JP4122653B2 - エアバッグ装置 - Google Patents

エアバッグ装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4122653B2
JP4122653B2 JP27520199A JP27520199A JP4122653B2 JP 4122653 B2 JP4122653 B2 JP 4122653B2 JP 27520199 A JP27520199 A JP 27520199A JP 27520199 A JP27520199 A JP 27520199A JP 4122653 B2 JP4122653 B2 JP 4122653B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
side wall
airbag
retainer
locking
case
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP27520199A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001097161A (ja
Inventor
優 井戸
靖 岡田
雄治 栗山
憲優 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyoda Gosei Co Ltd
Original Assignee
Toyoda Gosei Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyoda Gosei Co Ltd filed Critical Toyoda Gosei Co Ltd
Priority to JP27520199A priority Critical patent/JP4122653B2/ja
Publication of JP2001097161A publication Critical patent/JP2001097161A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4122653B2 publication Critical patent/JP4122653B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Air Bags (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両に装着されるエアバッグ装置に関し、特に、エアバッグと折り畳まれたエアバッグを覆う蓋体とを、リテーナと押え部材とを利用して、ケースに連結させたエアバッグ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のエアバッグ装置では、特開平10−324211号公報等に知られているように、折り畳まれたエアバッグと、エアバッグに膨張用ガスを供給するインフレーターと、エアバッグとインフレーターとを収納保持するケースと、折り畳まれたエアバッグを覆って、エアバッグの膨張時に開く扉部を有した蓋体と、を備えて構成されていた。
【0003】
蓋体には、扉部の周囲から下方へ延びて、横方向に貫通する係止孔を有した側壁部が設けられていた。
【0004】
ケースには、上部に、横方向の外方へ突出して、エアバッグの膨張用ガス流入用の開口の周縁と蓋体の側壁部とを連結可能な連結部が、設けられていた。この連結部は、横方向に延びる横壁部と、横壁部の先端から上方へ延びて、蓋体側壁部の内側面に配置される縦壁部と、を備えて構成されていた。縦壁部には、蓋体側壁部の係止孔に挿入係止させる係止脚が設けられていた。
【0005】
そして、エアバッグの開口周縁が、四角環状のリテーナを利用して、ケースの横壁部に連結させていた。この連結態様は、リテーナに、下方へ延びる複数のボルトが突設されており、エアバッグの開口周縁を、リテーナによって、ケースの横壁部の上面に押えるとともに、リテーナの各ボルトを、ケース横壁部から突出させて、ナット止めする態様であった。
【0006】
また、蓋体の側壁部は、押え部材を利用して、ケースの縦壁部に連結させていた。この連結態様は、縦壁部の係止脚を側壁部の係止孔に挿入係止させ、さらに、蓋体側壁部が外方へ移動しないように、押え部材を、蓋体側壁部の外側面に当接させるように配置させて、リテーナのボルトに螺合されるナットで共締めする態様であった。
【0007】
なお、エアバッグの膨張時には、ケース縦壁部の係止脚が蓋体側壁部の係止孔から抜けて、係止脚の係止解除を行なうような、高い圧力が蓋体側壁部に作用することから、その係止脚の係止解除を規制するために、押え部材が、蓋体側壁部が外方へ移動しないように、配設されていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のエアバッグをケースに連結するリテーナは、ケースの横壁部にナット止めして結合させるように、環状のリテーナ本体に対して、複数本のボルトを固着させて構成されており、2種類の部品から構成され、さらに、ボルト自体が複数本(6本以上)固着されることから、部品点数が多くなっていた。
【0009】
そして、リテーナのボルトに螺合するナットにより、押え部材をケースに共締めしているものの、いちいち、それぞれのボルトにナットを締め付ける必要があることから、組付工数が増大していた。
【0010】
本発明は、上述の課題を解決するものであり、構成部品点数と組付工数とを低減させて、エアバッグと蓋体とをケースに連結可能なエアバッグ装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るエアバッグ装置は、折り畳まれたエアバッグと、該エアバッグに膨張用ガスを供給するインフレーターと、前記エアバッグと前記インフレーターとを収納保持するケースと、折り畳まれた前記エアバッグを覆って、前記エアバッグの膨張時に開く扉部を有した蓋体と、を備えて構成され、
前記蓋体が、前記扉部の周囲から下方へ延びて、横方向に貫通する係止孔を有した側壁部を備え、
前記ケースが、上部に、横方向の外方へ突出して、前記エアバッグの膨張用ガス流入用の開口の周縁と前記蓋体の側壁部とを連結可能な連結部を配置させ、
前記連結部が、前記係止孔に挿入係止させる係止脚を備え、
前記エアバッグの開口周縁が、リテーナを利用して、前記連結部に連結されるとともに、
前記蓋体の側壁部が、前記係止脚を前記係止孔に挿入係止させ、さらに、前記係止脚の係止解除を規制するために、前記連結部に連結される押え部材を利用して、前記連結部に連結されているエアバッグ装置であって、
前記押え部材が、前記連結部に対する前記側壁部と前記リテーナとを連結させる部位に、嵌合されて、前記リテーナを前記連結部に連結させるとともに、前記係止脚の係止解除を規制して、前記側壁部を前記連結部に連結させる構成として、
前記連結部が、少なくとも前記ケースの両側における前記蓋体側壁部の内側に配置されるとともに、それぞれ、前記ケースの上部で横方向の外方へ突出するフランジ部を備えて構成され、
該フランジ部が、上下方向に貫通して、前記エアバッグの開口周縁に設けられた帯状の連結片部を挿通可能な貫通孔と、横方向の先端に配置された前記係止脚と、を備えて構成され、
前記係止脚が、前記蓋体側壁部の外側面における前記係止孔周縁の下縁を係止可能な鉤部を備え、
前記リテーナが、前記貫通孔を挿通した前記連結片部を巻取って、前記貫通孔に対して挿通不能とする形状の棒状体として構成され、
前記押え部材が、上下で対向する上・下板部と、該上・下板部を連結する底板部と、を備えた断面略U字形の棒状体として構成され、
前記フランジ部の係止脚を、前記側壁部の係止孔に挿入係止させ、かつ、前記リテーナを、前記貫通孔を挿通させた前記連結片部を巻取った状態で、前記フランジ部の下面側に配置させて、前記側壁部における前記係止孔の下方部位を、折り曲げて、前記連結片部を巻取った前記リテーナに当て、
さらに、前記上板部を前記係止孔に挿入させて前記係止脚の上面側に当て、かつ、前記下板部を折り曲げた前記側壁部の下方部位に当接させるように、前記押え部材を、前記係止脚、前記連結片部を巻取った前記リテーナ、及び、前記側壁部の下方部位、から構成される嵌合部に対して、外嵌させることにより、前記リテーナを前記連結部に連結させるとともに、前記係止脚の係止解除を規制して、前記側壁部を前記連結部に連結させていることを特徴とする。
【0014】
【発明の効果】
本発明に係るエアバッグ装置では、押え部材を、連結部に対する側壁部とリテーナとを連結させる部位に、嵌合させて、リテーナを連結部に連結させるとともに、係止脚の係止解除を規制して、側壁部を連結部に連結させている。
【0015】
すなわち、本発明に係るエアバッグ装置では、構成部品点数と組付工数とを増加させる複数のボルト・ナットを全く使用することなく、単に、所定の嵌合部位に、押え部材を嵌合させるだけで、リテーナを連結部に連結させて、エアバッグをケースの連結部に連結させることができるとともに、蓋体の側壁部をケースの連結部に連結させることができる。
【0016】
したがって、本発明に係るエアバッグ装置では、構成部品点数と組付工数とを低減させて、エアバッグと蓋体とをケースに連結することができる。
【0020】
そしてさらに、本発明に係るエアバッグ装置では、押え部材の上板部を、係止孔に挿入させて、側壁部の係止孔に挿入係止させたフランジ部の係止脚の上面側に当て、かつ、連結片部を巻取ってフランジ部の下面に配置されるリテーナを覆うように折り曲げた側壁部の下方部位に対して、押え部材の下板部を、当接させるようにして、断面略U字状の押え部材を、係止脚、連結片部を巻取ったリテーナ、及び、側壁部の下方部位、から構成される嵌合部に、外嵌させており、上板部と下板部との底板部からの突出方向に沿って、押え部材を所定の嵌合部側へ単に押圧すれば、押え部材の嵌合作業を完了させることができることから、押え部材の嵌合作業を簡単に行なうことができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0022】
第1実施形態のエアバッグ装置M1は、図1・2に示すように、助手席前方のインストルメントパネル(以下、インパネと略す)Pの部位に配設されるものであり、折り畳まれたエアバッグ1と、リテーナ4と、エアバッグ1に膨張用ガスを供給するインフレーター8と、エアバッグ1・インフレーター8を保持するケース11と、折り畳まれたエアバッグ1を覆う蓋体22と、押え部材24と、を備えて構成されている。
【0023】
エアバッグ1は、ポリエステル糸やポリアミド糸等の織布から袋状に形成されており、下部には、長方形形状に開口した開口1aが設けられている。そして、開口周縁1bには、図1・5に示すように、リテーナ4の後述する突出部5を挿通させる複数の取付孔1cが形成されている。なお、エアバッグ1の内周面側には、耐熱性を向上させるために、必要により、シリコン等の耐熱性コーティング層が設けられている。
【0024】
リテーナ4は、図1〜4に示すように、板金製として、四角環状の板状の底部4aと、底部4aの外周縁から上方へ延びるリブ4bと、を備えて構成されている。リテーナ4の平面形状は、ケース11の後述する各連結部13の横壁部14や側壁部17の横壁部17aの上面側に、載置可能な形状に形成されている。
【0025】
リテーナ4の底部4aには、周囲を切り欠いて、下方へ突出する複数(実施形態では、車両の前後方向の部位に3個ずつ)の突出部5が、形成されている。各突出部5は、ケース11の後述する各横壁部14に形成された各貫通孔14aから下方へ突出可能に形成されるとともに、下側嵌合孔6を備えて構成されている。下側嵌合孔6は、ケース11の各横壁部14から後述する縦壁部15へ向かう横方向に沿って、貫通しており、底部5aと、底部5aの両縁から上方へ延びて、リテーナ4の底部4aに連結される側部5b・5bと、に囲まれて、形成されている。下側嵌合孔6の開口形状は、押え部材24の後述する下側嵌合片26を挿入可能な長方形形状としている。
【0026】
インフレーター8は、図1・2に示すように、ガス吐出口8bを有した円柱状の本体8aと、本体8aの一方の端部に配置されて本体8aより大径のフランジ部8cと、本体8aの他方の端部に配置されたボルト部8dと、を備えて構成されている。
【0027】
ケース11は、図1〜3に示すように、板金製として、折り畳んだエアバッグ1を収納する上部室12と、インフレーター8を収納する下部室18と、を備えて構成されている。上部室12は、車両の前後方向に配置される連結部13・13と、車両の左右方向に配置される側壁部17・17と、を備えて、略四角筒形状に形成されている。各連結部13は、リテーナ4と蓋体22の後述する側壁部22cとを連結する部位である。各側壁部17は、連結部13・13相互を連結するように、連結部13の後述する横壁部14や縦壁部15と同様(但し後述する貫通孔14aや係止脚15aを除く)な横壁部17aと縦壁部17bとから構成されている。
【0028】
各連結部13は、それぞれ、ケース11の下部室18の上縁側で、横方向の外方へ突出する横壁部14と、横壁部14の先端から上方へ延びて蓋体側壁部22cの内側に配置される縦壁部15と、から構成されている。各横壁部14には、上下方向に貫通して、リテーナ4の各突出部5を挿通可能な複数の貫通孔14aが形成されている。各縦壁部15には、周囲を切り起こされて横方向の外方へ突出する複数(実施形態では3個ずつ)の係止脚15aが形成されている。各係止脚15aは、蓋体22の後述する側壁部22cに設けられた係止孔22dに挿入係止され、挿入係止時の係止孔22dから外方へ突出する位置には、上下方向に貫通する上側嵌合孔16が形成されている。上側嵌合孔16の開口形状は、押え部材24の後述する上側嵌合片28を挿入可能な長方形形状としている。
【0029】
ケース11の下部室18は、各横壁部14・17aの内周縁から下方へ略四角筒形状に延びる周壁19と、周壁19の下端を塞ぐように配置される底壁20と、から構成されている。周壁19の車両の左右方向の部位には、左右方向に貫通する大小の挿通孔19a・19bがそれぞれ形成されている。挿通孔19aは、インフレーター8の本体8aを挿通可能としてフランジ部8cを挿通不能とする内径寸法とし、挿通孔19bは、インフレーター8のボルト部8dを挿通可能な内径寸法としている。そして、インフレーター8は、ボルト部8dを、挿通孔19aを経て挿通孔19bから突出させるとともに、フランジ部8cを挿通孔19aの周縁に当接させ、ボルト部8dにナット9を螺合させることにより、下部室18に収納保持されている。
【0030】
なお、ケース11には、車両に固定する際に使用する図示しない取付ブラケットが形成されている。
【0031】
蓋体22は、図1・2・5に示すように、オレフィン系やスチレン系等の熱可塑性エラストマー等から形成され、折り畳まれたエアバッグ1を収納したケース上部室12の上方を覆うように配置されている。蓋体22は、周囲に薄肉の破断予定部22bを設けて、エアバッグ1の膨張時に開く2つの扉部22a・22aを備えて構成されている。実施形態の場合、破断予定部22bは、上方から見てH字形状に配置されており、「H」字の横棒部位の前後に配置された扉部22a・22aが、エアバッグ1の膨張時、破断予定部22bを破断させて、それぞれ、図1の二点鎖線で示すように、前後方向に開くこととなる。
【0032】
また、蓋体22には、破断予定部22bの周囲から四角筒形状に下方へ延びて、ケース上部室12の縦壁部15・17bの外側に配置される側壁部22cが形成されている。側壁部22cの車両の前後方向の部位には、各係止脚15aを挿入させて、周縁を係止脚15aに係止させる係止孔22dが形成されている。
【0033】
なお、実施形態の蓋体22は、インパネPと一体的に形成されている。そして、実施形態のインパネPは、ポリプロピレン等の剛性の高い合成樹脂製として、蓋体22の部位やその周縁を熱可塑性エラストマー製とした二色成形品としている。
【0034】
押え部材24は、ケース11の車両の前後方向に配置される各連結部13をそれぞれ外側から覆えるように、横板部25と、横板部25の端部から上方へ延びる縦板部27と、からなる断面略L字形の板金製として構成されている。そして、横板部25は、ケース11の横壁部14の下面に当接可能として、先端には、リテーナ4における横壁部14の各貫通孔14aから下方へ突出した突出部5の各下側嵌合孔6に嵌合可能な下側嵌合片26が、形成されている。また、縦板部27は、係止孔22dを有した側壁部22cの部位の外側面に当接可能として、上端には、ケース縦壁部15における側壁部22cの各係止孔22dから突出した係止脚15aの各上側嵌合孔16に嵌合可能な上側嵌合片28が、形成されている。
【0035】
第1実施形態のエアバッグ装置M1の組付けを説明すると、まず、エアバッグ1内にリテーナ4を配置させて、各突出部5を開口周縁1bの取付孔1cから突出させ、エアバッグ1を折り畳む。エアバッグ1を折り畳んだ後には、エアバッグ1が復元して折りを解消しないように、破断可能な薄い熱収縮フィルム等の包装袋2(図1・2参照)で、折り畳んだエアバッグ1を包む。
【0036】
ついで、エアバッグ1の取付孔1cから突出している各突出部5を、ケース横壁部14の下面から突出するように貫通孔14aに貫通させつつ、エアバッグ1の開口周縁1bを間で挟むように、リテーナ4を各横壁部14・17a上に配置させる。
【0037】
その後、ケース下部室18の挿通孔19a側からボルト部8dを挿入させ、ボルト部8dを挿通孔19bから突出させるとともに、フランジ部8cを挿通孔19a周縁に当接させ、ボルト部8dにナット9を螺合させて、ケース11にインフレーター8を収納保持させる。なお、インフレーター8のケース11への組付けは、リテーナ4のケース11への結合前に行なっておいても良い。
【0038】
そして、蓋体22をケース上部室12の縦壁部15・17bに外装させ、上側嵌合孔16の部位を側壁部22cから突出させるように、側壁部22cの各係止孔22dに係止脚15aを挿入係止させる。
【0039】
さらに、図5に示すように、横板部25と縦板部27とを相互に接近させるように交差部24aで各押え部材24を曲げつつ、各上側嵌合片28を各係止脚15aの上側嵌合孔16に嵌合させ、かつ、各下側嵌合片26を各突出部5の下側嵌合孔6に嵌合させれば、エアバッグ装置M1の組付けが完了するとともに、エアバッグ装置M1をインパネPに組付けることができる。その後、インパネPを車両に組み付ければ、エアバッグ装置M1を車両に搭載することができる。
【0040】
なお、エアバッグ装置M1の組付完了状態では、リテーナ4におけるケース横壁部14から下方へ突出する各突出部5が、下側嵌合孔6に挿入される押え部材24の各下側嵌合片26を挿入させて、閂を掛けられた状態となって、ケース連結部13の横壁部14に確実に連結されることとなり、その結果、エアバッグ1の開口周縁1bが、そのリテーナ4の底部4aに押えられて、ケース連結部13の横壁部14に、強固に連結されることとなる。また、蓋体22の側壁部22cは、係止孔22dが、ケース連結部13の縦壁部15における係止脚15aに係止され、係止脚15aが、その上側嵌合孔16に挿入される押え部材24の各上側嵌合片28により、閂を掛けられた状態となる。そのため、各上側嵌合片16が係止孔22dの周縁に当接して、各係止脚15aの係止孔22cからの抜け(係止脚15aの係止解除)が確実に防止されることから、蓋体側壁部22cが、ケース連結部13の縦壁部15に、強固に連結されることとなる。
【0041】
エアバッグ装置M1の車両への搭載後に、インフレーター8が作動されてガス吐出口8bから膨張用ガスが吐出されれば、エアバッグ1が、膨張し、扉部22a・22aを開かせ、インパネPから大きく突出することとなる。
【0042】
そして、第1実施形態のエアバッグ装置M1では、各押え部材24を、連結部13に対する側壁部22cとリテーナ4とを連結させる部位の嵌合部(下側・上側嵌合孔6・16)に嵌合させて、リテーナ4を連結部13の横壁部14に連結させるとともに、係止脚15aの係止解除を規制して、側壁部22cを連結部13の縦壁部15に連結させている。
【0043】
すなわち、第1実施形態のエアバッグ装置M1では、構成部品点数と組付工数とを増加させる複数のボルト・ナットを全く使用することなく、単に、所定の嵌合部位6・16に、押え部材24の嵌合片26・28を嵌合させるだけで、リテーナ4をケース11の連結部13に連結させて、エアバッグ1をケース連結部13に連結させることができるとともに、蓋体22の側壁部22cをケース連結部13に連結させることができる。
【0044】
したがって、第1実施形態のエアバッグ装置M1では、構成部品点数と組付工数とを低減させて、エアバッグ1と蓋体22とをケース11に連結することができる。
【0045】
さらに、第1実施形態のエアバッグ装置M1では、押え部材24の上側嵌合片28を、側壁部22cの係止孔22dに挿入係止させた係止脚15aの上側嵌合孔16に対して、下方から挿入させて嵌合させ、さらに、押え部材24の下側嵌合片26を、リテーナ底部4aがエアバッグ1の開口周縁1bを押えた状態で、横壁部14の貫通孔14aに挿入させた突出部5の下側嵌合孔6に対して、横方向から挿入させて嵌合させており、押え部材24の上側嵌合片28と下側嵌合片26との嵌合方向が、略直交方向に交差しており、上側・下側嵌合片28・26を対応する上側・下側嵌合孔16・6に嵌合させれば、上側・下側嵌合片28・26の一方が対応する嵌合孔16・6からの抜け方向へ移動しようとしても、他方の嵌合片26・28が対応する嵌合孔6・16の周面に当接して、その移動が規制され、押え部材24を確実にケース11に連結させておくことができる。
【0046】
なお、第1実施形態のエアバッグ装置M1では、ケース11における車両の前後方向の両側に、横壁部14と縦壁部15とを備えた連結部13を配置させた場合を示したが、リテーナ4・蓋体側壁部22c・押え部材24を対応させて、ケース11における車両の左右方向の両側だけに、連結部13を配置させたり、ケース11の周方向の全周に、連結部13を配置させても良い。但し、連結部13を配置させる部位は、エアバッグ1の膨張時に開く扉部22aのヒンジ部22e(図1参照)側の部位に、配置させることが望ましい。なぜなら、扉部22aが開く際には、側壁部22cにおけるヒンジ部22eの配置された側に、上方への強い引張力が作用するため、連結部13がその引張力に対して効果的に対抗できるからである。
【0047】
また、第1実施形態では、押え部材24に、複数で同数の上側・下側嵌合片28・26を設けた場合を示したが、ケース連結部13における係止脚15aの上側嵌合孔16・蓋体側壁部22cの係止孔22d・リテーナ突出部5の下側嵌合孔6を対応させて、1つを含めた任意の数の嵌合片28・26を、1つの押え部材24に設けても良い。
【0048】
さらに、第1実施形態では、リテーナ4を環状に形成したが、周方向に分割された分割体(例えば、リテーナ4を車両の前後方向の部位で2分割したもの)で、リテーナを構成しても良い。
【0049】
第2実施形態のエアバッグ装置M2は、図6・7に示すように、第1実施形態と同様に、助手席前方に配置される助手席用のものであり、折り畳まれたエアバッグ31と、リテーナ34と、エアバッグ31に膨張用ガスを供給するインフレーター38と、エアバッグ31・インフレーター38を保持するケース41と、折り畳まれたエアバッグ31を覆う蓋体52と、押え部材54と、を備えて構成されている。
【0050】
エアバッグ31は、第1実施形態と同様に、ポリエステル糸やポリアミド糸等の織布から袋状に形成されており、下部には、長方形形状に開口した開口31aが設けられている。そして、開口周縁31bには、図6〜8に示すように、リテーナ34(34N・34S)に巻き付けるための、帯状の連結片部31c・31dが形成されている。連結片部31cは、車両の前後方向の部位に複数(実施形態では3個ずつ)配置され、連結片部31dは、車両の左右方向の部位に1つずつ配置されている。さらに、各連結片部31cの幅寸法は、連結片部31dの幅寸法より狭く、ケース41の後述する貫通孔44aに挿通可能な寸法としている。連結片部31dの幅寸法は、ケース41の後述する貫通孔44bに挿通可能な寸法としている。
【0051】
リテーナ34は、図6〜8に示すように、板金製とした平板状の棒状体として構成されるとともに、長短の2つずつのリテーナ34N・34Sが使用されている。長いリテーナ34Nは、ケース41の各貫通孔44aを挿通させた車両前後方向部位のエアバッグ31の各連結片部31cを巻取り、短いリテーナ34Sは、ケース41の各貫通孔44bを挿通させた車両左右方向部位のエアバッグ31の連結片部31dを巻取ることとなる。そして、各リテーナ34N・34Sの形状は、それぞれ、連結片部31c・31dを巻取った際の幅寸法や長さ寸法等が、各貫通孔44a・44bを挿通不能となるように、設定されている。実施形態の場合、各リテーナ34N・34Sの幅寸法が、ケース41の各貫通孔44a・44bの開口幅寸法より、大きく設定されている。
【0052】
インフレーター38は、図6・7に示すように、第1実施形態と同様に、ガス吐出口38bを有した円柱状の本体38aと、本体38aの一方の端部に配置されて本体38aより大径のフランジ部38cと、本体38aの他方の端部に配置されたボルト部38dと、を備えて構成されている。
【0053】
ケース41は、図6・7・9に示すように、板金製として、折り畳んだエアバッグ31を収納する上部室42と、インフレーター38を収納する下部室48と、を備えて構成されている。上部室42は、車両の前後左右に配置される連結部43により、略四角筒形状に形成されるとともに、蓋体52の後述する側壁部53の内側部位に配置可能に構成されている。
【0054】
各連結部43は、それぞれ、下部室48の上縁から横方向の外方へ突出するフランジ部44と、フランジ部44の外縁から上方へ延びる縦壁部46と、を備えて構成されている。縦壁部46は、後述する係止脚45を配置させた部位で、分断されたように形成されるとともに、蓋体52の後述する側壁部53の内側面に沿って延びるように形成されている。
【0055】
各フランジ部44は、上下方向に貫通して、エアバッグ開口周縁31bに設けられた帯状の連結片部31c・31dを挿通可能な貫通孔44a・44bと、横方向の先端に配置させた係止脚45と、を備えて構成されている。
【0056】
車両の前後方向の位置に配置されるフランジ部44F・44Bには、長さ寸法を短くして開口し、それぞれ、エアバッグ31の既述の連結片部31cを挿通させる3個の貫通孔44aが形成され、車両の左右方向の位置に配置されるフランジ部44L・44Rには、長さ寸法を長くして開口し、それぞれ、エアバッグ31の既述の連結片部31dを挿通させる貫通孔44bが形成されている。なお、フランジ部44F・44B・44L・44Rは、下部室48の上縁側で、四角環状に連続している。
【0057】
各係止脚45は、先端に、後述する蓋体側壁部53の外側面における係止孔53aの下縁周縁53bを係止可能な、下方へ屈曲する鉤部45aを、備えて構成されている。そして、車両の前後方向に配置される係止脚45F・45Bは、それぞれ、フランジ部44F・44Bに3個ずつ設けられている。車両の左右方向に配置される係止脚45L・45Rは、フランジ部44L・44Rに1個ずつ設けられて、係止脚45F・45Bより幅寸法を大きくしている。
【0058】
ケース41の下部室48は、各フランジ部44F・44B・44L・44Rの内周縁から下方へ略四角筒形状に延びる周壁49と、周壁49の下端を塞ぐように配置される底壁50と、から構成されている。周壁49の車両の左右方向の部位には、左右方向に貫通する大小の挿通孔49a・49bがそれぞれ形成されている。挿通孔49aは、インフレーター38の本体38aを挿通可能としてフランジ部38cを挿通不能とする内径寸法とし、挿通孔49bは、インフレーター38のボルト部38dを挿通可能な内径寸法としている。そして、インフレーター38は、ボルト部38dを、挿通孔49aを経て挿通孔49bから突出させるとともに、フランジ部38cを挿通孔49aの周縁に当接させ、ボルト部38dにナット39を螺合させることにより、下部室48に収納保持されている。
【0059】
なお、ケース41には、車両に固定する際に使用する図示しない取付ブラケットが形成されている。
【0060】
蓋体52は、図6・7・10に示すように、オレフィン系やスチレン系等の熱可塑性エラストマー等から形成され、折り畳まれたエアバッグ31を収納したケース上部室42の上方を覆うように配置されている。蓋体52は、周囲に薄肉の破断予定部52bを設けて、エアバッグ31の膨張時に開く2つの扉部52a・52aを備えて構成されている。破断予定部52bは、第1実施形態と同様に、上方から見てH字形状に配置されており、「H」字の横棒部位の前後に配置された扉部52a・52aが、エアバッグ31の膨張時、破断予定部52bを破断させて、それぞれ、図6の二点鎖線で示すように、前後方向に開くこととなる。
【0061】
また、蓋体52には、破断予定部52bの周囲から四角筒形状に下方へ延びて、ケース上部室42の縦壁部46の外周面側に配置される側壁部53が形成されている。
【0062】
車両の前後方向の側壁部53F・53Bには、各係止脚45F・45Bを挿入させて、外側面側の下縁周縁53bを係止脚45F・45Bの鉤部45aに係止させる3個ずつの係止孔53aが、形成されている。側壁部53F・53Bの各係止孔53aの下方には、係止孔53aの下方の縁側全体の部位53cを内側に曲げ可能に、薄肉のヒンジ部53dが形成されている。下方部位53cにおける係止孔53aの直下の位置には、折り曲げた際の下面側となる位置に、それぞれ、係止凹部53eが形成されている。各係止凹部53eには、押え部材54の後述する係止爪56aが係止されることとなる。
【0063】
また、車両の左右方向の側壁部53L・53Rにも、係止脚45L・45Rを挿入させて、外側面側の下縁周縁53bを係止脚45L・45Rに係止させる1個ずつの係止孔53aが形成され、さらに、係止孔53aの下方に、薄肉のヒンジ部53dが形成されて、係止孔53aの下方の下方部位53cを内側に折り曲げ可能としている。さらにまた、側壁部53L・53Rの下方部位53cにも、押え部材54の係止爪56aを係止させる係止凹部53eが形成されている。
【0064】
なお、第2実施形態の蓋体52は、インパネと別体とされて、インパネに設けられた開口部に配置されるように構成されている。
【0065】
押え部材54は、図6・7・11・12に示すように、車両の前後方向の位置に配置される長い押え部材54Nと、車両の左右方向の位置に配置される短い押え部54Sと、の2種類から構成されている。そして、各押え部材54N・54Sは、それぞれ、長短のリテーナ34N・34Sと略等しい長さとして、上下で対向する上・下板部55・56と、上・下板部55・56を連結する底板部57と、を備えた断面略U字形の棒状体として構成されている。各下板部56には、周囲を切り欠いて、先端を底板部57側の上板部55側へ向かうように、周囲を切り欠いて、係止爪56aが形成されている。長い押え部材54Nには、側壁部53F・53Bの3個ずつの係止凹部53eに対応して、係止爪56aが3個形成され、短い押え部材54Sには、側壁部53L・53Rの係止凹部53eに対応して、係止爪56aが1個形成されている。また、各押え部材54N・54Sの上板部55は、蓋体側壁部53の係止孔53aに挿入されて、ケースフランジ部44の上面に当接する部位となる。そのため、押え部材54Nの上板部55は、離れた3個の係止孔53aに挿入されることから、先端面に、側壁部53(53F・53B)と干渉しないように、凹部55aが形成されている。そして、押え部材54N・54Sの上・下板部55・56間の開口寸法H(HN・HS)は、係止脚45、連結片部31c・31dを巻取ったリテーナ34N・34S、及び、側壁部53の下方部位53c、から構成される嵌合部59(59N・59S)(図13参照)に、外嵌できるように、嵌合部59N・59Sの厚さ寸法と略等しい寸法に設定されている。
【0066】
第2実施形態のエアバッグ装置M2の組付けを説明すると、まず、エアバッグ31を折り畳む。
【0067】
また、ケース下部室48の挿通孔49a側からボルト部38dを挿入させ、ボルト部38dを挿通孔49bから突出させるとともに、フランジ部38cを挿通孔49a周縁に当接させ、ボルト部38dにナット39を螺合させて、ケース41にインフレーター38を収納保持させる。なお、インフレーター38のケース41への組付けは、ケース41にエアバッグ31や蓋体側壁部53を連結させた後に、行なっても良い。
【0068】
そして、エアバッグ31の各連結片部31c・31dを、対応する貫通孔44a・44bに挿通させて、各フランジ部44の下面側から出しつつ、折り畳んだエアバッグ31をケース41の上部室42内に配置させ、その状態で、折り畳んだエアバッグ31を蓋体52の側壁部53の内側に挿入する。
【0069】
そして、図13のAに示すように、ケースフランジ部44の各係止脚45F・45B・45L・45Sを、蓋体側壁部53の対応する係止孔53aに挿入させ、鉤部45aを外側面側の下縁周縁53bに係止させるとともに、連結片部31c・31dを対応する各リテーナ34N・34Sに数回巻きつける。
【0070】
ついで、図13のBに示すように、連結片部31c・31dを巻き取ったリテーナ34を、フランジ部44F・44B・44L・44Rの下面側に配置させて、蓋体側壁部53における係止孔53aの下方部位53cを、折り曲げて、連結片部31c・31dを巻取ったリテーナ34に当てる。
【0071】
そして、上板部55を、係止孔53aに挿入させて係止脚45の上面側に当て、かつ、各押え部材54の下板部56を、折り曲げた下方部位53cに当接させるように、各押え部材54を、係止脚45、連結片部31c・31dを巻取ったリテーナ34、及び、側壁部53の下方部位53c、から構成される嵌合部59に対して、各底板部57を鉤部45aを当接させるように、外嵌させるとともに、下方部位53の係止凹部53dに、係止爪56aを係止させれば、エアバッグ装置M2の組付けが完了する。
【0072】
その後、インパネを車両に組み付けるとともに、エアバッグ装置M2を車両とインパネとに組み付ければ、エアバッグ装置M2を車両に搭載することができる。
【0073】
なお、エアバッグ装置M2の組付時には、ケース41の車両の前後左右のそれぞれの部位で、順次、リテーナ34による連結片部31c若しくは連結片部31dの巻取り工程、リテーナ34の対応するフランジ部44の下面側への配置工程、側壁部53の下方部位53cの折り曲げ工程、押え部材54の嵌合部59への嵌合工程、を行ない、その後、隣のフランジ部44の部位、あるいは、反対側や残りのフランジ部44の部位で、リテーナ34への連結片部31c・31dの巻取り工程、下方部位53cの折り曲げ工程、押え部材54の嵌合工程の上述の作業を繰り返して行なって、エアバッグ装置M2を組み付けても良い。あるいは、各フランジ部44の部位で、同時に、リテーナ34への連結片部31c・31dの巻取り工程、下方部位53cの折り曲げ工程、押え部材54の嵌合工程の上述の作業を行なって、エアバッグ装置M2を組み付けても良い。
【0074】
そして、エアバッグ装置M2の組付完了状態では、連結片部31c・31dを巻取ったリテーナ34が、フランジ部44と側壁部53の下方部位53cとに挟まれ、さらに、フランジ部44・連結片部31c・31dを巻取ったリテーナ34・下方部位53c(嵌合部59)が、押え部材54によって、挟持される態様となることから、リテーナ34が回転を規制されて、巻取った連結片部31c・31dを解くことが無く、かつ、連結片部31c・31dを巻取ったリテーナ34がフランジ部44の貫通孔44a・44bから抜け不能に構成されているため、エアバッグ31が、リテーナ34を介して、ケース連結部43のフランジ部44に、強固に連結されることとなる。
【0075】
また、各係止脚45の先端の鉤部45が、蓋体側壁部53の外側面における係止孔53aの下縁周縁53bを係止した状態で、蓋体側壁部53の下方部位53cが、フランジ部44・連結片部31c・31dを巻取ったリテーナ34とともに、押え部材34によって挟持されることから、各係止脚45が、係止孔53aに対して上下方向に移動せず、各係止脚45の係止解除が防止され、蓋体側壁部53が、ケース連結部43のフランジ部44に強固に連結されることとなる。
【0076】
エアバッグ装置M2の車両への搭載後に、インフレーター38が作動されてガス吐出口38bから膨張用ガスが吐出されれば、エアバッグ31が、膨張し、扉部52a・52aを開かせ、インパネPから大きく突出することとなる。
【0077】
そして、第2実施形態のエアバッグ装置M2では、各押え部材54を、連結部43に対する側壁部53とリテーナ34とを連結させる部位の嵌合部59に嵌合させて、リテーナ34を連結部43のフランジ部44に連結させるとともに、係止脚45の係止解除を規制して、側壁部53を連結部43のフランジ部44に連結させている。
【0078】
すなわち、第2実施形態のエアバッグ装置M2でも、構成部品点数と組付工数とを増加させる複数のボルト・ナットを全く使用することなく、単に、所定の嵌合部59に、押え部材54を嵌合させるだけで、リテーナ34をケース41の連結部43に連結させて、エアバッグ31をケース連結部43に連結させることができるとともに、蓋体52の側壁部53をケース連結部43に連結させることができる。
【0079】
したがって、第2実施形態のエアバッグ装置M2でも、構成部品点数と組付工数とを低減させて、エアバッグ31と蓋体52とをケース41に連結することができる。
【0080】
さらに、第2実施形態のエアバッグ装置M2では、係止脚45、連結片部31c・31dを巻取ったリテーナ34、及び、側壁部53の下方部位53c、から構成される嵌合部59に対して、断面略U字状の押え部材54を、外嵌させており、押え部材54における上板部55と下板部56との底板部57からの突出方向に沿って、押え部材54を嵌合部59側へ単に押圧すれば、押え部材54の嵌合作業を完了させることができることから、嵌合作業を簡単に行なうことができる。
【0081】
さらにまた、第2実施形態では、押え部材54の嵌合部59への嵌合時、押え部材54の下板部56に設けた係止爪56aを、側壁部53の下方部位に設けた係止凹部53eに係止させて、押え部材54の嵌合部59からの抜けが防止されており、蓋体側壁部53やエアバッグ31のケース連結部43におけるフランジ部44への連結を、一層、確実にすることができる。なお、嵌合部59から押え部材54の抜け防止を図る係止構造は、第2実施形態のように、下板部56に係止爪56a等の係止突起を設け、下方部位53cに係止凹部53eを設ける他、下方部位53c側に、係止突起を設け、下板部56側に、その係止突起に係止される係止凹部を設けたり、あるいは、上板部55とフランジ部44とに、係止突起やその係止突起に係止される係止凹部を設けても良い。
【0082】
なお、第2実施形態のエアバッグ装置M2では、ケース41の車両の前後左右の部位に、エアバッグ31の連結片部31c・31d・リテーナ34・連結部43・押え部材54等を配置させた場合を示したが、扉部52a・52aが開く際のヒンジ部52c(図6参照)側の車両の前後方向の部位だけに、エアバッグ31の連結片部31c・リテーナ34・連結部43・押え部材54等を配置させて、エアバッグ装置を構成しても良い。
【0083】
また、第2実施形態では、ケース41の車両の前後方向の部位の押え部材54Nを、複数の係止孔53aに挿入可能に構成したが、凹部55aの部位で押え部材54Nを分断して、各係止孔53aに挿入させるように、押え部材を構成しても良い。
【0084】
さらに、第2実施形態では、押え部材54の上板部55を、ケース41の係止脚45を挿入させる係止孔53aに挿入させるように構成したが、上板部55がケース連結部43のフランジ部44の上面に当接して、押え部材54が、フランジ部44・連結片部31c・31dを巻取ったリテーナ34・下方部位53cからなる嵌合部59を挟持するように嵌合できれば、上板部55を係止孔53aに挿入させることなく、側壁部53に、係止孔53aの近傍で横方向に貫通する挿通孔を設けて、その挿通孔に上板部55を挿入させるように構成しても良い。但し、第2実施形態のように、押え部材54の上板部55を、挿通孔と兼用となって、係止脚45を挿入させる係止孔53aに挿入させるように、構成すれば、側壁部53に設ける孔の数を少なくできて、側壁部53の引張強度の低下を招かず、かつ、穴明けの加工工数の増加を抑えることができる。
【0085】
さらにまた、第2実施形態では、エアバッグ31の連結片部31c・31dを巻取ったリテーナ34を、押え部材54によって、フランジ部44の下面側に押えて、貫通孔44a・44bに対してリテーナ34を挿通不能とするとともに、連結片部31c・31dのリテーナ34からの外れを防止した構造を示した。しかし、図14・15に示すエアバッグ装置M3のように構成しても良い。
【0086】
このエアバッグ装置M3では、エアバッグ31の連結片部31c・31dを巻取ったリテーナ34を、ケース連結部43のフランジ部44に形成した係止脚65を利用して、フランジ部44の下面側に押えている。この係止脚65は、第2実施形態の係止脚45が、鉤部45a・折曲部45b・先端部45cと、を備えて、第2実施形態の係止脚45より長くなるような形状に形成され、さらに、エアバッグ装置M3の組付前の状態では、図16に示すように、鉤部45a・折曲部45b・先端部45cが、全長にわたって真直ぐに延びるように、形成されている。
【0087】
そして、このエアバッグ装置M3の組付けは、まず、エアバッグ31を折り畳むとともに、ケース下部室48にインフレーター39を収納保持させる。
【0088】
その後、エアバッグ31の各連結片部31c・31dを、対応する貫通孔44a・44bに挿通させて、各フランジ部44の下面側から出しつつ、折り畳んだエアバッグ31をケース41の上部室42内に配置させ、その状態で、折り畳んだエアバッグ31を蓋体52の側壁部53の内側に挿入する。
【0089】
そして、ケースフランジ部44の各係止脚65を、蓋体側壁部53の対応する係止孔53aに挿入させるとともに、連結片部31c・31dを対応する各リテーナ34に数回巻きつける。
【0090】
ついで、連結片部31c・31dを巻き取ったリテーナ34を、フランジ部44の下面側に配置させて、蓋体側壁部53における係止孔53aの下方部位53cを折り曲げるとともに、鉤部45aを形成するように係止脚65を塑性変形させて折り曲げ、さらに、先端部45cが下方部位53cに当接して、リテーナ34をフランジ部44の下面に圧接させるように、折曲部45bを塑性変形させて折り曲げれば、エアバッグ装置M3の組付けを完了させることができる。
【0091】
このようなエアバッグ装置M3でも、組付け完了状態では、連結片部31c・31dを巻取ったリテーナ34が、側壁部53の下方部位53cとともに、フランジ部44と係止脚65の先端部45cとに挟まれることとなることから、リテーナ34が回転を規制されて、巻取った連結片部31c・31dを解くことが無く、かつ、連結片部31c・31dを巻取ったリテーナ34がフランジ部44の貫通孔44a・44bから抜け不能に構成されているため、エアバッグ31が、リテーナ34を介して、ケース連結部43のフランジ部44に、強固に連結されることとなる。
【0092】
また、各係止脚65の鉤部45aが、蓋体側壁部53の外側面における係止孔53aの下縁周縁53bを係止した状態で、各係止脚65が、折り曲げた下方部位53cを包む構造となるため、係止孔53aに対して上下方向に移動せず、各係止脚65の係止解除が防止され、蓋体側壁部53が、ケース連結部43のフランジ部44に強固に連結されることとなる。
【0093】
そして、このエアバッグ装置M3でも、構成部品点数を増加させる複数のボルト・ナットを全く使用することなく、単に、ケース連結部43の係止脚65を長くして、曲げ加工するだけで、エアバッグ31と蓋体側壁部53とをケース連結部43に連結することができることから、エアバッグ装置M3の構成部品点数を低減することができる。
【0094】
なお、第1・2実施形態では、助手席用のエアバッグ装置について例示したが、エアバッグや蓋体の側壁部をケースに取り付けるエアバッグ装置であれば、本発明を実施することができることから、ステアリングホイールのエアバッグ装置、車両のシートに設けるエアバッグ装置、車両の車内側の内壁部位に設けるエアバッグ装置等に、本発明を応用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示すエアバッグ装置の縦断面図である。
【図2】同実施形態の縦断面図であり、図1のII−II部位に対応する。
【図3】同実施形態のリテーナ・ケース・押え部材を示す分解斜視図である。
【図4】同実施形態のリテーナの部分縦断面図である。
【図5】同実施形態の押え部材の嵌合時を示す部分断面図である。
【図6】第2実施形態を示すエアバッグ装置の縦断面図である。
【図7】同実施形態の縦断面図であり、図6の VII− VII部位に対応する。
【図8】同実施形態のエアバッグの連結片部とリテーナとを示す斜視図である。
【図9】同実施形態のケースの平面図である。
【図10】同実施形態の蓋体側壁部を示す斜視図である。
【図11】同実施形態の押え部材の一つを示す斜視図である。
【図12】同実施形態の押え部材の他の一つを示す斜視図である。
【図13】同実施形態の組付け状態を説明する部分断面図である。
【図14】変形例のエアバッグ装置を示す縦断面図である。
【図15】同変形例の縦断面図であり、図14のXV−XV部位に対応する。
【図16】同変形例のケースの平面図である。
【符号の説明】
1・31…エアバッグ、
1b・31b…開口周縁、
4・34…リテーナ、
4a…底部、
5…突出部、
6…(嵌合部)下側嵌合孔、
8・38…インフレーター、
11・41…ケース、
13・43…連結部、
14…横壁部、
14a・44a・44b…貫通孔、
15…縦壁部、
15a・45…係止脚、
16…(嵌合部)上側嵌合孔、
22・52…蓋体、
22a・52a…扉部、
22c・53…側壁部、
22d・53a…係止孔、
24・54…押え部材、
25…横板部、
26…下側嵌合片、
27…縦板部、
28…上側嵌合片、
31c・31d…連結片部、
44…フランジ部、
45a…鉤部、
53b…下縁周縁、
53c…下方部位、
55…上板部、
56…下板部、
57…底板部、
59…嵌合部、
M1・M2…エアバッグ装置。

Claims (1)

  1. 折り畳まれたエアバッグと、該エアバッグに膨張用ガスを供給するインフレーターと、前記エアバッグと前記インフレーターとを収納保持するケースと、折り畳まれた前記エアバッグを覆って、前記エアバッグの膨張時に開く扉部を有した蓋体と、を備えて構成され、
    前記蓋体が、前記扉部の周囲から下方へ延びて、横方向に貫通する係止孔を有した側壁部を備え、
    前記ケースが、上部に、横方向の外方へ突出して、前記エアバッグの膨張用ガス流入用の開口の周縁と前記蓋体の側壁部とを連結可能な連結部を配置させ、
    前記連結部が、前記係止孔に挿入係止させる係止脚を備え、
    前記エアバッグの開口周縁が、リテーナを利用して、前記連結部に連結されるとともに、
    前記蓋体の側壁部が、前記係止脚を前記係止孔に挿入係止させ、さらに、前記係止脚の係止解除を規制するために、前記連結部に連結される押え部材を利用して、前記連結部に連結されているエアバッグ装置であって、
    前記押え部材が、前記連結部に対する前記側壁部と前記リテーナとを連結させる部位に、嵌合されて、前記リテーナを前記連結部に連結させるとともに、前記係止脚の係止解除を規制して、前記側壁部を前記連結部に連結させる構成として、
    前記連結部が、少なくとも前記ケースの両側における前記蓋体側壁部の内側に配置されるとともに、それぞれ、前記ケースの上部で横方向の外方へ突出するフランジ部を備えて構成され、
    該フランジ部が、上下方向に貫通して、前記エアバッグの開口周縁に設けられた帯状の連結片部を挿通可能な貫通孔と、横方向の先端に配置された前記係止脚と、を備えて構成され、
    前記係止脚が、前記蓋体側壁部の外側面における前記係止孔周縁の下縁を係止可能な鉤部を備え、
    前記リテーナが、前記貫通孔を挿通した前記連結片部を巻取って、前記貫通孔に対して挿通不能とする形状の棒状体として構成され、
    前記押え部材が、上下で対向する上・下板部と、該上・下板部を連結する底板部と、を備えた断面略U字形の棒状体として構成され、
    前記フランジ部の係止脚を、前記側壁部の係止孔に挿入係止させ、かつ、前記リテーナを、前記貫通孔を挿通させた前記連結片部を巻取った状態で、前記フランジ部の下面側に配置させて、前記側壁部における前記係止孔の下方部位を、折り曲げて、前記連結片部を巻取った前記リテーナに当て、
    さらに、前記上板部を前記係止孔に挿入させて前記係止脚の上面側に当て、かつ、前記下板部を折り曲げた前記側壁部の下方部位に当接させるように、前記押え部材を、前記係止脚、前記連結片部を巻取った前記リテーナ、及び、前記側壁部の下方部位、から構成される嵌合部に対して、外嵌させることにより、前記リテーナを前記連結部に連結させるとともに、前記係止脚の係止解除を規制して、前記側壁部を前記連結部に連結させていることを特徴とするエアバッグ装置。
JP27520199A 1999-09-28 1999-09-28 エアバッグ装置 Expired - Fee Related JP4122653B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27520199A JP4122653B2 (ja) 1999-09-28 1999-09-28 エアバッグ装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27520199A JP4122653B2 (ja) 1999-09-28 1999-09-28 エアバッグ装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001097161A JP2001097161A (ja) 2001-04-10
JP4122653B2 true JP4122653B2 (ja) 2008-07-23

Family

ID=17552104

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP27520199A Expired - Fee Related JP4122653B2 (ja) 1999-09-28 1999-09-28 エアバッグ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4122653B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4840227B2 (ja) * 2007-03-30 2011-12-21 豊田合成株式会社 エアバッグ装置
JP2013129269A (ja) * 2011-12-20 2013-07-04 Takata Corp エアバッグ装置
JP6557593B2 (ja) * 2015-12-17 2019-08-07 株式会社イノアックコーポレーション リテーナ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2001097161A (ja) 2001-04-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6682093B2 (en) Air bag device
US7762581B2 (en) Head-protecting airbag apparatus
JPH09142242A (ja) 助手席用エアバッグ装置
US20060066081A1 (en) Airbag apparatus
JP2001322523A (ja) 助手席用エアバッグ装置及びその設置構造
JP4122653B2 (ja) エアバッグ装置
JP2001354108A (ja) エアバッグ
JPH11180240A (ja) エアバッグ装置
JP2011201424A (ja) エアバッグ装置
JP6088986B2 (ja) エアバッグ装置
JP4122642B2 (ja) エアバッグ装置
JP3915691B2 (ja) 乗員保護装置
JP6519412B2 (ja) 頭部保護エアバッグ装置
JP2001270412A (ja) エアバッグ収納用ケース
JP6319155B2 (ja) 頭部保護エアバッグ装置
JP4013679B2 (ja) 膝保護用エアバッグ装置
JP4122650B2 (ja) エアバッグ装置
JP2000025547A (ja) オーナメントの取付構造
JP4187234B2 (ja) エアバッグ装置
JPH09240411A (ja) 側突用エアバッグ装置
CN108657109B (zh) 头部保护气囊装置
JP4254679B2 (ja) エアバッグ装置
JP4067436B2 (ja) 乗員保護装置
JPH09249090A (ja) エアバッグ装置
JP3986684B2 (ja) 車両用エアバッグ装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060426

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20071228

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080108

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080306

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080408

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080421

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110516

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110516

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120516

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130516

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140516

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees