きくなってしまい、燃焼性能や熱効率が悪化する。
一般的に、こんろの場合、調理によって使い分けできる大小二つのバーナによって構成されている。通常、インプット(単位時間当たりの燃料供給量)に応じて、大バーナでは、直径が26cm〜30cmの調理鍋を、小バーナでは、直径が20cm〜24cmの調理鍋を加熱するように設計される。また、五徳は使い勝手等を考え、左右共通のものを使用することが一般的である。従って、五徳リングの大きさをリング中心から境界線までの水平距離の1.5倍(=30cm/20cm)としておくと、このような一般的に用いられる大小いずれの調理鍋を用いても、燃焼性能を良好に維持して熱効率を向上させることができる。言い換えれば、1.5倍以上としても五徳リングへの放熱が大きくなるだけで実用上のメリットは少ない。
【0010】
【発明の実施の形態】
以上説明した本発明の構成・作用を一層明らかにするために、以下本発明のこんろの好適な実施形態について説明する。
【0011】
本発明の第一実施形態としての家庭用のテーブルこんろについて図1〜3を用いて説明する。
図1は、テーブルこんろの断面図であり、図2は、こんろバーナの断面図であり、図3は、テーブルこんろの外観図である。尚、図1,2は、図3中の一点鎖線A−Aでの断面図であり、図2においては、バーナヘッドをバーナ本体に載置する前の状態の図である。
テーブルこんろ1は、トッププレート2に開口2aが設けられ、その開口2aの中央位置にこんろバーナ3が配置され、開口外周縁に汁受皿4が載置される。汁受皿4の外周には、こんろバーナ3への二次空気C供給用の導入口4aが開口される。こんろバーナ3を上方から覆うようにして、調理鍋Pを載置する五徳50がトッププレート2上に配置される。
このこんろバーナ3は、外周に多数のスリット状の炎口溝7aを放射状に備えたバーナヘッド7と、バーナ本体6とからなり、バーナヘッド7をバーナ本体6上に載置することで、外周縁に多数の主炎口7Aが形成される。また、バーナヘッド7の上面には、調理鍋Pの中央部を加熱するための内炎口7bが開口される。
また、本実施形態のこんろバーナ3としては、調理鍋Pとの距離を縮めて熱効率の向上を図るために、一次空気率λ1を高めた(例えば、λ1=55〜75%)高熱効率バーナを用いている。
【0012】
バーナ本体6は、燃料ガスと一次空気とを吸入するスロート部6cと、スロート部6cと連通し燃料ガスと一次空気とを混合する環状混合気室6aとを備える。尚、環状混合気室6aは、上面が開口しておりバーナヘッド7を載置することにより塞がれる構成である。
バーナ本体6の環状混合気室6aの中央には中央開口部6bが形成され、バーナヘッド7の中央には燃焼用二次空気Aの流路となる筒部7cが鉛直方向に形成される。そして、バーナヘッド7は、この筒部7cをバーナ本体6の中央開口部6bに嵌合して、バーナ本体6上に載置される。
また、こんろバーナ3の主炎口7Aの近傍には、点火用の電極8と火炎検出用の熱電対9が設置される。
【0013】
五徳50は、調理鍋Pを載置する複数のL字状の五徳爪51と、トッププレート2の開口2aと汁受皿4との重ね部上を覆うと共に五徳爪51を立設する基盤となる五徳リング52とにより一体的に構成される。
この五徳爪51の下先端は、二段の突起部53が形成され、五徳リング52に貫通固定されると共に、最先端の小突起53aのみがトッププレート2に開口された五徳受孔2bにはめ込まれる。この突起部53の段差により五徳リング52とトッププレート2との間に二次空気B供給用の隙間Xが形成される。
五徳リング52は、中央にリング開口54が形成された円盤状であり、そのリング開口54にこんろバーナ3の頭部を同軸上に挿通することによってこんろバーナ3の主炎口7A形成面の周囲を囲む。
五徳リング52の内周側は、リング中心に向かって下向きに傾斜して傾斜鍔部52aを形成し、その先端は主炎口7Aよりも下方まで延設される。そして、その傾斜鍔部52aを主炎口7Aにおけるガスの噴出方向とほぼ平行に形成すると共に、その先端を主炎口7Aの外周面に接近させる(例えば、傾斜鍔部52aの先端と主炎口7Aの外周面との距離dを2.7cmに設定する)。
一方、五徳リング52の外周側には、全周にわたって略水平面となる平坦部52bが形成される。
【0014】
ここで五徳50の構成について詳述する。リング中心から五徳リング52の外周端、すなわち、平坦部52bの終端までの距離bは、11.4cmであり、リング中心から傾斜鍔部52aと平坦部52bとの境界までの距離aは、9.4cmであり、五徳リング52上で平坦部52bと傾斜鍔部52aとの境界上の点と五徳爪51の上端との垂直距離L、すなわち、調理鍋Pを載置した際の調理鍋Pと五徳リング52との最短距離Lは、1.4cmである。また、リング中心から傾斜鍔部52aの先端までの距離cは、5.1cmであり、傾斜鍔部52aの先端と主炎口7Aの外周面との距離dは、2.7cmである。尚、リング中心から平坦部52bの終端までの距離bの大きさは、リング中心から傾斜鍔部52aと平坦部52bとの境界までの距離aの大きさの1.5倍以内とする。
また、こんろバーナ3の単位時間当たりの最大燃料供給量Ipは、4.2kWである。
【0015】
調理鍋Pと五徳リング52との間の隙間Yは、こんろバーナ3の燃焼排気の排出通路となる。このため、この隙間Yが小さすぎると排気抵抗が増大して燃焼性能が悪化してしまうし、逆に、大きすぎても余分な燃焼用二次空気が燃焼排気の下方より流れ込んで、火炎を冷却するため燃焼性能は悪化する。また、五徳リング52を調理鍋Pに近づけて隙間Yを小さくしていくと、火炎の熱が五徳リング52に奪われるようになるため、熱効率は低下していく。
【0016】
上述した五徳リング52の形状及び調理鍋Pと五徳リング52との距離Lは、燃焼性能と熱効率とが共に良好な範囲となるように実験的に得た最適の設定値である。その実験データの一例を示せば、表1及び図4の特性グラフに示したとおりである。この実験は、調理鍋Pと五徳リング52との距離L、すなわち、五徳爪51の高さのみを変化させ、他のサイズは、上述したサイズである五徳を用いて行った。尚、実験条件により実験結果の絶対値は変化するが傾向は変わらない。
【表1】
尚、理論COとは、不完全燃焼の程度を表す指数であり、燃焼排ガス中で検出されたCOとCO2の値から次式で計算される。理論COの値が小さい方が、発生するCOが少なく燃焼性能が良好な状態であることを示す。
理論CO=測定CO%×(CO2max/測定CO2%)
CO2max:燃料ガスを理論空気比(λ=1)で完全燃焼させた場合に発生する二酸化炭素の濃度
理論COが0.085%以下であれば燃焼が良好であるとすると(法規での排出基準は0.14%であり、余裕度を加味して本実施形態では基準を0.085%とした)、グラフより、調理鍋Pと五徳リング52との距離Lがおよそ1.0cm〜1.7cmの範囲でこの基準をクリアしている。また、熱効率ηは、距離Lが1.1cmよりも近づくと急激に悪化する。すなわち、L=1.1cmが熱効率ηの変曲点となる。
従って、距離Lが1.1cm〜1.7cmの範囲にあれば、燃焼性能を良好に維持できると共に、高い熱効率が達成できる。従って、距離Lの許容域は1.1cm〜1.7cmとなる。
【0017】
また、発明者らは、こんろバーナ3の燃焼性能が単位時間当たりの最大燃料供給量に対する燃焼空間(傾斜鍔部52aと平坦部52bとの境界線で囲まれる水平面と調理鍋Pの底面とで囲まれた空間)の大きさに大きく依存することに着目し、この値を最適範囲内に特定した。
傾斜鍔部52aと平坦部52bとの境界線で囲まれる水平面の面積をA(A=π×a2)とすると、燃焼空間の大きさはA×Lとなる。そして、単位時間当たりの最大燃料供給量に対する燃焼空間の大きさは、A×L/Ipとなる。
この式に上記の実験結果であるA=277cm2、Ip=4.2kW、L=1.1cm〜1.7cmを代入すると、単位時間当たりの最大燃料供給量に対する燃焼空間の大きさが、72.5<A×L/Ip<112.1の範囲で燃焼性能や熱効率が良好に維持されることが分かる。そして、傾斜鍔部52aと平坦部52bとの境界線で囲まれる水平面の面積(A)、単位時間当たりの最大燃料供給量(Ip)、五徳リング52上で平坦部52bと傾斜鍔部52aとの境界上の点と五徳爪51の上端との垂直距離(L)を様々に変化させた上記の実験を繰り返したところ、これらの値が条件式:75<A×L/Ip<115を満たすとこんろバーナ3の燃焼性能や熱効率が良好に維持されることが見出された。
【0018】
例えば、条件式:75<A×L/Ip<115に、A=π×a2、a=8.5cm、Ip=4.2kWを代入すると、1.39cm<L<2.13cmとなり、これは、aを8.5cmに、Ipを4.2kWに固定した上記のような実験結果と一致する。
また、A=π×a2、a=10.5cm、Ip=4.2kWを代入すると、0.91cm<L<1.40cmとなり、これは、aを10.5cmに、Ipを4.2kWに固定した上記のような実験結果と一致する。
【0019】
上述したテーブルこんろ1によれば、こんろバーナ3の燃焼により生じた高温の燃焼ガスが上方へ移動し鍋底面に沿って、五徳リング52と調理鍋Pとの間の隙間Yから外側へと排出される。この移動に伴って発生するドラフト力によって、バーナヘッド7の中央の筒部7c及び五徳リング52の下方の隙間X及び導入口4aから燃焼用二次空気A,B,Cが吸引される。
隙間Xから吸引される燃焼用二次空気Bは、傾斜鍔部52aに沿って主炎口7Aの近傍に導かれる。この結果、二次空気Bが火炎の基部から先端まで全体に渡って供給されるため燃焼性能が向上する。また、二次空気Bは隙間Xを通過する間にこんろバーナ3に形成された火炎によって予熱される。
【0020】
更に、従来のテーブルこんろに比べて、五徳リング52を調理鍋Pに近づけて形成しているため、五徳リング52と調理鍋Pとの間の隙間Yから燃焼用二次空気が吸引されてしまうことを防止できる。このため、こんろバーナ3の火炎が冷えた二次空気と直接接触して冷却されることはなく、燃焼性能が向上する。
従って、五徳爪51を低くして調理鍋Pの載置面をこんろバーナ3に近づけて熱効率の向上を図っても、燃焼性能を良好に維持することができる。
【0021】
また、五徳リング52上で平坦部52bと傾斜鍔部52aとの境界上の点と五徳爪51の上端との垂直距離L、すなわち、五徳リング52の平坦部52bと調理鍋Pの底面との距離は、平坦部52bよりも内周側の面積Aとこんろバーナ3の単位時間当たりの最大燃料供給量Ipと、燃焼性能及び熱効率が共に良好となる条件式:75<A×L/Ip<115を満たすように設定されている。
【0022】
言い換えれば、距離Lが実験的に設定された条件を満たすことによって、こんろバーナ3への単位時間当たりの最大燃料供給量に対する燃焼空間の大きさを燃料が完全燃焼するのに必要な大きさ(75cm3/kW)以上とすることができるため、常に良好な燃焼状態を維持できる。更に、この燃焼空間が広すぎると、鍋底と五徳リング52との間の隙間Yが広くなりすぎ、冷えた二次空気が外部から入り込んでしまうが、こんろバーナ3への単位時間当たりの最大燃料供給量に対する燃焼空間の大きさの上限値(115cm3/kW)も設定しているためこの問題も生じない。
従って、調理鍋Pと五徳リング52との間の隙間Yは、燃焼排気のみをスムーズに通過させるので、給排気のバランスがくずれることを防止でき燃焼性能が向上する。
また、距離Lがこの範囲よりも狭いと火炎が五徳リング52に接触して、火炎の熱が五徳リング52によって奪われるため熱効率が低下してしまう。
つまり、発明者らは、こんろバーナ3の燃焼性能が単位時間当たりの最大燃料供給量に対する燃焼空間の大きさ(A×L/Ip)に大きく依存することを見出したのである。そして、燃焼空間の大きさが条件式:75<A×L/Ip<115を満たすように設定すれば、燃焼性能や熱効率を良好に保つことができる五徳の形状や五徳と調理鍋との位置関係を簡単に設計できる。
【0023】
さらに、本実施形態のテーブルこんろ1では、五徳リング52の外周部に平坦部52bを形成しているため、図5に示すように、小さな調理鍋P’を五徳50に載置しても調理鍋P’と五徳リング52との隙間Yの大きさや燃焼空間の大きさを、大きな調理鍋Pを載置した場合と同程度とすることができる。従って、使用する調理鍋P(P’)の大きさによって、給排気バランスがくずれることはなく、常に熱効率や燃焼性能を良好に維持できる。
【0024】
また、本実施形態のテーブルこんろ1では、リング中心から五徳リング52の外周端までの距離b(11.4cm)を、リング中心から傾斜鍔部52aと平坦部52bとの境界までの距離a(9.4cm)の1.5倍以内とすることによって、平坦部52bの大きさを制限しているため、こんろバーナ3からの五徳リング52への放熱を抑えることができる。傾斜鍔部52aの外周に形成した平坦部52bが大きすぎると、こんろバーナ3からの五徳50への放熱が大きくなってしまい、燃焼性能や熱効率が悪化する。
【0025】
以上本発明の実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
例えば、本実施形態のテーブルこんろ1では、こんろバーナとして、外周面の周方向に多数の炎口を列設した外向き炎口バーナを用いているが、内周面の周方向に多数の炎口を列設した内向き炎口バーナを用いても構わない。
また、本実施形態では、テーブルこんろにおいて説明したが、ビルトインこんろに適用しても差し支えない。
【0026】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の請求項1記載のこんろによれば、二次空気と燃焼排気の流れをスムーズに維持でき、給排気バランスがくずれることがないため、燃焼性能が向上する。この結果、調理鍋とこんろバーナとを従来よりも近づけることが可能となり、熱効率を向上させることができる。
更に、五徳リングの外周部に平坦部を形成したため、小さい調理鍋を使用した場合にも、燃焼空間や鍋底と五徳リングとの隙間の大きさを大きい調理鍋を使用した場合と同程度とすることができる。従って、小さな調理鍋に対しても、熱効率や燃焼性能を向上させることが可能となる。
【0027】
更に、本発明の請求項2記載のこんろによれば、五徳リングの大きさに制限を設けることによって、環状バーナからの五徳への放熱を抑制して、熱効率や燃焼性能を良好に維持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態としてのテーブルこんろを側面から見た断面図である。
【図2】本実施形態としてのこんろバーナを側面から見た断面図である。
【図3】本実施形態としてのテーブルこんろの外観図である。
【図4】実験データの一例を表1に対応して示した特性グラフである。
【図5】小さい調理鍋を用いた際の本実施形態としてのテーブルこんろを側面から見た断面図である。
【図6】従来例としてのテーブルこんろに大きい調理鍋を載置した際の断面図である。
【図7】従来例としてのテーブルこんろに小さい調理鍋を載置した際の断面図である。
【符号の説明】
1…テーブルこんろ、2…トッププレート、3…こんろバーナ、7A…主炎口、7a…炎口溝、50…五徳、51…五徳爪、52…五徳リング、52a…傾斜鍔部、52b…平坦部、P…調理鍋、X…隙間、Y…隙間。
Claims (2)
- 周方向に多数の炎口を配設した環状バーナを備えるとともに、
調理鍋を上記環状バーナの上方で支持する複数の五徳爪と上記環状バーナの炎口の周囲を囲むように設けられ該五徳爪を支持する五徳リングとにより形成された五徳をトッププレートに載置し、
上記五徳リングの下面を伝わらせて、上記環状バーナへ燃焼用二次空気を送るこんろにおいて、
上記五徳リングは、内周側の面をリング中心に向かって下向きに傾斜させて延長した傾斜鍔部を備えるとともに、その外側にリング状の平坦部を形成し、
上記平坦部と上記傾斜鍔部との境界線で囲まれる水平面の面積をA(cm2)、上記境界線上の点と上記五徳爪の上端との垂直距離をL(cm)、上記環状バーナへの単位時間当たりの最大燃料供給量をIp(kW)として、75<A×L/Ip<115の関係が成り立つことを特徴とするこんろ。 - 上記五徳リングは、リング中心から外周端までの水平距離が、リング中心から上記境界線までの水平距離の1.5倍以内であることを特徴とする請求項1記載のこんろ。
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