JP4121370B2 - 透明な熱吸収性プラスティックス成形用材料 - Google Patents
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Description
赤外線を吸収する被膜(coating)は、プラスティックスおよび複合ガラスのシートの太陽光による加熱を減少させるのに使用できることは公知である。この点に関しては、ポリチオフェンまたは可溶性のポリチオフェンの塩の薄い被膜が特に効果があることが判っている。
【0002】
このような光を吸収する複合ガラスのシートを製造するためには、ポリチオフェンの水性/アルコール性溶液を、大部分の場合シランをベースにした接合剤(bonding agent)と混合して透明なガラスシートの上に沈積させ、室温で溶媒を蒸発させる。乾燥した被膜の厚さは約0.2μmである。複合ガラスのシート(composite glass sheet)を製造するためには、ポリビニルブチラールのフィルムおよび他のガラスシートを用い該ガラスシートを145℃/10バールにおいてプレスする。このような熱吸収性複合ガラスシートは例えば独国特許第42 26 757Al号から公知である。
【0003】
さらに独国特許第41 29 282Al号においては、ポリカーボネートまたはポリメタクリク酸メチルの透明なプラスティックス・シートを断熱のためにポリチオフェンで被覆し、随時アクリレート−またはポリウレタン−ベースの保護被膜を装着することが提案されている。該特許の明細書にはポリカーボネート・フィルムの例が挙げられており、この場合このフィルムに先ず溶媒を含むポリ酢酸ビニルをベースにしたプライマーを被覆し、次いでプライマーを乾燥させ、溶媒を含む3,4−エチレンジオキシチオフェンの被膜を被覆し、溶媒を蒸発させる。この方法で被覆されたポリカーボネート・フィルムは赤外線吸収性を示す。
【0004】
上記のような熱吸収性複合ガラスシートの製造法は工業界で普通に使用されている方法ではあるが、それに対応して得られるプラスティックス・ガラスシートの被膜を実用に供することは極めて困難であることが実証されている。特に、赤外線吸収性の被膜を形成させるための公知の物質、例えばこの目的でBayer AGからBaytron(R )の商品名で市販されているような物質は、ガラスの上に被覆できるほどうまくプラスティックスの上に被覆することはできない。これらの材料によるプラスティックス表面の湿潤および該材料のプラスティックス表面に対する接合はいずれも悪く、不満足な結果しか得られない。独国特許第41 29 282Al号に記載されたポリ酢酸ビニルをベースにしたプライマーをプラスティックスシートとポリチオフェン被膜の間に配置した場合でも、ポリチオフェン化合物をプラスティックス表面に対し均一に湿潤させ耐久性をもった接合を得るには不満足であることが判っている。
【0005】
従って本発明の根底にある目的は、ポリカーボネートおよびポリ(メタ)アクリレートのようなプラスティックスの上で赤外光を吸収する公知物質に対する適用形態を提供することである。
【0006】
本発明に従えばこの目的は、重合体の基質材料(base material)(B)およびその上に形成された少なくとも一つの被膜を含んで成る透明なプラスティックスの成形体(plastics moulding)において、該基質材料(B)の少なくとも片側にエポキシおよび/またはアクリル樹脂を含む一つのプライマー被膜(G)が配置され、該プライマー被膜の表面にはポリチオフェン化合物を含む熱吸収中間被膜(heat-absorbing intermediate coating)(Z)が配置され、該中間被膜(Z)の上には引っ掻き耐性をもった被膜(scratch-resistant coating)(K)が形成されていることを特徴とするプラスティックス成形体によって達成される。
【0007】
また本発明に従えばこの目的は、重合体の基質材料(B)およびその上に形成された少なくとも一つの被膜を含んで成る透明なプラスティックス成形体において、エポキシおよび/またはアクリル樹脂およびポリチオフェン化合物を含む水性分散液を硬化させて得られる熱吸収被膜(W)が基質材料(B)の少なくとも片側に配置され、該熱吸収被膜(W)の上には引っ掻き耐性をもった被膜(K)が形成されていることを特徴とするプラスティックス成形体によって達成される。
【0008】
非常に多種類のプライマーおよび外側被膜を用い、Baytronの被膜をポリカーボネートに被覆する試みがなされた。しかし、上記の問題に関してBaytron( R )は紫外線に対する安定性および熱的安定性が不満足であることが明らかになった。
【0009】
本発明においては驚くべきことに、熱吸収性のポリチオフェン化合物はアクリルおよび/またはエポキシ樹脂をベースとする系に十分に接合し、それに対して優れた相容性(compatibility)を示し得ることが確かめられた。或る種の引っ掻き耐性をもった被膜(K)、特にポリシロキサンおよびエポキシド基を含むシランをベースにしたものはポリチオフェン化合物と組み合わせにおいて特に適していることも確かめられた。
【0010】
原理的には、本発明のプラスティックス成形体は2種の異なった形の被膜構造を含むことができる。本発明の第1の具体化例においては、アクリルおよび/またはエポキシ樹脂をベースにしたプライマー被膜(G)を先ずシート状のプラスティックス基質(B)に被覆して硬化させる。この点に関して水をベースにしたアクリルまたはエポキシ樹脂系、即ち溶媒を殆どまたは全く含まない該樹脂系が好適である。次にポリチオフェン化合物を含む熱吸収中間被膜(Z)を該プライマー被膜(G)に被覆する。この被膜組成物もまた水性系の形であること、即ち溶媒を殆どまたは全く含んでいないことが好ましい。乾燥後、引っ掻き耐性をもった被膜(K)を熱吸収中間被膜(Z)に被覆し、下側の被膜、特に敏感なポリチオフェン化合物を含む中間被膜(Z)を機械的損傷および紫外線照射から保護する。
【0011】
上記のような被膜構造を含んで成る本発明の成形体は、中間被膜(Z)を被覆するためのポリチオフェン化合物を含む被覆組成物によってプライマー被膜(G)が均一に湿潤されていることを特徴としている。また個々の被膜が互いに優れた接着性をもち、TSET(Total Solar Energy Transmission(太陽エネルギーの全伝達度))によって測定された熱吸収性が優れていることを特徴としている。
【0012】
本発明の第2の具体化例においては、ポリチオフェン化合物を含む熱吸収被膜(W)を直接、即ち前以てプライマー被膜を被覆せずに、プラスティックス基質(B)に被覆する。この目的のためには、エポキシおよび/またはアクリル樹脂およびポリチオフェン化合物を含む被覆組成物をプラスティックス基質(B)に被覆し硬化させる。この場合、水性系として、例えば水性分散物として被覆組成物を被覆することが重要である。何故ならポリチオフェン化合物をアクリルまたはエポキシ樹脂に均一に分散させことができ、また良好な湿潤度を得るできるのはこの方法だけだからである。従って水性分散物は溶媒をできるだけ少量しか、好ましくは全く含まないことが好ましい。この方法で被覆し硬化させた熱吸収被膜(W)に次に引っ掻き耐性をもった被膜(K)を被覆し、下方にある被膜を機械的な損傷および紫外線照射から保護する。
【0013】
上記の被覆構造を含む本発明の成形体は、プラスティックス基質(B)と熱吸収被膜(W)との間の接合が優れており、ポリチオフェン化合物が熱吸収被膜(W)の中に均一に分布しており、TSET(Total Solar Energy Transmission(太陽エネルギーの全伝達度))によって測定された熱吸収性が優れていることを特徴としている。
【0014】
本発明による成形体を製造するのに適した個々の成分を下記に詳細に説明する。
【0015】
重合体基質材料 (polymeric base material) (B)
重合体基質材料(B)として特に適した物質は熱可塑性材料、例えばBecker/Braun著、「Kunstofftaschenbuch」、ミュンヘン、ウィーン、Carl Hanser Verlag、1992年発行に記載された熱可塑性材料である。
【0016】
重合体の多層材料、例えば同時押し出し法(coextrusion)によって得ることができる二層材料は基質材料(B)として特に適している。
【0017】
透明な熱可塑性プラスチック、例えばポリカーボネート、ポリエステルカーボネートおよび/またはポリメタクリレートをベースにしたものが特に適している。特に適したポリカーボネートの例には、ビスフェノールAポリカーボネート単独重合体、およびビスフェノールAと1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンをベースにしたポリカーボネート共重合体が含まれる。
【0018】
重合体基質材料は例えばシート、眼鏡、光学レンズ、自動車の窓ガラスおよびプラスティックス・レンズ・カバーの形で存在することができる。
【0019】
本発明の意味におけるポリカーボネートにはポリカーボネート単独重合体およびポリカーボネート共重合体の両方が含まれる。ポリカーボネートは公知方法において直鎖または分岐していることができる。
【0020】
ポリカーボネートのカーボネート基の一部、即ち最大80モル%、好ましくは20〜最大50モル%は、芳香族のジカルボン酸エステル基で置き換えることができる。炭酸の酸残基および芳香族カルボン酸の酸残基の両方が分子鎖の中に混入されているこの種のポリカーボネートはポリエステルカーボネートである。本発明の意味においてこれらのものは一般的に「ポリカーボネート」という言葉の中に含まれる。
【0021】
ポリカーボネートは公知方法で製造することができる。ポリカーボネートを製造する適切な方法の中には、界面法によりビス−フェノールとフォスゲンから、或いはピリジン法と呼ばれる均一層法によりビス−フェノールとフォスゲンから、或いは熔融エステル化法でビス−フェノールとカルボン酸エステルから製造する方法が含まれる。これらの方法は例えばH.Schnell著、Polumer Review、第9巻、「Chemistry and Physics of Polycarbonates」、ニューヨーク、ロンドン、シドニー、Interscience Publishers,1964年発行、p.31〜76に記載されている。また上記の製造法はEncyclopedia of Polymer Science and Engineering、第2版、第11巻、1988年、p.648〜718のD.Freitig,U.Grigo,P.R.MullerおよびH.Nouvertne著の「Polycarbonates」、並びにのBecker/Braun編、Kunstoff−Handbuch、ミュンヘン、ウィーン、Carl Hanser Verlag、1992年発行、第3/1巻、p.117〜299、「ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリエステル、セルロースエステル」の項の、U.Grigo,P.K.KircherおよびP.R.Mullerによる「Polycarbonate」に記載されている。
【0022】
熔融エステル交換法は特に「Polymer Review」、ニューヨーク、ロンドン、シドニー、Interscience Publishers,1964年発行、第9巻、p.44〜51のH.Schnell著、「Chemistry and Physics of Polycarbonates」の項、および独国特許第1 031 512A号、米国特許第3 022 272号、同5 340 905号、および同5 399 659号に記載されている。
【0023】
ポリカーボネートは好ましくは重量平均分子量Mw(100mlのCH2Cl2中に0.5gを含む濃度で25℃においてCH2Cl2中の相対粘度を測定することにより決定)が12,000〜400,000g/モル、さらに好ましくは18,000〜80,000g/モル、最も好ましくは22,000〜60,000g/モルである。
【0024】
赤外線吸収性のポリチオフェン
本発明による赤外線を吸収するのに適した物質は、特に独国特許第38 13 589Al号から公知の一般式
【0025】
【化7】
【0026】
で示されるポリチオフェンを含んでいる。ここでAは随時置換されたC1〜C4アルキレン基である。
【0027】
一般式(I)の特に適したポリチオフェンは、Aが随時アルキル基により置換されたメチレン基または随時C1〜C12アルキル基もしくはフェニル基で置換されたエチレン−1,2基、或いはシクロヘキシレン−1,2基、特にメチレン−、エチレン−1,2またはプロピレン−1,2基を表すものである。
【0028】
本発明に適した他の化合物は下記式の構造単位から構成される欧州特許第0 440 957A2号から公知のポリチオフェンの可溶性の塩である。
【0029】
【化8】
【0030】
ここでR1およびR2は互いに独立に水素またはC1〜C4アルキル基を表し、また一緒になって随時置換基をもったC1〜C4のアルキレン基を表す。
【0031】
一般式(II)の構造単位を含んで成る特に適したポリチオフェンは、R1およびR2が互いに独立に水素またはメチルを表すか、或いは一緒になって随時アルキルで置換されたメチレン基、随時C1〜C12アルキル基もしくはフェニル基で置換されたエチレン−1,2基、或いはシクロヘキシレン−1,2基を表すものであり、3,4−エチレンジオキシチオフェンが特に最も適したポリチオフェン化合物である。
【0032】
ポリチオフェン化合物は、水性分散液の形で、特にポリエチレンジオキシチオフェン(PEDT)の水性分散液の形で使用することが好ましい。ポリスチレンスルフォネート(PSS)のような適当な重合体を適当な量でこれに加えることができる。この型の分散液はBayer AGから「Baytron( R )−P」の商品名で市販されている。
【0033】
本発明に従って使用できるポリチオフェン化合物の他の有利な例、およびその製造法および特性にに関しては、独国特許第38 13 589A1号および欧州特許第0 440 957A2号を参照されたい。これらの開示は本明細書に引用される。
【0034】
熱吸収中間被膜(Z)
熱吸収中間被膜(Z)は、少なくとも1種の上記種類のポリチオフェン化合物を含む被覆溶液または組成物を被覆して乾燥することにより形成される。この種の被覆溶液および組成物、並びにそれから被膜を製造する方法は例えば独国特許第38 13 589A1号および欧州特許第0 440 957A2号に詳細に記載されている。
【0035】
特に好適な熱吸収中間被膜(Z)は、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDT)の水性分散液を、特にポリスチレンスルフォネート(PSS)のような適当な重合体と組み合わせ、被覆して乾燥することにより得ることができる。この種の被覆用分散液はBayer AGから「Baytron( R )−P)」の商品名で市販されている。
【0036】
熱吸収中間被膜(Z)は一般にその被覆の厚さが0.01〜1.5μm、好ましくは0.05〜0.5μmである。
【0037】
プライマー被膜(G)
本発明に従って使用されるプライマー被膜(G)は硬化したエポキシおよび/またはアクリル樹脂を含んでいる。この被膜の被覆の厚さは好ましくは50μm未満、さらに好ましくは15μm未満、最も好ましくは1μm未満である。
【0038】
好適な一つのプライマー被膜(G)は、以後エポキシ化合物と呼ぶエポキシ官能基を多数もった化合物を、やはり以後硬化剤または交叉結合剤と呼ぶいわゆる硬化剤(hardener)と交叉結合させることによって得ることができる。
【0039】
これらのエポキシ官能基を多数有する化合物および硬化剤、並びにその製造法および使用法は例えば次の文献に記載されている:Kunstoff−Handbuch、Carl Hanser Verlag、1988年発行、第10巻、Prof Dr.Wilbrand Woebecken編、「Thermosetting plastics」、およびKunstoff−Handbuch、ミュンヘン、Carl Hanser Verlag、1971年発行、第11巻、Prof Dr.Vieweg,Dr.ReiherおよびDr.Sscheurlen編、「Polyacetals,Epoxy Resins,Fluorine−Containig Polymers,Silicones etc.」、およびClayton A.MayおよびYoshio Tanaka編、「Epoxy Resins,Chemistry and Technology」,ニューヨーク、Marcel Dekker Inc.、1973年発行。
【0040】
エポキシ化合物は下記に説明するような公知方法によって製造することができる。これらは一般に下記反応式
【0041】
【化9】
【0042】
に従ってエピクロロヒドリンと活性水素含有物質とを反応させた後脱ハロゲン化水素を行うか、或いは過酸によってオレフィンを直接エポキシ化することによって製造される。
【0043】
【化10】
【0044】
原文献を参照した製造方法の詳細は下記の文献に見出だすことができる:Encyclopedia of Polymer Science、第2版、John Wiley & Sons発行、第5巻、p.322〜382、;或いはEncyclopedia of Chemical Technology、第4版、第9巻、p730〜755;或いはUllman Enzyklopaedie der technischen Chemie、第3版、ミュンヘン−ベルリン、Urban & Schwarzenberg発行、第8巻、p.431〜437:またはUllman Encyclopedia of Industrial Chemistry、第5版、D−6940 Weinheim、VCH Verlagsgesellschaft mbH発行、第A9巻、p.531〜563。
【0045】
芳香族グリシジル化合物はエポキシ化合物として使用することができる。それらの例には下記式
【0046】
【化11】
【0047】
但し式中
n=純粋な製品に対しては0、
n=工業的な製品に対しては0〜15、
n=いわゆる進んだ技術による製品に対しては約2、または約4、または約12、
のビスフェノールAジグリシジルエーテル、
下記式
【0048】
【化12】
【0049】
のテトラブロモ−ビスフェノールA−ジグリシジルエーテル(工業的製品の臭素含量は約47〜50重量%)、
下記式
【0050】
【化13】
【0051】
但し式中工業的製品においてnは0.2〜1.4、
にほぼ対応するフェノール・ノヴォラック・グリシジルエーテル、
下記式
【0052】
【化14】
【0053】
但し工業的な製品に対してはnは1.0〜4.0、
にほぼ対応するクレゾール・ノヴォラック・グリシジルエーテル、
下記の構成成分
【0054】
【化15】
【0055】
但し上記成分の合計は100重量%、
を含んで成るビスフェノール−F−ジグリシジルエーテル(異性体の混合物として市販されている)、
下記の理想的な式
【0056】
【化16】
【0057】
をもつ(副生物が含まれている)グリオキサルテトラフェノールテトラグリシジルエーテル、
下記の式
【0058】
【化17】
【0059】
のN,N−ジグリシジルアニリン、
下記の式
【0060】
【化18】
【0061】
のp−アミノフェノールトリグリセリド、
下記の式
【0062】
【化19】
【0063】
の4,4’−ジアミノジフェニルメタンテトラグリセリドが含まれる。
【0064】
脂環式グリシジル化合物も又エポキシ化合物として使用することができる。それらの例には
下記の式
【0065】
【化20】
【0066】
のテトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、
下記式
【0067】
【化21】
【0068】
のヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、
下記式
【0069】
【化22】
【0070】
の水素化されたビスフェノールA−ジグリシジルエーテルが含まれる。
【0071】
複素環式グリシジル化合物もエポキシ化合物として使用することができる。それらの例には
下記式
【0072】
【化23】
【0073】
のトリグリシジルイソシアヌレート、
下記式
【0074】
【化24】
【0075】
のトリグリシジル−ビス−ヒダントインが含まれる。
【0076】
脂環式エポキシ樹脂に対する原料として使用できる脂環式エポキシ化合物もエポキシ化合物として使用することができる。それらの例には
下記式
【0077】
【化25】
【0078】
の3,4−エポキシシクロヘキサンカルボン酸−3,4’−エポキシシクロへキシルエステル、
下記式
【0079】
【化26】
【0080】
のビス−(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、
下記式
【0081】
【化27】
【0082】
の3−(3、4’)−エポキシシクロヘキシル)−2,4−ジオキサスピロ[5,5]−8.9−エポキシウンデカンが含まれる。
【0083】
脂肪族エポキシ樹脂に対する原料として使用できる脂肪族エポキシ化合物もエポキシ化合物として使用することができる。それらの例としては
下記式
【0084】
【化28】
【0085】
のブタン−1,4−ジオールジグリシジルエーテル、
下記式
【0086】
【化29】
【0087】
但し式中nは得られた(数平均)分子量が425g/モルになるような値である、
のポリプロピレングリコール−425−ジグリシジルエーテルが含まれる。
【0088】
本発明に従って使用できるすべてのエポキシ化合物は少なくとも2個のエポキシド基を含んでいる。
【0089】
特に好適なエポキシ化合物は芳香族構造をもたないものである。脂環式エポキシ樹脂に対する原料として使用できる脂環式エポキシ化合物は最も好適である。これらの化合物は紫外線照射に対して特に安定な被膜を与える。その製造法は例えばEncyclopedia of Polymer Science and Engineering、John Wiley & Sons発行、第6巻、p.336、および米国特許第2 716 123号に記載されている。
【0090】
使用できる適当な硬化剤の例は無水物、例えばフタル酸無水物、テトラヒドロ−、ヘキサヒドロ−、メチルテトラヒドロ−、エンドメチレンテトラヒドロ−およびメチレン−ドメチレン−テトラヒドロフタル酸無水物、ピロメリット酸、トリメリット酸、ベンゾフェノン−テトラカルボン酸の無水物、マレイン酸無水物/スチレン共重合体またはドデセニル琥珀酸無水物を含んでいる。
【0091】
また適切な硬化剤はアミン、例えば芳香族アミン、脂環式アミンおよび脂肪族アミン、例えば4,4’−ジアミノジフェニルメタンおよびそのo,o’−アルキル置換誘導体、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン、2,4−ジアミノ−3,5−ジエチルトルエン、水素化された4,4’−ジアミノジフェニルメタン、イソフォロンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジエチレントリアミンまたは同様なアミンおよび脂肪酸をベースにしたポリアミノアミドを含んでいる。
【0092】
硬化剤およびエポキシ化合物は例えば水性分散物として或いは有機溶媒中において使用することができる。好適な有機溶媒はアルコール、特にイソプロパノール、エタノール、イソプロピルグリコール、ブチルグリコール、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノンまたはそれらの混合物であり、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノンが最も好適である。
【0093】
この点に関し、取り扱いの容易さについて既に部分的に交叉結合した生成物を使用することが特に有利であることが判った。このことは、エポキシ化合物が既に一部の硬化剤と反応しており、この硬化剤は既に一部のエポキシ化合物と反応していることを意味する。次いで高温においてこの二つの成分を混合することによって最終的な硬化を行う。
【0094】
硬化剤および部分的に交叉結合したエポキシ化合物は、例えばドイツ、D−79664 Wehr、Ciba Spezialitaetenchemie GmbHから非常に異なった基質を被覆するための二成分系としてAraldite( R )の商品名で硬化剤と共に市販されている。
【0095】
これに加えて、連鎖伸長剤成分(好ましくはフェノール)、重合開始剤、付加重合触媒、可塑剤および耐衝撃変性剤(impact resistance modifiers)、例えば上記文献から公知のものをプライマー被膜(G)の中に付加的に使用することができる。
【0096】
さらに、プライマー被膜(G)は通常の添加剤、例えば着色剤、均染(levelling)剤、反応性希釈剤、無機または有機性増量剤(extenders)、および安定剤、特に紫外線安定剤系、および赤外線吸収剤を含んでいることができる。
【0097】
プライマー被膜(G)を問題の基質に被覆するためには、通常基質の表面を先ずきれいにする。プラスティックス成分に対しては、基質の表面をエタノールまたはイソプロパノールで洗滌するか、或いは表面活性剤を含む温水の中に入れ超音波浴で洗浄することが有用であることが判明した。
【0098】
脱イオンを行った空気を用い(塵埃の静電的な吸引を防ぐため、Brock,Thomas著:Lehrbuch der Lacktechnologie、Hannover、Vincentz Verlag、1998年発行を参照のこと)吹込み乾燥を行った後、エポキシ化合物および硬化剤を含む希釈された単一の成分を浸漬、浸水、噴霧、回転被覆または他の塗料被覆技術によって基質に被覆する。このようにしてプライマー被膜(G)が形成される。
【0099】
被膜の厚さは希釈の程度(好ましくは固体分含量2〜35重量%)および被覆パラメータによって制御される。プライマー被膜(G)は塵埃に対して乾燥する(dust−dry)まで室温(20〜23℃)において乾燥させることが好ましい。
【0100】
次に高温、好ましくは90〜130℃において最終的な交叉結合を行う。
【0101】
本発明によればアクリル樹脂をベースにしたプライマー被膜(G)も使用することができる。
【0102】
特に適したアクリル樹脂をベースにしたプライマー被膜は独国特許第30 14 772Al号に記載されている。これらの被膜は、熱硬化性のアクリル重合体および炭素数1〜4のヒドロキシエーテルまたはアルカノールを含む水性乳化液(aqueous emulsion)を被覆して硬化させることにより形成される。上記特許に記載されたプライマー被膜は紫外線吸収剤、例えばベンジリデンマロネートまたはシアノアクリレートを含んでいなければならないが、この成分は実際に本発明に従って使用されるアクリレート・ベースのプライマー被膜に対して推奨されるが、絶対的に必要なものではない。
【0103】
本発明に従って好適に使用される1つのアクリレート・ベースのプライマーは一般に、熱硬化性アクリル固体分約1〜約10重量%、ベンジリデンマロネートおよびシアノアクリレートから成る群から選ばれる紫外線吸収性の少なくとも1種の化合物約0〜約10重量%、炭素数1〜4のヒドロキシエーテルまたはアルカノール約20〜約40重量%、および水約40〜約79重量%を含んでいる。熱硬化性アクリル固体分は熱硬化性アクリル重合体の濃縮された乳化液の形で容器の中に入れられる。この熱硬化性アクリル重合体の乳化濃縮液は水中に分散した熱硬化性アクリル重合体から成っている。この重合体は一般に分離した球形の粒子(直径約0.1μm)の形で水中に分散している。
【0104】
乳化液の中に存在する熱硬化性のアクリル重合体は当業界の専門家には公知である。本発明を実施するのに使用できる熱硬化性アクリル材料の例は例えば次の文献にあげられている:Encyclopedia of Polymer Science and Technology、Interscience Publishers,John Wiley & Sons,Inc.、1964年発行、第1巻、p.273以降;D.H.Solomon著、The Chemistry of Organic Film formers、John Wiley & Sons,Inc.、1967年発行、p.251以降、およびその中に引用されている文献。
【0105】
これらの熱硬化性アクリル重合体は、(I)互いに反応して交叉結合し得る反応性官能基を含むアクリル共重合体、(II)反応性の官能基を含み、該反応性の官能基と反応して交叉結合する適切な相容性をもった架橋剤が加えられたアクリル共重合体、および(III)交叉結合し得る反応性の官能基を含む2種の重合体の混合物を含んで成っている。
【0106】
熱硬化性アクリル重合体の交叉結合に含まれる反応は典型的には例えば官能性エポキシド基とアミノ基との間の反応、エポキシド基と無水物基との間の反応、エポキシド基とフェノール性ヒドロキシ基を含むカルボキシル基との間の反応、エポキシド基とN−メチロールまたはN−メチロールエーテル基との間の反応、カルボキシル基とイソシアネート基との相互作用によりカルボキシル基とN−メチロールまたはN−メチロールエーテル基との間の反応;例えばポリオールのヒドロキシル基とイソシアネート基との間の反応、およびアミノ基とN−メチロールまたはN−メチロールエーテル基との間の反応である。樹脂混合物を使用する通常の状況ではアクリル部分が主成分である。即ちアクリル部分は50重量%より多い含量で存在しており、典型的には約70重量%より多い量で存在している。熱硬化性アクリル重合体のベースをなすアクリル重合体中の必要な官能基は、共重合の際に必要な反応性の官能基を重合体鎖の中に導入する単量体を使用して導入される。官能基を与えるこの共重合可能な単量体は通常少量で、即ち25重量%以下程度の量で存在し、典型的には重合する単量体の約1〜20重量%の量で存在している。必要な官能基を導入する単量体の例としては、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ビニルピリジン、t−ブチルアミノエチルメタクリレート、マレイン酸無水物、イタコン酸無水物、アリルアルコール、ポリオールのモノアリルエーテル、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、マレイン酸アミド、N−メチロールメタクリルアミド、ビニルイソシアネートおよびアリルイソシアネートが含まれる。官能基を与える単量体と共に重合する他の単量体は通常アクリル酸の低分子量(C1〜C2)のアルキルエステルまたはそれらの混合物、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチルまたはそれらの混合物であり、約75〜約99重量部、典型的には約80〜約97重量部の量で存在している。
【0107】
本発明を実施するために一般的に使用される熱硬化性アクリル重合体乳化濃縮液は通常市販されている。一般にこれらの乳化濃縮液は約40〜約55%の固体分を含んでいる。しかしプライマーの乳化媒質の組成に関しては、プライマーの乳化媒質は約1〜約10重量%のアクリル固体分を含んでいることが望ましいことが判明した。即ち一般に追加の水を加えてこれらの市販の乳化濃縮液を希釈する必要がある。さらに、これらのプライマー乳化媒質は熱硬化性アクリル重合体に対する硬化用の触媒を含んでいることができる。このような触媒が存在する場合には、触媒はアクリル固体分の重量に関して0.05〜2重量%の量で含まれている。このような触媒の例には、トルエンスルフォン酸、クエン酸、燐酸などが含まれる。
【0108】
プライマー乳化媒質の第2の成分はヒドロキシエーテルまたは炭素数1〜4のヒドロキシエーテルまたはアルカノールである。このヒドロキシエーテルは一般式
R1−O−R2−OH
で表すことができる。ここでR1は炭素数1〜約6のアルキル又はアルコキシアルキル基であり、R2は炭素数1〜約6のアルキレン基であるが、但しR1およびR2の炭素数の和は3〜約10の範囲である。炭素数1〜4のアルカノールにはメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、t−ブタノール等が含まれる。
【0109】
効果的なプライマー被膜を形成させるためにプライマー乳化媒質が満足に機能する上において、上記ヒドロキシエーテルまたはアルカノールがプライマー乳化媒質の約20〜約40重量%の範囲で存在することが重要である。
【0110】
さらに、プライマー乳化媒質の中のアクリル重合体の固体分濃度が一般に重要である。熱硬化性アクリル重合体を約2〜約6重量%含むプライマー乳化媒質が好適である。
【0111】
紫外線を吸収する化合物としては特にベンジリデンマロネートおよびα−シアノアクリレートを使用することができる。
【0112】
プライマー被膜(G)を製造するためには、プライマー媒質の薄い被膜を任意の公知方法、例えば噴霧、浸漬、ローラー被覆等の方法でポリカーボネート基質に被覆する。一般に、約0.254〜約2.54μm、好ましくは約0.51〜2.03μmの厚さをもつ硬化したプライマーフィルムが得られるに充分な量でプライマー媒質を被覆する。次いで蒸発により、例えば空気乾燥またはゆっくりとした加熱により水とヒドロキシエーテルまたはアルカノールとの大部分を除去し、熱硬化性アクリル重合体および随時紫外線吸収化合物を含む均一な固体被膜が残るようにする。次にこの固体被膜を約90〜130℃の温度に加熱することにより熱硬化性アクリル重合体を硬化させ、好ましくは重量%単位で約10〜約90%、最も好ましくは約50〜約70%の熱硬化したアクリル樹脂、および好ましくは約10〜約90%、最も好ましくは約30〜約50%の少なくとも1種の紫外線吸収化合物を含むプライマー被膜を形成させる。
【0113】
このようにプライマー被膜の製造には、(I)重量%単位で(a)熱硬化性アクリル重合体約1〜約10%、(b)ベンジリデンマロネートおよびシアノアクリレートから成る群から選ばれる少なくとも1種の紫外線吸収化合物0〜約10%、(c)炭素数1〜4のヒドロキシエーテルまたはアルカノール約20〜約40%、および(d)約40〜約79%の水を含むプライマー乳化媒質をポリカーボネート基質に被覆し、(II)プライマー乳化媒質から大部分の水およびヒドロキシエーテルまたはアルカノールを蒸発させて熱硬化性アクリル重合体および随時紫外線吸収化合物を含んで成る固体の被膜を形成させ、(III)該熱硬化性アクリル・プライマー被膜を加熱する段階を含んでいる。
【0114】
熱吸収被膜(W)
熱吸収被膜(W)は、エポキシおよび/またはアクリル樹脂およびポリチオフェン化合物を含む水性懸濁液を被覆して硬化させることによって得られる。特に適したエポキシおよびアクリル樹脂としては、プライマー被膜(G)に使用できる上記のエポキシおよび/またはアクリル樹脂が含まれる。ポリチオフェン化合物としては上記のポリチオフェン化合物が特に適している。本発明の一好適具体化例においては、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDT)の水性分散液がポリチオフェン化合物として使用され、ポリスチレンスルフォネート(PSS)のような適当な重合体を必要に応じこれに加えることができる。
【0115】
熱吸収被膜(W)のための被覆組成物は好ましくは2〜35重量%、特に3〜10重量%のアクリルおよび/またはエポキシ樹脂、0.5〜5重量%、特に1〜2重量%のポリチオフェン化合物、および97〜60重量%、特に96〜70重量%の水を含んでいる。
【0116】
この被覆用組成物はプライマー被膜(G)に対して説明した方法によって製造することができ、この場合ポリチオフェン化合物を任意の方法および順序で他の成分に加えることができる。、熱吸収被膜(W)の被覆および硬化も、プライマー被膜(G)に対して説明した方法で行うことができる。
【0117】
硬化した熱吸収被膜(W)は一般に被膜の厚さが0.2〜2.5μm、好ましくは0.5〜2.0μmである。
【0118】
引っ掻き耐性被膜(K)
その硬さのために下側にある被膜を機械的な損傷から保護し得るすべての重合体材料が引っ掻き耐性被膜(K)として適している。この目的に特に適した物質には、可溶性の、交叉結合したラッカーまたは熱可塑性ラッカー、例えばアクリレート、ポリウレタンまたはポリシロキサンをベースにしたラッカー、ナノ(nano)ラッカー、および紫外線または電子ビームで交叉結合させ得る生成物が含まれる。
【0119】
特に適した引っ掻き耐性被膜(K)の例には国際公開第99/10441号パンフレットおよび国際公開第99/11725号パンフレットに記載されたものがある。これらの被膜はエポキシド基を含むシランをベースにした引っ掻き耐性被膜である。
【0120】
後者は例えば、
− 1個のエポキシド基を含み加水分解によって開裂し得ない少なくとも1個の基を含んで成る少なくとも1種のシリコーン化合物(A)、
− Si、AlおよびB並びに遷移金属の酸化物、水和した酸化物、窒化物および炭化物から成る群から選ばれ、粒径が1〜100nmの範囲にある粒子状材料(B)、
− Si、Ti、Zr、B、SnまたはVの化合物(C)、および
− Ti、ZrまたはAlの少なくとも1種の加水分解可能な化合物(D)
を含む組成物を被覆し硬化させることによって得ることができる。
【0121】
上記組成物の個々の成分は下記の割合で存在することが好ましい。
【0122】
珪素化合物(A) 1.0モル
粒子状材料(B) 0.42〜0.68モル
化合物(C) 0.28〜1.0モル
化合物(D) 0.23〜0.68モル
これらの個々の成分は下記の割合で存在することがさらに好適である。
【0123】
珪素化合物(A) 1.0モル
粒子状材料(B) 0.27〜0.49モル
化合物(C) 0.36〜0.90モル
化合物(D) 0.14〜0.22モル
特にこの場合、化合物(A)は一般式R3SiR’の化合物である。ここでR基は同一または相異なる加水分解可能な基、好ましくはC1 〜 4のアルコキシ基でり、R’はグリシジルまたはグリシジルオキシ(C1 〜 20)アルキレン基を表す。
【0124】
特に化合物(B)はアルミニウムの酸化物または水和酸化物である。
【0125】
特に化合物(C)は一般式SiR4の化合物であり、ここでR基は同一または相異なり加水分解可能な基、好ましくはC1 〜 4のアルコキシ基を表す。
【0126】
特に化合物(D)は式AlR3の化合物であり、ここでR基は同一または相異なる加水分解可能な基、好ましくはC1 〜 6アルコキシ基、C1 〜 6アルコキシプロパノレート基、またはC1 〜 6アルコキシエタノレート基を表す。
【0127】
エポキシド基を含むシランをベースにした引っ掻き耐性をもつ被膜の製造法、特性および特定の好適例に関しては、国際公開第99/19441号パンフレットおよび国際公開第99/11725号パンフレットの詳細な記述を参照されたい。
【0128】
エポキシドを含むシランをベースにした引っ掻き耐性をもつ被膜(K)は、好ましくはアクリル樹脂またはエポキシ樹脂をベースにした断熱された被膜(W)に被覆するか、或いはポリチオフェン中間被膜(Z)に被覆し、これをアクリル樹脂またはエポキシ樹脂をベースにしたプライマー被膜(G)に接着する。このようにしてポリチオフェン化合物の最適な結合形成が得られる。特に好適な本発明の一具体化例に従えば、エポキシド基を含むシランをベースにした引っ掻き耐性をもつ被膜(K)を、上記のエポキシ樹脂をベースにした断熱被膜(W)に被覆するか、或いはポリチオフェン中間被膜(Z)に被覆し、これをエポキシ樹脂をベースにしたプライマー被膜(G)に接着する。
【0129】
他の特に適した引っ掻き耐性をもつ被膜の例は欧州特許第0 350 698A2号記載のポリシロキサンをベースにした引っ掻き耐性をもつ被膜である。
【0130】
最後の引っ掻き耐性をもった被膜は、
(A)(I)シリカゲル、(II)少なくとも1種のアルキルトリアルコキシシラン、特に一般式R’Si(OR”)3のトリアルコキシシラン、ここでR’は炭素数約1〜3のアルキル基、R”は炭素数約1〜8を含むアルキル基である、および(I)および(II)の反応生成物を水および少なくとも1種の有機溶媒の混合物中に含む分散物、および
(B)一般式
(C4H9)4N+ −O−C(=O)R、
但し式中Rは水素、炭素数約1〜8のアルキル基、および炭素数約6〜20の芳香族の基から成る群から選ばれる、
をもつカルボン酸テトラブチルアンモニウム硬化用触媒の有効量、特に被膜の乾燥重量に関して約0.1〜1.0重量%を含む硬化可能な被覆組成物を被覆して硬化させることによって得られる。
【0131】
ポリシロキサンをベースにした引っ掻き耐性をもつ被膜の製造、特性および好適な例に関しては、欧州特許第0 350 698A2号を参照のこと。
【0132】
ポリシロキサンをベースにした引っ掻き耐性をもつ被膜(K)は、アクリル樹脂をベースにした断熱被膜(W)に被覆するか、或いはポリチオフェン中間被膜(Z)に被覆し、これをアクリル樹脂をベースにしたプライマー被膜(G)に接着することが好ましい。このようにしてポリチオフェン化合物を最適な方法で結合して導入することができる。本発明の特に好適な一具体化例に従えば、ポリシロキサンをベースにした引っ掻き耐性をもった被膜(K)を独国特許第30 14 772A1号に従ってアクリル樹脂をベースにした断熱被膜(W)に被覆するか、或いはポリチオフェン中間被膜(Z)に被覆し、これを独国特許第30 14 772A1号に従ってアクリル樹脂をベースにしたプライマー被膜(G)に接着する。
【0133】
また引っ掻き耐性をもった被膜(K)は通常の添加剤、例えば着色剤、均染剤(levelling agent)、紫外線安定剤、光反応開始剤、感光剤(組成物を光化学的に硬化させようとする場合)および熱重合用触媒を含んでいることができる。
【0134】
下側に存在する被膜に含まれるポリチオフェン化合物を紫外線照射による分解から防ぐためには、引っ掻き耐性をもった被膜(K)は1種またはそれ以上の紫外線吸収剤を含んでいることが好ましい。
【0135】
基質に対する被覆は標準的な被覆法、例えば浸漬、塗布、ブラシ掛け、ドクターナイフによる被覆、ロール掛け、噴霧、落下フィルムによる被覆、回転被覆および遠心分離による被覆によって行われる。
【0136】
被覆した基質は、随時前以て室温で予備乾燥工程を行った後、硬化させる。硬化は50〜300℃、特に70〜200℃、最も好ましくは90〜180℃の温度において、随時減圧下において熱的に行うことが好ましい。これらの条件下においては硬化時間は好ましくは200分以内、より好ましくは100分以内、最も好ましくは60分以内である。硬化した被膜の被覆の厚さは好ましくは0.5〜100μm、より好ましくは1〜20μm、最も好ましくは2〜10μmである。
【0137】
不飽和化合物および光反応開始剤が存在する場合には、照射によって硬化を行い、その後随時熱的に後硬化を行うことができる。
【0138】
次いで下記実施例を参照して本発明をさらに詳細に説明する。
【0139】
実施例
重合体の基質材料(B):
寸法105×150×4mmの、ビスフェノールAポリカーボネート単独重合体(Tg=147℃、分子量27,500g/モル、Bayer AG製、Makrolon( R )2808)のパネルを重合体基質材料(B)として使用した。
【0140】
ポリチオフェン化合物:
Bayer AGからBaytron( R )の商品名で市販されているポリエチレンジオキシチオフェフェン(PEDT)およびポリスチレンスルフォネート(PSS)の1.3%水性分散液(pH=1〜2)を赤外線吸収用のポリチオフェン化合物として使用した。
【0141】
熱吸収中間被膜(Z):
ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDT)およびポリスチレンスルフォネート(PSS)の1.3%水性分散液(pH=1〜2)を被覆し乾燥することにより、赤外線吸収用の中間被膜(Z)をプライマー被膜(G)に被覆した。乾燥後の熱吸収中間被膜(Z)の被膜の厚さは80nmであった。
【0142】
プライマー被膜(G)の製造のための前塗りラッカー (priming lacquer) :
前塗りラッカーG1
(a)下記式
【0143】
【化30】
【0144】
のビスフェノールA−ジグリジルエーテル・オリゴマー32重量部、
(b)エトキシル化されたテトラエチレンペンタミン
【0145】
【化31】
【0146】
7重量部、
(c)ペンタエチレンイミン3重量部、
(d)4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン252重量部、
(e)1000重量部の水、
(f)均染剤および乳化剤6重量部。
【0147】
前塗りラッカーG1を製造するためには、溶媒、即ち4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、水および乳化剤を室温において容器の中に入れ、撹拌しながら任意の順序で他の添加物を加えた。透明な均一な分散液が得られるまでこのバッチを撹拌した。この分散物を室温で貯蔵した。
【0148】
前塗りラッカーG2
3gのジエチル−p−メトキシベンジリデンマロネートを32gのブトキシエタノールに溶解し、この溶液に56.5gの水を加え、このバッチを8.5gの市販の熱硬化性アクリル樹脂乳化液(Rhoplex(R )AC−658)と混合し、撹拌して乳化液を生成させた。
【0149】
熱吸収被膜(W):
熱吸収被膜(W1)は、上記の前塗りラッカーG1の成分の他に、赤外線吸収用ポリチオフェン化合物として固体フィルムの中に1.0重量部のBaytron(R )−Pを含む被覆組成物を被覆し硬化させることによって製造した。
【0150】
熱吸収被膜(W2)は、上記の前塗りラッカーG2の成分の他に、赤外線吸収用ポリチオフェン化合物として固体フィルムの中に1.0重量部のBaytron(R )−Pを含む被覆組成物を被覆し硬化させることによって製造した。
【0151】
プライマー被膜(G)および熱吸収被膜(W)を液に浸漬して形成させ、被膜の厚さ0.8μmを得た。
【0152】
引っ掻き耐性をもった被膜(K):
引っ掻き耐性をもった被膜K1
354.5g(3.0モル)のn−ブトキシタノールを攪拌しながら246.3g(1.0モル)のアルミニウムトリ−sec−ブタノレートに滴下して加えた。この際温度は約45℃に上昇した。冷却後、アルミネート溶液は密封した条件で貯蔵することが必要である。
【0153】
1239gの0.1規定HClを容器の中に入れる。123.9g(1.92モル)のベーマイト・ディスペラル・ゾル(Boehmite Disperal Sol)P3( R )をこれに加えた。その後、このバッチを室温で1時間撹拌した。この溶液を深いベッド・フィルターを通して濾過し固体の不純物を除去した。
【0154】
787.8g(3.33モル)のGPTS(γ−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン)および608.3gのTEOS(テトラエトキシシラン)(2.92モル)を混合し10分間撹拌した。214.6gのベーマイト・ゾルを約2分間に亙ってこの混合物に加えた。添加後数分間して、ゾルの温度は約28〜30℃に上昇し、約20分間後にゾルは透明になった。次にこの混合物を35℃において約2時間撹拌し、次いで約0℃に冷却した。
【0155】
次に、上記のようにして製造した。1.0モルのAl(OEtOBu)3を含むAl(OEtOBu)3のsec−ブタノール溶液600.8gを0℃±2℃において加えた。添加完了後、このバッチをさらに2時間約0℃において撹拌し、次いで残ったベーマイト・ゾルを0℃±2℃で同様にして加えた。次いで得られた反応混合物を約3時間に亙って熱を加えずに室温に加温した。均染剤としてByk 306(R )を加えた。この混合物を濾過し、得られたラッカーを+4℃で貯蔵した。
【0156】
引っ掻き耐性をもつ被膜k2
203gのメチルトリメトキシシランを1.25gの氷酢酸と混合した。125.5gのLudox(R )AS(アンモニウムで安定化されたコロイド状シリカのゾル、40%SiO2、シリカ粒子の直径は約22μm、pHは9.2)を41.5gの脱イオン水で希釈し、30重量%のSiO2含量を得た。この材料を撹拌しながら酸性化したメチルトリメトキシシランに加えた。この溶液をさらに16〜18時間室温において撹拌し、次いでイソプロパノール/n−ブタノールを1:1の重量比で含む溶媒混合物を加えた。最後に、紫外線吸収剤である4−[γ−(トリ−(メトキシ/エトキシ)シリル)プロポキシ]−2−ヒドロキシベンゾフェノン32gを加えた。この混合物を室温で2週間撹拌した。この組成物は固体分含量が20重量%であり、固体成分に関して11重量%の紫外線吸収剤を含んでいた。被覆組成物は室温における粘度が約5cStであった。
【0157】
【表1】
【0158】
本発明の成形体2、3および5は、ポリチオフェン化合物が個々の基質の表面の上に非常に均一に分布しており、個々の被膜の間の接着が優れており、58〜64の範囲の優れたTSET値を有していることを特徴としている。
Claims (18)
- 重合体基質材料(B)、該基質の少なくとも一つの表面上に配置され、エポキシおよびアクリル樹脂からなる群から選択された少くとも一つを含むプライマー被膜(G)、該プライマー被膜化合物の表面に配置され、ポリチオフェン化合物を含む熱吸収被膜および該熱吸収被膜(W)の上に配置され、可溶性の交叉結合した、または熱可塑性アクリレート、ポリウレタン、ポリシロキサン、エポキシドを含むシランおよびナノラッカー、から成る群から選択される引っ掻き耐性をもつ被膜(K)、を含んでなる透明な成形体において、該プライマリー被膜(G)と熱吸収被膜(W)が硬化剤と多数のエポキシ官能基をもつ化合物から得ることができる硬化したエポキシ樹脂を含み、該硬化剤がアミンと無水物からなる群から選択される少くとも一つであり、多数のエポキシ官能基をもつ化合物が芳香族グリシジル化合物、脂環式グリシジル化合物、複素環式グリシジル化合物、脂環式エポキシ化合物、および脂肪族エポキシ化合物からなる群から選択される成形体。
- 該基質材料(B)は重合体の多層材料であることを特徴とする請求項1記載の成形体。
- 該基質材料(B)は同時押し出し法によって得られる二層成形体であることを特徴とする請求項1〜2のいずれか1つに記載の成形体。
- 基質材料(B)はポリカーボネート、ポリエステルカーボネートおよび/またはポリ(メタ)アクリレートを含むか或いはそれらから成っていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の成形体。
- ポリチオフェン化合物はポリエチレンジオキシチオフェンであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の成形体。
- 熱吸収中間被膜(Z)はポリエチレンジオキシチオフェンおよびポリスチレンスルフォネートの水性乳化液を被覆し硬化させることによって形成されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の成形体。
- 熱吸収中間被膜(Z)は被膜の厚さが0.01〜1.5μm、であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の成形体。
- プライマー被膜(G)または熱吸収被膜(W)は硬化剤および多数のエポキシ官能基をもつ化合物から得ることができる硬化したエポキシ樹脂を含み、ここで該硬化剤はアミン、無水物、およびそれらの混合物から成る群から選ばれ、多数のエポキシ官能基をもつ化合物は芳香族グリシジル化合物、脂環式グリシジル化合物、複素環式グリシジル化合物、脂環式エポキシ樹脂の原料として用い得る脂環式エポキシ化合物、脂肪族エポキシ樹脂の原料として使用できる脂肪族エポキシ化合物、およびこれら化合物の混合物から成る群から選ばれることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の成形体。
- 該多数のエポキシ官能基をもつ化合物は脂環式エポキシ樹脂の原料として用い得る脂環式エポキシ化合物であることを特徴とする請求項9記載の成形体。
- プライマー被膜(G)または熱吸収被膜(W)は、アクリル重合体および炭素数1〜4のヒドロキシエーテルまたはアルカノールを含む水性乳化液を被覆し硬化させて形成されることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の成形体。
- プライマー被膜(G)または熱吸収被膜(W)は、被膜の厚さが0.2〜2.5μm、を与えるように形成されることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の成形体。
- 引っ掻き耐性をもった被膜(K)は、エポキシド基を含むシランを含んでなる被覆組成物を被覆して硬化させることにより形成されることを特徴とする請求項1〜13のいずれか
1項に記載の成形体。 - 該被覆組成物は、1個のエポキシド基を含む少くとも1個の基を含んでなり、加水分解によって開裂し得ないSiに直接結合した少なくとも1種の珪素化合物(A);Si、AlおよびB並びに遷移金属の酸化物、水和酸化物、窒化物および炭化物から選ばれ、粒径が1〜100nmの範囲の粒子状材料(B);および1種のSi、Ti、Zr、B、SnまたはVの化合物(C);および少なくとも1種の加水分解可能なTi、ZrまたはAlの化合物(D)を含んで成ることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の成形体。
- 引っ掻き耐性をもった被膜(K)は、水と少なくとも1種の有機溶媒との混合物の中に少なくともアルキルアルコキシシランおよびコロイド状シリカ・ゾルからなる被覆組成物を被覆し硬化させることによって形成されることを特徴とする請求項1〜15のいずれか1項に記載の成形体。
- 引っ掻き耐性をもった該被膜(K)は被膜の厚さが0.01〜20μm、であることを特徴とする請求項1〜16のいずれか1項に記載の成形体。
- 引っ掻き耐性をもった被膜(K)は紫外線吸収剤を含んでいることを特徴とする請求項1〜17のいずれか1項に記載の成形体。
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