JP4120244B2 - メダル排出装置および遊技機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば遊技ホールに設置されたスロットマシンに内蔵されるようなメダル排出装置に関し、さらに詳しくは一括して投入された複数枚のメダル(コイン)を1枚ずつ分離して後段に安定して排出する高排出性能を有するメダル排出装置および遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、スロットマシンなどの遊技機は、遊技利用性を高めるために複数枚のメダルを一括投入可能にした遊技機が知られている(例えば特開2000−279575参照)。
【0003】
この一括投入されたメダルを後段に排出する現状のメダル排出装置としては、立設ドラム内の底部に該ドラムの内周面に沿って回転する回転体を備え、メダル1枚分の幅と高さ分だけ前記回転体の円周部を段下げし、その段下げした部分にメダルの厚さ程度の高さを有するピンを円周近傍に沿って複数配設し、前記立設ドラム内に貯蔵したメダルで最下層にあるものを前記ピンの間に挟んで回転体を回転させ、その円周上に開口する排出口から1枚ずつ送り出している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このようなメダル排出装置では、回転体の円周上に複数枚のメダルを平面的に並べて回転させる構造のため、メダルを複数枚並べることが可能な大きさの直径を持つドラムが必要となって、遊技機のメダル投入口近辺の限られた空間に取付けるには困難であった。また、上から投入されたメダルを底から排出する構造のため、メダル詰りが生じやすいという問題があった。
【0005】
このため、横倒筒状体の内部に、円筒形のメダル貯蔵部を形成し、このメダル貯蔵部の内周を周回する回転体の押上げ作用によりメダルを1枚ずつ排出口に送り出すメダル排出装置が存在する(例えば先行出願の特願2001−238714参照)。
【0006】
この場合、図14(A)に示すように、排出口141の開口方向と同方向に送り出されるメダル142は、内方からの1枚出し用の駆動力を受けて正常に排出されるのに対し、図14(B)に示すように、排出口141への送り出し直前のメダル142がバランスを崩して送り出し方向と異なった向きのまま導かれたときは、メダル詰りを起すことがある。
【0007】
このメダル詰りは、メダルが排出口と内方の回転体の押上げ部分との間に挟まれて排出不能なロック状態に陥り、このロック状態のためにメダルの排出が不能になるほか、メダル排出装置が停止してスロットマシンがダウンする。このスロットマシンがダウンした場合は、ホール係員が故障したスロットマシンの内部を開けて、メダル詰りを解除するメンテナンス作業を要し、この結果、スロットマシンの稼動率が下がり、遊技者に対しては不快感を与えてしまう問題を有していた。
【0008】
そこでこの発明は、メダルの排出に際して、細長く開口する排出口の狭い通路スペースを一時的に拡大させれば、排出口の部分でのメダル詰りを未然に回避できることに着目し、この排出口にメダル詰り力が加わっても、その開口部分を広げてメダル詰りを未然に回避することができるメダル詰り回避機能を持たせたメダル排出装置および遊技機を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明は、倒した筒状体の一端を閉鎖し、他端にメダルの投入口と排出口を形成したメダルを貯留するメダル貯蔵部と、前記メダル貯蔵部の内側には、円盤状の板の円周上に略垂直に配設した複数の回転片を形成した回転体と、該回転体を回転させるための駆動手段とを有し、前記回転片に、前記回転体の回転によりメダル貯蔵部内で倒れたメダルの縁部と当接し、前記メダル貯蔵部の内周面に沿って押上げる押上辺を形成し、前記メダル貯蔵部の内周面には、前記排出口に前記回転片が近づいたとき、前記押上辺と対向し鋭角に立体交差してメダルを前記排出口に押出す係止辺を形成し、前記排出口には、前記メダル貯蔵部から押し出された時に加わるメダルの押出し抵抗に応じて細長く開口した排出口の開口部を広くなる方向に可変させる可変許容手段を備えたことを特徴とする。
【0010】
ここでメダルとは、遊技利用されるメダルのほか、流通硬貨(コイン)等も含む。
【0011】
前記排出口とは、メダルを1枚分だけ通過許容する細長く開口した開口空間を確保して構成することができる。
【0012】
前記可変許容手段とは、排出口のメダル厚さ方向あるいはメダル径方向の開口部位をバネ等で弾性支持して、開口部が広くなる方向に可動させる可動片を備えて構成することができる。
【0013】
このような構成によれば、排出口の部分に、メダル詰りを起しやすいバランスを崩した不安定な状態のメダルが導かれても、この排出口にメダルを介して加わるメダルの押出し抵抗に応じて、該排出口が広くなる方向に可変する可変許容手段を設けてあるため、この狭い排出口でのメダル詰りを未然に回避できる。
【0014】
このメダル詰りを未然に回避したときのメダルを、そのまま排出口より押出して排出するように構成してもよく、排出口より押出さず、貯蔵待機させて、次の排出動作に備えるように構成してもよい。
【0015】
このように、メダル排出装置はメダル詰り回避機能を有しているため、メダルを1枚ずつ排出口より安定して送り出すことができ、またダウンする恐れがないため係員が、いちいちメダル排出装置の内部を開けてメダル詰りを解除するような手間の掛かるメンテナンス作業も削減でき、1枚出し性能に優れた信頼性の高いメダル排出性能が得られる。このため、スロットマシン等の遊技機に適用した場合は、その遊技機の稼動率を向上することができ、また遊技者に対しては不快な思いをさせずに済み、快適な遊技利用を促進することができる。
【0016】
また、倒した筒状体をメダル貯蔵部とするため、押上辺がメダルをメダル貯蔵部の内周面に沿って押上げながらメダルを撹拌して該メダル貯蔵部の内部でフラットにし、メダル貯蔵部で半径方向の立姿になることを防止する。このため、メダルの排出に適した貯蔵状態になるほか、該メダル排出装置を小型化して小さい空間に取付けることができ、またメダル貯蔵位置から排出口までの距離が短くなるため複数枚のメダルの高速排出化が図れる。
【0017】
さらに、可変許容手段の実施の形態として、メダルの排出時に排出口に加わるメダルの押出し抵抗に応じて、細長く開口した排出口のメダル厚さ方向またはメダル径方向の開口部を広くなる方向に弾性支持して可動許容する可動片を備えて構成することができる。
【0018】
このようにした場合は、排出口を広くなる方向に一部可動する可動片を付設するだけのため、小型で配設スペースが小さくて済み、また簡単な構造のため製作が容易で低コストに実現できる利点がある。
【0019】
【発明の実施の形態】
この発明の一実施の形態を以下図面に基づいて説明する。
【0020】
図1は遊技ホールに設置されるスロットマシン1を示し、このスロットマシン1は、前面中央に遊技中に操作する操作スイッチ5bを3つ並設しており、その左側に駆動レバー5aを備えている。
【0021】
スロットマシン1の前面中央右側には、遊技利用されるメダルMを30枚程度受入れる容器状の投入口2を備えており、その右横には返却ボタン3を隣設している。
【0022】
スロットマシン1の下部中央に返却口7を設け、例えば遊技者が返却ボタン3を押下した場合に、返却口7からメダルMが返却される。
【0023】
図2はスロットマシン1の前面扉1aを片開き式に開口した扉の内面状態を示し、この開口されたスロットマシン本体1b側の上部には回転して遊技を行うリール16を備え、下部にはメダル取込み用のホッパ17と、メダル返却通路(図示せず)と、電源装置8とを備えている。
【0024】
一方、前面扉1aの内面側には、上部より前記リール16を可視状にカバーするリールカバー15、メダルの適否を選別して正規の大きさのメダルを内部に取込み、不適な大きさのメダル類を外部の返却口7に返却するメダルセレクタ19、メダルMを返却する返却口7を配設し、前記メダルセレクタ19の前段(図中左側)にメダルMを1枚ずつ排出するメダル排出装置31を配設している。
【0025】
このような構成により、上述の投入口2から一度に投入された複数枚のメダルを、1枚出し用のメダル排出装置31に導いて、これより1枚ずつメダルセレクタ19に送り出して正規サイズのメダルを認識し、駆動レバー5aおよび操作スイッチ5bの操作による遊技を許容している。
【0026】
図3はスロットマシン1の制御回路ブロック図を示し、制御部20は、演算処理、制御処理を実行するCPU21、各処理を行わせるための制御プログラムを格納し、書き換え不可能な不揮発性のROM22、制御動作に必要なデータを記録する揮発性のRAM23、管理装置(図示せず)や台間機(図示せず)との送受信を許容する通信インターフェース24を備えて構成する。
【0027】
この制御部20に接続して、電源装置8、リール16(図2)の駆動系である遊技駆動装置4、遊技の操作系である遊技操作装置5、およびメダル計数装置6を設ける。
【0028】
上述の各装置の動作について説明すると、電源装置8は、外部から供給される電力を動作電力に変換し、上述の各装置に供給する。
遊技駆動装置4は、前記リール16を前記制御部20の制御に基づいて駆動する。
【0029】
遊技操作装置5は、遊技者が前記駆動レバー5aおよび操作スイッチ5bを操作することで、リール16の回転開始や回転停止等の遊技信号を前記制御部20に出力する。
【0030】
メダル計数装置6は、メダルセレクタ19で選別された正規サイズのメダルを計数し、その計数信号を制御部20に出力する。
【0031】
以上の構造および各動作より、スロットマシン1は、投入口2に投入されたメダルMのうちメダルセレクタ19で選別した正規サイズのメダルMをメダル計数装置6で計数し、その計数値にしたがって制御部20で制御して遊技駆動装置4によるリール16の駆動、および遊技操作装置5によるリール16の停止を実行して、遊技許容している。
【0032】
次に、メダル排出装置31の構成について説明する。
【0033】
図4はメダル排出装置31の分解図を表しており、メダルを一時貯蔵するメダル貯蔵部40、回転してメダルを押上げる回転体50、前記メダル貯蔵部40の蓋とメダルの投入口と排出口を兼ねる蓋部60、前記回転体50を回転させる駆動源であるモータ70、および該モータ70の駆動力を前記回転体50に伝達する動力伝達部80で構成する。
【0034】
前記メダル貯蔵部40は、略水平状態に倒した筒状の部材の前面を大径のテーパ状に形成した筒状体41を備え、その背面を縦長の略長方形の板状に形成した裏蓋42の上部で閉鎖する。該裏蓋42の上部中央には回転体50の軸穴42aを設け、下部中央にはモータ軸穴42bを設ける。
【0035】
前記メダル貯蔵部40の左横側面には、メダルを略前面方向へ排出するメダル排出部43を設ける。該メダル排出部43は上部に斜面状の係止辺43aを設け、下方から押上げられるメダルの上部を係止するのであるが、詳細については後述する。
【0036】
前記回転体50は、背面に形成した円盤状の背面体51と、その円周上に略垂直に4つ配設したメダル1枚分程度の厚みを有する板状の回転羽52と、該回転羽52の前面側先端に前記背面体51に対向して備えた略リング状の脱出防止リング53およびその脱出防止辺53aと、背面体51の中心に突設した回転軸54とで構成する。この場合、背面体51がメダル貯蔵部40の奥部を閉鎖する部材となる。
【0037】
前記回転軸54の背面突出部分をメダル貯蔵部40の軸穴42aに挿入し、この回転軸54を中心に回転させると、背面体51と脱出防止リング53の外周、および回転羽52は、筒状体41の内側面に沿って回転する。
【0038】
前記蓋部60は、正面視四角形の板部61の上部中央に側面視三角形で上面を開口したメダル投入口62を設け、板部61の左側には左辺中央近辺から正面視右下へ切り込みを入れて、メダル1枚出し用に細長く開口するメダル排出溝63を設ける。
【0039】
またこの蓋部60は、メダル貯蔵部40に設けた筒状体41の正面開口部分を閉鎖するように取付け、メダル排出溝63が前記メダル排出部43とほぼ一致するようにする。
【0040】
前記モータ70は、背面側に突出する回転軸71をメダル貯蔵部40に設けたモータ軸穴42bに回転可能に挿入し、裏蓋42に固定する。
【0041】
前記動力伝達部80は、回転体50に設けた回転軸54に嵌め込む回転体側プーリ81aと、モータ70に設けた回転軸71に嵌め込むモータ側プーリ81b間をゴムベルト82で張設して、駆動力を伝達可能に結合している。
【0042】
このような各構成要素を結合して図5に示すメダル排出装置31を構成する。
メダル投入口62から投入されたメダルMは、回転軸54で拡散されてメダル貯蔵部40の内部に一時貯蔵される。このとき、モータ70の回転力が動力伝達部80を介して回転体50に伝達され、この回転体50が正面視時計回りに回転すると、回転羽52が倒れているメダルM1を筒状体41の内側面に沿って押上げ、係止辺43aと回転羽52でメダルMを挟んで、その合力でメダル排出溝63からメダルMを1枚ずつ排出する。このメダル排出溝63から複数のメダル(M1およびM2)が重なった状態で排出されようとした場合には、脱出防止辺53aで筒状体41の内側にあるメダルM2が抜け出すのを防止し、筒状体41内で最も外側にあるメダルM1だけを排出する。
【0043】
次に、図6に示した制御回路ブロック図を参照してメダル排出装置31の排出制御動作について説明する。
【0044】
モータ70は、電源装置8から切替え装置33を介して電源の供給を受け、回転運動を実行する。
【0045】
切替え装置33は、電源装置8から供給される電源の正負を切替える装置であり、制御部20の制御信号にしたがってモータ70に供給する電源の正負を切替える。
【0046】
電流検知装置34は、モータ70の電流を監視しており、過電流を検出すると制御部20に検知信号を送信する。
【0047】
電源装置8と制御部20については、図3において説明した動作と同一であるため詳細な説明を省略する。
【0048】
以上の構造により、モータ70は電源装置8から電源供給を受けて回転運動を実行し、これにより回転体50を回転させ、メダルMをメダル排出部43の係止辺43aと回転体50の回転羽52との上下の対向面間で挟んで、その合力でメダルMをメダル排出溝63から排出させる。メダルMが詰まった場合には、電流検知装置34で過電流を検知して制御部20で切替え装置33に電源の正負を切替えさせ、モータ70を逆回転してメダル詰りを解除可能に設けている。
【0049】
次に、メダルMを回転羽52と係止辺43aとで挟んで、その合力で排出する動作について、図7(A)〜図7(D)を参照して説明する。
【0050】
メダル貯蔵部40の筒状体41の内側面に沿って倒れているメダルMを、回転体50の回転羽52で時計回りに押上げると、図7(A)に示すように、押上げられたメダルMの上部はメダル排出部43の係止辺43aに当たる。
【0051】
さらに、回転羽52を回転させると、図7(B)に示すように、係止辺43aから受ける垂直抗力Mbと回転羽52から受ける垂直抗力Maとの合力Mcにより、メダルMはメダル排出溝63と対応する前方(図の左側)へと押出される。
【0052】
この回転羽52の回転にしたがってメダルMは、図7(C)に示すように、押上げ方向と略直角に押出され、その後、図7(D)に示すように、前方へ押出されて行き、図4および図5に示すメダル排出溝63を通過して排出される。
【0053】
この場合、メダルMを押上げる回転羽52の押上辺52aは、メダルMの厚さより僅かに薄く形成し、その側面に傾斜面52bを形成することで、回転羽52を必要な強度を有する厚さに形成したうえで、メダルMを1枚だけ押上げるようにしている。
【0054】
また、上述の押上辺52aおよび係止辺43aは、直線状でも曲線状でもよいし、辺自体が角辺であっても曲辺であってもよい。
このような構成により、一括投入された複数枚のメダルを1枚ずつ分離して高速排出することができ、メダル排出装置31を小型化して小さい空間に取付けることができる。また押上辺52aは、メダルMをメダル貯蔵部40の内側面に沿って押上げると共に、他のメダルを撹拌してメダル貯蔵部40の内部でフラットにし、メダル貯蔵部40の半径方向で立姿になることを防止している。
【0055】
このため、遊技者によって手づかみで投入口2(図1)に投入された数十枚のメダルを、メダル排出装置31で1枚ずつメダルセレクタ19に送り出すことができ、遊技者が1枚ずつメダルを投入する必要がなくなる。
【0056】
また、上述のメダル排出装置31において、メダル貯蔵部40はメダル排出側が大径となるテーパ状に形成するのが適している。これにより、メダル排出側の底部が下に下がり、押上辺52aで押上げられるメダルMは重力で排出側に寄せられ、メダルMがメダル排出溝63から容易に出るようになり、排出効率が高まる。また、テーパ状にすることでメダルが倒れ易くなるため、メダルが立ったままの状態で筒状体内に残ることがない。
【0057】
ところで、上述のメダル排出装置31のメダル排出溝63には、図8に示すように、メダル詰りを未然に回避する溝間隔可変機構91を備えている。
【0058】
前記溝間隔可変機構91は、図9(A)にも示すように、板部61に切欠いた縦長で傾斜状態のメダル排出溝63に対し、このメダル排出溝63を囲む両側面のうち、先ず、一側(図中左側)には、同溝63の傾斜角度に沿わせてメダルを排出するためのL形ガイド片92を有し、このL形ガイド片92と対向する他側(図中右側)にスライド可動片93を対設している。
【0059】
上述のスライド可動片93は、メダル排出溝63の片側面(図中右側)に連通して板部61に開口したスライド空間部93aに、該スライド可動片93を左右方向にスライド許容して配設し、このスライド可動片93の正面視右側端面に付勢バネ94を対設させて、該スライド可動片93をメダル排出溝63側に付勢している。
【0060】
この場合、付勢バネ94はメダル排出溝63に対して均等に付勢するように上下に2個配設し、その付勢力は、メダル詰り力を退避させるのに適した押圧付勢力に設定するものであり、例えば500gf程度の押圧付勢力に設定する。
【0061】
通常は、スライド空間部93aの上下面にその空間内方に向けて突出形成したスライド位置規制用の上下のストッパ片95a,95bに、該スライド可動片93の上下面にスライド許容長さ凹部形成したスライド凹部96a,96bがスライド可能に凹凸対応して、メダル排出溝63のメダル厚さ方向(左右方向)の溝間隔をメダル1枚出しに適した間隔に保持している。
【0062】
このような構成を有する溝間隔可変機構91は、メダルの排出時にメダルMの過剰な押出し抵抗がメダル排出溝63に加わった場合、図9(B)に示すように、メダルの押出し抵抗を受けてスライド可動片93が付勢バネ94の付勢力に抗して、メダル排出溝63のメダル厚さ方向を広くなる方向にスライドして退避可能に設けている。
【0063】
このときのメダル詰り現象としては、図14にも示したように、送り出される排出直前のメダルが排出方向と異なった向きのまま排出されようとしたときにメダル詰りを起すものであり、図10(A)に示すように、メダルMの先行部分がメダル排出溝63の正規の送り出し方向と異なった向きに臨んだとき、メダルMとスライド可動片93が接する上下の接点部分101,102から受けるメダルの外向きの受圧力P1と、メダルMと係止辺43aが接する接点部分103(図10B参照)およびメダルMとL形ガイド片92が接する接点部分104から受けるメダルMの内向きの受圧力P2とは、同一メダルMが受ける力の方向が相反し、さらに図10(B)に示すように、メダルMと押上辺52aが接する接点部分105から受けるメダルの上向きの受圧力P3とは異なり、これら5点の接点部分101〜105で挟まれてメダルMはメダル排出溝63の位置でメダル詰りが発生しょうとする。
【0064】
ところが、この場合はスライド可動片93がメダル排出溝63のメダル厚さ方向にスライド許容する退避構造を有しているため、該スライド可動片93との上下2個所の接点部分101,102を起点に該スライド可動片93が開放される如く退避する。このため、メダルMは円筒の外向きに押し付けられる力が無くなり、該メダルMは係止辺43aと外れて上方に逃げ、メダルは押出されず、そのままメダル貯蔵部40内を循環して、次の排出に備えられる。
【0065】
この結果、メダル排出時にバランスを崩したメダルが導かれても、その不適な詰り誘起方向の力を自然に逃がすことができるためメダル詰りが未然に回避される。
【0066】
図11は溝間隔可変機構91の可変動作を示し、メダル排出時の可変動作を図11(A)〜図11(D)を参照して説明する。
【0067】
通常、メダルMが正規の送り出し方向に押出されてきたときは、図11(A)に示すように、メダル排出溝63の部分での接触抵抗が小さく、メダルMは同送り出し方向の押出し力を受けて、そのまま安定して送り出される。このときは、スライド可動片93は大きな外力を受けないのでスライド退避せず、メダル排出溝63の正規の1枚出し間隔を保持している。
【0068】
ところが、メダル排出溝63の位置にバランスを崩した排出に不適な向きの状態のメダルMが導かれたときは、そのままではメダル詰りを起すが、図11(B)に示すように、そのメダルMと接するスライド可動片93が大きな外力を受けた時点で、その外力を逃がすことができる横方向にスライド退避し始める。
【0069】
その後、図11(C)に示すように、スライド可動片93がメダル排出溝63を広がる方向にスライドして十分に退避するため、メダルMはメダル貯蔵部40内の円筒内周面に沿う上方に押上げられ、この結果、メダルを上方に逃がしてメダル詰りを回避することができる。
【0070】
メダル詰りが回避されたメダルMは、図11(D)に示すように、メダルMは排出されず、係止辺43aと外れて上方に逃げ、メダルは押出されず、メダル貯蔵部40内を循環して、次の排出に備えられる。
【0071】
このメダル詰りの回避動作が終わると同時に、一時的に後方にスライド退避したスライド可動片93は付勢バネ94によって押戻され、再び元の位置に復帰して、次のメダル詰りの回避動作に備えられる。
【0072】
このように、メダル排出溝63に、メダル詰りを誘起しやすいバランスを崩した不安定な状態のメダルMが導かれても、そのメダル排出溝63に加わるメダルの押出し抵抗に応じて、該メダル排出溝63を広くなる方向に可変させる溝間隔可変機構91を設けているため、メダル詰りを未然に回避することができ、複数枚のメダルMを1枚ずつ安定して送り出すことができる信頼性の高いメダル排出性能が得られる。
【0073】
図12は他の実施の形態のメダル排出装置121を示し、このメダル排出装置121は、上述の実施の形態とは溝間隔可変機構122のみが異なり、他は同一の構成のため、異なる溝間隔可変機構122についてのみ説明する。
【0074】
前記溝間隔可変機構122は、メダルの厚さ方向の溝間隔を可変するのではなく、メダル径方向(上下方向)の溝間隔を可変するものであって、図13(A)に示すように、メダル排出溝123の上面側に、付勢バネ124で回動片125をメダル排出溝123側に付勢対設している。
【0075】
上述の回動片125は、既述した実施の形態のスライド可動片93と同様の役割を果し、該回動片125は回動支点ピン126によって回動自由に軸支され、通常は付勢バネ124で下向きに付勢されて回動片125の下面125aが、1枚出し間隔に設定された溝上側の下限位置係止面127に回動停止されている。
【0076】
このような構成を有する溝間隔可変機構122のメダル排出時に、排出には不適な向きのバランスを崩した状態のメダルMが導かれて、このメダル排出溝123にメダルを介して過剰な押出し抵抗が加わった場合は、図13(B)に示すように、メダルMの押出し抵抗を受けて回動片125が付勢バネ124の付勢力に抗してメダル排出溝123のメダル径方向を広くなる上方向に回動退避する。
【0077】
その後、図13(C)に示すように、回動片125がメダル排出溝123を広がる方向に回動退避するため、メダルMはメダル貯蔵部40内の円筒内周面に沿う上方に押上げられ、この結果、メダルを上方に逃がしてメダル詰りを回避することができる。
【0078】
このように、メダル排出溝123の上方を退避させてメダル排出溝123の開口部を拡大するように構成しても、上述の実施の形態と同様な作用効果が得られる。
【0079】
この回動退避構成の溝間隔可変機構122を採用した場合、実験の結果、回動片125に対する付勢力は、メダルMが回動片125を200gf以上の力で押上げるときに、回動片125が回動退避し始めるのが適していることが認められた。このため、回動片125を200gf程度の力で付勢支持するのが適している。
【0080】
上述のように、メダル排出溝の部分には、排出されるメダルの押出し抵抗に応じて、該メダル排出溝が広くなる方向に一時退避する溝間隔可変機構を有しているため、メダル詰りを起しやすいバランスを崩した不安定な状態のメダルが導かれても、この狭いメダル排出溝でのメダル詰りを未然に回避できる。
【0081】
この発明の構成と、上述の実施の形態の構成との対応において、
この発明の遊技機は、実施の形態のスロットマシン1に対応し、
以下同様に、
排出口は、メダル排出溝63,123に対応し、
可変許容手段は、溝間隔可変機構91,122に対応し、
回転片は、回転羽52に対応し、
駆動手段は、モータ70及び動力伝達部80に対応し、
可動片は、スライド可動片93および回動片125に対応し、
投入口は、メダル投入口62に対応し、
弾性支持は、付勢バネ94,124に対応するも、
この発明は、請求項に示される技術思想に基づいて応用することができ、上述の実施の形態の構成のみに限定されず、多くの実施の形態を得ることができる。例えば、メダル排出装置31はスロットマシンに限らず、メダルを投入して遊技を行う各種遊技機に適用することができ、メダルを使用する装置であれば備え付けることができる。また、メダル排出装置31,121には一方の溝間隔可変機構だけでなく、双方の溝間隔可変機構91,122を併設して構成することもできる。
【0082】
【発明の効果】
この発明によれば、メダル詰り回避機能を有しているため、メダル詰りに起因して装置全体がダウンする恐れがなくなり、係員がいちいちメダル排出装置の内部を開けてメダル詰りを解除するような手間の掛かるメンテナンス作業が確実に解消され、1枚出し性能に優れた信頼性の高いメダル排出性能が得られる。例えば、スロットマシン等の遊技機に適用している場合は、その遊技機の稼動率を向上することができ、また遊技者に対しては不快な思いをさせずに済み、快適な遊技利用を促進することができる。さらに、部分的に可動する可動片を付設するだけの簡単な構成で対処できるため、小型で配設スペースが小さくて済み、しかも製作が容易で低コストに実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】スロットマシンの外観を示す斜視図。
【図2】スロットマシンの前面扉を開けた状態の正面図。
【図3】スロットマシンの制御回路ブロック図。
【図4】メダル排出装置の分解斜視図。
【図5】メダル排出装置の要部斜視図。
【図6】メダル排出装置の制御回路ブロック図。
【図7】メダル排出装置の動作説明図。
【図8】メダル排出装置の外観斜視図。
【図9】溝間隔可変機構のスライド可変状態を示す動作説明図。
【図10】メダル詰り発生時の加圧状態を示す動作説明図。
【図11】メダル詰り回避状態を示す動作説明図。
【図12】他の実施の形態のメダル排出装置の外観斜視図。
【図13】図12の溝間隔可変機構の回動可変状態を示す動作説明図。
【図14】従来のメダル詰り発生状態を示す動作説明図。
【符号の説明】
1…スロットマシン
31,121…メダル排出装置
43a…係止辺
50…回転体
52a…押上辺
63,123…メダル排出溝
91,122…溝間隔可変機構
93…可動片
94,124…付勢バネ
125…回動片
M…メダル
Claims (4)
- 倒した筒状体の一端を閉鎖し、他端にメダルの投入口と排出口を形成したメダルを貯留するメダル貯蔵部と、
前記メダル貯蔵部の内側には、円盤状の板の円周上に略垂直に配設した複数の回転片を形成した回転体と、
該回転体を回転させるための駆動手段とを有し、
前記回転片に、前記回転体の回転によりメダル貯蔵部内で倒れたメダルの縁部と当接し、前記メダル貯蔵部の内周面に沿って押上げる押上辺を形成し、
前記メダル貯蔵部の内周面には、前記排出口に前記回転片が近づいたとき、前記押上辺と対向し鋭角に立体交差してメダルを前記排出口に押出す係止辺を形成し、
前記排出口には、前記メダル貯蔵部から押し出された時に加わるメダルの押出し抵抗に応じて細長く開口した排出口の開口部を広くなる方向に可変させる可変許容手段を備えた
メダル排出装置。 - 可変許容手段は、メダルの排出時に排出口に加わるメダルの押出し抵抗に応じて前記細長く開口した排出口のメダル厚さ方向の開口部を広くなる方向に弾性支持して可動許容する可動片を備えた
請求項1記載のメダル排出装置。 - 可変許容手段は、メダルの排出時に排出口に加わるメダルの押出し抵抗に応じて前記細長く開口した排出口のメダル径方向の開口部を広くなる方向に弾性支持して可動許容する可動片を備えた
請求項1記載のメダル排出装置。 - メダルを投入して遊技を行う遊技機であって、
一括して投入された複数枚のメダルを1枚ずつ排出口より排出する
請求項1、2または3記載のメダル排出装置を備えた遊技機。
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