JP4120429B2 - エンジンの出力制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動クラッチ装置を有する変速中のエンジンの出力制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動クラッチ装置を有するエンジンでは、発進、停止及び変速時に、エンジンから変速機への出力をクラッチにより自動的に断接している。例えば、変速時には、クラッチを切断して変速を行った後、再びクラッチを接続して、変速機側へエンジン出力を伝達している。具体的には、クラッチの接続時に、半クラッチ中のエンジン回転数とクラッチ回転数が同期して始めてエンジンの出力トルクを上昇させたり、半クラッチ時に徐々に燃料噴射量を増やしてエンジンの出力トルクを上昇させたりすることで、クラッチを介して変速機側へエンジン出力を伝達させている。このような、クラッチ断接時において従来の変速中のエンジン出力制御を図6に示す。
【0003】
図6は、クラッチ断接時の従来のエンジンの出力制御を示すタイムチャートである。ここで、制御弁a、bは、後述する図1における制御弁21a、21bに該当するものである。
【0004】
図6に示すように、変速中の従来のエンジンの出力制御では、制御弁a、bを共にオン状態とすることで、クラッチ板を作動させるエアシリンダに高圧作動エアが導入されて、クラッチ板がクラッチ切断方向のクラッチストローク位置へ移動する。そして、クラッチ切断のクラッチストローク位置への移動が終了すると、制御弁aをオフにすることで、クラッチ板の移動が停止し、そのクラッチストローク位置を維持することとなる。更に、制御弁aをオフ状態に保持し、制御弁bを所定のデューティサイクルでオン/オフを繰り返すことで、クラッチ板が少しずつクラッチ接続方向へ移動して、半クラッチ状態へ移行していき、最終的にはクラッチ接続のクラッチストローク位置まで移動する。
【0005】
図6では、クラッチ断接時のクラッチストロークの変位に伴うクラッチ回転数、エンジン回転数、燃料噴射量を併記した。変速時のクラッチ断接時には、図6に示すように、変速開始とともに燃料噴射量を減少させ、自動的にクラッチの切断動作を始める。クラッチの切断動作が始まるとともにエンジンとクラッチの同期がなくなるため、各々異なった回転数となる。変速終了後、再びクラッチの接続動作を始め、半クラッチ状態において、エンジンとクラッチとの回転数を同期させるように制御するとともに、エンジンとクラッチとの回転数差が所定回転数以内になると、燃料噴射量を一定の割合で徐々に増やしていく。
【0006】
又、上記と同等の制御を行ない、更に、クラッチ係合時のショックを低減する技術として、エンジン出力検出手段の検出値に応じて、クラッチ駆動手段によるクラッチの操作速度を設定し、エンジン出力の増加量が予め設定された許容値より大きい場合、クラッチ操作速度の増加や燃料噴射量を一時的に制限する自動クラッチ装置もある(特許文献1参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開平10−325422号公報(第3−6頁、第1−7図)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記技術のように、半クラッチ時の燃料噴射量を単に一定の割合で増やしていったり、クラッチ操作速度の増加や燃料噴射量を一時的に制限したりする場合、必ずしもスムーズな加速を得ることはできない。特に、運転状況(例えば、登坂路、降坂路等)によっては、スムーズな加速を得ることができないばかりか、エンジンのみが噴け上がったり、クラッチ係合時の減速ショックが発生したりしてしまう。
【0009】
つまり、半クラッチ時において、スムーズな加速を得るとともに、エンジンの噴かし過ぎにならないように(クラッチ回転数に対してエンジン回転数が高くなりすぎた状態)、又、逆に減速ショック(クラッチ回転数に対してエンジン回転数が低い状態、所謂エンジンブレーキ状態)にもならないようにするには、燃料噴射量を決定する具体的な手段が必要であり、その手段に基づき燃料噴射量を適切に調整しながら、エンジンの出力トルクを上げていくのが理想的な出力制御である。
【0010】
従来の技術では、燃料噴射量を決定する具体的な手段について規定していないため、半クラッチ時の燃料噴射量が不適切になり、例えば、燃料噴射量が多過ぎるとエンジンだけが噴け上がり、逆に少ないとクラッチ係合時に減速ショックが発生するおそれがあった。
【0011】
本発明は上記課題に鑑みなされたもので、半クラッチ時にエンジンを噴かしすぎることがなく、減速ショックになることもないスムーズな加速を得ることができるエンジンの出力制御装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明に係るエンジンの出力制御装置は、車両のエンジンと変速機との間を断接させるクラッチと、クラッチのクラッチストロークを検出するクラッチストローク検出手段と、クラッチの回転数を検出するクラッチ回転数検出手段と、エンジンに燃料を供給する燃料供給手段と、エンジンの回転数を検出するエンジン回転数検出手段とを有する。燃料供給手段によりエンジンへの燃料噴射量を制御して、エンジンの出力トルクを制御する出力制御手段は、クラッチを接続する場合、半クラッチ中のエンジンとクラッチとの回転数差が第1回転数差以下になると、クラッチストロークに基づき算出された伝達トルクと、エンジンとクラッチとの回転数差により算出された係数とにより燃料噴射量を決定して、エンジンの出力トルクを制御する。例えば、エンジンの出力トルクが、(エンジンの出力トルク)=(クラッチストロークに基づき算出された伝達トルク)×(エンジンとクラッチとの回転数差により算出された係数)となるような燃料噴射量に決定される。
上記課題を解決する本発明に係るエンジンの出力制御装置は、
前記エンジンと前記クラッチとの回転数差をΔn、前記第1回転数差をα、前記伝達トルクをTcl、前記エンジンの出力トルクをTeとすると、
前記出力制御手段は、前記エンジンの出力トルクTeが、[Te = Tcl×k(1−Δn/α)](但し、定数kは1以下の数値。)となるように燃料噴射量を決定して、前記エンジンの出力トルクを制御することを特徴とする。
【0013】
上記課題を解決する本発明に係るエンジンの出力制御装置は、出力制御手段が、エンジンの出力トルクがクラッチストロークに基づき算出された伝達トルクより小さくなるような係数を用いて、燃料噴射量を決定する。つまり、半クラッチ中のエンジンの出力トルクをクラッチの伝達トルクより小さくなるように、燃料噴射量を決定している。
【0014】
上記課題を解決する本発明に係るエンジンの出力制御装置は、出力制御手段が、半クラッチ中のエンジンとクラッチとの回転数差が第1回転数差より小さい第2回転数差以下、即ち、エンジンとクラッチが略同期する状態になると、エンジンの出力トルクがクラッチストロークに基づき算出された伝達トルクに等しくなるような燃料噴射量を決定する。つまり、エンジンとクラッチとが略同期したとき、エンジンの出力トルクがクラッチの伝達トルクになるように制御している。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に係る出力制御装置が用いられるエンジン、クラッチ装置及び変速機の概略構成図である。
【0016】
本発明に係る出力制御装置は、エンジン1の出力トルクを制御するものであり、エンジン1からの出力は、クラッチ装置2を介して変速機3に伝達されている。
【0017】
エンジン1自体の構成は、一般的に用いられているエンジンでよい。エンジン1に設けられ、エンジンへ燃料を供給する燃料供給手段である燃料噴射機器4を制御することにより、エンジン1の出力が制御されており、エンジン1の出力軸には、その回転数を検出するエンジン回転数検出手段であるエンジン回転数センサ5が設けられている。燃料噴射機器4やエンジン回転数センサ5等はエンジンECU6に接続されており、他のセンサからの入力信号や他のECUからの制御情報に基づいて、エンジン1の出力が制御されている。本発明に係る出力制御装置では、エンジンECU6が出力制御手段を有し、この出力制御手段により半クラッチ時の燃料噴射量を適切に制御することで、本発明に係る出力制御を実現している。
【0018】
変速機3自体の構成は、本発明に直接係るものではないため、関係する部分を簡単に説明する。変速機3は、後退段の他に複数の前進段の変速段を有する自動変速式の変速機である。変速機3の上部には、変速機内部の変速段を選択するためのギヤシフトユニット(以下、GSUと略す。)7が設けられており、GSU7は、その内部に有する複数の電磁弁、パワーシリンダ(共に図示せず)等により作動されており、エアタンク8からエア通路9を経由して供給される高圧作動エアにより駆動されている。
【0019】
具体的には、電磁弁の動作状況に応じて供給された高圧作動エアによりパワーシリンダが作動され、パワーシリンダに係合され、変速段のギヤを選択する変速機3内部のシフトフォーク(図示せず)が作動されて変速が行われている。GSU7内あるいはGSU7近傍には変速段を検出するギヤ位置センサ10が設けられており、ギヤ位置センサ10からの信号を変速機ECU11が判断して、GSU7へ制御信号を出力している。
【0020】
又、変速機3の入力軸には、クラッチの回転数を検出するクラッチ回転数検出手段であるクラッチ回転数センサ12が、又、その出力軸には、出力軸の回転数により車速を検出する車速センサ13が設けられ、変速機ECU11へ入力されており、変速時にはこれらの回転数が同期するように、変速機ECU11により制御されている。又、変速機ECU11には、アクセルペダル14aに設けられたアクセル開度センサ14bや、変速機3の変速を制御するチェンジレバー15aに設けられた変速段選択スイッチ15bも接続され、これらの入力信号を変速機ECU11が総合的に判断して変速動作を行なっている。
【0021】
クラッチ装置2は、エンジン1の出力軸に接続されたフライホイール16にクラッチ板17をスプリング18により圧接させて接続状態とする一方、フライホイール16からクラッチ板17を離間させることで切断状態とするような、通常の機械摩擦式クラッチであり、エンジン1と変速機3との間の断接動作を自動的に実施できるものである。具体的には、クラッチ板17に、クラッチ断接用のエアブースタとなるエアシリンダ19がレバー20を介して接続されており、このエアシリンダ19に接続された2つのエア通路9a、9bを、2つの電磁弁(以下、制御弁と略す。)21a、21bの開閉を各々制御することで、エアタンク9から供給される高圧作動エアの供給、排出を行い、エアシリンダ19を自動的に作動させて、クラッチ板12を移動させて、クラッチの断接が自動的に実施される。なお、エアシリンダ19に接続されるレバー20には、クラッチ板17のストローク位置を示すクラッチストローク検出手段であるクラッチストロークセンサ22が設けられており、クラッチストロークセンサ22からの検出信号を変速機ECU11に入力し、制御弁21a、21bの各々の開閉状態を制御することで、クラッチの断接の2つの状態だけではなく、手動式の変速機における半クラッチのような状態とすることも可能である。このような制御を行なうことにより、エンジン1の出力を変速機3に伝達する際に、違和感なく円滑に伝達することができる。
【0022】
具体的には、エアシリンダ19内部のピストンの一方側(レバー20が接続される側)にスプリングが設けられており、制御弁21aをオン状態にすると、ピストンの他方側の空間に制御弁21aを経由した高圧作動エアが導入されて、ピストンがスプリングに抗う方向へ押されて、レバー20が支点を中心に回動し(図1上、時計方向)、クラッチ板17がフライホイール16から離間する方向に移動して、クラッチ装置2は接続状態から切断状態に変化する。一方、制御弁21a、21bを共にオフ状態にすると、エアシリンダエア19へ導入された高圧作動エアが、制御弁21a、21bを経由して、大気開放されているエアシリンダ19の一方側へ抜けていき、スプリングの力によりピストンが押し戻され、レバー20が支点を中心に回動し(図1上、反時計方向)、クラッチ板17がフライホイール16の方向に移動して、クラッチ装置2は切断状態から接続状態に変化する。この時、クラッチ板17はスプリング18によってフライホイール16に圧接され、クラッチ装置2が接続状態に保持されることとなる。又、クラッチ装置2は、変速機3が自動変速される際に、自動的に断接されるように制御されている。
【0023】
このような制御を行なうエンジンECU6及び変速機ECU11は、マイクロコンピュータ(CPU)、メモリ(制御プログラムやデータを有するROMと、演算作業領域となるRAMとを有する。)及び入出力信号の処理回路となるインタフェイスとで構成されているものである。エンジンECU6において、種々の入力信号のうち、本発明に係る主な入力信号としては、エンジン回転数センサ5があり、変速機ECU11へ送信される。又、変速機ECU11からの種々の出力信号のうち、本発明に係る主な出力信号としては、燃料噴射機器4等への制御信号がある。変速機ECU11では上記センサ等から入力された情報に基づき、制御プログラムによりROM内に有するデータを参照して燃料噴射量が決定され、適切な制御信号がエンジンECU6経由で燃料噴射機器4へ出力されて、エンジンの出力制御が実施される。
【0024】
図2は、クラッチストロークと伝達トルクとの関係を示す図である。
左側には、クラッチストロークの断接の一般的なストロークパターンを示し、右側には、クラッチストロークの位置に応じた伝達トルクを併記した。
【0025】
図2に示すように、クラッチストロークの位置と伝達トルクとの関係は、クラッチ切断時には伝達トルクがなく、クラッチ接続時には伝達トルクがあるというだけではなく、途中の半クラッチの時にもそのストローク量に応じた伝達トルクを有し、クラッチの接続側に移動するにつれ、伝達トルクが大きくなっていくという特性がある。本発明では、クラッチの伝達トルクの上記特性に着目し、半クラッチ中の伝達トルクを1つの指標として用いることで、スムーズな加速を得る出力制御を実現するものである。そこで、本発明に係る出力制御の概略を、図3を用いて説明する。
【0026】
図3は、本発明に係るエンジンの出力制御を説明する概略図である。
なお、図3中左側に示した伝達トルクのグラフは、図2中右側に示した伝達トルクのグラフと同じものであり、グラフ軸を入れ替えたものである。
【0027】
本発明に係るエンジンの出力制御では、クラッチの伝達トルクTclをエンジンの出力トルクの1つの指標としている。つまり、クラッチストロークとともに変化するクラッチの伝達トルクより、エンジンの出力トルクが大きすぎる場合は、エンジンだけが噴け上がりすぎ、又、エンジンの出力トルクが小さすぎる場合は、減速ショックとなってしまうため、クラッチストロークに応じて変化するクラッチの伝達トルクに対して、適切なエンジンの出力トルクとなるような、燃料噴射量を決定している。
【0028】
更に、本発明では、クラッチの伝達トルクに対する適切なエンジンの出力トルクを算出するために、図3中右側のグラフに示される係数を用いている。この係数[k(1−Δn/α)]は、エンジンとクラッチとの回転数差Δnに基づいて算出される係数であり、この係数をクラッチの伝達トルクTclにかけることで、エンジンへの具体的な指示トルク[Te=Tcl×K(1−△n/α)]が決定され、所定条件下では、エンジンの出力トルクがクラッチの伝達トルクより小さくなるような燃料噴射量が決定されることとなる。
【0029】
ここで、第1回転数差αは、この出力制御を始めるエンジンとクラッチとの回転数差になる。第1回転数差αを、小さくしすぎると、制御の開始が遅くなり制御していない状態と変わらなくなり、大きくしすぎると、クラッチが切断状態(半クラッチ状態でない)であるにもかかわらず出力制御を始めてしまうことになり、エンジンのみが噴け上がるおそれがある。そのため、クラッチが半クラッチ中である最適な回転数差(例えば、図3においては、第1回転数差α=200である。)に設定する。又、定数kは1以下の数値であり、クラッチの伝達トルクに対してエンジンの出力トルクが小さくなりすぎない数値に設定する(例えば、図3においては、定数k=0.8である。)。
【0030】
つまり、本発明に係るエンジンの出力制御手段では、クラッチ接続時に、エンジンを噴かしすぎることがなく、逆に減速ショックになることもなく、スムーズな加速を得るために、クラッチストロークより算出したクラッチの伝達トルクと、エンジンとクラッチとの回転数差に基づいた係数により、適切な燃料噴射量に制御することで、半クラッチ中のエンジンの出力トルクを、クラッチの伝達トルクより小さく、かつ、小さくなりすぎないように制御しながら徐々に増加させて行くことが特徴である。更に詳細は後述するが、エンジンとクラッチとが略同期したときには、エンジンの出力トルクがクラッチの伝達トルクになるように制御することも特徴である。次に、上記出力制御を実現する具体的な手段を、図4、図5を用いて説明する。
【0031】
図4は、本発明の実施形態の一例を示す変速中の出力制御のタイムチャートである。
ここで、制御弁a、bは、図1における制御弁21a、21bに該当する。
【0032】
図4に示すように、制御弁a、bを共にオン状態とすることで、クラッチ板を作動させるエアシリンダに高圧作動エアが導入されて、クラッチ板がクラッチ切断方向のクラッチストローク位置へ移動する。そして、クラッチ切断のクラッチストローク位置への移動が終了すると、制御弁aをオフにすることで、クラッチ板の移動が停止し、そのクラッチストローク位置を維持することとなる。変速終了後、制御弁aをオフ状態に保持し、制御弁bを所定のデューティサイクルでオン/オフを繰り返すことで、クラッチ板が少しずつクラッチ接続方向へ移動して、半クラッチ状態へ移行していき、最終的にはクラッチ接続のクラッチストローク位置まで移動する。
【0033】
半クラッチ状態において、エンジンとクラッチの回転数差が第1回転数差α以下になると、本発明に係る出力制御を開始し、クラッチストローク及びエンジンとクラッチとの回転数差に応じて燃料噴射量を決定して、エンジンの出力トルクを制御する。そして、クラッチが接続方向へ移動、つまり、エンジンとクラッチとが同期状態に近づく(エンジンとクラッチとの回転数差が小さくなる)につれ、燃料噴射量は徐々に増量されていく。ここでは、エンジンの噴け上がりを防止し、クラッチの吸収エネルギを小さくするため、クラッチの伝達トルクに対して小さめのエンジンの出力トルクになるように制御している。
【0034】
更に、エンジンとクラッチの回転数差が第2回転数差β以下になると(エンジンとクラッチの略同期状態)、エンジンの出力トルクがクラッチの伝達トルクと等しくなるような燃料噴射量に設定する。なお、第2回転数差βは0ではない、同期直前の回転数差である。
【0035】
クラッチ完接後(エンジンとクラッチの同期状態)の燃料噴射量の制御は、所定の制御、つまり、ある傾きで(時間毎に予め定めた)燃料噴射量を増加し、最終的には、通常のアクセル開度に応じた燃料噴射量となるように制御される。
【0036】
図5は、本発明の実施形態の一例を示す出力制御のフローチャートである。
【0037】
ステップS1、S2では、ギヤ入れが完了するまで、クラッチの接続の開始を待つ。例えば、ギヤ位置センサにより、変速(ギヤ入れ)が完了したことを検出した後、クラッチの接続を開始する。
【0038】
ステップS3からS6では、半クラッチ中のエンジンとクラッチとの回転数差が、第1回転数差α以下になるまで、本発明に係る出力制御の開始を待ち、第1回転数差α以下になると、本発明に係る出力制御を開始して、適切なエンジンの出力トルクになるように、燃料噴射量を決定し制御を行なう。具体的には、クラッチストロークより算出したクラッチの伝達トルクと、エンジンとクラッチとの回転数差を基に算出した係数[K(1−△n/α)]により、エンジンへの指示トルクが[Te=Tcl×K(1−△n/α)]となる燃料噴射量を決定することで、半クラッチ中のクラッチストロークに応じた適切な出力トルクとなる燃料噴射量を指示する。したがって、クラッチストロークがクラッチの接続位置に近づくにつれ、エンジンの出力トルクが徐々に増加され、その結果、エンジンの噴けあがりや減速ショックのないスムーズな加速を得ることができる。この出力制御は、エンジンとクラッチとの回転数差が第2回転数β以下になるまで続けられる。
【0039】
ステップS7では、エンジンとクラッチとの回転数差がさらに小さくなり、エンジンとクラッチとの回転数差が第2回転数β以下になると、つまり、エンジンとクラッチが略同期する状態になると、エンジンの出力トルクがクラッチの伝達トルクに等しくなるような燃料噴射量を指示して、エンジンとクラッチとが同期したときに、エンジンの出力トルクがクラッチの伝達トルクになるように制御する。
【0040】
ステップS8では、クラッチが完接状態となることで、本発明に係る出力制御を終了し、その後は、ある傾きで(時間毎に予め定めた)燃料噴射量を増加し、最終的には、アクセル開度に相当した燃料噴射量、つまり、通常の出力制御を行う。
【0041】
【発明の効果】
本発明によれば、半クラッチ中のクラッチストローク及びエンジンとクラッチとの回転数差を基にエンジントルクを制御するので、半クラッチ中のエンジン噴け上がりやクラッチ完接後の減速ショックを解消することができ、スムーズな加速を得ることができる。
【0042】
又、本発明によれば、半クラッチ中のエンジンの出力トルクをクラッチの伝達トルクより小さくしたので、エンジン噴け上がりを防止すると共に、半クラッチ中のクラッチ吸収エネルギを小さくすることができる。
【0043】
又、本発明によれば、エンジンとクラッチが略同期したとき、エンジンの出力トルクがクラッチの伝達トルクと等しくなるように制御するので、クラッチ係合時の減速ショックを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る出力制御装置が用いられるエンジン、クラッチ装置及び変速機の概略構成図である。
【図2】クラッチストロークと伝達トルクとの関係を示す図である。
【図3】本発明に係るエンジンの出力制御を説明する概略図である。
【図4】本発明の実施形態の一例を示すエンジンの出力制御のタイムチャートである。
【図5】本発明の実施形態の一例を示すエンジンの出力制御のフローチャートである。
【図6】クラッチ断接時の従来のエンジンの出力制御を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
1 エンジン
2 クラッチ装置
3 変速機
4 燃料噴射機器
5 エンジン回転数センサ
6 エンジンECU
11 変速機ECU
12 クラッチ回転数センサ
17 クラッチ板
22 クラッチストロークセンサ

Claims (4)

  1. 車両のエンジンと変速機との間を断接させるクラッチと、前記クラッチのクラッチストロークを検出するクラッチストローク検出手段と、前記クラッチの回転数を検出するクラッチ回転数検出手段と、前記エンジンに燃料を供給する燃料供給手段と、前記エンジンの回転数を検出するエンジン回転数検出手段とを有し、前記燃料供給手段により前記エンジンへの燃料噴射量を制御して、前記エンジンの出力トルクを制御する出力制御手段を備えたクラッチ制御装置において、
    前記出力制御手段は、前記クラッチを接続する場合、半クラッチ中の前記エンジンと前記クラッチとの回転数差が第1回転数差以下になると、前記クラッチストロークに基づき算出された伝達トルクと、前記エンジンと前記クラッチとの回転数差により算出された係数とにより燃料噴射量を決定して、前記エンジンの出力トルクを制御することを特徴とするエンジンの出力制御装置。
  2. 請求項1に記載のエンジンの出力制御装置において、
    前記エンジンと前記クラッチとの回転数差をΔn、前記第1回転数差をα、前記伝達トルクをTcl、前記エンジンの出力トルクをTeとするとき、
    前記出力制御手段は、前記エンジンの出力トルクTeが、[Te = Tcl×k(1−Δn/α)](但し、定数kは1以下の数値。)となるように燃料噴射量を決定して、前記エンジンの出力トルクを制御することを特徴とするエンジンの出力制御装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のエンジンの出力制御装置において、
    前記出力制御手段は、前記エンジンの出力トルクが前記クラッチストロークに基づき算出された伝達トルクより小さくなるような前記係数を用いて、燃料噴射量を決定することを特徴とするエンジンの出力制御装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のエンジンの出力制御装置において、
    前記出力制御手段は、半クラッチ中の前記エンジンと前記クラッチとの回転数差が第1回転数差より小さい第2回転数差以下になると、前記エンジンの出力トルクが前記クラッチストロークに基づき算出された伝達トルクに等しくなるような燃料噴射量を決定することを特徴とするエンジンの出力制御装置。
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