JP4118669B2 - 折り畳み式運搬用容器及び折り畳み式パレットボックス - Google Patents

折り畳み式運搬用容器及び折り畳み式パレットボックス Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、不使用時には小さくコンパクトに折り畳んで収納及び運搬することができるように構成された折り畳み式運搬用容器及び折り畳み式パレットボックスに関するものである。より詳しくは、中空射出成形法を用いて容器本体の側壁の壁面に中空リブを設けることにより強度を向上させた折り畳み式運搬用容器及び折り畳み式パレットボックスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、この種の折り畳み式運搬用容器及び折り畳み式パレットボックスとしては、例えば、品物を包装、輸送及び棚卸しするためのもので、使用しないときは一つずつ積み重ねられるタイプのマテリアルハンドリング用コンテナが知られている(特許文献1参照)。このコンテナは、成形された熱可塑性コンテナが、少なくとも一つの平面状広がり部を規定しており、かつ該コンテナの該プラスチック製平面状広がり部上の所定の位置に配列された複数のプラスチック製補強部材を有している。さらに、このコンテナは、前記複数の補強用部材が前記平面状広がり部に隣接して配置された複数個の中空チャネルを規定してかつ該部材によって規定される前記チャネルから上方に向かって伸延した少なくとも一つのリブを含んで該コンテナの前記平面状広がり部に強度を付加している。
【0003】
【特許文献1】
特開平7−215337号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記従来のマテリアルハンドリング用コンテナでは、前記中空チャネルから上方に向かって伸延されたリブが設けられていたことから、平面状広がり部の厚みが厚くなり、ひいては折り畳んだ状態のコンテナの全高が高くなりやすかった。さらに、前記平面状広がり部は、主として中空チャネルによる補強構造によってその強度が顕著に高められており、前記リブが及ぼす補強構造はさほど大きくはない。
【0005】
この発明は、上記のような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、簡単な構成で容器本体の強度を容易に高めつつ、側壁の厚みを薄くするのが容易であるうえ、中空リブの成形を適切に行うことが容易な折り畳み式運搬用容器及び折り畳み式パレットボックスを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明の折り畳み式運搬用容器は、四角板状の底壁と、その底壁の周縁に沿って立設された各一対の側壁とから有底四角箱状に形成された容器本体を備え、各側壁の下端部には各側壁を容器本体の内方に折り畳むための回動手段を設けるとともに、前記側壁は第一側壁及び第二側壁からなり、第一側壁を底壁の上面に折り畳んだ後、第二側壁を第一側壁の上面に折り畳むことにより容器本体を折り畳み可能に構成した折り畳み式運搬用容器であって、前記側壁の壁面に内部に中空部が設けられた中空リブを設け、該中空リブを断面ロ字状、D字状又はO字状に形成するとともに、前記中空リブを備えた側壁は中空射出成形装置により成形され、該装置は、金型と、その金型内に溶融樹脂を射出する射出ゲートと、前記側壁の中空部内に流体を注入するための流体注入口と、同中空部と連通する余剰樹脂収容部とを備え、前記流体注入口を中空部の一端部に開口するように配設するとともに、前記余剰樹脂収容部を同中空部の他端部に連通するように配設し、さらに前記射出ゲートから金型内に溶融樹脂を射出した後、前記流体注入口から流体を注入するとともに余剰樹脂を余剰樹脂収容部内に流出させるように構成したものであり、前記中空リブの中空部は1つの空間から構成されるとともに環状をなすように形成され、前記第一側壁の中空リブは、第一側壁の最も上方の上端縁に設けられることなく、前記第一側壁の中央よりも上方の上端部に形成されていることを特徴とするものである。
【0017】
請求項2に記載の発明の折り畳み式パレットボックスは、フォーク挿入孔を備えた四角板状の底壁部材と、その底壁部材の周縁に沿って立設された各一対の側壁とから有底四角箱状に形成された容器本体を備え、各側壁の下端部には各側壁を容器本体の内方に折り畳むための回動手段を設けるとともに、前記側壁は第一側壁及び第二側壁からなり、第一側壁を底壁部材の上面に折り畳んだ後、第二側壁を第一側壁の上面に折り畳むことにより容器本体を折り畳み可能に構成した折り畳み式パレットボックスであって、前記側壁の壁面に内部に中空部が設けられた中空リブを設け、該中空リブを断面ロ字状、D字状又はO字状に形成し、前記中空リブを備えた側壁は中空射出成形装置により成形され、該装置は、金型と、その金型内に溶融樹脂を射出する射出ゲートと、前記側壁の中空部内に流体を注入するための流体注入口と、同中空部と連通する余剰樹脂収容部とを備え、前記流体注入口を中空部の一端部に開口するように配設するとともに、前記余剰樹脂収容部を同中空部の他端部に連通するように配設し、さらに前記射出ゲートから金型内に溶融樹脂を射出した後、前記流体注入口から流体を注入するとともに余剰樹脂を余剰樹脂収容部内に流出させるように構成したものであり、前記中空リブの中空部は1つの空間から構成されるとともに環状をなすように形成され、前記第一側壁の中空リブは、第一側壁の最も上方の上端縁に設けられることなく、前記第一側壁の中央よりも上方の上端部に形成されていることを特徴とするものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、この発明を具体化した実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1から図4に示すように、折り畳み式運搬用容器を構成する容器本体11は、合成樹脂(ポリプロピレン又はポリエチレン)により有底長四角箱状に形成されている。この容器本体11は、長四角板状に形成された底壁12と、その底壁12の対向する一側縁に沿って立設された第一側壁としての一対の長側壁13と、前記底壁12の対向する他側縁に沿って立設された第二側壁としての一対の短側壁14とを備えている。この折り畳み式運搬用容器の容器本体11は、一対の長側壁13を底壁12の上面に折り畳んだ後、一対の短側壁14を長側壁13の上面に折り畳むことによって、折り畳み可能に構成されている。
【0019】
底壁12の下面には、縦横に格子状に延びる多数の底壁リブ21が垂下されており、軽量化を図りつつ底壁12の強度を高めている。これら底壁リブ21間の中間部に位置する底壁12の壁面には、平面四角形状に形成された通気孔22が多数貫設されている。
【0020】
底壁12の対向する一側縁には、ほぼ四角柱状(側断面逆U字状)に形成された支持突条23が容器本体11の隣接するコーナ部間を繋ぐように立設され、その上端面で長側壁13を支持している。底壁12の対向する他側縁には、ほぼ長四角柱状(正断面逆U字状)に形成された支持突条24が容器本体11の隣接するコーナ部間を繋ぐように立設され、その上端面で短側壁14を支持している。支持突条23は長側壁13の厚みとほぼ同じ高さに形成されており、支持突条24は長側壁13の厚みと短側壁14の厚みとを加えた長さとほぼ同じ高さに形成されている。
【0021】
各支持突条23,24の上端部内方位置には、所定間隔をおいて回動手段を構成する軸受け部25が略四角孔状に凹設されている。また、図1(a)及び図4(b)に示すように、支持突条23の外側部には、正面長四角形状に形成された左右一対の収容凹部26が所定深さ凹設されている。
【0022】
図3に示すように、長側壁13の下端部内方位置には、所定間隔をおいて略四角柱状に形成された回動手段を構成する回動軸部31が垂下されている。さらに、各回動軸部31の下端部両側面には、横円柱状に形成された回動手段を構成する左右一対の回動軸31aが横方向に延びるように突設されており、前記支持突条23の軸受け部25内に回動可能となるように軸着されている。この構成により、長側壁13は、容器本体11の内方に回動されるとともに、容器本体11の外方に回動され難くなっている。
【0023】
図1(a)及び図3(a)に示すように、長側壁13の外側面上端部には、上部フランジ34及び中空リブとしての第1環状リブ35が設けられている。上部フランジ34は、長側壁13の上端縁外側部から水平面に沿って延びる長四角板状に形成されている。第1環状リブ35は、長側壁13の上端部外側面に、該長側壁13の左右両端部間を繋ぐように正面長四角環状となるように突設されている。さらに、これら上部フランジ34及び第1環状リブ35の先端面は、いずれも長側壁13の外側面外端部に位置している。
【0024】
図1(b)に示すように、この第1環状リブ35は、断面ロ字状(長四角筒状)に形成されているうえ、その内部には不定形(通常は側断面略楕円形状又は略長四角形状、成形条件等によっては側断面略三角形状や五角形状等の多角形状又は略星型状をなす場合もある)の中空部36が設けられている。即ち、この第1環状リブ35の断面形状は、その外面が先端面と両側面とからなる四角形状(台形状)に形成されているうえ、その内部には不定形の中空部36が中空状に形成されている。つまり、この第1環状リブ35は、その外側面(先端面及び両側面)に突出物がない断面ロ字状に形成されており、容器本体11を水洗い洗浄する際の洗浄性が極めて良好になっている。さらに、この第1環状リブ35は、先端側ほど僅かに狭まるテーパ形状に形成されており、成形用金型内からの離型性が良好になっている。なお、この第1環状リブ35(下端部)は、少ない構成の付加により長側壁13の強度を効果的に高めるために、好ましくは長側壁13の半分以上の高さ、より好ましくは下から3分の2以上の高さに設けられているのが望ましい。
【0025】
この第1環状リブ35の側面と先端面との境界部は、面取り(いわゆるアール(R)が形成)された面取り部37となっている。前記面取り部37は、第1環状リブ35の先端面両側縁に沿って延設されているうえ、滑らかな断面円弧状に形成されている。なお、この面取り部37の外面を構成する円弧の半径としては、好ましくは0.5〜5mm、より好ましくは1〜3mmである。前記円弧の半径が0.5mm未満の場合には、第1環状リブ35の下面に手指を引掛けて把持したとき、その環状リブ35と当接した手指に傷みを感じやすくなる。逆に5mmを越える場合には、第1環状リブ35が断面ロ字状とはならない。
【0026】
また、この第1環状リブ35は、その補強効果を高めるために、同環状リブ35の外寸に対する中空部36の寸法が大きくなりすぎないように適正に構成されている。即ち、この第1環状リブ35において、中空部36を挟んで対向する各一対の壁面のうち、どちらか一方の壁面同士の間隔が適切になるように構成されており、非常に優れた補強効果が発揮され得る。
【0027】
例えば、図1(b)に示すように、この第1環状リブ35の幅w1(最大幅又は基端部の幅)は、長側壁13の厚みd(同環状リブ35の基端部に位置する側壁13の厚み)に対して、好ましくは2〜4倍、より好ましくは3〜4倍となるように形成するとよい。なおこのとき、同第1環状リブ35の突設高さh1は特に限定されない。或いは、図1(c)に示すように、第1環状リブ35の突設高さh2は、長側壁13の厚みdに対して、好ましくは1〜3倍、より好ましくは2〜3倍となるように形成するとよい。なおこのとき、同第1環状リブ35の幅w1は特に限定されない。
【0028】
前記図1(b)に示される長側壁13において、第1環状リブ35の幅w1が長側壁13の厚みdの2倍未満の場合には、第1環状リブ35の両側部に位置する壁面が薄くなって同環状リブ35の強度が低下するか、或いは中空部36がほとんど形成されないか、のいずれかになりやすいことから好ましくない。逆に4倍を超える場合には、第1環状リブ35の両側部に位置する壁面間の間隔が広くなりすぎて両壁面による相乗的な強度向上効果が低下するか、或いは中空部36がほとんど形成されない(中実状に近くなる)ことからヒケや変形が発生しやすくなるか、のいずれかになりやすいことから好ましくない。
【0029】
つまり、この第1環状リブ35の両側部に位置する壁面間の間隔(中空部36の幅)は、前記厚みdの0.5〜2.5倍であるのが好ましく、1〜2倍であるのが最も好ましい。なお、前記中空部36は、長側壁13を成形する際の諸条件の相違により期待通りの形状及び大きさに形成させるのが技術的に極めて困難であり、前記中空部36の幅により本実施形態の第1環状リブ35を規定することができないことから、上記第1環状リブ35の幅w1や下記突設高さh1により規定する。
【0030】
さらにこのとき、この第1環状リブ35は、前記幅w1が上記範囲に形成されることによって十分な強度を発揮する。このため、前記第1環状リブ35の突設高さh1は特に限定されないが、好ましくは前記厚みdの1〜20倍、より好ましくは1〜15倍、より一層好ましくは1〜10倍、さらに好ましくは2〜9倍、さらに好ましくは4〜9倍、特に好ましくは5〜8倍であるとよい。前記突設高さh1が1倍未満の場合には、第1環状リブ35の基端部及び先端部に位置する壁面が薄くなって強度が低下するか、或いは中空部36がほとんど形成されないか、のいずれかになりやすいことから好ましくない。逆に20倍を超える場合には、長側壁13全体の厚み(h1+d)が厚くなることから、折り畳み時の容器本体11の全高を低く抑えることができなくなる。なお、本実施形態の両手で把持して運搬するタイプの折り畳み式運搬用容器においては、長側壁13の厚みdは、好ましくは1.8〜2.5mm、より好ましくは2〜2.5mmに形成されるのが望ましい。また、第1環状リブ35の突設高さh1は、好ましくは10〜30mm、より好ましくは10〜17mmに形成されるのが望ましい。
【0031】
一方、前記図1(c)に示される長側壁13は、本実施形態以外の例を示したものである。この長側壁13において、第1環状リブ35の突設高さh2が長側壁13の厚みdの1倍未満の場合には、第1環状リブ35の基端部及び先端部に位置する壁面が薄くなって同環状リブ35の強度が低下するか、或いは中空部36がほとんど形成されないか、のいずれかになりやすいことから好ましくない。逆に3倍を越える場合には、第1環状リブ35の基端部及び先端部に位置する壁面間の間隔が広くなりすぎて両壁面による相乗的な強度向上効果が低下するか、或いは中空部36がほとんど形成されない(中実状に近くなる)ことからヒケや変形が発生しやすくなるか、のいずれかになりやすいことから好ましくない。つまり、この第1環状リブ35の基端部及び先端部に位置する壁面間の間隔(中空部35の高さ)は、前記厚みdの0.5〜2.5倍であるのが好ましく、1〜2倍であるのが最も好ましい。
【0032】
さらにこのとき、この第1環状リブ35は、前記突設高さh2が上記範囲に形成されることによって十分な強度を発揮することから、同環状リブ35の幅w2は特に限定されないが、好ましくは前記厚みdの2〜10倍、より好ましくは2〜6倍、さらに好ましくは3〜4倍であるとよい。前記幅w2が厚みdの2倍未満の場合には、第1環状リブ35の両側部に位置する壁面が薄くなって強度が低下するか、或いは中空部36がほとんど形成されないか、のいずれかになりやすいことから好ましくない。逆に10倍を超える場合には、第1環状リブ35のサイズが大きくなるばかりで、長側壁13に対する補強効果が非効果的となる。
【0033】
図3(a)に示すように、長側壁13の左右両側部には、その外側部上方位置を正面長四角形状に凹設することによって規制手段を構成する係合凹部41が設けられている。この係合凹部41の下部、中央部及び上端部には、正面ほぼコ字状に形成された規制手段を構成する規制凸部42a,42b,42cがいずれも長側壁13の外側方に延びるように突設されている。さらに、規制凸部42cの上端面外側部には、略四角柱状(正面四角形状、側面台形状)に形成された係合凸部43が突設されている。また、第1環状リブ35と上部フランジ34との間に位置する長側壁13の上端部外側面には、上下方向に延びる各一対の縦リブ45a,45b,45cが突設されている。
【0034】
この第1環状リブ35を備えた長側壁13は、図示しない中空射出成形装置を用いた中空射出成形法により成形されており、第1環状リブ35の左右両端部に前記成形装置を構成する成形用の金型の跡が残されている。即ち、図5に示すように、第1環状リブ35の一端部上方位置(コーナ部)には、該環状リブ35の先端面に開口された円孔状の流体注入口跡としてのガス注入口跡51が設けられている。さらに、同環状リブ35の他端部下方位置(コーナ部)には、係合凹部41側(側方)に開口された円孔状の流体流出口跡としてのガス流出口跡52が設けられている。また、長側壁13の一端部上端面には、図5に矢印で示される位置に、溶融樹脂を金型内に射出する際の射出ゲートの跡(以下、射出ゲート跡と記載する)も僅かにその痕跡が残されている。
【0035】
ガス注入口跡51は、金型のキャビティ内に流体としてのガスを圧入することにより形成され、第1環状リブ35の外面(先端面)と中空部36との間を連通するように開口されている。このガス注入口跡51は、長側壁13の横(左右)方向の一端部(図5では左端部)に位置しているうえ、同側壁13の上下方向の一端部(上端部)にも位置している。前記長側壁13の一端部とは、長側壁13の一端(上端、下端、左端又は右端)から、同側壁13の一端から他端までの長さの3分の1以内、好ましくは4分の1以内に配設されていることを意味する。即ち、このガス注入口跡51は、長側壁13の左端から、同側壁13の横方向の長さの3分の1以内、好ましくは4分の1以内に位置している。さらに、このガス注入口跡51は、長側壁13の上端から、同側壁13の上下方向の長さの3分の1以内、好ましくは4分の1以内に位置している。
【0036】
さらに、前記ガス注入口跡51は、第1環状リブ35の横(左右)方向の一端部(図5では左端部)に位置しているうえ、同環状リブ35の上下方向の一端部(上端部)にも位置している。前記第1環状リブ35の一端部とは、前記長側壁13の一端部を規定した場合と全く同様に、第1環状リブ35の一端(上端、下端、左端又は右端)から、同環状リブ35の一端から他端までの長さの3分の1以内、好ましくは4分の1以内に配設されていることを意味する。即ち、このガス注入口跡51は、第1環状リブ35の左端から、同環状リブ35の横方向の長さの3分の1以内、好ましくは4分の1以内に位置しており、最も好ましくは第1環状リブ35の左端に位置している。さらに、このガス注入口跡51は、第1環状リブ35の上端から、同環状リブ35の上下方向の長さの3分の1以内、好ましくは4分の1以内に位置しており、最も好ましくは第1環状リブ35の上端に位置している。
【0037】
ガス流出口跡52は、前記キャビティ内にガスを圧入した後に形成され、第1環状リブ35の外面(一側面)と中空部36との間を連通するように開口されている。このガス流出口跡52は、長側壁13の横方向の一端部(図5では右端部)に位置している。即ち、このガス流出口跡52は、長側壁13の右端から、同側壁13の横方向の長さの3分の1以内、好ましくは4分の1以内に位置している。
【0038】
さらに、前記ガス流出口跡52は、第1環状リブ35の横方向の一端部(図5では右端部)に位置しているうえ、同環状リブ35の上下方向の一端部(下端部)にも位置している。即ち、このガス流出口跡52は、第1環状リブ35の右端から、同環状リブ35の横方向の長さの3分の1以内、好ましくは4分の1以内に位置しており、最も好ましくは第1環状リブ35の右端に位置している。さらに、このガス流出口跡52は、第1環状リブ35の下端から、同環状リブ35の上下方向の長さの3分の1以内、好ましくは4分の1以内に位置しており、最も好ましくは第1環状リブ35の下端に位置している。
【0039】
一方、前記射出ゲート跡は、前記ガス注入口跡51と同様に、長側壁13の横方向の一端部(図5では左端部)に位置しているうえ、同側壁13の上下方向の一端部(上端)にも位置している。
【0040】
図2及び図3(b)に示すように、短側壁14の下端部内方位置には、所定間隔をおいて略四角柱状に形成された回動手段を構成する回動軸部31が垂下されている。これら回動軸部31の下端部両側面には、回動手段を構成する左右一対の回動軸31aが突設されており、前記支持突条24の軸受け部25内に回動可能となるように軸着されている。この構成により、短側壁14は、容器本体11の内方に回動されるとともに、容器本体11の外方に回動され難くなっている。
【0041】
短側壁14の外側面には、中空リブとしての第2環状リブ75が設けられている。この第2環状リブ75は、短側壁14の周縁に沿って延びる側面四角環状(ロ字状)に形成されている。この第2環状リブ75は、上記第1環状リブ35と同様に、断面ロ字状(長四角筒状)に形成されているうえ、その内部には不定形(正断面略楕円形状又は略四角形状)の中空部76が設けられている。さらに、この第2環状リブ75は、先端側ほど僅かに狭まるテーパ形状に形成されており、成形用金型内からの離型性が良好になっている。加えて、この第2環状リブ75は、その外側面(先端面及び両側面)に突出物がない断面ロ字状に形成されており、容器本体11を水洗い洗浄する際の洗浄性が極めて良好になっている。
【0042】
この第2環状リブ75の側面と先端面との境界部には、上記第1環状リブ35と同様の面取り部が設けられている。また、この第2環状リブ75の突設高さ及び幅は、上記第1環状リブ35と同様に構成されている。また、この第2環状リブ75は、上記第1環状リブ35と同様の構成を有する中空射出成形装置により成形される。
【0043】
対向する一対の短側壁14の上端部中央には、側面長四角形状に形成された把持孔78が貫設されている。この把持孔78は、その上端部に前記第2環状リブ75の上端部が通っているうえ、下端部及び両側部には枠部78aが設けられており、各把持孔78の強度を高めている。
【0044】
図1(a)及び図3(b)に示すように、短側壁14の左右両端部には、略長四角板状に形成された規制手段を構成する規制板81が短側壁14の内側方(長側壁13と平行)に延びるように突設され、前記長側壁13の係合凹部41内に収容されるようになっている。この規制板81の裏面(内側面)下端部から中央部は、容器本体11の内側方に向かって僅かに突出するように形成されており、容器本体11を組立てたとき長側壁13の係合凹部41外側面と当接可能となるように配置され、長側壁13が容器本体11の外方に回動するのを規制するようになっている。また、図4(b)に示すように、これら規制板81は、容器本体11を折り畳んだとき、支持突条23の収容凹部26内に収容されるようになっている。
【0045】
図1(a)及び図3(b)に示すように、規制板81の下端部、中央部及び上端部には、規制手段を構成する規制孔82a,82b,82cが長四角孔状に貫設されている。これら規制孔82a,82b,82cは、長側壁13の係合凹部41外側面に突設された規制凸部42a,42b,42cを係入させるように構成されており、それら係合関係によって、容器本体11を組立てたとき、短側壁14が容器本体11の外方に回動するのを規制するようになっている。なお、前記規制孔82cは規制凸部42cの先端部と係合され、規制孔82a,82bは規制凸部42a,42b全体と係合されるように構成されている。また、規制孔82cの上方に位置する規制板81の上端部下面には、略四角柱状(正面長方形状、側面台形状)に形成された係合突条83が垂下されており、容器本体11を組立てたとき、前記規制凸部42c上端部の係合凸部43と係合されるようになっている。
【0046】
上記折り畳み式運搬用容器の作用について以下に記載する。
この折り畳み式運搬用容器の容器本体11は、底壁12、並びに対向する各一対の長側壁13及び短側壁14をそれぞれ別々に射出成形した後に組付けることによって製造される。なお、長側壁13の第1環状リブ35及び短側壁14の第2環状リブ75は、シンプレス法やAGI(Asahi Gas Injection)等の中空射出成形法(ガスアシスト射出成形法)を用いて四角筒状(中空状)に成形される。
【0047】
図5に示すように、長側壁13を成形するための中空射出成形装置は、成形用の金型と、その金型のキャビティ内に溶融樹脂を射出するための射出ゲート(図5の矢印の位置)と、同キャビティ内に流体としてのガスを注入するための流体注入口としてのガス注入口とを備えている。さらに、この中空射出成形装置は、前記キャビティ内から余剰樹脂を溢れ出させて収容するための余剰樹脂収容部を備えている。
【0048】
前記金型は、固定金型(下型)と移動金型(上型)とから構成されているうえ、両金型の型割り面(PL面)には長側壁13の外面形状をなすキャビティが形成されている。前記射出ゲート(射出口)は、長側壁13の一端部上端面を形成するためのキャビティに対して開閉可能となるように開口されているうえ、所定のタイミングで該キャビティ内に溶融樹脂を射出するように構成されている。前記ガス注入口は、第1環状リブ35の一端部上方位置先端面を形成するためのキャビティに対して開閉可能に開口されているうえ、所定のタイミングで該キャビティ内に高圧のガス(空気や窒素ガス等)を圧入するように構成されている。
【0049】
前記余剰樹脂収容部は、第1環状リブ35の他端部下方位置一側面を形成するためのキャビティに対して開口された流出口と、その流出口から延設された管状の流出路86と、その流出路86の先端に設けられた収容部とを備えている。前記流出路86の途中には、所定のタイミングで開閉するバルブ86aが設けられている。前記収容部は、余剰樹脂やガスを収容するために設けられ、流出路86よりも格段に大きな容積を備えている。
【0050】
そして、この中空射出成形装置を用いて長側壁13を成形する際には、まず、固定金型と移動金型とを型締めした後、ガス注入口及びバルブ86aを閉鎖した状態で、射出ゲートからキャビティ内全体を満たすように溶融樹脂を射出(フルショット)する。このとき、前記キャビティ内には、長側壁13の一端部(射出ゲート側、即ち左端部)から他端部(右端部)へと向かうように溶融樹脂が充填され、最終的にキャビティ内全体が溶融樹脂により満たされる。なおこのとき、第1環状リブ35の内部には、中空部36が形成されておらず、溶融樹脂が充填された中実状となっている。
【0051】
次に、前記キャビティ内の溶融樹脂の表面が硬化したところで、ガス注入口及びバルブ86aを同時に開口させ、ガス注入口より高圧のガスをキャビティ内に圧入する。このとき、前記圧入されたガスは、ガス注入口跡51から第1環状リブ35の内部へと押し込まれた後、未硬化の樹脂が多く存在する第1環状リブ35の芯部を通って流出口側へと移動しながら、該環状リブ35の芯部に位置する溶融樹脂を順次流出口へと押し出して中空部36を形成させる。さらに、前記流出口へと押し出された溶融樹脂及び該樹脂を押し出したガスは、流出路86を通って収容部へと排出される。最後に、金型を十分に冷却して樹脂を硬化させた後、固定金型と移動金型とを型開きして成形後の長側壁13を取り出す。また、短側壁14も長側壁13と同様に成形される。
【0052】
さて、この組立て状態の折り畳み式運搬用容器は、一対の長側壁13を底壁12の上面に折り畳んで載置した後、対向する残り一対の短側壁14を前記折り畳まれた両長側壁13の上面に折り畳むことによって、図4(b)に示されるように平板状に小さくコンパクトに折り畳まれる。なおこのとき、短側壁14の左右両端部に突設されている規制板81は、支持突条23の収容凹部26内に収容され、折り畳まれた状態の短側壁14の上端面が低い位置に配置される。また、この折り畳み式運搬用容器の容器本体11は、折り畳まれた状態で上下に積み重ねることができる。
【0053】
一方、前記折り畳み状態の容器本体11を組立てる際には、一対の短側壁14を回動軸31aを軸にして上方に90°回動させて支持突条24の上端面上に立設させた後、残り一対の長側壁13を同様に回動させて支持突条23の上端面上に立設させる。図1(a)に示すように、前記長側壁13を支持突条23上に立設させる際には、まず、その両側部に突設された規制凸部42a,42b,42cの先端部が、隣接する短側壁14の規制板81の規制孔82a,82b,82c内に係入される。続いて、前記規制凸部42a,42bの先端部が規制孔82a,82bの奥部に進入するとともに、前記規制凸部42c上端部の係合凸部43が規制板81上端部の係合突条83の表面上を摺動しながら乗り越える。
【0054】
その結果、この組立て状態の容器本体11は、長側壁13に設けられている係合凸部43と、短側壁14の係合突条83とが係合された状態となり、長側壁13が容器本体11の内方に回動するのが防止されている。さらに、前記短側壁14の規制板81が長側壁13の両側部外側面を覆うように突設されていることから、長側壁13の外方への回動も規制されている。従って、この組立て状態の長側壁13は、容器本体11の内方及び外方のいずれの方向にも回動規制され、支持突条23の上端面上で上下方向に立設固定されている。
【0055】
また、左右一対の短側壁14は、長側壁13の側縁と当接された状態で配置されていることから、容器本体11内方への回動が防止されている。さらに、図1(a)に示すように、短側壁14の規制板81に設けられた各規制孔82a,82b,82c内に、長側壁13両側部の各規制凸部42a,42b,42cが係入されていることから、短側壁14の容器本体11外方への回動も規制されている。従って、この組立て状態の短側壁14は、容器本体11の内方及び外方のいずれの方向にも回動規制され、支持突条24の上端面上で上下方向に立設固定されている。
【0056】
この組立て状態の折り畳み式運搬用容器は、対向する一対の把持孔78内に指を挿入し、第2環状リブ75の上端部を手で握りしめるように把持しながら運搬される。或いは、図2(a)に示されるように、対向する一対の長側壁13の第1環状リブ35の下面に親指91a以外の指91を引掛けるとともに、前記親指91aの先端部、中央部又は基端部を上部フランジ34に添えながら運搬してもよい。このとき、前記親指91aの先端部、中央部又は基端部は、長側壁13の上端縁(上部フランジ34)と当接するように配置され、容器本体11が極めて安定した状態で運搬される。なお、図2(a)では、前記親指91a以外の指91は、上方の環状リブ35の下面に引掛けられているが、その下方に位置する環状リブ35の下面に引掛けても構わない。
【0057】
一方、この折り畳み式運搬用容器の容器本体11は、組立て状態で上下に積み重ねることができるとともに、組立て状態の容器本体11の上下に、上記折り畳み状態の容器本体11を積み重ねることもできる。また、この折り畳み式運搬用容器の容器本体11は、埃や汚れ等が付着してしまった場合には、水洗い洗浄してそれらの汚れを洗い流した後に乾燥させ、繰返し再利用される。
【0058】
上記実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
・ この折り畳み式運搬用容器は、四角板状の底壁12と、その底壁12の周縁に沿って立設された各一対の長側壁13及び短側壁14とから有底四角箱状に形成された容器本体11から構成されている。さらに、各側壁13,14の下端部には、各側壁13,14を容器本体11の内方に折り畳むための回動軸部31及び軸受け部25が設けられており、対向する一対の長側壁13を底壁12の上面に折り畳んだ後、残り一対の短側壁14をその上面に折り畳むことによって折り畳み可能に構成されている。加えて、この折り畳み式運搬用容器は、側壁13,14の壁面(外側面)に、内部に中空部36,76が設けられた環状リブ35,75が突設されているうえ、それら環状リブ35,75が断面ロ字状となるように形成されている。
【0059】
このため、この折り畳み式運搬用容器は、環状リブ35,75の芯部(内部)に中空部36,76が設けられていることから、簡単な構成で容器本体11の強度を容易に高めることができる。特に、断面ロ字状をなす環状リブ35,75は、様々な方向から加わる荷重を、側壁13,14の壁面に突設された近接する2本の突設リブ92(図1(b)に示す)によって強力に受け止める。さらに、それら両突設リブ92の先端部間を架設する架設リブ93が両突設リブ92間の相対的な位置関係を強力に維持するように作用することから、前記荷重に対し著しく高い強度を発揮することができる。
【0060】
一方、この折り畳み式運搬用容器においては、著しく強度向上効果の高い中空リブ構造からなる環状リブ35,75が設けられていることから、それら環状リブ35,75の突設高さh1を小さくするのが著しく容易である。このため、各側壁13,14を薄く形成することが容易となり、折り畳み状態における容器本体11の全高を容易に低くすることができ、不使用時の収納が容易になる。また、これら環状リブ35,75は、内部に中空部36,76が設けられていることから、四角柱状等に形成された中実リブと比較して使用される合成樹脂量が少なく、容器本体11の軽量化を容易に図ることが可能である。さらに、中実部と比較して成形時のヒケや変形の発生を容易かつ効果的に抑制することができる。
【0061】
・ これら環状リブ35,75は、その外面、特に先端面に突出物がない断面ロ字状に形成されている。即ち、これら環状リブ35,75は、その先端部(先端面)が長側壁13の外側面外端部に沿うように設けられている。このため、この折り畳み式運搬用容器では、側壁13,14全体の厚み(h1+d)を薄く形成するのが容易となることから、容器本体11の折り畳み状態での全高を極めて容易に低くすることができる。加えて、この折り畳み式運搬用容器は、環状リブ35,75の外面に突出物がないことから、水洗い洗浄する際の作業性(洗浄性及び水切れ性)が極めて良好であるうえ、ゴミや埃が付着しにくくなっている。
【0062】
これに対し、前記従来のマテリアルハンドリング用コンテナでは、中空チャネルから上方に向かって伸延されたリブの先端が尖りながら突出していたことから、フォークリフトのフォーク等に引掛けられて破損してしまうといったような不具合が発生しやすかった。さらに、このコンテナでは、手指で平面状広がり部を押圧することにより折り畳まれるようになっているが、その際に同手指が前記リブの先端と当接して痛みを感じやすくなるという不具合もあった。加えて、前記平面状広がり部は、主として中空チャネルによる補強構造によってその強度が高められており、前記リブが及ぼす補強構造は、公知の板状に突設された側壁リブ(例えば縦リブ45a〜45c等)と同程度であって、中空チャネルほどは高くない。また、このコンテナでは、プラスチック製補強用部材が平面状広がり部全体に万遍なく設けられていたことから、強度向上にほとんど寄与しないものも多数見られ、軽量化が著しく困難である。
【0063】
一方、前記従来のコンテナは、ほとんどの場合が屋外で雨ざらしで使用されることから水洗い洗浄の必要性はほとんどないが、本実施形態の折り畳み式運搬用容器においては屋内での使用例がほとんどであることから水洗い洗浄により衛生的にしておく必要性が高く、洗浄性の良さは重要である。特に、本実施形態の折り畳み式運搬用容器では、環状リブ35,75が著しく高い強度を発揮することから、側壁13,14の壁面の大半が平坦又はほぼ平坦となるように形成するのが容易であり、洗浄性の極めて良好な壁面を形成しやすくなっている。また、両手で把持することによって運搬するように構成された折り畳み式運搬用容器は、最大長さが1m未満(通常は肩幅(60cm)以下)であることから、中空リブ構造を全く同じ延設方向に多数本(3本以上)設ける必要性は極めて少ない。このため、側壁13,14の構成を容易に簡略化することができるとともに、その軽量化を図るとともに洗浄性を容易に高めることができる。
【0064】
・ この折り畳み式運搬用容器では、長側壁13の上端部、即ち容器本体11を両手で把持しながら運搬する際に図2(a)のように指91が引掛けられる位置に第1環状リブ35が設けられている。このため、この折り畳み式運搬用容器では、容器本体11を両手で把持して吊下げながら運搬する際に最も大きな荷重がかかる長側壁13の上端部を第1環状リブ35によって補強するように構成されていることから、極めて簡単な構成で容器本体11の強度を著しく顕著に高めることができる。
【0065】
さらに、この折り畳み式運搬用容器では、第1環状リブ35全体が長側壁13の上端部に設けられていることから、公知の平面四角環状、断面逆U字状に形成された口枠を備えた口枠タイプの折り畳み式運搬用容器と同様な高い強度をその上端部に付与することが容易である。特に、この折り畳み式運搬用容器では、短側壁14よりも強度的に弱い長側壁13の上端部に第1環状リブ35が設けられているうえ、該環状リブ35の上下端部を構成する中空リブがともに長側壁13の上端部に設けられていることから、長側壁13の強度が著しく高められている。
【0066】
・ この折り畳み式運搬用容器は、環状リブ35,75の突設高さh1が側壁13,14壁面の厚みdの1〜20倍に形成されているうえ、同環状リブ35,75の幅w1が厚みdの2〜4倍となるように形成されている。また、図1(c)に示される折り畳み式運搬用容器の環状リブ35,75は、環状リブ35,75の突設高さh2が側壁13,14壁面の厚みdの1〜3倍に形成されているうえ、同環状リブ35,75の幅w2が厚みdの2〜10倍となるように形成されている。このため、これら環状リブ35,75は、側壁13,14の強度を著しく効果的に高めることができるような中空部36,76を形成させるのが極めて容易である。
【0067】
特に、前記中空部36,76は、その断面積(中空部分)を大きくすればする程、該中空部36,76を挟んで対向する一対の壁面(例えば突設リブ92)間の距離が離間し、それら両壁面同士が協同的に荷重を受け止めるのが困難となって強度が低下するようになっている。このため、少なくとも対向する一対の突設リブ92間の間隔、又は架設リブ93と長側壁13の壁面との間隔を、厚みdの0.5〜2.5倍となるように形成させることによって、中空部36,76の断面積が大きくなりすぎることがなく、環状リブ35,75の強度低下を効果的に防止することができる。また、環状リブ35,75の突設高さh1が厚みdの1〜3倍、幅w1が厚みdの2〜4倍となるように形成した場合には、一対の突設リブ92間の間隔、及び架設リブ93と長側壁13の壁面との間隔の両者を適正な間隔とすることができ、中空部36,76の強度をより一層高めることが容易となる。
【0068】
・ この折り畳み式運搬用容器では、環状リブ35,75が断面ロ字状に形成されるとともに、その環状リブ35,75の先端面が側壁13,14の外側面外端部に沿って延設されるように構成されている。このため、これら環状リブ35,75は、前記従来のマテリアルハンドリング用コンテナのように中空チャネルから上方に向かって伸延されたリブが設けられていないことから、その洗浄性が極めて良好となっている。さらに、前記環状リブ35,75の先端面両側縁を面取りすることによって、該環状リブ35,75の外面が丸味のある滑らかな形状となることから、手指が当接した場合でも痛くならない。特に、図2(a)に示されるように環状リブ35,75の下面に指91を引掛けて吊り下げながら運搬する際に指91が痛くなりにくい。
【0069】
・ 長側壁13を成形するための中空射出成形装置は、金型と、その金型内に溶融樹脂を射出するための射出ゲートと、中空部36内にガスを注入するためのガス注入口とを備えている。さらに、この装置は、射出ゲートが長側壁13の一端部に配設されているうえ、ガス注入口が同側壁13の一端部(同端部側)に位置する中空部36内に開口するように配設されている。そして、この中空射出成形装置は、前記射出ゲートから金型のキャビティ内に溶融樹脂を射出し、長側壁13(キャビティ)の表面を冷却させた後にガス注入口からガスを注入することによって、第1環状リブ35の内部に中空部36を形成させるように構成されている。
【0070】
このため、この中空射出成形装置では、ガス注入口が射出ゲートと近接した位置に配設されていることから、第1環状リブ35のうちガス注入口付近の溶融樹脂が最も早く冷却して硬化する。その結果、ガス注入口跡51及びその近傍に位置する中空部36が適切な形状に形成されやすく、第1環状リブ35の成形を適切に行うのが容易である。さらにこのとき、ガス注入口から注入されたガスは、より冷却された部位から温度の高い部位へと移動することから、ガス注入口から離間した位置に形成される中空部36の形状も良好にすることが容易である。またこのとき、最も適切かつ早いタイミングでガスを注入するように構成されていることから、成形のサイクルを早めてコスト削減を図ることが容易である。特に、前記ガス注入口を射出ゲートから最短距離に位置する中空部36内に開口するように配設することによって、ガス注入口跡51の近傍に位置する中空部36がより一層適切な形状に形成されやすくなる。
【0071】
さらに、この中空射出成形装置では、第1環状リブ35が長側壁13の一端部(左端部)から他端部(右端部)へと延設されているうえ、射出ゲート及びガス注入口が長側壁13の一端部(左端から3分の1以内、好ましくは4分の1以内)に配設されている。このため、この中空射出成形装置では、ガス注入口からガスを注入する際の長側壁13の一端部の樹脂の温度と、他端部の樹脂の温度との差が大きくなりやすい。このため、ガス注入口から注入されたガスは、より冷却された部位から温度の高い部位へと移動することになり、ガス注入口から離間した位置に形成される中空部36の形状をより一層良好にすることができる。
【0072】
・ 長側壁13を成形するための中空射出成形装置は、金型と、その金型内に溶融樹脂を射出するための射出ゲートと、中空部36内にガスを注入するためのガス注入口と、同中空部36と連通する余剰樹脂収容部とを備えている。さらに、前記ガス注入口は中空部36の一端部(左端部)に開口するように配設されているうえ、前記余剰樹脂収容部は同中空部36の他端部(右端部)に連通するように配設されている。そして、この中空射出成形装置は、射出ゲートから金型のキャビティ内全体にフルショットで溶融樹脂を射出した後、ガス注入口からガスを注入するとともに余剰樹脂を余剰樹脂収容部内に流出させることによって、第1環状リブ35の内部に中空部36を形成させるように構成されている。
【0073】
このため、この中空射出成形装置では、金型のキャビティ内全体に溶融樹脂を充填するように構成されていることから、溶融樹脂が行き渡らずに成形不良となる不具合が発生しない。さらに、中空部36を形成させる際の余剰樹脂を積極的に流出させるための余剰樹脂収容部が設けられていることから、キャビティ内の圧力が高くなりすぎる等の不具合を容易に防止することができる。加えて、ガス注入口が第1環状リブ35(中空部36)の一端に開口するとともに、余剰樹脂収容部の流出口が同環状リブ35(中空部36)の他端に連通するように構成されていることから、ガスの進行方向が交錯したりすることがなく、極めてスムーズに流れることができる。
【0074】
さらに、この中空射出成形装置は、射出ゲート及びガス注入口を長側壁13の一端部(左端から3分の1以内、好ましくは4分の1以内)に開口するように配設するとともに、余剰樹脂収容部を同側壁13の他端部(右端から3分の1以内、好ましくは4分の1以内)に連通するように構成されている。このため、この中空射出成形装置では、ガス注入口からガスを注入する際の長側壁13の一端部の樹脂の温度と、他端部の樹脂の温度との差が大きくなりやすい。このため、ガス注入口から注入されたガスは、より冷却された部位から温度の高い部位へと移動することになり、ガス注入口から離間した位置に形成される中空部36の形状をより一層良好にすることができる。
【0075】
なお、本実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 第2環状リブ75を省略してもよい。
・ 第1環状リブ35を短側壁14の壁面に設けてもよい。
【0076】
・ 上記実施形態では、長側壁13が第二側壁、短側壁14が第一側壁であったが、これに限らず、長側壁13を第一側壁、短側壁14を第二側壁としても構わない。即ち、対向する一対の長側壁13を底壁12の上面に折り畳んだ後、対向する一対の短側壁14を前記長側壁13の上面に折り畳むように構成してもよい。或いは、底壁12を平面正方形状に形成してもよい。
【0077】
・ 環状リブ35,75を成形するための中空射出成形法において、不活性ガス等の代わりに水蒸気を用いてもよい。或いは、環状リブ35,75を成形するための中空射出成形法において、不活性ガス等のガス以外にも、水等の液体を用いて成形してもよい。
【0078】
・ 環状リブ35,75は、容器本体11内の収容空間を減らさないために側壁13,14の外側面に突設されているのが好ましいが、側壁13,14の内側面に突設されていても構わない。さらにこのとき、環状リブ35,75の先端面は、側壁13,14の内側面内端部に沿って設けられているのが好ましい。
【0079】
・ ガス注入口を射出ゲートと同じ位置に配設してもよい。
・ ガス注入口及びバルブ86aを同時に開口させる必要はなく、ガス注入口を開口させた後にバルブ86aを開口させるように構成してもよい。このように構成した場合、中空部36の断面積を大きく形成させることが容易である。さらに、前記バルブ86aを徐々に開口させることによって、中空部36をより一層均一に形成させるのが容易となる。
【0080】
・ ガス注入口跡51及びガス流出口跡52は、円孔状以外にも、例えば三角孔状、四角孔状、五角孔状、六角孔状、八角孔状等の多角孔状、又は楕円孔状に形成しても構わない。
【0081】
・ 余剰樹脂収容部を省略するとともに、射出ゲートから金型のキャビティ内全体を満たさない量の溶融樹脂を射出(ショートショット)するように構成してもよい。このように構成した場合でも、ガス注入口から注入されるガスの量を適正な量とすることにより、第1環状リブ35の成形を適切に行うことが可能である。特に、ガス注入口が射出ゲートの近傍に設けられている場合には、射出ゲートから離間した部位における溶融樹脂の冷却が遅延するようになっていることから、その部位にガスの圧力を利用して樹脂を充填(伸延)させるのが極めて容易となる。
【0082】
・ 上記実施形態の余剰樹脂収容部を備えた中空射出成形装置において、流出口の配設位置は特に限定されないが、ガス注入口と対向する位置に設けられているのが好ましい。
【0083】
・ ガス注入口を第1環状リブ35の上端部中央(又は下端部中央)に位置するように配設するとともに、射出ゲートを長側壁13の上端(又は下端)に位置するように配設すること。なおこのとき、流出口を同環状リブ35の下端部中央(又は上端部中央)に位置するように配設してもよく、或いは前記流出口(余剰樹脂収容部)を省略するとともに射出ゲートから金型のキャビティ内全体を満たさない量の溶融樹脂を射出(ショートショット)するように構成しても構わない。
【0084】
・ ガス注入口を、長側壁13の上端から、同側壁13の上下方向の全長の3分の1以内、好ましくは4分の1以内に配設するとともに、同側壁13の左端から、同側壁13の横方向の全長の3分の1以内、好ましくは4分の1以内に配設しないこと。なおこのとき、射出ゲートは長側壁13の上端又は上端部に開口するように配設されている。このように構成した場合でも、長側壁13の上端部に位置する射出ゲートから射出された溶融樹脂が、同側壁13の上端部(上端から3分の1以内、好ましくは4分の1以内)に位置するガス注入口付近で早く冷却されることから、ガス注入口跡51付近の中空部36を適切な形状に形成させるのが容易となる。なお、前記ガス注入口及び射出ゲートを長側壁13の下端部に配設しても全く同様の効果が発揮され得る。
【0085】
・ ガス注入口を、長側壁13の左端から、同側壁13の横方向の全長の3分の1以内、好ましくは4分の1以内に配設するとともに、同側壁13の上端から、同側壁13の上下方向の全長の3分の1以内、好ましくは4分の1以内に配設しないこと。なおこのとき、射出ゲートは長側壁13の左端又は左端部に開口するように配設されている。このように構成した場合でも、長側壁13の左端部に位置する射出ゲートから射出された溶融樹脂が、同側壁13の左端部(左端から3分の1以内、好ましくは4分の1以内)に位置するガス注入口付近で早く冷却されることから、ガス注入口跡51付近の中空部36を適切な形状に形成させるのが容易となる。なお、前記ガス注入口及び射出ゲートを長側壁13の右端部に配設しても全く同様の効果が発揮され得る。
【0086】
・ ガス注入口を、第1環状リブ35の上端から、同環状リブ35の上下方向の全長の3分の1以内、好ましくは4分の1以内に配設するとともに、同環状リブ35の左端から、同側壁13の横方向の全長の3分の1以内、好ましくは4分の1以内に配設しないこと。なおこのとき、射出ゲートは長側壁13の上端又は上端部に開口するように配設されている。このように構成した場合でも、ガス注入口跡51付近の中空部36を適切な形状に形成させるのが容易となる。なお、前記ガス注入口を第1環状リブ35の下端部に配設するとともに、射出ゲートを長側壁13の下端部に配設しても全く同様の効果が発揮され得る。
【0087】
・ ガス注入口を、第1環状リブ35の左端から、同環状リブ35の横方向の全長の3分の1以内、好ましくは4分の1以内に配設するとともに、同環状リブ35の上端から、同環状リブ35の上下方向の全長の3分の1以内、好ましくは4分の1以内に配設しないこと。なおこのとき、射出ゲートは長側壁13の左端又は左端部に開口するように配設されている。このように構成した場合でも、ガス注入口跡51付近の中空部36を適切な形状に形成させるのが容易となる。なお、前記ガス注入口を第1環状リブ35の右端部に配設するとともに、射出ゲートを長側壁13の右端部に配設しても全く同様の効果が発揮され得る。
【0088】
・ 中空射出成形後に、ガス注入口跡51又はガス流出口跡52(好ましくはガス注入口跡51及びガス流出口跡52の両方)を樹脂で埋めるように構成してもよい。
【0089】
・ 余剰樹脂収容部を備えた中空射出成形装置において、射出ゲートから金型のキャビティ内全体を満たさない量(好ましくはキャビティの容積の80〜95%)の溶融樹脂を射出(ショートショット)するように構成してもよい。このように構成した場合でも、ガス注入口から注入されるガスの量を適正な量とすることにより、第1環状リブ35の成形を適切に行うことが可能である。
【0090】
・ 上記実施形態の余剰樹脂収容部を備えた中空射出成形装置において、射出ゲートの開口位置は特に限定されないが、流出口とキャビティ内で対向する位置に設けられるのが好ましい。またこのとき、射出ゲートとガス注入口との位置関係は、上記実施形態のように限定される必要はないが、上記実施形態の位置関係にあるのが好ましい。
【0091】
・ 上記実施形態の余剰樹脂収容部を備えた中空射出成形装置において、ガス注入口の開口位置は特に限定されないが、流出口がガス注入口とキャビティ内で対向する位置に設けられている必要がある。例えば、ガス注入口を第1環状リブ35の上端部中央(又は下端部中央)に位置するように配設するとともに、流出口を同環状リブ35の下端部中央(又は上端部中央)に位置するように配設すること。このように構成した場合、ガスの流れがスムーズになることから、中空部36を容易かつ適切に形成させるのが容易となる。
【0092】
・ 余剰樹脂収容部を、流出口、流出路86及びバルブ86aとから構成すること。即ち、収容部を省略すること。このように構成した場合でも、上記実施形態と同様の効果が発揮され得る。
【0093】
・ 第1環状リブ35を例えば図6(a)に示されるような断面ロ字状に形成すること。この環状リブ35は、不定形の中空部36を備えた断面ロ字状に形成されているうえ、長側壁13の内外両側面に突出するように形成されている。さらに、前記中空部36の中央部は、長側壁13の壁面を通るように設けられている。さらに、この環状リブ35の突設高さh3及び幅(最大幅又は基端部の幅)は、それぞれ上記実施形態と同じ範囲内にあるのが好ましい。一方、この第1環状リブ35の内外両先端面両側縁を大きく面取りすることによって、該環状リブ35を断面O字状となるように形成しても構わない。
【0094】
・ 第1環状リブ35を例えば図6(b)に示されるように形成すること。この環状リブ35は、不定形の中空部36を備えた断面ロ字状又はD字状に形成されている。さらに、この環状リブ35の突設高さ及び幅w3(最大幅又は基端部の幅)は、それぞれ上記実施形態と同じ範囲内にあるのが好ましい。このように構成した場合、指91を第1環状リブ35の下面に引掛けるのが容易であるうえ、該環状リブ35の上面が外方ほど低くなる円弧状に形成されていることから水洗い洗浄後の水切れが極めて良好である。
【0095】
・ 第1環状リブ35を例えば図6(c)に示されるような断面D字状に形成すること。この第1環状リブ35は、不定形の中空部36を備えた断面半円形状に形成されている。さらに、この環状リブ35の突設高さ及び幅w4(最大幅又は基端部の幅)は、それぞれ上記実施形態と同じ範囲内にあるのが好ましい。
【0096】
・ 第1環状リブ35を例えば図6(d)に示されるような断面D字状に形成すること。この環状リブ35は、不定形の中空部36を備えた断面ほぼ三角形状に形成されているうえ、その先端部を大きなRとなるように面取りすることによって面取り部37が形成されている。さらに、この環状リブ35の突設高さ及び幅w5(最大幅又は基端部の幅)は、それぞれ上記実施形態と同じ範囲内にあるのが好ましい。
【0097】
・ 図7に示すように、射出ゲート(矢印で示される位置に開口されるように配設されている)を長側壁13の一端部(左端部)に複数個(例えば図7に示されるように3個)設けること。なおこのとき、これら射出ゲートは、いずれも長側壁13の一端部に位置していればよく、同側壁13の上端部又は下端部に位置していても構わない。このように構成した場合、複数個の射出ゲートを備えていることから、金型のキャビティ内に溶融樹脂を充填しやすくすることができる。さらに、全ての射出ゲートがガス注入口と同じ側の長側壁13の一端部に配設されていることから、上記実施形態と同様に、ガス注入口からガスを注入する際の長側壁13の一端部の樹脂の温度と、他端部の樹脂の温度との差が大きくなりやすく、中空部36を適切に形成させるのが容易である。
【0098】
・ 流出路86を備えた余剰樹脂収容部を省略し、代わりに図7に示すように長側壁13の上端部に流出路100を備えた余剰樹脂収容部を設けてもよい。さらにこのとき、前記流出路100を備えた余剰樹脂収容部の流出口と、第1環状リブ35とを最短距離で繋ぐ中空リブ101を設けること。
【0099】
・ 上記実施形態では短側壁14が容器本体11の内方に回動するように構成されていたが、それに限らず、短側壁14の下端部に該側壁14を容器本体11の外方に回動させるための回動手段を設け、短側壁14を容器本体11の外方に折り畳むように構成してもよい。即ち、組立て状態の容器本体11の一側面又は対向する一対の側面を開口させることができるように構成してもよい。またこのとき、前記短側壁14の回動手段は、容器本体11の外方のみ、又は内方及び外方の両方向に回動するように構成されている。
【0100】
さらにこのとき、対向する一対の長側壁13の下端部に該側壁13を容器本体11の外方に回動させるための回動手段を設け、対向する一対の長側壁13を容器本体11の外方に折り畳むように、即ち容器本体11を平面十字状に展開することができるように構成してもよい。
【0101】
・ 上記実施形態の折り畳み式運搬用容器の底壁12下端部に、フォークリフト又はハンドリフトのフォークを挿入するためのフォーク挿入孔を設けることによって折り畳み式パレットボックスとしてもよい。即ち、この折り畳み式パレットボックスは、上記実施形態の底壁12を上壁(上面デッキ)とし、その下方位置にフォーク挿入孔が設けられた略四角板状(略直方体状)の底壁部材と、上記実施形態と同様の構成を有する各一対の長側壁13及び短側壁14とを備えた容器本体から構成されている。なおこのとき、前記側壁13,14の厚みdは、好ましくは3〜8mm、より好ましくは3〜5mmであるのが望ましい。このように構成した場合でも、簡単な構成で容器本体11の強度を容易に高めつつ、側壁13,14の厚みを薄くするのが容易である。
【0102】
さらに、前記実施形態より把握できる技術的思想について以下に記載する。
・ 前記中空リブの突設高さを前記側壁の壁面の厚みの1〜20倍とするとともに、同中空リブの幅を前記厚みの2〜4倍となるように形成したことを特徴とする折り畳み式運搬用容器。
【0103】
・ 前記中空リブの突設高さを前記側壁の壁面の厚みの1〜3倍とするとともに、同中空リブの幅を前記厚みの2〜10倍となるように形成したことを特徴とする折り畳み式運搬用容器。
【0104】
・ 前記中空リブを断面ロ字状に形成するとともに、その中空リブの先端面両側縁を面取りしたことを特徴とする折り畳み式運搬用容器。
【0105】
・ 前記中空リブを側壁の上端部に設けたことを特徴とする折り畳み式運搬用容器。
・ 前記中空リブを側壁の上端部に設けるとともに、該中空リブは前記側壁の上端縁に親指を当接させた状態で、残りの指が引掛かる位置に設けられていることを特徴とする折り畳み式運搬用容器。
【0106】
・ 前記中空リブを側壁の上端部のみに設けたことを特徴とする折り畳み式運搬用容器。このように構成した場合、容器本体の強度を高めつつ、軽量化を図るのが容易である。
【0107】
・ 前記側壁の壁面を平坦又はほぼ平坦となるように形成したことを特徴とする折り畳み式運搬用容器。
・ 前記中空リブは内部に不定形の中空部を備えた断面ロ字状、D字状又はO字状に形成されていることを特徴とする折り畳み式運搬用容器。
【0108】
・ 前記射出ゲートを前記側壁の上端縁、下端縁、左側縁又は右側縁に開口するように配設したことを特徴とする折り畳み式運搬用容器。
【0109】
・ 前記射出ゲート及び流体注入口を、ともに前記側壁の上下方向の一端部に配設したことを特徴とする折り畳み式運搬用容器。
【0110】
・ 前記射出ゲート及び流体注入口を、ともに前記側壁の横方向の一端部に配設したことを特徴とする折り畳み式運搬用容器。
【0111】
・ 前記流体注入口を射出ゲートと余剰樹脂収容部(流出口)との中間位置に設けたことを特徴とする折り畳み式運搬用容器。前記中空射出成形装置に複数個の射出ゲートを設けるとともに、前記流体注入口を、前記複数個の射出ゲートのうちの1個と、余剰樹脂収容部(流出口)との中間位置に設けたことを特徴とする請求項4から請求項7のいずれかに記載の折り畳み式運搬用容器。このように構成した場合、溶融樹脂の冷却が進行する方向と、流体が進行する方向とが一致又はほぼ一致していることから、溶融樹脂の冷却方向と流体の進行方向とが異なる場合と比較して、より冷却された部位から温度の高い部位へと流体が移動する。このため、中空リブの成形を適切に行うことが容易である。
【0112】
・ 前記流体注入口と余剰樹脂収容部(流出口)とを中空リブの対向位置に配置したことを特徴とする折り畳み式運搬用容器。このように構成した場合、流体の進行方向が交錯したりすることがなく、極めてスムーズに流れることから、中空リブの成形を適切に行うことが容易である。
【0113】
・ 前記中空リブを側面四角環状に形成するとともに、前記流体注入口及び余剰樹脂収容部(流出口)を該中空リブの対向するコーナ部に設けたことを特徴とする折り畳み式運搬用容器。このように構成した場合、流体注入口から注入された流体が2方向に分岐した後、ほぼ等しい距離進んで合流することから、中空部をより均一となるように形成させるのが容易となる。
【0114】
・ 前記流体注入口を、前記射出ゲートと余剰樹脂収容部(流出口)とを最短距離で結ぶ線上に設けたことを特徴とする折り畳み式運搬用容器。前記中空射出成形装置に複数個の射出ゲートを設けるとともに、前記流体注入口を、前記複数個の射出ゲートのうちの1個と、余剰樹脂収容部(流出口)とを最短距離で結ぶ線上に設けたことを特徴とする請求項4から請求項7のいずれかに記載の折り畳み式運搬用容器。このように構成した場合、中空リブの成形が極めて適切に行われ得る。
【0115】
・ 前記側壁の外側面に射出ゲート跡及び流体注入口跡を備えるとともに、前記射出ゲート跡及び流体注入口跡は側壁の一端部に設けられていることを特徴とする折り畳み式運搬用容器。
【0116】
・ 前記側壁の外側面に射出ゲート跡及び流体注入口跡を備えるとともに、前記射出ゲート跡及び流体注入口跡は側壁の一端部に設けられ、さらに前記流体注入口跡は前記射出ゲート跡から最短距離に位置する中空部内に開口するように設けられていることを特徴とする折り畳み式運搬用容器。
【0117】
・ 前記側壁の外側面に射出ゲート跡、流体注入口跡及び流体流出口跡を備えるとともに、前記射出ゲート跡及び流体注入口跡は側壁の一端部に設けられ、さらに前記流体流出口跡は同側壁の他端部に設けられていることを特徴とする折り畳み式運搬用容器。
【0118】
・ 前記中空射出成形装置に前記中空部と連通する余剰樹脂収容部を設け、前記流体注入口を中空部の一端部に開口するように配設するとともに、前記余剰樹脂収容部を同中空部の他端部に連通するように配設し、さらに前記射出ゲートから金型内に溶融樹脂を射出した後、前記流体注入口から流体を注入するとともに余剰樹脂を余剰樹脂収容部内に流出させるように構成したことを特徴とする折り畳み式運搬用容器。
【0119】
・ 前記射出ゲートを側壁の一端部に配設するとともに、前記流体注入口を同側壁の一端部に位置する中空部内に開口するように配設したことを特徴とする折り畳み式運搬用容器。
【0120】
【発明の効果】
以上詳述したように、この発明によれば、次のような効果を奏する。
請求項1に記載の発明の折り畳み式運搬用容器によれば、簡単な構成で容器本体の強度を容易に高めつつ、側壁の厚みを薄くするのが容易であるうえ、中空リブの成形を適切に行うことが容易である。請求項に記載の発明の折り畳み式パレットボックスによれば、簡単な構成で容器本体の強度を容易に高めつつ、側壁の厚みを薄くするのが容易であるうえ、中空リブの成形を適切に行うことが容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は実施形態の折り畳み式運搬用容器の容器本体を示す正面図、(b)は図1(a)の1b−1b線から見た側壁を示す側断面図、(c)は実施形態以外の折り畳み式運搬用容器の側壁の一部を示す側断面図。
【図2】 (a)は実施形態の一部を破断した容器本体を示す側面図、(b)は同じく容器本体の正断面図。
【図3】 (a)は実施形態の長側壁を示す正面図、(b)は同じく短側壁を示す正断面図。
【図4】 (a)は実施形態の折り畳み途中の容器本体を示す側断面図、(b)は同じく折り畳み状態の容器本体を示す正面図。
【図5】 実施形態の折り畳み式運搬用容器の長側壁を示す正面図。
【図6】 (a)から(d)はいずれも、実施形態以外の折り畳み式運搬用容器の側壁の一部を示す側断面図。
【図7】 実施形態以外の折り畳み式運搬用容器の長側壁を示す正面図。
【符号の説明】
11…容器本体、12…底壁、13…側壁及び第一側壁としての長側壁、14…側壁及び第二側壁としての短側壁、25…回動手段を構成する軸受け部、31…回動手段を構成する回動軸部、31a…回動手段を構成する回動軸、35…中空リブとしての第1環状リブ、36…中空部、75…中空リブとしての第2環状リブ、76…中空部、86,100…余剰樹脂収容部を構成する流出路、101…中空リブ。

Claims (2)

  1. 四角板状の底壁と、その底壁の周縁に沿って立設された各一対の側壁とから有底四角箱状に形成された容器本体を備え、
    各側壁の下端部には各側壁を容器本体の内方に折り畳むための回動手段を設けるとともに、
    前記側壁は第一側壁及び第二側壁からなり、第一側壁を底壁の上面に折り畳んだ後、第二側壁を第一側壁の上面に折り畳むことにより容器本体を折り畳み可能に構成した折り畳み式運搬用容器であって、
    前記側壁の壁面に内部に中空部が設けられた中空リブを設け、該中空リブを断面ロ字状、D字状又はO字状に形成するとともに、
    前記中空リブを備えた側壁は中空射出成形装置により成形され、
    該装置は、金型と、その金型内に溶融樹脂を射出する射出ゲートと、前記側壁の中空部内に流体を注入するための流体注入口と、同中空部と連通する余剰樹脂収容部とを備え、前記流体注入口を中空部の一端部に開口するように配設するとともに、前記余剰樹脂収容部を同中空部の他端部に連通するように配設し、さらに前記射出ゲートから金型内に溶融樹脂を射出した後、前記流体注入口から流体を注入するとともに余剰樹脂を余剰樹脂収容部内に流出させるように構成したものであり、
    前記中空リブの中空部は1つの空間から構成されるとともに環状をなすように形成され、前記第一側壁の中空リブは、第一側壁の最も上方の上端縁に設けられることなく、前記第一側壁の中央よりも上方の上端部に形成されていることを特徴とする折り畳み式運搬用容器。
  2. フォーク挿入孔を備えた四角板状の底壁部材と、その底壁部材の周縁に沿って立設された各一対の側壁とから有底四角箱状に形成された容器本体を備え、
    各側壁の下端部には各側壁を容器本体の内方に折り畳むための回動手段を設けるとともに、
    前記側壁は第一側壁及び第二側壁からなり、第一側壁を底壁部材の上面に折り畳んだ後、第二側壁を第一側壁の上面に折り畳むことにより容器本体を折り畳み可能に構成した折り畳み式パレットボックスであって、
    前記側壁の壁面に内部に中空部が設けられた中空リブを設け、該中空リブを断面ロ字状、D字状又はO字状に形成し、
    前記中空リブを備えた側壁は中空射出成形装置により成形され、
    該装置は、金型と、その金型内に溶融樹脂を射出する射出ゲートと、前記側壁の中空部内に流体を注入するための流体注入口と、同中空部と連通する余剰樹脂収容部とを備え、前記流体注入口を中空部の一端部に開口するように配設するとともに、前記余剰樹脂収容部を同中空部の他端部に連通するように配設し、さらに前記射出ゲートから金型内に溶融樹脂を射出した後に前記流体注入口から流体を注入するとともに余剰樹脂を余剰樹脂収容部内に流出させるように構成したものであ
    前記中空リブの中空部は1つの空間から構成されるとともに環状をなすように形成され、前記第一側壁の中空リブは、第一側壁の最も上方の上端縁に設けられることなく、前記第一側壁の中央よりも上方の上端部に形成されていることを特徴とする折り畳み式パレットボックス
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