JP4121522B2 - ヘリコプター - Google Patents

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本発明は、流体放出ブームを備えたヘリコプターに関するものである。
従来より、流体放出ブームを備えたヘリコプターとして、特許文献1に開示されたヘリコプターが知られている。
特許文献1に係るヘリコプターは、機体下部の両側に2本の放水ブームを備えている。各放水ブームは、略水平面上で回動できるようにヘリコプターに支持されている。そして、各放水ブームは、未使用時には、機体に沿うようして機体軸と略平行な状態(待機状態)で待機する一方、使用時には、機体軸とのなす角が略90度となるように機体側方に突出した状態(使用状態)まで回動させられ、先端から水を放出する。
例えば、消火用ヘリコプターの場合には、ビル火災等の消火にあたって、対象となるビルに対して平行となる状態でホバリングして、2本の放水ブームのうちビルと対向する側の放水ブームを機体側方に突出させて、その先端から放水して消火を行う。このようにビルに対して平行な状態でホバリングを行いながら消火を行うことによって、万が一、消火中にヘリコプターのエンジンが停止した際に、ビルと平行に飛行して即座にビルから離れることができ、ビルとの衝突を回避することができる。
そして、ヘリコプターのホバリングの向き、即ち、ビルに対して機体のどちら側の側面を対向させてホバリングを行うかは、風向き等の飛行条件から安定なホバリングを行えるように決定される。そのため、放水ブームは、ホバリングの向きに応じて機体の左右どちら側にでも突出できるように構成される必要がある。
また、従来は、上記放水ブームは使用時においてパイロットから視認可能であることが好ましいと考えられ、上記放水ブームは機体の比較的前側に配設されていた。この比較的前側の機体下部には前脚及び主脚が設けられており、これらの脚はホバリング時には機体から下方に突出した状態となっている。つまり、1本の放水ブームで機体左右両側への放水を可能とすべく、機体下部に1本の放水ブームを設けて、この1本の放水ブームを左右両側に回動させるように構成すると、放水ブームが機体下部を通過するときに脚と干渉してしまう。したがって、この比較的前側の機体下部において放水ブームを機体の左右両側に突出可能に構成するためには、機体下部の両側方それぞれに2本の放水ブームを設けて、ヘリコプターの右側の消火を行うときには右側の放水ブームを右側方に突出させる一方、左側の消火を行うときには左側の放水ブームを左側に突出させるようにして、即ち、各放水ブームが機体各側の外方を回動するようにして、回動する放水ブームが脚と干渉しないようにしている。
ここで、放水ブームの具体的な構成を説明すると、特許文献1中では省略されているが、放水ブームは、ヘリコプターの前側下部に取り付けられた架台に設けられている。詳しくは、各放水ブームは、ブーム本体と、ブーム本体の基端部に接続され、ブーム本体の長手方向と垂直な方向に延びる回動軸部材と、架台に支持され且つ上記回動軸部材をブーム本体が略水平面上で回動できるように支持する軸受と、一端が軸受よりも前側且つ機体幅方向内方位置において架台に支持される一方、他端がブーム本体に支持される第1の油圧シリンダとからなる。そして、第1の油圧シリンダを伸縮させることによって、ブーム本体を、先端が機体前方を向いて機体軸と平行に収納された待機状態と機体の側方に突出した使用状態との間で回動させることができる。また、上記軸受は、機体幅方向に回動するように架台に支持されており、一端が軸受よりも機体幅方向内方位置において架台に支持される一方、他端が軸受に支持されている第2の油圧シリンダをさらに備えている。そして、放水ブームが機体側方に突出している使用状態において、この第2の油圧シリンダを伸縮させることによって、回動軸部材を機体幅方向に回動させ、ブーム本体を上下方向に回動させて放水点を調整することもできる。
特公平8−18596号公報
しかしながら、上記ヘリコプターでは、消火時に使用する放水ブームは左右のうちの何れか一方であり、未使用の、即ち無駄な放水ブームを1本備えた状態で消火作業を行っている。ヘリコプターのような飛行体において軽量化は特に重要な問題であり、無駄な放水ブームをなくして軽量化を図ることが望まれている。当然ながら、製造コストや生産性の観点からも、無駄な放水ブームをなくすことは好ましい。
そして、発明者の鋭意研究により、消火時に使用される放水ブームは、オペレータからさえ視認できれば、パイロットが視認できなくてもよいことがわかってきた。つまり、放水ブームを機体の比較的前側に配設する理由がなくなり、1本の放水ブームを左右に90度ずつ回動させても脚と干渉しない位置に放水ブームを自由に配置することができることがわかってきた。
ところが、上記放水ブームは、架台とブーム本体と油圧シリンダとをそれぞれ連結してなるリンク機構を形成し、油圧シリンダを伸縮させることによって油圧シリンダの往復直線運動を回動運動に変換してブーム本体を約90度回動させるように構成されており、ブーム本体を180度以上の範囲で回動制御するようには構成されていない。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、流体放出ブームを1本だけで機体の左右両側へ放水できるように構成すると共に、無駄な流体放出ブームをなくしてヘリコプターの重量及びコストを抑えることにある。
本発明は、従来のようにリンク機構によって油圧シリンダの直線運動を回動運動に変換して流体放出ブームを回動させるのではなく、回動運動をそのまま伝動して流体放出ブームを回動させるようにしたものである。
発明は、胴体及びテール部を有するヘリコプター本体と1つのヘリコプター搭載用流体放出ブームとを備えるヘリコプターが対象である。そして、前記ヘリコプター搭載用流体放出ブームは、内部に流通路を有して先端から流体を放出するブーム本体と、該ブーム本体の基端部が接続されると共に、ヘリコプターの機体下部に支持され、内部に流体が流れる流通路が形成された中空形状をしていると共に、該流通路に流体が流入する流入部と該流通路から流体が流出する流出部とを有した回動軸部材と、上記回動軸部材の流出部と上記ブーム本体の基端部とを接続すると共に、該回動軸部材の流通路と上記ブーム本体の流通路とを連通させるベロー継ぎ手と、上記回動軸部材を所定の回動軸回りに回動自在に軸支する軸受部と、内部に流体が流れる流通路が形成された中空形状をしていると共に、上記回動軸部材の上記流入部が該流通路内に位置するように該回動軸部材が液密且つ回動自在に挿通された放水継ぎ手と、回動運動する駆動部を有し、この回動運動を上記回動軸部材に伝動させて該回動軸部材を上記回動軸回りに回動させることによってブーム本体を該回動軸回りに少なくとも180度の角度範囲で回動させる軸回り回動機構と、上記回動軸部材と上記ブーム本体とを該ブーム本体の長手方向に垂直な水平軸回りに回動可能に上記ベロー継ぎ手の近傍で連結する連結部材と、一端が上記回動軸部材に支持される一方、他端が上記ブーム本体に支持され、伸縮運動する伸縮駆動部とを有していて、上記回動軸部材と共に上記回動軸回りに回動し且つ、上記伸縮駆動部を伸縮運動させることによって上記水平軸を中心に上記ブーム本体を上下方向に回動させる上記上下方向回動機構とを備え、上記回動軸部材は、上記ヘリコプター本体の最後部に位置する脚よりも後側において上記胴体下部に取り付けられ、上記ブーム本体は、不使用時には上記テール部に沿って上記ヘリコプター本体の機体軸後方に向かって配設され、上記軸回り回動機構は、上記ブーム本体を機体軸に対して少なくとも左右90度ずつ回動させるものとする。
上記の構成の場合、上記駆動部の回動運動を上記回動軸部材に伝動させることにより該回動軸部材を回動させるため、該駆動部を制御することによって回動軸部材の回動方向及び回動角度等を精度良く制御することができ、上記ブーム本体を容易に180度以上回動させることができる。
例えば、上記特許文献1に係る流体放出ブームのように油圧シリンダの往復直線運動を回動運動に変換して上記回動軸部材を回動させる構成では、ブーム本体を約180度回動させることは困難である。
ところが、本発明は、駆動部の回動運動を同じ運動形態のまま回動軸部材に伝動させるため、回動軸部材がどちらに回動するか不安定であるといったことが起こらず、駆動部の回動運動を制御することで回動軸部材の回動方向及び回動角度等を精度良く制御することができる。
ここで、上記特許文献1に係る流体放出ブームでは、回動軸部材を機体幅方向に回動させることしかできなかった。つまり、流体放出ブームが機体軸とのなす角が90度となるように側方に突出しているときは、回動軸部材を機体幅方向に回動させることによって流体放出ブームの先端を上下方向に回動させることができるが、それ以外のときは、回動角度に拘わらず回動軸部材を機体幅方向に回動させることしかできないため、流体放出ブームの先端を精度良く上下方向に回動させることができず、その結果、放出点への命中精度が低かった。
上記の構成の場合、上記上下方向回動機構は、上記回動軸部材に取り付けられて該回動軸部材と共に回動することによって、上記ブーム本体をその回動位置に拘わらず常に該ブーム本体を含む鉛直平面内で上下方向に回動させることができる。その結果、任意の回動位置において放出点を精度良く調整することができる。
また、上記の構成の場合、上記伸縮運動部の両端部をそれぞれ上記回動軸部材及びブーム本体に支持させると共に、該回動軸部材とブーム本体とを上記連結部材よって回動可能に連結することによって、該伸縮運動部、回動軸部材及びブーム本体でリンク機構を形成し、該伸縮運動部を伸縮運動させることによってブーム本体を上記連結部材を中心に上下に回動させることができる。このとき、回動軸部材とブーム本体とをベロー継ぎ手で接続すると共に、回動軸部材の流通路とブーム本体の流通路とを該ベロー継ぎ手を介して連通させることによって、ブーム本体が上下方向に回動しても、該ブーム本体の回動にベロー継ぎ手が柔軟に追従して回動軸部材の流通路とブーム本体の流通路との連通状態を維持するため、該流体放出ブームを上下方向に回動させても流体を放出することができる。
尚、上記軸回り回動機構は、上記回動軸部材に対して上記回動軸と同軸に取り付けられた従動歯車と、上記駆動部によって回動駆動される駆動歯車とを有しており、該従動歯車と該駆動歯車とはそれぞれの軸が公差又は食い違った状態で噛合しているものとしてもよい。
上記の構成の場合、上記駆動歯車を回動駆動させることによって、上記従動歯車を回動させて上記回動軸部材を所定の回動軸回りに回動させることができる。特に、駆動歯車としてのウォームと従動歯車としてのウォームギヤとからなるウォームギヤ機構を採用した場合には、ウォームギヤ機構はセルフロック機能によりウォームホイールからウォーム側には回動が伝わらないため、ヘリコプター飛行中に流体放出ブームが揺動しても、その揺動が駆動部まで伝わらず、駆動部が破損することを防止することができる。
上記の構成の場合、流体放出ブームが1本となるため、従来の流体放出ブームを2本備えた構成と比較して、軽量化が図れると共に、製造コスト及び生産性を向上させることができる。
また、上記の構成の場合、上記ヘリコプターの最後部に位置する脚よりも後側の位置に取り付けた流体放出ブームを機体後側を回して回動させることによって、流体放出ブームを機体下部に配設して、機体軸に対して少なくとも左右90度、合計180度回動させても、該流体放出ブームと脚とが干渉することがなく、1本の流体放出ブームで機体の左右両側での流体の放出を行うことができる。
また、流体放出ブームを不使用時において、ブーム本体を上記回動軸回りに回動させて機体軸に沿った状態に配置するだけでなく、上記上下方向回動機構によってブーム本体を機体(例えば、ヘリコプターのテール部)の形状に沿うように上方向に回動させて、機体とより一体的な状態で収納することもできる。その結果、流体放出ブーム不使用時、即ち、通常飛行時における機体の空気抵抗を低減することができる。
本発明によれば、直線運動を回動運動に変換するリンク機構により回動軸部材を回動させるのではなく、上記駆動部の回動運動を回動軸部材に伝動させることによって回動軸部材を回動させてブーム本体を回動軸回りに回動させるため、駆動部の回動運動を制御することでブーム本体の回動方向や回動位置を精度良く制御することができ、回動角度が180度以上であっても流体放出ブームを回動制御することができる。その結果、かかる流体放出ブームを搭載したヘリコプターにおいては、1本の流体放出ブームを機体の左右両側へ回動させて、機体の左右両側に流体を放出することができ、無駄な流体放出ブームをなくしてヘリコプターを軽量化すると共にコストを低減することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1〜3は、本発明に係るヘリコプター搭載用流体放出ブームを備えたヘリコプターの概略を示す。符号Hは消火用ヘリコプターであって、胴体11と該胴体11の後部に設けられ、該胴体11よりも細いたテール部12とからなる。これら胴体11及びテール部12によってヘリコプター本体が構成される。この消火用ヘリコプターHは胴体11上部にロータRが設けられ、胴体11下部の前側であって機体幅方向中央位部には前脚13、13が、胴体11下部の後側であって機体幅方向両側部には主脚14、14が設けられている。これら前脚13、13及び主脚14、14は、機体内部に格納される格納状態と機体外部に降下させた降下状態とに切り換えられる。
また、胴体11下部において主脚14、14よりも後側位置であって機体幅方向中央位置には、流体放出ブームとしての、1つの放水ブーム3が設けられている。このヘリコプターHは、放水ブーム3の先端から水を放出することによって消火を行う。詳しくは後述するが、放水ブーム3は、固定ブーム30と伸縮ブーム40とからなるブーム本体4を有している。そして、未使用時にはブーム本体4を縮めて、機体軸Xに沿って配置した待機状態(図1参照)とする一方、消火時にはブーム本体4を延伸させて、ヘリコプターHの機体軸Xとのなす角が略90度となるように機体側方に突出させた使用状態(図2、3参照)で消火作業を行う。
さらに、胴体11内部には最前部にコックピット15が設けられ、コックピット15よりも後方のスペースは、人や物資等を搭載するスペースとなっている。そして、胴体11内部において上記放水ブーム3の上方位置にはオペレータ席16が設けられており、このオペレータ席16に着座したオペレータが、放水ブーム3を視認しながら操作制御盤19を操作して、該放水ブーム3を操作する。
そして、胴体11の床11aには、上方に開口する第1放水タンク21aが凹設されていて、この第1放水タンク21aを覆うように胴体11内部から第2放水タンク21bが床11aに着脱可能に取り付けられている。この第2放水タンク21bは第1放水タンク21aと連通しており、これら第1放水タンク21aと第2放水タンク21bとで1つの放水タンク21が構成される。
上記第1放水タンク21a内には放水ポンプ22が設けられ、放水ポンプ22には放水配管23の上流端が接続されている。この放水配管23は機体後方へ向かって延び、その下流端が後述の放水ブーム3に接続されていて、放水タンク21内の消火用水Wを放水ブーム3に供給できるように構成されている。また、この放水ポンプ22は、油圧配管18の下流端が接続されていて、後述する油圧源91によって油圧駆動される。
また、第1放水タンク21aには、胴体11外部から自己給水装置24(図1にのみ図示)が接続されている。自己給水装置24は、第1放水タンク21aから下方に垂れるように設けられる給水ホース24aと、給水ホース24aの下端に接続された給水ポンプ24bとからなる。この給水ポンプ24bをダム等に浸水させ、放水タンク21へ給水を行う。尚、給水ホース24aはクイックディスコネクタ(図示省略)を介して第1放水タンク21aに着脱可能に取り付けられている。
上記放水ブーム3は、図4に示すように、ブーム本体4と、このブーム本体4の基端部に設けられた回動軸部材5と、回動軸部材5を回動可能に支持すると共に、上記胴体11下部に取り付けられる軸受6と、回動軸部材5を回動駆動する軸回り回動機構7と、ブーム本体4を上下方向に回動させる上下方向回動機構8とを有する。
上記回動軸部材5は、図5に示すように、回動軸Yに沿って上下方向に延びる円柱形状の軸本体5aと軸本体5aの下端部から垂直に折れ曲がった流出部5bとを有する略L字形状をしている。この回動軸部材5の内部には、軸本体5aの長手方向略中央位置から流出部5bまで延びる流通路51が形成されている。そして、軸本体5aの側周面において流通路51の上流端部に対応する位置には、流入部としての、流通路51に連通する4つの流入口52、52、…が軸本体5aの径方向に開口している。また、流出部5bの端面には、流通路51の流出口53が開口している。こうして、軸本体5aの流入口52、52、…から回動軸部材5の流通路51内に流入した消火用水Wは、流出部5bの流出口53から流出する。
上記軸受6は、図5に示すように、鉛直方向に拡がる板状の鉛直板部材61aと鉛直板部材61aの上端から水平方向に拡がる上側水平板部材61bと鉛直板部材61aの上下方向略中央位置から水平方向に拡がる下側水平板部材61cとからなる側面視略F字形状をした軸受本体61を備えている。この軸受本体61は、上側水平板部材61b及び下側水平板部材61cにそれぞれ上側軸受部62及び下側軸受部63が同軸状に設けられ、これら上側軸受部62及び下側軸受部63で回動軸部材5の軸本体5aを軸支する。
また、上記軸受6は、上記放水配管23と上記回動軸部材5とを接続する放水継ぎ手64を備えている。この放水継ぎ手64は、上流端に設けられたフランジ64aと下流端に設けられたカップリング部64bとを有し、内部に消火用水Wが流れる流通路64cが形成された管状部材である。このフランジ64aに、上記放水配管23の下流端のフランジ23aが接続される。カップリング部64bは、上記流通路64cと連通し、該流通路64cから流れてくる消火用水Wが滞留する拡大部64dが内部に形成された円盤形状部材であって、その上壁部及び下壁部それぞれには挿通孔64e、64eが形成されている。この挿通孔64e、64eを介して回動軸部材5が該カップリング部64bを貫通している。この挿通孔64e、64eには、回動軸部材5との間をシールするシール部材64f、64fが設けられており、拡大部64dは液密に保持されている。この回動軸部材5がカップリング部64bに挿嵌された状態では、回動軸部材5の流入口52、52、…が拡大部64d内に位置している。つまり、回動軸部材5が回動軸Y回りに回動しても、放水継ぎ手64の流通路64cを流れてきた消火用水Wは、拡大部64dにおいて回動軸部材5の流入口52、52、…から回動軸部材5内の流通路51内へ流入する。
このように、軸受6には、下方から順に下側軸受部63、カップリング部64b及び上側軸受部62が同軸上に配置されており、回動軸部材5の軸本体5aがこれら下側軸受部63、カップリング部64b及び上側軸受部62へ下方から挿入される。そして、回動軸部材5は、軸本体5aの下端部に設けられたストッパ部54が下側軸受部63と当接するまで挿入され、この状態で、軸本体5aの、上側軸受部62及び下側軸受部63の直上位置に抜け止め部材65、65が取り付けられる。
こうして上側軸受部62及び下側軸受部63に軸支された回動軸部材5は、上記軸回り回動機構7によって回動駆動される。この軸回り回動機構7は、回動軸部材5の下端部に上記回動軸Yと同軸に設けられた従動歯車としてのウォームホイール71と、上記軸受6の鉛直板部材61aの下端部であって上側水平板部材61b及び下側水平板部材61cと反対側に設けられ、回動運動するウォーム駆動部73と、ウォーム駆動部73に連結されて該ウォーム駆動部73に回動駆動され且つウォームホイール71と噛合する駆動歯車としてのウォーム72とを有する。こうして、ウォーム駆動部73の回動運動がウォーム72及びウォームホイール71を介して回動軸部材5へ伝動され、該回動軸部材5が回動軸Yを中心に回動する。
また、回動軸部材5の流出部5bには、ブーム本体4の基端部がベロー継ぎ手39を介して接続されており、このベロー継ぎ手39を介して回動軸部材5の流通路51は、後述の、ブーム本体4を構成する固定ブーム30の流通路31aと連通している。こうして、上記放水ポンプ22によって放水タンク21から供給される消火用水Wは、放水配管23、放水継ぎ手64、回動軸部材5及びベロー継ぎ手39を介して、固定ブーム30の流通路31aへ流れ込む。
そして、このブーム本体4は、上記上下方向回動機構8によって上下方向に回動するように構成されている。上下方向回動機構8は、図4に示すように、回動軸部材5と上記ブーム本体4とを該ブーム本体4の長手方向に垂直な水平軸Z(図6参照)回りに回動可能に、ベロー継ぎ手39の近傍で連結する連結部材81と、一端が回動軸部材5に支持される一方、他端がブーム本体4に支持される油圧シリンダ82とを備えている。
上記連結部材81は、図4、6に示すように、回動軸部材5の流出部5bにおいて該流出部5bを挟んで設けられた2つの軸側連結片5c、5cと、固定ブーム30の基端部において該基端部を挟んで設けられた2つのブーム側連結片37、37と、各軸側連結片5cと各ブーム側連結片37とをブーム本体4の長手方向に垂直な水平軸Z回りに回動可能に連結するピン81aとからなる。このブーム側連結片37、37は、固定ブーム30の上流端部において流出部5b側に突出する軸連結部37aと、軸連結部37aと反対側に延びて固定ブーム30の上方へ突出するシリンダ連結部37bとを有している。この軸連結部37aが軸側連結片5cと連結されている。
上記油圧シリンダ82は、回動軸部材5の上端部に取り付けられたシリンダ82aと、シリンダ82aから突出し且つブーム本体4に取り付けられたピストンロッド82bとを有する。さらに詳しくは、シリンダ82aの基端部は、回動軸部材5の上端部に設けられた取付片5dに対して、該取付片5dを通り上記水平軸Zと平行な軸回りに回動可能に取り付けられている。一方、ピストンロッド82bの先端部は、上記ブーム側連結片37、37のシリンダ連結部37bに対して、該シリンダ連結部37bを通り上記水平軸Zと平行な軸回りに回動可能に取り付けられている。尚、シリンダ連結部37bには、一端が固定ブーム30の下流端部に取り付けられたステイ38の他端が取り付けられており、このステイ38によって固定ブーム30の下方への撓みが抑制されている。
このように構成された上下方向回動機構8は、油圧シリンダ82を伸縮駆動させることによって、軸側連結片5cとブーム側連結片37との連結部(ピン81a)を中心にブーム本体4を上下方向に回動させることができる。また、軸側連結片5cとブーム側連結片37との連結部(ピン81a)はベロー継ぎ手39の近傍に位置するため、このようにブーム本体4が上下方向に回動しても、ベロー継ぎ手39が柔軟に撓むことによって回動軸部材5の流通路51と固定ブーム30の流通路31aとの連通状態は維持され、消火用水Wを回動軸部材5からブーム本体4へ流入させつつ、ブーム本体4の上下方向への回動位置を調節することができる。
また、上下方向回動機構8はブーム本体4を上下に回動させるだけでなく、連結部材81が、回動軸部材5の流出部5bとブーム本体4の基端部との接続を補強する機能を果たすと共に、油圧シリンダ82が、ステイ38と共に、ブーム本体4の撓みを防止する機能を果たす。つまり、回動軸部材5の流出部5bとブーム本体4の基端部とは上記ベロー継ぎ手39によって接続されており、このベロー継ぎ手39だけであっても、ブーム本体4を上下方向に回動可能に回動軸部材5に接続することができる。しかし、ベロー継ぎ手39だけでは強度が弱いため、それぞれ回動軸部材5の流出部5bとブーム本体4の基端部とに接合された軸側連結片5cとブーム側連結片37とを連結することによって、回動軸部材5の流出部5bとブーム本体4の基端部との接続を補強している。また、基端部が回動軸部材5に接続されて片持ち状態となったブーム本体4は、ステイ38によって下方への撓みが抑制されているが、このステイ38の一端部には、回動軸部材5の上端部に取り付けられた油圧シリンダ82のピストンロッド82bが接続されている。つまり、ステイ38及び油圧シリンダ82によって1つのステイが形成され、このステイによってブーム本体4の先端に作用する下方への曲げ荷重が回動軸部材5の上端部に作用することなる。つまり、油圧シリンダ82は、ブーム本体4を上下方向に回動させるだけでなく、ブーム本体4の撓みも防止している。
このように構成された放水ブーム3は、回動軸部材5を軸支する軸受6を上記胴体11下部に取り付けることによって、ヘリコプターHに機体外部から取り付けられる。詳しくは、上記軸受本体61の鉛直板部材61aには、上側水平板部材61bと反対側の位置に上側取付部66が、下側水平板部材61cと反対側の位置に下側取付部67が形成されている(図4参照)。そして、図1に示すように、上側取付部66は、胴体11下部の機体幅方向中央位置であって主脚14、14よりも後側位置に設けられた機体側取付部(図示省略)に取り付けられる。また、下側取付部67は、胴体11下部であって主脚14、14の機体幅方向外方位置に設けられた左右の機体側取付部17、17に取り付けられる。さらに詳しくは、図7に示すように、各下側取付部67に2本のステイ17a、17aの一端部が取り付けられており、これらステイ17a、17aの他端部はそれぞれ左右の機体側取付部17、17に取り付けられている。つまり、下側取付部67、67を合計4本のステイ17a、17a、…によって左右の機体側取付部17、17に取り付けられる。こうして、胴体11に取り付けられた放水ブーム3は、回動軸部材5の回動軸Xが鉛直方向に延びて、ブーム本体4を水平方向に回動させるように配置される。
ここで、ブーム本体4についてさらに詳しく説明する。ブーム本体4は、固定ブーム30と、この固定ブーム30内に設けられ、固定ブーム30内を摺動して伸縮する伸縮ブーム40とで構成されている。
上記固定ブーム30は、図4、5に示すように、流通路31aが内部に形成された固定パイプブーム31を有し、この固定パイプブーム31の基端部はベロー継ぎ手39によって上記回動軸部材5の流出部5bに接続されていて、ベロー継ぎ手39を介して回動軸部材5の流通路51と固定パイプブーム31の流通路31aとが連通している。この固定パイプブーム31の先端(図4の右側)には、図8に示すように、軸受32が複数のボルト32a、32aによって固定されている。軸受32は、筒部32bとリング体32cとで構成されている。このリング体32cにはキー溝32dが形成されている。また、軸受32は、エンジン抽気用ホース32kが接続され且つ該軸受32と後述する摺動パイプブーム41の外周面及びピストン41dとで形成されるシリンダ35内にエンジン抽気を注入するための圧縮エア給気孔32eと、該シリンダ35から空気を排出するための圧縮エア排気孔32fと、該圧縮エア排気孔32fに設けられ該圧縮エア排気孔32fからの空気の排出を制御する電動排気弁32gと、ソレノイド32hによって作動し上下に回動するロック片32i、リング体32cの直下流側に設けられたスプリング32jとを有する。一方、固定パイプブーム31の基端部(図4の左側)の内周には、図9、10に示すように、後述するニードル軸33を支持する支持金具34が設けられている。支持金具34は、消火用水Wが固定ブーム30の流通路31a内を通過することができるように4つの板状部材で構成されている。
上記伸縮ブーム40は、図8、9に示すように、内部に流通路41aが形成され且つ外径が上記固定パイプブーム31の流通路31aよりも小径の摺動パイプブーム41を有する。この摺動パイプブーム41の先端部(図8の右側)には、放水ノズル41b及び鍔状のロック金具41cが取付けられており、このロック金具41cは固定パイプブーム31のロック片32iとロック機構を構成する。また、摺動パイプブーム41の基端部(図8の左側)の外周面には、固定パイプブーム31の内周面に挿嵌されるピストン41dが取付けられており、このピストン41dの外周にはOリング状のパッキング41e、41eが填め込まれている。また、摺動パイプブーム41の外周には、上記キー溝32dに係合するキー41fが長手方向に延びて設けられており、摺動パイプブーム41は、キー41fがキー溝32dに係合した状態で上記軸受32のリング体32cを貫通している。こうして、摺動パイプブーム41は、外周面が軸受32のリング体32cに案内され、またピストン41dが固定パイプブーム31の内周面に沿って摺動することによって、固定パイプブーム31の内部をその長手方向に移動することができるように構成されている。そして、伸縮ブーム40は、放水ノズル41b及びロック金具41cを除いた略全ての部分が固定パイプブーム31内に収納された収納状態と、ピストン41dを除いた略全ての部分が固定パイプブーム31の先端から突出した延伸状態との間で伸縮することができる。この間、摺動パイプブーム41はキー41fと軸受32のキー溝32dによって回転止めされている。
上記ニードル軸33は、図4、8、9に示すように、その外径が摺動パイプブーム41の流通路41a(図8、9に図示)よりも少し小径に形成され、上記収納状態にある摺動パイプブーム41の流通路41a内に挿嵌されている。また、ニードル軸33は、基端部が固定パイプブーム31の支持金具34に固定される一方、先端部は軸受32の直前まで延び且つその端部には細径のガイド33aが形成されている。
また、上記のように構成されたヘリコプターHは、図1に示すように、胴体11下部であって、第1放水タンク21aよりも前側位置に機体外部から機体外部から取り付けられたパワーパック9を備えている。このパワーパック9は、図11に示すように、略矩形状の扁平薄形のハウジング90を有しており、このハウジング90内には、上記放水ポンプ22を駆動するための油圧源91と、上記放水ブーム3の軸回り回動機構7(ウォーム駆動部73)、上下方向回動機構8(油圧シリンダ82)、放水ポンプ22、ロック機構(ソレノイド32h)、電動排気弁32g及び油圧源91等を制御する制御器92と、電源ボックス93とが内蔵されている。また、パワーパック9には、上記油圧配管18を接続するための油圧配管コネクタ94、94、制御配線を接続するための制御配線コネクタ95及び電源配線を接続するための電源配線コネクタ96が設けられている。
上記油圧源91は、油圧ポンプ91a、91aと、リザーバタンク91bと、フィルタ91cと、オイルクーラ91dと、冷却ファン91eとを有している。この油圧ポンプ91a、91aが駆動されると、フィルタ91cを介してリザーバタンク91bからオイルが油圧ポンプ91a、91aに吸入・吐出されて、油圧配管コネクタ94を介して油圧配管18へオイルが圧送される。そして、圧送されたオイルによって油圧配管18の下流端に接続された放水ポンプ22が駆動される。放水ポンプ22の駆動に用いられたオイルは油圧配管18及び油圧配管コネクタ94を介してリザーバタンク91bへ戻る。パワーパック9内の油圧配管には上記オイルクーラ91dが介設されており、このオイルクーラ91dを流通するオイルは上記冷却ファン91eによって冷却される。
上記制御器92は、機内のオペレータが操作する操作制御盤19と制御配線コネクタ95を介して配線されており、オペレータの操作制御盤19への操作に従って、上記軸回り回動機構7、上下方向回動機構8、放水ポンプ22、ソレノイド32h(ロック機構)、電動排気弁32g又は油圧源91等を駆動制御する。
上記電源ボックス93には、電源配線コネクタ96を介して、軸回り回動機構7(ウォーム駆動部73)及び自己給水装置(給水ポンプ24b)等の電動装置が接続されていて、各装置に電力を供給する。
このパワーパック9は、これら油圧源91、制御器92及び電源ボックス93等をパッケージ化して、胴体11への機体外部からの着脱を容易とするためのものであり、ハウジング90には、4つの取付部99、99、…が設けられている。そして、これら4つの取付部99、99、…を介してパワーパック9が胴体11下部に機体外側から取り付けられている(図1参照)。
これら、放水タンク21、放水ポンプ22、放水配管23、自己給水装置24、放水ブーム3、パワーパック9、油圧配管18及び操作制御盤19によってヘリコプター搭載用放水システムが構成される。
次に、上記のように構成されたブーム本体4の放水動作を説明する。ヘリコプターHの飛行中であって消火以外のときには、放水ブーム3は、伸縮ブーム40が固定ブーム30内に収納された収納状態となっている(図1の二点鎖線参照)。そして、消火用水Wを放水するときは、機内のオペレーターが図示しない駆動装置によって電動排気弁32gを大気に解放し、上記ロック機構を解放して、放水ポンプ22を作動させる。すると、放水タンク21から固定ブーム30へ消火用水Wが流れ込む。
この消火用水Wの水圧が摺動パイプブーム41のピストン41dの上流側面に加わり、摺動パイプブーム41は押圧され固定ブーム30から突出していく。このときの消火用水Wはパッキング41e、41eによって、固定ブーム30の軸受32と摺動パイプブーム41のピストン41dで形成されたシリンダ35内に入るようなことがない。また、このシリンダ35内の空気は圧縮エア排気孔32f及び電動排気弁32gを通って大気に排出される。つまり、伸縮ブーム40の突出速度は電動排気弁32gからの排気速度で決定される。
この作動中、ニードル軸33は、摺動パイプブーム41の流通路41aに内挿しており、該流通路41aを塞いでいる状態になっている。このため、消火用水Wは、摺動パイプブーム41内に殆ど流れ込むことができず、放水ノズル41bから放水されない。摺動パイプブーム41のピストン41dが固定ブーム30の軸受32に接近するとスプリング32jを圧縮して停止する。
そして、伸縮ブーム40が略突出し終わったとき、伸縮ブーム40のピストン41dは、ニードル軸33のガイド33aの所まで移動している(図8参照)。このため、摺動パイプブーム41はニードル軸33から抜け出た状態になっており、開放された流通路41aの上流端から消火用水Wが流れこみ、放水ノズル41bから放水される。このとき、放水ノズル41b(図3参照)はヘリコプターHのローターRの回転領域の外に突出しているため、ローターの吹き降ろし風によって噴霧が乱れるようなことが殆どない。
放水が完了すると、放水ポンプ22を停止し、電動排気弁32gを閉じ、ヘリコプターHのエンジンの抽気を圧縮エア給気孔32eから注入する。すると、ピストン41dと軸受32によって形成されたシリンダ35内にエンジン抽気が注入され、伸縮ブーム40が固定ブーム30の中に引込まれ、収納される。伸縮ブーム40の略全体が固定ブーム30に収納されると、伸縮ブーム40の下流端に設けられたロック金具41cはロック片32iに係合し、伸縮ブーム40の収納状態を保持する。
続いて、このように構成された放水ブーム3を備えたヘリコプターHの消火作業について説明する。このヘリコプターHは、高層ビルの火災や山火事等、地上からの消火作業では不十分又は地上からの消火作業ができない状況において上空から放水して消火作業を行う。
まず、消火地点等に向かう通常の飛行時には、ブーム本体4は、伸縮ブーム40が収納状態となっており且つ、このブーム本体4が機体軸Xに沿って後方に延びた待機状態となっている。この待機状態においては、ブーム本体4は、上記上下方向回動機構8によって水平状態から少し上方に回動させられて、先端が斜め上方に上がって機体のテール部12に沿った状態となっている(図1の二点鎖線参照)。こうして、飛行時には、ブーム本体4をテール部12に沿わせるように配置することによって飛行時の空気抵抗を低減することができる。
そして、消火時においては、上下方向回動機構8によってブーム本体4を水平状態に戻すと共に、上記軸回り回動機構7によって該ブーム本体4を回動軸Y回りに回動させて、ブーム本体4の先端が消火対象の方を向くように配置される。このブーム本体4は、上記待機状態から左右に略100度ずつ合計略200度の角度範囲で回動することができ、この角度範囲内でブーム本体4の回動位置を調整する。このとき、放水ブーム3は、伸縮ブーム40を固定ブーム30から延伸させた延伸状態となっている。この伸縮ブーム40の延伸は、ブーム本体4を消火対象の向きまで回動させた後に行ってもよいし、消火対象の向きへ回動させる前に又は回動させながら行ってもよい。このように、伸縮ブーム40を伸ばした状態で放水を行うことによってロータRの吹き下ろし風によって放水ノズル41bからの噴霧が乱れることを防止することができると共に、放水ノズル41bを機体から遠ざけることによって消火対象とヘリコプターHとの距離を保って消火することができる。
これらブーム本体4の回動及び伸縮や放水ブーム3からの放水は、オペレータが操作制御盤19を操作することによって実行される。
例えば、ビル火災の消火においては、図3に示すように、ヘリコプターHは対象となるビルBに対して平行となる状態でホバリングしながら消火作業を行う。こうすることによって、消火作業中に万が一、ヘリコプターHのエンジンが停止した場合には、ビルBと平行に飛行して即座にビルBから離れて、ビルBとの衝突を回避することができる。このホバリングの向きは、風向き等の飛行条件から安定なホバリングを行えるように決定される。そして、ヘリコプターHは、ビルBに対して平行にホバリングした状態において、上記放水ブーム3をビルB側の機体側方に突出させて、その先端から放水して消火を行う。例えば、図3に示すように、ビルBを左側に臨む向きにホバリングする場合には、ブーム本体4を機体軸Xとのなす角が90度となるまで左側方に回動させる。そして、軸回り回動機構7によって水平方向位置(図2の矢印参照)を、上下方向回動機構8によって上下方向位置(図3の矢印参照)を調整して、放水ノズル41bから放水点へ向かって消火用水Wを放出する。このブーム本体4は、上述の如く、待機状態から左右に略100度ずつの角度範囲で回動することができるため、機体軸Xとのなす角が90度の状態からさらに機体前方側へさらに10度程度、水平方向位置を調整することができる。尚、ヘリコプターHのホバリングの向きが反対向きの場合には、ブーム本体4を機体の右側方に回動させて、上記と同様に消火作業を行う。
また、このヘリコプターHは、消火以外にも、人や物資の運搬といった通常のヘリコプターとしての機能も果たす。つまり、消火以外の目的で使用される場合には、胴体11に機体外部から取り付けられている上記放水ブーム3、自己給水装置24及びパワーパック9を取り外すと共に、胴体11に機体内部から取り付けられている第2放水タンク21b及び操作制御盤19を取り外す。詳しくは、上記放水ブーム3は、上記軸受6の上側取付部66及びステイ17aを胴体11から取り外し、放水継ぎ手64のフランジ64aを放水配管23のフランジ23aから取り外すことによって、胴体11から取り外すことができる。自己給水装置24は、クイックディスコネクタを解除することによって給水ホース24aを第1放水タンク21aから取り外すことができる。パワーパック9は、4つの取付部99、99、…を取り外すことによって、胴体11から取り外すことができる。また、胴体11内部においては、第2放水タンク21bを床11aから取り外すと共に、第1放水タンク21aを蓋で塞ぐ。操作制御盤19は、パワーパック9の制御配線コネクタ95から配線を外すことによって胴体11から取り外すことができる。こうすることによって、消火以外の通常使用時には、消火作業にのみ使用される装備をヘリコプターHから取り外して、ヘリコプターHの軽量化を図ると共に、胴体11内部のスペースを拡大することができる。
したがって、上記実施形態によれば、ウォームホイール71、ウォーム72及びウォーム駆動部73からなるウォームギヤ機構によって回動軸部材5を回動させることによって、ウォーム駆動部73の回動運動を運動形態を直線運動等に変換することなく、回動運動のまま回動軸部材5に伝動させることができるため、ウォーム駆動部73の回動運動を制御することによって、回動軸部材5即ちブーム本体4の回動方向及び回動角度等を精度良く制御することができる。その結果、油圧シリンダを含むリンク機構によってブーム本体を回動させる、即ち、往復直線運動を回動運動に変換してブーム本体を回動させる従来の構成のように回動軸部材がどちらに回動するか不安定であるといったことが起こらないため、ブーム本体4を180度以上の角度範囲であっても容易に回動させることができると共に、180度以上の角度範囲であっても、ブーム本体4の回動方向及び回動位置等を精度良く制御することができる。
そして、上記放水ブーム3は、ブーム本体4を180度以上回動させることができるため、この放水ブーム3をヘリコプターHに搭載することによって、1本の放水ブーム3を機体軸Xに対して左右に少なくとも90度ずつ合計180度回動させて、左右両側の消火作業を1本の放水ブーム3で行うヘリコプターHを構成することができる。その結果、放水ブームを左右両側に合計2本備えていた従来の構成と比べて、軽量化が図れると共に、製造コストの低減及び生産性の向上を図ることができる。
また、放水ブーム3は、胴体11下部であって主脚14、14の後側位置に取り付けられると共に、ブーム本体4は、この取付位置よりも後側を回って回動させられる。ヘリコプターHは前脚13、13及び主脚14、14を降ろした降下状態でホバリングを行う必要があるが、上記のように構成することによって、ブーム本体4を左右に90度ずつ回動させても該ブーム本体4と前脚13、13又は主脚14、14とが干渉することを防止することができる。
また、軸回り回動機構7を回動軸部材5及び軸受6に取り付けると共に、上下方向回動機構8を回動軸部材5及びブーム本体4に取り付けることによって、放水ブーム3をコンパクトに構成することができ、従来のような、回動軸部材、軸回り回動機構及び上下方向回動機構等を取り付ける架台を省略することができ、放水ブーム3を軽量化することができると共に、取り付け時の作業性も向上させることができる。
また、上記放水ブーム3は、ヘリコプターHに配設されると共に、回動軸部材5が胴体11に取り付けられた軸受6によって支持される片持ち状態であるため、ヘリコプターHが飛行中にはブーム本体4が揺動し易い。そこで、放水ブーム3は、軸回り回動機構7としてウォームギヤ機構を採用している。ウォームギヤ機構はセルフロック機能によりウォームホイール71からウォーム72へは回動が伝わらないため、ブーム本体4が揺動しても、その揺動がウォーム駆動部73までは伝わらず、該ウォーム駆動部73が破損することを防止することができる。
さらに、上記上下方向回動機構8の油圧シリンダ82は、回動軸部材5と、該回動軸部材と共に回動するブーム本体4とに取り付けられているため、油圧シリンダ82を含む上下方向回動機構8も、回動軸部材5と共に回動する。そのため、ブーム本体4を水平方向の回動位置に拘わらず常にブーム本体4を含む鉛直平面内で上下方向に回動させることができる。例えば、ブーム本体4が斜め後方に向かって延び、機体軸Xとのなす角が45度となる回動位置で放水を行う場合、ブーム本体4を機体幅方向にしか回動させることができない従来の構成と異なり、該ブーム本体4を含む鉛直平面内で上下方向に回動させることができる。つまり、ブーム本体4を任意の回動位置において上下方向への向きを調整して、放水点を精度良く制御することができる。また、放水ブーム3をこのように構成することによって、放水ブーム3が上記待機状態のときに、ブーム本体4をテール部12に沿うように上方に回動させた位置に配置することができ、ブーム本体4をヘリコプターHの形状に沿った状態で待機させて、空気抵抗を低減することができる。
《その他の実施形態》
本発明は、上記実施形態1について、以下のような構成としてもよい。すなわち、放水ブーム3を機体側方に突出させてビル火災の消火作業を行なう場合について説明したが、放水ブーム3は機体に沿わせたままで飛行方向の後方に伸ばして消火作業を行なうこともできる。
また、上記放水ブーム3は、ブーム本体4を200度回動させて、機体軸Xに対して左右100度ずつ回動させることができるように構成されているが、ブーム本体4を少なくとも180度回動させて、機体軸Xに対して左右90度ずつ回動させることができればよい。
さらに、上記軸回り回動機構7は、ウォームギヤ機構を採用しているが、これに限られるものではない。すなわち、すぐばかさ歯車等の交差軸歯車機構やねじ歯車等の食い違い軸歯車機構を採用してもよい。また、回動運動する駆動部と、該駆動部に連結された平歯車からなる駆動ギヤと、該駆動ギヤと噛合し且つ回動軸部材5に連結された平歯車からなる従動ギヤとによって構成される平歯車からなるギヤ機構を採用してもよい。さらに、回動軸部材5に直接モータを取り付け、該モータによって回動軸部材5を回動軸Y回りに直接回動させるように構成してもよい。つまり、回動運動する駆動部の該回動運動を運動形態を変換せずに回動軸部材5に伝動させる構成であればよい。
さらにまた、上記上下方向回動機構8は、連結部材81と油圧シリンダ82とによって構成されているが、油圧シリンダ82の代わりに、空気圧シリンダや、ラックとピニオンとを用いた電動式の直線運動アクチュエータ等、往復運動をする任意のアクチュエータを採用することもできる。
また、上記ブーム本体4は、固定ブーム30と伸縮ブーム40とからなる伸縮式となっているが、これに限られるものではない。すなわち、ブーム本体4の全長が一定のものであってもよい。
さらに、ニードル軸33は図12に示すように設けられていなくても、伸縮ブーム40を固定ブーム30から突出させることができる。しかし、ニードル軸33は、伸縮ブーム40が固定ブーム30から突出し終わるまで、消火用水Wを殆ど止めておくことができるため、消火用水Wを節約する役目を有している。
さらにまた、放水ノズル41bは放水効率を高めるため、やや上方に向けて構成してもよい。
また、放水ブーム3は、消火用水Wを放水することの他に、粉末状の殺虫剤や除草剤等の薬剤を散布することもできることは勿論、任意の流体を放出することができる。また、上記ヘリコプターHの放水ブーム3は専ら消火の用途に用いられるものであるが、これに限られず、樹木への殺虫剤の散布やゲリラ等への上空からの放水等に用いることもできる。
以上説明したように、本発明は、流体放出ブームを簡易な構成にして軽量化を図ると共に、コストを低減することができるため、上空から水等の流体を散布するヘリコプターに有用である。
本発明の実施形態に係るヘリコプター搭載用放水ブームを備えたヘリコプター側面図である。 ヘリコプターの平面図である。 ヘリコプターの正面図である。 ヘリコプター搭載用放水ブームを側方から見た一部断面図である。 回動軸部材を側方から見た一部断面図である。 油圧シリンダ周辺を上方から見た詳細図である。 図5のVII−VII線における断面図である。 固定ブームと摺動ブームとの連結部分の詳細図であり、ブームの長手方向に沿った一部断面図である。 ニードル軸を支持する支持金具周辺の詳細図であり、ブームの長手方向に沿った一部断面図である。 図9のX−X線における断面図である。 パワーパックを示す概略図である。 ニードル軸を設けないヘリコプター搭載用放水ブームの概略図である。
符号の説明
H ヘリコプター
X 機体軸
Y 回動軸
Z 水平軸(ブーム本体の長手方向に垂直な水平軸)
11 胴体(ヘリコプター本体)
12 テール部(ヘリコプター本体)
13 前脚(脚)
14 主脚(脚)
3 放水ブーム(ヘリコプター搭載用流体放出ブーム)
31a 流通路
37 ブーム側連結片(連結部材)
39 ベロー継ぎ手
4 ブーム本体
5 回動軸部材
5b 流出部
5c 軸側連結片(連結部材)
51 流通路
52 流入口(流入部)
7 軸回り回動機構
71 ウォームホイール(従動歯車)
72 ウォーム(駆動歯車)
73 ウォーム駆動部(回動運動する駆動部)
8 上下方向回動機構
81 連結部材
81a ピン(連結部材)
82 油圧シリンダ(伸縮駆動部)

Claims (1)

  1. 胴体及びテール部を有するヘリコプター本体と、ヘリコプター搭載用流体放出ブームとを備え、
    前記ヘリコプター搭載用流体放出ブームは、
    内部に流通路を有して先端から流体を放出するブーム本体と、
    該ブーム本体の基端部が接続されると共に、ヘリコプターの機体下部に支持され、内部に流体が流れる流通路が形成された中空形状をしていると共に、該流通路に流体が流入する流入部と該流通路から流体が流出する流出部とを有した回動軸部材と、
    上記回動軸部材の流出部と上記ブーム本体の基端部とを接続すると共に、該回動軸部材の流通路と上記ブーム本体の流通路とを連通させるベロー継ぎ手と、
    上記回動軸部材を所定の回動軸回りに回動自在に軸支する軸受部と、
    内部に流体が流れる流通路が形成された中空形状をしていると共に、上記回動軸部材の上記流入部が該流通路内に位置するように該回動軸部材が液密且つ回動自在に挿通された放水継ぎ手と、
    回動運動する駆動部を有し、この回動運動を上記回動軸部材に伝動させて該回動軸部材を上記回動軸回りに回動させることによってブーム本体を該回動軸回りに少なくとも180度の角度範囲で回動させる軸回り回動機構と、
    上記回動軸部材と上記ブーム本体とを該ブーム本体の長手方向に垂直な水平軸回りに回動可能に上記ベロー継ぎ手の近傍で連結する連結部材と、一端が上記回動軸部材に支持される一方、他端が上記ブーム本体に支持され、伸縮運動する伸縮駆動部とを有していて、上記回動軸部材と共に上記回動軸回りに回動し且つ、上記伸縮駆動部を伸縮運動させることによって上記水平軸を中心に上記ブーム本体を上下方向に回動させる上記上下方向回動機構とを備え、
    上記回動軸部材は、上記ヘリコプター本体の最後部に位置する脚よりも後側において上記胴体下部に取り付けられ、
    上記ブーム本体は、不使用時には上記テール部に沿って上記ヘリコプター本体の機体軸後方に向かって配設され、
    上記軸回り回動機構は、上記ブーム本体を機体軸に対して少なくとも左右90度ずつ回動させることを特徴とするヘリコプター。
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