JP4123732B2 - 帯電装置及びそれを用いた画像形成装置 - Google Patents
帯電装置及びそれを用いた画像形成装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4123732B2 JP4123732B2 JP2001104900A JP2001104900A JP4123732B2 JP 4123732 B2 JP4123732 B2 JP 4123732B2 JP 2001104900 A JP2001104900 A JP 2001104900A JP 2001104900 A JP2001104900 A JP 2001104900A JP 4123732 B2 JP4123732 B2 JP 4123732B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- elastic roll
- charging
- roll
- cylindrical electrode
- charging device
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)
- Rolls And Other Rotary Bodies (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、これらの複合機等の画像形成装置に関し、より詳しくはその画像形成装置の帯電装置の改良に係る。
【0002】
【従来の技術】
従来から、電子写真プロセスを利用する画像形成装置が広く知られている。すなわち、電荷受容体の表面を均一に電荷を付与する帯電工程、帯電した電荷受容体に光を照射してその表面に電位差による静電潜像を形成する露光工程、その静電潜像に対して選択的にトナーを付着させ可視像とする現像工程、その可視像を記録媒体に転写する転写工程、記録媒体上の可視像を定着する定着工程の各工程を経て、記録媒体上に画像を形成するものが広くしられている。また、転写工程として、可視像が電荷受容体から中間転写体に一旦転写される中間転写工程をへて記録媒体へ最終的に転写されるものも存在する。さらに、電荷受容体や中間転写体上に複数色の可視像が形成され、それらの可視像が記録媒体へ一括して転写されるものも存在する。
【0003】
このような画像形成装置の帯電工程で用いられる帯電装置の方式としては、電荷受容体に対して接触しない非接触帯電方式と、電荷受容体に対して接触する接触帯電方式とが存在する。
【0004】
非接触帯電方式の具体的な例としては、内部に張架されるワイヤとそれを囲むシールドケースとで構成されるコロトロンが知られている。このコロトロンは、シールドケースの開口部を電荷受容体に対峙させ、ワイヤに高電圧を印加することでコロナ放電を発生させ、電荷受容体の表面を一様に帯電させる。
【0005】
コロトロンは、電荷受容体を一様に帯電させる点においては有効であるが、電荷受容体を所定の電位に帯電させるためには一般に数千ボルトの高電圧をワイヤに印加するため、高電圧電源を備える必要がある。また、コロナ放電により、オゾン・NOX(窒素酸化物)などの放電生成物が発生してしまい、画像形成装置中のゴムや電荷受容体を劣化させてしまうばかりか、環境に悪影響を及ぼすおそれがある。さらに、このような放電生成物はエアフローなどを利用して処理することも可能であるが、画像形成装置の複雑化、大型化、高コスト化を招き好ましくない。
【0006】
接触帯電方式の具体的な例としては、ロール、ブラシ、ブレード、フィルム、ベルトなどの形状の導電性部材を電極として電荷受容体に接触させ、それらの導電性部材に電圧を印加することで、電荷受容体と導電性部材との接触部分の近傍において放電を生じさせ、電荷受容体の表面を一様に帯電させるものである。このような接触帯電方式の帯電装置には、一般にコロトロン程の高電圧電源は必要ではなく、放電生成物も生じにくく、結果として装置も簡易で、小型化、低コスト化が可能である。
【0007】
その反面、接触帯電方式の帯電装置は帯電装置自体が汚れやすく、そのため帯電不良が生じてしまうおそれがある。つまり、電荷受容体の表面には、転写不良及びクリーニング不良などによりトナーやトナー外添剤が存在するため、接触帯電方式の帯電装置がそれらのトナー、トナー外添剤により汚染され、電荷受容体の表面の一部の帯電が不足したり、一部の帯電が過剰となり、その結果、最終的な画像に白点や黒点などの画像欠陥が生じるおそれがある。
【0008】
このような問題を回避するために、電荷受容体と帯電装置との接触圧を低減する手法が有効であるとされる。具体的には、接触帯電方式の帯電装置として、フィルム状の電極部を電荷受容体に接触させるフィルム帯電装置、スポンジ状の弾性ロールとその弾性ロールの外側に筒状電極としてチューブ層を被覆したロール帯電装置などが挙げられる。
【0009】
ここでフィルム帯電装置は、電荷受容体と帯電装置との接触圧を低減する点に関しては有効であるが、そのフィルム状電極の薄さ故に、耐電圧性能を長期間に渡り維持するのが困難である。一方、ロール帯電装置は、比較的長期間に渡り耐電圧性能を維持することができ、電荷受容体と帯電装置との接触圧を低減する点においても十分満足できるレベルにあり、さらに放電時の騒音が比較的小さいため有望視されている。
【0010】
ロール帯電装置を構成する上で、チューブが捩れたり、チューブが軸方向に移動(ウォーク)してしまわないように、チューブと弾性ロールとがずれないことが重要である。そのため、従来から、▲1▼チューブの内側全体を弾性ロールと接着する技術が知られている。また、特開平11−12556号公報には、▲2▼チューブの端部を弾性ロールと接着する技術が提案されている。さらに、特開平10−307451号公報や特開平11−95524号公報には、▲3▼チューブのウォークを防止するウォーク防止部材を設ける技術が提案されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの技術には、それぞれ次のような課題が存在する。つまり、▲1▼チューブの内側全体を弾性ロールと接着する場合には、弾性ロールとチューブとの間に存在する接着層の影響により電気抵抗のむらが生じ、結果として帯電むらが発生するおそれがある。また、▲2▼チューブの端部を弾性ロールと接着する場合には、確かに接着層の影響による電気抵抗むらはある程度防止することはできるが、接着工程が必要となり、高コスト化を招いてしまう。さらに、▲3▼チューブのウォークを防止するウォーク防止部材を設ける場合にも、確かに接着層が存在しないため電気抵抗むらを防止することはできるが、新たな部材(ウォーク防止部材)が必要であり、同じく高コスト化を招いてしまう。なお、これら▲1▼、▲2▼の場合には、チューブと弾性ロールとを接着するため、リサイクル性、リユース性を損なってしまう。
【0012】
本発明は、このような技術的な課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、リサイクル性、リユース性に優れ、長期間に渡り安定した帯電性能を発揮することができる帯電装置を安価に提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、被帯電体の表面を一様に帯電する帯電装置であって、当該被帯電体にその表面が接触して回転する円筒状電極と、当該円筒状電極の内部に設けられ当該円筒状電極を支持する弾性ロールとを備え、当該弾性ロールは、その径方向に弾性変形された状態で当該円筒状電極の内部に充填されていると共に、前記円筒状電極の軸方向の長さは、前記弾性ロールの長さよりも長く設定されており、かつ、前記円筒状電極は、前記弾性ロールの軸方向両端部を越えて延在していることを特徴とするものである。なお、当該弾性ロールは発泡性部材で構成されるものでもよい。また、前記弾性ロールは、当該弾性ロールの内部に設けられた金属製の中空パイプ部材により支持されていてもよい。
【0014】
その具体的な構成としては、自然状態において、当該弾性ロールの外径は、当該円筒状電極の内径よりも大きいことが挙げられる。この「自然状態」とは、弾性ロールや円筒状電極に(重力以外の)外力が作用しない状態をいう。より好ましい構成としては、自然状態において、当該弾性ロールの外径と、当該円筒状電極の内径との関係が、0.1〔mm〕<(当該弾性ロールの外径)−(当該円筒状電極の内径)<0.4〔mm〕であり、さらに好ましくは、0.1〔mm〕<(当該弾性ロールの外径)−(当該円筒状電極の内径)<0.2〔mm〕である。
【0015】
また、当該円筒状電極と当該弾性ロールとが密着すれば、当該円筒状電極と当該弾性ロールとの間には、接着剤層を設ける必要がなく、電気抵抗値を厳密に設定する観点やリサイクルの観点から好ましい。すなわち、当該円筒状電極と当該弾性ロールとの間には、実質的に接着剤層が存在しない構成を採用することもできる。ここで「実質的に接着剤層が存在しない」とは、当該円筒状電極と当該弾性ロールとの間には、特に両者を接着させるために、当該円筒状電極と当該弾性ロールを構成する成分以外の成分が存在しないことをいう。
【0016】
このような帯電装置を画像形成装置に適用することもできる。すなわち、像担持体と、当該像担持体の表面を一様に帯電する帯電手段とを備える画像形成装置において、当該帯電手段として当該帯電装置を使用し、当該像担持体は前記被帯電体とすることもできる。
【0017】
【発明の実施による形態】
◎実施例 図1は、本実施例に係るプリンタ(画像形成装置)100の断面概略図である。このプリンタ100は、大きく画像形成部、中間転写部、用紙搬送部、定着部とから成っている。画像形成部は、感光体ドラム(像担持体:被帯電体)20、帯電装置1(その詳細な構成は後述する)、露光装置21、ロータリー現像装置22、一次転写装置23、ドラムクリーニング装置24などを備えている。またロータリー現像装置22は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色に対応する単色現像装置221〜224を備えている。中間転写部は、無端ベルト状の中間転写ベルト30、駆動ロール31、ステアリングロール32、対向ロール33、二次転写装置34、ベルトクリーニング装置35などを備えている。用紙搬送部は、搬送ロール対41、レジストロール対42、搬送ベルト装置43、排出ロール44などを備えている。定着部は、加熱ロール51、加圧ロール52などを備えている。
【0018】
このプリンタ100のカラー画像形成動作を簡単に説明する。感光体ドラム20は図中矢印の方向に回転駆動され、その表面は、帯電装置1により一様に帯電される(その詳細な作用は後述する)。図示しないコンピュータなどの端末からの画像形成命令に基づき露光装置21からある色(例えばイエロー)に対応するレーザー光が発せられ、そのレーザー光が感光体ドラム20の表面を照射すると、感光体ドラム20表面に電位差が生じ、その電位差により静電潜像が形成される。感光体ドラム20表面の静電潜像は、その色に対応する現像装置と対峙する部分でトナー(ここではイエロートナー)により顕像化され、単色のトナー像となる(ここまでの工程を「単色画像形成工程」という)。
【0019】
感光体ドラム20上の単色トナー像は、感光体ドラム20の回転と共に一次転写装置23に対峙する位置(一次転写位置)に搬送され、中間転写ベルト30上へと一次転写される。なお、一次転写されずに僅かに残留するトナーは、感光体ドラム20の回転と共に搬送され、ドラムクリーニング装置24により感光体ドラム20表面から除去される。中間転写ベルト30は図中矢印の方向に回転駆動されており、ここでは二次転写装置34及びベルトクリーニング装置35は中間転写ベルト30に対して離間している。したがって、一方では、先に一次転写された単色(ここではイエロー)のトナー像は、中間転写ベルト30の回転と共に再び一次転写位置に達する。
【0020】
他方では、他の色(例えばマゼンタ)の単色画像形成工程が行われ、その他の色の単色のトナー像が感光体ドラム20の回転と共に一次転写位置に達する。そして、中間転写ベルト30上及び感光体ドラム20上の両トナー像が一次転写位置に達するタイミングが同期され、一次転写装置23の作用により、中間転写ベルト30上のトナー像上に他の単色(ここではマゼンタ)トナー像が重ね合わされる。このような工程が繰り返され、中間転写ベルト30上にはイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色の単色トナー像が順次重ね合わされ、最終的にフルカラーのトナー像が形成される。
【0021】
その後、一方では、フルカラーのトナー像は、中間転写ベルト30の回転と共に二次転写装置34と対峙する位置(二次転写位置)に達する。他方では、図示しない用紙収容トレイから記録用紙が搬送ロール対41、レジストロール対42を介して二次転写位置へと搬送される。そして、中間転写ベルト30上のフルカラートナー像が二次転写位置に達するタイミングと同期して、記録用紙が二次転写位置へ搬送される。このとき、二次転写装置34は中間転写ベルト30に対して当接しており、この二次転写装置34(及び対向ロール33)の作用により、中間転写ベルト30上のフルカラートナー像は、記録用紙へと二次転写される。なお、二次時転写されずに僅かに残留するトナーは、中間転写ベルト30の回転と共に搬送され、その際には中間転写ベルト30に対して当接しているベルトクリーニング装置35により中間転写ベルト30表面から除去される。
【0022】
その後、記録用紙は、用紙搬送ベルト43により定着装置に搬送され、加熱ロール51と加圧ロール52とにより形成されるニップ部分を通過する。その際、両ロール51、52から与えられる熱と圧力との作用により、その表面に保持する未定着フルカラートナー像が記録用紙上に定着され、永久像となる。最後に、その記録用紙は排出ロール対44により装置外へ排出され、一のフルカラー画像形成動作が終了する。
【0023】
次に、この実施例に係る帯電装置1の構成及びその作用を詳細に説明する。
【0024】
図2は、感光体ドラム20と帯電装置1との関係を説明するものである。帯電装置1は、帯電ロール本体10と、当接ばね101、102とを備えている。各当接ばね101、102の一端は帯電ロール本体10の端部に取り付けられており、他端はプリンタ100の筐体に取り付けられている。そして、各当接ばね101、102はそれらの自然長よりも縮んだ状態で取り付けられており、その弾性力により帯電ロール本体10を感光体ドラム20に一様に当接させ、帯電ロール本体10と感光体ドラム20との間に一様なニップを形成している。
【0025】
そして帯電ロール本体10と感光体ドラム20との当接圧は、2.0〔gf/m2〕以下とすることができ、さらに1.7〔gf/m2〕以下とすることが好ましい。なお、感光体ドラム20の回転軸と帯電ロール本体10の回転軸とは平行に設置されている。
【0026】
図3は、帯電ロール本体10の回転軸に垂直な断面を説明するものである。この帯電ロール本体10の一断面は、その回転軸中心方向から外側にかけて、中空パイプ11(図3(a−1))、弾性ロール12(図3(a−2))、チューブ13(図3(a−3))とにより構成される(図3(b))。
【0027】
中空パイプ11は、金属パイプにより構成することができる。その材質としては、ステンレスや鉄などを適宜選択することができる。本実施例では、中空パイプ11として直径D(11)=8〔mm〕のステンレス製パイプを使用している。
【0028】
弾性ロール12は、樹脂に導電剤を分散させ、所定の硬度及び電気抵抗値を規定したものを使用することができる。ここで、樹脂としては発泡性樹脂やゴムなどを採用することができるが、発泡性樹脂の方がゴムなどの非発泡性樹脂に比べ、接触面積が小さくなるためチューブ13内面との摩擦力も小さく、軟らかく構成することが容易であるため帯電ロール本体10の製造(弾性ロール12のチューブ13への挿入など)が容易となり、さらに製造後の帯電ロール本体10表面形状のひずみがすくなくなり、好ましい。発泡性樹脂の材料としては、例えば、ウレタン、アクリル、ナイロンなどを挙げることができる。また、ゴムの材料としては、例えば、EPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)、シリコン、NBR(ニトリルブタジエンラバー)、エピクロロヒドリン、SBR(スチレンブタジエンラバー)などを挙げることができる。
【0029】
導電剤の種類としては、イオン導電性物質、電子導電性物質、イオン導電性物質及び電子導電性物質の両方、などを使用することができる。イオン導電性物質としては、過塩素酸塩(例えば、過塩素酸リチウム、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸アンモニウムなど)やアンモニウム塩(例えば、第四級アンモニウムクロライドなど)を使用することができる。電子導電性物質としては、カーボンブラックやグラファイトの他、導電性金属又は導電性合金などの粉末(例えば、アルミニウム、ステンレス鋼など)や導電性金属酸化物などの粉末(例えば、酸化錫、酸化インジウム、酸化チタン、酸化錫一酸化アンチモン複合酸化物など)を使用することができる。
【0030】
弾性ロール12の硬度としては、90〔°(Asker-F)〕以下のものを使用することができ、さらに、70〔°(Asker-F)〕以下であることが好ましい。また、弾性ロール12の電気抵抗値としては、102〜108〔logΩ・cm〕程度のものを使用することができ、さらに、103〜105〔logΩ・cm〕程度であることが好ましい。なお、この電気抵抗値は、弾性ロール12に当接するロール状の導電性部材と弾性ロール12の中空パイプ11との間に100〔V〕の電圧を印加し、両者の間に流れる電流値からその電気抵抗値を求めて測定することができる。
【0031】
なお、本実施例の弾性ロール12は、ウレタンの発泡性樹脂にカーボンブラックを分散させたものを用い、その硬度は70〔°(Asker-F)〕、その電気抵抗値は104〔logΩ・cm〕、その(自然状態における)外径D(12)=14〔mm〕である。
【0032】
チューブ(円筒状電極)13は、樹脂に導電剤を分散させ、所定の硬度及び電気抵抗値を規定したものを使用することができる。ここで樹脂の種類としては、例えば、ウレタン、アクリル、ナイロン、ポリフッ化ビニリデンなどを挙げることができる。導電剤としては、先に挙げたイオン導電性物質や電子導電性物質、これら両方を使用することができる。また、このチューブ13は、射出成型により製造することができる。
【0033】
チューブ13の硬度としては、90〔°(Asker-F)〕以下のものを使用することができ、さらに、70〔°(Asker-F)〕以下であることが好ましい。また、チューブの電気抵抗値としては、105〜109〔logΩ〕程度のものを使用することができ、さらに、106〜108〔logΩ〕程度であることが好ましい。
【0034】
なお、本実施例のチューブ13は、ポリアミドにカーボンブラックを分散させたものを用い、その硬度は、70〔°(Asker-F)〕、その電気抵抗値は107〔logΩ〕、その外径D(12)=14〔mm〕、その厚さΔD(12)=100〔μm〕である。
【0035】
図4は、この帯電ロール本体10の回転軸を含む断面を説明するものである。同図に示すように、チューブ13は、弾性ロール12に対して回転軸の両方向に僅かに(Δl)延長されて弾性ロール12を覆っている。この延長量Δlとしては、0.1〔mm〕以上とすることができ、好ましくは、2〜5〔mm〕である。
【0036】
このように構成される帯電ロール本体10は、画像形成時には、中空パイプに帯電バイアスが印加され、その表面が接触する感光体ドラム20表面を一様に帯電する。
【0037】
ここで、弾性ロール12の外径D(12)と、チューブ13の内径(D(13)−2ΔD(13))との関係は、自然状態において、0.1〔mm〕<D(12)−(D(13)−2ΔD(13))<0.4の関係を満たしている。一方、帯電ロール本体10を構成する状態においては、弾性ロール12が弾性変形することにより、弾性ロール12の外径とチューブ13の内径とは等しくなっている(図3(b)参照)。なお、チューブ13内に弾性ロール12を充填するのは、エアフローによりチューブ13内部に弾性ロール12を吸引することにより容易に行うことができる。
【0038】
そして、帯電ロール本体10を構成する状態では、弾性ロール12はその弾性変形により、しっかりとチューブ13に密着し、弾性ロール12とチューブ13との間に特別な接着層やウォーク防止部材を設けることなく、チューブ13のウォークを防止することができる。
【0039】
また、接着層やウォーク防止部材を設けないために、帯電ロール本体10の製造、分解が容易であり、生産性、リサイクル性、リユース性に優れる。さらに、弾性ロール12の弾性変形量が過大でないため、帯電ロール本体10の外周形状を変形させることもない。
【0040】
◎試験例 本発明者らは本発明を完成させるために数々の試験を行ったが、ここではその一部、適切な弾性ロール12の外径D(12)とチューブ13の内径(D(13)−2ΔD(13))との関係を見出すための試験を説明する。
【0041】
○試験対象 試験対象としては、合計33種類の帯電ロール本体10を用意した。すなわち、一のパラメータとして、自然状態における弾性ロール12の外径D(12)とチューブ13の内径(D(13)−2ΔD(13))との差(つまり帯電ロール本体10を構成する状態における弾性ロール12とチューブ13との干渉量、弾性ロール12の弾性変形量)を11段階(0.0、0.05、0.10、0.15、0.20、0.25、0.30、0.35、0.40、0.45、0.50〔mm〕)に規定し、他のパラメータとして、チューブ13の厚さΔD(13)を3段階(50、100、200〔μm〕)に規定し、合計33種類の帯電ロール本体10を試作した。なお、弾性ロール12の外径D(12)は13.8〜14.1〔mm〕の範囲とし、チューブ13の内径(D(13)−2ΔD(13))は13.8〔mm〕とし、その他の構成については、実施例で説明したものと同様である。
【0042】
○試験条件 画像形成装置として富士ゼロックス社製DocuColor1250を用い、その帯電ロール本体10を交換しつつ、試験を行った。画像形成装置の設置環境は、気温が10度C、湿度が15%であった。なお、この画像形成装置のプロセススピードは220〔mm/s〕であり、感光体ドラム20は、OPC感光体を用い、その直径は84〔mm〕、その軸方向長さは345〔mm〕であった。
【0043】
○評価方法 各帯電ロール本体10の評価として、▲1▼ウォークの有無及びその程度と、▲2▼外形不良の有無及びその程度とを評価した。前者▲1▼の具体的な評価方法としては、各種類の帯電ロール本体10を画像形成装置に装着し、それぞれ30分間感光体ドラム20を回転させる(但し、画像形成は行わない)。その後、帯電ロール本体10を取り出し、弾性ロール12に対するチューブ13の回転軸方向のずれ(ウォーク)を計測する。その結果は、ウォークが発生していない、2mm以下のウォークが発生している、5mm以上のウォークが発生している、の3段階で評価することとした。
【0044】
後者▲2▼の具体的な評価方法としては、各種類の帯電ロール本体10を画像形成装置に装着し、30%のハーフトーンの画像を出力し、帯電ロール本体10のロール周長ピッチの画像欠陥(帯電ロール本体10の外形が歪むことにより発生する帯電むら、濃度むら)及び帯電ロール本体10の様子を目視して確認する。その結果は、(帯電ロール本体10の歪みは確認できないが)濃度むらが発生していない、軽微に濃度むらが発生している、濃度むらが発生している、帯電ロール本体10の歪みが外観上確認できる、の4段階で評価することとした。
【0045】
【表1】
○試験結果 表1は、このような試験条件により、試験対象の帯電ロール本体10をそれぞれ評価した結果を示すものである。この表に示すように、自然状態における弾性ロール12の外径D(12)とチューブ13の内径(D(13)−2ΔD(13))との差が0.05〔mm〕以下の場合には、ウォークが発生してしまう。また、この差が0.45〔mm〕以上の場合には、帯電ロール本体10の外形が歪んでしまい、30%のハーフトーンの画像を出力すると、帯電ロール本体10の周長ピッチで濃度むらが発生してしまう。さらにこの差が0.50〔mm〕以上の場合には、帯電ロール本体10の歪みが外観上明らかとなる。
【0046】
したがって、チューブ13のウォークが発生せず、濃度むらや帯電ロール本体10の歪みが発生しない適切な弾性ロール12の外径D(12)とチューブ13の内径(D(13)−2ΔD(13))との関係は、自然状態における弾性ロール12の外径D(12)とチューブ13の内径(D(13)−2ΔD(13))との差が0.1〔mm〕から0.4〔mm〕であることが分かった。なお、チューブ13のウォーク、濃度むら、帯電ロール本体10の歪みには、チューブ13の厚さΔD(13)は殆ど影響がないことが分かった。
【0047】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、リサイクル性、リユース性に優れ、長期間に渡り安定した帯電性能を発揮することができる帯電装置を安価に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例に係るプリンタ(画像形成装置)の断面概略図である。
【図2】図2は、感光体ドラムと帯電装置との関係を説明するものである。
【図3】図3は、帯電ロール本体の回転軸に垂直な断面を説明するものである。
【図4】図4は、帯電ロール本体の回転軸を含む断面を説明するものである。
【符号の説明】
1…帯電装置(帯電手段)、10…帯電ロール本体、11…中空パイプ、12…弾性ロール、13…チューブ(円筒状電極)、20…感光体ドラム(像担持体、非帯電体)、
Claims (7)
- 被帯電体の表面を一様に帯電する帯電装置であって、
当該被帯電体にその表面が接触して回転する円筒状電極と、当該円筒状電極の内部に設けられ当該円筒状電極を支持する弾性ロールとを備え、当該弾性ロールは、その径方向に弾性変形された状態で当該円筒状電極の内部に充填されていると共に、前記円筒状電極の軸方向の長さは、前記弾性ロールの長さよりも長く設定されており、かつ、前記円筒状電極は、前記弾性ロールの軸方向両端部を越えて延在していることを特徴とする帯電装置。 - 前記弾性ロールは、当該弾性ロールの内部に設けられた金属製の中空パイプ部材により支持されていることを特徴とする請求項1に記載の帯電装置。
- 自然状態において、当該弾性ロールの外径は、当該円筒状電極の内径よりも大きい請求項1又は2に記載の帯電装置。
- 自然状態において、当該弾性ロールの外径と、当該円筒状電極の内径との関係が、0.1〔mm〕<(当該弾性ロールの外径)−(当該円筒状電極の内径)<0.4〔mm〕である請求項1〜3のいずれかに記載の帯電装置。
- 当該円筒状電極と当該弾性ロールとの間には、実質的に接着剤層が存在しない請求項1〜4のいずれかに記載の帯電装置。
- 当該弾性ロールは発泡性部材で構成される請求項1〜5のいずれかに記載の帯電装置。
- 像担持体と、当該像担持体の表面を一様に帯電する帯電手段とを備える画像形成装置において、当該帯電手段は請求項1〜6のいずれかに記載の帯電装置であり、当該像担持体は前記被帯電体である画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001104900A JP4123732B2 (ja) | 2001-04-03 | 2001-04-03 | 帯電装置及びそれを用いた画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001104900A JP4123732B2 (ja) | 2001-04-03 | 2001-04-03 | 帯電装置及びそれを用いた画像形成装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002304043A JP2002304043A (ja) | 2002-10-18 |
JP4123732B2 true JP4123732B2 (ja) | 2008-07-23 |
Family
ID=18957688
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001104900A Expired - Fee Related JP4123732B2 (ja) | 2001-04-03 | 2001-04-03 | 帯電装置及びそれを用いた画像形成装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4123732B2 (ja) |
-
2001
- 2001-04-03 JP JP2001104900A patent/JP4123732B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2002304043A (ja) | 2002-10-18 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4898232B2 (ja) | 画像形成装置 | |
US5946538A (en) | Image forming apparatus | |
JP2003091164A (ja) | 画像形成装置 | |
JP3729123B2 (ja) | 帯電装置及びこれを用いた画像形成装置 | |
JP4123732B2 (ja) | 帯電装置及びそれを用いた画像形成装置 | |
JP2011107532A (ja) | 帯電装置及び画像形成装置 | |
US7668483B2 (en) | Image forming apparatus | |
JP7313859B2 (ja) | 画像形成装置 | |
JP2003316130A (ja) | 帯電手段、これを用いる作像ユニット、および画像形成装置 | |
JP4261822B2 (ja) | 画像形成装置 | |
JP3665914B2 (ja) | 画像形成装置 | |
JP4010128B2 (ja) | 画像形成装置 | |
JP2001109234A (ja) | 画像形成装置 | |
JP4062422B2 (ja) | 画像形成装置 | |
JPH1078713A (ja) | 転写装置および画像形成装置 | |
JP2020181006A (ja) | 帯電装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 | |
JP2020052103A (ja) | 画像形成装置 | |
JP2002351233A (ja) | 転写装置 | |
JPH04361283A (ja) | 画像形成装置 | |
JPH04347874A (ja) | 帯電部材 | |
JP2005222070A (ja) | 帯電装置、画像形成装置、像担持体ユニット及び荷電ローラ | |
JPH1173040A (ja) | 画像形成装置 | |
JP2016099604A (ja) | 画像形成装置 | |
JP2001092269A (ja) | 放電装置及び画像形成装置 | |
JPH11174781A (ja) | 画像形成装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040917 |
|
RD05 | Notification of revocation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7425 Effective date: 20050509 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20070427 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070522 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070718 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20080415 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20080428 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110516 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110516 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120516 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130516 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140516 Year of fee payment: 6 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |