JP4119524B2 - 帯電防止性ハードコートフィルム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、防塵性と耐擦傷性とをもつフィルムに関する。特に本発明は、ワープロ、コンピュータ、テレビなどの各種ディスプレイ、液晶表示装置に用いる偏光板の表面、透明なプラスチック類からなるサングラスのレンズ、度付きメガネのレンズ、カメラ用ファインダーのレンズなどの光学レンズ、各種計器のカバー、自動車、電車などの窓ガラスの表面の粉塵による汚れ防止と耐擦傷性に優れた透明フィルムに属する。
【0002】
【従来の技術】
カーブミラー、バックミラー、ゴーグル、窓ガラス、特にパソコン、ワープロなど電子機器のディスプレイ、その他種々の商業ディスプレイなどには、ガラスやプラスチックなどの透明樹脂板が使用されている。そして、これらの透明樹脂板は、ガラス板と比較して軽量で破損し難いものではあるが、静電気による粉塵付着や、硬度が低いために、耐擦傷性が劣り、傷がつき透明性を損なうという問題があった。
【0003】
従来、これらの静電気による粉塵の付着や、摩擦による擦傷による透明性の低下を防止する技術には、プラスチックの表面に、帯電防止塗料を塗工したり、ハードコート層を塗工する方法などがあった。
【0004】
しかしながら、異物付着を防ぐ程度に帯電防止剤などの導電性材料を分散したハードコート層は、透明性に欠けるばかりでなく、硬化が阻害され耐擦傷性を満たす十分な硬度を得ることができないものであった。
また、金属酸化物などの蒸着で透明性が高い導電性薄膜を形成することはできるが、蒸着工程は生産性が劣りコストの増大をもたらし、しかも耐擦傷性が十分でないという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、各種ディスプレイに使用して透明基板を通して識別する物体や文字、図形などの視覚情報、あるいはミラーからの像を透明基板を通して反射層から観察する場合に、これら透明基板の表面に静電気による異物の付着を防止し、かつ、摩擦による擦り傷などで透明性を損なわない十分な硬度をもつ、帯電防止性ハードコートフィルムを提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明によるハードコートフィルムは、これを通してみる画像の認識に支障がない程度の透明性を維持できるものである。
すなわち、上記の課題を解決するため、本発明による帯電防止性ハードコートフィルムは、透明基材フィルムと、この基材フィルムに設けられた透明導電性層と、透明導電性層上に設けたハードコート層とからなることを特徴とする。
そして、本発明の好ましい態様においては、前記透明導電性層の表面抵抗率が、1012Ω/□を超えないものからなる。
【0007】
また、好ましい態様においては、前記ハードコート層は、厚み方向の体積抵抗率が108 Ω・cm以下のものからなる。
また、別の好ましい態様においては、前記ハードコート層は、反応硬化性樹脂組成物からなり、その厚みが、1μm〜50μmである。
また、別の好ましい態様では、前記ハードコート層は、膜面方向の抵抗率が高く、膜厚方向の抵抗率が低い異方導電性ハードコート層からなる。
【0008】
そして前記異方導電性層は、導電性微粒子を含むハードコート樹脂からなり、該導電性微粒子の粒径が塗工厚みの1/3以上のものであることが好ましい。
また、前記導電性微粒子は、好ましくは、金および(または)ニッケルで表面処理をした粒子からなる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の帯電防止性ハードコートフィルムは、図1に示すように、透明基材フィルム1と、この基材フィルムに設けられた透明導電性層2と、透明導電性層上に設けたハードコート層3とからなる帯電防止性ハードコートフィルム5である。
そして、好ましくは、前記透明導電性層2の表面抵抗率は、1012Ω/□以下、さらに好ましくは108Ω/□以下である。
【0010】
また、前記ハードコート層3は、好ましくは、厚み方向の体積抵抗率が、108 Ω・cm以下、さらに好ましくは、103Ω・cm以下のものである。
また、好ましくは、前記ハードコート層3は、反応硬化性樹脂組成物からなり、好ましくはその厚みが、1μm〜50μmである。
また、図2に示すように、前記ハードコート層3は、好ましくは膜面方向の抵抗率が高く、膜厚方向の抵抗率が低い異方導電性ハードコート層31からなる。
【0011】
そして前記異方導電性ハードコート層31は、導電性微粒子4を含むハードコート樹脂からなり、該導電性微粒子の粒径が塗工厚みの1/3以上のものであることが好ましい。
また、この場合、前記導電性微粒子4は、金および(または)ニッケルで表面処理をした粒子であることが好ましい。この場合の粒子としては、シリカ、カーボンブラック、金属粒子または樹脂粒子が好ましく用いられ得る。
【0012】
本発明の透明基材フィルムは、好ましくは、セルローストリアセテート、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアセタール、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート、ポリウレタンなどの熱可塑性樹脂の延伸または未延伸フィルムからなる。
透明基材フィルムには、導電性微粒子と反応硬化性樹脂組成物とからなる導電性層を塗工したり、金属酸化物などを、蒸着やスパッタリングなど通常の方法で形成することができる。導電性層は、基材フィルムに直接、または接着を強固にするプライマー層を介して形成することができる。
これらの塗工方法としては、ロールコート、グラビアコート、バーコート、押出しコートなどを用いることができ、塗料の特性、塗工量に応じて従来公知の方法を用いることができる。
【0013】
本発明の導電性層に使用する好ましい導電性微粒子としては、アンチモンドープのインジウム・ティンオキサイド(以下、ATOと記載する)やインジウム・ティンオキサイド(ITO)などが挙げられる。
また、透明の金属又は金属酸化物を蒸着やスパッタリングして得られる導電性薄膜層を導電性層として構成することもできる。
【0014】
導電性層を構成する反応硬化性樹脂組成物は、基材フィルムとの接着がよく、樹脂組成物としての耐光性があり、耐湿性があり、また、導電性層の上に設ける異方導電性層との接着がよいものから選択することが好ましい。
なお、本発明でいう異方導電性とは、下式に示すように膜面方向の体積抵抗率(PVH)が、膜厚方向の体積抵抗率(PVV)より10倍、若しくはそれ以上の関係があることを意味する。
PVH≧10×PVV
上記関係を満足しない場合は、通常、異方導電性を有するとはいえない。
【0015】
蒸着またはスパッタリングにより設ける導電性薄膜層の好ましい例としては、ITO、ATO、金、ニッケル、酸化亜鉛/酸化アルミニウムなどが挙げられる。また、塗工により設けることができる導電性層の好ましい例としては、ポリピロール、ポリアニリンなどがある。
【0016】
本発明の導電性層を構成する樹脂組成物は、アルキッド樹脂、多価アルコールなどの多官能化合物の(メタ)アクリレート(以下、本明細書では、アクリレートとメタアクリレートの双方を含む意味で(メタ)アクリレートと記載する。)などのオリゴマーまたはプレポリマー及び反応性の希釈剤を比較的多量に含むものが好ましい。上記希釈剤としては、エチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、スチレン、ビニルトルエン、N−ビニルピロリドンなどの単官能モノマー、並びに多官能モノマー、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートなどがある。
【0017】
更に、上記の電離放射線硬化型樹脂を紫外線硬化型樹脂として使用するときは、これらの中に光重合開始剤として、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、α−アミロキシムエステル、チオキサントン類や、光増感剤としてn−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリn−ブチルホスフィンなどを混合して使用する。
【0018】
上記の電離放射線硬化型樹脂には、次の反応性有機ケイ素化合物を含ませることもできる。
Rm Si(OR′)n で表せる化合物であり、ここでR、R′は炭素数1〜10のアルキル基を表し、m+n=4であり、そしてm及びnはそれぞれ整数である。更に具体的には、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−iso−プロポキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−tert−ブトキシシラン、テトラペンタエトキシシラン、テトラペンタ−iso−プロポキシシラン、テトラペンタ−n−プロポキシシラン、テトラペンタ−n−ブトキシシラン、テトラペンタ−sec−ブトキシシラン、テトラペンタ−tert−ブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルメトキシシラン、ジメチルプロポキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルメトキシシラン、ジメチルプロポキシシラン、ジメチルブトキシシラン、メチルジメトキシシラン、メチルジエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシランなどがあげられる。
【0019】
塗工で形成する導電性層の厚みは、好ましくは0.5〜5μm、さらに好ましくは1μm(本明細書における塗工量は重量分で記載する。以下同様)以上に形成する。0.5μm以下では、透明基材フィルムに形成する導電性層の表面抵抗率を1012Ω/□以下とすることが困難であり、一方、厚さが5μm以上では導電性層の透明性がいきおい低下する場合があるので好ましくない。
【0020】
また、本発明においては、前述したように、上記透明導電性層の表面抵抗率を好ましくは1012Ω/□以下、さらに好ましくは108Ω/□以下の範囲にすることが望ましい。透明導電性層の表面抵抗率が1012Ω/□を超えると、良好な帯電防止効果が発現しないので好ましくない。
【0021】
本発明のハードコート層は、好ましくは、異方導電性層からなる。この異方導電性層は、導電性層の上に耐擦傷性に優れた硬度と、導電性を極端に損なわない層を塗工により形成するものである。
このような異方導電性ハードコート層に用いる反応硬化性樹脂組成物は、前記の導電性層と強固に接着する反応硬化性樹脂組成物を使用することができる。そして、表面の光沢に変化をもたせたり、耐擦傷性をより強固にするために、塗工後硬化する前に表面形状を賦型したり、樹脂組成物に滑剤を加えることもある。
【0022】
異方導電性層に用いる導電性微粒子は、ハードコート層が異方導電性を示すように、好ましくはその粒径がハードコート層の塗工厚みの1/3以上のもの、さらに好ましくは、1/2〜1のものから選択する。
【0023】
上記導電性粒子の粒径がハードコート層の厚さの1/3未満では、ハードコード層が異方導電性を発現しないため帯電防止性能がいきおい不充分となるので好ましくない。
【0024】
また、ハードコート層の厚さ方向の体積抵抗率は108 Ω・cm以下であることが好ましく、さらに好ましくは103Ω・cm以下である。この体積抵抗率が108 Ω・cmを超えると、良好な帯電防止性能が得られなくなるので好ましくない。
【0025】
異方導電性層に使用できる導電性微粒子としては、金および(または)ニッケルで表面処理を施した樹脂粒子が特に好ましい。
【0026】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明する。
【0027】
実施例 2
図2で示すように、実施例1で使用したポリエステルフィルムA−4350(基材フィルム1)の一方の面に、実施例1で使用したシントロンC−4456−S7を、1μm塗工・乾燥後、紫外線を照射して硬化し、導電性層2を形成した。次いで、この導電性層2の上に、ブライト20GNR4,6−EH(金及びニッケルで表面処理をした平均粒径5μmの樹脂粒子(ベンゾグアナミン)からなる導電性微粒子4:日本化学工業(株)製、商品名)を、実施例1で使用したPET−D31に0.1重量%に分散させ、トルエンで希釈した塗工液を塗工・乾燥後、電離放射線により硬化し厚み7.5μmの異方導電性ハードコート層31を形成した。基材フィルム1に導電性層2と異方導電性ハードコート層31との2層を設けた図2に示す実施例2の帯電防止性ハードコートフィルム5を作成した。
【0028】
実施例 3
実施例1と同様の基材フィルム1に、ITOのスパッタリングによる導電性薄膜層22を次の条件で形成した以外は、実施例2と同様にして異方導電性ハードコート層31とを2層に設けた図3に示す実施例3の帯電防止性ハードコートフィルム5を作成した。
導電性層の形成条件:ITOのスパッタリング
真空度5×10-6torr、基材温度を室温、アルゴンガスを100scc/min、酸素を5cc/min導入し、デポジットレート1.6オングストローム、ITOの厚み105nm。
【0029】
実施例 4
図4で示すように、実施例1で使用したポリエステルフィルムA−4350(基材フィルム1)の一方の面に、実施例1で使用したシントロンC−4456−S7を、1μm塗工・乾燥後、紫外線を照射して硬化し、導電性層2を形成した。次いで、この導電性層2の上に、実施例2に使用したブライト20GNR4,6−EHを、実施例1で使用したPET−D31に0.1重量%に分散し、トルエンで希釈した塗工液を塗工した。そして、図示はしないが、PTH−25(賦型フィルム:ユニチカ(株)製、商品名)を積層し、電離放射線により硬化し、賦型フィルムを剥離・除去して表面に凹凸形状をもつ厚み7.5μmの異方導電性ハードコート層32を構成した。基材フィルム1に導電性層2と凹凸形状をもつ異方導電性ハードコート層32との2層を設けた図4に示す実施例4の帯電防止性ハードコートフィルム5を作成した。
【0030】
実施例 5
図5で示すように、実施例1で使用したポリエステルフィルムA−4350(基材フィルム1)の一方の面に、実施例1で使用したシントロンC−4456−S7を、1μm塗工・乾燥後、紫外線を照射して硬化し、導電性層2を形成した。次いで、この導電性層2の上に、下記組成のマット導電性塗工液を、塗工・乾燥後、電離放射線により硬化し、表面にマット状の厚み7.5μmの異方導電性ハードコート層33を形成した。基材フィルム1に導電性層2とマット状の異方導電性ハードコート層33との2層を設けた図5に示す実施例5の帯電防止性ハードコートフィルム5を作成した。
マット導電性塗工液の組成(固形分比)
シリカ(平均粒径 1.5μm) 3重量部
ブライト20GNR4,6−EH(導電性微粒子) 0.1重量部
セイカビームEXG40−77(S−2) 100重量部
(セイカビーム(商品名):電離放射線硬化型樹脂、大日精化工業(株)製)
【0031】
実施例 6
実施例2と同様の方法で形成した導電性層2の上に、ブライトGNC−Gr(金およびニッケルで表面処理をした平均粒径12μmのカーボン粒子からなる導電性微粒子4:日本化学工業(株)製、商品名)を、PET−D31に0.1重量%に分散させ、トルエンで希釈した塗工液を塗工・乾燥後、電離放射線により硬化し厚み12μmの異方導電性ハードコート層31を形成した。基材フィルム1に導電性層2と異方導電性ハードコート層31との2層を設けた図2に示す実施例6の帯電防止性ハードコートフィルム5を作成した。
【0032】
実施例 7
実施例2と同様の方法で形成した導電性層2の上に、ブライト6GNM5−Ni(金で表面処理をした平均粒径7μmのニッケル粒子からなる導電性微粒子4:日本化学工業(株)製、商品名)を、PET−D31に0.1重量%に分散させ、トルエンで希釈した塗工液を塗工・乾燥後、電離放射線により硬化し厚み8μmの異方導電性ハードコート層31を形成した。基材フィルム1に導電性層2と異方導電性ハードコート層31との2層を設けた図2に示す実施例7の帯電防止性ハードコートフィルム5を作成した。
【0033】
比較例 1
実施例1で用いたポリエステルフィルムA−4350(基材フィルム1)の一方の面に、実施例1で用いたハードコート剤(PET−D31)を、トルエンで希釈して塗工・乾燥後、電離放射線により硬化し、厚み7.5μmの単層のハードコート層3を設けた図6に示す比較例1のハードコートフィルム6を作成した。
【0034】
比較例 2
実施例1で用いたポリエステルフィルムA−4350(基材フィルム1)の一方の面に、実施例1で使用したシントロンC−4456−S7を、塗工・乾燥後、紫外線を照射して硬化した厚み7.5μm導電性ハードコート層21のみを設けた、図7に示す比較例2のハードコートフィルム6を作成した。
【0035】
比較例 3
実施例1で用いたポリエステルフィルムA−4350(基材フィルム1)の一方の面に、ハードコート剤PET−D31をトルエンで希釈して、塗工・乾燥後、電離放射線により硬化して、厚み7.5μmのハードコート層3を設け、更に導電性層として実施例1で使用したシントロンC−4456−S7を塗工・乾燥後紫外線を照射・硬化して厚み1μmの導電性層21を設けて図8に示す比較例3のハードコートフィルム6を作成した。
【0036】
比較例 4
実施例1で用いたポリエステルフィルムA−4350(基材フィルム1)の一方の面に、実施例1と同様にシントロンC−4456−S7を、塗工・乾燥後、紫外線を照射して硬化し厚み1μmの導電性層2を形成した。次いで、この導電性層2の上に、実施例2で使用した、ブライト20GNR4,6−EHを0.1重量%をPET−D31に分散させ、トルエンで希釈作成した塗工液をグラビアコート・乾燥後、電離放射線により硬化し、厚み16μmの異方導電性ハードコート層を形成した。基材フィルム1に導電性層2と異方導電性ハードコート層34との2層を設けた図9に示す比較例4の帯電防止性ハードコートフィルム6を形成した。
【0037】
実施例及び比較例の各試料について、次の各項目を評価した結果を表1に示す。
積層体全光線透過率:
村上色彩技術研究所製『反射透過率計HR−100』を用いて測定する。
但し、
第1層は、基材フィルムに直接塗工した層の測定値、
第2層は、第1層の上に設けたハードコートフィルムの測定値、
第2層*は、前記第2層のみを基材フィルムに直接塗工した場合の測定値、を表わす。
鉛筆硬度:
タクマ精工製『簡易鉛筆引っかき試験機』を用いて、(MITSUBISHIUNI 2H)で1Kg荷重10mmの5回ストロークを行い、目視で傷の有無を確認し傷のつかない回数を数えて評価とした。
表面抵抗率:
三菱化学(株)製『抵抗率計MCP−HT260』を用いて各層を構成する度に表面抵抗率を測定した。
【0038】
【表1】
【0039】
本発明の帯電防止性ハードコートフィルムは、基材フィルム上に、耐擦傷性は劣るが、全光線透過率を阻害しない導電性層を設け、更にその上に、好ましくは導電性微粒子として金および(または)ニッケル処理をした粒子を含む、耐擦傷性に優れた異方導電性ハードコート層を設けることにより、全体として、表面抵抗が低く、かつ耐擦傷性に優れた帯電防止性ハードコートフィルムを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 帯電防止性ハードコートフィルムの基本構成を示す断面概略図。
【図2】 実施例の帯電防止性ハードコートフィルムの断面概略図。
【図3】 他の実施例の帯電防止性ハードコートフィルムの断面概略図。
【図4】 表面の凹凸形状を設けた実施例の帯電防止性ハードコートフィルムの断面概略図。
【図5】 表面をマットにした実施例の帯電防止性ハードコートフィルムの断面概略図。
【図6】 比較例のハードコートフィルムの断面概略図。
【図7】 比較例の帯電防止性ハードコートフィルムの断面概略図。
【図8】 他の比較例の帯電防止性ハードコートフィルムの断面概略図。
【図9】 他の比較例の帯電防止性ハードコートフィルムの断面概略図。
【符号の説明】
1 基材フィルム
2 導電性層
3 ハードコート層
4 導電性微粒子
5 本発明の帯電防止姓ハードコートフィルム
6 比較例のハードコートフィルム
21 導電性ハードコート層
22 導電性薄膜層
31,34 異方導電性ハードコート層
32 凹凸形状を賦型した異方導電性ハードコート層
33 マット状を形成した異方導電性ハードコート層
Claims (7)
- 透明基材フィルムと、前記基材フィルムに設けられた透明導電性層と、前記透明導電性層上に設けたハードコート層とからなり、
前記ハードコート層が、膜面方向の抵抗率が高く、かつ、膜厚方向の抵抗率が低い異方導電性層からなり、
前記異方導電性層が、導電性微粒子を含むハードコート樹脂からなり、
前記導電性微粒子の粒径が、異方導電性層の塗工厚みの1/3以上1以下のものである、帯電防止性ハードコートフィルム。 - 前記透明導電性層の表面抵抗率が、1012Ω/□を超えない、請求項1に記載の帯電防止性ハードコートフィルム。
- 前記ハードコート層は、厚み方向の体積抵抗率が108Ω・cmを超えない、請求項1又は2に記載の帯電防止性ハードコートフィルム。
- 前記ハードコート層が、反応硬化性樹脂組成物からなる、請求項1〜3の何れか一項に記載の帯電防止性ハードコートフィルム。
- 前記ハードコート層の厚みが、1μm〜50μmである、請求項4に記載の帯電防止性ハードコートフィルム。
- 前記導電性微粒子が、金および(または)ニッケルで表面処理をした粒子からなる、請求項1〜5の何れか一項に記載の帯電防止性ハードコートフィルム。
- 前記粒子が、シリカ、カーボンブラック、金属粒子又は樹脂粒子である、請求項6に記載の帯電防止性ハードコートフィルム。
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